JP3153854B2 - 加熱殺菌処理用麺及びこれを用いた加熱殺菌処理麺の製造方法 - Google Patents

加熱殺菌処理用麺及びこれを用いた加熱殺菌処理麺の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱殺菌処理用麺及び
これを用いた加熱殺菌処理麺の製造方法に関し、更に詳
細には、加熱殺菌処理を施した場合に顕在化する麺の色
調の変化、暗色化を有効に防止することができる加熱殺
菌処理用麺及びこれを用いた加熱殺菌処理麺の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱殺菌処理麺の製造方法とし
て、特開昭61−181350号公報や特開平2−20
0156号公報等に開示された種々の方法が知られてお
り、本出願人においても、風味が良好で充分なコシを有
する加熱殺菌処理麺を製造する方法として、茹処理後に
冷却処理を施すことを骨子とする方法、麺として乾燥処
理を施したものを使用する方法等について既に特許出願
をしている(特願平2−46940号、特願平4−33
5210号)。しかしながら、こうした従来の加熱殺菌
処理麺の製造方法では、加熱殺菌処理によって麺本来の
色調が失われ、暗色化するとの問題点があった。本出願
人は、麺の暗色化を防止するための加熱殺菌処理麺の製
造方法として、灰分0.63%以下のパスタを使用する
ことを特徴とするレトルトパスタの製造方法について既
に特許出願をしている(特願平2−46940号)。し
かしながら、加熱殺菌処理麺の中には、風味上あるいは
食感形成上灰分の少ない麺の使用を避けたいものがあ
り、また、灰分の少ない麺を使用したところ確かに麺の
色調は向上するものの、未だ充分に満足し得る品質のも
のといえず、更に色調の変化、暗色化を有効に防止する
ことができる加熱殺菌処理用麺及びこれを用いた加熱殺
菌処理麺の製造方法が強く求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加熱殺菌処
理を施した場合に顕在化する麺の色調の変化、暗色化を
有効に防止することができる加熱殺菌処理用麺を提供す
ることを目的とする。同時に、上記加熱殺菌処理用麺を
用いた加熱殺菌処理麺の製造方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが研究を進め
た結果、デュラムセモリナ等の澱粉質原料に対して特定
量のルテインを添加して調製した麺を採用し、好ましく
は、この麺に必要により乾燥処理を施した後、茹処理を
施し、次いで冷却処理を施した後、加熱殺菌処理を施す
ことにより、加熱殺菌処理後の麺の色調の変化、暗色化
を顕著に改善して麺本来の色調を有し、食感、風味等に
おいても優れた高品質の加熱殺菌処理麺が得られること
を知見し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の第1の態様は、澱粉質
原料に対して0.0003〜0.01重量%のルテイン
を添加してなることを特徴とする加熱殺菌処理用麺であ
る。更に、本発明の第2の態様は、澱粉質原料に対して
0.0003〜0.01重量%のルテインを添加して麺
を調製し、これに必要により乾燥処理を施した後、茹処
理を施し、次いで冷却処理を施した後、加熱殺菌処理を
施すことを特徴とする加熱殺菌処理麺の製造方法であ
る。
【0006】以下、本発明の内容を詳細に説明する。先
ず、本発明で対象とする麺としては、例えば、スパゲテ
ィ、マカロニ、シェル、ラザーニャ等のパスタ、ラーメ
ン等の中華麺等をあげることができるが、本発明では、
パスタを対象とする場合に特に有効である。
【0007】次に、本発明で用いる原料について説明す
る。本発明で用いる澱粉質原料としては、デュラムセモ
リナ、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉等をあげるこ
とができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択
して使用することができるが、本発明はデュラムセモリ
ナを使用する場合により顕著な効果を得ることができ
