JP3231763B2 - 圧力制御弁 - Google Patents

圧力制御弁

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Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、第１圧力室を第２圧力室から分離する弁ハ
ウジングのガイド部に、弁シャフトをシールされた状態
でこの弁ハウジング内をガイドされる弁閉止部材と、こ
の弁閉止部材と弁ハウジングとの一方に設けられ、第１
圧力室を第２圧力室に接続する圧力補償路とを備え、こ
の弁閉止部材はリフト動にしたがって、弁ハウジング内
に配置された弁座と当接する、スリップ制御付き流体圧
ブレーキシステム用の特にソレノイド駆動の圧力制御弁
に関するものである。
［背景技術］ この種の圧力制御弁は、既に十分に知られており、色
々の分野で広く使用されている。
ドイツ特許公開公報第3240276号に、上述の圧力バラ
ンス式圧力制御弁が開示されている。この圧力制御弁の
一実施例では、ガイド部に挿入され、第２圧力室に対し
て第１圧力室をシールし、弁シャフトとガイド部との間
の隙間を閉じ、間隙を介する漏れを防止するシールリン
グが設けられている。
弁構造を詳細に検討すると、弁シャフトと、シール部
材を収容するハウジングのガイド部との間を高精度で嵌
合するときにのみ、満足すべきシール作用が保証され
る。しかし、小型化が進むにつれ、できるだけ高精度の
すきま嵌めを設けることは、コスト面のみならず、製造
および機能の面から、生産性の限度に達する。更に、過
度に密にすきま嵌めすることは、弁シャフトの弁座に対
する自動調芯作用に悪影響を及ぼす。この自動調芯作用
は、弁の完全な閉止作用のために必要なものである。
更に、ハウジングのガイドウェブと弁シャフトとの間
に、従来から知られている弾性シールを使用すること
は、大きな摩擦力が生じることを避けることができず、
これにより磨耗が促進される。更に、大きな摩擦力に対
抗するためには、ばね力及びマグネット力を増して、補
償する必要のあることを考慮しなければならない。ま
た、弾性シールの小型化は、極めて限られた範囲での
み、可能であることも考慮しなければならない。
また、上記ドイツ特許公開公報第3240276号の他の実
施例では、環状構造のシールリングの代わりに、弁シャ
フトと弁ハウジングとに取付けられたダイアフラムシー
ルが使用されている。この弁シャフトでのシール方法の
変形例では、実際の使用に際して、満足すべき結果が得
られない。何故なら、弁閉止部材の自動調芯作用に必要
な半径方向のずれは、特に弁サイズが小さくなるに従
い、縮小されてダイアフラムに伝達されるにすぎないか
らである。
［発明の開示］ 本発明の目的は、小型化した場合に、摩擦が少なく、
また同時に、弁シャフトの弁座に対する自動調芯作用に
悪影響を及ぼすことなく、ハウジング内の弁ガイドに対
する弁シャフトの漏れのないシールを保証する前述の圧
力バランス式のコストの安い圧力制御弁を提供すること
である。
上記目的を達成する本発明は、第１圧力室を第２圧力
室から分離する弁ハウジングのガイド部に、弁シャフト
をシールされた状態でこの弁ハウジング内をガイドされ
る弁閉止部材と、この弁閉止部材と弁ハウジングとの一
方に設けられ、第１圧力室を第２圧力室に接続する圧力
補償路とを備え、この弁閉止部材はリフト動にしたがっ
て、弁ハウジング内に配置された弁座に当接しあるいは
離隔する、スリップ制御付き流体圧ブレーキシステム用
の特にソレノイド駆動の圧力制御弁であって、前記ガイ
ド部に形成されかつ前記弁シャフトがすきまを有して貫
通する孔と、この弁シャフト上を案内されかつ弁シャフ
トとガイド部との間をシールするシール部材とを備え、
このシール部材は、弁シャフトがガイド部の孔内を半径
方向に移動したときに、弁シャフトと共にガイド部に対
して移動し、第１圧力室の流体圧を第２圧力室の流体圧
から分離することを特徴とする。
前記シール部材は、ガイド部から離隔した端部領域
