JP3231164B2 - 浄水場凝集プロセスの制御装置 - Google Patents
浄水場凝集プロセスの制御装置Info
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- JP3231164B2 JP3231164B2 JP28446393A JP28446393A JP3231164B2 JP 3231164 B2 JP3231164 B2 JP 3231164B2 JP 28446393 A JP28446393 A JP 28446393A JP 28446393 A JP28446393 A JP 28446393A JP 3231164 B2 JP3231164 B2 JP 3231164B2
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Description
の不純物を沈澱、ろ過により分離するためにフロックと
して凝集、集塊させる浄水場凝集プロセスの制御装置に
関する。
すもので、図において、浄水場の原水は着水井51を通
った後、急速混和池52に流入する。急速混和池52で
は、凝集剤注入機54から凝集剤53が注入され、フラ
ッシュミキサ55により急速撹拌を行うことで微小フロ
ックを形成し、このフロックに原水中の浮遊物質である
コロイド粒子、懸濁物質や微生物などを吸着させる。
レータ57により緩速撹拌を行うことでフロックを成長
させ、沈澱池58において固体成分を沈澱させて固液分
離を行う。このため、フロック形成池56の出口(沈澱
池58の入口)において適切な大きさ、密度のフロック
が形成されていること、並びに沈澱処理後(沈澱池58
の出口)の処理水濁度が適切な値となっていることが必
要である。
ての濁度計64からの処理水濁度検出値と処理水濁度設
定値とが入力され、両者を一致させるように調節動作し
て凝集剤注入率を出力するPID制御装置、60は流量
計61からの原水流量と凝集剤注入率とが入力され、凝
集剤注入機54に対する凝集剤の注入量指令を出力する
比率設定器、62はフラッシュミキサ55の駆動モータ
を制御するフラッシュミキサ撹拌速度制御装置、63は
フロキュレータ57の駆動モータを制御するフロキュレ
ータ撹拌速度制御装置である。
て、凝集剤53の原水に対する注入率、急速撹拌の強
度、緩速撹拌の強度が考えられる。このうち、急速撹拌
の強度、緩速撹拌の強度は、一般に前記各速度制御装置
62,63により適当な値に手動設定(固定)し、PI
D制御装置59及び比率設定器60を介し凝集剤注入率
を凝集プロセスの操作量として制御を行う。
施設により異なり、従来では次のような種々の方法によ
り決定されている。 方法(1):処理すべき原水を試料としてとり、注入率
を段階的に変えて実験(ジャーテスト)により適正な注
入率を決定する。
処理後の濁度を計測し、これが設定値に一致するように
注入率を操作量としてフィードバック制御する。
入率式に基づき、注入率を決定する。原水濁度を説明変
数とするもの、原水濁度に加え、水温、pH値、アルカ
リ度などを説明変数とするものなどがある。何れも、何
通りかの原水に対し、ジャーテストで適切な注入率を決
定したデータをもとに注入率式を決める。図19はこの
従来技術を示すもので、66は着水井51内に設置され
た水質センサとしての水質計、65は原水水質に応じて
注入率式を演算する凝集剤注入率式演算装置である。
形成状態に対するオペレータの認識並びに注入率式の切
替えや補正をオペレータによる手動制御に近付けるよう
に、ファジィ制御、ニューロ、エキスパート制御などを
用いて適正な注入率を決定する。
タの認識の代わりに、フロック形成池56のオンライン
画像情報に基づき算出された平均フロック粒径を用い
る。図20はこの従来技術を示しており、69はフロッ
ク形成池56の内部を撮像するITVカメラ、68は画
像処理装置、67は原水水質、処理水濁度検出値、フロ
ック形成池56内のフロック粒径分布に基づき適正な注
入率を演算して決定する凝集プロセス制御演算装置であ
る。
時間がかかるので、降雨開始時のように原水濁度が急激
に変化する場合には間に合わない上に人手がかかり、制
御の自動化ができない。また、実際のプロセスそのもの
ではないので、フロックの形成状態を人間が常時、目で
監視し、適切な補正を行う必要がある。これは方法
(3)の場合も同様である。