る。
【0008】デュラムセモリナを使用する場合は、灰分
0.55〜0.70重量%(以下、単に%という)、更
に好ましくは0.65〜0.70%のデュラムセモリナ
を使用するのが本発明の効果をより好適に達成し且つ風
味の優れた加熱殺菌処理麺を得る上で好ましい。尚、こ
こで、上記デュラムセモリナの灰分は、デュラムセモリ
ナの水分が15%である場合の値である。また、上記灰
分の測定法としては例えば灰化法(550°C)等があ
る。
【0009】本発明では、上記澱粉質原料の他に、澱粉
質原料に対して0.0003〜0.01%、より好まし
くは0.0005〜0.006%のルテインを用いるこ
とが重要である。これにより加熱殺菌処理を施した場合
に顕在化する麺の色調の変化、暗色化を有効に防止する
ことができる。
【0010】ここで、ルテインとは、ヨノン環に水酸基
をもつカロチノイドであり、デュラムセモリナ等の澱粉
質原料に本来含まれている成分であるが、本発明では、
澱粉質原料に対して更に特定量添加して麺を調製する。
ルテインの添加量が澱粉質原料に対して0.0003%
に満たないと麺の色調の変色、暗色化を有効に防止する
ことができない。反対に、0.01%を超えると麺が橙
色を帯びて不自然な色調のものとなる。
【0011】本発明で澱粉質原料に対して特定量添加す
るルテインとしては、これを多く含む原料、例えばマリ
ーゴールド色素等をそのまま、あるいはこれから抽出、
単離して使用すればよく、本発明では特にマリーゴール
ド色素由来のものを使用するのが本発明の効果を好適に
達成する上で好ましい。
【0012】また、本発明では、上記原料の他に、例え
ば熱凝固性蛋白質、糖質、ガム類、調味料等を適宜使用
してもよい。とりわけ、糖質としてトレハロースを使用
するとよい。すなわち、トレハロースを添加した麺を用
いて後述の方法により加熱殺菌処理麺を製造した場合
は、加熱殺菌処理後の保存時に麺の食感の低下を有効に
防止することができる。
【0013】更に、トレハロースを添加して調製した麺
に乾燥処理を施したものを用いて後述の方法により加熱
殺菌処理麺を製造した場合は、トレハロースによって柔
らかな潤いのある舌触りが付与されることに加えて、乾
燥処理によってコシの強い食感が好適に付与された高品
質の加熱殺菌処理麺が得られる。
【0014】尚、ここで、トレハロースとは、2分子の
Dーグルコースがその還元基同士で結合した構造を有す
る二糖類であり、本発明においては、特にその製造法、
種類等に係わらずいずれのものを用いてもよい。トレハ
ロースを使用する場合の添加量は、上記効果を好適に得
る上で澱粉質原料に対して0.5〜10%、更には2〜
6%であることが好ましい。
【0015】更に、本発明では、上記原料の他にトコフ
ェロールを使用してもよい。これにより、麺の製造中並
びに製造後において麺に含まれる油の劣化を防止し、特
に後述する特定の乾燥条件と組み合せることにより、加
熱殺菌処理後の保存時における麺の風味の低下、色調の
暗色化を有効に防止することができる。トコフェロール
を使用する場合の添加量は、上記効果を好適に得る上で
澱粉質原料に対して0.001〜0.1%、更には0.
005〜0.05%であることが好ましい。
【0016】次に、上記原料を用いた麺の調製について
説明する。先ず、上記原料を加水混合して生地を得る。
続いて、この生地を例えば線状又は板状等の所望の形状
に成形して麺を調製する。上記原料の加水混合及び生地
の成形の操作は、常法によって行えばよい。具体的に
は、例えば原料の加水混合に際しては、ミキサー等を用
いて行えばよく、水は生地中20〜40%好ましくは2
5〜35%を占めるように添加するのがよい。原料の加
水混合は、すべての原料を同時に加水混合してもよい
が、澱粉質原料以外の原料は予め水に溶解ないし分散さ
せておくのが澱粉質原料中に他の原料を均一に分散させ
て上記のような効果を好適に得る上で好ましい。
【0017】また、生地の成形は、ロール圧延機や押出
し成型機等を用いて行うことができる。このようにして
得られる麺の水分は、20〜40%好ましくは25〜3
5%程度であることがグルテン組織を充分形成させ且つ