が、凸状環状面として形成され、シール用押え装置がこ
の凸状環状面に作用する。これにより、シール部材の周
部の広い範囲にわたって均等に分布するシール力が、平
らなガイド部におけるシール部材の半径方向移動性を制
限することなく、シール面に作用する。
本発明の好ましい実施例では、シール用押え装置は内
側がほぼ円錐状形状に形成され、同時に、ばね板として
のその作用で、圧縮ばねを収容する。シール用押え装置
の円錐状面により、シール部材に作用する仮想の外部圧
力が形成され、この圧力は、シール部材を弁シャフトに
押圧しようとする。
上記シール用押え装置は、圧縮ばねとシール部材と共
に弁シャフトと同軸状に配置されるのが好ましく、これ
により、弁シャフトに弁閉止部材が取付けられている場
合には、弁座に対する弁閉止部材のあらゆる方向からの
自動調芯作用が保証される。
シール部材は、ほぼ三角形状の断面形状であるのが好
ましい凸状の外形を持ち、これは、全体として球状部と
見ることができ、したがって、被加圧領域の全てに同じ
面圧が作用する。
単一のシール部材を弁シャフトとガイド部との間の間
隙に用いたときに大気圧より高い流体圧が作用し、した
がって逆止弁として作用するのを防止するため、上記シ
ール部材と対称的な配置となるように、ガイド部の反対
側の面上に第２のシール部材を対向配置することができ
る。したがって、流体圧の作用する方向すなわち圧力室
内に作用する圧力に係わりなく、弁シャフトとガイド部
との間の間隙に圧力を形成させることなくシールするこ
とができる。
特別な変形例では、ガイド部は弁ハウジングよりも硬
いディスク状に形成される。これにより、シール部材を
半径方向に移動するための所要の平坦面が形成され、更
に、かなり大きな硬度によるいわゆる自動係止（self−
cliniching）用治具を用いることにより、弁ハウジング
のガイド部に極めて安全かつ確実に固定することができ
る。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
［実施例］ 図１は、弁閉止部材を収容する弁シャフト１を示し、
この弁シャフトは、無励磁の初期位置で圧力媒体の流通
を可能とする初期位置に切替えられ、例えば制動圧発生
装置である圧力流体源を、第１圧力媒体路11を介して、
例えばホイールブレーキである圧力媒体使用部に接続さ
れる第２圧力媒体路12に接続する。
これらの第1,第２圧力媒体路11,12を連通する第２圧
力室９は、弁シャフト１を第１圧力室８に対してシール
するシール部材３を収容し、このシール部材３は、第２
圧力室９内に配置された圧縮ばね６によりガイド部２の
端面上に保持される。
弁ハウジング７内の段付き孔とマグネットコア13との
間に自動係止されて保持されたガイド部２は、円板状形
状を有するのが好ましく、その同軸状に配置された孔
を、弁シャフト１がすきますなわち遊びを有して貫通す
る。第１圧縮ばね６と同様に第２シール部材３′をガイ
ド部２の端面上に位置決めする第２圧縮ばね６′を収容
する段付き孔が、マグネットコア13のガイド部２に近接
する部位に配置されている。これにより、弁シャフト１
とガイド部２の孔とが、その間に比較的大きなすきまを
介して嵌合されていても、第1,第２圧力室8,9間の十分
なシール効果が確保される。
ここで、マグネットコア13に向く第１圧力室８は、弁
シャフト１に沿って弁ドームの中空スペースまで延び
る。圧力媒体使用部側の第１圧力媒体路11と第１圧力室
８との間の永久的な圧力補償が、マグネットコア13のガ
イド部２に接触する面に形成された対応する横方向凹部
と、第１圧力室８を圧力補償路であるバイパス路４に接
続する環状凹部14とを介して確保される。
シール部材3,3′は、ポリテトラフルオロエチレンあ
るいはこれと同等の材料で形成するのが好ましい。
弁シャフト１の自動調芯を可能とするため、シール部
材3,3′は、ガイド部２の端面上で弁座10に対して半径
方向に摺動可能である。この自由な運動性は、特に、横
方向の力が作用しない圧縮ばね6,6′の指向性弾性によ
るものである。