る程度自動化することは可能である。但し、次のような
問題がある。方法(2)は操作入力である凝集剤注入か
ら制御出力である沈澱処理水の濁度検出までの無駄時間
が通常1時間以上あり、安定で良好な制御は不可能であ
る。方法(3)は前述の通り、フロックの形成状態を人
が目で監視する必要があり、また、方法(4)は本質的
にオペレータの介在が必要であるため、何れも全自動化
はできない。方法(5)では人による目視部分を画像処
理装置に置き換えるので、全自動化が可能となる。しか
しながら、操作量たる凝集剤注入からフロック形成池ま
での時間遅れ(水が到達するのに要する時間並びに滞留
時間)が数十分あり、単にある時点でのフロック粒径等
の大小を凝集剤注入率に反映させるだけでは、何らかの
急激な変動が生じた場合に安定で精度の良い制御は不可
能である。
れたもので、その目的とするところは、制御の自動化を
可能にし、しかも制御に遅れ時間があっても安定かつ高
精度のプロセス制御が行えるようにした浄水場凝集プロ
セスの制御装置を提供することにある。
いため、安定で精度良い制御が不可能であるという解決
課題に対し、本発明は概略、次のような手段をその要旨
とする。 A.沈澱処理後の処理水濁度とフロック形成池での成長
フロックの粒径とは相関があり、また、フロック形成池
での成長フロックの粒径と急速混和池での微小フロック
の粒径とにも相関がある。そこで、凝集剤注入からの遅
れ時間が短い急速混和池での凝集状態(微小フロックの
大きさ)を計測し、制御にフィードバックさせる。この
ためには、一般に100〔μm〕以下である混和池での
微小フロックの粒径を、数〔μm〕以下の分解能で連続
的あるいは数分程度の時間間隔で計測できるセンサが必
要である。このような用途のセンサとしては、例えば特
願平2−43064号にかかる「液体中に含まれる複数
成分の凝集過程を検出する方法とその装置」に記載され
たセンサがある。
ベル)の遅れ時間があり、かつ連続的に計測できない場
合は計測自体の時間遅れが生ずる。そこで、遅れ時間な
どの制御対象の動的特性を考慮して操作出力を決定する
制御アルゴリズムを用いる。このような制御アルゴリズ
ムとしては、モデル予測制御、スミス法などがある。モ
デル予測制御の代表的な方式としては、MAC(Model A
lgorithmic Control)やDMC(Dynamic Matrix Contro
l)がある。
下のように構成される。 (1)第1の発明では、急速混和池の微小フロックの平
均粒径を適当な検出周期で計測してこれを制御量とし、
凝集剤注入率を操作量として、モデル予測制御により設
定値に保つようにする。制御アルゴリズムとしては、ス
ミス法などを用いてもよい。
式を使って説明する。MACでは制御対象の入力(凝集
剤注入率)に対する出力(フロック粒径)のインパルス
応答モデルを必要とする。ある平衡状態からの変動に対
する入出力間の伝達関数は急速混和池で完全混合するも
のとすれば、一般的に数式1のように表すことができ
る。急速混和池が直列に何槽かに分かれている場合で
も、近似的に同様な表現で表すことができる。
ック粒径、u:凝集剤注入率、K:プロセスゲイン、
L:無駄時間、T:一次遅れ時定数である。K,L,T
の値はステップ応答試験などから決定することができ
る。インパルス応答モデルhyは、数式1をラプラス逆
変換して数式2のように得られる。
yi(i=1,2,…)で表すと、数式3のようになる。
但し、B=Δt/T,t=i・Δtである。
は数式4のようになる。但し、yM(k+j):現時刻
kからjステップ先の制御量の予測モデル、u(i):
iステップの操作量、yS:基準状態の制御量、uS:基
準状態の操作量、N:インパルス応答系列の打ち切り数
である。
1ステップに至るプロセスの出力の予測値yP(k+
j)(j=L1〜L1+P1−1)を、数式5のよう
に、現時刻でのモデルとのずれも考慮して与える。ここ
で、P1のことを制御量先読み個数(または制御ホライ
ズン)と呼ぶ。但し、y(k):現時刻での制御量(計
測値)である。
へ、数式6の参照軌道に沿ってもっていく。
テップ先の制御量の目標値、ryは現時刻での設定値で
ある。0≦α≦1であり、αを1に近く設定する場合は
制御量をゆっくり設定値ryへもっていくことに、αを
0に近付ける場合は制御量をすばやく設定値ryにもっ
ていくことになる。
1ステップに至るプロセスの出力の予測値が目標値にで
