JP3236417B2 - 機能性複層シート - Google Patents
機能性複層シートInfo
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Description
は防止するが、内部の水分は揮散させることのできる機
能性シート、殊に偏光素膜や位相差素膜の保護シートな
ど光学用途に適した機能性複層シートに関するものであ
る。
トを接着積層することにより、偏光板や位相差板が作製
される。ここで偏光素膜や位相差素膜の素材としては、
ポリビニルアルコールが最も多く使用されている。
子フィルムの使用が提案されている。たとえば、特開昭
57−64710号公報には、セルロースエステル系
(セルロースジアセテート、セルローストリアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート)、ポリスチレン
系、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート
系、ポリオレフィン系、ポリアミド系などの高分子フィ
ルムの使用可能性が示されている。特開昭58−505
01号公報には、エチレン−ビニルアルコール共重合体
フィルムの使用が提案されている。
や位相差板作製用の保護シートは、性能やコストなどを
総合考慮して、TACと通称されるセルローストリアセ
テートフィルムに事実上限られている。
や位相差板作製用の保護シートとしてセルローストリア
セテートフィルムが汎用されているものの、その製膜に
際しメチレンクロライド等の塩素系溶剤を用いなければ
ならないという不利がある上、セルローストリアセテー
トフィルムは耐スクラッチ性、耐熱性、耐透気性などの
性質が不足するので、偏光板や位相差板の取り扱い中に
あるいは液晶表示パネル作製後に、偏光板や位相差板の
表面が損傷したり、偏光素膜や位相差素膜の性能が経時
的に低下したりするおそれがある。
問題点のうち耐スクラッチ性を改善するため、セルロー
ストリアセテートフィルムの表面に硬化性樹脂層を設け
たり、無機質層を設けたりする工夫もなされているが、
耐熱性や耐透気性の改善効果は小さい上、そのような層
を設けたセルローストリアセテートフィルムを偏光素膜
や位相差素膜に水系接着剤を用いて貼り合わせると、水
系接着剤のソルベントである水が容易には揮散せず、乾
燥に長時間を要するという新たな問題点が発生する。
液晶表示パネルが普及した現在にあっては、環境汚染の
おそれのある溶剤を使用しなくて製造できること、光学
的特性、耐熱性、耐透気性および機械的特性がすぐれて
いること、偏光素膜や位相差素膜への貼り合わせに際し
水系接着剤による接着が可能でかつ接着剤中の水の逃げ
がよいことが要求されており、そのような市場の要求に
応えることが急務となっている。
部からの水分の透過は防止するが、内部の水分は揮散さ
せることができ、水系接着剤による接着が可能で、光学
的特性がすぐれており、さらには耐熱性、耐スクラッチ
性、耐透気性、機械的特性などの諸性質も良好である機
能性複層シートを提供することを目的とするものであ
る。
トは、(イ) 水可溶性ビニルアルコール系ポリマーをエチレン
性不飽和単量体でグラフト変性したポリマーアロイ(A)
でできた製膜シートの熱処理ないしエイジング品、また
は、 (ロ)前記 ポリマーアロイ(A) と水性架橋剤(B) との組
成物でできた製膜シートまたはその製膜シートの熱処理
ないしエイジング品からなり、かつ、JIS Z020
8に基く温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿
度P1 が50g/m2・24hr以上、JIS K7209に基
いて測定した吸水率が70%以下、3cm×3cmの大きさ
のシート片を20℃、40℃、70℃の水中に30分間
浸漬したときの面積膨張率がそれぞれ2以下、3以下、
4以下である透湿性耐水性シート層(1) 上に、該透湿性
耐水性シート層(1) の透湿度P1 よりも低い透湿度P2
を有する低透湿性の被覆層(2) が配設され、かつ、P1
≧2×P2 で、P2 ≧25g/m2・24hrの関係を満足する
ことを特徴とするものである。
