JP3230742B2 - 圧電発振器 - Google Patents

圧電発振器

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JP3230742B2
JP3230742B2 JP00400899A JP400899A JP3230742B2 JP 3230742 B2 JP3230742 B2 JP 3230742B2 JP 00400899 A JP00400899 A JP 00400899A JP 400899 A JP400899 A JP 400899A JP 3230742 B2 JP3230742 B2 JP 3230742B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/4805Shape
    • H01L2224/4809Loop shape
    • H01L2224/48091Arched

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子からなる
振動子と、この振動子と接続されたIC,LSI等の半
導体集積回路装置とを備えた圧電発振器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】振動子と半導体集積回路装置がパッケー
ジ化された圧電発振器にはいくつかのタイプのものがあ
る。図27に示した圧電発振器10は、ほぼ円筒状のケ
ース51内に封止された水晶振動子あるいはSAW共振
子といった圧電素子を用いた振動子50と、CMOSタ
イプ等のICチップ60が並列に配置されたものであ
る。そして、これらがモールド樹脂1によってほぼ方形
にモールドされ、表面実装用のプラスチックパッケージ
ングタイプに成形された圧電発振器である。
【0003】この圧電発振器10では、リードフレーム
70の平板状に成形されたアイランド71にICチップ
60が導電性接着剤などによって固定されており、チッ
プ60の電極61とアイランド71の周囲に配置された
入出力用のリード72がワイヤーボンディング線79に
よって接続されている。また、ケース51内に収納され
た水晶振動子あるいはSAW共振子からは、ケース51
の外側に2本の振動子リード52が延びており、これら
の振動子リード52はリードフレームの接続用リード7
3を介してICチップ60の電極61の一部に接続され
ている。振動子50およびICチップ60、さらに様々
な目的のリードを備えたリードフレーム70はトランス
ファーモールド方法などによってエポキシ系の樹脂モー
ルド材1によって封止され、一体となった圧電発振器が
形成されている。
【0004】図28にICチップ60、リードフレーム
70および振動子50がこの順番に積層され、モールド
樹脂1によってほぼ方形に封止された圧電発振器20を
示してある。この圧電発振器20においても、ICチッ
プ60がアイランド71に導電性接着剤などによって固
定されており、チップ60の電極61と各リードは上記
の圧電発振器10と同様にワイヤーボンディング線79
によって接続されている。振動子のケース51は、アイ
ランド71のICチップ60と反対側に配置されてお
り、ケース51から延びた振動子リード52は接続用リ
ード73を介してICチップ60と接続されている。こ
の圧電発振器20においては、振動子50、ICチップ
60およびリードフレーム70が積層された状態でトラ
ンスファーモールド方法などによってエポキシ系の樹脂
モールド材1によって封止されているので実装に必要な
面積は、少なくて済むというメリットを備えている。
【0005】しかしながら、シリンダー状のケースの直
径は小さなものでも約2mm程度あり、さらに、リード
フレームおよびICチップの厚みを考慮すると、パッケ
ージ全体の厚みは約3.2〜4.5mm程度となる。従
って、FDD、HDDあるいは家庭用ファックスあるい
は携帯用電話などの小型軽量の電子機器やOA機器への
搭載にはパッケージの高さが問題となることがある。
【0006】なお、ICチップと振動子がアイランドを
挟んで反対側に配置された構造は、特開平5−2434
71号にも図示されている。
【0007】図29には、モールド樹脂を用いて一体化
する代わりに、セラミック製のパッケージ31の内部に
ICチップ60および水晶振動子あるいはSAW共振子
53をそのまま収納しパッケージングした圧電発振器3
0を示してある。この圧電発振器30においては、IC
チップ60かセラミックケース31の底面32に設置さ
れ、セラミックケース内部にプリントされた配線(不図
示)とワイヤーボンディング線79で接続されている。
水晶振動子あるいはSAW共振子53は、ICチップ6
0の上に置かれ、これらを収納した状態で金属製もしく
はセラミック製のカバー39によって封止される。
【0008】これらの圧電発振器は、コンピューター等
の電子機器のクロック源として用いられており、これら
電子機器の高速化に合わせて出力周波数帯も50MHz
〜125MHzといった高い領域になってきている。さ
らに、近年では、水晶振動子を用いた発振器に加えて、
さらに高周波帯を安定して発振できるSAW共振子を用
いた圧電発振器か実現されており、これらの発振器にお
いては、100MHz〜500MHzといった高い出力
周波数を安定して維持することが要求される。
【0009】発振周波数が高くなるにつれて圧電発振器
に用いられているICなどの半導体集積回路装置の消費
電力も増加する。その様子を図30に示してある。たと
えば、電源電圧5Vにおける圧電発振器の消費電流は、
80MHzで約38mA、100MHzで約45mA、
125MHzで約55mAと、従来の20MHz〜30
MHz程度の周波数出力時の約10mA〜17mAに比
較して2〜3倍の値となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このようにICの消費
電力の増加によってICの発熱量も増えるので、圧電発
振器全体の温度が上昇してしまう。圧電発振器内の温度
が高くなると、ICのジャンクション部の温度が上昇し
IC各部にダメージが発生することがあり、またICの
特性が変化することがあり、ICの信頼性や品質の低下
といった問題を引き起こす。また、圧電発振器内の温度
が上昇して水晶振動子やSAW共振子の動作温度範囲を
越えてしまうと発振周波数の精度が劣化したり、異常な
周波数変動が発生するといった問題が発生することもあ
る。さらに、高い温度状態で圧電発振器を継続的に動作
させるとエージングによる長期信頼性の低下につなが
る。
【0011】一方、圧電発振器の搭載される電子機器は
ますます小型化、薄型化が進んでおり、圧電発振器自体
も小型化、薄型化が要求されている。このため、発振周
波数が上がることによって小型薄型化されたパッケージ
内に格納されたICの発熱量はますます増えることとな
り、パッケージ内の温度はいっそう高くなる傾向にあ
る。従って、上記のような発熱による問題を回避するこ
とが、動作の安定した品質の良い圧電発振器を提供する
ために急務となっており、パッケージ内で発生した熱を
適切に処理することが重要となっている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては、高い
周波数を安定して精度良く供給できる圧電発振器を提供
することを目的としている。特に、高速化および小型化
の進む電子機器に対応して、内部で発生した熱による温
度上昇を抑制して高い周波数を安定して供給でき、さら
に小型化・薄型化可能な圧電発振器を提供することを目
的としている。さらに、動作中の圧電発振器の内部温度
の上昇を抑制することによって、長期信頼性を確保でき