きるだけ近づくように、現時刻以降Mステップの操作量
を決定する。但し、Mステップ以降の操作量は一定とす
る。ここで、Mのことを操作量先読み個数(または操作
ホライズン)と呼ぶ。予測値と目標値の近さをユークリ
ッドノルムで定義した数式7の評価関数を最小にするよ
うに、un:=〔u(k),………,u(k+M−
1)〕を決める。
に、簡単のためにM=1とすると、数式9が得られる。
こで、数式10ないし数式13を条件として、数式9は
数式14のようになる。
…,hyj+N−hyN〕T
得られ、Jを最小にするu(k)は、最小2乗法により
数式16のように求まる。但し、数式16において、c
jは数式17で表される。
と、数式18のように表すこともできる。
定値を、上下限値並びに前ステップからの変化量をもと
に、数式19ないし数式23のように修正する。
(k)=u(k−1)+u3
(k)=u(k−1)−u3
u(k)=u(k−1)
剤注入率の上限値、下限値、変化量上限値、不感帯であ
る。
フローチャートであり、この処理は制御周期ごとに繰り
返し実行される。なお、内部モデルを変更することなく
そのまま用いる場合には、図7におけるステップS5以
後の処理を繰り返し行う。また、修正後の注入率設定値
は、原水流量に対する比率を設定するために比率設定器
に送信される(S11)。
加えて、原水の水質に基づく既存の注入率式を併用す
る。すなわち、従来からの原水水質に基づく注入率式を
フィードフォワード的に用い、これに第1の発明による
フロック粒径のフィードバック制御を加え合わせて凝集
剤注入率を決定する。つまり、この発明における凝集剤
注入率は数式24のようになる。但し、数式24におい
て、F:従来から存在する注入率式、di:原水水質
(濁度、アルカリ度、pH値、水温など)であり、この
注入率式Fは凝集プロセスにとっての外乱量を計測し、
これに基づいて注入率を求める。
数式25のような式である。但し、数式25のa0,a1
は係数である。
定値を上下限値並びに前ステップからの変化量をもとに
修正するのは、第1の発明と同様である。
トである。この発明では、ステップSA9により求めた
第1の発明による凝集剤注入率u1(k)に、ステップ
SA11において従来の注入率式Fにより求めた凝集剤
注入率u2(k)を加えることにより、修正前の最終的
な注入率u(k)を決定する(SA12)。
デルに含めるものである。数式4と同様にして、原水水
質(濁度、アルカリ度、pH値、水温など)の各要因を
入力とし、フロックの平均粒径を出力とするインパルス
応答系列gyiが得られたとする。このインパルス応答系
列を用いて、予測モデルは、次の数式26のようにな
る。
(dは複数の要因からなるベクトル量であるが、簡単の
ため、1変数の場合として表す)、dS:基準状態の原
水水質である。数式26の右辺第1項と第2項のインパ
ルス応答系列の打ち切り数Nは必ずしも同一である必要
はないが、ここでは簡単のため、同一に表記した。数式
26を数式4に代入することにより数式27が得られ、
更に、簡単のためにM=1とすると、数式28が得られ
る。
hyi=gyi=0である。また、数式29ないし数式31
のようにおくと、数式28は数式32のようになる。
yu(j)+yd(j)
が得られる。数式33におけるJを最小にするu(k)
は、最小2乗法により、数式34のように求まる。但
し、数式34におけるcjは数式17による。
ると数式35のようになり、凝集剤注入率が求められ
る。このようにして得られた凝集剤注入率の設定値を上
下限値ならびに前ステップからの変化量をもとに修正す
るのは、第1の発明と同様である。
トである。図において、原水水質過去値系列のセット
(SB10)及び原水水質過去値依存分行列の計算(S
B11)により、数式30、数式31が実行される。そ
の他の処理については、原水水質計測値の入力(SB
6)が行われる以外は図7の処理と同様である。 (4)第4の発明は、急速攪拌強度(急速攪拌機として
のフラッシュミキサの回転速度)を操作量に含めるもの
である。数式4と同様にして急速攪拌機の回転速度を入
力とし、フロックの平均粒径を出力とするインパルス応
答系列fyiが得られたとする。このインパルス応答系列
を用いると、予測モデルは数式36のようになる。な
お、原水水質の項は省略する。
ップの急速攪拌機の回転速度、vS:基準状態の急速攪
拌機の回転速度である。右辺第1項と第2項のインパル
