JP2675472B2 - 袋入り麺の製造方法 - Google Patents

袋入り麺の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、袋入り麺の製造方法に
関し、更に詳細には、得られる袋入り麺のほぐれ及び外
観が良好であると共に、加熱殺菌ムラ及び過加熱に起因
する品質の劣化を有効に防止することができる袋入り麺
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、袋入り麺の製造方法としては、袋
に茹麺を充填密封した後、上記袋に蒸気により加圧加熱
殺菌処理を施す方法がある。しかしながら、こうした方
法には、得られる袋入り麺に加熱殺菌ムラが生じるとの
問題があった。その原因は、該方法では加圧加熱殺菌処
理時に処理槽内の圧力調整のために多量の加圧空気が処
理槽内に導入されるが、空気と蒸気とは均一に分布し難
く、袋の位置により昇温速度に差が生じるためであると
推定される。
【0003】また、他の袋入り麺の製造方法としては、
袋に茹麺を含気状態で充填密封した後、得られた袋を熱
水に浸漬することにより加圧加熱殺菌処理を施す方法が
ある。具体的には、多数の袋をトレー上に載置し、次い
で、こうしたトレーを複数段積層した状態で熱水に浸漬
し、加圧加熱殺菌処理を施す。
【0004】しかしながら、こうした方法では、加圧し
ない限り袋内空気が膨張してしまい、熱伝達性が低下し
て麺線を速やかに加熱殺菌することが困難となる。その
結果、表面部分の麺線は、長時間の加熱にさらされるこ
とになり、過加熱により劣化する虞がある。一方、上記
した虞を回避するために脱気すると、麺線が結着してし
まうとの問題点があった。また、上記方法には、最上段
のトレー上の袋と比較して最下段のトレー上の袋には水
圧が加えられることになり、その結果、得られる袋入り
麺に与えられる熱量に差が生じるとの問題点もあった。
【0005】本発明者等は、こうした問題点のない方法
を得るために鋭意研究を行った結果、袋に茹麺を含気状
態で充填密封した後、袋に熱水を噴霧状又はシャワー状
に振り注ぐことにより加圧加熱殺菌処理を施す方法を試
みた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法により得られた袋入り麺は、個体(袋)毎に殺菌効果
に大きなバラツキがあった。そして、上記殺菌効果の差
を見越して最も殺菌効果の低いものが殺菌不良にならな
いように殺菌条件(温度・時間)を設定して加圧加熱殺
菌処理を施したところ、得られた袋入り麺の中には、過
剰な条件で加熱殺菌処理されたために保存中に麺線が硬
化(脆くなる)してしまい、喫食し得ないものが生じる
との新たな問題点に遭遇した。
【0007】本発明は、得られる袋入り麺のほぐれ及び
外観が良好であると共に、加熱殺菌ムラ及び過加熱に起
因する品質の劣化を有効に防止することができる袋入り
麺の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】本発明者等は、上記した問題点を解決すべ
く鋭意研究した結果、以下の知見を得た。すなわち、袋
に麺線を含気状態で充填密封するに際して、全袋の含気
率を完全に同じにすることは実際上困難である。含気率
の高い袋は他の袋と比較して膨張し易く熱伝達性が悪
い。そこで、加熱殺菌処理時に含気率の高い袋が膨張し
ないように加圧すると、含気率の低い袋内の麺線は過剰
に加圧されて結着してしまい、ほぐれが悪くなる。従っ
て、実際には加熱殺菌処理時に含気率の高い袋の膨張を
充分に防止できるほどには加圧できず、これが個体毎の
殺菌効果のバラツキ(加熱殺菌ムラ)の原因になってい
たのである。
【0009】そこで、本発明者等は、上記した問題点を
解決するために更に研究を行った結果、袋に加圧下で且
つ100°C以上の温度条件で熱水を噴霧状又はシャワ
ー状に振り注ぐことにより加圧加熱殺菌処理を施すに先
立ち、上記袋に加圧下で且つ100°C以下の温度条件
で所定時間予備加熱処理を施すことにより、上記問題点