る圧電発振器を提供することを目的としている。
【0013】このため、本発明においては、発熱量の多
い半導体集積回路装置を設置するアイランド、あるいは
温度上昇によって影響を受けやすい振動子のケースにモ
ールド樹脂の外側に露出する放熱部分を設けるようにし
ている。すなわち、本発明に係る圧電発振器は、ケース
内に圧電素子が封止された振動子と、リードフレームの
アイランド上に設置された半導体集積回路装置とを有
し、半導体集積回路装置は振動子とリードフレームを構
成するリード等の少なくとも1部によって接続されてお
り、さらに、振動子、半導体集積回路装置およびリード
フレームがモールド樹脂によって一体成形されている圧
電発振器であって、アイランドおよびケースの少なくと
もいずれかがモールド樹脂の外側に露出した放熱部分を
備えていることを特徴としている。
【0014】これらの放熱部分は、アイランドあるいは
ケースにモールド樹脂の外側に延びた放熱用リードを接
続することによって構成できる。モールド樹脂に少なく
とも1部が露出した放熱板をアイランドあるいはケース
に接触させても良い。また、アイランドあるいはケース
の少なくとも1部をモールド樹脂の外側に露出させても
良い。アイランド、半導体集積回路装置および振動子を
この順番に積層することによって、アイランドの一部を
モールド樹脂から露出し易くでき、また、パッケージン
グも低くできる。
【0015】アイランドにこれらの放熱部分を設けるこ
とにより、ICチップなどの半導体集積回路装置に発生
した熱をモールド樹脂の外に直接放熱できるので、高い
放熱効果が得られる。従って、半導体集積回路装置で発
生した熱を圧電発振器内に閉じ込めることなく放熱で
き、圧電発振器内の温度上昇を抑制することによって半
導体集積回路装置の熱影響を防止でき、さらに、振動子
に伝わる熱量も少なくできる。また、ケースに放熱部分
を設けることによって、半導体集積回路装置から伝わっ
てきた熱をモールド樹脂の外に直接放熱することができ
る。従って、ケース内部の圧電素子への熱の伝導を防止
することができ、安定した発振と、長期信頼性を確保で
きる。同時に、ケースを介して圧電発振器内の熱を外部
に放出できるので圧電発振器内の温度上昇も抑制でき、
半導体集積回路装置などにおける熱の影響も抑制でき
る。
【0016】また、振動子と半導体集積回路装置を並列
にモールド樹脂により一体化した圧電発振器において
は、振動子のケースの直径(厚み)より半導体集積回路
装置の方が薄いので、この差を利用してヒートシンクを
設けることができる。これによって、小型・薄型の圧電
発振器においても、発振器が小さいままでヒートシンク
を設けモールドされたパッケージの外面からの放熱効果
を高められる。
【0017】さらに、振動子に対する温度上昇を抑制す
るには、振動子接続用リード自体あるいはその一部をモ
ールド樹脂の外側に露出しても良い。モールド樹脂外部
の湿度による半導体集積回路装置への影響が懸念される
場合は、振動子リードあるいはこれに接続されたリード
フレームの導電路の部分を切断部の露出を除きモールド
樹脂内の表面近傍に配置し、湿度の影響をそれほど被ら
ない状態で放熱効果を高めることができる。
【0018】また、振動子および半導体集積回路装置が
セラミック製のパッケージ内に収納されている圧電発振
器においては、パッケージ内の第1層に形成された半導
体集積回路装置を設置するためのアイランドパターン
を、その一部がパッケージの外側に露出するまで延ばす
ことによって高い放熱効果が得られる。
【0019】これらの本発明を以下で図面を参照しなが
らさらに詳細に説明すると共に、本発明の他の目的およ
び効果についても以下の説明および請求の範囲において
説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1に、本発明の実
施例1に係る圧電発振器10を外側から見た様子を示し
てある。また、図2に本例の圧電発振器10の内部の配
置を上方から見た様子を示してある。本例の圧電発振器
10は、水晶振動子あるいはSAW共振子といった圧電
素子53をシリンダー状のケース51の内部に封止した
振動子50と、CMOSタイプ等のICチップ60が並
列に配置された圧電発振器である。これらの振動子50
およびICチップ60はトランスファーモールド法等を
用いてモールド樹脂1によってほぼ方形に封止され、一
体化された圧電発振器10が形成されている。また、こ
のモールド樹脂1によって形作られた圧電発振器10の
プラスチック製のパッケージの側面2から複数のリード
が露出している。
【0021】モールド樹脂内では、ICチップ60がリ
ードフレーム70の平板状に成形されたアイランド71
に導電性接着剤などによって固定されている。チップ6
0に用意された複数の電極61のうち、電源用および入
出力用の電極がリードフレーム70の入出力用のリード
72とワイヤーボンディング線79によって接続されて
いる。これらのリード72は圧電発振器10の両側面2
にアウターリードが突出するように配置されており、図
2には側面2からリード72のアウターリードの部分が
延びた状態で示してある。また、図1にはリード72の
アウターリードの部分をJ字状に曲げられたいわゆるJ
リードとなった状態を示してある。これらのリードは、
フレームの状態でモールドされた後にリード同士をつな
ぐタイバー等を除去し、曲げ加工される。このようなJ
リードを備えたSOJ形状のパッケージタイプの表面実
装デバイスは、実装面積が少なくて済むという利点を備
えている。
【0022】モールド樹脂1の内部にICチップ60と
ほぼ並列に配置された振動子50は、ほぼシリンダー状
のケース51を備えており、このケース51の内部に圧
電素子53が封止されている。圧電素子53は、水晶振
動片、SAW共振片などの圧電体を用いた素子であり、
数10MHz〜100MHz、さらに数100MHzに
達する周波数帯のうち、特定の周波数を安定して得られ
るものである。ケース51の一方の端から内部の圧電素
子53とつながった2本の振動子リード52が延びてお
り、それぞれがリードフレームの接続用リード73を介
してICチップ60の電極61のうちゲートGおよびド
レインDに接続されている。振動子リード52は、接続
用リード73と抵抗スポット溶接、半田付け、導電性接
着剤などの方法によって固定されている。
【0023】本例の圧電発振器10は、さらに、リード
フレーム70のアイランド71と連続して形成された放
熱用のリード11を備えている。この放熱用のリード1
1はアイランド71とほぼ同じ幅の板状の導電性部材で
ある。放熱用リード11は、アイランド71と一体に成
形され、ほぼそのままの幅でモールド樹脂によって成形
されたパッケージの側面2から外部に露出している。リ
ードフレーム70は、Fe−Ni(Ni42%)合金の
42AlloyあるいはCu合金系の高導電性材料によ
って形成されており、高導電性材料は熱伝導度も非常に
高い。従って、ICチップ60において発生した熱はア
イランド71を介して放熱用リード11に伝わり、圧電
発振器10の外側に放出される。放熱用リード11から
の放熱効果をさらに高めるには、たとえば、この圧電発
振器10を実装する基板に放熱用のパターンをプリント
しておくことが考えられる。そして、実装する際に放熱
用リード11を放熱用のパターンに接触させれば、放熱
用リード11を介して熱が基板の放熱用のパターンに伝
導されるので放熱効果をいっそう高められる。
【0024】基板に接続できるように本例の圧電発振器
10に設けた放熱用リード11は、リード72と同様に
図2に示した延びた状態から、図1に示したJ字型に曲
げてある。放熱効果を高めるには幅の広い放熱用リード
11を設けることが望ましいが、幅が広いと曲げる際の