成形後の形を保持する点で望ましい。また、同様の点で
pHが5〜10、好ましくは6〜8程度であることが望
ましい。
【0018】このようにして調製された麺には乾燥処理
を施すことが望ましい。これにより、加熱殺菌処理用麺
として保存性を確保することができると共に、加熱殺菌
処理後の麺の食感を改善して麺にコシの強さを付与する
ことができる。また、麺が線状のものである場合に、麺
線どうしの結着を有効に防止し得、調理時等の麺のほぐ
れを良くすることができる。
【0019】上記乾燥条件としては、雰囲気温度40〜
98°C、相対湿度70〜95%の条件で8〜24時間
を例示できるが、本発明では、加熱殺菌処理後の保存時
における麺の風味の低下及び色調の暗色化を有効に防止
する上から、麺にその品温が65〜90°Cに少なくと
も90分間、更に好ましくは65〜75°Cに120〜
600分間保持されるように乾燥処理を施すことが好ま
しい。
【0020】これにより、麺に含まれる油の劣化に関与
する麺中の酵素を有効に失活させることができ、特にト
コフェロールを麺に添加した場合はこれとの相乗効果に
より、加熱殺菌処理後の保存時における麺の風味の低
下、色調の暗色化を有効に防止することができる。尚、
上記品温が65°Cを下回るか、品温を65〜90°C
に保持する時間が90分間に満たないと、上記酵素を充
分に失活させ難くなり加熱殺菌処理後の保存時に麺中の
油劣化が促進して麺の香りが悪くなり風味が低下し、色
調が暗色化する。また、90°Cを超える品温に麺を保
持して酵素の失活を図ると麺が高品温になり過ぎてかえ
って色調の暗色化が促進される。
【0021】尚、上記のように麺の品温を65〜90°
Cに保持した後は、例えば麺の品温を20〜65°Cに
保持して麺中における水分の偏りをなくし、水分を均一
化して局所的な過乾燥を防止するのが好ましい。乾燥処
理後の麺の水分は8〜13%程度であることが好まし
い。
【0022】本発明では、前記のようにして調製された
麺(あるいはこれに乾燥処理を施したもの)を加熱殺菌
処理用麺として用いることができる。次に、この加熱殺
菌処理用麺を用いて加熱殺菌処理麺を製造する方法につ
いて説明する。
【0023】先ず、前記のように調製した麺(あるいは
これに乾燥処理を施したもの)に、好ましくは茹上り後
の麺の水分が55〜77重量%、更に好ましくは60〜
70重量%となるように茹処理を施す。これにより、茹
を行わず後の加熱殺菌処理時に茹を行わせる方法(特開
昭61−181350号公報に開示の方法)と比較し
て、得られる加熱殺菌処理麺の風味及び食感を茹麺本来
のものと同等に良好なものとすることができる。
【0024】麺の水分が上記の範囲を下回る場合には、
得られる加熱殺菌処理麺は澱粉臭の低減が充分でない風
味のものとなり且つしなやかな弾力に欠けるものとなる
傾向がある。一方、上記範囲を超える場合には得られる
加熱殺菌処理麺の食感が充分にコシのあるものとならな
い傾向にある。
【0025】次に、得られた茹麺に冷却処理を施す。こ
れにより、得られる加熱殺菌処理麺が更にコシのある食
感になると共に、麺が線状のものである場合に、麺線ど
うしの結着を有効に防止することができ且つ調理時等に
ほぐれの良好な加熱殺菌処理麺を得ることができる。こ
れは、冷却により澱粉ゲルが強化されるためであると考
えられる。
【0026】上記冷却方法は特に制限されず、例えば麺
を水冷却する方法、炭酸ガス又は空気等の冷気を吹き付
ける方法等があるが、水冷却する方法を採用すると、茹
麺表面のぬめりを除去することができ、麺が線状のもの
である場合に、麺線どうしの結着をより有効に防止する
ことができ且つ調理時等のほぐれや喫食時の口当たりを
更に良好なものとすることができる点で望ましい。
【0027】水冷却する方法としては、具体的には茹麺
に水シャワー(滝状に流す又は噴霧する水の中に茹麺を
通過させる場合を含む)する方法、流水又は静水中に浸
漬する方法及び上記2方法を併用する方法等がある。冷
却の条件は、茹麺の品温が冷却開始後60秒以内、好ま
しくは30秒以内に40°C以下、望ましくは10〜3
0°C、更に望ましくは10〜25°Cになるように設
定することが好ましい。
