JP3207979B2 - 給湯装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は給水温度センサが検出
する給水温度が大幅に変動する、例えば給湯停止中に循
環経路内の湯を循環保温して所望の温度に保つ循環保温
式のような給湯装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】給湯管の末端部と給水管を戻り管で結合
し、給湯管―戻り管―給水管―熱交換器―給湯管の経路
で循環経路を構成し、循環経路内に設けた循環ポンプを
駆動して循環経路内の湯水を循環させ、給湯停止状態の
間欠燃焼により循環経路内の湯水を所望の温度に循環保
温するように構成した給湯装置は知られている。

【０００３】このような給湯装置は、給湯停止状態にも
循環経路内の湯水を所望の温度に保つことができるの
で、給湯状態に移行した場合には給湯開始時から所望の
温度の湯水を供給することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の給湯装置は、給
湯停止状態には間欠燃焼モードにより循環経路内の湯水
を環流させながら保温する循環保温が行われているの
で、循環経路内の湯水はほぼ設定温度に保たれている。

【０００５】給湯停止状態から給湯が開始された場合、
循環保温により、循環経路の戻り管と給水管の連結部か
ら給水管を介して熱交換器までの給水管内の湯水は、設
定温度に保たれているので、設定温度と、給水管に設け
られた給水温度センサが検出する給水温度（例えば水道
水温度）に基づいた比例加熱量で加熱制御すると、給水
温度センサ位置の温度は水道水温度であるが、熱交換器
付近の温度は設定温度に近いために熱交換器を通過する
湯は過剰に加熱され、熱交換器出口側の温度（給湯温
度）は設定温度をオーバする場合があり、この状態は循
環保温により設定温度に保温された給水管内の湯水が熱
交換器を通過するまで継続して望ましくない。

【０００６】この発明はこのような課題を解決するため
になされたもので、その目的は、給湯停止状態の循環保
温で温められた給水管側の全ての湯水が熱交換器を通過
するまで、通常の熱量（比例加熱量）よりも低い限定熱
量に基づいて所定の時間加熱制御するとともに、この限
定熱量を所定時間の経過に伴い除々に比例加熱量に近づ
け、所定時間の経過後は比例加熱量に基づいて加熱制御
するよう構成し、給湯温度の急激な変化を抑えて安定し
た信頼性の高い給湯ができる給湯装置を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る給湯装置は、給湯開始時に給水温度が所
定温度低下した場合に温度低下情報を発生する温度低下
検出手段と、温度低下情報が発生した場合、比例加熱量
より小さい限定熱量で加熱制御し、除々に比例加熱量に
近付ける限定熱量制御手段とを設けたことを特徴とす
る。

【０００８】また、限定熱量制御手段は、流量センサか
らの流量情報に基づいて流量に反比例する時定数を演算
する時定数演算手段を備えるとともに、この時定数演算
手段が発生する時定数に基づいて加熱制御することを特
徴とする。

【０００９】

【作用】この発明に係る給湯装置は、温度低下検出手段
および限定熱量制御手段を備えたので、給湯開始時の給
水温度が所定温度低下した時点から限定熱量に基づいて
加熱制御し、所定時間内で除々に限定加熱量から比例加
熱量に緩やかに近付けることができる。

【００１０】また、この発明に係る給湯装置の限定熱量
制御手段は、給水流量に反比例する時定数を演算する時
定数演算手段を備え、この時定数に応じた限定熱量で加
熱制御するので、給湯量が多い場合には時定数を小さく
して限定加熱から比例加熱の移行を迅速に行い、給湯量
が少ない場合には時定数を大きくして限定加熱から比例
加熱への移行を緩やかに行うことができる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図１はこの発明に係る給湯装置を循環保温
式給湯装置に適用した場合の全体構成図である。図１に
おいて、循環保温式給湯装置１は、給水管２と、熱交換
器３と、給湯管４と、給湯管４の末端部に取付けられた
給湯栓５と、給湯管４の末端部と給水管２の入水側に配
設した戻り管７と、戻り管７の途中に設けられた循環ポ
ンプ６と、給水管２―熱交換器３―給湯管４―戻り管７
（途中循環ポンプ６を経由）―給水管２の経路のループ
を構成する循環経路８と、ガス管９に設けられ、ガスの
供給／停止を行う電磁弁１０、熱交換器３を加熱するガ
スバーナ１２およびガスバーナ１２へのガス量を調節す
るガス比例弁１１を備えた加熱部と、循環式給湯装置１
全体の動作の制御や処理を行う制御手段１６と、循環保
温式給湯装置１の各種機能設定を行うコントローラ操作
部１７とから構成する。