負荷によってモールド樹脂に亀裂や割れが発生する可能
性がある。そこで、本例の圧電発振器10では、放熱用
リード11のうち、モールド樹脂1から外側に出た部分
に、モールド樹脂1の縁に沿って複数の穴13を並べて
開けてある。これらの穴13が並んで成形された部分の
放熱用リード11は断面積が小さくなるのでJ字型に曲
げる際の負荷が小さくてすむ。従って、モールド樹脂1
に亀裂、割れなどの損傷を与えずに放熱用リード11の
加工が可能である。また、J字型に曲がった放熱用リー
ド11に設けられたこれらの穴13を通って空気が循環
するので、放熱用リード11の放熱効果を向上できると
いうメリットも生ずる。
【0025】この放熱用リード11には、さらに、モー
ルド樹脂1の内部に納まる部分に、モールド樹脂1の縁
に沿って延びた長穴14を開けてある。放熱用リード1
1は、上述したように幅を広く形成してあるのでモール
ド樹脂1が放熱用リード11によって上下に分割され剥
離が発生し易い状態となる。従って、本例の圧電発振器
10においては、放熱用リード11にモールド樹脂が流
れ込む穴14を開けて上下の剥離を防止している。特
に、モールド樹脂1の側面2に沿った剥離が発生しない
ように、本例の放熱用リード11には、縁に沿って延び
た長い穴14を形成し側面2に沿った一体性を高めてモ
ールド樹脂1の剥離を防止している。また、本例では、
モールド樹脂1の縁に沿った長穴14を2つに分けて放
熱用リード11としての断面積も確保し、アイランド7
1からの熱伝導も良好に行われるようになっている。
【0026】本例の圧電発振器10には、さらに、振動
子50のケース51にも放熱用リード12を取り付け、
その一方の側をモールド樹脂1の外側まで延ばして露出
させてある。振動子50に取り付けられた放熱用リード
12は、アイランド71とつながった放熱用リード11
とほぼ同じ幅の導電性板材を用いて形成されている。ま
た、モールド樹脂1に亀裂や割れ、さらに剥離などが発
生しないように、この放熱用リード12にも上記の放熱
用リードと同じ位置に複数の穴13および縁に沿って延
びた長穴14を設けてある。放熱用リード12はシリン
ダー状のケース51の周囲に接するように配置されてお
り、本例の圧電発振器10では、ケース51と放熱用リ
ード12の間に金属フィラーを含んだ熱伝導性の良い接
着剤あるいは半田15を付けて、ケース51から放熱用
リード12へ効率良く熱が伝わるようにしてある。
【0027】放熱用リード12をケース51に接触させ
たり、あるいはケース51の近傍に設けることによっ
て、ケース51あるいはケース51近傍の熱を効率良く
外部に放出できるのでケース51の温度上昇を抑制でき
る。本例のように半田や接着剤15によってケース51
と放熱用リード12を接続すると、ケース51と放熱用
リード12が点から線あるいは面で接触する。従って、
ケース51に及んだ熱を効率良く放熱用リード12に伝
導し放熱できる。この放熱用リード12の放熱効率をさ
らに高めるには、アイランド71とつながった放熱用リ
ード11と同様に、実装する基板に放熱用のパターンを
設け、そのパターンと放熱用リード12を接続すること
でできる。そして、そのパターンを接地側に接続してお
けば放熱用リード12を介してケース51が接地されシ
ールド効果も得られる。さらに、ケース51が半田や接
着剤15によって放熱用リード12に固定されているの
で、トランスファーモールド法によってモールド樹脂で
封止する際に振動子の位置を精度良く固定できるという
メリットもある。
【0028】本例の圧電発振器10は、放熱効果をさら
に得るために、振動子リード52の接続された接続用リ
ード73の一端73aを幅を広げてモールド樹脂1の外
まで延ばし露出させてある。この接続用リード73の端
73aは、図1に示すようにガルウィング状に曲げてあ
り、実装した際に基板に接触して放熱効果を向上できる
ようにしてある。また、接続用リード73を曲げる際に
モールド樹脂に損傷が発生しないように、上記の放熱用
リードと同様に必要により穴13および長穴14を設け
ても良い。
【0029】接続用リード73の一端73cには振動子
50の振動子リード52が溶接や半田によって固定され
ている。また、接続用リード73は、ワイヤーボンディ
ング線79によってICチップ60の接続用電極とも接
続されている。従って、接続用リード73を介してIC
チップ60から振動子50に熱の伝導する経路が形成さ
れていることになる。
【0030】そこで、本例の圧電発振器10において
は、接続用リード73のICチップ60と接続される側
73bを細くし、ICチップ60から接続用リード73
を通って伝導される熱量を低減している。さらに、振動
子リード52とつながる接続用リードの端73cと、I
Cチップ60と接続される端73bとの間にモールド樹
脂1の外側まで延びた放熱用の端73aを設けて、IC
チップ60から伝わった熱を放出できるようにしてい
る。また、放出用の端73aと振動子リードとつながる
端73cとの間のリードの幅を比較的広くし、振動子リ
ード52を介して振動子50に及んだ熱を放出し易いよ
うにしている。さらに、ICチップ60とつながった端
73bと放熱用の端73aの距離を、振動子リード52
とつながった端73cと放熱用の端73aの距離より長
くして伝導される熱量をさらに低減できるようにしてい
る。
【0031】このように、本例の圧電発振器10は、I
Cチップ60の取り付けられたアイランド71とつなが
った放熱用リード11と、振動子50のケース51とつ
ながった放熱用リード12を設けてあり、さらに、IC
チップ60と振動子50を繋ぐ接続用リード73にも放
熱用の端73aを設けてある。また、ICチップ60と
振動子50は並列に配置されているので、ICチップ6
0に接続された放熱用リード11は振動子50と反対側
に露出させ、また、振動子50と接続された放熱用リー
ド12はICチップ60と反対側に露出させることによ
りICチップ60からの熱影響を最小限に止めている。
従って、ICチップ60に生じた熱は、アイランド71
を介して放熱用リード11からモールド樹脂の外部に効
率良く放熱される。また、ICチップ60から振動子5
0に伝わった熱も、ケース51につながった放熱用リー
ド12によって放熱される。さらに、接続用リード73
を介して振動子50に伝導される熱も低減されている。
【0032】このように、本例の圧電発振器10は、熱
の発生源からの放熱が効率良く行えると共に、ケース5
1などを介してパッケージ内部に蓄積された熱も非常に
効率良く放出される。従って、本例の圧電発振器10
は、上記のような構造を採用することによってパッケー
ジの熱抵抗値を大幅に低下できる。熱抵抗とはパッケー
ジの発熱性あるいは放熱性を示す尺度であり、熱抵抗R
は以下の式によって求められる。
【0033】 R = (Tj − Ta)/ P ・・・・・(1) ここで、Tjは圧電発振器に内蔵されているICの接続
部(pn接続部)の温度である。また、Taは周囲温
度、Pは消費電力である。
【0034】接合部の温度Tjはある一定の測定電流IM
を流したときの順方向電圧VMCに比例する。そこで、圧
電発振器10を温度TMCの恒温槽に入れて、異なる2点
以上の温度TMCにおける順方向電圧VMCを測定し、図3
に示すVMC−TMC線図を作成する。次に圧電発振器に電
力Pを周囲温度Taで加え、圧電発振器が熱的に飽和状
態となったら一定値の測定電流IMを流しVMCを即座に
測定する。この順方向電圧VMCを用いて図3より対応す
る温度によって接合部の温度Tjを求める。なお、詳し
くは、MIL−STD−883Cによる。
【0035】このような方法によってSAW共振子を用
いた発振周波数が125MHzで最大消費電力が約0.
