JP3234612B2 - 農業用合成樹脂フィルム - Google Patents
農業用合成樹脂フィルムInfo
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- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Description
ムに関するものであり、詳しくは、藻類の付着を防止す
ることにより、長期間に亙って高い透明性を維持できる
ように改良された農業用合成樹脂フィルムに関するもの
である。
その一環として、ハウス栽培やトンネル栽培が盛んに行
われている。これらの栽培方法は、出荷時期の調節、特
殊作物の栽培などを可能にし、農作物の生産性および市
場価値の向上に大きく寄与している。そして、ハウス栽
培やトンネル栽培に使用される被覆材には、耐候性や光
透過性が重要である。
には可塑剤、防曇剤、安定剤などが配合されているが、
これらの添加物は、徐々にフィルム表面に析出し、当該
析出物に塵埃が付着してフィルムの光透過性を低下する
と言う問題がある。上記問題の対策として、最近では、
塩化ビニル樹脂フィルムの表面に、アクリル樹脂、含フ
ッ素樹脂、ウレタン系樹脂、重合性ウレタンアクリレー
ト系樹脂等の高分子重合体の被膜を形成して析出物の露
出を防止し、塵埃の付着による光透過性の低下の軽減が
図られている。
フィルムでもなお使用環境によっては経時的に被膜表面
に付着物が生成し、フィルムの光透過性を著しく阻害す
ることがある。この原因は、被膜表面に或種の藻類が発
生するためによるものと考えられている。上記問題の対
策として、被膜形成用の高分子重合体に各種の殺菌剤を
含有させることが提案されている(特公昭53−193
45号、特開平1−291935号、特開平1−301
724号、特開平1−315432号、特開平1−31
6264号、特開平1−316265号等)。しかしな
がら、従来の農業用フィルムでは、上記のような種々の
対策を構じた場合でも、耐用年数は約3年が限度とされ
ている。
化、経済性の強化の目的で5年以上あるいは更に長期の
屋外耐久性が保証された農業用フィルムの実用化が望ま
れている。従って、フィルム表面に微生物や藻類が着生
するのを防止する対策も、従来は2〜3年でよかったも
のが、より長期間有効なものが必要である。本発明は、
上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、4年
を越える長期間に亙って藻類の着生を防止し、高い透明
性を維持できるように改良された農業用合成樹脂フィル
ムを提供することにある。
に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定のフェニル尿素系化
合物とジメチルジチオカルバミン酸亜鉛とにより、藻類
の着生を長期間に亙って防止し得るとの知見を得、本発
明の完成に至った。すなわち、本発明の要旨は、合成樹
脂フィルムの少くとも片面に特許請求の範囲第1項に記
載の化学式[化1]で表されるフェニル尿素系化合物の
1種または2種以上とジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
とを含有する高分子重合体の被膜を形成して成ることを
特徴とする農業用合成樹脂フィルムに存する。
おいて、基体の合成樹脂フィルムを形成する合成樹脂と
しては、例えば、硬質または軟質のポリ塩化ビニル樹
脂、アクリル系樹脂、熱可塑または熱硬化性のポリエス
テル系樹脂、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル等のポリオ
レフィン系樹脂およびその他の熱可塑性または熱硬化性
の樹脂が挙げられる。上記の合成樹脂には、必要に応じ
て、各種の樹脂添加剤、例えば、可塑剤、熱安定剤、酸
化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、遠赤外線吸収剤、無
滴剤、滑剤、無機フィラー、顔料等を配合することがで
きる。
ダー成形法、Tダイ押出法、インフレーション成形法、
溶融流延法などを採用して行うことができる。フィルム
の厚さは、通常、0.03〜0.5mm、好ましくは
0.1〜0.3mmの範囲とされる。
としては、例えば、アクリル系樹脂、アミノ系(アルキ
ド系、メラミンアルキッド系)樹脂、オルガノシロキサ
ン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキ
ルフェノール系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
これらは、単独使用でも2種以上の併用であってもよ
い。
ル系樹脂が好ましい。ここに言うアクリル系樹脂とは、
アクリレート、メタクリレートを主成分する重合体であ