ス応答系列の打ち切り数Nは必ずしも同一である必要は
ないが、ここでは簡単のため、同一に表記した。予測値
と目標の近さと2つの制御量の基準値からの偏差をユー
クリッドノルムで定義した数式37の評価関数を最小に
するように、un:=〔u(k),……,u(k+M−
1)〕,vn:=〔v(k),……,v(k+M−
1)〕を決める。なお、数式37において、λ1,λ2,
λ3はそれぞれの重みを表す。
式38が得られ、更に、簡単のためにM=1とすると、
数式39が得られる。
hyi=fyi=0である。また、数式40ないし数式43
とおくと、数式44が得られる。
…,fyj+N−fyN〕
pyjv(k)+yuV(j)
5となり、Jを最小にするu(k),v(k)は最小2
乗法により数式46、数式47のように求まる。
B,C,D,Eはそれぞれ数式48ないし数式52のと
おりである。
速攪拌強度の設定値を上下限値並びに前ステップからの
変化量をもとに修正するのは、第1の発明と同様であ
る。
ートである。図において、操作量u(k),v(k)を
求めるために演算定数A〜Eの計算を行う(SC5,S
C10)ほかは、図7の処理と同様である。
フロック平均粒径をも制御量に含めるものである。数式
4と同様にして凝集剤注入率を入力とし、フロック形成
池でのフロック平均粒径xを出力とするインパルス応答
系列hxiが得られたとする。このインパルス応答系列を
用いると、予測モデルは前記数式4及び数式53のよう
になる。なお、原水水質並びに急速攪拌強度の項は省略
する。
j):現時刻kからjステップ先のフロック形成池での
フロック平均粒径の予測モデル、xS:基準状態の制御
量である。数式53のインパルス応答系列の打ち切り数
Nは必ずしも同一である必要はないが、ここでは簡単の
ため同一に表記した。数式5と同様にして、数式54で
予測値を与える。
けるフロック形成池でのフロック平均粒径(計測値)、
xP(k+j):jステップ先のフロック形成池でのフ
ロック平均粒径の予測値である。xの目標値xRは、現
時刻での制御量から設定値rXへ、数式55の参照軌道
に沿ってもっていく。yRは前出の数式6のとおりであ
る。
テップ先の目標値、rXは現時刻での設定値である。0
≦β≦1であり、βを1に近く設定すると制御量をゆっ
くり設定値rXへもっていくことに、また、βを0に近
づけると制御量をすばやく設定値rXへもっていくこと
になる。
1ステップに至るyの予測値が目標値にできるだけ近付
くように、かつ、L2ステップ先の時刻(k+L2)か
らP2ステップに至るxの予測値が目標値にできるだけ
近付くように、予測値と目標値の近さをユークリッドノ
ルムで定義した数式56の評価関数を最小にするべくu
n:=〔u(k),……,u(k+M−1)〕を決め
る。
ここで、簡単のため、M=1とすると、数式8〜数式1
5と同様にして数式57のようになる。
ここで、ayj,yu(j),u0は前出である。
…,hxj+N−hxN〕T
より数式61のように求まる。なお、数式61におい
て、Aは数式62のとおりである。
急速攪拌強度の設定値を上下限値並びに前ステップから
の変化量をもとに修正するのは、第1の発明と同様であ
る。図11は上記一連の処理を示すフローチャートであ
る。この発明では、演算定数Aの計算を行う(SD5)
ほかは図7の処理とほぼ同様である。
ック形成池における緩速撹拌機としてのフロキュレータ
の撹拌速度)を操作量に含めるものである。数式4と同
様にして緩速撹拌強度を入力とし、フロック形成池での
フロック平均粒径xを出力とするインパルス応答系列φ
xiが得られたとする。このインパルス応答系列を用いる
と、予測モデルは前記数式4及び数式63のようにな
る。なお、原水水質並びに急速攪拌強度の項は省略す
る。
の緩速攪拌機の回転速度、wS:基準状態の緩速攪拌機
の回転速度である。数式63の右辺第1項と第2項のイ
ンパルス応答系列の打ち切り数Nは必ずしも同一である
必要はないが、ここでは簡単のため、同一に表記した。
予測値と目標値の近さと2つの制御量の基準値からの偏
差をユークリッドノルムで定義した数式64の評価関数
を最小にするように、un:=〔u(k),……,u
(k+M−1)〕,wn:=〔w(k),……,w(k
+M−1)〕を決める。
λ3,λ4はそれぞれの重みを表す。ここで、簡単のため
M=1とすると、数式38〜数式45と同様にして数式
65が得られる。
