JP2003200175A - 凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム - Google Patents

凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム

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JP2003200175A
JP2003200175A JP2002001530A JP2002001530A JP2003200175A JP 2003200175 A JP2003200175 A JP 2003200175A JP 2002001530 A JP2002001530 A JP 2002001530A JP 2002001530 A JP2002001530 A JP 2002001530A JP 2003200175 A JP2003200175 A JP 2003200175A
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Hideaki Nameki
木 英 明 行
Ryosuke Miura
浦 良 輔 三
Kyotaro Iyasu
安 巨太郎 居
Akira Hiramoto
本 昭 平
Takeshi Otsuka
塚 岳 大
Sukeyuki Noshiro
代 祐 之 能
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理水の荷電状況の測定値に応じた目標値
を容易に設定でき、年間を通じて良好な処理を行うこと
ができる凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システ
ムを提供する。 【解決手段】 河川の流量や水温等の取水源の季節変動
パラメータを取水源データ取得手段17によって取得す
る一方、凝集剤注入後の被処理水の荷電状況を荷電状況
測定器15により測定し、解析及び目標値演算手段19
が季節変動パラメータと、それらに対応する最適凝集時
の荷電状況の測定値との関係式に基づき、季節に応じた
荷電状況の目標値を設定すると、制御器12が荷電状況
の測定値が目標値を保つように凝集剤の注入量を調節す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄水場における凝
集剤注入制御に係り、特に凝集剤注入後の荷電状況に応
じて凝集剤注入量を調節する凝集剤注入制御方法及び凝
集剤注入制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な浄水場の凝集沈殿プロセスの概
要について図2を用いて説明する。濁質粒子を含む取水
原水21は、先ず、急速混和池2において凝集剤22と
混合、急速攪拌され、濁質粒子を核とする小さな塊(以
下マイクロフロックという)を生成する。続いて、凝集
水23が流入するフロック形成池3では、緩やかな攪拌
が行われ、マイクロフロック同士の衝突、結合により大
きな塊(以下フロックという)が生成される。生成され
たフロックは沈殿池4にて沈殿し、沈殿しきれなかった
粒子はろ過池5においてろ過され、清澄な処理水が得ら
れる。
【0003】次に、凝集沈殿プロセスの基本的な機構に
ついて説明する。水の濁りの原因である粘土等の濁質粒
子は通常粒径が1〜0.1μm程度であり、比表面積が
大きいため重力に比べて水の粘性による摩擦抵抗力が大
きくなり、容易には沈降しない。また、粒子表面が負に
帯電しているため、粒子同士に反発力が働き、安定した
分散状態を保っている。凝集沈澱プロセスは、濁質粒子
表面の負電荷を凝集剤加水分解生成物の持つ正電荷によ
って中和し、電気的な反発力を無くして粒子同士を結合
させ、沈降性の高いフロックを生成することによって濁
質を沈殿除去しようとするものである。
【0004】凝集沈殿プロセスにおいて、凝集剤注入量
が少なすぎると、荷電中和が十分になされないので粒子
同士の結合が起こらず、大きなフロックは生成されな
い。また、凝集剤注入量が多すぎると電荷の帯電状態の
逆転が起こったり、また、凝集剤の加水分解生成物同士
の結合により密度の低いフロックが生成されたりする。
いずれの場合もフロックの沈降性が低いため、沈殿池4
で十分な濁質の除去が行われず、ろ過池5に流入する濁
質の量が増え、ろ過池5の閉塞やろ過水水質の悪化を引
き起こす。従って、良好な水質を維持するためには濁質