性シート層(1) 上に低透湿性の被覆層(2) が配設された
ものからなる。
性不飽和単量体でグラフト変性したポリマーアロイ(A)
でできた製膜シートの熱処理ないしエイジング品、また
は、 (ロ)前記 ポリマーアロイ(A) と水性架橋剤(B) との組
成物でできた製膜シートまたはその製膜シートの熱処理
ないしエイジング品からなる。なお、(イ)においては
熱処理ないしエイジングは必須条件であり、(ロ)にお
いては熱処理ないしエイジングは希望条件である。
ニルアルコール系ポリマーをエチレン性不飽和単量体で
グラフト変性したものが用いられる。
アルコール系ポリマーとしては、種々の重合度およびケ
ン化度を有するポリビニルアルコール、特に重合度が8
00以上(殊に1000以上)、ケン化度98モル%以
上のポリビニルアルコールが好適に用いられる。重合度
が余りに小さいときは機械的強度や耐水性が不足し、ケ
ン化度が余りに低いときは耐水性が損なわれる。グラフ
ト基体となるビニルアルコール系ポリマーとしては、上
記ポリビニルアルコールのほか、エチレン、プロピレン
等のα−オレフィン、(メタ)アクリル酸エステル、そ
の他各種の共重合可能なコモノマーで共重合変性された
ビニルアルコール共重合体も、水可溶性を有する限りに
おいて使用することができる。
以上を用いる。使用するエチレン性不飽和単量体の少な
くとも一部は官能基含有エチレン性不飽和単量体である
ことが望ましい。そのような官能基含有エチレン性不飽
和単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等
のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸等のジカルボン酸あるいはその無水物やハーフエステ
ル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート等のOH基含有(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシアルキル
(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体などが例示
される。
不飽和単量体に代えてあるいはそのような官能基含有エ
チレン性不飽和単量体と共に、官能基を含有しないエチ
レン性不飽和単量体、たとえば、エチレン性不飽和カル
ボン酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、スチレン、塩化ビニルなどを用いることもできる。
ル系ポリマーを適当な溶媒(通常は水)に溶解または分
散し、エチレン性不飽和単量体を加えて重合触媒(過酸
化物系触媒やレドックス系触媒)の存在下に反応させる
ことにより得られる。この場合、エチレン性不飽和単量
体の一部が水可溶性ビニルアルコール系ポリマーにグラ
フト重合し、他部はエチレン性不飽和単量体同士が重合
し、全体としてポリマーが絡み合ったポリマーアロイと
なる。
ル系ポリマー(Vとする)に対するエチレン性不飽和単
量体(Mとする)の比率M/Vは、重量比で0.05〜2の
範囲から選択することが好ましい。エチレン性不飽和単
量体の割合が余りに少ないときは変性不充分となって耐
水性等の性質が改善されず、一方エチレン性不飽和単量
体の割合が余りに多いときには、製膜性が低下するため
透明性や透湿性が不足するようになり、耐透気性も低下
し、水系接着剤による接着性も低下する。
ミン樹脂系架橋剤、フェノール樹脂系架橋剤、水性ウレ
タン系架橋剤、水性エポキシ樹脂系架橋剤、水性イソシ
アネート系架橋剤、水性ポリアミン系架橋剤、ポリイミ
ン系架橋剤などが用いられる。水性とは、水溶液タイプ
または水分散液タイプを言う。
使用割合は、固形分換算で、ポリマーアロイ(A) 100
重量部に対し水性架橋剤(B) 0〜10重量部(通常は
0.2〜10重量部、好ましくは 0.5〜5重量部)とする
ことが望ましい。水性架橋剤(B) を用いないときあるい
はその割合が余りに少ないときは、ポリマーアロイ(A)
の種類、組成などによっては耐水性改善効果や耐熱性改
善効果が不足することもあるので、そのような場合には
水性架橋剤(B) を必要量使用する。一方、水性架橋剤
