JP2784125B2 - 加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法 - Google Patents
加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧加熱殺菌処理中華
麺の製造方法に関し、更に詳細には、中華麺特有の風味
を有すると共に、加圧加熱殺菌処理に起因する褐変を有
効に防止することができる加圧加熱殺菌処理中華麺の製
造方法に関する。
麺の製造方法に関し、更に詳細には、中華麺特有の風味
を有すると共に、加圧加熱殺菌処理に起因する褐変を有
効に防止することができる加圧加熱殺菌処理中華麺の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加圧加熱殺菌処理麺の製造方法に
ついては、種々の方法が知られている(特公昭59−1
2264号、特公昭63−59668号)。しかしなが
ら、上記従来法には、麺が中華麺である場合には、褐変
が発生するとの問題点があった。こうした問題点を回避
するためには、かん水の使用量を減らし中華麺のpHを
低く抑えることが考えられるが、このようにして得られ
る加圧加熱殺菌処理中華麺は、中華麺特有の風味に欠け
るとの問題点があった。
ついては、種々の方法が知られている(特公昭59−1
2264号、特公昭63−59668号)。しかしなが
ら、上記従来法には、麺が中華麺である場合には、褐変
が発生するとの問題点があった。こうした問題点を回避
するためには、かん水の使用量を減らし中華麺のpHを
低く抑えることが考えられるが、このようにして得られ
る加圧加熱殺菌処理中華麺は、中華麺特有の風味に欠け
るとの問題点があった。
【0003】また、上記褐変を解決する方法として、本
出願人は、加圧加熱殺菌処理に先立ち中華麺を有機酸水
溶液に浸漬処理することを骨子とする方法について既に
出願している(特願平3−5813号)。しかしなが
ら、上記方法には、中華麺を有機酸水溶液に浸漬処理せ
ねばならず、工程が煩雑になるとの問題があった。
出願人は、加圧加熱殺菌処理に先立ち中華麺を有機酸水
溶液に浸漬処理することを骨子とする方法について既に
出願している(特願平3−5813号)。しかしなが
ら、上記方法には、中華麺を有機酸水溶液に浸漬処理せ
ねばならず、工程が煩雑になるとの問題があった。
【0004】本発明は、中華麺特有の風味を有すると共
に、加圧加熱殺菌処理に起因する褐変を有効に防止する
ことができる加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法の提供
を目的とする。
に、加圧加熱殺菌処理に起因する褐変を有効に防止する
ことができる加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法の提供
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究開発を行った結果、かん水とし
てリン酸3ナトリウム及び/又はリン酸3カリウムを、
麺pH7.1〜8.0となる量使用することにより、中
華麺特有の風味を有すると共に、加圧加熱殺菌処理に起
因する褐変を有効に防止することができるとの知見を得
た(尚、加圧加熱殺菌処理中華麺のかん水としてリン酸
3ナトリウム及び/又はリン酸3カリウムを使用するこ
とについては、特開昭61−257151号、特開昭6
1−149060号に開示があるが、それらは生地
(麺)pH6.0〜6.3と低く、中華麺特有の風味に
欠けるものであり、本願発明を示唆するものではな
い)。
を達成するため鋭意研究開発を行った結果、かん水とし
てリン酸3ナトリウム及び/又はリン酸3カリウムを、
麺pH7.1〜8.0となる量使用することにより、中
華麺特有の風味を有すると共に、加圧加熱殺菌処理に起
因する褐変を有効に防止することができるとの知見を得