る。
…,φxj+N−φxN〕T
小2乗法により数式70、数式71のように求まる。
B,C,D,Eは数式72ないし数式76に示すとおり
である。このようにして得られた凝集剤注入率、急速撹
拌速度及び緩速撹拌速度の設定値を上下限値及び前ステ
ップからの変化量をもとに修正するのは第1の発明と同
様である。
ートである。この処理は、操作量がu(k),w(k)
になることを除けば、図10の処理とほぼ同様である。
水濁度をも制御量に含めるものである。数式4と同様に
して、凝集剤注入率を入力とし、沈殿池出口での処理水
濁度zを出力とするインパルス応答系列hziが得られた
とする。このインパルス応答系列hziを用いると、予測
モデルは前記数式4、数式53及び数式77のようにな
る。なお、原水水質及び急速撹拌速度、緩速撹拌速度の
項は省略する。
刻kからjステップ先の沈殿池出口での処理水濁度の予
測モデル、zS:基準状態の制御量である。数式77の
インパルス応答系列の打ち切り数Nは必ずしも同一であ
る必要はないが、ここでは簡単のため同一に表記した。
数式5と同様に、数式78で予測値を与える。
口での処理水濁度(計測値)、zP(k+j):jステ
ップ先の沈殿池出口での処理水濁度の予測値である。z
の目標値zRは、現時刻での制御量から設定値rzへ数式
79の参照軌道に沿ってもっていく。yの目標値yRは
前出の数式6である。
テップ先の目標値、rzは現時刻での設定値である。0
≦γ≦1であり、γを1に近く設定すると制御量をゆっ
くり設定値rzへもっていくことに、また、γを0に近
付けると制御量をすばやく設定値にもっていくことにな
る。数式50と同様にして、予測値と目標値の近さをユ
ークリッドノルムで定義した数式80の評価関数を最小
にするように、un:=〔u(k),……,u(k+M
+1)〕を決める。
ぞれの重みを示す。ここで、簡単のためM=1とする
と、数式8ないし数式15と同様にして数式81のよう
になる。但し、数式82ないし84を条件とし、ayj,
yu(j),axj,xu(j),u0は前出である。
…,hzj+N−hzN〕T
は最小2乗法により、数式85のように求まる。なお、
数式85におけるAは数式86に示すとおりである。こ
のようにして得られた凝集剤注入率、急速撹拌速度及び
緩速撹拌速度の設定値を上下限値及び前ステップからの
変化量をもとに修正するのは第1の発明と同様である。
ートであり、その内容は処理水濁度zに関する予測モデ
ルをも用いる点を除けば、図11とほぼ同様である。
水濁度、フロック形成池でのフロック平均粒径、急速混
和池での微小フロックの平均粒径をカスケード的に制御
するものである。数式4と同様にして、急速混和池の微
小フロックの平均粒径を入力とし、フロック形成池での
フロック平均粒径xを出力とするインパルス応答系列h
xyi、及び、同じくフロック形成池でのフロック平均粒
径を入力とし、沈殿池出口での処理水濁度zを出力とす
るインパルス応答系列hzxiが得られたとする。これら
のインパルス応答系列を用いると、予測モデルは前記数
式4、数式87及び数式88のようになる。なお、原水
水質、急速撹拌強度、緩速撹拌強度の項は省略する。
3ステップに至る沈殿池出口での処理水濁度の予測値が
目標にできるだけ近付くように、予測値と目標値の近さ
をユークリッドノルムで定義した数式89の評価関数を
最小にするように、xn:=〔x(k),…x(k+M
−1)〕を決める。
式8ないし数式15と同様にして数式90のようにな
る。
する。
hZx2,……,hZxj+N−hZxN〕T
り、数式95のように求まる。ただし、x(k)は制御
量であって直接操作はできないので、これを設定値rx
(k)とする。なお、数式95におけるcZxjは数式9
6に示すとおりである。
する。
からP2ステップに至るフロック形成池でのフロック平
均粒径の予測値が目標値にできるだけ近付くように、予
測値と目標値の近さをユークリッドノルムで定義した数
式98の評価関数を最小にするべくyn:=〔y
(k),……,y(k+M−1)〕を決める。
式98のJを最小にするy(k)は、最小2乗法により
数式99のように求まる。ただし、y(k)は制御量で
あり、直接操作はできないので、これを設定値r
y(k)とする。
件とする。
xy2,……,hxyj+N−hxyN〕T
にする。
からP1ステップに至る混和池でのフロック平均粒径の
予測値が目標値にできるだけ近付くように、予測値と目