(B) の割合が余りに多いときは、製膜後のシートが脆く
なったり着色したりするおそれがある。
(A) の水溶液に好ましくは水性架橋剤(B) を添加、混合
し、ついでこの混合物を流延してから乾燥する方法が好
適に採用される。また、ポリマーアロイ(A) またはこれ
と水性架橋剤(B) との混合物を含水条件下に押出成形す
る方法も採用される。
処理により耐水性および耐熱性が一段と向上する。熱処
理条件は、80〜170℃、殊に100〜150℃が適
当である。熱処理時間は熱処理温度に依存するが、たと
えば熱処理を140℃で行うときは、熱処理時間を2〜
20分、殊に3〜10分とすることが望ましい。なお熱
処理は、後述の低透湿性の被覆層(2) 形成時、あるいは
その使用時(たとえば本発明の機能性シートを偏光素膜
や位相差素膜に水系接着剤を用いて貼り合わせて乾燥し
た後)に行ってもよい。
続き、比較的低温で長時間エイジングを行っても耐水性
および耐熱性が一段と向上する。たとえば、80〜14
0℃で短時間熱処理を行ってから、ロール状に巻きとっ
た状態で40〜80℃程度の低温室に1日前後放置する
か、そのような短時間熱処理を行うことなく40〜80
℃程度の低温室に数日ないし1週間あるいはそれ以上放
置してエイジングする方法が採用できる。
ート層(1) は、次に述べるような透湿度、吸水率、水中
浸漬時の面積膨張率を有することが必要である。従って
そのような特性値が得られるように、変性度、配合比
率、製膜条件、乾燥条件、熱処理条件、エイジング条件
などを設定する。
℃、相対湿度90%RHにおける透湿度が50g/m2・24
hr以上、殊に100g/m2・24hr以上、さらには200g/
m2・24hr以上。 ・ JIS K7209に基いて測定した吸水率が70
%以下、殊に50%以下、さらには40%以下。 ・ 3cm×3cmの大きさのシート片を20℃、40℃、
70℃の水中に30分間浸漬したときの面積膨張率(浸
漬後の面積/浸漬前の面積の比)が、それぞれ2以下、
3以下、4以下、殊にそれぞれ 1.5以下、 2.5以下、
3.5以下、さらにはそれぞれ 1.4以下、 2.0以下、 3.0
以下。
該透湿性耐水性シート層(1) の透湿度P1 よりも低い透
湿度P2 を有する低透湿性の被覆層(2) を配設する。こ
の場合、両透湿度P1 、P2 が、P1 ≧2×P1 で、P
2 ≧25g/m2・24hr(好ましくはP2 ≧30g/m2・24h
r)の関係を満足することが要求される。透湿性耐水性
シート層(1) の透湿度P1 が被覆層(2) の透湿度P2 の
2倍よりも小さいときは、両層(1), (2)間の透湿性の勾
配が小さいため、透湿性耐水性シート層(1) から被覆層
(2) に向けての一方的な水分移行が円滑に進まない。ま
た被覆層(2) の透湿度P2 が25g/m2・24hr未満のとき
は、被覆層(2) を通しての水分の逃げ性が劣るようにな
る。
シエーテル系樹脂架橋体、紫外線硬化型樹脂、シリコー
ン系樹脂、フッ素系樹脂、ウレタンアクリレート系樹
脂、アクリルシリコーン系樹脂、イソシアネート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ナイロン、セルロースプロピオネート、エチレン含
量の比較的高いエチレン−ビニルアルコール共重合体、
ポリスチレン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリエーテルなどのフィルム層などが例示される。
通常は透湿度が極めて小さいフィルムであると思われて
いても、膜厚を薄くすれば透湿度は大きくなるので、上
に例示した以外にも種々の高分子層を用いることができ
る。
性の被覆層(2) の配設は、通常は前者の層の片面(場合
により両面)に後者の層を形成する塗布液を流延したり
スプレーコーティングしたりすることによりなされる。
基材となる透湿性耐水性シート層(1) は、単層のもので
あっても、製膜のために使用した支持体上にあるもので
あっても、あるいは貼着対象物である偏光素膜や位相差
素膜などに貼合した状態のものであってもよい。層間密
着性を向上させるため、透湿性耐水性シート層(1) また
は被覆層(2) に属するアンカーコーティング層を介して