流体圧の作用下で、シール部材3,3′は自己シール作
用を有し、したがって、例えば径が1.6ミリメートルの
弁シャフトに50グラムである比較的弱いばね力を作用さ
せた場合であっても、100barの流体圧で、完全にシール
する流体密状態と、僅かにほぼ100gである最小摩擦力と
が確保される。極めて低い摩擦力により、自動調芯作用
を得るために必要なシール部材3,3′の明らかに良好な
半径方向摺動状態が得られる。更に、１のシール部材の
みが使用可能な場合には、上述のシール部材は、流体圧
力の大きさおよび方向にしたがって逆止弁として作用す
るが、しかし、これは上述のように圧力バランスされた
ソレノイド駆動弁の場合には望ましくない。
シール部材3,3′を収容するガイド部２の組立て方法
は、特に正確性を必要とし、これにより、弁座10に対し
てガイド部２を正確に整合させた状態で、弁シャフト１
とガイド部２の孔との間の間隙が比較的狭く維持され
る。これは、同時に、シール部材とガス部材とを予め可
能な限り正確に整合させるものである。具体的には、図
示しない案内用のプラグゲージを、弁座10に対して芯合
せして弁ハウジング７内に挿入し、ハウジングボアと同
軸状の突起と、好ましくはハウジングボア自体との一方
でガイド部２を正確に芯合せし、図示しないセンタリン
グ用工具により、ガイド部２をハウジングボア内に押圧
し、ガイド部２よりも比較的柔軟な材料で形成された弁
ハウジングの材料を塑性変形させ、ガイド部２の周部に
設けたアンダーカットの空隙内に充填し、所要の保持力
を形成するものである。
最後に、図１に示す電磁作動弁の作動について説明す
る。
図１は、非作動位置における電磁作動弁を示し、ここ
では、第２圧力媒体路12に作用する圧力流体源の圧力
は、第２圧力室９を介して阻害されることなく第１圧力
媒体路11内に伝達される。第１圧力媒体路11内に接続方
向に延出するバイパス路４により、このバイパス路は圧
力補償路として作用し、最初に、圧力が補助圧源から導
入され、リング状の凹部14及び第１圧力室８内に伝達さ
れる。この圧力は、弁ドームの中空スペースにも作用す
る。弁を励磁すると、弁シャフト１は第１圧力媒体路へ
の圧力流体路を閉じ、したがって、圧力流体使用部位の
方向に制御された圧力がバイパス路４を介して第１圧力
室８に再度作用することができる。第１圧力室８の方向
に、圧力流体源から第２圧力室９内に伝達された比較的
高い圧力が作用し、これは、弁閉止部材とシール部材3,
3′とによる遮断作用によるものである。圧力室8,9内に
作用する高い圧力の作用で、シール部材3,3′の開放面
が押圧され、弁シャフト１及びガイド部２の接触面に押
圧し、したがって、弁シャフト１とガイド部２との間の
間隙が閉じられ、漏洩することがなくなる。この間隙
は、自動調芯のために設けられたものであり、シール部
材の面が凸状形状に形成されることにより、自動的に芯
だしあるいは芯合せを行うことができ、シール部材3,
3′の半径方向の摺動性に悪影響を与えることなく、作
用する流体圧で自らを付勢する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16K 31/06 B60T 8/36 B60T 15/36

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】第１圧力室を第２圧力室から分離する弁ハ
    ウジングのガイド部に、弁シャフトをシールされた状態
    でこの弁ハウジング内をガイドされる弁閉止部材と、こ
    の弁閉止部材と弁ハウジングとの一方に設けられ、第１
    圧力室を第２圧力室に接続する圧力補償路とを備え、こ
    の弁閉止部材はリフト動にしたがって、弁ハウジング内
    に配置された弁座に当接しあるいは離隔する、スリップ
    制御付き流体圧ブレーキシステム用の特にソレノイド駆
    動の圧力制御弁であって、 前記ガイド部（２）に形成されかつ前記弁シャフト
    （１）がすきまを有して貫通する孔と、この弁シャフト