3Wの発振器の熱抵抗値を求めた。この発振器はリード
フレームとしてCuフレームを用いており、プラスチッ
クパッケージの容積は約0.5ccである。先に説明し
た放熱用リードを持たない従来の圧電発振器において
は、熱抵抗値Rは約145°C/Wである。これに対
し、本例の放熱用リードを持った圧電発振器において
は、熱抵抗値Rが約100°C/Wに低下する。従っ
て、本例の構造を採用することによって従来の約70%
にパッケージの熱抵抗値を低減できることが判る。同時
に、本願発明者によって熱伝導解析ソフトウェアを用い
たシミュレーションか行われており、本例の圧電発振器
によって、従来と比較し内蔵された圧電素子近傍の温度
が約5°C程度低くなる結果が得られている。
【0036】圧電発振器の熱抵抗を小さくすることによ
って、その圧電発振器に搭載されたICチップ等の半導
体集積回路装置からの熱を効率的に放出することができ
る。従って、圧電発振器内の温度上昇を抑制し小型化、
薄型化された圧電発振器を実現できる。また、高周波帯
の発振器においては、半導体集積回路装置からの発熱が
増加する傾向となるが、半導体集積回路装置の温度上昇
を抑制できるので、電極や半導体集積回路装置の損傷や
劣化を防止でき、また、半導体集積回路装置の動作信頼
性も確保できる。さらに、圧電発振器に収納された振動
子に対する熱影響も抑制できるので、振動子の異常な周
波数変動を防止でき、また、長期信頼性も確保できる。
このように、上記に示した圧電発振器は、ICチップの
熱負荷が上がっても高い信頼性を確保できるので、近年
開発が進んでいるSAW共振子などを用いた高周波帯の
圧電発振器として好適なものである。そして、低熱抵抗
で高信頼性の高周波対応の圧電発振器を提供できる。
【0037】本例の圧電発振器10においては、ワイヤ
ーボンディング線を用いてICチップ60の熱をさらに
効率良く逃がすことができる。ICチップ60の電極と
リードとを接続するワイヤーボンディング線は導電体で
あり、熱伝導率も非常に高い。従って、電極とアイラン
ド71あるいは放熱用リード11を接続することによっ
て、ICチップ60の電極61の設けられた面からも放
熱を促すことができる。放熱を促進するためにはワイヤ
ーボンディング線の数を増すことが望ましい。そこで、
本例の圧電発振器10では、ICチップ60にダミーの
電極62を設け、これらの電極62とアイランド71を
ワイヤーボンディング線79によって接続して放熱を促
している。
【0038】さらに、本例の圧電発振器10では、IC
チップ60の発振周波数の制御を制御用の電極63と接
地状態のアイランド71とを接続することによって行っ
ている。また、発振周波数が高くなるに連れて、アイラ
ンド71に接続される電極63が増加するようにICチ
ップ60を構成し、発熱量が増加する高周波帯における
放熱を促進できるようにしている。このような構成のI
Cチップ60として、たとえば図4に示したPLL用I
Cがある。
【0039】図4に示したPLL用IC60は、3つの
プログラマブルデバイダ(PD)81、82および83
によって周波数の決まったクロック信号を供給できるも
のである。振動子50に接続された基準クロック信号を
供給する発振部84からの信号が第1のPD81に入
り、このPD81によって分周された信号が位相比較器
85に入力される。位相比較器85では、第1のPD8
1からの信号と、電圧制御発振回路(VCO)87の出
力を第2のPD82によって分周した信号とが比較され
る。そして、位相比較器85の出力はローパスフィルタ
86によって高周波成分がカットされVCO87に入力
される。VCO87の出力は、さらに第3のPD83に
よって分周され出力部88によってIC60から出力さ
れる。このような回路によって発振部84から供給され
た基準クロック信号が逓倍され、所定の周波数のクロッ
ク信号として出力される。これら3つのPD81、82
および83の分周率は、デコーダー89によって制御さ
れる。デコーダー89は、それぞれのPDの分周率を記
憶したPROMを備えており、外部から状態を変えられ
るS0〜S2の3つの制御端子63によって所望の周波
数のクロック信号を出力できるようになっている。
【0040】図5に、制御端子S0〜S2の状態と、そ
れによってPLL用IC60から出力される周波数を表
にして示してある。本図にて判るように、制御端子S0
〜S2がすべて高レベル「1」、すなわち、制御端子S
0〜S2がすべてオープンの状態で出力周波数が最も低
くなるように設定されている。これに対し、制御端子S
0〜S2がすべて低レベル「0」、すなわち、制御端子
S0〜S2がすべて接地された状態で周波数が最も高く
なるように設定されている。従って、本例のPLL用I
C60においては、最も高い周波数で動作するときに、
図2に示すように、すべての制御端子63がワイヤーボ
ンディング線79によってアイランド71に接続された
状態となる。従って、高周波帯のPLL用IC60の発
熱量が増えた状態では、ICチップ60とアイランド7
1を接続するワイヤボンディング79の数も増加し、I
Cチップ60からの放熱が促進されるようになってい
る。ICチップ60は、上記のようなPLL機能によっ
て動作用のクロック信号を生成すると共に、計時を行う
リアルタイムクロック機能を備えたリアルタイムクロッ
ク用のICであってももちろん良い。また、PLL回路
を備えていないCMOSタイプの発振回路等で構成され
た分周機能を有する半導体集積回路装置などであっても
良い。
【0041】(実施例2)図6に、本発明の実施例2に
係る圧電発振器10を外側から見た様子を示してある。
また、図7に本例の圧電発振器10の内部の配置を上方
から見た様子を示してある。これらの図から判るよう
に、本例の圧電発振器10は、上記の実施例と同様に振
動子50とICチップ60とを並列に配置してモールド
樹脂によって成形した発振器であり、共通する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略する。
【0042】本例の圧電発振器10は、放熱用のリード
11および12の露出した部分を折り曲げずにそのまま
延ばしてある。本例のように放熱用リード11および1
2は延ばしたままの状態であっても十分に放熱効果を得
ることができる。このため、本例の圧電発振器10にお
いても、ICチップ60で発生した熱を効率良く逃が
し、モールド樹脂内の温度上昇を抑制し、さらに、振動
子50の温度上昇を低減するといった効果が得られる。
上記の実施例と同様に放熱用リード11および12に複
数の穴を並べて開けておき、空気の循環によって放熱効
果を高めることもできる。
【0043】本例の圧電発振器10においては、振動子
リード52とつながった接続用リード73を切断部73
gを除きモールド樹脂1の外に露出させないようにして
いる。圧電発振器10の実装環境およびICチップ60
の特性によっては、接続用リード73をモールド樹脂1
の外に露出させると、ICチップ60に発振停止などの
湿度の影響が現れることがありうる。そこで、本例の圧
電発振器10においては、振動子リード52と接続した
接続リード73を切断部73gを除き外部に露出させな
いようにして環境湿度の変化に対してもゲートGとドレ
インD間の絶縁性を確保し、安定した周波数で発振でき
るようにしている。接続用リードをモールド樹脂から露
出させない代わりに、モールド樹脂1の縁に沿った表面
近傍に広い放熱領域73dを設け、この放熱領域を薄く
覆ったモールド樹脂1を介して放熱するようにしてい
る。この放熱領域73dを含む部分のパッケージの厚み
は、振動子を含む部分のパッケージの厚みより薄くでき
る。そして、この放熱領域73dは、ICチップ60と
接続した端73bと、振動子リード52と接続した端7
3cとの間に設けてあるので、ICチップ60からの熱
は放熱領域73dで放熱され、振動子50への影響を小
さくなる。
【0044】また、ICチップ60からの熱影響をでき
るだけ少なくするために、ICチップ60の電極と接続
した端73bと放熱領域73dの間のリード73を円形
にカットした領域16や、くびれた状態にカットした領
域17を設けてある。これらのリードをカットした領域
16および17の部分はリード73の断面積が小さくな
るので伝導される熱量も低減される。従って、ICチッ
プ60の発熱による振動子50への影響をさらに小さく
することができる。
【0045】(実施例3)図8に本発明に係る圧電発振
器の内部の構成を上から見た様子を示してあり、図9に
その構造を断面を用いて示してある。本例の圧電発振器
10も上記の実施例と同様にシリンダー状のケース51
を備えた振動子50とICチップ60が並列に配置さ
れ、モールド樹脂1によってほぼ方形に封止された圧電
発振器である。なお、上記の実施例と共通する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略する。
【0046】本例の圧電発振器のリードフレーム70の
アイランド71の一方の面、すなわち、図9の上側の面