た(尚、加圧加熱殺菌処理中華麺のかん水としてリン酸
3ナトリウム及び/又はリン酸3カリウムを使用するこ
とについては、特開昭61−257151号、特開昭6
1−149060号に開示があるが、それらは生地
(麺)pH6.0〜6.3と低く、中華麺特有の風味に
欠けるものであり、本願発明を示唆するものではな
い)。
【0006】上記知見を基に完成された本発明の要旨
は、かん水としてリン酸3ナトリウム及び/又はリン酸
3カリウムを麺pH7.1〜8.0となる量使用した中
華麺に加圧加熱殺菌処理を施すことを特徴とする加圧加
熱殺菌処理中華麺の製造方法にある。
は、かん水としてリン酸3ナトリウム及び/又はリン酸
3カリウムを麺pH7.1〜8.0となる量使用した中
華麺に加圧加熱殺菌処理を施すことを特徴とする加圧加
熱殺菌処理中華麺の製造方法にある。
【0007】以下、本発明の内容を詳細に説明する。本
発明の方法を適用できる中華麺としては、例えば、ラー
メン、チャンポン、焼きソバ等がある。
発明の方法を適用できる中華麺としては、例えば、ラー
メン、チャンポン、焼きソバ等がある。
【0008】上記中華麺を得るに当たっては、先ず、小
麦原料に、必要により澱粉、着色料、卵白、ガム類等を
添加する。小麦原料としては、デュラムセモリナ、強力
粉、準強力小麦粉、中力粉、薄力粉等が例示できるが、
デュラムセモリナを使用することが好ましい。その使用
量は、上記原料全体の10重量%以上好ましくは30〜
80重量%であることが望ましい。
麦原料に、必要により澱粉、着色料、卵白、ガム類等を
添加する。小麦原料としては、デュラムセモリナ、強力
粉、準強力小麦粉、中力粉、薄力粉等が例示できるが、
デュラムセモリナを使用することが好ましい。その使用
量は、上記原料全体の10重量%以上好ましくは30〜
80重量%であることが望ましい。
【0009】次いで、上記原料に、予め食塩及びかん水
を溶解した水を得られる生地の水分が25〜45重量%
となるように添加する。使用するかん水の種類は、リン
酸3ナトリウム及び/又はリン酸3カリウムであること
が重要であり、且つその使用量を、得られる生地のpH
が7.1〜8.0となる量とすることが重要である
(尚、上記pHは、生地10gに純水50gを加えホモ
ジナイザーで2〜2.5分間粉砕して4〜5分間放置さ
せた後の上澄液のpHである。このpHはガラス電極p
Hメーターを用いて容易に測定することができる)。上
記生地のpHの範囲を下回る場合、得られる加圧加熱殺
菌処理中華麺が中華麺らしい風味に欠ける傾向にあり、
一方、上記範囲を上回る場合、加圧加熱殺菌処理に起因
する褐変を有効に防止する効果が低下する傾向にある。
を溶解した水を得られる生地の水分が25〜45重量%
となるように添加する。使用するかん水の種類は、リン
酸3ナトリウム及び/又はリン酸3カリウムであること
が重要であり、且つその使用量を、得られる生地のpH
が7.1〜8.0となる量とすることが重要である
(尚、上記pHは、生地10gに純水50gを加えホモ
ジナイザーで2〜2.5分間粉砕して4〜5分間放置さ
せた後の上澄液のpHである。このpHはガラス電極p
Hメーターを用いて容易に測定することができる)。上
記生地のpHの範囲を下回る場合、得られる加圧加熱殺
菌処理中華麺が中華麺らしい風味に欠ける傾向にあり、
一方、上記範囲を上回る場合、加圧加熱殺菌処理に起因
する褐変を有効に防止する効果が低下する傾向にある。
【0010】次に、上記原料を常法により混捏し、生地
を得る。続いて、得られた生地を、常法により、麺線に
調製する。例えば、生地を、減圧下で押出しその直後に
適当な長さに切断し、麺線を得ることが望ましい。これ
により、加圧加熱殺菌処理に起因するほぐれ及び食感の
低下を有効に防止することができる。この場合、減圧条
件としては、−400〜−700mmHg好ましくは−
400〜−600mmHgが望ましい。また、押出しの
押圧力の条件としては、80〜150kg/cm2好ま
