JP3233896B2 - 乾燥パスタ及びこれを用いた加熱殺菌処理パスタの製造方法 - Google Patents

乾燥パスタ及びこれを用いた加熱殺菌処理パスタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾燥パスタの製造方法
及びこの製造方法により得られた乾燥パスタを用いた加
熱殺菌処理パスタの製造方法に関し、更に詳細には、加
熱殺菌処理後の保存時におけるパスタの風味の低下や色
調の暗色化を有効に防止することができる乾燥パスタの
製造方法、及びこの製造方法により得られた乾燥パスタ
を用いた加熱殺菌処理パスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱殺菌処理パスタの製造方法と
して、特開平3−9056号公報や特開平3−3905
7号公報等に開示された種々の方法が知られている。し
かし、こうした従来の加熱殺菌処理パスタの製造方法で
は、得られるパスタが暗色化し、歯ごたえがなくて食感
が悪く、赤やけが生じる等の問題があった。本出願人
は、上記パスタの暗色化を防止する方法として、灰分
0.63%以下のパスタを使用するレトルトパスタの製
造方法について既に特許出願をしている(特願平2−4
6940号)。また、上記パスタの食感、赤やけを改善
する方法として、乾燥開始後2時間以内にパスタの水分
が14〜27重量%となり且つ乾燥開始後5分から2時
間までの間にパスタの品温が5分間以上77〜94°C
に保持される条件で乾燥処理を施すことを特徴とするレ
トルトパスタの製造方法について既に特許出願をしてい
る(特願平4−351941号)。しかしながら、これ
までに提案されているものは、いずれも、加熱殺菌処理
後の保存時にパスタの香りが悪くなって風味が低下しや
すく、この点で未だ不十分なものであった。また、色調
の暗色化についても改善の余地が残されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加熱殺菌処
理後の保存時におけるパスタの風味の低下や色調の暗色
化を有効に防止することができる乾燥パスタの製造方法
を提供することを目的とする。同時に、上記乾燥パスタ
を用いた加熱殺菌処理パスタの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが研究を進め
た結果、抗酸化剤を含有するパスタを調製し、このパス
タに特定の条件を満たすように乾燥処理を施して乾燥パ
スタを製造すること、また、上記乾燥パスタに茹処理を
施し、次いで冷却処理を施した後、加熱殺菌処理を施す
ことにより、上記課題を解決し得ることを見出し、これ
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、抗酸化剤を含有する
パスタを調製し、得られたパスタにその品温が65〜9
0°Cに少なくとも90分間保持されるように乾燥処理
を施して乾燥パスタを製造し、得られた乾燥パスタに、
茹処理を施し、次いで冷却処理を施した後、加熱殺菌処
理を施すことを特徴とする加熱殺菌処理パスタの製造方
である。
【0006】以下、本発明の内容を詳細に説明する。先
ず、本発明で対象とするパスタとしては、例えば、スパ
ゲティ、マカロニ、シェル、ラザーニャ等を挙げること
ができる。
【0007】次に、本発明で用いる原料について説明す
る。本発明では、デュラムセモリナ、強力粉、準強力
粉、中力粉、薄力粉等の澱粉質原料を用いる。本発明で
は、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使
用することができるが、デュラムセモリナを使用する場
合により顕著な効果を得ることができる。
【0008】デュラムセモリナを使用する場合は、灰分
0.55〜0.70重量%(以下、単に%という)、更
に好ましくは0.65〜0.70%のデュラムセモリナ
を使用するのが加熱殺菌処理による麺の暗色化を防止し
且つ風味の優れた加熱殺菌処理パスタを得る上で好まし
い。尚、上記デュラムセモリナの灰分は、デュラムセモ
リナの水分が15%である場合の値である。また、上記
灰分の測定法としては例えば灰化法(550°C)等が
ある。
【0009】デュラムセモリナを使用する場合の使用量
は、特に制限されないが、澱粉質原料全体の60%以
上、好ましくは90%以上、更に好ましくはほぼ100
%であることが、得られるパスタの食感の点で望まし
い。
【0010】本発明では、上記澱粉質原料の他に抗酸化
剤を用いることが重要であり、これにより、パスタの製
造中並びに製造後においてパスタに含まれる油の劣化を
防止し、後述する特定の乾燥条件と組み合せることによ
り、加熱殺菌処理後の保存時におけるパスタの風味の低
下を有効に防止することができる。抗酸化剤としては、
具体的には、例えばトコフェロール、ローズマリー、ポ
リフェノール、グルタチオン、BHA(ブチルヒドロキ
シアニソール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエ
ン)、NDGA(ノルジヒドログアヤレチック酸)、没
食子酸を挙げることができる。これらの中でも、パスタ
の色調の暗色化を有効に防止する上で、トコフェロー
ル、ローズマリー、ポリフェノール、グルタチオンを用
いるのが好ましい。抗酸化剤を使用する場合の添加量
は、上記効果を好適に得る上で澱粉質原料に対して0.