71aには導電性接着剤などによってICチップ60が
マウントされており、ICチップの表面に用意された電
極はワイヤーボンディング線79によってアイランドや
その他の所定のリードに接続されている。本例のリード
フレームには、さらに、アイランド71の他方の面、す
なわち、ICチップ60のマウントされた面71aと反
対側の面71bに放熱板18が接続されている。
【0047】この放熱板18は、Cu合金等の熱伝導性
の良い材料で形成された少なくとも1つ以上の部材から
構成されており、一方の端、あるいは面18aがアイラ
ンドの面71bに接触しており、他方の端、あるいは面
18bがモールド樹脂1から露出している。放熱板18
は半田や熱伝導性の良い接着剤でアイランド71に取り
付けても良いが、本例では、アイランド71と接触する
放熱板の面18aをアイランドの面71bとほぼ同じ平
面状に仕上げ、トランスファーモールドする際に放熱板
18をアイランド71に密着させるようにして良好な熱
伝導を得ている。この放熱板18をアイランド71に取
り付けることによってアイランド71からモールド樹脂
1の外側に露出する部分が形成されるので、上記の実施
例と同様にICチップ60で発生した熱を効率良く放出
することができる。
【0048】ICチップ60とほぼ並列して配置された
本例の振動子50は、シリンダー状のケース51を備
え、このケース51内に矩形状のAT水晶片等の圧電素
子53を収納している。そして、本例の圧電発振器10
においては、ケース51の下方の面に上記の放熱板18
とほぼ並列するように放熱板19を取り付けてある。放
熱板19は放熱板18と同様に熱伝導性の良い素材によ
って形成された1つあるいはそれ以上の部材から構成さ
れており、その一方の面19aはシリンドリカルなケー
ス51に密着するように湾曲になっている。また、他方
の面19bは、モールド樹脂1から外部に露出してい
る。この放熱板19によってケース51からモールド樹
脂1の外部に露出した放熱用の部分が形成されている。
従って、上記の実施例と同様にケース51に伝導された
熱は放熱板19を介して外部に効率良く放熱されるの
で、ケース内に封止された圧電素子53への熱影響を抑
制できる。
【0049】本例の圧電発振器10においては、さら
に、ICチップ60の上方のスペースを利用してヒート
シンク90を取り付けてある。すなわち、振動子のケー
ス51の厚みは現状ではどんなに小さくてもほぼ2mm
程度は必要である。これに対し、ICチップ60の厚み
は1mm以下、たとえば0.4mm程度である。従っ
て、アイランド71にマウントされた状態でもICチッ
プ60の上方にモールド樹脂1が厚く充填された空間が
形成される。そこで、本例の圧電発振器10において
は、この空間にヒートシンク90を取り付け、モールド
樹脂1内の熱、特に、ICチップ60から上方に伝導さ
れた熱を外部に放出できるようにしている。また、図9
でも判るように、ヒートシンク90をモールド樹脂1に
よって成形されたパッケージの側面2から振動子のケー
ス51の近傍まで延ばしてあり、ケース51からの放熱
も同時に行えるようにしている。
【0050】図10に、ヒートシンク90の取り付けら
れた本例の圧電発振器10の外観を示してある。本例で
は、トランスファーモールドする際にICチップ60の
上方の空間が凸になった金型を用いて成形し、モールド
樹脂1によってほぼ方形に成形された圧電発振器1の外
面に凹んだ部分3を形成する。そして、この凹んだ部分
3にアルミニウムなどの金属で形成した広い放熱用の面
91を備えたヒートシンク90を熱伝導性の良い接着剤
等で固定する。このように本例の圧電発振器10におい
ては、ICチップの上方の空間で従来モールド樹脂によ
って埋められていた空間にヒートシンク90を装着する
ことによって放熱効果を高めている。従って、ヒートシ
ンク90を取り付けても圧電発振器1が大きくなること
はなく、小型、薄型で放熱効果の高い圧電発振器を実現
できる。また、従来、モールド樹脂によって埋められて
いた空間を削減できるので、熱の蓄積される部分を低減
できる。
【0051】図11に、本例の圧電発振器をトランスフ
ァーモールド型100を用いて成形する様子を示してあ
る。トランスファーモールド型は上方の金型101と下
方の金型102から構成されており、それぞれに圧電発
振器10をパッケージングする凹み103および104
が設けられている。下方の金型102の凹み104に
は、放熱板18および19を所定の位置に固定するピン
105および106が設けられている。このピン105
および106を設けることによって放熱板の位置決めを
容易に行え、また、モールド時の樹脂の注入圧によって
放熱板が移動したり、傾くなどのトラブルを未然に防止
できる。本例においては、放熱板をアイランド71ある
いはケース51と熱接触を確保できるようにモールド樹
脂によって固定する必要があるので、本例のトランスフ
ァーモールド型のように放熱板の位置決めが精度良く行
えるものが望ましい。ピン以外に、放熱板の位置を精度
良く保てるようにトランスファーモールド型に凹凸を付
けるなどの方法を採用してももちろん良い。
【0052】また、上方の金型101の凹み103に
は、ヒートシンクを設置する凹み3を形成する凸部10
7が設けられている。このようなトランスファーモール
ド型100に振動子50およびICチップ60の実装さ
れたリードフレーム70と、放熱板18および19をセ
ットし、リードフレームの外側を残してトランスファー
モールドによりプラスチックパッケージ本体に樹脂モー
ルドする。モールドしたのち、リードフレームのインナ
ーリードなどを接続するタイバー等を切断除去し、プラ
スチックパッケージから突出したアウターリードの部分
を曲げ加工する。さらに、上述したヒートシンク90を
接着などによって固定することによってSOJパッケー
ジ形状の発振器が得られる。
【0053】本例の圧電発振器は、ICチップ60から
発生した熱を主に逃がす放熱板18と、振動子のケース
51から振動子に伝わった熱を主に逃がす放熱板19
と、さらに、ICチップの上面からモールド樹脂のパッ
ケージに蓄積された熱を主に逃がすヒートシンク90の
3つの手段を設け、圧電発振器に発生した熱を積極的に
放出できるようにしている。本例の圧電発振器は、これ
らの放熱板およびヒートシンクを設けることによって、
実施例1で詳述したように熱抵抗値を従来に比ベ50〜
70%程度に低減できることが実験等によって確認され
ている。従って、ICチップのジャンクション温度も低
下しチップの信頼性は非常に高い。また、振動子の周波
数変動も抑制され、長期信頼性も確保される。
【0054】放熱板あるいはヒートシンクといった手段
から放出される熱は、上述した実施例の放熱用リードな
どから放出される熱と同様にそれぞれの大きさ、材料等
によって自由に調整できる。従って、ICチップ、振動
子などの熱管理を個別具体的に行える。このため、それ
ぞれの素子の発熱量、あるいは外部温度の変動などによ
る影響を考慮した最適な熱管理の基で設計された圧電発
振器を提供することができる。もちろん、放熱板の代わ
りにヒートシンクを取り付けることも可能であり、この
逆も可能である。また、放熱板の数量はICチップおよ
び振動子の各々に対応した数に限定されることはなく、
それぞれの素子に複数の放熱板を設け、放出される熱量
を素子の場所などによって調整すること可能である。ま
た、ICチップおよび振動子に共通する放熱板を設けて
ももちろん良い。
【0055】(実施例4)図12に、本発明の実施例4
に係る圧電発振器20の内部の配置を上から見た様子を
示してあり、図13に側面から見た様子を示してある。
本例の圧電発振器20は、ICチップ60、リードフレ
ーム70および振動子50がこの順番に図13の下方か
ら積層され、モールド樹脂1によってほぼ方形に封止さ
れた圧電発振器である。この圧電発振器20において
も、ICチップ60がアイランド71に導電性接着剤な
どによって固定されており、チップ60の電極61と各
リードは上記の圧電発振器10と同様にワイヤーボンデ
ィング線79によって接続されている。そこで、上記の
実施例と共通する部分については、同じ符号を付して説
明を省略する。
【0056】本例の圧電発振器20は、振動子のケース
51がアイランド71のICチップ60のマウントされ
た面71aと反対側の面71bにマウントされている。
そして、アイランド71の両側につながったリードフレ
ームの吊りピン部74aおよび74bのICチップのマ
ウントされた面71aの側に2つの放熱板21aおよび
21bを接続してある。従って、アイランド71を介し
てICチップ60に発生した熱が効率良く放熱され、I
Cチップ60の温度上昇を抑制できる。また、振動子5
0の側に伝わる熱量も低減されるので、振動子50の熱
影響も少なくなる。
【0057】本例の圧電発振器20は、ICチップ60
と振動子50が積層されたタイプなので基板に実装する
際の面積が少なくて済む。しかしながら、発振器全体が
厚くなるのでICチップ60と振動子50との距離か確
保できず、振動子は比較的熱の影響を受けやすい状況に
