JP3235693B2 - １缶２水路給湯装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は同一フィン上に構成さ
れた給湯用熱交換器および追焚き用熱交換器を共通のバ
ーナで加熱する１缶２水路給湯装置に係り、特に追焚き
単独使用中または使用直後に給湯使用しても混合制御弁
の混合比率を予め調節しておき、給湯用熱交換器に滞留
した高温の湯を適温で供給する１缶２水路給湯装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の１缶２水路給湯装置において、給
湯用熱交換器をバイパスして給水管と給湯管を接続する
バイパス管と、バイパス管と給湯用熱交換器の出口およ
び給湯管をミキシングバルブで接続し、給湯用熱交換器
を通過する湯とバイパス管を通過する水とをミキシング
バルブで所定の混合比率で混合して設定温度の湯を給湯
管に供給するバイパスミキシング式の給湯装置は知られ
ている。

【０００３】このようなバイパスミキシング式の１缶２
水路給湯装置は、給湯用熱交換器の出口温度Ｔｈ、給水
温度Ｔｃおよび給湯温度Ｔｍをそれぞれ検出する温度セ
ンサを設け、これらの検出された温度Ｔｈ、Ｔｃ、Ｔｍ
と給湯設定温度Ｔｓに基づいてミキシングバルブの湯と
水の混合比率を演算し、この混合比率に対応してミキシ
ングバルブの弁開度を調節するよう構成されている。

【０００４】このように、従来の１缶２水路給湯装置
は、ミキシングバルブの混合比率を追焚き時にはαｏ１
｛＝（Ｔｓ−Ｔｃ）／（Ｔｈ−Ｔｃ）｝、給湯時には混
合比率αｏ１に設定温度Ｔｓと給湯温度Ｔｍの偏差に基
づいたＰＩＤフィードバック量を加算した混合比率αｏ
２＝αｏ１＋ｆ_PID（Ｔｓ−Ｔｍ）にそれぞれ設定し、
追焚き時または追焚き終了直後の給湯開始時、または給
湯中に設定温度Ｔｓの湯が給湯されるよう構成される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の１缶２
水路給湯装置は、追焚き単独使用中、または使用直後に
給湯を開始すると、追焚き中に加熱されて給湯用熱交換
器内にたまった高温Ｔｚの湯がミキシングバルブで給湯
用熱交換器内の湯の温度より低い熱交出口温度Ｔｈに基
づいて設定された混合比率で水と混合されるため、設定
温度Ｔｓよりも高い温度の湯が供給されたり、熱交出口
温度センサがＴｚを検出して混合比率を演算してミキシ
ングバルブを調整するまでに所定の時間を要するため、
給湯温度Ｔｍが一時的にオーバシュートを発生する場合
がある。

【０００６】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その目的は、追焚き単独使用中、また
は使用直後に給湯を開始しても、給湯開始からオーバシ
ュートの少ない設定温度の湯が供給できる１缶２水路給
湯装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る１缶２水路給湯装置は、給湯用熱交換器
の温度を検出する熱交温度センサと、追焚き単独使用時
に熱交温度センサからの温度情報に基づいて混合制御弁
の混合比率を演算する混合比率演算手段とを備えたこと
を特徴とする。

【０００８】また、この発明に係る１缶２水路給湯装置
は、混合比率演算手段に、給湯使用時の混合制御弁の混
合比率を演算する給湯時混合比率演算部と、追焚き使用
時の混合制御弁の混合比率を演算する追焚き時混合比率
演算部と、給湯状態および追焚き状態を判定する給湯／
追焚き判定部と、この給湯／追焚き判定部の出力情報に
基づいて給湯時混合比率演算部の演算出力または追焚き
時混合比率演算部の演算出力を選択して混合制御弁の混
合比率を出力する混合比率選択手段とを備えたことを特
徴とする。

