JP4071519B2 - 浄水場の凝集剤注入制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水場の凝集剤注入制御装置に関し、特に、フィードフォワード制御とフィードバック制御の関係の調整を行うことで凝集剤の過不足を低減するように制御する浄水場の凝集剤注入制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の浄水場の凝集剤注入制御装置は、浄水場で取水する原水の水温と濁度およびアルカリ度をそれぞれ温度計と濁度計およびアルカリ度計を用いて測定し、予め設定した所定の注入率式によって凝集剤注入率を計算して出力するフィードフォワード制御器を有しており、最も一般的に広く利用されている。
【0003】
これとは別に、従来の浄水場の凝集剤注入制御装置としては、浄水場で取水した原水に凝集剤を加えた後に処理水に生成した凝集フロックの電気的性質を流動電流計や流動電位計などで測定し、その測定値を目標の値に保持するように制御するフィードバック制御器が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のフィードフォワード制御器による凝集剤注入制御装置は、制御の計算に用いる注入率式が予め設定したほぼ固定したものであるため、経年的ないし突発的な原水の変遷変動に対応でき難く、また、原水の濁度が変化しなくても凝集剤の過不足が生じる原水を取水しなければならない場合もあった。さらに、複数の水源から原水を取水してその流量比率が頻繁に変更される場合もあった。このため、適宜注入率式をジャーテストなどで決め直さなければならないといった問題があった。
【0005】
また、従来のフィードバック制御器による凝集剤注入制御装置は、応答が早くかつ凝集剤の注入量と線形な関係があるため、最も適した制御方式であると期待されている。しかしながら、原水の水質である水温、pH、アルカリ度、電気導電率、さらに、計測ができない原水中の濁度成分の性質によって、フィードバック制御器の目標値である流動電位が変動していた。このため、目標となる流動電位を煩雑なジャーテストなどで頻繁に決め直さなければならないといった不備があった。これらの不備を補うために、様々な目標値の補正手段が提案されてはいるものの、有効なものは未だ確立されていない。
【0006】
さらに、上述したジャーテストは、熟練すれば凝集剤の注入率を正しく決めることができるが、人手による作業であり客観性に欠けるため凝集剤注入の過不足は避けられなかった。また、ジャーテストでは、取水する原水によっては凝集剤の注入率を決められない場合も多く、このため安全を配慮して凝集剤の過剰注入を行い、かえって不安定な凝集フロックにしてしまい沈殿ろ過の水処理操作を困難にする恐れがあった。さらに、その結果として凝集剤過多の処理困難な汚泥の発生という事態を発生する場合もあった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる浄水場の凝集剤注入制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、原水に凝集剤を注入する際に、凝集剤の過不足を低減するように制御する浄水場の凝集剤注入制御装置であって、原水の濁度を検出する濁度計と、原水のアルカリ度を検出するアルカリ度計と、原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検出する流動電位計とを備え、前記原水の濁度とアルカリ度に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出するフィードフォワード制御器と、前記原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出するフィードバック制御器と、前記濁度及び実際の凝集剤注入率の測定値により求めた予測流動電位と、前記流動電位とにより求められた偏差強度に基づいて、重み付け係数を演算する演算器と、前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と前記フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、前記演算器から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する合成制御器と、を備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項1記載の本発明によれば、フィードフォワード制御器により原水の濁度とアルカリ度に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出しておき、フィードバック制御器により原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出し、さらに、演算器により原水の濁度と実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位に基づいて、重み付け係数を演算しておき、合成制御器において、フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値とフィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、演算器から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算し、凝集剤注入機に設定して凝集剤の注入を実行する。
【0010】