を解決することができるの知見を得た。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した知見を基に完成
された本発明の要旨は、(a)茹麺を袋に含気した状態
で充填密封する工程、(b)上記袋に加圧下で且つ10
0°C以下の温度条件で所定時間予備加熱処理を施す工
程、(c)上記袋に加圧下で且つ100°C以上の温度
条件で熱水を噴霧状又はシャワー状に振り注ぐことによ
り加圧加熱殺菌処理を施す工程、を採用することを特徴
とする袋入り麺の製造方法にある。
【0011】以下、本発明の内容を詳細に説明する。本
発明の方法を適用できる茹麺としては、例えば、ウド
ン、焼きウドン、焼きソバ、ラーメン、スパゲティー、
マカロニ等がある。
【0012】麺線の調製は常法と異なるものではなく、
例えば小麦粉に必要により澱粉、着色料、卵白、ガム類
等を加えた粉体原料に予め食塩、必要によりpH調整剤
やかん水を溶解した水を添加し、常法により混捏してド
ウを調製する。
【0013】次いで、得られたドウを圧延及び/又は展
延して麺帯にした後切り出すか或るいはドウを押出し成
型機により成型し、麺線を得る。
【0014】次に、得られた麺線を必要によりウェービ
ングする。これにより得られる袋入り麺の麺線どうしの
結着を有効に防止することができ、また調理時のほぐれ
も良好にすることができる。
【0015】次に、得られた麺線に必要により蒸煮処理
を施す。この工程は、主に前記ウェービングを行った場
合にウェーブを固定するために行うのであるが、上記ウ
ェービングを行わない場合にも、得ようとする麺線の食
感の調整のため等に採用することもできる。
【0016】この場合、蒸煮の条件は、原料配合、麺線
の水分、麺線の太さ、後工程の茹条件、得ようとする麺
の食感等により異なるものであるが、90°C以上で3
0秒以上好ましくは97〜103°Cで1分〜3分が望
ましい。次に、必要により麺線を例えば30〜50cm
等の適当な長さに切断する。該切断処理は蒸煮処理前に
行うこともできる。
【0017】次に、上記麺線に茹処理を施す。この場
合、麺線としては前記した如く調製された生麺又は蒸煮
麺の他、茹麺に乾燥処理を施し乾麺としたものを使用す
ることもできる。
【0018】本発明においては、上記茹の工程において
麺線の茹を実質的に完了する(麺線が喫食可能になるま
で茹る)ように行うことが好ましい。これにより、茹を
行わず後工程の加圧加熱殺菌処理時に茹を行わせる場合
と比較して、得られる袋入り麺の風味及び食感を茹麺本
来のものと同等な良好なものとすることができる。茹条
件は、90°C以上、好ましくは95°C以上の温度
で、茹上り後の麺線の水分が55〜70重量%好ましく
は57〜66重量%となるように行うのが良い。上記範
囲を下回る場合には、得られる袋入り麺は穀粉臭の低減
が充分でなく、風味の良くないものとなる傾向があり、
更に喫食に際して吸水のために熱湯での処理が長時間と
なる傾向にある。一方、上記範囲を越える場合には得ら
れる袋入り麺の食感が充分にコシのあるものとならない
傾向にある。
【0019】次に、得られた茹麺に冷却処理を施す。こ
れにより、得られる袋入り麺が更にコシのある食感とな
ると共に、麺線どうしの結着を有効に防止し得、調理時
等のほぐれの良好な袋入り麺を得ることができる。これ
は、冷却により澱粉ゲルが強化されるためであると推定
される。
【0020】上記冷却方法は、麺線を冷却し得るもので
あれば特に制限されず、例えば麺線を水冷却する方法、
炭酸ガス又は空気等の冷気を吹き付ける方法等がある
が、水冷却する方法を採用すると、茹麺表面のぬめりを
除去することができ、麺線どうしの結着を有効に防止す
ることができ、且つ調理時等のほぐれや喫食時の口当た
りを更に良好となし得る点で望ましい。水冷却する方法
としては、具体的には茹麺に水シャワー(滝状に流す又
は噴霧する水の中に茹麺を通過させる場合を含む)する
方法、流水又は静水中に浸漬する方法及び上記2方法を
併用する方法等があるが、最後の方法が前述した効果の
点及び麺線の冷却を短時間で行うことができる点で最も
望ましい。
【0021】上記冷却の条件は、茹麺の品温が冷却開始
後60秒以内、好ましくは30秒以内に40°C以下、
