JP3460211B2 - 下水処理制御装置 - Google Patents

下水処理制御装置

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JP3460211B2 JP10059094A JP10059094A JP3460211B2 JP 3460211 B2 JP3460211 B2 JP 3460211B2 JP 10059094 A JP10059094 A JP 10059094A JP 10059094 A JP10059094 A JP 10059094A JP 3460211 B2 JP3460211 B2 JP 3460211B2
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、都市下水や産業廃水の
ように、有機物を含む汚水を浄化する活性汚泥法による
下水処理の制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の下水処理制御装置の構成を図2に
示す。管路1より曝気槽2に流入する下水の水量、p
H、流入水懸濁物質濃度、および流入水有機物濃度を流
入下水量測定計10、pH測定計11、懸濁物質濃度計
12、有機物濃度計13で検出してその検出信号を演算
装置27に出力する。曝気槽2内に流入した下水と沈澱
槽から返送された返送汚泥との混合液の溶存酸素濃度、
MLSS、および水温を溶存酸素濃度計14、MLSS
計15、水温計16で検出してその検出信号を演算装置
27に出力する。曝気槽2から流出した混合液の有機物
濃度およびMLSSを有機物濃度計17およびMLSS
計18で検出してその検出信号を演算装置27に出力す
る。混合液が沈澱槽3で沈降分離された処理水を管路7
より装置外に放出され、その処理水の懸濁物質濃度、有
機物濃度およびpHを懸濁物質濃度計19、有機物濃度
計20およびpH測定計21で検出してその検出信号を
演算装置27に出力する。返送汚泥量、返送汚泥濃度、
余剰汚泥量、余剰汚泥濃度、および曝気風量を返送汚泥
量測定計22、返送汚泥濃度計23、余剰汚泥引抜量測
定計24、余剰汚泥濃度計25、および曝気風量測定装
置26で検出してその検出信号を演算装置27に出力す
る。MLSS計15と余剰汚泥引抜量測定計24によっ
て検出した信号を余剰汚泥量演算装置39に出力する。
流入下水量測定計10、MLSS計18および返送汚泥
濃度計23によって検出した信号を、返送汚泥量演算装
置41に出力する。溶存酸素濃度計14と曝気風量測定
装置26によって検出した信号を曝気風量演算装置43
に出力する。4は曝気槽に汚泥を返送する管路、5は曝
気槽内に設けた散気管、6はブロワーで、制御装置32
により送風量を制御するようにしてある。8は管路4に
設けた返送汚泥ポンプで、制御装置33により返送汚泥
量を制御するようにしてある。9は沈殿槽の汚泥を外部
に放出する引抜汚泥ポンプで、制御装置34により汚泥
の引抜量を制御するようにしてある。27は演算装置
で、自己回帰モデル演算装置28、選択装置29、修正
自己回帰モデル演算装置30、最適化装置31、計測値
記憶装置35、予測値演算装置36、予測値記憶装置3
7、および比較装置38から構成されており、各計測器
で計測した計測値の検出信号を記憶装置35に記憶す
る。40は、余剰汚泥量加算装置で、余剰汚泥量演算装
置39からの信号と最適化装置31の信号を入力して制
御装置34に出力するようにしてある。42は返送汚泥
量加算装置で、返送汚泥量演算装置41の信号と最適化
装置31の信号を入力して制御装置33に出力するよう
にしてある。44は曝気風量演算装置43の信号と最適
化装置31の信号を入力して制御装置32に出力するよ
うにしてある。この演算装置27では、記憶装置に記憶
している信号から自己回帰モデル演算装置28でつぎの
順序で自己回帰モデルの作成を行う。下水処理装置にお
いて現在のプロセスの状態は過去のプロセスの状態の線
形結合によってその大部分を表現できる。いま時刻nに
おけるプロセスの状態をk次元の全変数ベクトルX
(n)で表すとその自己回帰表現は次のようになる。 【0003】 【数1】 【0004】但しX(n−m)は時刻nよりm時点前の
全変数ベクトル、U(n)は白色雑音ベクトル、A
(m)は自己回帰モデルの回帰係数行列、Mは自己回帰
モデルの最適次数である。 (1)式の回帰係数A(m)の要素aij(m)は、次の
連立一次方程式の解として求められる。 【0005】 【数2】 【0006】但し、RihはXのi,h行の要素の相互関
数である。また白色雑音ベクトルU(n)の要素を ei