この結果、急速混和池に注入した凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。特に、浄水場で取水する原水の濁度が比較的高く、かつ、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、複数の水源からの原水に凝集剤を注入する際に、凝集剤の過不足を低減するように制御する浄水場の凝集剤注入制御装置であって、原水の水温を検出する温度計と、原水の水量を検出する流量計と、原水の濁度を検出する濁度計と、原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検出する流動電位計とを備え、前記原水の濁度と水温に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出するフィードフォワード制御器と、前記原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出するフィードバック制御器と、前記濁度及び実際の凝集剤注入率の測定値により求めた予測流動電位と、前記流動電位とにより求められた偏差強度に基づいて、重み付け係数を演算する演算器と、前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と前記フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、前記演算器から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する合成制御器と、を備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項2記載の本発明によれば、フィードフォワード制御器により原水の濁度と水温に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出しておき、フィードバック制御器により水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出し、さらに、演算器により水量と実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位に基づいて、重み付け係数を演算しておき、合成制御器において、フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値とフィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、演算器から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算し、凝集剤注入機に設定して凝集剤の注入を実行する。
【0013】
この結果、急速混和池に注入した凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。特に、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記演算器は、前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位計との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じて、前記フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することを要旨とする。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、演算器により、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位計との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じて、フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することで、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、前記演算器は、前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じて、前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正することを要旨とする。
【0017】
請求項4記載の本発明によれば、演算器により、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じて、フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正することで、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0018】
請求項5記載の発明は、上記課題を解決するため、前記演算器は、前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、前記フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することを要旨とする。
【0019】
請求項5記載の本発明によれば、演算器により、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することで、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる
請求項6記載の発明は、上記課題を解決するため、前記演算器は、前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正することを要旨とする。
【0020】
請求項6記載の本発明によれば、演算器により、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正することで、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置のシステム構成を示す図である。
【0023】
本実施の形態は、浄水場で取水する原水の濁度が比較的高く、かつ、頻繁に変動する浄水場の凝集剤注入運転に利用される例である。
【0024】
まず、図1を参照して、浄水場の凝集剤注入制御装置のシステム構成について説明する。
【0025】
図1において、管路Aより取水された原水が急速混和池1に流入し、凝集剤注入器12から薬注管Bを介して注入された凝集剤と原水が急激に混和される。次いで、急速混和池1から流出された混和水が導水管Cを通過してフロック形成池2に流入する。
【0026】