望ましくは10〜30°C、更に望ましくは10〜25
°Cになるように設定することが適当である。前記した
茹麺に水シャワーする方法及び静水中に浸漬する方法を
併用する場合、5〜40°C、好ましくは5〜25°C
の水を、茹麺100gに対して0.1〜10リットル/
秒、好ましくは0.3〜2リットル/秒の割合で5〜3
0秒、好ましくは5〜15秒間滴下又は水シャワーした
後、5〜40°C、好ましくは5〜25°Cの水に10
〜120秒、好ましくは15〜60秒間浸漬する。
【0022】次に、該麺線を必要によりほぐす。その際
又はその後、麺線に油脂及び/又は乳化液を付着させる
こともできる。これにより、麺線どうしの結着を更に防
止し得、麺線のほぐれを一層良好とすることができる。
この場合、油脂単独で使用すると分散性が充分でなく油
脂の使用量によっては脂っこい食感となることがあり、
一方、乳化液の単独使用の場合、所望の油脂量となるよ
うに乳化液を付着させると、乳化液中の水により茹麺へ
の過剰な吸水を招き食感が低下する場合があるので、こ
うした問題の少ない油脂及び乳化液の併用が実用上最も
好ましい。
【0023】上記油脂の種類としては、食用の油脂であ
れば特に制限されず、例えばラード・ヘッド等の動物油
及び例えば綿実油・大豆油・菜種油・椿油・パーム油等
の植物油が好適に利用できる。また、使用量としては、
油脂単独で使用する場合、茹麺100重量部に対して
0.2〜8重量部、好ましくは0.5〜2重量部が適当
である。
【0024】また、乳化液はO/W型のものを使用する
ことができる。乳化液に使用する油脂としては上記した
ものを用いれば良く、一方乳化剤としては例えばレシチ
ン、ショ糖脂肪酸エステル等が好適に使用できる。ま
た、上記乳化液中の油脂:水の比率(重量比)は1:9
9〜50:50、好ましくは6:94〜50:50が適
当である。50:50より水の比率が低くなる場合に
は、乳化液を調製するのが困難になる。また、使用量と
しては、乳化液単独で使用する場合、茹麺100重量部
に対して約0.5〜10重量部が適当である。
【0025】また、上記油脂と乳化液とを併用する場
合、使用量としては茹麺100重量部に対して乳化液
0.5〜1.5重量部及び油脂0.5〜2.0重量部が
適当である。更に、上記範囲で乳化液と油脂全体で使用
する油脂:水の比率を50:50より水の比率が低くな
るように、乳化液の配合、乳化液及び油脂の使用量を決
定する。これにより、同量の油脂を含有する乳化液を単
独で使用する場合と比較して茹麺に余剰の水を吸着させ
ることなく、茹麺の過度の膨潤を有効に防止することが
できる。上記油脂及び/乳化液の付着方法としては、特
に制限されず、噴霧・浸漬・塗布等の手段がある。
【0026】次に、得られた麺線を耐熱性を有する袋等
に充填するが、この際、麺線の水分は上記した茹上り後
の麺線の水分範囲にあることが望ましい。上記耐熱性の
袋としては、加圧加熱殺菌に耐え得る耐熱性を有するも
のであればすべて使用することができる。次に、必要に
より袋中の空気を窒素ガス等の不活性ガスと置換した
後、袋の開口部をヒートシール等の手段により密封す
る。
【0027】この場合、袋の含気率(密封後の袋内部の
気体の体積/密封後の袋の全容積)としては40容量%
以下、好ましくは20〜35容量%、更に好ましくは2
5〜35容量%が望ましい。40容量%を超える場合に
は、殺菌効果が低下すると共に得られる製品が嵩高くな
る傾向にある。一方、20容量%を下回る場合には、麺
線のほぐれの良さが低下する傾向にある。
【0028】次に、上記袋に加圧下で且つ100°C以
下の温度条件で所定時間予備加熱処理を施す。これによ
り、袋は過剰な膨張が防止された状態で所定時間、所定
の温度に保持されることになり、全袋の麺線品温がほぼ
均一な温度になる。そして、全袋に、この状態で後述す
る加圧加熱殺菌処理を施すことにより、袋(個体)間の
昇温のバラツキに起因する加熱殺菌ムラの発生を有効に
防止することができる。加えて、得られる袋入り麺の個
体間の殺菌効果の差が小さくなるので、殺菌効果の差を
見越して最も殺菌効果の低いものが殺菌不良にならない
ように殺菌条件(温度・時間)を設定しても、他の袋が