(n)とすると、その分散σei2 は次のようになる。 【0007】 【数3】 【0008】なおモデルの最適次数Mは、予測誤差を示
す(4)式のMFPE(M)を最小にする値である。 【0009】 【数4】 【0010】但し、ここでNはデータ数、 【0011】 【数5】 【0012】‖dM ‖は分散共分散行列推定値である。
このようにして自己回帰係数、モデル次数および白色雑
音の分散(固有ノイズ)がもとめられ、自己回帰モデル
が作成される。次に、下水処理装置の被制御変数即ち処
理水有機物濃度、処理水懸濁物質濃度、MLSSを一定
に保つために、この自己回帰モデルを構成する多数のシ
ステム変数の中で、被制御変数に寄与するシステム変数
を選別する必要がある。いまK個のシステム変数が伝達
要素によって結ばれた閉ループにおいて、aij(f)を
変数xi (f)とxj (f)とを結ぶ伝達要素のx
i (f)からのxj (f)への周波数応答関数とし、u
i (f)をxi (f)の内部雑音の周波数領域における
表現とすると、 【0013】 【数6】 【0014】が得られる。ここで、 【0015】 【数7】 【0016】とおけば、 【0017】 【数8】 【0018】ここでbij(f)はj番目の変数の固有ノ
イズuj (f)が、フィードバックループを通してi番
目のシステム変数xi (f)へおよぼす影響を示す。
(7)式のパワースペクトル領域における表現式は、 【0019】 【数9】 【0020】但し、p(uj )(f)は周波数fにおけ
る固有ノイズuj のパワースペクトル密度である。さら
に周波数fにおけるxi (f)のパワースペクトル密度
ii(f)のうちuj (f)に寄与する部分をq
ij(f)とすると、 q ij(f)= |b ij(f)|2 ・P(U j )(f) ・・・・・(9) となる。ここで、のqij(f)をノイズ寄与率という。
つまり、例えばあるシステム変数Aに対するシステム変
数B,C,Dの寄与率が、それぞれ35%、40%、2
5%と求まると、システム変数C,B,Dの順で、シス
テム変数Aに影響を与えていることになる。また計測値
の変動域は、標準偏差を求めることによって容易に推定
できる。標準偏差Sは(10)式から得られ、 【0021】 【数10】 【0022】計測値の99.7%は、(11)式で得ら
れるXi の範囲になると考えて良い。 【0023】 【数11】 【0024】したがって、刻々得られる計測値が(1
1)式の変動域に含まれているか否かによって、正常、
異常の判定を下すことが可能となる。選択装置29では
自己回帰モデル演算装置28からの出力により(9)、
(10)式に基づいて、被制御変数すなわち処理水の有
機物濃度、懸濁物質濃度および曝気槽内のMLSS濃度
に対するシステム変数の影響度を演算し、修正自己回帰
モデル演算装置30に出力する。修正自己回帰モデル演
算装置30では、記憶装置35の計測値を当てはめ、修
正自己回帰モデルを作成する。この修正自己回帰モデル
演算装置30は処理水の水質に重要な影響力をもつ変数
のみにによって構成された修正自己回帰モデルを作成
し、最適化装置31へ数式モデルとして出力する。また
修正自己回帰モデル演算装置30からの出力は、予測演
算装置36にも入力され、この予測演算装置36では、
現時刻に採取した計測値を修正自己回帰モデルにも適用
して未来時刻の計測値を算出し、この予測値を予測記憶
装置37へ出力する。比較装置38では、計測値と予測
記憶装置37に記憶されている当該時刻の予測値を比較
し、その予測誤差を演算する。その演算の結果、予測誤
差が大きいと判定された場合、すなわち使用している修
正自己回帰モデルが適切でないと判断した場合は、自己
回帰モデル演算装置に28に信号を出力し、自己回帰モ
デルの更新を行う。このようにして、使用している修正
自己回帰モデルがモデルとして不適切と判断された時点
で、モデルは自動的に更新される。次の最適化装置31
では、修正自己回帰モデルに時々刻々の計測値を入力し
て、最適化制御信号の算出を行い、その制御信号を余剰
汚泥量加算装置40、返送汚泥量加算装置42および曝
気風量加算装置44に出力する。一方、余剰汚泥量演算
装置39では、現時刻の曝気槽内MLSSと余剰汚泥引
抜量から、曝気槽内MLSSが概ね一定となるように余
剰汚泥量の演算を行い、この値を余剰汚泥量加算装置4
0に出力する。また返送汚泥量演算装置41では、流入
の下水量、曝気槽2から流出した混合液のMLSS、お
よび返送汚泥濃度から、沈澱槽3内の総汚泥量が概ね一
定となるように返送汚泥量の演算を行い、この値を返送
汚泥量加算装置42に出力する。また曝気風量演算装置
43では、溶存酸素濃度と曝気風量から、曝気槽2内の
溶存酸素濃度が概ね一定となるように曝気風量の演算を
行い、この値を曝気風量加算装置44に出力する。余剰
汚泥量加算装置40、返送汚泥量加算装置42および曝
気風量加算装置44では、最適化装置31からの最適化
制御信号と各々の演算装置からの信号を加算し、それら
の加算信号を引抜汚泥ポンプの制御装置34、返送汚泥
ポンプの制御装置33、ブロワーの制御装置32に与え
る。そして、これらの制御装置の出力信号により制御が
おこなわれる。このような下水処理制御装置において、
曝気槽内のMLSSと溶存酸素濃度、および沈澱槽内の
総汚泥量を概ね一定値に維持することによって、システ
ムの安定化を図り、かつ処理水の安定化を、修正自己回
帰モデルによる最適制御系によって実現するようにして
ある。 【0025】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ものはつぎのような問題点がある。 (1)自己回帰モデル演算装置28はある一定の期間記
憶装置35に記憶している信号を利用して自己回帰モデ
ルの作成を行うが、この上位制御系の演算装置から余剰
汚泥量加算装置40、返送汚泥量加算装置42および曝
気風量加算装置44に出力される制御信号は不規則に変
動する信号である(以下、ノイズという)。従って、こ
のノイズの絶対値が大きくなったとき、処理水の水質に
悪影響を及ぼすことがある。例えば、降雨時に曝気槽2
に流入する下水の量が多くなるが、曝気風量加算装置4
4に与えられるノイズが偶然に負の大きな値であれば、
風量不足の状態となり処理水の有機物濃度あるいは処理
水懸濁物質濃度が高い値を示すことが考えられる。 (2)自己回帰モデルの作成期間は、システムの安定化
を図るための特定項目、例えば、曝気槽内のMLSS、
溶存酸素濃度、沈澱槽内の総汚泥量等は目標値から外れ
ることがあるので、処理場の運転員に不安感を与えるこ
とになる。更に自己回帰モデル作成後の制御実施時にお
いても、上位制御系の演算装置から制御信号が下位制御
系の余剰汚泥量加算装置40、返送汚泥量加算装置42
および曝気風量加算装置44に与えられるので、同様な
状況がおきる。本発明は、このような欠点を取り除くた
めに改良を施したもので、自己回帰モデル作成の期間に
おいても処理水の水質低下を防止し、且つシステムの安
定化を図るための特定項目の目標値からの外れを少なく
して、処理水の水質を被制御変数とする自己回帰モデル
による最適制御系を実現することを目的とするものであ
る。 【0026】本発明は、曝気槽内のMLSSを制御する
余剰汚泥量演算装置と沈殿槽内の総汚泥量を制御する返
送汚泥量演算装置と前記曝気槽内の溶存酸素濃度を制御
する曝気風量演算装置とを備え、前記MLSSと前記総
汚泥量と前記溶存酸素濃度を特定項目として、その安定
化を図る下位の制御系と、この下位の制御系をも処理装
置の一部として包含する線形モデルを使用した上位の制
御系と、を具備した下水処理制御装置において、手分析
データから計算されたMLSS目標値と前記上位制御系
の演算装置の最適化装置の出力を入力して前記余剰汚泥
量演算装置に出力するMLSS目標値加算装置と、手分
析データから計算された総汚泥量目標値と前記最適化装
置の出力を入力して前記返送汚泥量演算装置に出力する
総汚泥量目標値加算装置と、手分析データから計算され
た溶存酸素目標値と前記最適化装置の出力を入力して曝
気風量を演算する前記曝気風量演算装置とを設けたこと
を特徴としている。 【0027】 【作用】したがって、自己回帰モデル作成の期間におい
ても処理水水質の低下を防止し、且つシステムの安定化
を図るための特定項目の目標値からの外れを少なくし
て、処理水水質の変動を抑制する制御系を実現すること
ができる。 【0028】 【実施例】以下、本発明を図1に示す実施例に基づいて
具体的に説明する。図1は下水処理制御装置の構成図を
示すもので、図2と同一のものには同一の符号を付して
詳細な説明を省略する。45はMLSS目標値加算装置
で、手分析データから計算されたMLSS目標値46と
最適化装置31の出力とを演算して余剰汚泥量演算装置
39に出力するようにしてある。47は総汚泥量目標値
加算装置で、手分析データから計算された総汚泥量目標
値48と最適化装置31の出力とを演算して返送汚泥量
演算装置41に出力するようにしてある。49は溶存酸
素目標値加算装置で、手分析データから計算された溶存
酸素目標値50と最適化装置31の出力とを演算して曝
気風量演算装置43に出力するいま最適化装置31から
の目標値調整量をSPopt 、手分析データから計算された
目標値をSPman とすると、MLSS目標値加算装置、総
汚泥量目標値加算装置および溶存酸素目標値加算装置か
らの出力信号SPout は、(12)式によって与えられ
る。 SPout=F(SPopa +SPman,L,H) ......................(12) SPopa=F(SPopt,ーD,D) ......................(13) 但し、L とH は目標値の上限値と下限値、D は目標値調
整量の振幅であり、F(X0,Y1,Y2) は次式で定義される関
数である F(X0,Y1,Y2) =Y1 ( X0 <Y1 ) ..................(14−1) =X0 ( Y1 ≦X0≦Y2 ) ..................(14−2) =Y2 ( X0 >Y2 ) ..................(14−3) ここでL とH は、操作機器の性能とプロセスの状態から
決定されるものであり、またD は全制御系に対する上位
制御系の寄与度をどの程度にするかということから決め
られる。各目標値加算装置から、このような制御信号
を、余剰汚泥量演算装置39、返送汚泥量演算装置41
および曝気風量加算装置43に出力することにすれば、
システムの安定化を図るための特定項目である曝気槽内
のMLSSと溶存酸素濃度、あるいは沈澱槽内の総汚泥
量は、ほぼ目標値どうりの値が維持でき、且つ処理水水
質の変動を抑制することが可能となる。 【0029】 【発明の効果】上述したように本発明によれば、自己回
帰モデル作成の期間においても処理水水質の低下を防止
することができ、制御実施時においては、被制御変数の
安定化を目的とした自己回帰モデルによる最適制御系の
実現が可能となる。また上記両期間において、システム
の安定化を図るための特定項目の計測値は、ほぼ目標値
どうりの値を維持することができるので、処理場の運転
員に不安感を与えることはない。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係わる下水処理制御装置の実施例の構
成図 【図2】従来の下水処理制御装置の構成図 【符号の説明】 2 曝気槽 3 沈澱槽 10 流入下水量
測定計 11 流入水のpH測定計 12 流入水懸濁
物質濃度計 13 流入水有機物濃度計 14 溶存酸素量
測定計 15 MLSS濃度計 16 水温計 17 曝気槽流出水有機物濃度計 18 MLSS濃
度計 19 処理水懸濁物質濃度計 20 処理水有機
物濃度計 21 処理水のpH測定計 22 返送汚泥量
測定計 23 返送汚泥濃度計 24 余剰汚泥引
抜量測定計 25 余剰汚泥濃度計 26 曝気風量測
定装置 27 演算装置 31 最適化装置 34 引抜汚泥ポンプの制御装置 35 計測値記憶
装置 36 予測値演算装置 37 予測値記憶
装置 38 比較装置 39 余剰汚泥量
演算装置 40 余剰汚泥量加算装置 41 返送汚泥量
演算装置 42 返送汚泥量加算装置 43 曝気風量演
算装置 44 曝気風量加算装置 45 MLSS目
標値加算装置 46 MLSS目標値 47 総汚泥量目
標値加算装置 48 手分析総汚泥量目標値 49 溶存酸素目
標値加算装置 50 溶存酸素目標値

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】曝気槽内のMLSSを制御する余剰汚泥量
    演算装置と沈殿槽内の総汚泥量を制御する返送汚泥量演
    算装置と前記曝気槽内の溶存酸素濃度を制御する曝気風
    量演算装置とを備え、前記MLSSと前記総汚泥量と前
    記溶存酸素濃度を特定項目として、その安定化を図る下
    位の制御系と、 この下位の制御系をも処理装置の一部として包含する線
    形モデルを使用した上位の制御系と、 を具備した下水処理制御装置において、 手分析データから計算されたMLSS目標値と前記上位
    制御系の演算装置の最適化装置の出力を入力して前記
    剰汚泥量演算装置に出力するMLSS目標値加算装置
    と、 手分析データから計算された総汚泥量目標値と前記最適
    化装置の出力を入力して前記返送汚泥量演算装置に出力
    する総汚泥量目標値加算装置と、 手分析データから計算された溶存酸素目標値と前記最適
    化装置の出力を入力して曝気風量を演算する前記曝気風
    量演算装置とを設けたことを特徴とする下水処理制御装
    置。
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