【００１２】また、給水管２には、戻り管７が接続され
る給水管２の下流側の給水温度Ｔｃを検出する給水温度
（Ｔｃ）センサ１３、給水管２を通過する流量Ｑを検出
する流量（Ｑ）センサ１４を設け、給湯管４には、給湯
温度Ｔｍを検出する給湯温度（Ｔｍ）センサ１５を設け
る。

【００１３】循環ポンプ６は、制御手段１６の循環ポン
プ制御部７０によりポンプの駆動／停止を制御され、給
湯状態には給湯管４を通過する湯水の一部を戻り管を介
して給水管２に送り、給湯停止状態には循環経路８内の
湯水を循環させ、循環経路８内の湯水の温度を温度設定
部１７Ｂで設定した設定温度Ｔｓに近い温度に保ち、給
湯時の給湯開始から設定温度Ｔｓに近い給湯温度Ｔｍで
給湯ができるように構成する。

【００１４】電磁弁１０は、制御手段１６の加熱制御部
６０により弁の開放／閉結が制御され、ガス管９を通過
するガスの供給／停止を行い、給湯状態には開放とし、
給湯停止状態には間欠燃焼モードの間欠燃焼周期に従っ
て弁の開放／閉結を繰り返す。

【００１５】ガス比例弁１１は、制御手段１６の加熱制
御部６０により比例弁の開度が制御され、適切な燃焼量
で加熱して温度設定部１７Ｂで設定された温度の湯水が
供給できるようガスバーナ１２へのガス供給量を調節す
る。

【００１６】制御手段１６は、マイクロプロセッサ（図
示しない）を基本として構成し、熱量演算部３０、温度
低下検出手段４０、限定熱量制御手段５０、加熱制御部
６０、循環ポンプ制御部７０を備え、熱量演算部３０は
加熱制御部６０が要求する各種熱量の演算処理、温度低
下検出手段４０は給湯開始時に給水温度センサが循環保
温中の平均給水温度より所定温度低下した場合の温度低
下情報の発生、限定熱量制御手段５０は流量に基づく時
定数で限定熱量に制御する係数を発生して熱量演算部３
０で演算した熱量の限定制御、加熱制御部６０は熱量演
算部３０からの熱量演算結果または限定熱量制御手段５
０からの熱量制御結果に基づいて電磁弁１０およびガス
比例弁１１の制御、循環ポンプ制御部７０は循環ポンプ
６の駆動／停止制御をそれぞれ行う。

【００１７】コントローラ操作部１７は、給湯停止状態
の循環保温動作を設定するための保温スイッチ１７Ａ、
および給湯状態ならびに給湯停止状態の給湯温度Ｔｍを
設定する温度設定部１７Ｂを備え、それぞれ保温設定信
号１７ａ、設定温度（Ｔｓ）信号１７ｂを制御手段１６
に出力する。

【００１８】次に、給湯停止状態（間欠燃焼制御モー
ド）の動作について説明する。コントローラ操作部１７
の保温スイッチ１７Ａがオンに設定された状態から給湯
栓５を閉じた給湯停止状態になると、制御手段１６の循
環ポンプ制御部７０から循環ポンプ駆動信号７０ａが循
環ポンプ６に供給されて循環ポンプ６が動作し、循環経
路８に貯えられた湯水が、給水管２―熱交換器３―給湯
管４―戻り管７（途中循環ポンプ６を経由）―給水管２
のループ状の循環経路８内を循環する。湯水の循環が所
定時間経過し、循環経路８内の湯水が設定温度Ｔｓに保
たれると、循環ポンプ制御部７０は循環ポンプ駆動信号
７０ａの出力を停止して循環ポンプ６を停止する。