上層の形成を行うこともできる。透湿性耐水性シート層
(1) および被覆層(2) としてそれぞれの層のフィルムを
独立に形成したものを用い、これらを透湿性耐水性シー
ト層(1)または被覆層(2) に属する層を形成可能な接着
剤層を介して接着積層することもできる。そのほか、場
合によっては、コエクストルージョンコーティング、エ
クストルージョンコーティングなどの方法も採用するこ
とができる。
表面に、該層を構成するポリマーと反応しうるポリイソ
シアネート系やエポキシ系の化合物(プレポリマーを含
む)を接触させた後、硬化反応させることにより、透湿
性耐水性シート層(1) の表面層を低透湿性の被覆層(2)
に変換することもできる。
150μm 、被覆層(2) の層厚は 0.1〜50μm とする
ことが多いが、必ずしもこの範囲に限られるものではな
い。
ト、殊に偏光素膜の保護シートまたは位相差素膜の保護
シートとして特に有用である。この場合、本発明の機能
性複層シートを水系接着剤を用いて偏光素膜や位相差素
膜に接着積層することができる。水系接着剤としては、
水可溶性ビニルアルコール系ポリマーの水溶液、水系ウ
レタン接着剤、水系イソシアネート系接着剤、水系エス
テルウレタン系接着剤などが用いられる。
の基板、光テープ用の基材シート、光カード用の基材シ
ート、光ディスク、CRTフィルター、カラーフィルタ
ー基材、サングラス、スキーゴーグルなどがあげられ
る。光学用の用途のほか、食品包装用材料、靴や衣料用
の材料、医療用材料、農業用材料、ステッカー、ガラス
貼着材、建材、内装材、壁貼着材などとしても利用可能
である。
ート層(1) 上に低透湿性の被覆層(2) を設けたものから
なる。
要な透湿性を有する上、水可溶性のビニルアルコール系
ポリマーを素材としているにかかわらず、吸水率が小さ
く、水浸漬時の膨張率も小さい。また光等方性を有し
(レターデーション値が10nm以下)、可視光線透過率
が高い(70%以上、さらには80%以上)。加えて、
耐熱性、耐スクラッチ性、耐透気性、機械的特性も好ま
しい。
は、基本的に機能性シートとしての必要特性を備えてい
る。従ってこの透湿性耐水性シート層(1) のみで光学用
途などに有用であるが、用途あるいは使用雰囲気によっ
ては透湿性の高いことやある程度の吸水率を有すること
が、伸びに起因する表面平滑性の低下を招くことがない
わけではない。
上に透湿性を有しないフィルム層を設けることが考えら
れるが、そのようなことをすると透湿性耐水性シート層
(1)の透湿性が損なわれ、水系接着剤を用いて接着を行
ったときに水の逃げ場がなくなってしまう。
シート層(1) 上に低透湿性の被覆層(2) を設けるという
工夫を行っているため、透湿性耐水性シート層(1) から
被覆層(2) に向けての一方的な水分移行が円滑に進むと
いう特異な作用効果を奏される。つまり、たとえば、被
覆層(2) /透湿性耐水性シート層(1) /水系接着剤層/
偏光素膜や位相差素膜/水系接着剤層/透湿性耐水性シ
ート層(1) /被覆層(2) 、の層構成を採用するとき、接
着剤層の水分は透湿性耐水性シート層(1) →被覆層(2)
の方向に一方的に移行して外部に揮散するが、外部の湿
気が被覆層(2)→透湿性耐水性シート層(1) の方向に移
行することは有効に防止できるのである。
と水可溶性のビニルアルコール系ポリマーを基体として
いるため、この機能性複層シートを偏光素膜や位相差素
膜の保護シートとして用いるときは、水系接着剤による
接着積層が可能であり、また上記のように接着剤中に含
まれている水はすみやかに除去されるので、接着操作性
が良好である。
る。以下「部」、「%」とあるのは、可視光線透過率の
場合の%および伸度の場合の%を除き、重量基準で表わ
したものである。
ビニルアルコールの13%水溶液700部を仕込んだ
後、系を40〜50℃に加熱し、アクリル酸4部とN−
メチロールアクリルアミド9部とを加え、窒素を通して
系中の酸素を充分に追い出してから、4%過硫酸アンモ
ニウム水溶液6部を加えて良く撹拌し、さらに2%重亜
硫酸ナトリウム水溶液6部を加えて、重合を開始させ
た。2時間ごとに前記と同様に開始剤を加え、約8時間