やその他の水質に応じて最適な凝集剤注入量を常に保つ
ことが必要である。
【0005】従来の凝集剤注入制御システムには、図2
に示すように、取水原水濁度、水温、アルカリ度測定手
段11の測定値に基づいて制御器12が凝集剤注入率を
決定し、この注入率に従って凝集剤注入機13が凝集剤
22を注入するフィードフォワード方式が多く採用され
ていた。フィードフォワード制御における凝集剤注入率
演算式の一例を、次の(1)、(2)式に示す。
【0006】 P={A・TurbN1・AlkN2十B}Ft …(1) Ft=F(Temp) …(2) ただし、 P:凝集剤注入率 Turb:原水濁度 Alk:原水アルカリ度 Temp:原水の水温 F:温度の関数 Ft:温度効果係数 A,B,N1,N2:定数 である。
【0007】ここで、定数A,B,N1,N2は、経験
的に、あるいは個々の浄水場の原水についてジャーテス
ト(水質に応じた最適な注入率決定のためのバッチ試
験)を実施し、その結果に基づいて定めている。フィー
ドフォワード制御が多く採用されている理由は、凝集剤
注入点から凝集の良否が明確になる沈殿池出口までの遅
れ時間が長く、処理水の水質に応じたフィードバック制
御が困難なためである。
【0008】一方、近年になって、濁質粒子表面の荷電
状況をオンラインで測定することのできるセンサ(流動
電流計等)の開発が進んできており、凝集剤注入直後の
荷電状況に基づいて凝集の良否を即時に判断し、凝集剤
注入をフィードバック制御するシステムが米国をはじめ
海外で実用化されつつある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、凝集
剤注入直後の荷電状況に応じた凝集剤注入のフィードバ
ック制御により、凝集状況の変化に即時に対応すること
が可能となった。しかし、流動電流計等の濁質粒子表面
の荷電状況をオンラインで測定することのできるセンサ
では、最適凝集時の荷電状況の測定値、すなわち、荷電
中和点に対応する荷電状況の測定値は常にゼロではなく
水質によって異なり、季節的に変動する場合がある。従
って、年間を通じて最適凝集を保てるように制御目標値
を設定することが難しいという問題があった。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、季節に応じた目標値を容
易に設定でき、年間を通して良好な処理を行うことがで
きる凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システムを
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
凝集剤注入後の被処理水の荷電状況を測定することによ
って凝集の良否を判定し、荷電状況の測定値に応じて凝
集剤の注入量を調節する凝集剤注入制御方法において、
河川流量や水温等の被処理水の取水源の季節変動パラメ
ータと、季節変動パラメータに対応する最適凝集時の荷
電状況の測定値との関係式に基づき、季節に応じた荷電
状況の目標値を設定し、荷電状況の測定値が目標値に保
持されるように凝集剤の注入量を調節する、ことを特徴
とする凝集剤注入制御方法。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
凝集剤注入制御方法において、被処理水の荷電状況の測
定に流動電流計を用いることを特徴とする。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1に記載の
凝集剤注入制御方法において、河川流量や水温等の被処
理水の取水源の季節変動パラメータの長期データと、長
期データに対応する最適凝集時の荷電状況の測定値とに
対して重回帰分析を行い、最適凝集時の荷電状況の測定
値を季節変動パラメータの重回帰式で表し、重回帰式に
その時の季節変動パラメータの値を入力することによっ
て荷電状況の目標値を得ることを特徴とする。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1に記載の
凝集剤注入制御方法において、ジャーテストで得られた
最適凝集剤注入率で実プロセスに注入を行った時の荷電
状況の測定値を最適凝集時の荷電状況の測定値とし、最
適凝集時の荷電状況の測定値に基づき、河川流量や水温
等の被処理水の取水源の季節変動パラメータと、季節変
動パラメータに対応する最適凝集時の荷電状況の測定値
との関係式を作成することを特徴とする。
【0015】請求項5に係る発明は、請求項1に記載の