フロック形成池2では混和水がゆっくりと緩速混合されて凝集反応が進行し、大きくかつ沈殿性の良い凝集フロックへと成長して行く。これらの成長フロックは図示しない沈殿池で沈降分離されその上澄水がろ過池でろ過される。
【0027】
導水管Aには、原水の温度を検出する温度計4、原水の濁度を検出する濁度計5、原水のアルカリ度を検出するアルカリ度計が設置されている。また、導水管Cには、原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検出する流動電位計7が設置されている。
【0028】
制御部21は、工業計器であり、フィードフォワード制御器8、フィードバック制御器9、演算器10、合成制御器11、データメモリ13が設けられており、表示部22、操作部23が接続されている。
【0029】
フィードフォワード制御器8は、原水の濁度とアルカリ度に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出する。
【0030】
フィードバック制御器9は、原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出する。
【0031】
演算器10は、前記原水の濁度と実際の凝集剤注入率の現在値と前記流動電位に基づいて、重み付け係数を演算する。
【0032】
合成制御器11は、フィードフォワード制御器8から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と、フィードバック制御器9から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、前記演算器から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する。
【0033】
凝集剤注入機12は、合成制御器11から設定された凝集剤注入率の算出値Sn に応じて凝集剤を急速混和池1に注入するとともに、凝集剤注入機12に設定されている現在の凝集剤注入率SC を合成制御器11に出力する。
【0034】
データメモリ13は、原水の異なる濁度Turb に分類されている荷電中和関数D=GT (S)を予め複数記憶している。
【0035】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置の動作について説明する。
【0036】
導水管Aに設置された濁度計5により検出された原水の濁度信号と、アルカリ度計6により検出された原水のアルカリ度信号はフィードフォワード制御器8に伝送され、フィードフォワード制御器8により濁度信号とアルカリ度信号に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値SFF(以下、凝集剤注入率SFFという)算出される。
【0037】
詳しくは、フィードフォワード制御器8では、濁度信号の値である濁度Turbと、アルカリ度信号の値であるアルカリ度Alkに基づいて、(1)式を用いて凝集剤注入率SFFを求める。
【0038】
【数1】
FF=A・Turb N1・AlkN2+B (1)
ここで、Aは係数、N1,N2は指数、Bは定数である。
【0039】
導水管Cに設置された流動電位計7により検出された原水に凝集剤を注入した後の流動電位信号はフィードバック制御器9と演算器10に伝送される。
【0040】
フィードバック制御器9では、この流動電位信号の値である流動電位値D=SPに基づいて、(2)式を用いて実際に注入された凝集剤注入率の測定値SFB(以下、凝集剤注入率 FB という)を計算する。
【0041】
【数2】
FB=Sn-1 +ΔSFB
ΔSFB=Kp ・(En −En-1 )+ΔT/Ti ・En
n =SP−PV (2)
ここで、SPは流動電位の目標値、PVは流動電位信号の値、ΔT、Ti 、Kp は制御定数、ΔSFBは出力偏差、Eは入力偏差である。
【0042】
フィードフォワード制御器8から出力される凝集剤注入率SFFと、フィードバック制御器9から出力される凝集剤注入率S FB と、温度計4から出力される温度信号が合成制御器11に伝送され、合成制御器11により凝集剤注入率SFF凝集剤注入率S FB と温度信号の値である温度Temp に基づいて、(3)式で重み付け合成されてその算出値Sn が凝集剤注入機12に出力される。
【0043】
【数3】
n ={KFF・SFF+KFB・ΔSFB}・F(Temp) (3)
ここで、KFFはフィードフォワード制御の重み係数、KFBはフィードバック制御の重み係数である。なお、F(Temp)は、F(Temp)=f(Temp,an)という周知の演算式から計算される。
【0044】
ここで、図2に示すフローチャート、図3,図4に示すグラフを参照して、演算器10で実行される演算処理について説明する。
【0045】
始めに、図3,図4に示すグラフについて説明する。
【0046】
図3は、凝集剤注入率(S)と流動電位(D)の関係を示したグラフである。濁度Turb1〜Turb4に分類して特性曲線を表すと図3に示すようになる。濁度Turb2において、凝集剤注入率(Sc)のとき流動電位(Dc)を求めることができる。
【0047】
浄水場で取水する河川水や湖沼や遊水池水などや浄水場内で発生する返送水などの水質の異なる水源から取水した混合水に凝集剤を添加して行くと、凝集フロックが生成し始めて流動電位Dは上昇して行く。
【0048】
凝集剤の注入開始時では、ゆっくりとした漸増を見せる場合が一般的である。さらに、添加を続けると凝集剤注入率に対する流動電位の上昇は、図3に示す区間SA −SB のようにほぼ比例して直線となる。浄水場で取水する原水に対するその直線の区間SA −SB はその長短こそあれ通常見られる共通の現象である。さらに凝集剤の注入を続けると、流動電位Dの変化は漸減傾向となり、最終的には注入する凝集剤の性質と原水の水質の相互反応で発生する凝集剤の微細フロックの流動電位に漸近して行く。
【0049】