【０００９】さらに、この発明に係る１缶２水路給湯装
置は、追焚き使用時に混合制御弁の混合比率を予め設定
した所定の値に制御する混合比率演算手段を備えたこと
を特徴とする。また、この発明に係る１缶２水路給湯装
置は、給湯熱交換器出口の給湯温度を検出する熱交出口
温度センサを備え、前記熱交出口温度センサの温度情報
と前記熱交温度センサの温度情報との比較結果に基き、
混合制御弁を制御する比較部を前記混合比率演算手段に
備えたことを特徴とする。また、この発明に係る１缶２
水路給湯装置は、混合比率演算手段は追焚き単独使用時
および追い焚き単独使用終了から所定時間は前記熱交温
度センサからの温度情報に基づいて前記混合制御弁の混
合比率を演算することを特徴とする。さらに、この発明
に係る１缶２水路給湯装置は、給湯熱交換器入口の給水
温度を検出する給水温度センサを備え、前記混合比率演
算手段は、前記熱交温度センサからの温度情報と前記給
水温度センサの温度情報の偏差に基づいて前記混合制御
弁の混合比率を演算することを特徴とする。

【００１０】

【作用】この発明に係る１缶２水路給湯装置は、給湯用
熱交換器の温度を検出する温度センサと混合比率演算手
段とを備え、追焚き中に、温度センサが検出する熱交温
度に基づいて混合制御弁の混合比率を演算して弁開度を
設定するので、給湯が開始された時点から設定温度の湯
を供給することができる。

【００１１】また、この発明に係る１缶２水路給湯装置
は、混合比率演算手段に給湯時混合比率演算部、追焚き
時混合比率演算部、給湯／追焚き判定部および混合比率
選択手段を備え、追焚き時の混合比率および給湯時の混
合比率を演算して給湯または追焚きの状態に対応した混
合比率を選択し、混合制御弁の弁開度を設定するので、
給湯開始から給湯中に亘って設定温度の湯を供給するこ
とができる。

【００１２】さらに、この発明に係る１缶２水路給湯装
置は、追焚き時に予め設定された混合比率を出力する混
合比率演算手段を備え、混合制御弁の弁開度を設定する
ので、給湯が開始された時点から設定温度の湯を供給す
ることができる。また、この発明に係る１缶２水路給湯
装置は、熱交出口温度センサの温度情報と熱交温度セン
サの温度情報との比較結果に基き、混合制御弁を制御す
るので、追焚き状態から給湯開始時に、追焚きに伴い給
湯熱交換器が加熱されて熱交換器内にたまった高温の湯
が供給されるのを混合弁の湯側混合比率を小さくして防
止する。さらに、追焚き単独使用時および追い焚き単独
使用終了から所定時間は熱交温度センサからの温度情報
に基づいて混合制御弁の混合比率を演算するので、高温
の湯が供給されるのを防止する。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図１はこの発明に係る１缶２水路給湯装置
の全体構成図である。図１において、１缶２水路給湯装
置１は、給湯熱交換器３に接続される給水管２、給湯管
４および給湯栓２２からなる給湯系と、追焚き熱交換器
８に接続される往き管７、戻り管９および浴槽２３から
なる風呂循環系と、制御手段１１と、後述する給湯温度
設定部１２Ａおよび風呂温度設定部１２Ｃ設定スイッ
チ、追焚きスイッチ等１２Ｂを備えたリモコン装置１２
と、電磁弁１３、ガス比例弁１４およびガスバーナ１５
を備えた加熱部２４とから構成する。

【００１４】給湯系は、給湯熱交換器３をバイパスして
給水管２と給湯管４に接続されるバイパス管６、バイパ
ス管６が給湯管４と接続する接続部に設けられた混合弁
５Ａ、、混合弁５Ａの弁開度を調節するステップモータ
５Ｂを備える。また、給湯系の給水管２は流量Ｑを検出
する流量センサ１６および給水温度Ｔｃを検出する給水
温度センサ１７、給湯熱交換器３は熱交温度Ｔｚを検出
する熱交温度センサ１８、給湯熱交換器３出口の熱交出
口温度Ｔｈを検出する熱交出口温度センサ１９、給湯管
４は混合弁５Ａからの混合湯温度（給湯温度）Ｔｍを検
出する給湯温度センサ２０をそれぞれ備える。なお、熱
交温度センサ（Ｔｚ）は、フィンパイプ内またはフィン
パイプ表面のいずれに備えてもよい。

【００１５】風呂循環系は、風呂循環系の往き管７に浴
槽２３出口の湯の温度Ｔｆｃを検出する風呂温度センサ
２１および循環ポンプ１０を備え、リモコン装置１２の
追焚きスイッチ（ＳＷ）１２Ｂが押されて風呂設定温度
Ｔｆｓが設定されると、循環ポンプ１０が駆動され追焚
きが開始される。