【００１９】熱量演算部３０は、循環経路８内に設けら
れた流量センサ（Ｑ）１４および給水温度（Ｔｃ）セン
サ１３、給湯温度（Ｔｍ）センサ１５および温度設定部
１７Ｂからの各信号に基づいて間欠燃焼に必要な必要熱
量、フィードバック熱量および補正熱量等の熱量を演算
し、演算結果の熱量情報を加熱制御手段６０に提供す
る。加熱制御手段６０は、熱量演算部３０からの熱量情
報に基づいて、間欠燃焼の周期を演算し、この間欠燃焼
周期に基づいて電磁弁１０の開閉を制御したり、循環経
路８内の各部温度を設定温度Ｔｓに保つに必要な燃焼量
が得られるよう比例弁制御情報６０ａをガス比例弁１１
に提供してガスバーナ１２へのガス供給量を制御する。

【００２０】続いて、給湯開始状態（比例燃焼制御モー
ド）の動作について説明する。図２はこの発明に係る給
湯装置の制御手段の給湯開始状態におけるブロック構成
図である。図２において、制御手段１６は、熱量演算部
３０、温度低下検出手段４０、限定熱量制御手段５０、
加熱制御部６０、循環ポンプ制御部７０、乗算器８０を
備える。

【００２１】熱量演算部３０は、加熱制御部５０が給湯
状態の比例燃焼制御に必要とされる熱量を演算するた
め、必要熱量演算部３１、フィードバック熱量演算部３
２、補正熱量演算部３３を備える。

【００２２】必要熱量演算部３１は、温度設定部１７Ｂ
からの設定温度（Ｔｓ）信号１７ｂ、流量センサ１４か
らの流量（Ｑ）信号１４ａ、および給水温度センサ１３
からの給水温度（Ｔｃ）信号１３ａに基づいて比例燃焼
に必要な必要熱量Ｆｓ＝Ｑ×（Ｔｓ−Ｔｃ）を演算し、
必要熱量（Ｆｓ）情報３１ａを補正熱量演算部３３に供
給する。

【００２３】フィードバック熱量演算部３２は、流量
（Ｑ）信号１４ａ、設定温度（Ｔｓ）信号１７ｂおよび
給湯温度センサ１５からの給湯温度（Ｔｍ）信号１５ａ
に基づいてＰＩＤ（比例、積分、微分）演算を行い、フ
ィードバック熱量Ｆｒ＝Ｑ×（Ｔｓ−Ｔｍ）を演算し、
フィードバック熱量（Ｆｒ）情報３２ａを補正熱量演算
部３３に供給する。補正熱量演算部３３は、必要熱量演
算部３１からの必要熱量（Ｆｓ）情報３１ａおよびフィ
ードバック熱量演算部３２からのフィードバック熱量
（Ｆｒ）情報３２ａを基にして補正熱量Ｆｏ（＝Ｆｓ＋
Ｆｒ）を演算し、補正熱量（Ｆｏ）情報３０ａを乗算器
８０に出力する。

【００２４】温度低下検出手段４０は、給湯検出部４
１、タイマ４２、平均温度記憶部４３および比較部４４
を備え、給湯開始時に給水温度センサ１３が検出する給
水温度Ｔｃが循環保温中の平均給水温度Ｔｃｄより所定
の温度低下（ΔＴ）する（Ｔｃｄ−Ｔｃ＞ΔＴ）場合、
温度低下（Ｔｄ）情報４０ａを発生するよう構成する。