ある。そこで、本例の圧電発振器20においては、上記
のように吊りピン部74aおよび74bに放熱板21a
および21bを設けることにより、パッケージの厚みを
増やさずにICチップ60からの熱を積極的に逃がし、
振動子50に対する熱影響を抑制するようにしている。
ICチップ60と振動子50は図13に示した順番と逆
に配置してももちろん良い。しかし、本例のように吊り
ピン部74aおよび74bから基板に接触する面に放熱
板を露出させれば、基板に放熱用のパターンを設けるこ
とによってさらに放熱効果を高めることができる。な
お、放熱板の数量および位置は本例に限定されないこと
はもちろんである。
【0058】(実施例5)図14に本発明の実施例5に
係る圧電発振器20の内部の配置を上方からみた様子を
示してあり、図15に側方から見た様子を示してある。
本例の圧電発振器20は、リードフレーム70、ICチ
ップ60および振動子50をこの順番で積層し、モール
ド樹脂によって封止したものである。なお、振動子5
0,ICチップ60の構成等は上記の実施例と同様に共
通する部分については同じ番号を付して説明を省略す
る。
【0059】本例のリードフレーム70は、ICチップ
60をマウントする平板状のアイランド71が、その両
サイドの吊りピン部74に対し図15の上下方向にずら
した位置となるようにプレス加工してある。このディプ
レス量hはICチップ60の厚みt以上となるように設
定されており、たとえば、ICチップ60の厚みtが
0.4mmの場合は、ディプレス量hを0.5mm程度
に設定してある。このように寸法を設定すると、振動子
50のシリンダー状のケース51はリードフレーム70
の吊りピン部74に接するように配置されるので、ケー
ス51の表面とICチップ60の表面との間に0.1〜
0.15mm程度の隙間22が開く。この程度の隙間2
2を設けておくと、振動子50とICチップ60との短
絡を防止できる。また、充填時にモールド樹脂がこの隙
間22を通って流れるので、充填性が良くなる。
【0060】本例の圧電発振器20においては、リード
フレーム70、ICチップ60および振動子50をこの
順番で積層することによっていくつかのメリットが得ら
れる。まず、リードフレーム70のアイランド71の裏
面71bをモールド樹脂1の外側に露出させることがで
きる。リードフレーム70をICチップ60と振動子5
0との間に配置するのではなく、ICチップ60に対し
振動子50と反対側に配置することによって、その一部
をモールド樹脂1から露出させることができる。
【0061】すなわち、リードフレーム70の両側にI
Cチップ60と振動子50をそれぞれ配置するのではな
く、リードフレーム70の一方の側にICチップ60と
振動子50を配置することによってリードフレーム70
の他の側をモールド樹脂1から外に出すことができる。
本例では、アイランド71が振動子50およびICチッ
プ60の配置された方向と逆方向にデイプレスされてい
るので、ICチップのマウントされた面71aと反対側
の裏面71bが露出する。そして、アイランドの面71
aにICチップ60は導電性の接着剤などによって固定
されているので、裏面71bを露出させることによって
効率良くICチップ60に発生した熱を放出できる。ま
た、本例の圧電発振器20では、基板と接する側にアイ
ランドの裏面71bを露出させてあるので、たとえば基
板に放熱用のパターンを成形するなど、基板を用いて放
熱効果を高めることも可能である。このように、本例の
圧電発振器によって、小型で放熱効果が高く温度上昇の
少ない圧電発振器20を実現できる。
【0062】さらに、本例の圧電発振器20は、ICチ
ップ60の表面のうち、電極61の配置された面64の
上の空間23に振動子50を配置してある。従って、電
極とリードをワイヤーボンディングする空間23が振動
子50を設置するための空間としても使用できるので、
圧電発振器全体の厚みを低減できる。ICチップ60と
振動子50を積層したタイプの圧電発振器20は、実装
面積は小さくて済むのに対し、基板上に十分な高さが必
要であった。これに対し、本例の圧電発振器20では、
圧電発振器20を薄くできるので、基板上のクリアラン
スも小さくてすみ、実装に必要な空間を低減できる。特
に、本例の振動子50はシリンダー状のケース51を備
えており、ICチップ60の表面64には、ケース51
の長手方向に沿って電極61を配置してある。従って、
電極とリードとの配線スペースとしてケース51の湾曲
した側面とICチップの表面との隙間を用いることが可
能となり、このスペースにケース51から適当な間隔を
有するループ形状に配線することができる。間隔は、た
とえば0.2mm程度以上が望ましく、これによって、
短絡の発生する危険のないコンパクトな圧電発振器を提
供することかできる。
【0063】また、本例の圧電発振器20においては、
振動子のケース51がリードフレームの吊りピン部74
によって支持され、さらに、このリードフレーム70は
モールド樹脂1の外側に露出するアイランドの裏面71
によって外部から支持される。従って、トランスファー
モールド中に振動子50の位置を精度良く決めることが
できる。
【0064】本例の圧電発振器20は、さらに、振動子
とICチップがリードフレームの同じ側に配置されてい
るので、製造工程がシンプルとなり歩留りのよい製造が
可能となる。また、製造コストの低減も可能となる。
【0065】図16および図17に、本例の圧電発振器
20を製造する際に用いられるトランスファーモールド
型100の例を示してある。このトランスファーモール
ド型100は、先に説明した金型と同様に上方の金型1
01と下方の金型102に分離されており、それぞれに
圧電発振器20の外観を決める凹んだ部分103および
104が形成されている。振動子のケース51は、その
先端および振動子リード側をリードフレームの吊りピン
部74aおよび74bに支持された状態で下方の金型1
02にセットされる。上方の金型101の凹んだ部分1
03には、ケース51と接触する箇所にピン107およ
び108を設けてある。従って、上方の金型101を下
方の金型102の上にセットすると、振動子のケース5
1は、上下からピン107、108および吊りピン部7
4a、74bによって挟まれた状態となる。さらに、吊
りピン部74aおよび74bは下方の金型102と接し
たアイランド71から圧力がかかる。このため、振動子
のケース51は上下の金型101および102によって
挟み込まれた状態となり金型100の所定の位置に固定
される。これとは逆に、アイランドの裏面71bは振動
子のケース51を介して上方の金型101によって下方
の金型102に押しつけられる。従って、アイランドの
裏面71bは金型102の面に密着され、モールド樹脂
がその間に流れ込まないので、確実にモールド樹脂から
裏面71を露出させることができる。さらに、金型10
2の凹み104にアイランドの裏面71bによって覆わ
れるような穴を設けておけば、金型102の表面とアイ
ランドの裏面71bはモールド樹脂め圧力の作用によっ
て確実に接触する。このため、注入されたモールド樹脂
がアイランドの裏面71bにまで回り込むことは完全に
防止できる。
【0066】金型101に設けられたピン107および
108の先端は、シリンダー状のケース51の表面に合
わせて湾曲した形状にすることも可能であり、これによ
ってさらに水平方向の位置精度を高められる。このよう
にトランスファーモールド型100の中で、振動子50
の位置は非常に精度良く決まる。従って、振動子50を
カバーするモールド樹脂は、ケースの位置のずれなどを
考慮した厚みとする必要はなく、必要最小限の厚みにで
きる。本例では、たとえば、ケース51の上方の最小厚
みがモールド樹脂の充填性を考慮した約0.15mmと
なるように設定でき、ケース51の外側に非常に薄いモ
ールド樹脂の膜が作られる。
【0067】このように、本例の圧電発振器20では振
動子のケース51を覆うモールド樹脂が非常に薄いの
で、圧電発振器全体の高さを、たとえば2.7mm程度
と低くすることができる。また、薄い膜状のモールド樹
脂によって覆われているだけなので放熱効果も良く、I
Cチップからの熱影響も少なくなる。
【0068】図18に、本例の圧電発振器20の外観を
示してある。本例のモールドされた圧電発振器20の上
面26には、ケース51の表面まで貫通した穴24と凹
み25が表れる。これらの穴24および凹み25は、モ
ールド型に形成されたピン107および108の跡であ
る。穴24の直径は約0.6mm程度である。また、凹
み25は、圧電発振器20の一番ピンの位置を示す一番
ピンマークとしても利用される。本例の圧電発振器20
の側面2から突出したリードの先端75は、ガルウィン
グ状に曲げられておりSOPタイプの14ピンのパッケ
ージとなっている。
【0069】図19に、ICチップ60とつながった接
続用リード73に、振動子の振動子リード52を接続す
る様子を示してある。本例の接続用リード73の振動子
リード52とつながる部分73cには銀メッキ27が施