しくは80〜130kg/cm2が望ましい。
を得る。続いて、得られた生地を、常法により、麺線に
調製する。例えば、生地を、減圧下で押出しその直後に
適当な長さに切断し、麺線を得ることが望ましい。これ
により、加圧加熱殺菌処理に起因するほぐれ及び食感の
低下を有効に防止することができる。この場合、減圧条
件としては、−400〜−700mmHg好ましくは−
400〜−600mmHgが望ましい。また、押出しの
押圧力の条件としては、80〜150kg/cm2好ま
しくは80〜130kg/cm2が望ましい。
【0011】次いで、上記麺線に乾燥処理を施すことが
望ましい。上記乾燥手段は、特に制限されず、例えば、
熱風乾燥があり、その条件としては、例えば温度50〜
100°C、湿度60〜95%、3〜15時間好ましく
は温度60〜90°C、湿度70〜95%、5〜13時
間が例示できる。また、上記熱風乾燥処理と同時にマイ
クロ波又は遠赤外線を照射することもできる。続いて、
得られた麺線を例えば半月から3ケ月程度ねかせること
が望ましい。
望ましい。上記乾燥手段は、特に制限されず、例えば、
熱風乾燥があり、その条件としては、例えば温度50〜
100°C、湿度60〜95%、3〜15時間好ましく
は温度60〜90°C、湿度70〜95%、5〜13時
間が例示できる。また、上記熱風乾燥処理と同時にマイ
クロ波又は遠赤外線を照射することもできる。続いて、
得られた麺線を例えば半月から3ケ月程度ねかせること
が望ましい。
【0012】次に、上記麺線に、茹上り後の麺線の水分
が55〜77重量%好ましくは57〜66重量%となる
ように茹処理を施す。これにより、茹を行わず後工程の
加圧加熱殺菌処理時に茹を行わせる場合と比較して、得
られる加圧加熱殺菌処理麺の風味及び食感を茹麺本来の
ものと同等な良好なものとすることができる。また、麺
線の水分が上記の範囲を下回る場合には、得られる加圧
加熱殺菌処理中華麺は穀粉臭の低減が充分でない風味の
不良なものとなり且つしなやかな弾力に欠けるものとな
る傾向がある。一方、上記範囲を越える場合には得られ
る加圧加熱殺菌処理中華麺の食感が充分にコシのあるも
のとならない傾向にある。
が55〜77重量%好ましくは57〜66重量%となる
ように茹処理を施す。これにより、茹を行わず後工程の
加圧加熱殺菌処理時に茹を行わせる場合と比較して、得
られる加圧加熱殺菌処理麺の風味及び食感を茹麺本来の
ものと同等な良好なものとすることができる。また、麺
線の水分が上記の範囲を下回る場合には、得られる加圧
加熱殺菌処理中華麺は穀粉臭の低減が充分でない風味の
不良なものとなり且つしなやかな弾力に欠けるものとな
る傾向がある。一方、上記範囲を越える場合には得られ
る加圧加熱殺菌処理中華麺の食感が充分にコシのあるも
のとならない傾向にある。
【0013】次に、得られた茹麺に冷却処理を施す。こ
れにより、得られる加圧加熱殺菌処理中華麺が更にコシ
のある食感となると共に、麺線どうしの結着をより有効
に防止し得、調理時等のほぐれの良好な加圧加熱殺菌処
理中華麺を得ることができる。これは、冷却により澱粉
ゲルが強化されるためであると推定される。
れにより、得られる加圧加熱殺菌処理中華麺が更にコシ
のある食感となると共に、麺線どうしの結着をより有効
に防止し得、調理時等のほぐれの良好な加圧加熱殺菌処
理中華麺を得ることができる。これは、冷却により澱粉
ゲルが強化されるためであると推定される。
【0014】上記冷却方法は、麺線を冷却し得るもので
あれば特に制限されず、例えば麺線を水冷却する方法、
炭酸ガス又は空気等の冷気を吹き付ける方法等がある
が、水冷却する方法を採用すると、茹麺表面のぬめりを
除去することができ、麺線どうしの結着を有効に防止す
ることができ、且つ調理時等のほぐれや喫食時の口当た
りを更に良好となし得る点で望ましい。水冷却する方法
としては、具体的には茹麺に水シャワー(滝状に流す又
は噴霧する水の中に茹麺を通過させる場合を含む)する