【0028】上記冷却処理を終えた麺は、後の加熱殺菌
処理の条件を緩和するために有機酸水溶液に浸漬し、p
Hが4.0〜5.0、更に好ましくは4.3〜4.7と
なるように調整してもよい。上記水溶液に使用する有機
酸としては、例えば乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸
のカルボン酸等があげられる。有機酸の濃度は、0.5
〜2%程度が適当である。
【0029】上記水溶液への浸漬時間としては15秒〜
1分間が例示される。また、上記水溶液にガム質を添加
しておくと麺表面に保湿膜が形成されて加熱殺菌処理後
の保存中に生じる麺の部分的な乾燥を有効に防止するこ
とができる。
【0030】麺が線状のものである場合は必要により麺
線をほぐす。その際又はその後、麺線に油脂及び/又は
乳化液を付着させることもできる。これにより、麺線ど
うしの結着を更に防止し得、麺線のほぐれを一層良好に
することができる。
【0031】上記油脂の種類としては、食用の油脂であ
れば特に制限されず、例えばラード・ヘッド等の動物油
及び例えば綿実油・大豆油・菜種油・椿油・パーム油等
の植物油が好適に利用できる。また、使用量としては、
茹麺に対して0.1〜5%、好ましくは0.5〜2%が
適当である。
【0032】乳化液はO/W型のものを使用することが
できる。乳化液に使用する油脂としては上記したものを
用いれば良く、一方、乳化剤としては例えばレシチン、
ショ糖脂肪酸エステル等が好適に使用できる。上記油脂
及び乳化液の付着方法としては、特に制限されず、噴霧
・浸漬・塗布等の手段がある。
【0033】次に、得られた麺を耐熱性を有する袋等の
包装体に充填するが、この際、麺の水分は茹上り後の麺
の水分範囲にあることが望ましい。耐熱性の袋として
は、加熱殺菌に耐え得る耐熱性を有するもの(パウチ
等)であればすべて使用することができる。麺を袋に充
填した後、必要により袋中の空気を窒素ガス・炭酸ガス
等の不活性ガスと置換し、袋の開口部をヒートシール等
の手段により密封する。
【0034】尚、包装体として袋のかわりに容器を採用
することもできる。この場合、例えば容器にソースを注
入しそのまま電子レンジ等で加熱して喫食することがで
きる。該容器としては、例えばポリエステル、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル等の単層物或るい
は積層物でつくられたカップ状或るいは丼状のものをあ
げることができる。
【0035】次に、上記袋又は容器に加熱殺菌処理を施
す。加熱殺菌処理の条件としては、殺菌温度95〜13
5°C、5〜60分間が例示できるが、前述のように麺
を有機酸水溶液に浸漬してpH4.0〜4.6に調整し
た場合には、条件を95〜110°C、5〜60分間程
度に緩和することができる。このように条件を緩和して
加熱殺菌処理を施した場合は、麺の色調の変化、暗色化
を更に好適に防止することができ、風味、食感等におい
ても更に優れた加熱殺菌処理麺を得ることができる。
【0036】加熱殺菌処理方法としては、加圧加熱殺菌
処理が望ましく、特に加圧加熱殺菌処理中の加圧加熱殺
菌処理槽内の圧力を袋内部の圧力にできるだけ一致させ
る、いわゆる定差圧式殺菌法であることが望ましい。そ
の場合、条件としては、加圧加熱殺菌処理時の袋内の圧
力と加圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧(又は被殺菌
食品品温の飽和水蒸気圧と空気の膨張圧との和と加圧加
熱殺菌処理槽内の圧力との差圧)が−0.5〜+0.5
kg/cm2、好ましくは−0.3〜+0.3cm2とな
るように加圧加熱殺菌処理を行うことが望ましい。
【0037】
【実施例】実施例1(加熱殺菌処理用スパゲティ) 水分15.0%、灰分0.65%のデュラムセモリナ1
00重量部(以下、単に部という)に、水30部、マリ
ーゴールドパウダー(三栄源エフ・エフ・アイ社製、ル
テイン含量7.4%)0.015部、トレハロース(林
原商事社製)4部及びトコフェロール0.025部から
なる混合液を加えてミキサーで混合した後、エクストル
ーダーで押し出すと共に切断し、直径1.65mm、長