る。使用するモノマーの具体例としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシ
ル(メタ)アクリレート等であり、更に、酢酸ビニルも
用いられる。
部架橋モノマーを共重合させてあってもよい。内部架橋
モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、アリルアルコール酸、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニ
ルピリジン、第3ブチルアミノエチルメタクリレート、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
アクリルグリシジルエーテル、無水イタコン酸、無水マ
レイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイ
ンアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロ
−ルメタクリルアミド、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラヒドロフルフリル
メタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、モノ
(2−メタクリロイルエチル)アシッドホスフェート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート等を挙げる
ことができ、これらを単独または適宜組み合わせて使用
される。
体に前記化学式[化1]で表されるフェニル尿素系化合
物の1種または2種以上とジメチルジチオカルバミン酸
亜鉛とを含有させることが必要である。
素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、p−クロロフェノキシ基、p−メトキシフェノキ
シ基を表す。そして、ハロゲン原子としては、臭素原
子、塩素原子等が挙げられ、低級アルキル基としては、
メチル基、エチメル基、プロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基等の炭素数5以下のアルキル基が挙げられ、低級ア
ルコキシ基としては、上記のアルキル基に対応する炭素
数5以下のアルコキシ基が挙げられる。R1 において、
好ましいアルキル基およびアルコキシ基は、メチル基、
メトキシ基である。
素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、t−ブ
チルアミノカルボニルオキシ基(−OCONHC(CH
3 )3 )を表す。そして、ハロゲン原子としては、臭素
原子、塩素原子等が挙げられる。R2 において、好まし
いハロゲン原子は塩素原子である。
4 は水素原子または低級アルキル基を表す。そして、低
級アルキル基としては、R1 におけるのと同様の炭素数
5以下のアルキル基が挙げられる。R3 及びR4 におい
て、好ましいアルキル基はメチル基である。
素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、o−メチ
ルシクロヘキシル基、α,α−ジメチルベンジル基(−
C(CH3 )2 −C6 H5)、1−メチル−2−プロピ
ニル基(−CH(CH3 )C≡CH)を表す。そして、
低級アルキル基および低級アルコキシ基としては、R1
におけるのと同様の炭素数5以下のアルキル基およびア
ルコキシ基が挙げられる。R5 において、好ましいアル
キル基およびアルコキシ基は、メチル基、ブチル基、メ
トキシ基である。
体的には、以下の化学式[化2]及び[化3]で表され
る(a)〜(l)の化合物が例示される。
て、化合物(a)はジクロロフェニルジメチル尿素、
(b)はクロロフェノキシフェニルジメチル尿素、
(c)はジクロロフェニルメチルブチル尿素、(d)は
ジクロロフェニルメトキシメチル尿素、(e)はジメチ
ルベンジルメチルフェニル尿素、(f)はクロロフェニ
ルジメチル尿素、(g)はジメチルベンジルp−トリル
尿素、(h)はジメチルウレイドフェニルt−ブチルカ
ーバメート、(i)はクロロフェニルメチルプロピニル
尿素、(j)はフルオロメチルフェニルジメチル尿素、
(k)はブロモフェニルメトキシメチル尿素、(l)は
メチルシクロヘキシルフェニル尿素である。
成用高分子重合体100重量部に対し、0.1〜30重
量部、好ましくは0.5〜20重量部の範囲とされる。
フェニル尿素系化合物の使用量が上記範囲より少ない場
合は、本発明の目的が充分に達成されないことがあり、
また、上記範囲より多い場合は、被膜とした場合の透明
性が低下することがある。
使用量は、併用するフェニル尿素系化合物に対し、0.