標値の近さをユークリッドノルムで定義した数式7の評
価関数を最小にするべくun:=〔u(k),……,u
(k+M−1)〕を決める。数式8〜16と同様にし
て、Jを最小にするu(k)は最小2乗法により、前記
数式16のように求まる。
速撹拌強度並びに緩速撹拌強度の設定値を上下限値並び
に前ステップからの変化量をもとに修正するのは、第1
の発明と同様である。なお、この方法ではフロック形成
池平均フロック粒径の目標値を求めるステップ、混和池
平均フロック粒径の目標値を求めるステップ、凝集剤注
入率の設定値を求めるステップの制御周期を同一として
説明したが、一般的に時間遅れのスケールがこれらの順
に小さくなっていくので、制御周期もこれらに応じて
大、中、小と変えてもよい。
ローチャートであり、フロック形成池平均フロック粒径
の設定値を求めるためのステップSG6〜SG10、混
和池平均フロック粒径の設定値を求めるためのステップ
SG11〜SG15及び沈殿池出口での処理水濁度を設
定値に近付けるような凝集剤注入率の設定値を求めるた
めのステップSG16〜SG21とがカスケード的に実
行される。
デルを逐次、同定し、プロセスの変動に適応させるため
のものである。簡単のため、制御量が急速混和池のフロ
ック平均粒径であり、操作量が凝集剤注入率の場合につ
いて説明する。予測モデルとして、数式4を変形し、数
式106のように表す。但し、数式106におけるhy0
は数式107に示すとおりである。
き、カルマンフィルタの原理を用いると、k時点のイン
パルス応答系列H(k)の推定値は(k−1)時点の推
定値H(k−1)から数式108、数式109のように
計算できる。
T(k)P(k−1)M(k)}-1P(k−1)M
(k)MT(k)P(k−1)
−yM(k)}P(k)M(k)
る。
2),……,u(k−N)〕T
y(k)の観測誤差分散、P(k)はH(k)の推定誤
差分散行列を表す。上記により、モデルパラメータをΔ
t時間ごとあるいはn・Δt時間(nは適当な整数)ご
とにモデルを変更する。
タをフィルタリングする効果がある。そこで、数式5、
数式6を数式112、数式113のようにする。
は数式114のようになる。
とする。
8が得られ、Jを最小にするu(k)は最小2乗法によ
り、数式119のように求まる。但し、数式119のc
jは数式17による。
速撹拌強度並びに緩速撹拌強度の設定値を上下限値並び
に前ステップからの変化量をもとに修正するのは、第1
の発明と同様である。図16は上記一連の処理を示すフ
ローチャートである。この発明では、例えば混和池フロ
ック粒径の推定値yM(k)を計算し(SH2)、その
計測値y(k)が得られたら操作量過去値系列M(k)
をセットし(SH3)、推定誤差分散行列P(k)の更
新(SH5)、及びインパルス応答系列H(k)の更新
(SH6)を行う。
ロセスゲインのみを逐次、同定し、プロセスの変動に適
応させるものである。簡単のため、制御量が混和池のフ
ロック平均粒径であり、操作量が凝集剤注入率の場合に
ついて説明する。数式1の伝達関数モデルでプロセスゲ
インの変動が大きいとすると、基準のプロセスゲインを
Kとし、変動の比率をK1で表すものとして、伝達関数
を数式120のように表す。
予測モデルは数式121のようになる。
とにより、数式124を得る。
き、カルマンフィルタの原理を用いてK0,K1を推定す
る。k時点の推定値H(k)は、前記数式108、数式
109により、(k−1)時点の推定値H(k−1)か
ら計算することができる。但し、数式125、数式12
6を条件とする。
ごと、あるいはn・Δt時間(nは適当な整数)ごとに
モデルを変更する。以降の処理は第9の発明の場合と全
く同様である。しかし、変化するモデルパラメータはわ
ずかであるので、次のような方法により、毎ステップで
の制御演算量を少なくすることができる。
ことにより、M=1として、数式14と同様に数式12
7を得る。但し、数式127のayj,yu(j)は数式
10ないし数式13による。
(k)+K1yu(j)
28が得られ、Jを最小にするu(k)は最小2乗法に
より、数式129のように求まる。
による。このようにして得られた凝集剤注入率、急速撹
拌強度並びに緩速撹拌強度の設定値を上下限値並びに前
ステップからの変化量をもとに修正するのは、第1の発
明と同様である。図17は、上記一連の処理を示すフロ