本実施の形態においては、濁度計5により計測された濁度から特性曲線を決定し、上述した図3に示した凝集剤注入率と流動電位の関係から、凝集剤注入率の設定値に対応する流動電位を予測する。すなわち、図3において、点SC の凝集剤注入率の設定値に対応する点DC の予測流動電位を求める。そして、求めた予測流動電位は実際に計測している凝集剤注入後の流動電位計からの流動電位信号と比較され、その偏差を算出する。次いで、予め原水の濁度の高低ごと、取水する原水の流量比率ごとに作成した図4で示したような曲線の関係によってこの偏差を偏差強度に変換する。すなわち、図4において、上記偏差ΔDn から偏差強度Kn を求めるものである。この偏差強度Kn から例えば値(1−Kn )をフィードフォワード制御の重み係数とし、かつKn をフィードバック制御の重み係数として補正するようにしたものである。
【0050】
まず、ステップS10では、濁度計5から出力される濁度信号の値である濁度Turb を読み込む。
【0051】
次いで、ステップS20では、凝集剤注入機12に設定されている現在の凝集剤注入率SC を合成制御器11を介して読み込む。
【0052】
次いで、ステップS30では、ステップS10,S20で読み込んだ濁度Turbと凝集剤注入率Scとの関係について、この原水の濁度Turb に最も類似した荷電中和関数D=GT (S)を予め複数記憶したデータメモリ13から選択する。
【0053】
次いで、ステップS40では、ステップS30において選択された荷電中和関数GT (S)に対して、現在の凝集剤注入率SC を当てはめて流動電位DC を図3に示したように予測する。
【0054】
次いで、ステップS50では、流動電位計7から出力される凝集剤注入後の流動電位Dn を読み込む。
【0055】
次いで、ステップS60では、ステップS40により予測された予測値DC と、ステップS50により読み込んだ現在の流動電位Dとの偏差ΔDn を求める。
【0056】
【数4】
ΔDn =D −D (4)
次いで、ステップS70では、図4に示すように、流動電位の偏差ΔDn に基づいて、(5)式の確率関数で重み係数KFB=Kn に変換する。
【0057】
【数5】
FB=EXP(−a・ΔDn 2 ) (5)
ここで、EXPは指数関数である。aは定数で浄水場ごとの固有の固定値であるが、データメモリ13に記憶してある荷電中和関数のデータが不足して適切なデータがない場合などは、表示部22に表示されている荷電中和関数のデータを随時操作員が操作部23から手動で変更し、演算器10に設定できるようにしてある。
【0058】
この結果、演算器10で変換された重み係数KFBは、合成制御器11に伝送される。
【0059】
合成制御器11では、温度計4の信号と、フィードフォワード制御器8から出力される凝集剤注入率SFFと、フィードバック制御器9から出力される凝集剤注入率S FB と、演算器10から出力される重み係数KFBに基づいて、(3)式に従って、実際に注入すべき凝集剤注入率Sの指令値Sn が演算される。この指令値Sn は凝集剤注入機12に伝送されて設定され、凝集剤の注入が実行される。
【0060】
本実施の形態においては、合成制御器11の合成計算を(3)式を用いて行っているが、出力偏差ΔSFBに代わって、フィードバック制御器9から出力される凝集剤注入率SFBを用いる(6)式を採用してもよい。
【0061】
【数6】
n ={KFF・SFF+KFB・SFB}・F(Ttemp) (6)
また、フィードフォワード制御の重み係数KFFは固定としたものであるが、適切な重み係数KFFに設定されていない場合、表示部22に表示されている重み係数KFFを随時操作員が操作部23から手動で変更し、合成制御器11に設定できるようにしている。
【0062】
このように、フィードフォワード制御器8により原水の濁度とアルカリ度に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出しておき、フィードバック制御器9により原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出し、さらに、演算器10により原水の濁度と実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位に基づいて、重み付け係数を演算しておき、合成制御器11において、フィードフォワード制御器8から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値とフィードバック制御器9から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、演算器10から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算し、凝集剤注入機12に設定して凝集剤の注入を実行する。
【0063】
この結果、急速混和池1に注入した凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。特に、浄水場で取水する原水の濁度が比較的高く、かつ、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0064】
また、演算器10により、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位計との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じて、フィードバック制御器9から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することで、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0065】
さらに、演算器10により、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じて、フィードフォワード制御器8から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正することで、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0066】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置のシステム構成を示す図である。
【0067】