01〜10重量倍、好ましくは0.1〜2重量倍の範囲
とされる。ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛の使用量が
上記範囲より少ない場合は、ジメチルジチオカルバミン
酸亜鉛の併用効果が充分ではなく、また、上記範囲より
多い場合は、併用効果が飽和し、しかも、被膜の耐候性
および透明性が低下することがある。
では藻類着生阻止効力が殆どないが、フェニル尿素系化
合物と併用し組成物として使用することにより、極めて
強力な防藻効果を長期間に亙り発揮する。この理由およ
び植物生理的作用は、現時点では充分には究明されてい
ないが、両者が共力して相乗的毒性作用を呈するためと
考えられる。
の目的より、他の除草剤、殺菌剤、防カビ剤、殺虫剤、
害虫忌避剤などを併用することができる。また、必要に
応じ、補助的な成分、例えば、造膜助剤、界面活性剤、
酸化防止剤、着色剤、安定剤、増粘剤、消泡剤等を配合
することもできる。
ム及び/又は高分子重合体被膜中に紫外線吸収剤を含有
させるのが好ましい。紫外線吸収剤は、合成樹脂フィル
ム及び被膜の光劣化を防止し、フィルム強度の維持およ
び防塵効果による光透過性低下の軽減に有効であること
は勿論であるが、本発明においては、紫外線吸収剤は、
高分子重合体被膜中に含有されるフェニル尿素系化合物
とジメチルジチオカルバミン酸亜鉛の光劣化を阻止して
有効期間を延長すると共に、防藻効力を賦活、増強する
効果がある。そして、紫外線吸収剤としては、具体的に
は、次に示す各種の紫外線吸収剤を使用し得る。
は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3′−
ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2,2′
−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェ
ノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホン
ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキ
シベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′
−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−ク
ロルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒド
ロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等が挙げられ
る。
は、2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メ
チルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)
−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−アミノフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メト
キシベンゾトリアゾール、2−(2′−メチル−4′−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ステアリルオキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)
−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエ
チルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メチル
−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′
ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−5′−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−シクロヘキシルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′,
5′−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリ
アゾールブチルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−4′,5′−ジクロルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホン
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メトキシフェニル)−5−メチル
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリ
アゾール、2−(2′−アセトキシ−5′−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
フェノン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤を使用することが望ましい。また、紫外線吸
収剤は、1種または2種以上併用して使用することがで
きる。紫外線吸収剤の使用量は、基体の合成樹脂フィル
ムに含有させる場合は、合成樹脂100重量部当り、
0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部の
範囲とされる。使用量が上記範囲より少ない場合は、目
的とする防藻持続性の向上効果が充分ではなく、上記範
囲より多い場合は、使用量の割には防藻持続性の向上効
果が余り認められず、しかも、紫外線吸収剤がフィルム
表面にブリードしてフィルムの透明性が低下することが
ある。紫外線吸収剤を被膜に含有させる場合の使用量
は、被膜形成用高分子重合体100重量部当り、1〜4
0重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲とすれば上
記の使用量の範囲とされる。
ニル尿素系化合物、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛お
よび紫外線吸収剤その他の任意成分を被膜形成用高分子
重合体に配合して水性分散系または有機溶媒系の被膜用
組成物を調製し、これを合成樹脂フィルムの少くとも片
面に塗布したのち乾燥して製造される。
ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート
法、ロッドコート法、バーコート法、ナイフコート法、
ハケ塗り法等の公知の方法を採用することができる。
燥方式、赤外線加熱方式等の中から使用した溶媒に適っ