ーチャートであり、ステップSI6ないしSI8により
プロセスゲインが逐次、更新される。
る。図1は第1の発明の実施例であり、図18ないし図
20と同一の構成要素には同一の番号を付してある。急
速混和池52内に設置した第1の凝集センサ70により
微小フロック平均粒径を計測し、その値が設定値に一致
するように、図7の処理手順で凝集プロセス制御演算装
置67が凝集剤注入率を演算し、その演算値を比率設定
器60に伝送する。比率設定器60では、流量計61か
らの原水流量に凝集剤注入率を乗じて凝集剤注入量指令
を生成し、これを凝集剤注入機54に送る。凝集剤注入
機54は、注入ポンプの回転速度を調節して指令された
注入量の凝集剤53を急速混和池52に注入する。
62及びフロキュレータ撹拌速度制御装置63は手動設
定となっている。上記構成により、急速混和池52の微
小フロック平均粒径が設定値に一致するように凝集剤注
入率が制御される。
る。すなわちこの実施例では、図1の構成に加えて、原
水の濁度、アルカリ度、pH値、水温などを水質センサ
としての水質計66、温度計(図示せず)等によって計
測し、これらの信号を凝集プロセス制御演算装置67に
送って図8、図9における凝集剤注入率の演算に用い
る。なお、この実施例でも、フラッシュミキサ撹拌速度
制御装置62及びフロキュレータ撹拌速度制御装置63
は手動設定となっている。
セスにとっての外乱量である原水水質に基づく既知の注
入率式や、原水水質よる影響を含めた内部モデルに基づ
く予測制御が制御演算装置67により行われ、凝集剤注
入率が適切な値に制御される。
施例では、図2の構成に加えて、急速撹拌機としてのフ
ラッシュミキサ55の撹拌速度の設定値を凝集プロセス
制御演算装置67が演算し、フラッシュミキサ撹拌速度
制御装置62を介して駆動モータの速度が設定値になる
ように制御する。すなわち、凝集剤注入率のほかに急速
撹拌強度(フラッシュミキサ撹拌速度)をも操作量とし
て、図10に示した処理手順により各操作量の設定値を
決定する。この実施例では、フロキュレータ撹拌速度制
御装置63のみが手動設定となっている。
構成に加え、フロック形成池56のフロック粒径を第2
の凝集センサ71により計測し、これが設定値に一致す
るように、凝集プロセス制御演算装置67は図11の処
理手順に従って凝集剤注入率及びフラッシュミキサ撹拌
速度の設定値を演算する。この実施例でも、フロキュレ
ータ撹拌速度制御装置63のみが手動設定となってい
る。
構成に加え、凝集プロセス制御演算装置67は、緩速撹
拌機としてのフロキュレータ57の撹拌速度の設定値を
演算する。そして、フロキュレータ撹拌速度制御装置6
3を介しフロキュレータ57の駆動モータの速度を設定
値に一致させるように制御する。その演算制御手順は図
12に示したとおりであり、凝集剤注入率及び緩速撹拌
強度を操作量として制御を行う。なお、フロック形成池
56が多段となっている場合には、各フロキュレータ5
7の撹拌速度はそれぞれの基準速度に対して比例的に変
化させる。
る。すなわち、図5の構成に加え、沈殿処理後の処理水
濁度を濁度センサとしての濁度計64により計測し、そ
の計測値が設定値に一致するように図13または図1
4、図15の処理手順で凝集剤注入率、フラッシュミキ
サ撹拌速度及びフロキュレータ撹拌速度の設定値を演算
する。
構成としては図1から図6の何れにも適用可能であり、
図16または図17の処理手順に従って内部モデルまた
はモデルパラメータを実データに基づき逐次、変更する
ことにより、プロセスの変動に適応した制御を行うこと
ができる。
質や処理水量によらず、また、これらの急激な変動に対
しても急速混和池における微小フロックの大きさを望ま
しい大きさにすることができる。これにより、または直
接、フロック形成池における成長フロックの大きさを望
ましい大きさにすることができる。更に、これにより、
または直接、沈殿池における固液分離がスムースに行わ
れ、沈殿後の処理水の濁度を望ましい値に保つことがで
きる。また、フロックの形成状態を人為的に監視する必
要がなく、制御の全自動化が可能であると共に、凝集剤
注入からフロック形成に至るまで遅れ時間の間にプロセ
スが変動しても安定した高精度の制御を行うことができ
る。
る。
る。
ャートである。
ャートである。
ャートである。
チャートである。
チャートである。
チャートである。
チャートである。
フローチャートである。