【００２５】給湯検出部４１は、流量センサ１４からの
流量（Ｑ）信号１４ａに基づき、予め記憶されている給
湯時の最低流量Ｑｋ、給湯停止時（循環保温状態）の最
大流量Ｑｔと比較し、流量Ｑが給湯時最低流量Ｑｋを超
える（Ｑ＞Ｑｋ）場合には給湯状態と判断し、給湯
（Ｋ）情報４１ａをタイマ４２および加熱制御部６０の
燃焼モード切替部６５に出力し、給湯状態を判断する。
一方、流量Ｑが給湯停止時最大流量Ｑｔを下回る（Ｑ＜
Ｑｔ）場合には給湯停止状態と判断し、給湯（Ｋｏ）情
報４１ａを出力し、給湯停止または循環保温状態と判断
する。

【００２６】タイマ４２は、給湯検出部４１から出力さ
れる給湯停止時（循環保温状態）の給湯（Ｋｏ）情報４
１ａをトリガとして循環保温中の時間（τｏ）を計時
し、計時したτｏ時間のタイマ（τｏ）情報４２ａを平
均温度記憶部４３に提供する。また、タイマ４２は、給
湯状態を知らせる給湯（Ｋ）情報４１ａを取込んだ時点
で計時をクリアするとともに、τｏ時間のタイマ（τ
ｏ）情報４２ａの送出を禁止する。

【００２７】平均温度記憶部４３は、循環保温状態に給
水温度センサ１３からの給水温度Ｔｃをタイマ（τｏ）
情報４２ａに基づいて積算しておき、給湯が開始された
時点で循環保温中の平均給水温度Ｔｃｄを演算／記憶す
るとともに、平均給水温度（Ｔｃｄ）情報４３ａを比較
部４４に出力する。

【００２８】比較部４４は、平均温度記憶部４３からの
平均給水温度Ｔｃｄと、給水温度センサ１３からの給水
温度Ｔｃとを比較し、循環保温から給湯開始移行時の給
水温度Ｔｃが平均給水温度Ｔｃｄから所定温度ΔＴを超
えて低下（Ｔｃｄ−Ｔｃ＞ΔＴ）する場合、温度低下
（Ｔｄ）情報４０ａを限定熱量制御手段５０の時定数演
算手段５１および切替部５３、加熱制御部６０の燃焼モ
ード切替部６５に提供する。

【００２９】限定熱量制御手段５０は、時定数演算手段
５１、擬似水温演算部５２、切替部５３、係数発生部５
４、切替タイマ５５を備える。時定数演算手段５１は、
温度低下（Ｔｄ）情報４０ａが供給された場合には流量
センサ１４からの流量Ｑに基づいて時間Ｔ（＝ｋ／Ｑ）
を演算し、時定数τ（＝Ｔ／３）の時定数（τ）情報５
１ａを擬似水温演算部５２および切替タイマ５５に供給
する。なお、定数ｋは図１の給水温度（Ｔｃ）センサ１
３の位置から熱交換器３の入口までの給水管２の容積ｌ
×Ｓ（長さ：ｌ、径：Ｓ）を表わす。

【００３０】擬似水温演算部５２は指数関数演算を含む
演算器で構成され、平均給水温度Ｔｃｄ、給水温度Ｔｃ
および時定数演算手段５１から供給される時定数τに基
づいて擬似水温（数１）を演算し、擬似水温（Ｔａ）情
報５２ａを切替部５３の接点Ｓ２に接続する。

【数１】

【００３１】図３に擬似水温（Ｔａ）の時間特性図を示
す。擬似水温Ｔａは、ｔ＝０で温度Ｔｃｄ、ｔ＝τでＴ
ｃ＋０．３６８（Ｔｃｄ−Ｔｃ）となり、ｔ＝３τでは
Ｔｃ＋０．０５（Ｔｃｄ−Ｔｃ）となってほぼＴａ＝Ｔ
ｃとなることを示す。

【００３２】切替部５３は、接点Ｓ１および接点Ｓ２を
備え、通常、共通接点は接点Ｓ１側に接続されており、
温度低下（Ｔｄ）情報４０ａおよび切替タイマ５５から
の切替タイマ（３τ）情報５５ａに基づいて接点Ｓ１に
接続される給水温度Ｔｃと接点Ｓ２に接続される擬似水
温Ｔａを切替える。循環保温状態では接点Ｓ１が選択さ
れており、給水温度Ｔｃが切替温度Ｔｋとして係数発生
部５４に供給される。一方、給湯が開始されて温度低下
（Ｔｄ）情報４０ａが入力されると、接点Ｓ２が選択さ
れて擬似水温Ｔａが切替温度Ｔｋとして係数発生部５４
に供給され、時間が経過して切替タイマ（３τ）情報５
５ａが入力されると、再び接点Ｓ１が選択され給水温度
Ｔｃが切替温度Ｔｋとして係数発生部５４に供給され
る。