たものが適宜選択される。乾燥温度は、高分子重合体や
溶媒の種類、塗布厚さ等の条件により適宜決定される
が、水溶媒の場合は、被膜が形成される温度以上、好ま
しくは100℃程度にされる。被膜用組成物の塗布量
は、乾燥後の被膜の厚さが0.1〜20μm、好ましく
は0.3〜10μmとなるように選択するのが好まし
い。
せずに、合成樹脂フィルムの表面に直接的に被膜を形成
する方法によっても使用することができ、斯かる方法と
しては、共押出し法、押出しコーティング法、押出しラ
ミネート法、ラミネート法等が採用される。
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。以下の例においては、
後述の[表1]〜[表6]に各記号で表示した次の各物
質を使用した。
ゾトリアゾール <被膜用高分子重合体> X:アクリル樹脂 Y:フッソ樹脂
スルホニルピリジン
した極限粘度が0.65のもの)100重量部に対し、
各表に示した量の紫外線吸収剤を配合し、ヘンシェルミ
キサーで10分間混合した後、常法によって溶融押出
し、縦方向に延伸温度65℃、延伸倍率3.5倍、次い
で、横方向に延伸温度65℃、延伸倍率3.5倍で逐次
二軸延伸し、厚さ0.15mmの二軸配向フィルムを得
た。このフィルムの密度は1.36g/cm3 であっ
た。また、上記と同様にして紫外線吸収剤を配合しない
二軸配向フィルムも得た。
部に対し、ジオクチルフタレート45重量部、トリクレ
ジルフォスフェート5重量部、エポキシ樹脂2.5重量
部、Ca−Ba−Zn系安定剤2.5重量部、ソルビタ
ンモノパルミテート2重量部より成る混合物を準備し、
各表に示した量の紫外線吸収剤を配合し、ヘンシェルミ
キサーで10分間混合した後、165℃で混練し、次い
で、L型カレンダー装置で厚さ0.1mmのフィルムを
得た。また、上記と同様にして紫外線吸収剤を配合しな
いフィルムも得た。
ート30重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
18重量部、メタクリル酸2重量部、イソプロピルアル
コール100重量部、ベンゾイルパーオキサイド1重量
部より成る混合物を70℃で攪拌しながら3時間反応さ
せた後、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部添加
し、同温度で更に3時間反応を続けた。得られた重合体
溶液にイソプロピルアルコールを加え樹脂濃度が20重
量%になるように調製した。
クリレート樹脂3重量部、メチルエチルケトン80重量
部を混合し、樹脂濃度が20重量%の溶液を調製した。
フェニル尿素系化合物およびDMT−Zn又は殺菌性化
合物(TBZ、TCSP)を同表に記載した割合(樹脂
固形分に対する割合を示す)で各々添加して被膜用組成
物を得た。
面に被膜用組成物をロールコーター法で被膜の厚みが3
μmになるように塗布し、100℃のオーブン中で1分
間乾燥し、本発明のフィルム及び比較フィルムを製造し
た。以下の方法により、耐候性、防藻性試験および屋外
実地試験を行い、その結果を各表に示す。
号の内容は次の通りである。 <フィルム老化程度> ○:変化なし、△:若干変化あり、×:白化、ブリード
等あり <藻類の着生程度> ◎:着生なし、○:僅かに着生、△:かなり着生、×:
全面に着生
試料をサンシャインウエザーオメーターで耐候促進試験
に供した(条件:ブラックパネル温度70℃)。次に、
耐候試験後の試料を25mm×25mmに裁断し防藻試
験に供した。すなわち、直径9cmのプラスチックシャ
ーレに緑藻類用合成培地20mlを注入して固化した
後、その表層部に、予め培養した藻類の供試液0.2m
lをコーンラッジで接種した。塗膜面が培地に接触する
ように、上記の各試験片を貼付し、インキュベーター内
で光照射下25℃で1ヵ月間培養し、防藻効果を目視で
判定した。
張し、被膜を形成した面が外側になるようにして、北向
の屋外に傾斜して曝露し、着生物の付着状況を目視によ
り観察した。
及び[表2]によれば、被膜にジクロロフェニルジメチ
ル尿素(DCMU)とDMT−Znを併用したものは、
DCMU単独のものより格段に有効であり、また従来優
れた効力を認められていたDCMUとTCSP(2,
3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリ
ジン)を併用したものが及ばなかった長期間の防藻効力
を示した。基体フィルムに紫外線吸収剤を添加したもの
は、更に防藻効力有効期間の延長が認められた。
及び[表4]によれば、本発明の各フェニル尿素系化合
物とDMT−Znを併用添加した試料フィルムは、いず
れも、従来品では得られなかった長期の優れた防藻効力
を示している。基体フィルムに紫外線吸収剤を添加した
ものは、防藻効力が安定して優れている。
6]によれば、本発明のDCMUとDMT−Znを被膜
に併用添加した試料フィルムは、4年以上の防藻効力を
示している。基体フィルムに紫外線吸収剤を添加したも
のは、更に安定な長期防藻性が認められる。
ィルムは、過酷な条件下に屋外展張しても、長期間に亙
って藻類の着生を防止して光透過性低下を抑制すること
ができ、従って、本発明の農業用合成樹脂フィルムは施
設園芸用フィルムとして特に有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 合成樹脂フィルムの少くとも片面に次の
化学式[化1]で表されるフェニル尿素系化合物の1種
または2種以上とジメチルジチオカルバミン酸亜鉛とを
含有する高分子重合体の被膜を形成して成ることを特徴
とする農業用合成樹脂フィルム。 【化1】 (上記の式中、R1 は、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基、p−クロロフェノキシ
基、p−メトキシフェノキシ基を表し、R2 は、水素原
子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、t−ブチル
アミノカルボニルオキシ基(−OCONHC(CH3 )
3 )を表し、R3 及びR4 は水素原子または低級アルキ
ル基を表し、R5 は、水素原子、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、o−メチルシクロヘキシル基、α,α−
ジメチルベンジル基(−C(CH3)2 −C6 H5)、1
−メチル−2−プロピニル基(−CH(CH3 )C≡C
H)を表す) - 【請求項2】 高分子重合体がアクリル系樹脂であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の農業用合成樹脂フィル
ム。 - 【請求項3】 合成樹脂フィルム及び/又は被膜中に紫
外線吸収剤を含有して成ることを特徴とする請求項1又
は2に記載の農業用合成樹脂フィルム。
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