本実施の形態は、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない浄水場に適用される例である。
【0068】
図5において、図1と同一の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図5において、複数の原水が導水管34a〜34cを介して着水池33に流入しており、着水池33から管路Aを介して取水された原水が急速混和池1に流入し、薬注管Bにより注入された凝集剤と急激に混和され、次いで、導水管Cを介してフロック形成池2に流出して行く。フロック形成池2では、ゆっくりと緩速混合され凝集反応は進行し、大きくかつ沈殿性の良い凝集フロックへと成長して行く。これらの成長フロックは図示しない沈殿池で沈降分離されその上澄水がろ過池でろ過される。
【0069】
導水管34a〜34cには、それぞれ流量計32a〜32cが設置されている。
【0070】
また、導水管Aには、流量計3、温度計4、濁度計5が設置されており、また、導水管Cには、流動電位計7が設置されている。
【0071】
制御部31には、フィードフォワード制御器14、フィードバック制御器9、演算器15、合成制御器16が設けられており、表示部22、操作部23が接続されている。
【0072】
フィードフォワード制御器14は、原水の濁度と水温に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出する。
【0073】
フィードバック制御器9は、原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出する。
【0074】
データメモリ14は、原水の異なる流量比率に分類されている荷電中和関数D=GT (S)を予め複数記憶している。
【0075】
演算器15は、水量と実際の凝集剤注入率の測定値と前記流動電位に基づいて、重み付け係数を演算する。
【0076】
合成制御器16は、フィードフォワード制御器14から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値とフィードバック制御器9から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、演算器15から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する。
【0077】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置の動作について説明する。
【0078】
導水管Aに設置された温度計4により検出された原水の温度信号と、濁度計5により検出された原水の濁度信号はフィードフォワード制御器14に伝送され、フィードフォワード制御器14により温度信号と濁度信号に基づいて、予め注入すべき凝集剤注入率SFFが算出される。
【0079】
詳しくは、フィードフォワード制御器14では、温度信号の値である温度Temp と、濁度信号の値である濁度Turb に基づいて、(7)式を用いて凝集剤の注入率SFFを求める。
【0080】
【数7】
FF={A・Turb N1+B}・F(Temp) (7)
ここで、Aは係数、N1は指数、Bは定数でり、予め設定されている。なお、F(Temp)は温度係数であり、F(Temp)=f(Temp,an)という周知の水温補正式から計算される。
【0081】
導水管Cに設置された流動電位計7により検出された原水に凝集剤を注入した後の流動電位信号はフィードバック制御器9と演算器15に伝送される。
【0082】
フィードバック制御器9では、この流動電位信号の値である流動電位値Dに基づいて、上述した(2)式を用いて実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率SFBを計算する。
【0083】
フィードフォワード制御器14から出力される凝集剤注入率SFFと、フィードバック制御器9から出力される凝集剤注入率SFBが合成制御器16に伝送され、合成制御器16により凝集剤注入率SFFと凝集剤注入率SFB に基づいて、(8)式で重み付け合成されてその算出値Sn が凝集剤注入装置12に出力される。
【0084】
【数8】
n =(β−KFB)・SFF+KFB・SFB (8)
ここで、(β−KFB)はフィードフォワード制御の重み係数KFF、KFBはフィードバック制御の重み係数である。βは定数であり、予め設定した浄水場に固有の値である。
【0085】
ここで、図6に示すフローチャート、図4,図7に示すグラフを参照して、演算器15で実行される演算処理について説明する。
【0086】
始めに、図7に示すグラフについて説明する。
【0087】
図7は、凝集剤注入率(S)と流動電位(D)の関係を示したグラフである。流量比パターンFrate1〜Frate4に分類して特性曲線を表すと図7に示すようになる。流量比パターンFrate2において、凝集剤注入率(Sc)のとき流動電位(Dc)を求めることができる。以下、図3に示す内容と同様であるので、その説明を省略する。
【0088】
本実施の形態においては、流量計3,32a〜32cにより計測された流量に関する比率から特性曲線を決定し、上述した図7に示した凝集剤注入率と流動電位の関係から、凝集剤注入率の現在値に対応する流動電位を予測する。すなわち、図7において、点SC の凝集剤注入率の現在値に対応する点DC の予測流動電位を求める。そして、求めた予測流動電位は実際に計測している凝集剤注入後の流動電位計からの信号と比較され、その偏差を算出する。
【0089】
次いで、予め原水の濁度の高低ごと、または複数の取水する原水の流量比率ごとに作成した図4で示したような曲線の関係によってこの偏差を偏差強度に変換する。すなわち、図4において、上記偏差ΔDn から偏差強度Kn を求めるものである。この偏差強度Kn から例えば値(1−Kn )を前記フィードフォワード制御の重み係数とし、かつKn をフィードバック制御の重み係数として補正するようにしたものである。
【0090】
まず、ステップS210では、複数の水源から着水池33に流入しているそれぞれの取水流量{Qi }を例えば流量計32a〜32cから読み込む。
【0091】