重合を行った。この間、内温は40〜50℃に保持し
た。これにより、固形分15%のポリマーアロイ(A) の
水溶液が得られた。
溶液100部にメチロール化メラミン系の架橋剤(B) の
80%水溶液2部を添加、混合してから、支持体として
のポリエステルフィルム上に流延し、温度80℃で20
分間熱風乾燥後、温度140℃で5分間熱処理した。こ
れにより、透湿性耐水性シート層(1) としての厚さ42
μm のポリマーアロイシートが得られた。
・カーバイド社製)40部、メチルエチルケトン40
部、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパ
ンとのアダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン株式
会社製のコロネートL)40部とからなるフェノキシエ
ーテル樹脂系樹脂液を調製した。この樹脂液を、先に述
べたポリエステルフィルム上に形成されているポリマー
アロイシート上にアプリケーターを用いて流延し、温度
80℃で5分間乾燥してから、温度120℃で20分間
キュアし、厚さ5μm の被覆層(2) を形成させた。ポリ
エステルフィルムから透湿性耐水性シート層(1) /被覆
層(2) の複層シートを剥離することにより、目的とする
機能性複層シートを得た。
コールの15%水溶液を調製して、ポリエステルフィル
ム上に流延し、温度80℃で20分間熱風乾燥した。こ
れにより、厚さ43μm のポリビニルアルコールシート
が得られた。ついでこのポリビニルアルコールシート上
に実施例1の場合と同様にしてフェノキシエーテル樹脂
系樹脂液を流延、乾燥、キュアすることにより厚さ5μ
m の被覆層(2) を形成させ、さらにポリエステルフィル
ムからポリビニルアルコールシート/被覆層(2) の複層
シートを剥離した。
コールの15%水溶液を調製し、該水溶液100部にメ
チロール化メラミン系の架橋剤(B) の80%水溶液2部
を添加、混合してから、ポリエステルフィルム上に流延
し、温度80℃で20分間熱風乾燥した。これにより、
厚さ40μm のポリビニルアルコールシートが得られ
た。以下比較例1と同様にして、ポリビニルアルコール
シート/被覆層(2) の複層シートを得た。
コールの15%水溶液を調製し、該水溶液100部にメ
チロール化メラミン系の架橋剤(B) の80%水溶液2部
を添加、混合してから、ポリエステルフィルム上に流延
し、温度80℃で20分間熱風乾燥後、温度140℃で
5分間熱処理した。これにより、厚さ40μm のポリビ
ニルアルコールシートが得られた。以下比較例1と同様
にして、ポリビニルアルコールシート/被覆層(2) の複
層シートを得た。
い、このポリマーアロイ(A) の15%濃度の水溶液をポ
リエステルフィルム上に流延し、温度80℃で20分間
熱風乾燥し、さらに温度140℃で5分間熱処理した。
これにより、透湿性耐水性シート層(1) としての厚さ4
2μm のポリマーアロイシートが形成された。ついでこ
の透湿性耐水性シート層(1) 上に、トリレンジイソシア
ネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体の75
%溶液(日本ポリウレタン株式会社製のコロネートL、
溶媒は酢酸エチル)を酢酸エチルで50%にまで希釈し
た溶液を流延、乾燥し、続いて120℃で2〜3分間キ
ュアすることにより、透湿性耐水性シート層(1) の表面
を厚さ 0.2μm の被覆層(2) に変換させた。ついでポリ
エステルフィルムから透湿性耐水性シート層(1) /被覆
層(2) の複層シートを剥離することにより、目的とする
機能性複層シートを得た。
ビニルアルコールの13%水溶液700部を仕込んだ
後、系を40〜50℃に加熱し、メタクリル酸2部とN
−メチロールアクリルアミド14部とを加え、窒素を通
して系中の酸素を充分に追い出してから、4%過硫酸ア
ンモニウム水溶液6部を加えて良く撹拌し、さらに2%
重亜硫酸ナトリウム水溶液6部を加えて、重合を開始さ
せた。2時間ごとに前記と同様に開始剤を加え、約8時
間重合を行った。この間、内温は40〜50℃に保持し
た。これにより、固形分約15%のポリマーアロイ(A)
の水溶液が得られた。