001〜0.1%、更には0.005〜0.05%であ
ることが好ましい。
【0011】また、本発明では、上記原料の他に、澱粉
質原料に対して0.0003〜0.01%、より好まし
くは0.0005〜0.006%のルテインを添加する
とよい。これにより加熱殺菌処理を施した場合に顕在化
するパスタの色調の変化、暗色化を有効に防止すること
ができる。
【0012】ここで、ルテインとは、ヨノン環に水酸基
をもつカロチノイドであり、デュラムセモリナ等の澱粉
質原料に本来含まれている成分であるが、ここでは、澱
粉質原料に対して更に特定量添加してパスタを調製す
る。ルテインの添加量が澱粉質原料に対して0.000
3%に満たないとパスタの色調の変化、暗色化を有効に
防止することができない。反対に、0.01%を超える
とパスタが橙色を帯びて不自然な色調のものとなる。
【0013】澱粉質原料に対して特定量添加するルテイ
ンとしては、これを多く含む原料、例えばマリーゴール
ド色素等をそのまま、あるいはこれから抽出、単離して
使用すればよく、本発明では特にマリーゴールド色素由
来のものを使用するのが上記効果を好適に得る上で好ま
しい。
【0014】本発明では、上記原料の他に、例えば熱凝
固性蛋白質、糖質、ガム類、調味料等を適宜使用しても
よい。とりわけ、糖質としてトレハロースを使用すると
よい。これにより、パスタに柔らかな潤いのある舌触り
を付与し、また、加熱殺菌処理後の保存中におけるパス
タの食感の低下を有効に防止することができる。
【0015】ここで、トレハロースとは、2分子のDー
グルコースがその還元基同士で結合した構造を有する二
糖類であり、本発明においては、特にその製造法、種類
等に係わらずいずれのものを用いてもよい。トレハロー
スの添加量は、上記効果を好適に得る上で澱粉質原料に
対して0.5〜10%、更には2〜6%であることが好
ましい。
【0016】次に、上記原料を用いた乾燥パスタの製造
について説明する。先ず、上記原料を加水混合して生地
を得る。続いて、この生地を例えば線状又は板状等の所
望の形状に成形してパスタを調製する。上記原料の加水
混合及び生地の成形の操作は、常法によって行えばよ
い。具体的には、例えば原料の加水混合に際しては、ミ
キサー等を用いて行えばよく、水は生地中20〜40%
好ましくは25〜35%を占めるように添加するのがよ
い。尚、原料の加水混合は、すべての原料を同時に加水
混合してもよいが、澱粉質原料以外の原料は予め水に溶
解ないし分散させておくのが澱粉質原料中に他の原料を
均一に分散させて上記のような効果を好適に得る上で好
ましい。
【0017】また、生地の成形は、ロール圧延機や押出
し成型機等を用いて行うことができる。このようにして
得られるパスタの水分は、20〜40%好ましくは25
〜35%程度であることがグルテン組織を充分形成させ
且つ成形後の形を保持する点で望ましい。また、同様の
点でpHが5〜10、好ましくは6〜8程度であること
が望ましい。
【0018】次に、このようにして調製されたパスタに
乾燥処理を施す。これにより加熱殺菌処理後のパスタの
食感にコシの強さを付与することができる。また、パス
タが線状のものである場合に、麺線どうしの結着を有効
に防止し得、調理時等のパスタのほぐれを良くすること
ができる。
【0019】上記乾燥条件としては、雰囲気温度40〜
98°C、相対湿度70〜95%の条件で8〜24時間
を例示できるが、本発明では、加熱殺菌処理後の保存時
におけるパスタの風味の低下及び色調の暗色化を有効に
防止する上から、パスタにその品温が65〜90°Cに
少なくとも90分間、更に好ましくは65〜75°Cに
120〜600分間保持されるように乾燥処理を施すこ
とが重要である。
【0020】これにより、パスタに含まれる油の劣化に
関与するパスタ中の酵素を有効に失活させることがで
き、パスタに含有される抗酸化剤との相乗効果により加
熱殺菌処理後の保存時におけるパスタの風味の低下、色
調の暗色化を有効に防止することができる。尚、上記品