次いで、ステップS220では、取水流量比{fi }を(9)式を用いて求める。
【0092】
【数9】
T =Q1+Q2+・・・+Qn
i =Qi /QT (9)
ここで、nは水源の数であり、本実施の形態では3となる。QT は総取水量である。
【0093】
次いで、ステップS230では、凝集剤注入機12に設定されている現在の凝集剤注入率の設定値SC (以下、凝集剤注入率SC という)を成制御器11を介して読み込む。
【0094】
ステップS240では、現在の凝集剤注入率Scと流動電位Dの関係について、この原水の流量比率パターン{fi }に最も類似した荷電中和関数D=GT (S)を予め記憶したデータメモリ14から選択する。
【0095】
次いで、ステップS250では、ステップS240において選択されたこの荷電中和関数GT (S)に対して、現在の凝集剤注入率SC を当てはめて流動電位DC を図7に示したように予測する。
【0096】
次いで、ステップS260では、流動電位計7の出力である凝集剤注入後の流動電位Dn を読み込む。
【0097】
次いで、ステップS270では、ステップS250により予測された予測値DC と、ステップS260により読み込んだ現在の流動電位Dn に基づいて、偏差ΔDn を上述した(4)式により求める。
【0098】
次いで、ステップS280では、図7に示したように、流動電位の偏差ΔDn を(10)式に示す分布関数を用いて重み係数KFB=Kn 変換する。
【0099】
【数10】
FB=FUNC(γ、ΔDn ) (10)
ここで、FUNCは、定数γと偏差ΔDn を説明変数とし、予め設定した確率分布関数である。定数γは、浄水場ごとの固有の固定値であるが、データメモリ14に記憶してある荷電中和関数のデータが不足して適切なデータがない場合などは、表示部22に表示されている荷電中和データを随時操作員が操作部23から手動で変更し、演算器15に設定できるようにしてある。
【0100】
この結果、演算器15で変換された重み係数KFBは合成制御器16に伝送される。合成制御器16では、フィードフォワード制御器14から出力される凝集剤注入率SFFと、フィードバック制御器9から出力される凝集剤注入率SFBと、演算器15から出力される重み係数KFBに基づいて、(8)式によって凝集剤注入率Sの指令値Sn が算出される。この指令値Sn は凝集剤注入機12に伝送され、凝集剤注入機12に設定された指令値Sn に応じて凝集剤の注入が実行される。
【0101】
本実施の形態においては、フィードフォワード制御の重み係数KFFを(γ−KFB)としたものである。γは定数で通常1.00に設定するが、表示部22に表示されているγを随時操作員が操作部23から手動で変更し、演算器15に設定できるようにしてある。
【0102】
また、本実施の形態では、合成制御器16においては上述した合成計算を(8)式を用いて行っているが、フィードフォワード制御の出力偏差ΔSFFと、フィードバック制御の出力偏差ΔSFBを(11)式に当てはめて行ってもよい。
【0103】
【数11】
n =Sn-1 +KFB・ΔSFF+KFB・ΔSFB (11)
ここで、Sn-1 は前回の制御周期において実行された凝集剤注入率である。
【0104】
このように、フィードフォワード制御器14により原水の濁度と水温に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出しておき、フィードバック制御器9により水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出し、さらに、演算器15により水量と実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位に基づいて、重み付け係数を演算しておき、合成制御器16において、フィードフォワード制御器14から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値とフィードバック制御器9から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、演算器15から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算し、凝集剤注入機12に設定して凝集剤の注入を実行する。
【0105】
この結果、急速混和池1に注入した凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。特に、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0106】
また、演算器15により、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、フィードバック制御器9から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することで、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0107】
さらに、演算器15により、実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、フィードフォワード制御器14から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正することで、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。
【0108】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、急速混和池に注入した凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。特に、浄水場で取水する原水の濁度が比較的高く、かつ、原水の濁度が頻繁に変動する場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができるので、凝集剤注入の過不足を低減することができ、凝集剤の過剰注入を防止することができる。従って、水質が安定して安全な水質の水道水を供給することができる。