方法、流水又は静水中に浸漬する方法及び上記2方法を
併用する方法等があるが、最後の方法が上記作用の点及
び麺線の冷却を短時間で行うことができる点で最も望ま
しい。
あれば特に制限されず、例えば麺線を水冷却する方法、
炭酸ガス又は空気等の冷気を吹き付ける方法等がある
が、水冷却する方法を採用すると、茹麺表面のぬめりを
除去することができ、麺線どうしの結着を有効に防止す
ることができ、且つ調理時等のほぐれや喫食時の口当た
りを更に良好となし得る点で望ましい。水冷却する方法
としては、具体的には茹麺に水シャワー(滝状に流す又
は噴霧する水の中に茹麺を通過させる場合を含む)する
方法、流水又は静水中に浸漬する方法及び上記2方法を
併用する方法等があるが、最後の方法が上記作用の点及
び麺線の冷却を短時間で行うことができる点で最も望ま
しい。
【0015】上記冷却の条件は、茹麺の品温が冷却開始
後60秒以内、好ましくは30秒以内に40°C以下、
望ましくは10〜30°C、更に望ましくは10〜25
°Cになるように設定することが適当である。
後60秒以内、好ましくは30秒以内に40°C以下、
望ましくは10〜30°C、更に望ましくは10〜25
°Cになるように設定することが適当である。
【0016】次に、該麺線を必要によりほぐす。その際
又はその後、麺線に油脂及び/又は乳化液を付着させる
こともできる。これにより、麺線どうしの結着を更に防
止し得、麺線のほぐれを一層良好とすることができる。
又はその後、麺線に油脂及び/又は乳化液を付着させる
こともできる。これにより、麺線どうしの結着を更に防
止し得、麺線のほぐれを一層良好とすることができる。
【0017】上記油脂の種類としては、食用の油脂であ
れば特に制限されず、例えばラード・ヘッド等の動物油
及び例えば綿実油・大豆油・菜種油・椿油・パーム油等
の植物油が好適に利用できる。また、使用量としては、
油脂単独で使用する場合、茹麺100重量部に対して
0.2〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部が適当
である。
れば特に制限されず、例えばラード・ヘッド等の動物油
及び例えば綿実油・大豆油・菜種油・椿油・パーム油等
の植物油が好適に利用できる。また、使用量としては、
油脂単独で使用する場合、茹麺100重量部に対して
0.2〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部が適当
である。
【0018】また、乳化液はO/W型のものを使用する
ことができる。乳化液に使用する油脂としては上記した
ものを用いれば良く、一方乳化剤としては例えばレシチ
ン、ショ糖脂肪酸エステル等が好適に使用できる。上記
油脂及び乳化液の付着方法としては、特に制限されず、
噴霧・浸漬・塗布等の手段がある。
ことができる。乳化液に使用する油脂としては上記した
ものを用いれば良く、一方乳化剤としては例えばレシチ
ン、ショ糖脂肪酸エステル等が好適に使用できる。上記
油脂及び乳化液の付着方法としては、特に制限されず、
噴霧・浸漬・塗布等の手段がある。
【0019】次に、得られた麺線を耐熱性を有する袋又
は容器等の包装体に充填するが、この際、麺線の水分は
上記した茹上り後の麺線の水分範囲にあることが望まし
い。上記包装体としては、加圧加熱殺菌に耐え得る耐熱
性を有するものであればすべて使用することができる。
次に、必要により包装体中の空気を窒素ガス等の不活性
ガスと置換した後、開口部を常法により密封する。
は容器等の包装体に充填するが、この際、麺線の水分は
上記した茹上り後の麺線の水分範囲にあることが望まし
い。上記包装体としては、加圧加熱殺菌に耐え得る耐熱
性を有するものであればすべて使用することができる。
次に、必要により包装体中の空気を窒素ガス等の不活性
ガスと置換した後、開口部を常法により密封する。
【0020】この場合、包装体の含気率は、特に制限さ
れないが、例えば袋の場合、その含気率(密封後の袋内