過剰に加熱されることがなく、その結果、過加熱に起因
する保存中の麺線の硬化を有効に防止することができ
る。
【0029】上記予備加熱処理の条件について説明する
と、圧力条件としては−0.4〜+0.4kg/cm2
好ましくは−0.2〜+0.2kg/cm2が例示で
き、温度条件としては65〜100°C好ましくは80
〜95°Cが例示できる。また、時間条件としては10
〜60分間好ましくは20〜35分間が例示できる。ま
た、加熱手段としては、蒸気を使用しても良いし、後述
する加圧加熱殺菌処理と同様に熱水を噴霧状又はシャワ
ー状に振り注ぐことも可能であり、特に制限されない。
【0030】次に、上記袋に加圧下で且つ100°C以
上の温度条件で熱水を噴霧状又はシャワー状に振り注ぐ
ことにより加圧加熱殺菌処理を施す。この点について更
に詳しく説明すると、圧力条件としては加圧加熱殺菌処
理時の袋内の圧力と加圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差
圧(又は被殺菌袋内温度での飽和水蒸気圧と空気の膨張
圧との和と加圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧)が−
0.4〜+0.4kg/cm2好ましくは−0.2〜+
0.2kg/cm2であることが望ましい。また、熱水
の温度条件としては100〜140°C好ましくは10
5〜130°Cが例示できる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、得られる袋入り麺のほ
ぐれ及び外観が良好であると共に、加熱殺菌ムラの発生
及び保存中における麺の硬化を有効に防止することがで
きる。
【0032】
【実施例1】準強力小麦粉95重量部、澱粉5重量部
に、かん水0.5重量部、食塩1重量部、水32重量部
からなる溶液を加えて混捏し、ドウを調製した。次い
で、得られたドウを展延して厚さ1.5mmの麺帯とな
し、該麺帯を切り刃(丸型#20番)により切り出し、
麺線を得た。次いで、得られた麺線にウェーブを付け、
その後約100°Cの条件で60秒間蒸煮処理を施し
た。次いで、麺線に約98°Cの条件で65秒間茹処理
を施した。得られた茹麺の水分は、60重量%であっ
た。
【0033】次に、湯を切り上記茹麺に15°Cの水
を、茹麺100gに対して0.5リットル/秒の割合で
10秒間シャワーした後、20°Cの水に30秒間浸漬
した。水浸漬後の茹麺の品温は約21°Cであり、ま
た、水切り後の水分は60.8重量%であった。次に、
茹麺200gずつポリプロピレン製のレトルトパウチ
(140×190mm)に充填し、その後、該レトルト
パウチに95〜130mlの空気が残るようにヒートシ
ールした。次いで、上記レトルトパウチを処理槽に導入
し、続いて、0.7kg/cm2の圧力条件で85°C
の熱水を28分間噴霧状に振り注ぎ予備加熱処理を施し
た。その後、熱水の温度を120°Cに上げると共に、
上記レトルトパウチに加圧加熱殺菌処理時の袋内の圧力
(袋内の平均的温度における水蒸気の飽和圧力と空気の
膨張圧の和)と加圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧が
−0.3〜+0.3kg/cm2となるような圧力条件
で12分間、加圧加熱殺菌処理を施し、袋入りラーメン
を得た。
【0034】得られた袋入りラーメンは、麺線が結着し
ていない良好な外観を呈していた。また、ラーメンを袋
から取り出し沸騰水中で1.5分間加温した。次いで、
ラーメンを沸騰水から取り出し湯切り後、別途加温した
ラーメンスープ250gの入った丼に入れ、喫食した。
得られたラーメンは、その調理(加温)・喫食時のほぐ
れが良好なものであった。また、得られた袋入りラーメ
ンを2ケ月間保存した後、上記と同様な方法で調理(加
温)した後喫食したが、麺線は硬化しておらず、良好な
外観及び食感を呈するものであった。
【0035】また、得られた袋入りラーメンのうち最も
殺菌効果の高かったものと最も殺菌効果の低かったもの
のF値はそれぞれ4.8、7.2であり、その差は2.