【００１６】制御手段１１は、流量Ｑ、給湯設定温度Ｔ
ｓ、給水温度Ｔｃ、熱交温度Ｔｚ、熱交出口温度Ｔｈ、
給湯温度Ｔｍ、および風呂設定温度Ｔｆｓの各情報に基
づいて給湯に必要な熱量、風呂追焚きに必要な熱量、混
合弁５Ａの混合比率等の演算、演算結果に基づいてステ
ップモータ５Ｂ、循環ポンプ１０等の駆動、および１缶
２水路給湯装置１全体に必要な処理、制御を行うよう構
成する。また、制御手段１１は、１缶２水路給湯装置１
の待機、追焚きおよび給湯の各状態を監視し、状態に対
応した混合比率で混合弁５Ａを制御し、待機または追焚
き状態から給湯状態に移行した場合の給湯温度Ｔｍを設
定温度Ｔｓに保つよう構成する。

【００１７】図２は請求項１〜請求項２に係る１缶２水
路給湯装置の制御手段の要部ブロック構成図である。図
２において、制御手段１１はマイクロプロセッサや各種
インタフェース回路およびメモリ等で構成し、熱量演算
部３０と、加熱制御手段４０と、循環ポンプ制御手段５
０、混合比率演算手段６０、モータ制御手段７０を備え
る。

【００１８】熱量演算部３０は、流量Ｑ、設定温度Ｔ
ｓ、給水温度Ｔｃ、給湯温度Ｔｍに基づいて給湯時の必
要熱量およびフィードバック熱量を演算したり、風呂温
度Ｔｆｃおよび風呂設定温度Ｔｆｓ（いずれも図示しな
い）に基づいて追焚き時の必要熱量を演算し、熱量演算
情報Ｆｏを加熱制御手段４０に提供する。なお、給湯時
または追焚き時の熱量演算、および熱量演算情報の出力
制御は、混合比率演算手段６０の給湯／追焚き判定部６
１から出力される判定情報Ｈｏにより行う。

【００１９】加熱制御手段４０は、比例弁制御部４１、
比例弁駆動部４２、電磁弁制御部４３、電磁弁駆動部４
４を備える。比例弁制御部４１は熱量演算情報Ｆｏに対
応する比例弁の弁開度を演算して弁開度情報Ｘｈを出力
し、この弁開度情報Ｘｈに基づいて比例弁駆動部４２は
比例弁駆動信号Ｘｐをガス比例弁１４に提供してガス比
例弁１４を所定の弁開度に調節する。

【００２０】電磁弁制御部４３は判定情報Ｈｏに基づい
て電磁弁１３を開放、または閉結するよう制御情報Ｘｄ
を電磁弁駆動部４４に送り、電磁弁駆動部４４は制御情
報Ｘｄに対応した電磁弁駆動信号Ｘｏを電磁弁１３に送
り、電磁弁１３を駆動して開放／閉結を行う。なお、電
磁弁制御部４３は、判定情報Ｈｏが給湯または追焚きい
ずれの場合にも制御情報Ｘｄを出力し、電磁弁１３を開
放するよう制御する。

【００２１】循環ポンプ制御手段５０は、循環ポンプ制
御部５１、循環ポンプ駆動部５２を備え、循環ポンプ制
御部５１は判定情報Ｈｏが追焚きの場合にのみ制御情報
Ｊｐを発生し、循環ポンプ駆動部５２は制御情報Ｊｐを
受け取るとポンプ駆動信号Ｊｏを循環ポンプ１０に送
り、所定の回転数で循環ポンプ１０を駆動して浴槽水を
循環させる。

【００２２】混合比率演算手段６０は、給湯／追焚き判
定部６１、待機時混合比率演算部６２、追焚き時混合比
率演算部６３、給湯時混合比率演算部６４、混合比率選
択部６５を備え、待機時、追焚き時および給湯時に対応
する混合比率（α１〜α３）を演算し、待機、追焚き、
給湯の各状態、および追焚き状態からの給湯移行状態、
追焚き終了直後の給湯状態に対応する混合比率（αｏ）
を選択してモータ制御手段７０を駆動する。