部の気体の体積/密封後の袋の全容積)としては40容
量%以下、好ましくは20〜35容量%、更に好ましく
は25〜35容量%が望ましい。40容量%を超える場
合には、殺菌効果が低下すると共に得られる製品が嵩高
くなる傾向にある。一方、20容量%を下回る場合に
は、麺線のほぐれの良さが低下する傾向にある。
れないが、例えば袋の場合、その含気率(密封後の袋内
部の気体の体積/密封後の袋の全容積)としては40容
量%以下、好ましくは20〜35容量%、更に好ましく
は25〜35容量%が望ましい。40容量%を超える場
合には、殺菌効果が低下すると共に得られる製品が嵩高
くなる傾向にある。一方、20容量%を下回る場合に
は、麺線のほぐれの良さが低下する傾向にある。
【0021】次に、上記袋に加圧下で且つ100°C以
下の温度条件で所定時間予備加熱処理を施すことが好ま
しい。これにより、袋は過剰な膨張が防止された状態で
所定時間、所定の温度に保持されることになり、全袋の
麺線品温がほぼ均一な温度になる。そして、全袋に、こ
の状態で後述する加圧加熱殺菌処理を施すことにより、
袋(個体)間の昇温のバラツキに起因する加熱殺菌ムラ
の発生を有効に防止することができる。加えて、得られ
る加圧加熱殺菌処理の個体間の殺菌効果の差が小さくな
るので、殺菌効果の差を見越して最も殺菌効果の低いも
のが殺菌不良にならないように殺菌条件(温度・時間)
を設定しても、他の袋が過剰に加熱されることがなく、
その結果、過加熱に起因する保存中の麺線の過剰な硬化
を有効に防止することができる。また、殺菌による風味
・色調のバラツキが抑えられ、安定した品質のものを得
ることができる。
下の温度条件で所定時間予備加熱処理を施すことが好ま
しい。これにより、袋は過剰な膨張が防止された状態で
所定時間、所定の温度に保持されることになり、全袋の
麺線品温がほぼ均一な温度になる。そして、全袋に、こ
の状態で後述する加圧加熱殺菌処理を施すことにより、
袋(個体)間の昇温のバラツキに起因する加熱殺菌ムラ
の発生を有効に防止することができる。加えて、得られ
る加圧加熱殺菌処理の個体間の殺菌効果の差が小さくな
るので、殺菌効果の差を見越して最も殺菌効果の低いも
のが殺菌不良にならないように殺菌条件(温度・時間)
を設定しても、他の袋が過剰に加熱されることがなく、
その結果、過加熱に起因する保存中の麺線の過剰な硬化
を有効に防止することができる。また、殺菌による風味
・色調のバラツキが抑えられ、安定した品質のものを得
ることができる。
【0022】上記予備加熱処理の条件について説明する
と、圧力条件としては予備加熱処理時の袋内の圧力と処
理槽内の圧力との差圧が−0.4〜+0.4kg/cm
2好ましくは−0.2〜+0.2kg/cm2が例示で
き、温度条件としては65〜100°C好ましくは80
〜95°Cが例示できる。また、時間条件(処理槽内の
加熱開始から処理槽内の温度が100°Cを越えるまで
の時間)としては10〜60分間好ましくは20〜35
分間が例示できる。また、加熱手段としては、蒸気を使
用しても良いし、或いは熱水を噴霧状又はシャワー状に
振り注ぐことも可能であり、特に制限されない。
と、圧力条件としては予備加熱処理時の袋内の圧力と処
理槽内の圧力との差圧が−0.4〜+0.4kg/cm
2好ましくは−0.2〜+0.2kg/cm2が例示で
き、温度条件としては65〜100°C好ましくは80
〜95°Cが例示できる。また、時間条件(処理槽内の
加熱開始から処理槽内の温度が100°Cを越えるまで
の時間)としては10〜60分間好ましくは20〜35
分間が例示できる。また、加熱手段としては、蒸気を使
用しても良いし、或いは熱水を噴霧状又はシャワー状に
振り注ぐことも可能であり、特に制限されない。
【0023】次に、上記包装体に加圧加熱殺菌処理を施
す。上記加圧加熱殺菌処理の方法は、特に制限されない
が、例えば加圧下で且つ100°C以上の温度条件で熱