溶液100部にメチロール化メラミン系の架橋剤(B) の
80%水溶液2部を添加、混合してから、支持体として
のポリエステルフィルム上に流延し、温度80℃で20
分間熱風乾燥後、温度140℃で10分間熱処理した。
これにより、透湿性耐水性シート層(1) としての厚さ2
0μm のポリマーアロイシートが得られた。ついでこの
透湿性耐水性シート層(1) 上に実施例1の場合と同様に
してフェノキシエーテル樹脂系樹脂液を流延、乾燥、キ
ュアすることにより厚さ5μm の被覆層(2) を形成さ
せ、さらにポリエステルフィルムから透湿性耐水性シー
ト層(1) /被覆層(2) の積層シートを剥離することによ
り、目的とする機能性複層シートを得た。
被覆層(2) を形成する前のポリマーアロイシート(実施
例1〜3)およびポリビニルアルコールシート(比較例
1〜3)をポリエステルフィルムから剥離し、次の各項
目の特性の測定または評価を行った。条件を表1に、結
果を表2に示す。
度) ・ 耐スクラッチ性(鉛筆硬度、荷重1kg) ・ ポリビニルアルコール−ヨウ素系偏光素膜との接着
性(偏光素膜に水系接着剤で貼り合わせて80℃で乾
燥、単位はg/inch) ・ ポリビニルアルコール一軸延伸フィルムからなる位
相差素膜との接着性(位相差素膜に水系接着剤で貼り合
わせて80℃で乾燥、単位はg/inch) ・ 接着操作時の水抜け性 ・ 耐溶剤性(酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルム
アミド(DMF)中に常温で1時間浸漬したときの変化
の有無を観察し、変化なしの場合を良好と判定) ・ 耐熱性(巾20mmのストリップを直角の机の角から
水平方向に10mm浮かせ、温度100℃に5分間保って
から、垂れの有無を測定) ・ レターデーション値(R値) ・ 可視光線透過率 ・ 透湿度(JIS Z0208に基き、温度40℃、
相対湿度90%RHで測定、単位はg/m2・24hr) ・ 酸素透過率(ASTM D−1434−75に準じ
て測定、単位は cc/24hr・m2・atm ) ・ 吸水率(JIS K7209に基いて測定) ・ 水中浸漬時の膨張率(3cm×3cmの大きさのシート
片を20℃、40℃、70℃の水中に30分間浸漬した
ときの面積膨張率(浸漬後の面積/浸漬前の面積の
比)、不能とあるのは測定不能の意味)
ポリマーアロイシート(透湿性耐水性シート層(1) )
は、必要な透湿性を有すること、吸水率が小さく、水中
浸漬時の膨張率も小さいこと、光等方性を有し、可視光
線透過率が高いこと、偏光素膜や位相差素膜との接着が
可能でかつ接着操作時の水抜け性も良好であること、耐
熱性、耐スクラッチ性、耐透気性、機械的特性、耐溶剤
性も良好であることがわかる。これに対し比較例1〜3
のポリビニルアルコールシートは、吸水率が大きく、水
中浸漬時の膨張率も大きいばかりか溶解することもあ
り、偏光素膜や位相差素膜の保護シートなどの光学用途
には性質が劣ることがわかる。
実施例1〜3で得た複層シートにつき、単層シートの場
合と同様に各項目の特性の測定または評価を行った。た
だし、下記の項目については次のようにして測定または
評価を行った。結果を表3に示す。なお、厚さ5μm の
被覆層(2) 単独層の透湿度は215g/m2・24hrである。
温度40℃、相対湿度90%RHで測定、単位はg/m2・
24hr) 透湿性耐水性シート層(1) →被覆層(2) の方向の透湿度
を透湿度1→2、その逆方向の透湿度を透湿度2→1と
する。 ・ 耐スクラッチ性(鉛筆硬度、荷重1kg)は被覆層
(2) についてのもの ・ ポリビニルアルコール−ヨウ素系偏光素膜との接着
性(複層シートのポリマーアロイシート側を偏光素膜に
水系接着剤で貼り合わせて80℃で乾燥、単位はg/inc
h) ・ ポリビニルアルコール一軸延伸フィルムからなる位
相差素膜との接着性(複層シートのポリマーアロイシー
ト側を位相差素膜に水系接着剤で貼り合わせて80℃で
乾燥、単位はg/inch)
とすることにより、透湿性耐水性シート層(1) →被覆層
(2) の方向に向けての一方向への水分の移行性が示され
ること、水中浸漬時膨張率が一段と小さくなること、表