温が65°Cを下回るか、品温を65〜90°Cに保持
する時間が90分間に満たないと、上記酵素を充分に失
活させ難くなり加熱殺菌処理後の保存時にパスタ中の油
劣化が促進してパスタの香りが悪くなり風味が低下し、
色調が暗色化する。また、90°Cを超える品温にパス
タを保持して酵素の失活を図るとパスタが高品温になり
過ぎてかえって色調の暗色化が促進される。
【0021】尚、上記のようにパスタの品温を65〜9
0°Cに保持した後は、例えばパスタの品温を20〜6
5°Cに保持してパスタ中における水分の偏りをなく
し、水分を均一化して局所的な過乾燥を防止するのが好
ましい。乾燥処理後のパスタの水分は8〜13%程度で
あることが好ましい。
【0022】次に、上記乾燥パスタを用いて加熱殺菌処
理パスタを製造する方法について説明する。先ず、上記
乾燥パスタに、好ましくは茹上り後のパスタの水分が5
5〜77重量%、更に好ましくは60〜70重量%とな
るように茹処理を施す。これにより、得られる加熱殺菌
処理パスタの風味及び食感をパスタ本来のものと同等に
良好なものとすることができる。
【0023】パスタの水分が上記の範囲を下回る場合に
は、得られる加熱殺菌処理パスタは澱粉臭の低減が充分
でない風味のものとなり且つしなやかな弾力に欠けるも
のとなる傾向がある。一方、上記範囲を超える場合には
得られる加熱殺菌処理パスタの食感が充分にコシのある
ものとならない傾向にある。
【0024】次に、得られた茹パスタに冷却処理を施
す。これにより、得られる加熱殺菌処理パスタが更にコ
シのある食感になると共に、パスタが線状のものである
場合に、麺線どうしの結着を有効に防止することができ
且つ調理時等にほぐれの良好な加熱殺菌処理パスタを得
ることができる。これは、冷却により澱粉ゲルが強化さ
れるためであると考えられる。
【0025】上記冷却方法は特に制限されず、例えばパ
スタを水冷却する方法、炭酸ガス又は空気等の冷気を吹
き付ける方法等があるが、水冷却する方法を採用する
と、茹パスタ表面のぬめりを除去することができ、パス
タが線状のものである場合に、麺線どうしの結着をより
有効に防止することができ且つ調理時等のほぐれや喫食
時の口当たりを更に良好なものとすることができる点で
望ましい。
【0026】水冷却する方法としては、具体的には茹パ
スタに水シャワー(滝状に流す又は噴霧する水の中に茹
パスタを通過させる場合を含む)する方法、流水又は静
水中に浸漬する方法及び上記2方法を併用する方法等が
ある。冷却の条件は、茹パスタの品温が冷却開始後60
秒以内、好ましくは30秒以内に40°C以下、望まし
くは10〜30°C、更に望ましくは10〜25°Cに
なるように設定することが好ましい。
【0027】上記冷却処理を終えたパスタは、後の加熱
殺菌処理の条件を緩和するために有機酸水溶液に浸漬
し、pHが4.0〜5.0、更に好ましくは4.3〜
4.7となるように調整してもよい。上記水溶液に使用
する有機酸としては、例えば乳酸、クエン酸、リンゴ
酸、酒石酸のカルボン酸等があげられる。有機酸の濃度
は、0.5〜2%程度が適当である。
【0028】上記水溶液への浸漬時間としては15秒〜
1分間が例示される。また、上記水溶液にガム質を添加
しておくとパスタ表面に保湿膜が形成されて加熱殺菌処
理後の保存中に生じるパスタの部分的な乾燥を有効に防
止することができる。
【0029】また、パスタが線状のものである場合は必
要により麺線をほぐす。その際又はその後、麺線に油脂
及び/又は乳化液を付着させることもできる。これによ
り、麺線どうしの結着を更に防止し得、麺線のほぐれを
一層良好にすることができる。
【0030】上記油脂の種類としては、食用の油脂であ
れば特に制限されず、例えばラード・ヘッド等の動物油
及び例えば綿実油・大豆油・菜種油・椿油・パーム油等
の植物油が好適に利用できる。また、使用量としては、
茹パスタに対して0.1〜5%、好ましくは0.5〜2
%が適当である。
【0031】また、乳化液はO/W型のものを使用する