    （１）上を案内されかつ弁シャフトとガイド部との間を
    シールするシール部材（3,3′）とを備え、このシール
    部材は、弁シャフト（１）がガイド部の孔内を半径方向
    に移動したときに、弁シャフトと共にガイド部に対して
    移動し、第１圧力室の流体圧を第２圧力室の流体圧から
    分離することを特徴とする圧力制御弁。
  2. 【請求項２】前記シール部材（3,3′）は、ガイド部
    （２）から離隔した端部領域が、凸状環状面として形成
    され、シール用押え装置（5,5′）がこの凸状環状面に
    作用することを特徴とする請求項１に記載の圧力制御
    弁。
  3. 【請求項３】前記シール用押え装置（5,5′）は、内側
    がほぼ円錐状形状に形成された成形形状を有し、圧縮ば
    ね（6,6′）により、ガイド部（２）に対して所定の面
    圧力で押圧されることを特徴とする請求項１又は２に記
    載の圧力制御弁。
  4. 【請求項４】前記シール用押え装置（5,5′）は、圧縮
    ばね（6,6′）およびシール部材（3,3′）と共に弁シャ
    フト（１）に同軸状に配置されることを特徴とする請求
    項１から３のいずれか１に記載の圧力制御弁。
  5. 【請求項５】前記シール部材（3,3′）の断面形状は、
    ほぼ三角形状を有し、２つの辺が弁シャフト（１）の端
    面とガイド部（２）とに当接し、斜辺がシール用押え装
    置に作用し、全ての辺にほぼ同じ面圧が作用することを
    特徴とする請求項１から４のいずれか１に記載の圧力制
    御弁。
  6. 【請求項６】前記シール部材（３）に対向する第２のシ
    ール部材（３′）がガイド部に配置され、この第２シー
    ル部材は、圧縮ばねが作用しかつ前記シール用押え装置
    （５）と同様な第２のシール用押え装置（５′）に当接
    可能に保持されることを特徴とする請求項１から５のい
    ずれか１に記載の圧力制御弁。
  7. 【請求項７】前記ガイド部（２）は、弁ハウジング
    （７）よりも高硬度の材料で別個に形成された回転対称
    形状を持つ平坦な部材であり、弁ハウジング（７）内に
    摩擦で保持され、このガイド部（２）の周部に配置され
    たアンダーカット部が弁ハウジング（７）の材料とかみ
    合うことを特徴とする請求項１から６のいずれか１に記
    載の圧力制御弁。
  8. 【請求項８】圧縮ばね（6,6′）は、シール用押え装置
    （5,5′）から離隔した端部が、２つの圧力室（8,9）の
    内壁で支持可能であることを特徴とする請求項６に記載
    の圧力制御弁。
  9. 【請求項９】第１圧力室を第２圧力室から分離する弁ハ
    ウジングのガイド部に、弁シャフトをシールされた状態
    でこの弁ハウジング内をガイドされる弁閉止部材と、こ
    の弁閉止部材と弁ハウジングとの一方に設けられ、第１
    圧力室を第２圧力室に接続する圧力補償路とを備え、こ
    の弁閉止部材はリフト動にしたがって、弁ハウジング内
    に配置された弁座と当接する、請求項１から８のいずれ
    か１に記載のスリップ制御付き流体圧ブレーキシステム
    用の特にソレノイド駆動の圧力制御弁におけるシール部
    材を支えるガイド部の組立て方法であって、 ａ）プラグゲージを弁座（10）に対して芯合せして弁ハ
    ウジング（７）内に挿入し、ハウジングボアと同軸状の
    突起と、ハウジングボア自体との一方でガイド部（２）
    を正確に芯合せし、 ｂ）芯だし用工具により、ガイド部（２）をハウジング
    ボア内に押圧し、ガイド部（２）よりも比較的柔軟な材
    料で形成された弁ハウジングの材料を塑性変形させ、ガ
    イド部（２）の周部に設けたアンダーカットの空隙内に
    充填し、所要の保持力を形成することを特徴とする方
    法。
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