凝集剤注入制御方法において、凝集剤注入後の被処理水
をサンプリングし、ジャーテスタ又はミニプラントに導
入して緩速攪拌、静置を行い、サンプリング水の上澄み
濁度及びろ過濁度の少なくとも一方により凝集の良否を
判定し、最適凝集と判定されたときに当該被処理水サン
プリング時の荷電状況の測定値を最適凝集時の荷電状況
の測定値とし、最適凝集時の荷電状況の測定値に基づ
き、河川流量や水温等の被処理水の取水源の季節変動パ
ラメータと、季節変動パラメータに対応する最適凝集時
の荷電状況の測定値との関係式を作成することを特徴と
する。
【0016】請求項6に係る発明は、請求項1に記載の
凝集剤注入制御方法において、複数の取水源からの取水
量比率を考慮して、河川流量や水温等の被処理水の取水
源の季節変動パラメータと、季節変動パラメータに対応
する最適凝集時の荷電状況の測定値との関係式を作成す
ることを特徴とする。
【0017】請求項7に係る発明は、請求項1に記載の
凝集剤注入制御方法において、河川流量や水温等の被処
理水の取水源の季節変動パラメータと、季節変動パラメ
ータに対応する最適凝集時の荷電状況の測定値と併せ
て、取水原水の流量、水温、pHのうち少なくとも1種
類の測定値を記録し、季節変動パラメータが同一又は限
定された範囲にあるデータに基づいて、取水原水の流
量、水温、pHのうち少なくとも1種類の測定値と最適
凝集時の荷電状況の測定値との関係式を作成し、季節変
動パラメータのみによって計算した荷電状況目標値を、
取水原水の流量、水温、pHのうち少なくとも1種類の
測定値によって補正することを特徴とする。
【0018】請求項8に係る発明は、請求項1に記載の
凝集剤注入制御方法において、河川流量や水温等の被処
理水の取水源の季節変動パラメータと、季節変動パラメ
ータに対応する最適凝集時の荷電状況の測定値と併せ
て、取水原水の濁度と最適凝集時の凝集剤注入率の測定
値を記録し、季節変動パラメータが同一又は限定された
範囲にあるデータに基づいて、取水原水の濁度と最適注
入率との関係式を作成し、最適注入率の関係式に基づい
て計算した注入率と、荷電状況目標値を保つように調節
された注入率の差に上下限を設け、その差が所定の値を
超えて大きくならないようにしたことを特徴とする。
【0019】請求項9に係る発明は、請求項8に記載の
凝集剤注入制御方法において、取水原水の濁度と最適凝
集時の凝集剤注入率に加えて、取水原水の水温、pH、
アルカリ度のうち少なくとも1種類の測定値を記録し、
季節変動パラメータが同一又は限定された範囲にあるデ
ータに基づいて、取水原水の濁度と、取水原水の水温、
pH、アルカリ度のうち少なくとも1種類の測定値と最
適注入率の関係式を作成することを特徴とする。
【0020】請求項10に係る発明は、凝集剤注入後の
被処理水の荷電状況を測定することによって凝集の良否
を判定し、荷電状況の測定値に応じて凝集剤の注入量を
調節する凝集剤注入制御システムにおいて、河川流量や
水温等の被処理水の取水源の季節変動パラメータを取得
する取水源データ取得手段と、取水源データ取得手段で
得られた季節変動パラメータ、最適凝集時の荷電状況の
測定値、各種プロセスデータを蓄積するためのデータベ
ースと、データベースに蓄積されたデータを解析して季
節変動パラメータと最適凝集時の荷電状況の測定値の関
係式を求めるための解析及び目標値演算手段と、を備
え、河川流量や水温等の被処理水の取水源の季節変動パ
ラメータと、それらに対応する最適凝集時の荷電状況の
測定値の関係式に基づき、季節に応じた荷電状況の目標
値を設定し、荷電状況の測定値が目標値を保つように凝
集剤の注入量を調節することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す好適な
実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に
係る凝集剤注入制御方法を実施する凝集剤注入制御シス
テムの一例を示した系統図である。図中、従来の凝集剤
注入制御システムを示した図2と同一の要素には同一の
符号を付してその説明を省略する。本実施形態では、荷
電状況の測定値に応じた凝集剤注入フィードバック制御
を実施する前に、以下に示す手順で、被処理水の取水源
の季節変動パラメータと最適凝集時の荷電状況の測定値
との関係式を作成する。
【0022】先ず、河川の流量や水温等の取水源の季節
変動パラメータを取水源データ取得手段17によって取
得する。河川流量や水温等は、主要な河川であれば国土