面の耐スクラッチ性も向上することがわかる。
ビニルアルコールの13%水溶液700部を仕込んだ
後、系を40〜50℃に加熱し、メタクリル酸1部、N
−メチロールアクリルアミド10部およびスチレン8部
を加え、窒素を通して系中の酸素を充分に追い出してか
ら、4%過硫酸アンモニウム水溶液6部を加えて良く撹
拌し、さらに2%重亜硫酸ナトリウム水溶液6部を加え
て、重合を開始させた。2時間ごとに前記と同様に開始
剤を加え、約8時間重合を行った。この間、内温は40
〜50℃に保持した。これにより、固形分約15%のポ
リマーアロイ(A) の水溶液が得られた。
実施例3を繰り返したところ、実施例3を上回るすぐれ
た耐水性(低吸水率、低水中浸漬時膨張率)が得られ
た。
の水分の透過は防止するが、内部の水分は揮散させるこ
とができ、水系接着剤による接着が可能で、光学的特性
がすぐれており、さらには耐熱性、耐スクラッチ性、耐
透気性、機械的特性などの諸性質も良好である。
Claims (1)
- 【請求項1】(イ)水可溶性ビニルアルコール系ポリマ
ーをエチレン性不飽和単量体でグラフト変性したポリマ
ーアロイ(A) でできた製膜シートの熱処理ないしエイジ
ング品、または、 (ロ)前記 ポリマーアロイ(A) と水性架橋剤(B) との組
成物でできた製膜シートまたはその製膜シートの熱処理
ないしエイジング品からなり、かつ、JIS Z020
8に基く温度40℃、相対湿度90%RHにおける透湿
度P1 が50g/m2・24hr以上、JIS K7209に基
いて測定した吸水率が70%以下、3cm×3cmの大きさ
のシート片を20℃、40℃、70℃の水中に30分間
浸漬したときの面積膨張率がそれぞれ2以下、3以下、
4以下である透湿性耐水性シート層(1) 上に、 該透湿性耐水性シート層(1) の透湿度P1 よりも低い透
湿度P2 を有する低透湿性の被覆層(2) が配設され、 かつ、P1 ≧2×P2 で、P2 ≧25g/m2・24hrの関係
を満足することを特徴とする機能性複層シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19319293A JP3236417B2 (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | 機能性複層シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19319293A JP3236417B2 (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | 機能性複層シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0724978A JPH0724978A (ja) | 1995-01-27 |
JP3236417B2 true JP3236417B2 (ja) | 2001-12-10 |
Family
ID=16303842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19319293A Expired - Fee Related JP3236417B2 (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | 機能性複層シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3236417B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP4576777B2 (ja) * | 2001-09-04 | 2010-11-10 | 凸版印刷株式会社 | ガスバリア機能フィルムおよびその製造方法 |
-
1993
- 1993-07-07 JP JP19319293A patent/JP3236417B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0724978A (ja) | 1995-01-27 |
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