【００３３】係数発生部５４は、設定温度Ｔｓ、給水温
度Ｔｃ、および切替部５３で選択された擬似温度Ｔａま
たは給水温度Ｔｃの切替温度Ｔｋに基づいて限定熱量係
数αを演算し、係数（α）情報５０ａを乗算器８０に提
供する。係数αは（Ｔｓ−Ｔｋ）／（Ｔｓ−Ｔｃ）で演
算するよう構成するため、Ｔｋ＝Ｔｃとなる循環保温状
態、および給湯開始から十分時間が経過（ｔ≧３τ）し
た状態ではα＝１となり、加熱制御部６０は熱量演算部
３０から供給される補正熱量Ｆｏに基づいて比例加熱制
御する。一方、給湯開始状態（ｔ＜３τ）では０＜α＜
１となり、加熱制御部６０は熱量演算部３０から供給さ
れる補正熱量Ｆｏ以下の限定熱量α×Ｆｏに基づいて限
定加熱制御する。乗算器８０は、熱量演算部３０からの
補正熱量Ｆｏと限定熱量制御手段５０からの限定熱量係
数αを演算し、限定熱量（α×Ｆｏ）情報８０ａを加熱
制御部６０に送る。

【００３４】図４はこの発明に係る給湯装置の制御手段
の別実施例ブロック構成図である。図２の温度低下検出
手段４０および限定熱量制御手段５０の配置を替え、限
定熱量制御手段５０の切替部５３の選択出力Ｔｃ１＝Ｔ
ａ、またはＴｃ１＝Ｔｃを必要熱量演算部３１の給水温
度Ｔｃ入力に接続して構成する。

【００３５】加熱制御部６０は、熱量―弁開度変換部６
１、熱量―間欠周期変換部６２、比例弁制御部６３、電
磁弁制御部６４、燃焼モード切替部６５を備える。熱量
―弁開度変換部６１、熱量―間欠周期変換部６２は乗算
器８０からの限定燃焼熱量（α×Ｆｏ）情報８０ａおよ
び燃焼モード切替部６５からの燃焼モード切替（Ｈａ）
情報６５ａに基づいて、限定燃焼を含む比例燃焼時また
は間欠燃焼時の弁解度（Ｘ）情報６１ａ、間欠燃焼時の
間欠燃焼周期（Ｔ）情報６２ａをそれぞれ出力する。

【００３６】比例弁制御部６３は、弁解度（Ｘ）情報６
１ａに対応した比例弁制御（Ｈｃ）情報６０ａを比例弁
１１に送り、弁解度を制御して比例弁１１を通過するガ
ス量を調節する。また、電磁弁制御部６４は、間欠燃焼
モードでは熱量―間欠周期変換部６２からの間欠燃焼周
期（Ｔ）情報６２ａに対応した間欠燃焼周期Ｔ（燃焼時
間Ｔ１＋消火時間Ｔ２）で電磁弁１０の開放／閉結を制
御し、限定および比例燃焼時には燃焼モード切替部６５
からの燃焼モード切替（Ｈａ）情報６５ａに基づいて電
磁弁制御（Ｄｃ）情報６０ｂを出力し、電磁弁１０を開
放するよう制御する。

【００３７】燃焼モード制御部６５は、給湯停止状態に
供給される給湯（Ｋｏ）情報４１ａに基づいて間欠燃焼
モードに設定するよう燃焼モード切替（Ｈａ）情報６５
ａを出力する。一方、給湯状態において給湯（Ｋ）情報
４１ａおよび温度低下（Ｔｄ）情報４０ａが同時に供給
される場合には限定燃焼を含む比例燃焼モードに設定す
るよう燃焼モード切替（Ｈａ）情報６５ａを出力し、給
湯開始初期の給湯（Ｋ）情報４１ａのみが供給される場
合には加熱を停止するよう制御する。