フローチャートである。
チャートである。
ーチャートである。
Claims (10)
- 【請求項1】 原水流量に対する凝集剤注入率に基づき
急速混和池内の原水に凝集剤を注入して急速攪拌するこ
とにより微小フロックを形成させ、緩速攪拌を行う後段
のフロック形成池内で前記微小フロックを成長させて原
水中の固体成分を凝集させると共に、後段の沈殿池内で
固液分離する浄水場凝集プロセスにおいて、 前記急速混和池における微小フロックの平均粒径を制御
量として計測する第1の凝集センサと、操作量としての凝集剤注入率のインパルス応答系列と基
準状態の制御量とを用いた予測モデルによって予測され
る将来の制御量に、現時刻における実際の制御量と現時
刻における予測モデルによる制御量とのずれを加算して
将来の制御量予測値を求め、この制御量予測値が制御量
目標値に近付くように現時刻以降の 凝集剤注入率の設定
値を求める制御演算装置と、 を備えたことを特徴とする浄水場凝集プロセスの制御装
置。 - 【請求項2】 請求項1記載の浄水場凝集プロセスの制
御装置において、 凝集プロセスにとっての外乱量として原水水質を計測す
る水質センサを備え、 制御演算装置は、水質センサによる計測値に基づく凝集
剤の注入率式を併用して操作量としての凝集剤注入率の
設定値を求めることを特徴とする浄水場凝集プロセスの
制御装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の浄水場凝集プロセスの制
御装置において、 凝集プロセスにとっての外乱量として原水水質を計測す
る水質センサを備え、 制御演算装置は、水質センサによる計測値の影響を内部
モデルに含めて予測制御を行うことを特徴とする浄水場
凝集プロセスの制御装置。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載の浄水場凝集
プロセスの制御装置において、 制御演算装置は、急速混和池での急速撹拌強度をも操作
量として凝集剤注入率及び急速撹拌強度の設定値を求め
ることを特徴とする浄水場凝集プロセスの制御装置。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の浄水場
凝集プロセスの制御装置において、 フロック形成池内でのフロックの平均粒径を計測する第
2の凝集センサを備え、 制御演算装置は、第2の凝集センサによる計測値をも設
定値になるように内部モデルに基づく予測制御を行うこ
とを特徴とする浄水場凝集プロセスの制御装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の浄水場凝集プロセスの制
御装置において、 制御演算装置は、フロック形成池での緩速攪拌強度をも
操作量として凝集剤注入率及び緩速撹拌強度の設定値を
求めることを特徴とする浄水場凝集プロセスの制御装
置。 - 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5または6記載
の浄水場凝集プロセスの制御装置において、 沈澱池出口での処理水濁度を計測する濁度センサを備
え、 制御演算装置は、濁度センサによる計測値をも設定値に
なるように内部モデルに基づく予測制御を行うことを特
徴とする浄水場凝集プロセスの制御装置。 - 【請求項8】 請求項7記載の浄水場凝集プロセスの制
御装置において、 制御演算装置は、沈澱池出口での処理水濁度、フロック
形成池でのフロックの平均粒径、混和池での微小フロッ
クの平均粒径を、それぞれカスケード的に内部モデルに
基づき予測制御することを特徴とする浄水場凝集プロセ
スの制御装置。 - 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5,6,7また
は8記載の浄水場凝集プロセスの制御装置において、 制御演算装置は、制御に用いる内部モデルを実データに
基づき逐次、同定し更新してプロセスの変動に適応させ
ることを特徴とする浄水場凝集プロセスの制御装置。 - 【請求項10】 請求項9記載の浄水場凝集プロセスの
制御装置において、 制御演算装置は、内部モデルのうちプロセスゲインを実
データをもとに逐次、同定し更新してプロセスの変動に
適応させることを特徴とする浄水場凝集プロセスの制御
装置。
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