さ60cmの麺線とした。該麺線は水分約32%、pH
6.3のものであった。
【0038】得られた麺線を竿に掛け、雰囲気温度40
°C、相対湿度80%の条件で乾燥処理を開始し、開始
後約60分かけて雰囲気温度を80°Cに上げ、これに
より麺線の品温を約70°Cとした。引き続き、雰囲気
温度80°C、相対湿度80%の条件で麺線の品温を約
75°Cに2時間保持した。その後、雰囲気温度70°
C、相対湿度80%の条件で麺線の品温を約65°Cに
8時間保持した。その後、雰囲気温度30°C、相対湿
度80%の条件で麺線の品温を約30°Cに5時間保持
して乾燥処理を終えた。乾燥後の麺線の水分は約11%
であった。その後、麺線を長さ25cmに切断して本発
明の加熱殺菌処理用スパゲティを得た。
【0039】実施例2(加熱殺菌処理スパゲティ) 実施例1で得たスパゲティを沸騰水中で約7分間茹でた
後、湯切りし、水分約65%の茹スパゲティを得た。次
に、得られた茹スパゲティを約10°Cの水に30秒間
浸漬した。水浸漬後の茹スパゲティの品温は約20°C
であった。次に、上記茹スパゲティを、水98.52
部、クエン酸0.6部、乳酸0.68部及びアラビヤガ
ム0.2部からなる水溶液に30秒間浸漬した。得られ
た茹スパゲティのpHは4.5であった。次に、上記茹
スパゲティをほぐしつつ、これに茹スパゲティ100部
に対して0.8部のパーム油を塗布した。
【0040】次に、パーム油を塗布した茹スパゲティを
180gづつポリプロピレン製のパウチ(140×15
5mm)に充填し、その後、該パウチに60mlの空気
が残るようにヒートシールした。次いで、上記パウチを
加圧加熱殺菌時の袋内の圧力と加圧加熱殺菌処理槽内の
圧力との差圧がー0.3〜+0.3kg/cm2となる
ように、殺菌温度105°C、30分間の条件で加圧加
熱殺菌処理し、本発明の加熱殺菌処理スパゲティを得
た。
【0041】得られた加熱殺菌処理スパゲティをパウチ
から出したところ、黄色の明るい色調を呈しており、麺
の色調の変化、暗色化の認められないものであった。こ
のスパゲティを沸騰水中で1分間加温し、湯ぎり後皿に
盛り付け、更に加温した市販のミートソースを注いでか
き混ぜた。この際、スパゲティはほぐれが良くて調理し
やすく、ミートソースの絡まりも良かった。これを喫食
したところ、油の劣化臭や澱粉臭等の不快臭が感じられ
ず、柔らかな潤いのある舌触り、噛むとシコシコとした
歯ごたえのある食感を有し、加熱殺菌処理を行わない茹
スパゲティとぼぼ同等の風味を有するものであった。ま
た、上記加熱殺菌処理スパゲティは、二か月経過後も上
記品質が好適に保持されているものであった。
【0042】
【発明の効果】本発明の澱粉質原料に対して特定量のル
テインを添加した加熱殺菌処理用麺によれば、加熱殺菌
処理を施した場合に顕在化する麺の色調の変化、暗色化
を有効に防止することができる。
【0043】また、上記加熱殺菌処理用麺に、茹処理を
施し、次いで冷却処理を施した後、加熱殺菌処理を施す
本発明の加熱殺菌処理麺の製造方法によれば、上記高品
質の加熱殺菌処理麺を好適に製造することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉質原料に対して0.0003〜0.
    01重量%のルテインを添加してなることを特徴とする
    加熱殺菌処理用麺。
  2. 【請求項2】 澱粉質原料に対して0.0003〜0.
    01重量%のルテインを添加して調製した麺に乾燥処理
    を施してなることを特徴とする加熱殺菌処理用麺。
  3. 【請求項3】 ルテインがマリーゴールド色素由来のも
    のである請求項1又は請求項2に記載の加熱殺菌処理用
    麺。
  4. 【請求項4】 澱粉質原料に対して0.0003〜0.
    01重量%のルテインを添加して麺を調製し、これに必
    要により乾燥処理を施した後、茹処理を施し、次いで冷
    却処理を施した後、加熱殺菌処理を施すことを特徴とす
    る加熱殺菌処理麺の製造方法。
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