4であった。
【0036】
【比較例1】予備加熱処理を行わないことの他は、実施
例1と同様な方法で袋入りラーメンを得た。得られた袋
入りラーメンのうち最も殺菌効果の高かったものと最も
殺菌効果の低かったもののF値はそれぞれ3.2、9.
4であり、その差は6.2であった。
【0037】上記したように最も殺菌効果の高かったも
のと最も殺菌効果の低かったものとのF値の差は、実施
例1が2.4であるのに対して比較例1が6.2であ
る。このことから、本発明によれば加熱殺菌ムラの発生
を有効に防止することができることが明白となった。
【0038】
【比較例2】予備加熱処理を行わないこと及び殺菌時間
を17分間とすることの他は、実施例1と同様な方法で
袋入りラーメンを得た。得られた袋入りラーメンのうち
最も殺菌効果の低かったもののF値は4.5であり、充
分な殺菌効果が認められた。しかしながら、得られた袋
入りラーメンのF値のバラツキは大きく、また、得られ
た袋入りラーメンを2ケ月間保存した後、実施例1と同
様な方法で調理(加温)し喫食したが、麺線が硬化して
脆くなっており、食感の低下したものが多数認められ
た。
【0039】上記実施例1と比較例2の結果から、本発
明によれば、得られる袋入り麺のほぐれ及び外観が良好
であると共に、保存中における麺の硬化を有効に防止す
ることができることが明白となった。
【0040】
【実施例2】デュラムセモリナ100%の市販のスパゲ
ティー乾麺(直径1.7mm)を約95°Cで6分45
秒間茹処理を行った。茹上がり後のスパゲティーの水分
は、約63%であった。その後、上記茹麺の湯を切り、
15°Cの水を、茹麺100gに対して0.3リットル
/秒の割合で5秒間シャワーした後、15°Cの水に3
0秒間浸漬した。水浸漬後の茹麺の品温は約17°Cで
あった。次いで、得られた茹麺を水切り後ほぐしつつ乳
化液(シュガーエステル10重量%、食用油脂10重量
%、水80重量%)及び食用油脂を茹麺に対してそれぞ
れ1.5重量%、1.0重量%噴霧した。
【0041】次に、茹麺を200gずつポリプロピレン
製のレトルトパウチ(140×180mm)に充填し、
その後、該レトルトパウチに70〜100mlの空気が
残るようにヒートシールした。次いで、上記レトルトパ
ウチを処理槽に導入し、続いて、0.9kg/cm2
圧力条件で90°Cの熱水を25分間噴霧状に振り注ぎ
予備加熱処理を施した。その後、熱水の温度を122°
Cに上げると共に、上記レトルトパウチに加圧加熱殺菌
処理時の袋内の圧力(袋内の平均的温度における水蒸気
の飽和圧力と空気の膨張圧の和)と加圧加熱殺菌処理槽
内の圧力との差圧が−0.3〜+0.3kg/cm2
なるような圧力条件で15分間、加圧加熱殺菌処理を施
し、袋入りスパゲティーを得た。
【0042】得られた袋入りスパゲティーは、麺線が結
着していない良好な外観を呈していた。また、スパゲテ
ィーを袋から取り出し沸騰水中で1分間加温した。次い
で、スパゲティーを沸騰水から取り出し湯切り後皿に盛
りつけ、別途加温したミートソース130gを注いで喫
食した。得られたスパゲティーは、その調理(加温)・
喫食時のほぐれが良好なものであった。また、得られた
袋入りスパゲティーを2ケ月間保存した後、上記と同様
な方法で調理(加温)した後喫食したが、麺線は硬化し
ておらず、良好な外観及び食感を呈するものであった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)茹麺を袋に含気した状態で充填密封
    する工程、(b)上記袋に加圧下で且つ100°C以下
    の温度条件で所定時間予備加熱処理を施す工程、(c)
    上記袋に加圧下で且つ100°C以上の温度条件で熱水
    を噴霧状又はシャワー状に振り注ぐことにより加圧加熱
    殺菌処理を施す工程、を採用することを特徴とする袋入
    り麺の製造方法。
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