【００３８】循環ポンプ制御部７０は、間欠燃焼時の循
環保温を行うため、循環ポンプ制御（Ｐｃ）情報７０ａ
を循環ポンプ６に送り、循環経路８内の湯を循環させて
均一な温度に保つ。以上、本実施例は循環保温式給湯装
置を例に取って説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えば給水管を太陽熱温水器等の他の加
熱装置に接続した給湯装置にも適用できるものである。

【００３９】

【発明の効果】この発明に係る給湯装置は、温度低下検
出手段および限定熱量制御手段を備え、所定時間で除々
に限定加熱から定常加熱に緩やかに近付けることができ
るため、加熱量の急変に伴う給湯温度の急激な変化を防
止することができる。

【００４０】また、この発明に係る給湯装置の限定熱量
制御手段は、流量に反比例して時定数を演算する時定数
演算手段を備えたので、流量に応じて限定加熱から比例
加熱への移行を迅速にしたり、緩やかにしたりすること
ができる。

【００４１】よって、加熱量の急変に伴う給湯初期の給
湯温度のオーバシュートやアンダシュートを防止して、
所望の温度で給湯ができる使い勝手のよい給湯装置を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る給湯装置を循環保温式給湯装置
に適用した場合の全体構成図

【図２】この発明に係る給湯装置の制御手段の給湯開始
状態におけるブロック構成図

【図３】擬似水温（Ｔａ）の時間特性図

【図４】この発明に係る給湯装置の制御手段の別実施例
ブロック構成図

【符号の説明】

１ 循環保温式給湯装置 ２ 給水管 ３ 熱交換器 ４ 給湯管 ５ 給湯栓 ６ 循環ポンプ ７ 戻り管 ８ 循環経路 ９ ガス管 １０ 電磁弁 １１ ガス比例弁 １２ ガスバーナ １３ 給水温度（Ｔｃ）センサ １４ 流量（Ｑ）センサ １５ 給湯温度（Ｔｍ）センサ １６ 制御手段 １７ コントローラ操作部 １７Ａ 保温スイッチ １７Ｂ 温度設定部 ３０ 熱量演算部 ３１ 必要熱量演算部 ３２ フィードバック演算部 ３３ 補正熱量演算部 ４０ 温度低下検出手段 ４０ａ 温度低下情報（Ｔｄ） ４１ 給湯検出部 ４２ タイマ ４３ 平均温度記憶部 ４４ 比較部 ５０ 限定熱量制御手段 ５０ａ 係数（α）情報 ５１ 時定数演算手段 ５２ 擬似水温演算部 ５３ 切替部 ５４ 係数発生部 ５５ 切替タイマ ６０ 加熱制御部 ７０ 循環ポンプ制御部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−114616（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−138021（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−103560（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24H 1/10 302

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給水管、熱交換器、給湯管を備えるとと
   もに、前記給水管に給水温度センサおよび流量センサ、
   前記給湯管に給湯温度センサを備え、前記流量センサか
   らの流量情報、前記給水温度センサからの給水温度情報
   および設定温度情報に基づいて演算した比例加熱量で加
   熱制御する給湯装置において、 給湯開始時に前記給水温度が所定温度低下した場合に温
   度低下情報を発生する温度低下検出手段と、前記温度低
   下情報が発生した場合、前記比例加熱量より小さい限定
   熱量で加熱制御し、除々に比例加熱量に近付ける限定熱
   量制御手段とを設けたことを特徴とする給湯装置。
2. 【請求項２】 前記限定熱量制御手段は、前記流量セン
   サからの流量情報に基づいて流量に反比例する時定数を
   演算する時定数演算手段を備えるとともに、この時定数
   演算手段が発生する時定数に基づいて加熱制御すること
   を特徴とする請求項１記載の給湯装置。