ことができる。乳化液に使用する油脂としては上記した
ものを用いれば良く、一方、乳化剤としては例えばレシ
チン、ショ糖脂肪酸エステル等が好適に使用できる。上
記油脂及び乳化液の付着方法としては、特に制限され
ず、噴霧・浸漬・塗布等の手段がある。
【0032】次に、得られたパスタを耐熱性を有する袋
等の包装体に充填するが、この際、パスタの水分は茹上
り後のパスタの水分範囲にあることが望ましい。上記耐
熱性の袋としては、加熱殺菌に耐え得る耐熱性を有する
もの(パウチ等)であればすべて使用することができ
る。パスタを袋に充填した後、必要により袋中の空気を
窒素ガス・炭酸ガス等の不活性ガスと置換し、袋の開口
部をヒートシール等の手段により密封する。
【0033】尚、包装体として袋のかわりに容器を採用
することもできる。この場合、例えば容器にソースを注
入しそのまま電子レンジ等で加熱して喫食することがで
きる。該容器としては、例えばポリエステル、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル等の単層物或るい
は積層物でつくられたカップ状或るいは丼状のものをあ
げることができる。
【0034】次に、上記袋又は容器に加熱殺菌処理を施
す。加熱殺菌処理の条件としては、殺菌温度95〜13
5°C、5〜60分間が例示できるが、前述のようにパ
スタを有機酸水溶液に浸漬してpH4.0〜4.6に調
整した場合には、条件を95〜110°C、5〜60分
間程度に緩和することができる。このように条件を緩和
して加熱殺菌処理を施した場合は、パスタの色調の変
化、暗色化を更に好適に防止することができ、風味、食
感等においても更に優れた加熱殺菌処理パスタを得るこ
とができる。
【0035】加熱殺菌処理方法としては、加圧加熱殺菌
処理が望ましく、特に加圧加熱殺菌処理中の加圧加熱殺
菌処理槽内の圧力を袋内部の圧力にできるだけ一致させ
る、いわゆる定差圧式殺菌法であることが望ましい。そ
の場合、条件としては、加圧加熱殺菌処理時の袋内の圧
力と加圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧(又は被殺菌
食品品温の飽和水蒸気圧と空気の膨張圧との和と加圧加
熱殺菌処理槽内の圧力との差圧)が−0.5〜+0.5
kg/cm2、好ましくは−0.3〜+0.3cm2とな
るように加圧加熱殺菌処理を行うことが望ましい。
【0036】
【実施例】実施例1(乾燥スパゲティ)水分15.0
%、灰分0.65%のデュラムセモリナ100重量部
(以下、単に部という)に、水30部、マリーゴールド
パウダー(三栄源エフ・エフ・アイ社製、ルテイン含量
7.4%)0.015部、トレハロース(林原商事社
製)4部及びトコフェロール0.025部からなる混合
液を加えてミキサーで混合した後、エクストルーダーで
押し出すと共に切断し、直径1.65mm、長さ60c
mの麺線とした。該麺線は水分約32%、pH6.3の
ものであった。
【0037】得られた麺線を竿に掛け、雰囲気温度40
°C、相対湿度80%の条件で乾燥処理を開始し、開始
後約60分かけて雰囲気温度を80°Cに上げ、これに
よりパスタ線の品温を約70°Cとした。引き続き、雰
囲気温度80°C、相対湿度80%の条件で麺線の品温
を約75°Cに2時間保持した。その後、雰囲気温度7
0°C、相対湿度80%の条件で麺線の品温を約65°
Cに8時間保持した。その後、雰囲気温度30°C、相
対湿度80%の条件で麺線の品温を約30°Cに5時間
保持して乾燥処理を終えた。乾燥処理後の麺線の水分は
約11%であった。その後、麺線を長さ25cmに切断
して本発明の乾燥スパゲティを得た。
【0038】実施例2(加熱殺菌処理スパゲティ) 実施例1で得た乾燥スパゲティを沸騰水中で約7分間茹
でた後、湯切りし、水分約65%の茹スパゲティを得
た。次に、得られた茹スパゲティを約10°Cの水に3
0秒間浸漬した。水浸漬後の茹スパゲティの品温は約2
0°Cであった。次に、上記茹スパゲティを、水98.