水を噴霧状又はシャワー状に振り注ぐことにより行うこ
とが好ましい。この点について更に詳しく説明すると、
圧力条件としては加圧加熱殺菌処理時の包装体内の圧力
と加圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧(又は被殺菌包
装体内温度での飽和水蒸気圧と空気の膨張圧との和と加
圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧)が−0.4〜+
0.4kg/cm2好ましくは−0.2〜+0.2kg
/cm2であることが望ましく、また、熱水の温度条件
としては100〜140°C好ましくは105〜130
°Cが例示でき、更にF03.2以上に殺菌処理するこ
とが望ましい。
す。上記加圧加熱殺菌処理の方法は、特に制限されない
が、例えば加圧下で且つ100°C以上の温度条件で熱
水を噴霧状又はシャワー状に振り注ぐことにより行うこ
とが好ましい。この点について更に詳しく説明すると、
圧力条件としては加圧加熱殺菌処理時の包装体内の圧力
と加圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧(又は被殺菌包
装体内温度での飽和水蒸気圧と空気の膨張圧との和と加
圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧)が−0.4〜+
0.4kg/cm2好ましくは−0.2〜+0.2kg
/cm2であることが望ましく、また、熱水の温度条件
としては100〜140°C好ましくは105〜130
°Cが例示でき、更にF03.2以上に殺菌処理するこ
とが望ましい。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、中華麺特有の風味を有
すると共に、加圧加熱殺菌処理に起因する褐変を有効に
防止することができる。
すると共に、加圧加熱殺菌処理に起因する褐変を有効に
防止することができる。
【0025】
実施例1 準強力小麦粉50重量部、デュラムセモリナ40重量
部、澱粉10重量部に、かん水(リン酸3ナトリウム)
0.8重量部、食塩1重量部、水33重量部からなる溶
液を加えて混捏し、生地を調製した。尚、得られた生地
のpHは7.5であった。次いで、得られた生地を減圧
度−500mmHg、押圧力100kg/cm2の条件
で口径1.6mmの孔から押出し、30cmの長さで切
断し麺線を得た。次いで、得られた麺線に温度70°
C、相対湿度80%の条件で8時間熱風乾燥処理を施し
た後、10日間ねかした。その後、麺線に約98°Cの
条件で3分30秒間茹処理を施した。得られた茹麺の水
分は、60重量%であった。
部、澱粉10重量部に、かん水(リン酸3ナトリウム)
0.8重量部、食塩1重量部、水33重量部からなる溶
液を加えて混捏し、生地を調製した。尚、得られた生地
のpHは7.5であった。次いで、得られた生地を減圧
度−500mmHg、押圧力100kg/cm2の条件
で口径1.6mmの孔から押出し、30cmの長さで切
断し麺線を得た。次いで、得られた麺線に温度70°
C、相対湿度80%の条件で8時間熱風乾燥処理を施し
た後、10日間ねかした。その後、麺線に約98°Cの
条件で3分30秒間茹処理を施した。得られた茹麺の水
分は、60重量%であった。
【0026】次に、湯を切り上記茹麺に15°Cの水を
10秒間シャワーした後、20°Cの水に30秒間浸漬
した。水浸漬後の茹麺の品温は約21°Cであり、ま
た、水切り後の水分は60.8重量%であった。次に、
茹麺200gずつポリプロピレン製のレトルトパウチ
(140×190mm)に充填し、その後、該レトルト
パウチに95〜130mlの空気が残るようにヒートシ
ールした。次いで、上記レトルトパウチを処理槽に導入
し、続いて、袋内の圧力と処理槽内の圧力との差圧が−
0.2〜+0.2kg/cm2となるように圧力制御し
つつ5°Cの熱水を28分間噴霧状に振り注ぎ予備加熱