【００２３】給湯／追焚き判定部６１は、流量センサ１
６からの流量情報および追焚きスイッチ情報を入力と
し、待機、追焚き、給湯および給湯／追焚き同時使用を
判定し、判定情報Ｈｏを出力する。なお、追焚きの判定
は追焚きスイッチ情報を入力してから所定時間経過後に
出力してもよい。

【００２４】待機時混合比率演算部６２は、設定温度Ｔ
ｓ、給水温度Ｔｃおよび熱交出口温度Ｔｈに基づいて待
機時の混合比率α１を数１より演算する。

【００２５】

【数１】

【００２６】追焚き時混合比率演算部６３は、設定温度
Ｔｓ、給水温度Ｔｃおよび熱交温度Ｔｚに基づいて追焚
き時の混合比率α２を数２より演算する。

【００２７】

【数２】

【００２８】なお、追焚き時の混合比率α２は、設定温
度Ｔｓ、給水温度Ｔｃ、熱交出口温Ｔｈおよび熱交温度
Ｔｚに基づいて数３より演算してもよい。

【００２９】

【数３】

【００３０】給湯時混合比率演算部６４は、待機時混合
比率α１と、設定温度Ｔｓと給湯温度Ｔｍの偏差（Ｔｓ
−Ｔｍ）に基づくＰＩＤ（比例、積分、微分）演算を施
したフィードバック量｛ｆ_PID（Ｔｓ−Ｔｍ）｝を加算
して給湯時の混合比率α３を数４より演算する。

【００３１】

【数４】

【００３２】待機時の混合比率α１、追焚き時の混合比
率α２および給湯時の混合比率α３は混合比率選択部６
５に送られ、給湯／追焚き判定部６１からの判定情報Ｈ
ｏに基づいてα１〜α３のいずれかが選択されて混合比
率αｏとしてモータ制御手段７０に提供される。また、
混合比率選択部６５は、追焚き状態からの給湯移行状
態、追焚き終了直後の給湯状態を監視して混合比率を選
択する。

【００３３】図３は混合比率選択部の要部ブロック構成
図である。図３において、混合比率選択部６５はシーケ
ンス部６６、タイマ部６７、比較部６８、切替部６９か
ら構成する。

【００３４】シーケンス部６６はシーケンサ等の順序回
路および順序に対応した出力を記憶するＲＯＭ等のメモ
リで構成し、流量情報および追焚きスイッチ情報に基づ
いてシーケンス情報Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３を出力するよう構
成する。例えば、シーケンス情報Ｓ１は待機状態で流量
情報および追焚きスイッチ情報が共にない（例えば流量
情報およびスイッチ情報がＬレベル）場合、シーケンス
情報Ｓ２は追焚き状態で流量情報がＬレベル、追焚きス
イッチ情報がＨレベルの場合、シーケンス情報Ｓ３は給
湯状態で流量情報がＨレベル、追焚きスイッチ情報がＬ
レベルの場合に出力するよう構成する。

【００３５】また、シーケンス部６６は、追焚き中に給
湯が開始される場合、この順序を監視して比較部６８に
シーケンス情報Ｓ２とシーケンス情報Ｓ３を同時に提供
するよう構成する。なお、シーケンス部６６は、追焚き
中に給湯が開始される場合、シーケンス情報Ｓ２、Ｓ３
と異なる監視情報を比較部６８に提供するよう構成して
もよい。

【００３６】タイマ部６７は、追焚きスイッチ情報のＨ
レベルからＬレベルの変化をトリガ（トリガ信号ｔｒ）
として計時を開始し、所定時間Ｔｏが経過するとシーケ
ンス部６６は待機状態と判定し、シーケンス情報Ｓ１を
出力するよう構成する。所定時間Ｔｏ以内では、シーケ
ンス部６６は追焚き状態と判定し、シーケンス情報Ｓ２
を出力するよう構成する。

【００３７】比較部６８は、シーケンス部６６からシー
ケンス情報Ｓ２とシーケンス情報Ｓ３が同時に供給され
る追焚き状態から給湯開始時の状態を、給湯／追焚き判
定部６１からの判定情報Ｈｏにより検出し、熱交出口温
度Ｔｈと熱交温度Ｔｚとを比較してシーケンス情報Ｓ４
を出力する。なお、シーケンス部６６で待機、追焚きお
よび給湯の各状態を検出するよう構成して比較部６８に
入力される判定情報Ｈｏを省略することもできる。

【００３８】追焚き状態から給湯開始初期の熱交温度Ｔ
ｚが熱交出口温度Ｔｈを超える（Ｔｚ＞Ｔｈ）場合、シ
ーケンス情報Ｓ４は追焚き状態のシーケンス情報Ｓ２
（Ｓ４＝Ｓ２）を出力するよう構成する。一方、追焚き
状態から給湯が開始されて時間が経過し、熱交温度Ｔｚ
が熱交出口温度Ｔｈ以下の（Ｔｚ≦Ｔｈ）場合、シーケ
ンス情報Ｓ４は給湯状態のシーケンス情報Ｓ３（Ｓ４＝
Ｓ３）を出力するよう構成する。なお、シーケンス情報
Ｓ１〜Ｓ４は、例えばディジタル値またはディジタル符
号で構成する。

【００３９】切替部６９は接点ＳＷ１〜ＳＷ３および接
点選択の制御端子を備えた電子スイッチで構成し、シー
ケンス情報Ｓ１〜Ｓ４に対応した混合比率α１〜α３を
選択して混合比率αｏを出力する。ディジタル符号のシ
ーケンス情報Ｓ１に対応した接点ＳＷ１がオンして混合
比率α１、シーケンス情報Ｓ２では接点ＳＷ２がオンし
て混合比率α２、シーケンス情報Ｓ３では接点ＳＷ３が
オンして混合比率α３がそれぞれ選択される。

【００４０】このように、混合比率選択部６５は、待機
状態、追焚き状態、および給湯状態に対応した混合比率
（α１〜α３）を選択したり、追焚き状態から給湯開始
時で、熱交出口温度Ｔｈが熱交温度Ｔｚより低い（Ｔｈ
＜Ｔｚ）場合には給湯時の混合比率α３を選択せず追焚
き時の混合比率α２を選択したり、熱交出口温度Ｔｈが
熱交温度Ｔｚに等しいか大きい（Ｔｈ≧Ｔｚ）場合には
給湯時の混合比率α３を選択することにより、追焚き状
態から給湯開始時に、追焚きに伴い給湯熱交換器が加熱
されて熱交換器内にたまった高温の湯が供給されるのを
混合弁の湯側混合比率を小さくして防止する。

【００４１】また、混合比率選択部６５は、追焚き終了
直後の給湯に際しても同様な現象が発生するので、追焚
き終了後の所定時間Ｔｏ間は追焚き時の混合比率α２を
選択し、所定時間Ｔｏを超える場合には給湯時の混合比
率α３に基づいて給湯することにより、高温の湯が供給
されるのを防止する。

【００４２】モータ制御手段７０はステップモータ５Ｂ
を駆動制御して、混合弁５Ａの湯側弁開度を混合比率α
ｏに対応した量に制御するため、ステップモータ制御部
７１、ステップモータ駆動部７２を備える。ステップモ
ータ制御部７１は、混合比率選択部６５の切替部６９か
らの混合比率αｏに対応した制御情報Ｍｓをステップモ
ータ駆動部７２に供給し、ステップモータ駆動部７２は
制御情報Ｍｓに基づいて予め設定されている混合比率α
ｏに対応した弁開度となるようステップモータ５Ｂにパ
ルス駆動信号Ｍｏを供給する。なお、混合弁５Ａを駆動
するモータにステップモータ５Ｂを用いたが、通常のモ
ータを採用してアナログの電流で駆動するよう構成する
こともできる。

【００４３】図４は請求項３に係る１缶２水路給湯装置
の混合比率演算手段の要部ブロック構成図である。図４
において、混合比率演算手段８０は、給湯／追焚き判定
部６１、切替制御部８１、固定混合比率発生手段８２、
給湯時混合比率演算部６４、切替部８３を備える。な
お、給湯／追焚き判定部６１および給湯時混合比率演算
部６４は、図２の混合比率演算手段６０のものと同一の
構成である。

【００４４】切替制御部８１はタイマ、または温度比較
器等で構成し、判定情報Ｈｏに基づいて切替制御情報Ｋ
ｏを切替部８３に提供する。切替制御部８１は、スイッ
チ情報および流量情報が（例えば、いずれもＨレベル）
入力された場合、熱交温度Ｔｚと熱交出口温度Ｔｈの比
較結果に基づいて切替制御情報Ｋｏを切替部８３に送
り、スイッチＳＷａまたはスイッチＳＷｂをオンにし、
固定混合比率発生手段８２からの固定混合比率αｆ、ま
たは給湯時混合比率演算部６４からの給湯時混合比率α
３を選択して混合比率αｏとしてモータ制御部７０に送
る。

【００４５】切替制御部８１は、熱交温度Ｔｚと熱交出
口温度Ｔｈを比較してＴｚ＞Ｔｈの間は、例えばＨレベ
ルの切替制御情報Ｋｏを出力して固定混合比率αｆを選
択し、Ｔｈ≧ＴｚになるとＬレベルの切替制御情報Ｋｏ
を出力して給湯時混合比率α３を選択するよう切替部８
３を制御する。これにより、追焚き状態から給湯が開始
された当初のＴｚ＞Ｔｈの場合には切替部８３のＳＷａ
がオンして固定混合比率αｆが選択され、給湯中のＴｈ
≧Ｔｚの場合には切替部８３のＳＷｂがオンして給湯時
混合比率α３が選択される。

【００４６】また、切替制御部８１は、スイッチ情報の
終了後の所定時間Ｔｏの間は、例えばＨレベルの切替制
御情報Ｋｏを出力して切替部８３のＳＷａをオン（ＳＷ
ｂはオフ）とし、固定混合比率αｆを選択するよう構成
することもできる。

【００４７】このように、追焚き時の混合比率を予測、
または実験的に求めた固定混合比率αｆと、実際の温度
センサが検出した温度情報に基づいて給湯時混合比率演
算部６４が算出した給湯時混合比率α３とを、熱交温度
Ｔｚと熱交出口温度Ｔｈの比較結果に従って切替えるこ
とにより、追焚き状態から給湯開始時に、追焚きにより
給湯用熱交換器が加熱されて熱交換器内にたまった高温
の湯の供給を混合弁の湯側混合比率を小さくして防止す
る。

【００４８】次に、混合比率選択の動作をフロー図に基
づいて説明する。図５に請求項１に係る混合比率選択の
動作フロー図を示す。図５において、先ず１缶２水路給
湯装置の状態が追焚きか否かを判断（Ｊ１）し、追焚き
状態でない場合には給湯か否かを判断（Ｊ２）する。

【００４９】Ｊ２が給湯状態でない場合には待機状態と
判断して待機時混合比率α１を選択（Ｊ３）し、一方Ｊ
２が給湯状態の場合には給湯状態と判断して給湯時混合
比率α３を選択（Ｊ７）する。また、Ｊ１が追焚き状態
で、Ｊ４が給湯状態の場合には給湯／追焚き同時使用状
態と判断し、給湯状態と同様に給湯時混合比率α３を選
択（Ｊ７）する。さらに、Ｊ４が給湯状態でない場合に
は追焚き状態と判断し、追焚き時混合比率α２を選択
（Ｊ５）する。

【００５０】このように、請求項１に係る１缶２水路給
湯装置は、混合比率の選択動作において、待機状態には
熱交出口温度Ｔｈに基づいて演算した待機時混合比率α
１、給湯状態および給湯／追焚き同時使用状態には待機
時混合比率α１と、設定温度Ｔｓと給湯温度Ｔｍの偏差
（Ｔｓ−Ｔｍ）にＰＩＤ演算を施した補正混合比率ｆ
_PID（Ｔｓ−Ｔｍ）を加算した給湯時混合比率α３、追
焚き状態には熱交温度Ｔｚに基づいて演算した追焚き時
混合比率α２をそれぞれ選択し、混合比率α１〜α３に
対応した混合弁５Ａの弁開度に設定する。

【００５１】図６に請求項２〜請求項３に係る混合比率
選択の動作フロー図を示す。図６において、状態Ｊ４と
状態Ｊ７の間に熱交温度Ｔｚと熱交出口温度Ｔｈの判定
状態（Ｊ６）を追加した点、および状態Ｊ５に固定混合
比率αｆを追加した点が図５の動作フロー図と異なる。

【００５２】１缶２水路給湯装置は、状態Ｊ４の給湯／
追焚き同時使用状態が判断され、続いて状態Ｊ６で給湯
初期における熱交温度Ｔｚが熱交出口温度Ｔｈを超える
（Ｔｚ＞Ｔｈ）場合には給湯／追焚き同時使用状態であ
っても追焚き状態の追焚き時混合比率α２、または固定
混合比率αｆを選択する。また、切替情報ＫｏがＬレベ
ルの場合、固定混合比率αｆはαｆ＋α３となるよう構
成してもよい。一方、状態Ｊ６で給湯が安定し、熱交出
口温度Ｔｈが熱交温度Ｔｚ以上となる（Ｔｈ≧Ｔｚ）場
合には給湯／追焚き同時使用状態と判断し、給湯時混合
比率α３を選択する。なお、待機状態および給湯状態の
混合比率選択の動作については、図５と同じである。

【００５３】このように、請求項２〜請求項３に係る１
缶２水路給湯装置は、混合比率の選択動作において、給
湯／追焚き同時使用状態であっても、熱交温度Ｔｚが熱
交出口温度Ｔｈを超える（Ｔｚ＞Ｔｈ）給湯初期の場
合、給湯時混合比率α３を選択せずに追焚き時混合比率
α２、または予め所定の値に設定された固定混合比率α
ｆを選択して混合弁５Ａの湯側弁開度を絞り、給湯が安
定して熱交出口温度Ｔｈが熱交温度Ｔｚ以上になった場
合、給湯時混合比率α３に切替えることにより、給湯状
態に対応した弁開度に設定する。

【００５４】図７は分岐弁を備えた実施例の構成図であ
り、図１の１缶２水路給湯装置の混合弁５Ａの代りに分
岐弁、またはバイパス弁を用いても同様に適用すること
ができる。

【００５５】

【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る１缶
２水路給湯装置は、給湯用熱交換器の温度を検出する温
度センサと、給湯装置の待機、追焚きおよび給湯状態の
混合比率を演算する演算部、追焚きまたは給湯を判定す
る判定部、判定部からの判定情報に基づいて演算部から
の混合比率を選択する混合比率選択部からなる混合比率
演算手段とを備え、追焚き、給湯状態を監視して最適な
混合比率を選択できるよう構成したので、追焚きから給
湯に移行しても最適な混合比率で給湯を行うことができ
る。

【００５６】よって、追焚き状態から給湯を開始して
も、混合弁の弁開度が適切に調整され、給湯温度はオー
バシュートがなく、設定温度の湯を供給することができ
る。

【００５７】また、この発明に係る１缶２水路給湯装置
は、混合比率演算部から予め設定した追焚き時の固定混
合比率を発生するよう構成したので、混合比率演算手段
の簡素化を図ることができるとともに、追焚きから給湯
に移行しても最適な混合比率で給湯を行うことができ
る。

【００５８】よって、構成が単純で利便性の高い１缶２
水路給湯装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る１缶２水路給湯装置の全体構成
図

【図２】請求項１〜請求項２に係る１缶２水路給湯装置
の制御手段の要部ブロック構成図

【図３】混合比率選択部の要部ブロック構成図

【図４】請求項３に係る１缶２水路給湯装置の混合比率
演算手段の要部ブロック構成図

【図５】請求項１に係る混合比率選択の動作フロー図

【図６】請求項２〜請求項３に係る混合比率選択の動作
フロー図

【図７】分岐弁を備えた実施例の構成図

【符号の説明】

１ １缶２水路給湯装置 ２ 給水管 ３ 給湯熱交換器 ４ 給湯管 ５Ａ 混合弁 ５Ｂ ステップモータ ６ バイパス管 ７ 往き管 ８ 追焚き熱交換器 ９ 戻り管 １０ 循環ポンプ １１ 制御手段 １２ リモコン装置 １３ 電磁弁 １４ ガス比例弁 １５ ガスバーナ １６ 流量センサ（Ｑ） １７ 給水温度センサ（Ｔｃ） １８ 熱交温度センサ（Ｔｚ） １９ 熱交出口温度センサ（Ｔｈ） ２０ 給湯温度センサ（Ｔｍ） ２１ 風呂温度センサ（Ｔｆ） ２２ 給湯栓 ２３ 浴槽 ２４ 加熱部 ３０ 熱量演算部 ６０，８０ 混合比率演算手段 ６１ 給湯／追焚き判定部 ６２ 待機時混合比率演算部 ６３ 追焚き時混合比率演算部 ６４ 給湯時混合比率演算部 ６５ 混合比率選択部 ６６ シーケンス部 ６７ タイマ部 ６８，８３ 比較部 ６９ 切替部 ８１ 切替制御部 ８２ 固定混合比率発生手段 α１〜α４，αｏ， 混合比率 αｆ 固定混合比率 Ｓ１〜Ｓ４ シーケンス情報

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 宏 兵庫県神戸市東灘区魚崎浜町43番１号 日本ユプロ株式会社内 (72)発明者 井本 正弘 兵庫県神戸市東灘区魚崎浜町43番１号 日本ユプロ株式会社内 (56)参考文献 特開 平３−36455（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−88216（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24H 1/10 302

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽水を循環させる循環経路に設けられ
   た追焚き用熱交換器と、給水管から給水される水を加熱
   して給湯管に供給する給湯経路に設けられた給湯用熱交
   換器と、この給湯用熱交換器をバイパスして前記給水管
   と前記給湯管に接続されるバイパス管と、前記給湯用熱
   交換器を通過する湯と前記バイパス管を通過する水とを
   混合して前記給湯管に設定温度の湯を供給する混合制御
   弁とを備えた１缶２水路給湯装置において、 前記給湯用熱交換器の温度を検出する熱交温度センサ
   と、追焚き単独使用時に前記熱交温度センサからの温度
   情報に基づいて前記混合制御弁の混合比率を演算する混
   合比率演算手段とを備えたことを特徴とする１缶２水路
   給湯装置。
2. 【請求項２】 前記混合比率演算手段に、給湯使用時の
   前記混合制御弁の混合比率を演算する給湯時混合比率演
   算部と、追焚き使用時の前記混合制御弁の混合比率を演
   算する追焚き時混合比率演算部と、給湯状態および追焚
   き状態を判定する給湯／追焚き判定部と、この給湯／追
   焚き判定部の出力情報に基づいて前記給湯時混合比率演
   算部の演算出力または前記追焚き時混合比率演算部の演
   算出力を選択して前記混合制御弁の混合比率を出力する
   混合比率選択手段とを備えたことを特徴とする請求項１
   記載の１缶２水路給湯装置。
3. 【請求項３】 浴槽水を循環させる循環経路に設けられ
   た追焚き用熱交換器と、給水管から給水される水を加熱
   して給湯管に供給する給湯経路に設けられた給湯用熱交
   換器と、この給湯用熱交換器をバイパスして前記給水管
   と前記給湯管に接続されるバイパス管と、前記給湯用熱
   交換器を通過する湯と前記バイパス管を通過する水とを
   混合して前記給湯管に設定温度の湯を供給する混合制御
   弁とを備えた１缶２水路給湯装置において、 追焚き使用時に前記混合制御弁の混合比率を予め設定し
   た所定の値に制御する混合比率演算手段を備えたことを
   特徴とする１缶２水路給湯装置。
4. 【請求項４】 給湯熱交換器出口の給湯温度を検出する
   熱交出口温度センサを備え、前記熱交出口温度センサの
   温度情報と前記熱交温度センサの温度情報との比較結果
   に基き、混合制御弁を制御する比較部を前記混合比率演
   算手段に備えたことを特徴とした請求項１，２，３に記
   載の１缶２水路給湯装置。
5. 【請求項５】 前記混合比率演算手段は追焚き単独使用
   時および追い焚き単独使用終了から所定時間は前記熱交
   温度センサからの温度情報に基づいて前記混合制御弁の
   混合比率を演算することを特徴とした請求項１，２，
   ３，４に記載の１缶２水路給湯装置。
6. 【請求項６】 給湯熱交換器入口の給水温度を検出する
   給水温度センサを備え、前記混合比率演算手段は、前記
   熱交温度センサからの温度情報と前記給水温度センサの
   温度情報の偏差に基づいて前記混合制御弁の混合比率を
   演算することを特徴とした請求項１，２，４，５に記載
   の１缶２水路給湯装置。