【0109】
また、請求項2記載の本発明によれば、急速混和池に注入した凝集剤の注入率を最適な値に制御することができる。特に、取水源が複数である場合や、処理すべき原水の濁度が低い場合、または、原水の濁度変動がきわめて少ない場合に、凝集剤の注入率を最適な値に制御することができので、凝集剤注入の過不足を低減することができ、凝集剤の過剰注入を防止することができる。従って、水質が安定して安全な水質の水道水を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置に設けられた演算器のフローチャートである。
【図3】凝集剤注入率と流動電位の関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態で使用する確率分布間数の図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置のシステム構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る浄水場の凝集剤注入制御装置に設けられた演算器のフローチャートである。
【図7】凝集剤注入率と流動電位の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 急速混和池
2 フロック形成池
3 流量計
4 温度計
5 濁度計
6 アルカリ度
7 流動電位計
8、14 フィードフォワード制御器
9 フィードバック制御器
10、15 演算器
11、16 合成制御器
12 凝集剤注入機
13、14 データメモリ
21,31 制御部
22 表示部
23 操作部
32a〜32c 流量計
33 着水池

Claims (6)

  1. 原水に凝集剤を注入する際に、凝集剤の過不足を低減するように制御する浄水場の凝集剤注入制御装置であって、
    原水の濁度を検出する濁度計と、
    原水のアルカリ度を検出するアルカリ度計と、
    原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検出する流動電位計とを備え、
    前記原水の濁度とアルカリ度に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出するフィードフォワード制御器と、
    前記原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出するフィードバック制御器と、
    前記濁度及び実際の凝集剤注入率の測定値により求めた予測流動電位と、前記流動電位とにより求められた偏差強度に基づいて、重み付け係数を演算する演算器と、
    前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と前記フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、前記演算器から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する合成制御器と、を備えたことを特徴とする浄水場の凝集剤注入制御装置。
  2. 複数の水源からの原水に凝集剤を注入する際に、凝集剤の過不足を低減するように制御する浄水場の凝集剤注入制御装置であって、
    原水の水温を検出する温度計と、
    原水の水量を検出する流量計と、
    原水の濁度を検出する濁度計と、
    原水に凝集剤を注入した後の流動電位を検出する流動電位計とを備え、
    前記原水の濁度と水温に基づいて、予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を算出するフィードフォワード制御器と、
    前記原水に凝集剤を注入した後の流動電位に基づいて、実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を算出するフィードバック制御器と、
    前記濁度及び実際の凝集剤注入率の測定値により求めた予測流動電位と、前記流動電位とにより求められた偏差強度に基づいて、重み付け係数を演算する演算器と、
    前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値と前記フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値に対して、前記演算器から出力される重み付け係数を合成して実際に注入すべき凝集剤の凝集剤注入率を演算する合成制御器と、を備えたことを特徴とする浄水場の凝集剤注入制御装置。
  3. 前記演算器は、
    前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じて、前記フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御装置。
  4. 前記演算器は、
    前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と凝集剤を注入する前の原水の濁度に応じて、前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正することを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御装置。
  5. 前記演算器は、
    前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、前記フィードバック制御器から出力される実際に注入された凝集剤の凝集剤注入率の測定値を補正することを特徴とする請求項2記載の浄水場の凝集剤注入制御装置。
  6. 前記演算器は、
    前記実際の凝集剤注入率の測定値と流動電位の関係から流動電位を予測し、実際の流動電位との差と取水する原水の流量に応じて、前記フィードフォワード制御器から出力される予め注入すべき凝集剤の凝集剤注入率の予定値を補正することを特徴とする請求項2記載の浄水場の凝集剤注入制御装置。
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