交通省の水文水質データベースより容易に入手可能であ
る。一方、急速混和池2の凝集水23の流出経路に設け
られた荷電状況測定器15により、凝集処理が良好であ
ると判断された時の荷電状況の測定値を、最適凝集時の
荷電状況の測定値として、同時期の被処理水の取水源の
季節変動パラメータと併せて解析及び目標値演算手段1
9がデータベース18に記憶させる。
【0023】荷電状況測定器15としては、例えば、流
動電流計を利用することができる。流動電流計は、濁質
表面の荷電状況の変化をオンラインで連続的に測定する
ことができる。凝集の良否は、実プラントでの沈澱処理
水濁度やろ過水濁度で評価してもよいが、フロック形成
池3での滞留時間が長いことを考慮すると、凝集水23
をジャーテスタやミニプラントに導いて緩速攪拌、静置
を行い、その処理水の上澄み濁度やろ過後濁度で凝集の
良否を評価した方が、荷電状況測定時の被処理水と、そ
の被処理水の最終水質との対応を明確にすることができ
る。また、ジャーテスタで決定した最適凝集剤注入率で
実プロセスで注入した時の荷電状況測定器15の読み
を、最適凝集時の荷電状況の測定値としても良い。
【0024】次に、解析及び目標値演算手段19はデー
タベース18に記憶された取水源の季節変動パラメータ
と最適凝集時の荷電状況の測定値のデータとに基づき、
取水源の季節変動パラメータと最適凝集時の荷電状況の
測定値との関係式を求める。例えば、取水源の季節変動
パラメータと最適凝集時の荷電状況の測定値とに対して
重回帰分析を行い、最適凝集時の荷電状況の測定値を取
水源の季節変動パラメータの重回帰式で表す。
【0025】取水源が複数あり、それぞれの取水源で季
節変動パラメータの変化のパターンが異なるような場合
には、取水量の比率により各取水源の季節変動パラメー
タが荷電状況の測定値に及ぼす影響が異なるため、取水
量比率を考慮して、取水源の季節変動パラメータと最適
凝集時の荷電状況の測定値との関係式を作成する必要が
ある。
【0026】取水源の季節変動パラメータと最適凝集時
の荷電状況の測定値との関係式が得られれば、その時々
の取水源の季節変動パラメータの値を、関係式に入力と
して与えることで、最適凝集時の荷電状況の測定値、す
なわち、荷電状況の目標値を出力として得ることができ
る。従って、荷電状況の測定値が、関係式によって得ら
れた目標値を保つように凝集剤注入量を調節すればよ
い。取水源の季節変動パラメータの取得は、必ずしも凝
集剤注入制御システム中の取水源データ取得手段17で
行わなくてもよく、また、取水源の季節変動パラメータ
と最適凝集時の荷電状況の測定値との関係式について
も、別途解析を行い、荷電状況の測定値の目標値のみを
制御器に手動入力してもよい。
【0027】取水源の季節変動パラメータは、容易に入
手又は測定が可能であり、荷電状況の測定値に影響する
各種水質と関連がある。また、季節の変化によく対応し
ている。従って、それらのパラメータに対応して荷電状
況の測定値の目標値を設定することによって、年間を通
じて良好な凝集処理を行うことができる。
【0028】一方、荷電状況の測定値は、被処理水の測
定時の流量、水温、pH等の影響を受ける、従って、取
水源の季節変動パラメータと、それらに対応する最適凝
集時の荷電状況の測定値と併せて、取水原水の流量、水
温、pHのうち少なくとも1種類の測定値を記録し、季
節変動パラメータが同一又は限定された範囲にあるデー
タに基づいて、取水原水の流量、水温、pHのうち少な
くとも1種類の測定値と最適凝集時の荷電状況の測定値
との関係式を作成し、季節変動パラメータのみによって
計算した荷電状況目標値を、取水原水の流量、水温、p
Hのうち少なくとも1種類の測定値によって補正するこ
とによって、さらに精度の高い制御が可能となる。
【0029】また、荷電状況測定器として、流動電流計
を用いる場合、センサ表面の汚れなどに起因する誤作動
が問題となる場合がある。この場合、例えば、取水源の
季節変動パラメータと、それらに対応する最適凝集時の
荷電状況の測定値と併せて、取水原水の濁度、水温、p
H、アルカリ度等と最適凝集時の凝集剤注入率の測定値
を記録し、季節変動パラメータが同一または限定された
範囲にあるデータに基づいて、取水原水の濁度、水温、
pH、アルカリ度等と最適注入率の関係式すなわちフィ
ードフォワード注入率式を作成し、この関係式に基づい
て計算した注入率と、荷電状況目標値を保つように調節
された注入率の差に上下限を設け、その差が所定の値を
超えて大きくならないようにすることによって、極端な
異常注入を防止することができる。
【0030】かくして、本実施形態によれば、河川流量
や水温等の被処理水の取水源の季節変動パラメータと、
それらに対応する最適凝集時の荷電状況の測定値の関係
式とに基づき、季節に応じた荷電状況の目標値を設定
し、荷電状況の測定値が目標値を保持するように凝集剤
の注入量を調節するので、荷電状況の測定値に影響を及
ぼす各種水質を測定する多数のセンサの設置や、各種水
質と荷電状況の測定値の関係の複雑な分析を行うことな
く、簡易な方法で季節に応じた目標値を容易に設定で
き、年間を通じて良好な処理を行うことができる。
【0031】なお、上記の実施形態では、解析及び目標
値演算手段19とは別個にデータベース18を設け、解
析及び目標値演算手段19がデータベース18に対する
各種データの書込み、読出しを行ったが、データベース
18を解析及び目標値演算手段19の構成要素としてそ
の内部に含むように構成することもできる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、濁質粒子表面の荷電状
況をオンラインで測定できるセンサの使用により凝集状
況の変化に即応でき、かつ、荷電状況の測定値に影響を
及ぼす各種水質を測定する多数のセンサの設置や、各種
水質と荷電状況の測定値の関係の複雑な分析を行うこと
なく、簡易な方法で季節に応じた目標値を容易に設定で
き、年間を通じて良好な処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る凝集剤注入制御方法を実施する凝
集剤注入制御システムの一例を示す系統図。
【図2】一般的な凝集沈殿のプロセスの概要と併せて従
来の凝集剤注入制御システムの構成を示す系統図。
【符号の説明】
1 取水源 2 急速混和池 3 フロック形成池 4 沈殿池 5 ろ過池 11 取水原水濁度、水温、アルカリ度測定手段 12 制御器 13 凝集剤注入機 15 荷電状況測定器 16 濁度計 17 取水源データ取得手段 18 データベース 19 解析及び目標値演算手段 21 取水原水 22 凝集剤 23 凝集水 24 沈澱処理水
フロントページの続き (72)発明者 居 安 巨太郎 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 平 本 昭 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 大 塚 岳 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 能 代 祐 之 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 4D015 BA21 BB05 CA14 EA03 EA32 FA02 FA12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凝集剤注入後の被処理水の荷電状況を測定
    することによって凝集の良否を判定し、荷電状況の測定
    値に応じて凝集剤の注入量を調節する凝集剤注入制御方
    法において、 河川流量や水温等の被処理水の取水源の季節変動パラメ
    ータと、前記季節変動パラメータに対応する最適凝集時
    の荷電状況の測定値との関係式に基づき、季節に応じた
    荷電状況の目標値を設定し、 前記荷電状況の測定値が前記目標値に保持されるように
    前記凝集剤の注入量を調節する、 ことを特徴とする凝集剤注入制御方法。
  2. 【請求項2】前記被処理水の荷電状況の測定に流動電流
    計を用いることを特徴とする請求項1に記載の凝集剤注
    入制御方法。
  3. 【請求項3】河川流量や水温等の被処理水の取水源の季
    節変動パラメータの長期データと、前記長期データに対
    応する最適凝集時の荷電状況の測定値とに対して重回帰
    分析を行い、最適凝集時の荷電状況の測定値を季節変動
    パラメータの重回帰式で表し、前記重回帰式にその時の
    季節変動パラメータの値を入力することによって荷電状
    況の目標値を得ることを特徴とする請求項1に記載の凝
    集剤注入制御方法。
  4. 【請求項4】ジャーテストで得られた最適凝集剤注入率
    で実プロセスに注入を行った時の荷電状況の測定値を最
    適凝集時の荷電状況の測定値とし、前記最適凝集時の荷
    電状況の測定値に基づき、河川流量や水温等の被処理水
    の取水源の季節変動パラメータと、前記季節変動パラメ
    ータに対応する最適凝集時の荷電状況の測定値との関係
    式を作成することを特徴とする請求項1に記載の凝集剤
    注入制御方法。
  5. 【請求項5】凝集剤注入後の被処理水をサンプリング
    し、ジャーテスタ又はミニプラントに導入して緩速攪
    拌、静置を行い、サンプリング水の上澄み濁度及びろ過
    濁度の少なくとも一方により凝集の良否を判定し、最適
    凝集と判定されたときに当該被処理水サンプリング時の
    荷電状況の測定値を最適凝集時の荷電状況の測定値と
    し、前記最適凝集時の荷電状況の測定値に基づき、河川
    流量や水温等の被処理水の取水源の季節変動パラメータ
    と、前記季節変動パラメータに対応する最適凝集時の荷
    電状況の測定値との関係式を作成することを特徴とする
    請求項1に記載の凝集剤注入制御方法。
  6. 【請求項6】複数の取水源からの取水量比率を考慮し
    て、河川流量や水温等の被処理水の取水源の季節変動パ
    ラメータと、前記季節変動パラメータに対応する最適凝
    集時の荷電状況の測定値との関係式を作成することを特
    徴とする請求項1に記載の凝集剤注入制御方法。
  7. 【請求項7】河川流量や水温等の被処理水の取水源の季
    節変動パラメータと、前記季節変動パラメータに対応す
    る最適凝集時の荷電状況の測定値と併せて、取水原水の
    流量、水温、pHのうち少なくとも1種類の測定値を記
    録し、前記季節変動パラメータが同一又は限定された範
    囲にあるデータに基づいて、取水原水の流量、水温、p
    Hのうち少なくとも1種類の測定値と最適凝集時の荷電
    状況の測定値との関係式を作成し、季節変動パラメータ
    のみによって計算した荷電状況目標値を、取水原水の流
    量、水温、pHのうち少なくとも1種類の測定値によっ
    て補正することを特徴とする請求項1に記載の凝集剤注
    入制御方法。
  8. 【請求項8】河川流量や水温等の被処理水の取水源の季
    節変動パラメータと、前記季節変動パラメータに対応す
    る最適凝集時の荷電状況の測定値と併せて、取水原水の
    濁度と最適凝集時の凝集剤注入率の測定値を記録し、季
    節変動パラメータが同一又は限定された範囲にあるデー
    タに基づいて、取水原水の濁度と最適注入率との関係式
    を作成し、前記最適注入率の関係式に基づいて計算した
    注入率と、荷電状況目標値を保つように調節された注入
    率の差に上下限を設け、その差が所定の値を超えて大き
    くならないようにしたことを特徴とする請求項1に記載
    の凝集剤注入制御方法。
  9. 【請求項9】取水原水の濁度と最適凝集時の凝集剤注入
    率に加えて、取水原水の水温、pH、アルカリ度のうち
    少なくとも1種類の測定値を記録し、季節変動パラメー
    タが同一又は限定された範囲にあるデータに基づいて、
    取水原水の濁度と、取水原水の水温、pH、アルカリ度
    のうち少なくとも1種類の測定値と最適注入率の関係式
    を作成することを特徴とする請求項8に記載の凝集剤注
    入制御方法。
  10. 【請求項10】凝集剤注入後の被処理水の荷電状況を測
    定することによって凝集の良否を判定し、荷電状況の測
    定値に応じて凝集剤の注入量を調節する凝集剤注入制御
    システムにおいて、 河川流量や水温等の被処理水の取水源の季節変動パラメ
    ータを取得する取水源データ取得手段と、 前記取水源データ取得手段で得られた季節変動パラメー
    タ、最適凝集時の荷電状況の測定値、各種プロセスデー
    タを蓄積するためのデータベースと、 前記データベースに蓄積されたデータを解析して季節変
    動パラメータと最適凝集時の荷電状況の測定値の関係式
    を求めるための解析及び目標値演算手段と、 を備え、河川流量や水温等の被処理水の取水源の季節変
    動パラメータと、それらに対応する最適凝集時の荷電状
    況の測定値の関係式に基づき、季節に応じた荷電状況の
    目標値を設定し、荷電状況の測定値が目標値を保つよう
    に凝集剤の注入量を調節することを特徴とする凝集剤注
    入制御システム。
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