処理を施した。その後、熱水の温度を120°Cに上げ
ると共に、上記レトルトパウチに加圧加熱殺菌処理時の
袋内の圧力と処理槽内の圧力との差圧が−0.3〜+
0.3kg/cm2となるように圧力制御しつつ12分
間、加圧加熱殺菌処理を施し、袋入りラーメンを得た。
得られた袋入りラーメンは、麺線が結着しておらず、ま
た、褐変の有効に防止された良好な外観を呈していた。
10秒間シャワーした後、20°Cの水に30秒間浸漬
した。水浸漬後の茹麺の品温は約21°Cであり、ま
た、水切り後の水分は60.8重量%であった。次に、
茹麺200gずつポリプロピレン製のレトルトパウチ
(140×190mm)に充填し、その後、該レトルト
パウチに95〜130mlの空気が残るようにヒートシ
ールした。次いで、上記レトルトパウチを処理槽に導入
し、続いて、袋内の圧力と処理槽内の圧力との差圧が−
0.2〜+0.2kg/cm2となるように圧力制御し
つつ5°Cの熱水を28分間噴霧状に振り注ぎ予備加熱
処理を施した。その後、熱水の温度を120°Cに上げ
ると共に、上記レトルトパウチに加圧加熱殺菌処理時の
袋内の圧力と処理槽内の圧力との差圧が−0.3〜+
0.3kg/cm2となるように圧力制御しつつ12分
間、加圧加熱殺菌処理を施し、袋入りラーメンを得た。
得られた袋入りラーメンは、麺線が結着しておらず、ま
た、褐変の有効に防止された良好な外観を呈していた。
【0027】また、ラーメンを袋から取り出し、耐熱性
を有する丼状のスチロール製容器に入れ、湯を注いで3
分間加温した。次いで、湯を捨てた後、粉末状のラーメ
ンスープ10gと湯400gを容器に入れ、喫食した。
得られたラーメンは、ほぐれが良好なものであった。ま
た、ラーメンらしい良好な風味を呈するものであり、更
に、充分な歯ごたえのある良好な食感を呈するものであ
った。
を有する丼状のスチロール製容器に入れ、湯を注いで3
分間加温した。次いで、湯を捨てた後、粉末状のラーメ
ンスープ10gと湯400gを容器に入れ、喫食した。
得られたラーメンは、ほぐれが良好なものであった。ま
た、ラーメンらしい良好な風味を呈するものであり、更
に、充分な歯ごたえのある良好な食感を呈するものであ
った。
Claims (1)
- 【請求項1】かん水としてリン酸3ナトリウム及び/又
はリン酸3カリウムを麺pH7.1〜8.0となる量使
用した中華麺に加圧加熱殺菌処理を施すことを特徴とす
る加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4335209A JP2784125B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4335209A JP2784125B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06153836A JPH06153836A (ja) | 1994-06-03 |
JP2784125B2 true JP2784125B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=18285989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4335209A Expired - Fee Related JP2784125B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2784125B2 (ja) |
-
1992
- 1992-11-19 JP JP4335209A patent/JP2784125B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06153836A (ja) | 1994-06-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |