JP2003284904A - 浄水場の凝集剤注入制御装置 - Google Patents

浄水場の凝集剤注入制御装置

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JP2003284904A JP2002087949A JP2002087949A JP2003284904A JP 2003284904 A JP2003284904 A JP 2003284904A JP 2002087949 A JP2002087949 A JP 2002087949A JP 2002087949 A JP2002087949 A JP 2002087949A JP 2003284904 A JP2003284904 A JP 2003284904A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、凝集剤の注入率を最適な値に制御
することができる浄水場の凝集剤注入制御装置を提供す
ることにある。 【解決手段】 フィードフォワード制御器8により原水
の濁度とアルカリ度に基づいて、予め注入すべき凝集剤
の凝集剤注入率の予定値を算出しておき、フィードバッ
ク制御器9により原水に凝集剤を注入した後の流動電位
に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の
測定値を算出し、演算器10により原水の濁度と実際の
凝集剤注入率の測定値と流動電位に基づいて、重み付け
係数を演算しておき、合成制御器11において、凝集剤
の凝集剤注入率の予定値と凝集剤の凝集剤注入率の測定
値に対して、演算器10から出力される重み付け係数を
合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算
し、凝集剤注入機12に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄水場の凝集剤注
入制御装置に関し、特に、フィードフォワード制御とフ
ィードバック制御の関係の調整を行うことで凝集剤の過
不足を低減するように制御する浄水場の凝集剤注入制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の浄水場の凝集剤注入制御装置は、
浄水場で取水する原水の水温と濁度およびアルカリ度を
それぞれ温度計と濁度計およびアルカリ度計を用いて測
定し、予め設定した所定の注入率式によって凝集剤注入
率を計算して出力するフィードフォワード制御器を有し
ており、最も一般的に広く利用されている。
【0003】これとは別に、従来の浄水場の凝集剤注入
制御装置としては、浄水場で取水した原水に凝集剤を加
えた後に処理水に生成した凝集フロックの電気的性質を
流動電流計や流動電位計などで測定し、その測定値を目
標の値に保持するように制御するフィードバック制御器
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のフィー
ドフォワード制御器による凝集剤注入制御装置は、制御
の計算に用いる注入率式が予め設定したほぼ固定したも
のであるため、経年的ないし突発的な原水の変遷変動に
対応でき難く、また、原水の濁度が変化しなくても凝集
剤の過不足が生じる原水を取水しなければならない場合
もあった。さらに、複数の水源から原水を取水してその
流量比率が頻繁に変更される場合もあった。このため、
適宜注入率式をジャーテストなどで決め直さなければな
らないといった問題があった。
【0005】また、従来のフィードバック制御器による
凝集剤注入制御装置は、応答が早くかつ凝集剤の注入量
と線形な関係があるため、最も適した制御方式であると
期待されている。しかしながら、原水の水質である水
温、pH、アルカリ度、電気導電率、さらに、計測がで
きない原水中の濁度成分の性質によって、フィードバッ
ク制御器の目標値である流動電位が変動していた。この
ため、目標となる流動電位を煩雑なジャーテストなどで
頻繁に決め直さなければならないといった不備があっ
た。これらの不備を補うために、様々な目標値の補正手
段が提案されてはいるものの、有効なものは未だ確立さ
れていない。
【0006】さらに、上述したジャーテストは、熟練す
れば凝集剤の注入率を正しく決めることができるが、人
手による作業であり客観性に欠けるため凝集剤注入の過
不足は避けられなかった。また、ジャーテストでは、取
水する原水によっては凝集剤の注入率を決められない場
合も多く、このため安全を配慮して凝集剤の過剰注入を
行い、かえって不安定な凝集フロックにしてしまい沈殿
ろ過の水処理操作を困難にする恐れがあった。さらに、
その結果として凝集剤過多の処理困難な汚泥の発生とい
う事態を発生する場合もあった。
【0007】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的としては、凝集剤の注入率を最適な値に制御す
ることができる浄水場の凝集剤注入制御装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するため、原水に凝集剤を注入する際
に、凝集剤の過不足を低減するように制御する浄水場の
凝集剤注入制御装置であって、原水の濁度を検出する濁
度計と、原水のアルカリ度を検出するアルカリ度計と、
原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検出する計流動
電位計とを備え、前記原水の濁度とアルカリ度に基づい
て、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算
出するフィードフォワード制御器と、前記原水に凝集剤
を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された
凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出するフィードバッ
ク制御器と、前記濁度と実際の凝集剤注入率の測定値と
前記流動電位に基づいて、重み付け係数を演算する演算
器と、前記フィードフォワード制御器から出力される予
め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と前記フィ
ードバック制御器から出力される実際に注入された凝集
剤の凝集剤注入率の測定値に対して、前記演算器から出
力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集
剤の凝集剤注入率を演算する合成制御器と、を備えたこ
とを要旨とする。
【0009】請求項1記載の本発明によれば、フィード
フォワード制御器により原水の濁度とアルカリ度に基づ
いて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を
算出しておき、フィードバック制御器により原水に凝集
剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入され
た凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出し、さらに、演
算器により原水の濁度と実際の凝集剤注入率の測定値と
流動電位に基づいて、重み付け係数を演算しておき、合
成制御器において、フィードフォワード制御器から出力
される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と
フィードバック制御器から出力される実際に注入された
凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、演算器から出
力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集
剤の凝集剤注入率を演算し、凝集剤注入機に設定して凝
集剤の注入を実行する。
【0010】この結果、急速混和池に注入した凝集剤の
注入率を最適な値に制御することができる。特に、浄水
場で取水する原水の濁度が比較的高く、かつ、原水の濁
度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値
に制御することができる。
【0011】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るため、複数の水源からの原水に凝集剤を注入する際
に、凝集剤の過不足を低減するように制御する浄水場の
凝集剤注入制御装置であって、原水の水温を検出する温
度計と、原水の水量を検出する流量計と、原水の濁度を
検出する濁度計と、原水に凝集剤を注入した後の流動電
位を検出する計流動電位計とを備え、前記原水の濁度と
水温に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率
の予定値を算出するフィードフォワード制御器と、前記
原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際
に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出する
フィードバック制御器と、前記水量と実際の凝集剤注入
率の測定値と前記流動電位に基づいて、重み付け係数を
演算する演算器と、前記フィードフォワード制御器から
出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定
値と前記フィードバック制御器から出力される実際に注
入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、前記
演算器から出力される重み付け係数を合成して実際に注
入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する合成制御器
と、を備えたことを要旨とする。
【0012】請求項2記載の本発明によれば、フィード
フォワード制御器により原水の濁度と水温に基づいて、
予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出し
ておき、フィードバック制御器により水に凝集剤を注入
した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤
の凝集剤注入率の測定値を算出し、さらに、演算器によ
り水量と実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位に基づ
いて、重み付け係数を演算しておき、合成制御器におい
て、フィードフォワード制御器から出力される予め注入
すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値とフィードバック
制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤
注入率の測定値に対して、演算器から出力される重み付
け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入
率を演算し、凝集剤注入機に設定して凝集剤の注入を実
行する。
【0013】この結果、急速混和池に注入した凝集剤の
注入率を最適な値に制御することができる。特に、取水
源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場
合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合に、
凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0014】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記演算器は、前記実際の凝集剤注入率の測定
値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動
電位計との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じ
て、前記フィードバック制御器から出力される実際に注
入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正すること
を要旨とする。
【0015】請求項3記載の本発明によれば、演算器に
より、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係か
ら流動電位を予測し、実際の流動電位計との差と凝集剤
を注入する前の原水の濁度に応じて、フィードバック制
御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注
入率の測定値を補正することで、原水の濁度が頻繁に変
動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御するこ
とができる。
【0016】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記演算器は、前記実際の凝集剤注入率の測定
値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動
電位との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じ
て、前記フィードフォワード制御器から出力される予め
注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正するこ
とを要旨とする。
【0017】請求項4記載の本発明によれば、演算器に
より、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係か
ら流動電位を予測し、実際の流動電位との差と凝集剤を
注入する前の原水の濁度に応じて、フィードフォワード
制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注
入率の予定値を補正することで、原水の濁度が頻繁に変
動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御するこ
とができる。
【0018】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記演算器は、前記実際の凝集剤注入率の測定
値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動
電位との差と取水する原水の流量に応じて、前記フィー
ドバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤
の凝集剤注入率の測定値を補正することを要旨とする。
【0019】請求項5記載の本発明によれば、演算器に
より、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係か
ら流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する
原水の流量に応じて、フィードバック制御器から出力さ
れる実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を
補正することで、取水源が複数である場合や、処理すべ
き原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がき
わめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御
することができる 請求項6記載の発明は、上記課題を解決するため、前記
演算器は、前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位
の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と
取水する原水の流量に応じて、前記フィードフォワード
制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注
入率の予定値を補正することを要旨とする。
【0020】請求項6記載の本発明によれば、演算器に
より、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係か
ら流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する
原水の流量に応じて、フィードフォワード制御器から出
力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値
を補正することで、取水源が複数である場合や、処理す
べき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動が
きわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制
御することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0022】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置のシ
ステム構成を示す図である。
【0023】本実施の形態は、浄水場で取水する原水の
濁度が比較的高く、かつ、頻繁に変動する浄水場の凝集
剤注入運転に利用される例である。
【0024】まず、図1を参照して、浄水場の凝集剤注
入制御装置のシステム構成について説明する。
【0025】図1において、管路Aより取水された原水
が急速混和池1に流入し、凝集剤注入器12から薬注管
Bを介して注入された凝集剤と原水が急激に混和され
る。次いで、急速混和池1から流出された混和水が導水
管Cを通過してフロック形成池2に流入する。
【0026】フロック形成池2では混和水がゆっくりと
緩速混合されて凝集反応が進行し、大きくかつ沈殿性の
良い凝集フロックへと成長して行く。これらの成長フロ
ックは図示しない沈殿池で沈降分離されその上澄水がろ
過池でろ過される。
【0027】導水管Aには、原水の温度を検出する温度
計4、原水の濁度を検出する濁度計5、原水のアルカリ
度を検出するアルカリ度計が設置されている。また、導
水管Cには、原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検
出する流動電位計7が設置されている。
【0028】制御部21は、工業計器であり、フィード
フォワード制御器8、フィードバック制御器9、演算器
10、合成制御器11、データメモリ13が設けられて
おり、表示部22、操作部23が接続されている。
【0029】フィードフォワード制御器8は、原水の濁
度とアルカリ度に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝
集剤注入率の予定値を算出する。
【0030】フィードバック制御器9は、原水に凝集剤
を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された
凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出する。
【0031】演算器10は、前記原水の濁度と実際の凝
集剤注入率の現在値と前記流動電位に基づいて、重み付
け係数を演算する。
【0032】合成制御器11は、フィードフォワード制
御器8から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注
入率の予定値と、フィードバック制御器9から出力され
る実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対
して、前記演算器から出力される重み付け係数を合成し
て実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する。
【0033】凝集剤注入機12は、合成制御器11から
設定された凝集剤注入率の算出値S n に応じて凝集剤を
急速混和池1に注入するとともに、凝集剤注入機12に
設定されている現在の凝集剤注入率SC を合成制御器1
1に出力する。
【0034】データメモリ13は、原水の異なる濁度T
urb に分類されている荷電中和関数D=GT (S)を予
め複数記憶している。
【0035】次に、本発明の第1の実施の形態に係る浄
水場の凝集剤注入制御装置の動作について説明する。
【0036】導水管Aに設置された濁度計5により検出
された原水の濁度信号と、アルカリ度計6により検出さ
れた原水のアルカリ度信号はフィードフォワード制御器
8に伝送され、フィードフォワード制御器8により濁度
信号とアルカリ度信号に基づいて、予め注入すべき凝集
剤の凝集剤注入率の予定値SFF(以下、凝集剤注入率S
FFという)算出される。
【0037】詳しくは、フィードフォワード制御器8で
は、濁度信号の値である濁度Turbと、アルカリ度信
号の値であるアルカリ度Alkに基づいて、(1)式を
用いて凝集剤注入率SFFを求める。
【0038】
【数1】 SFF=A・Turb N1・AlkN2+B (1) ここで、Aは係数、N1,N2は指数、Bは定数であ
る。
【0039】導水管Cに設置された流動電位計7により
検出された原水に凝集剤を注入した後の流動電位信号は
フィードバック制御器9と演算器10に伝送される。
【0040】フィードバック制御器9では、この流動電
位信号の値である流動電位値D=SPに基づいて、
(2)式を用いて実際に注入された凝集剤注入率の測定
値SFB(以下、凝集剤注入率SFFという)を計算する。
【0041】
【数2】 SFB=Sn-1 +ΔSFB ΔSFB=Kp ・(En −En-1 )+ΔT/Ti ・En n =SP−PV (2) ここで、SPは流動電位の目標値、PVは流動電位信号
の値、ΔT、Ti 、K p は制御定数、ΔSFBは出力偏
差、Eは入力偏差である。
【0042】フィードフォワード制御器8から出力され
る凝集剤注入率SFFと、フィードバック制御器9から出
力される出力偏差ΔSFBと、温度計4から出力される温
度信号が合成制御器11に伝送され、合成制御器11に
より凝集剤注入率SFFと出力偏差ΔSFB と温度信号の
値である温度Temp に基づいて、(3)式で重み付け合
成されてその算出値Sn が凝集剤注入機12に出力され
る。
【0043】
【数3】 Sn ={KFF・SFF+KFB・ΔSFB}・F(Temp) (3) ここで、KFFはフィードフォワード制御の重み係数、K
FBはフィードバック制御の重み係数である。なお、F
(Temp)は、F(Temp)=f(Temp,an)という周知
の演算式から計算される。
【0044】ここで、図2に示すフローチャート、図
3,図4に示すグラフを参照して、演算器10で実行さ
れる演算処理について説明する。
【0045】始めに、図3,図4に示すグラフについて
説明する。
【0046】図3は、凝集剤注入率(S)と流動電位
(D)の関係を示したグラフである。濁度Turb1〜Tur
b4に分類して特性曲線を表すと図3に示すようになる。
濁度Turb2において、凝集剤注入率(Sc)のとき流動
電位(Dc)を求めることができる。
【0047】浄水場で取水する河川水や湖沼や遊水池水
などや浄水場内で発生する返送水などの水質の異なる水
源から取水した混合水に凝集剤を添加して行くと、凝集
フロックが生成し始めて流動電位Dは上昇して行く。
【0048】凝集剤の注入開始時では、ゆっくりとした
漸増を見せる場合が一般的である。さらに、添加を続け
ると凝集剤注入率に対する流動電位の上昇は、図3に示
す区間SA −SB のようにほぼ比例して直線となる。浄
水場で取水する原水に対するその直線の区間SA −SB
はその長短こそあれ通常見られる共通の現象である。さ
らに凝集剤の注入を続けると、流動電位Dの変化は漸減
傾向となり、最終的には注入する凝集剤の性質と原水の
水質の相互反応で発生する凝集剤の微細フロックの流動
電位に漸近して行く。
【0049】本実施の形態においては、濁度計5により
計測された濁度から特性曲線を決定し、上述した図3に
示した凝集剤注入率と流動電位の関係から、凝集剤注入
率の設定値に対応する流動電位を予測する。すなわち、
図3において、点SC の凝集剤注入率の設定値に対応す
る点DC の予測流動電位を求める。そして、求めた予測
流動電位は実際に計測している凝集剤注入後の流動電位
計からの流動電位信号と比較され、その偏差を算出す
る。次いで、予め原水の濁度の高低ごと、取水する原水
の流量比率ごとに作成した図4で示したような曲線の関
係によってこの偏差を偏差強度に変換する。すなわち、
図4において、上記偏差ΔDn から偏差強度Kn を求め
るものである。この偏差強度Kn から例えば値(1−K
n )をフィードフォワード制御の重み係数とし、かつK
n をフィードバック制御の重み係数として補正するよう
にしたものである。
【0050】まず、ステップS10では、濁度計5から
出力される濁度信号の値である濁度Turb を読み込む。
【0051】次いで、ステップS20では、凝集剤注入
機12に設定されている現在の凝集剤注入率SC を合成
制御器11を介して読み込む。
【0052】次いで、ステップS30では、ステップS
10,S20で読み込んだ濁度Turbと凝集剤注入率Sc
との関係について、この原水の濁度Turb に最も類似し
た荷電中和関数D=GT (S)を予め複数記憶したデー
タメモリ13から選択する。
【0053】次いで、ステップS40では、ステップS
30において選択された荷電中和関数GT (S)に対し
て、現在の凝集剤注入率SC を当てはめて流動電位DC
を図3に示したように予測する。
【0054】次いで、ステップS50では、流動電位計
7から出力される凝集剤注入後の流動電位Dn を読み込
む。
【0055】次いで、ステップS60では、ステップS
40により予測された予測値DC と、ステップS50に
より読み込んだ現在の流動電位Dとの偏差ΔDn
求める。
【0056】
【数4】 ΔDn =D−D (4) 次いで、ステップS70では、図4に示すように、流動
電位の偏差ΔDn に基づいて、(5)式の確率関数で重
み係数KFB=Kn に変換する。
【0057】
【数5】 KFB=EXP(−a・ΔDn 2 ) (5) ここで、EXPは指数関数である。aは定数で浄水場ご
との固有の固定値であるが、データメモリ13に記憶し
てある荷電中和関数のデータが不足して適切なデータが
ない場合などは、表示部22に表示されている荷電中和
関数のデータを随時操作員が操作部23から手動で変更
し、演算器10に設定できるようにしてある。
【0058】この結果、演算器10で変換された重み係
数KFBは、合成制御器11に伝送される。
【0059】合成制御器11では、温度計4の信号と、
フィードフォワード制御器8から出力される凝集剤注入
率SFFと、フィードバック制御器9から出力される出力
偏差ΔSFBと、演算器10から出力される重み係数KFB
に基づいて、(3)式に従って、実際に注入すべき凝集
剤注入率Sの指令値Sn が演算される。この指令値S n
は凝集剤注入機12に伝送されて設定され、凝集剤の注
入が実行される。
【0060】本実施の形態においては、合成制御器11
の合成計算を(3)式を用いて行っているが、出力偏差
ΔSFBに代わって、フィードバック制御器9から出力さ
れる凝集剤注入率SFBを用いる(6)式を採用してもよ
い。
【0061】
【数6】 Sn ={KFF・SFF+KFB・SFB}・F(Ttemp) (6) また、フィードフォワード制御の重み係数KFFは固定と
したものであるが、適切な重み係数KFFに設定されてい
ない場合、表示部22に表示されている重み係数KFF
随時操作員が操作部23から手動で変更し、合成制御器
11に設定できるようにしている。
【0062】このように、フィードフォワード制御器8
により原水の濁度とアルカリ度に基づいて、予め注入す
べき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出しておき、フ
ィードバック制御器9により原水に凝集剤を注入した後
の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集
剤注入率の測定値を算出し、さらに、演算器10により
原水の濁度と実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位に
基づいて、重み付け係数を演算しておき、合成制御器1
1において、フィードフォワード制御器8から出力され
る予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値とフィ
ードバック制御器9から出力される実際に注入された凝
集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、演算器10から
出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝
集剤の凝集剤注入率を演算し、凝集剤注入機12に設定
して凝集剤の注入を実行する。
【0063】この結果、急速混和池1に注入した凝集剤
の注入率を最適な値に制御することができる。特に、浄
水場で取水する原水の濁度が比較的高く、かつ、原水の
濁度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な
値に制御することができる。
【0064】また、演算器10により、実際の凝集剤注
入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、
実際の流動電位計との差と凝集剤を注入する前の原水の
濁度に応じて、フィードバック制御器9から出力される
実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正
することで、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝集
剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0065】さらに、演算器10により、実際の凝集剤
注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測
し、実際の流動電位との差と凝集剤を注入する前の原水
の濁度に応じて、フィードフォワード制御器8から出力
される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を
補正することで、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、
凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0066】(第2の実施の形態)図5は、本発明の第
2の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置のシ
ステム構成を示す図である。
【0067】本実施の形態は、取水源が複数である場合
や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の
濁度変動がきわめて少ない浄水場に適用される例であ
る。
【0068】図5において、図1と同一の構成要素につ
いては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5において、複数の原水が導水管34a〜34cを介
して着水池33に流入しており、着水池33から管路A
を介して取水された原水が急速混和池1に流入し、薬注
管Bにより注入された凝集剤と急激に混和され、次い
で、導水管Cを介してフロック形成池2に流出して行
く。フロック形成池2では、ゆっくりと緩速混合され凝
集反応は進行し、大きくかつ沈殿性の良い凝集フロック
へと成長して行く。これらの成長フロックは図示しない
沈殿池で沈降分離されその上澄水がろ過池でろ過され
る。
【0069】導水管34a〜34cには、それぞれ流量
計32a〜32cが設置されている。
【0070】また、導水管Aには、流量計3、温度計
4、濁度計5が設置されており、また、導水管Cには、
流動電位計7が設置されている。
【0071】制御部31には、フィードフォワード制御
器14、フィードバック制御器9、演算器15、合成制
御器16が設けられており、表示部22、操作部23が
接続されている。
【0072】フィードフォワード制御器14は、原水の
濁度と水温に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤
注入率の予定値を算出する。
【0073】フィードバック制御器9は、原水に凝集剤
を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された
凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出する。
【0074】データメモリ14は、原水の異なる流量比
率に分類されている荷電中和関数D=GT (S)を予め
複数記憶している。
【0075】演算器15は、水量と実際の凝集剤注入率
の測定値と前記流動電位に基づいて、重み付け係数を演
算する。
【0076】合成制御器16は、フィードフォワード制
御器14から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤
注入率の予定値とフィードバック制御器9から出力され
る実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対
して、演算器15から出力される重み付け係数を合成し
て実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する。
【0077】次に、本発明の第2の実施の形態に係る浄
水場の凝集剤注入制御装置の動作について説明する。
【0078】導水管Aに設置された温度計4により検出
された原水の温度信号と、濁度計5により検出された原
水の濁度信号はフィードフォワード制御器14に伝送さ
れ、フィードフォワード制御器14により温度信号と濁
度信号に基づいて、予め注入すべき凝集剤注入率SFF
算出される。
【0079】詳しくは、フィードフォワード制御器14
では、温度信号の値である温度Temp と、濁度信号の値
である濁度Turb に基づいて、(7)式を用いて凝集剤
の注入率SFFを求める。
【0080】
【数7】 SFF={A・Turb N1+B}・F(Temp) (7) ここで、Aは係数、N1は指数、Bは定数でり、予め設
定されている。なお、F(Temp)は温度係数であり、F
(Temp)=f(Temp,an)という周知の水温補正式か
ら計算される。
【0081】導水管Cに設置された流動電位計7により
検出された原水に凝集剤を注入した後の流動電位信号は
フィードバック制御器9と演算器15に伝送される。
【0082】フィードバック制御器9では、この流動電
位信号の値である流動電位値Dに基づいて、上述した
(2)式を用いて実際に注入された凝集剤の凝集剤注入
率SFBを計算する。
【0083】フィードフォワード制御器14から出力さ
れる凝集剤注入率SFFと、フィードバック制御器9から
出力される凝集剤注入率SFBが合成制御器16に伝送さ
れ、合成制御器16により凝集剤注入率SFFと凝集剤注
入率SFB に基づいて、(8)式で重み付け合成されて
その算出値Sn が凝集剤注入装置12に出力される。
【0084】
【数8】 Sn =(β−KFB)・SFF+KFB・SFB (8) ここで、(β−KFB)はフィードフォワード制御の重み
係数KFF、KFBはフィードバック制御の重み係数であ
る。βは定数であり、予め設定した浄水場に固有の値で
ある。
【0085】ここで、図6に示すフローチャート、図
4,図7に示すグラフを参照して、演算器15で実行さ
れる演算処理について説明する。
【0086】始めに、図7に示すグラフについて説明す
る。
【0087】図7は、凝集剤注入率(S)と流動電位
(D)の関係を示したグラフである。流量比パターンF
rate1〜Frate4に分類して特性曲線を表すと図7に示す
ようになる。流量比パターンFrate2において、凝集剤
注入率(Sc)のとき流動電位(Dc)を求めることが
できる。以下、図3に示す内容と同様であるので、その
説明を省略する。
【0088】本実施の形態においては、流量計3,32
a〜32cにより計測された流量に関する比率から特性
曲線を決定し、上述した図7に示した凝集剤注入率と流
動電位の関係から、凝集剤注入率の現在値に対応する流
動電位を予測する。すなわち、図7において、点SC
凝集剤注入率の現在値に対応する点DC の予測流動電位
を求める。そして、求めた予測流動電位は実際に計測し
ている凝集剤注入後の流動電位計からの信号と比較さ
れ、その偏差を算出する。
【0089】次いで、予め原水の濁度の高低ごと、また
は複数の取水する原水の流量比率ごとに作成した図4で
示したような曲線の関係によってこの偏差を偏差強度に
変換する。すなわち、図4において、上記偏差ΔDn か
ら偏差強度Kn を求めるものである。この偏差強度Kn
から例えば値(1−Kn )を前記フィードフォワード制
御の重み係数とし、かつKn をフィードバック制御の重
み係数として補正するようにしたものである。
【0090】まず、ステップS210では、複数の水源
から着水池33に流入しているそれぞれの取水流量{Q
i }を例えば流量計32a〜32cから読み込む。
【0091】次いで、ステップS220では、取水流量
比{fi }を(9)式を用いて求める。
【0092】
【数9】 QT =Q1+Q2+・・・+Qn fi =Qi /QT (9) ここで、nは水源の数であり、本実施の形態では3とな
る。QT は総取水量である。
【0093】次いで、ステップS230では、凝集剤注
入機12に設定されている現在の凝集剤注入率の設定値
C (以下、凝集剤注入率SC という)を成制御器11
を介して読み込む。
【0094】ステップS240では、現在の凝集剤注入
率Scと流動電位Dの関係について、この原水の流量比
率パターン{fi }に最も類似した荷電中和関数D=G
T (S)を予め記憶したデータメモリ14から選択す
る。
【0095】次いで、ステップS250では、ステップ
S240において選択されたこの荷電中和関数G
T (S)に対して、現在の凝集剤注入率SC を当てはめ
て流動電位DC を図7に示したように予測する。
【0096】次いで、ステップS260では、流動電位
計7の出力である凝集剤注入後の流動電位Dn を読み込
む。
【0097】次いで、ステップS270では、ステップ
S250により予測された予測値D C と、ステップS2
60により読み込んだ現在の流動電位Dn に基づい
て、偏差ΔDn を上述した(4)式により求める。
【0098】次いで、ステップS280では、図7に示
したように、流動電位の偏差ΔDnを(10)式に示す
分布関数を用いて重み係数KFB=Kn 変換する。
【0099】
【数10】 KFB=FUNC(γ、ΔDn ) (10) ここで、FUNCは、定数γと偏差ΔDn を説明変数と
し、予め設定した確率分布関数である。定数γは、浄水
場ごとの固有の固定値であるが、データメモリ14に記
憶してある荷電中和関数のデータが不足して適切なデー
タがない場合などは、表示部22に表示されている荷電
中和データを随時操作員が操作部23から手動で変更
し、演算器15に設定できるようにしてある。
【0100】この結果、演算器15で変換された重み係
数KFBは合成制御器16に伝送される。合成制御器16
では、フィードバック制御器14から出力される凝集剤
注入率SFFと、フィードバック制御器9から出力される
凝集剤注入率SFBと、演算器15から出力される重み係
数KFBに基づいて、(8)式によって凝集剤注入率Sの
指令値Sn が算出される。この指令値Sn は凝集剤注入
機12に伝送され、凝集剤注入機12に設定された指令
値Sn に応じて凝集剤の注入が実行される。
【0101】本実施の形態においては、フィードフォワ
ード制御の重み係数KFFを(γ−K FB)としたものであ
る。γは定数で通常1.00に設定するが、表示部22
に表示されているγを随時操作員が操作部23から手動
で変更し、演算器15に設定できるようにしてある。
【0102】また、本実施の形態では、合成制御器16
においては上述した合成計算を(8)式を用いて行って
いるが、フィードフォワード制御の出力偏差ΔSFFと、
フィードバック制御の出力偏差ΔSFBを(11)式に当
てはめて行ってもよい。
【0103】
【数11】 Sn =Sn-1 +KFB・ΔSFF+KFB・ΔSFB (11) ここで、Sn-1 は前回の制御周期において実行された凝
集剤注入率である。
【0104】このように、フィードフォワード制御器1
4により原水の濁度と水温に基づいて、予め注入すべき
凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出しておき、フィー
ドバック制御器9により水に凝集剤を注入した後の流動
電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入
率の測定値を算出し、さらに、演算器15により水量と
実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位に基づいて、重
み付け係数を演算しておき、合成制御器16において、
フィードフォワード制御器14から出力される予め注入
すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値とフィードバック
制御器9から出力される実際に注入された凝集剤の凝集
剤注入率の測定値に対して、演算器15から出力される
重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集
剤注入率を演算し、凝集剤注入機12に設定して凝集剤
の注入を実行する。
【0105】この結果、急速混和池1に注入した凝集剤
の注入率を最適な値に制御することができる。特に、取
水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い
場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合
に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができ
る。
【0106】また、演算器15により、実際の凝集剤注
入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、
実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、
フィードバック制御器9から出力される実際に注入され
た凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することで、取
水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い
場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合
に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができ
る。
【0107】さらに、演算器15により、実際の凝集剤
注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測
し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じ
て、フィードフォワード制御器14から出力される予め
注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正するこ
とで、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁
度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少な
い場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することが
できる。
【0108】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、急速混
和池に注入した凝集剤の注入率を最適な値に制御するこ
とができる。特に、浄水場で取水する原水の濁度が比較
的高く、かつ、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝
集剤の注入率を最適な値に制御することができるので、
凝集剤注入の過不足を低減することができ、凝集剤の過
剰注入を防止することができる。従って、水質が安定し
て安全な水質の水道水を供給することができる。
【0109】また、請求項2記載の本発明によれば、急
速混和池に注入した凝集剤の注入率を最適な値に制御す
ることができる。特に、取水源が複数である場合や、処
理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変
動がきわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値
に制御することができので、凝集剤注入の過不足を低減
することができ、凝集剤の過剰注入を防止することがで
きる。従って、水質が安定して安全な水質の水道水を供
給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る浄水場の凝集
剤注入制御装置のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る浄水場の凝集
剤注入制御装置に設けられた演算器のフローチャートで
ある。
【図3】凝集剤注入率と流動電位の関係を示す図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態で使用する確率分布間数
の図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る浄水場の凝集
剤注入制御装置のシステム構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る浄水場の凝集
剤注入制御装置に設けられた演算器のフローチャートで
ある。
【図7】凝集剤注入率と流動電位の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 急速混和池 2 フロック形成池 3 流量計 4 温度計 5 濁度計 6 アルカリ度 7 流動電位計 8、14 フィードフォワード制御器 9 フィードバック制御器 10、15 演算器 11、16 合成制御器 12 凝集剤注入機 13、14 データメモリ 21,31 制御部 22 表示部 23 操作部 32a〜32c 流量計 33 着水池
フロントページの続き (72)発明者 大塚 岳 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 宮島 潮子 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 磯田 浩一 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝アイティー・コントロールシステム株式 会社内 Fターム(参考) 4D015 BA19 BB05 CA14 EA03 EA32 5H309 DD02 DD08 DD12 DD16 DD37 DD38 EE04 GG04 GG06 HH12 JJ06 KK04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水に凝集剤を注入する際に、凝集剤の
    過不足を低減するように制御する浄水場の凝集剤注入制
    御装置であって、 原水の濁度を検出する濁度計と、 原水のアルカリ度を検出するアルカリ度計と、 原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検出する計流動
    電位計とを備え、 前記原水の濁度とアルカリ度に基づいて、予め注入すべ
    き凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出するフィードフ
    ォワード制御器と、 前記原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、
    実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出
    するフィードバック制御器と、 前記濁度と実際の凝集剤注入率の測定値と前記流動電位
    に基づいて、重み付け係数を演算する演算器と、 前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入
    すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と前記フィードバ
    ック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝
    集剤注入率の測定値に対して、前記演算器から出力され
    る重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝
    集剤注入率を演算する合成制御器と、を備えたことを特
    徴とする浄水場の凝集剤注入制御装置。
  2. 【請求項2】 複数の水源からの原水に凝集剤を注入す
    る際に、凝集剤の過不足を低減するように制御する浄水
    場の凝集剤注入制御装置であって、 原水の水温を検出する温度計と、 原水の水量を検出する流量計と、 原水の濁度を検出する濁度計と、 原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検出する計流動
    電位計とを備え、 前記原水の濁度と水温に基づいて、予め注入すべき凝集
    剤の凝集剤注入率の予定値を算出するフィードフォワー
    ド制御器と、 前記原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、
    実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出
    するフィードバック制御器と、 前記水量と実際の凝集剤注入率の測定値と前記流動電位
    に基づいて、重み付け係数を演算する演算器と、 前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入
    すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と前記フィードバ
    ック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝
    集剤注入率の測定値に対して、前記演算器から出力され
    る重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝
    集剤注入率を演算する合成制御器と、を備えたことを特
    徴とする浄水場の凝集剤注入制御装置。
  3. 【請求項3】 前記演算器は、 前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から
    流動電位を予測し、実際の流動電位との差と凝集剤を注
    入する前の原水の濁度に応じて、前記フィードバック制
    御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注
    入率の測定値を補正することを特徴とする請求項1記載
    の浄水場の凝集剤注入制御装置。
  4. 【請求項4】 前記演算器は、 前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から
    流動電位を予測し、実際の流動電位との差と凝集剤を注
    入する前の原水の濁度に応じて、前記フィードフォワー
    ド制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤
    注入率の予定値を補正することを特徴とする請求項1記
    載の浄水場の凝集剤注入制御装置。
  5. 【請求項5】 前記演算器は、 前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から
    流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原
    水の流量に応じて、前記フィードバック制御器から出力
    される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値
    を補正することを特徴とする請求項2記載の浄水場の凝
    集剤注入制御装置。
  6. 【請求項6】 前記演算器は、 前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から
    流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原
    水の流量に応じて、前記フィードフォワード制御器から
    出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定
    値を補正することを特徴とする請求項2記載の浄水場の
    凝集剤注入制御装置。
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