52部、クエン酸0.6部、乳酸0.68部及びアラビ
ヤガム0.2部からなる水溶液に30秒間浸漬した。得
られた茹スパゲティのpHは4.5であった。次に、上
記茹スパゲティをほぐしつつ、これに茹スパゲティ10
0部に対して0.8部のパーム油を塗布した。
【0039】次に、パーム油を塗布した茹スパゲティを
180gづつポリプロピレン製のパウチ(140×15
5mm)に充填し、その後、該パウチに60mlの空気
が残るようにヒートシールした。次いで、上記パウチを
加圧加熱殺菌時の袋内の圧力と加圧加熱殺菌処理槽内の
圧力との差圧がー0.3〜+0.3kg/cm2となる
ように、殺菌温度105°C、30分間の条件で加圧加
熱殺菌処理し、本発明の加熱殺菌処理スパゲティを得
た。
【0040】得られた加熱殺菌処理スパゲティをパウチ
から出したところ、黄色の明るい色調を呈しており、パ
スタの色調の変化や暗色化の認められないものであっ
た。このスパゲティを沸騰水中で1分間加温し、湯ぎり
後皿に盛り付け、更に加温した市販のミートソースを注
いでかき混ぜた。この際、スパゲティはほぐれが良くて
調理しやすく、ミートソースの絡まりも良かった。これ
を喫食したところ、油の劣化臭や澱粉臭等の不快臭が感
じられず、柔らかな潤いのある舌触り、噛むとシコシコ
とした歯ごたえのある食感を有し、加熱殺菌処理を行わ
ない茹スパゲティとぼぼ同等の風味を有するものであっ
た。また、上記加熱殺菌処理スパゲティは、二か月経過
後も上記品質が好適に保持されているものであった。
【0041】実施例3 トコフェロールに代えてローズマリーを用いる以外は、
実施例1と同様の方法により、乾燥スパゲティを得た。
得られた乾燥スパゲティを実施例2と同様の方法によ
り、加熱殺菌処理スパゲティを得た。得られた加熱殺菌
処理スパゲティをパウチから出したところ、黄色の明る
い色調を呈しており、パスタの色調の変化や暗色化の認
められないものであった。このスパゲティを沸騰水中で
1分間加温し、湯ぎり後皿に盛り付け、更に加温した市
販のミートソースを注いでかき混ぜた。この際、スパゲ
ティはほぐれが良くて調理しやすく、ミートソースの絡
まりも良かった。これを喫食したところ、油の劣化臭や
澱粉臭等の不快臭が感じられず、柔らかな潤いのある舌
触り、噛むとシコシコとした歯ごたえのある食感を有
し、加熱殺菌処理を行わない茹スパゲティとぼぼ同等の
風味を有するものであった。また、上記加熱殺菌処理ス
パゲティは、二か月経過後も上記品質が好適に保持され
ているものであった。
【0042】実施例4 トコフェロールに代えてポリフェノールを用いる以外
は、実施例1と同様の方法により、乾燥スパゲティを得
た。得られた乾燥スパゲティを実施例2と同様の方法に
より、加熱殺菌処理スパゲティを得た。得られた加熱殺
菌処理スパゲティをパウチから出したところ、黄色の明
るい色調を呈しており、パスタの色調の変化や暗色化の
認められないものであった。このスパゲティを沸騰水中
で1分間加温し、湯ぎり後皿に盛り付け、更に加温した
市販のミートソースを注いでかき混ぜた。この際、スパ
ゲティはほぐれが良くて調理しやすく、ミートソースの
絡まりも良かった。これを喫食したところ、油の劣化臭
や澱粉臭等の不快臭が感じられず、柔らかな潤いのある
舌触り、噛むとシコシコとした歯ごたえのある食感を有
し、加熱殺菌処理を行わない茹スパゲティとぼぼ同等の
風味を有するものであった。また、上記加熱殺菌処理ス
パゲティは、二か月経過後も上記品質が好適に保持され
ているものであった。
【0043】
【発明の効果】以上のように、抗酸化剤を含有するパス
タを調製し、得られたパスタにその品温が65〜90°
Cに少なくとも90分間保持されるように乾燥処理を施
す乾燥パスタの製造方法によれば、加熱殺菌処理後の保
存時におけるパスタの風味の低下や色調の暗色化を有効
に防止することができる乾燥パスタを得ることができ
る。
【0044】また、上記乾燥パスタに、茹処理を施し、
次いで冷却処理を施した後、加熱殺菌処理を施す加熱殺
菌処理パスタの製造方法によれば、上記高品質の加熱殺
菌処理パスタを好適に製造することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗酸化剤を含有するパスタを調製し、得
    られたパスタにその品温が65〜90°Cに少なくとも
    90分間保持されるように乾燥処理を施して乾燥パスタ
    を製造し、得られた乾燥パスタに、茹処理を施し、次い
    で冷却処理を施した後、加熱殺菌処理を施すことを特徴
    とする加熱殺菌処理パスタの製造方法
  2. 【請求項2】 抗酸化剤がトコフェロールである請求項
    1記載の加熱殺菌処理パスタの製造方法
  3. 【請求項3】 抗酸化剤及びマリーゴールド色素由来の
    ルテインを含有するパスタを調製する請求項1又は2記
    載の加熱殺菌処理パスタの製造方法
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