されており、振動子リード52と接続用リード73は抵
抗スポット溶接によって接続される。抵抗スポット溶接
では、クロム鋼などの高導電性の電極28で接続用リー
ドの接続端73cと振動子リード52とを上下からサン
ドイッチ状態に挟み込み、大電流を流して金属を溶接す
る。本例の接続用リードの端73cには表面に数μm程
度の銀メッキ27が施されているので、溶接界面におけ
る電流密度が安定し爆飛等の溶接不良のない良好な溶接
が可能となる。これは特に接続用リード73を構成する
Cu合金系リードフレームと、振動子リード52を構成
する鉄合金系リードといった異種金属の溶接に効果があ
る。接続用リード73に施す銀メッキは、他のリードフ
レームのワイヤーボンディングを行う箇所(2ndボン
ディング部)に銀メッキを施すときに同時に行える。す
なわち、リードフレーム70のワイヤーボンディングを
行う位置と、接続用リードの接続端73cとは同じ面に
あるため、同一プロセスで銀メッキ加工が行える。従っ
て、製造コストの上昇や工数を増やすことなく接続用リ
ード73に銀メッキを行え、振動子とリードの接続点の
信頼性を高めることができる。これによって、品質の高
い圧電発振器を提供することができる。
【0070】図20に、振動子50を基板に実装する側
に配置した本例の圧電発振器20の構成を側方から見た
状態を示してある。この圧電発振器20においては、ア
ウターリード75の曲げ方向を上記の圧電発振器とは逆
に振動子側にしてある。従って、この圧電発振器20を
実装すると、アイランドの裏面71bは基板の表面に表
れるので、基板に熱を流さなくとも高い放熱効果が得ら
れる。
【0071】図21および図22に、QFP(Quad
Flat Packages)形状をした本例の圧電
発振器20の例を示してある。本例のように、シリンダ
ー状のケース51を対角線に沿って配置することによっ
てICチップ60と振動子50をコンパクトに纏めて小
型化されたQFP形状の圧電発振器20を提供すること
ができる。本例の圧電発振器20でも、リードフレーム
70,ICチップ60および振動子50がこの順番に積
層され、アイランド71の裏面が露出しているので、高
さが低くコンパクトで放熱性の良い、すなわち、熱抵抗
値の小さな圧電発振器20を実現できる。この他にも、
QFJ(Quad Flat J−1ead Pack
ages)形状の圧電発振器や、SOJ(Small
Outline J−lead Packages)形
状の圧電発振器など他の形状のパッケージング化された
圧電発振器を提供することができ、これらの高さはほぼ
2.7mmと非常に薄くすることができる。
【0072】(実施例6)図23および図24に、本発
明の実施例6に係る圧電発振器10および20の構成を
横から見た様子を示してある。図23に示した圧電発振
器10は、振動子50とICチップ60が並列に配置さ
れ、アウターリード75がJ字型に曲げ加工されたSO
Jタイプの圧電発振器である。また、図24に示した圧
電発振器20は、リードフレーム70,ICチップ60
および振動子50がこの順番で積層され、アウターリー
ド75がガルウィング状に曲げ加工されたSOPタイプ
の圧電発振器である。これらの発振器10および20の
主な構成は上述した実施例においてすでに詳述している
ので、共通する部分に同じ符号を付して説明を省略す
る。
【0073】これらの本例の圧電発振器10および20
においては、シリンダー状の振動子50のケース51の
上方がモールド樹脂1から露出している。本例の圧電発
振器10においては、ケースの露出した部分55は、ケ
ースの円周状の断面のほぼ1/3程度以内に止めてあ
り、振動子リードがモールド樹脂から露出したり、ある
いはケース51がモールド樹脂から外れるなどのトラブ
ルを未然に防止している。本例のケース51は、銅−ニ
ッケル−亜鉛合金で形成されており、図23に示したS
OPタイプの圧電発振器10では、露出したケースの面
55にニッケルメッキを施してある。露出したケースの
面55にニッケルメッキを施すことによって、半田が間
違って付着することを防止できる。従って、リフロー炉
などの中で半田が溶けて飛散してもケースの面55に付
くのを防ぐことができる。リフロー炉などの中で半田が
付着し、実装後に外れると、短絡などの原因となり装置
の信頼性に影響を与えるが、本例のように半田が付かな
いようにしておけば、このようなトラブルは未然に防止
できる。
【0074】さらに、図24に示した振動子の露出した
面55には放熱用のフィン95を導電性の接着剤などを
用いて取り付けてある。従って、ケース51に伝わった
熱量を効率的に放出することができる。これら本例の圧
電発振器10および20は、振動子のケースの一部をモ
ールド樹脂の外側に露出させている。従って、ICチッ
プ60からケース51に伝わった熱はもちろんのこと、
モールド樹脂内に蓄積された熱もケース51を介して放
熱できる。従って、ケース51内部に設けられた水晶振
動子、SAW共振子への熱影響を抑制することができ
る。
【0075】(実施例7)図25に、本発明の実施例7
に係る圧電発振器30を示してある。本例の圧電発振器
30は、セラミック製のパッケージ31にICチップ6
0と水晶振動子あるいはSAW共振子といった圧電素子
53が格納され、金属製もしくはセラミック製のカバー
39で封止されたものである。図25(a)は、カバー
39と圧電素子53を取り除いた状態でパッケージ31
内の配置を上方からみた様子を示してあり、図25
(b)および(c)はパッケージ31内の配置を側方か
らみた様子を示してある。本例のパッケージ31の内部
は2層に別れており、パッケージ31の底面32に当た
る第1層にICチップ60が設置されている。また、こ
のICチップ60よりも高い位置にパッケージと同様の
セラミックあるいは他の絶縁材によって段部33が形成
されており、この段部33の上面34が圧電素子53の
設置された第2層となっている。
【0076】パッケージ31の第1層にあたる底面32
には、印刷によってメタライズされたアイランドパター
ン76が形成されており、このアイランドパターン76
の上にICチップ60が導電性の接着剤などによって固
定されている。このアイランドパターン76は、図25
(c)に示すようにパッケージ31の両側壁31aおよ
び31cを貫通してパッケージ31の側面35から露出
しており、さらに、このアイランドパターン76はパッ
ケージの側面35に用意された複数のターミナル77の
いくつかと接続されている。従って、ICチップ60で
発生した熱はアイランドパターン76によってパッケー
ジの側面35まで導かれ放熱される。さらに、アイラン
ドパターン76はターミナル77との接続しているの
で、このターミナル77を実装時に基板に用意された放
熱用のパターンと接続することができる。これにより、
ICチップ60において発生した熱は、ターミナル77
から基板へと流れ効率良く放熱される。パッケージの底
面32に設けられたアイランドパターン76は、印刷方
式で形成できるので広いパターンを容易に得ることがで
きる。もちろん、金属箔を用いてパターンを形成しても
良く、パターンの製造方法は上記のものに限定されな
い。
【0077】底面32には、アイランドパターン76の
他に、側面のターミナル77とつながった入出力用のリ
ードパターン78も印刷等によって形成されており、I
Cチップの電極61とこれらのパターン78はワイヤー
ボンディング線79によって接続されている。
【0078】さらに、第2層に設置された圧電素子53
とICチップ60を接続するための接続用リードパター
ン38が底面32から第2層34にわたって形成されて
いる。本例の圧電発振器30では、圧電素子53とIC
チップ60の接続用に2本の接続用リードパターン38
がパッケージの段部33に用意されている。接続用リー
ドパターン38は、第1層32に形成されたICチップ
60と接続するための幅の広いパターン38aと、圧電
素子53と接続するために第2層34に形成された幅の
広いパターン38bを有し、これらのパターン38aお
よび38bを段部33の中を貫通する細い導電パターン
38cによって接続している。従って、ワイヤボンディ
ング線79を介してICチップ60からパターン38a
に熱が伝導されても、細い導電パターン38cによって
第2層のパターン38bには熱が伝わり難いようになっ
ている。
【0079】本例のセラミックパッケージにICチップ
および圧電素子の封止された圧電発振器30において
は、ICチップからの発熱がアイランドパターン76を
介してパッケージの外に効率良く放出され、また、圧電
素子53には細い導電路38cによって熱が伝導され難
くなっている。従って、発振周波数が高くICチップか
らの発熱の大きな圧電発振器であっても、ICチップの
温度上昇を低く抑えることができ、また、圧電素子に対
する熱の影響も防止することができる。このように、本
例の圧電発振器30はセラミックパッケージ内にICチ
ップ等の半導体集積回路装置とSAW共振子等の圧電素
子を封止しコンパクトにまとめられた発振器であり、さ
らに、高周波対応の半導体集積回路装置の発熱に対して
も高い性能を保持し、長期信頼性を維持できるものであ
る。
【0080】(実施例8)図26に上記の実施例と異な
るセラミックパッケージを用いた本発明の実施例に係る
圧電発振器30を示してある。図26(a)は、カバー
39と圧電素子53を取り除いた状態でパッケージ31
内の配置を上方からみた様子を示してあり、図26
(b)および(c)はパッケージ31内の配置を側方か
らみた様子を示してある。本例の圧電発振器30は、I
Cチップ60の設置されたパッケージ底面の第1層32
と、段部33の上に圧電素子53の設置された第2層と
の間にリードパターン78および38の形成された第3
の層36を設けてある。すなわち、本例のセラミック製
のパッケージ31の側壁には、二つの段よりなる段部3
3が設けてあり、その中間段の表面を第3層36として
用いている。
【0081】本例の圧電発振器30においては、入出力
用および接続用のリードパターン78および38を形成
するためにICチップ60の設置された第1層32と異
なる層である第3層36を用いている。従って、第1層
32にリードパターン用のスペースを確保する必要がな
いので、アイランドパターン76を自由な形状に形成す
ることができる。たとえば、アイランドパターン76を
第1層の四方いずれの方向にも延ばすことが可能であ
り、側壁31a〜dのすべてを貫通して側面に露出さ
せ、大きな放熱効果を得ることができる。本例では、接
続パターン38に間接的に伝導される熱による圧電素子
53への影響をできるだけ避けるように、接続パターン
38の形成された側壁31dの方向にはアイランドパタ
ーン76を伸長させず、他の3方の壁面を貫通して高い
放熱効果を得るようにしている。
【0082】さらに、本例の圧電発振器30において
は、入出力パターンや接続パターン用の層を別個に設け
てあるので、これらのパターンのデザインが行い易く、
ICチップの電極配置にマッチしたパターンを作成でき
る。また、ICチップのダミーの電極62を設け、これ
らとアイランドパターン76とを1つあるいは複数のボ
ンディングワイヤーで接続し、ICチップの電極側の温
度上昇を抑制することもできる。ダミーの電極の代わり
にアイランドパターンを基板の電源側と接続し、さらに
ICチップの電源用の電極とボンディングワイヤーで接
続しても良い。アイランドパターン76は面積が広く電
源ラインのインピーダンスを低くできるので、電源供給
側に余裕を設けることができる。もちろん、アイランド
パターン76を接地側とすることも可能であり、図2に
基づき説明したようにICチップ60の制御電極と接続
しても良い。
【0083】
【発明の効果】以上の実施例に基づき説明したように、
本発明の圧電発振器は、ICチップなどの半導体集積回
路装置で発生した熱を圧電発振器の外側へ効率良く逃が
すことができる。また、半導体集積回路装置と同一にパ
ッケージされた振動子や圧電素子へ伝導される熱を最小
限に止められるようになっており、さらに、振動子のケ
ースなどからも圧電発振器の外部に放熱できるようにな
っている。このように本発明によって小型・薄型化が可
能でさらに熱抵抗が低く、熱による障害か発生しにくい
圧電発振器を実現し、安価に提供することができる。さ
らに、本発明に係る圧電発振器によって温度上昇や動作
の安定性などといった問題を解決することができるの
で、SAW共振子などの高い周波数で安定した発振を得
られる圧電素子を用いて圧電発振器を構成することがで
き、100〜500MHzといった高周波帯の信号を供
給する小型の圧電発振器を現実的に提供することが可能
となる。なお、上記にて様々な実施例を用いて本発明を
詳述しているが、上記の実施例に限定されるものではな
く、請求の範囲の記載に基づいて本発明はさまざまに変
形できる。また、本発明に係る圧電発振器は上記の実施
例で説明した組み合わせに限定されるものではなく、様
々に組み合わせて実現することができる。
【0084】本発明の圧電発振器は、電子機器にクロッ
ク信号を供給するデバイス、また、リアルタイムクロッ
クモジュールや、PLLモジュールなどの複合機能を備
えた表面実装デバイスに関し、今後、小型化、高速化の
進む電子機器に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る圧電発振器の外観を示
す斜視図である。
【図2】図1に示す圧電発振器の内部の配置を上方から
見た図である。
【図3】図1に示す圧電発振器の熱抵抗値を求めるため
のグラフである。
【図4】図1の圧電発振器に用いられているPLL用I
Cの構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したPLL用ICの発振周波数の選択
方法を示す表である。
【図6】本発明の実施例2の圧電発振器の外観を示す斜
視図である。
【図7】図6に示す圧電発振器の内部の配置を上から見
た図である。
【図8】本発明の実施例3の圧電発振器の内部の配置を
上から見た図である。
【図9】図8に示す圧電発振器の断面を示す図である。
【図10】図8に示す圧電発振器の外観を示す斜視図で
ある。
【図11】図8に示す圧電発振器をモールドする様子を
示す図である。
【図12】本発明の実施例4の圧電発振器の内部の配置
を上方から見た図である。
【図13】図12に示す圧電発振器を側方から内部を見
た図である。
【図14】本発明の実施例5の圧電発振器の内部の配置
を上方から見た図である。
【図15】図14に示す圧電発振器を側方から内部を見
た図である。
【図16】図14に示す圧電発振器をモールドする様子
を側面からみた図である。
【図17】図14に示す圧電発振器をモールドする様子
を図16と異なる側面から見た図である。
【図18】図14に示す圧電発振器の外観を示す斜視図
である。
【図19】図14に示す圧電発振器において振動子のリ
ードと接続用のリードを溶接する様子を示す図である。
【図20】本発明の実施例5の異なる圧電発振器を側方
から内部を見た図である。
【図21】本発明の実施例5の異なる圧電発振器の内部
の配置を上から見た図である。
【図22】図21に示す圧電発振器を側方から内部を見
た図である。
【図23】本発明の実施例6の圧電発振器を横から見た
図である。
【図24】図23と異なる例の圧電発振器を横から見た
図である。
【図25】本発明の実施例7の圧電発振器の図であり、
(a)は上方から内部の配置を見た図であり、(b)お
よび(c)は側方から内部を見た図である。
【図26】本発明の実施例8の圧電発振器の図であり、
(a)は上方から内部の配置を見た図であり、(b)お
よび(c)は側方から内部を見た図である。
【図27】従来の圧電発振器内部の配置を示す図であ
り、(a)は上から見た図であり、(b)は側方から見
た図である。
【図28】図27と異なる従来の圧電発振器内部の配置
を示す図であり、(a)は上から見た図であり、(b)
は側方から見た図である。
【図29】セラミックパッケージを用いた従来の圧電発
振器の内部の配置を側方からみた図である。
【図30】発振周波数と消費電流の関係を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H03H 9/02 H03H 9/02 K L // H01L 25/16 H01L 25/16 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03B 5/32 H01L 23/28 H01L 23/50 H03H 9/02 H01L 25/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内に圧電素子が封止された振動子
    と、リードフレームのアイランド上に設置された半導体
    集積回路装置とを有し、前記半導体集積回路装置は前記
    振動子とは電気的に接続されており、さらに、前記振動
    子、前記半導体集積回路装置および前記リードフレーム
    がモールド樹脂によって一体成形されている圧電発振器
    において、 前記半導体集積回路装置は、発振周波数を制御する複数
    の制御用パッドを備えており、前記リードフレームと接
    続される前記制御用パッドの数を増やすと、前記発振周
    波数が上昇することを特徴とする圧電発振器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記アイランドおよ
    び前記ケースの少なくともいずれかが前記モールド樹脂
    の外側に露出した放熱部分を備えていることを特徴とす
    る圧電発振器。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記半導体回路装置
    は、前記リードフレームの一部とワイヤーボンディング
    されたダミーの電極を備えていることを特徴とする圧電
    発振器。
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