JP3229034B2 - パチンコ機の入賞装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ機の入賞装置
に関し、特に権利発生に伴ない遊技者に多大な利益を付
与する権利物タイプのパチンコ機に使用して好適な入賞
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】遊技盤の前面に始動入賞口と特定入賞口
と可変表示装置と変動入賞装置とを設け、始動入賞口に
打球が入賞すると可変表示装置の表示状態の変動を開始
させると共に、一定時間後に停止させ、その停止した可
変表示装置の表示結果があらかじめ設定された表示に揃
うと大当りとしての権利発生となり、この権利発生時に
おいて打球が特定の入賞口に入賞すると大当りが確定し
て変動入賞装置を所定時間または所定回数打球を受け入
れ易い状態に変換するように構成したパチンコ機は知ら
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のパチンコ機は、
可変表示装置の停止した表示結果に基づいて大当りか外
れかが判明するだけでその大当り発生までの制御動作が
単調かつパターン化されてしまっており、このため遊技
者に与える興味や感動も少なくて飽きられつつあるとい
う問題点があった。本発明は、従来技術の有するこのよ
うな問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすると
ころは、上述のような権利物パチンコ機の遊技内容を面
白くすることができ、かつ遊技者の興味を引くようなパ
チンコ機の入賞装置を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のパチンコ機の入賞装置においては、取付基板
と、前記取付基板の裏面の左右両側に設けられた大当り
用通路と外れ用通路と、前記取付基板の前面に設けられ
その内部の左右両側に前記大当り用通路及び外れ用通路
のそれぞれに連通する球通路が設けられた透明なカバー
枠と、１個の打球が通り抜け可能なゲート部と該ゲート
部に向けて横方向に打球を押し出すための押出部とが形
成された１対のゲート片と、前記ゲート片を前後方向へ
移動させる電気的駆動源とを備え、前記カバー枠の内部
であり且つ前記左右の球通路の間には、打球１個分の間
隔を離して前記ゲート片のゲート部を対向位置させ、そ
の両ゲート部間に打球を一時的に保留する球受部を形成
し、前記電気的駆動源の作動に伴い前記ゲート片のいず
れか一方が前方へ移動すると前記球受部の打球が前記押
出部によって該ゲート部に向けて押し出されることによ
り打球を左右のいずれかの球通路を介して大当り用通路
又は外れ用通路に振分けるようにしたものである。

【０００５】

【作用】打球がカバー枠に入ると第１のゲート片および
第２のゲート片によってそのカバー枠の内部の球受部に
一時的に保留される。そして、大当りの権利が発生する
と両ゲート片のうちいずれか一方のゲート片を移動させ
て球受部の打球を大当り用通路へ流出させ、外れた場合
は他方のゲート片を移動させて外れ用通路へ流出させ
る。

【０００６】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。図１は本発明が適用されるパチンコ機の正面図であ
る。図において、１はパチンコ機の前面枠、２は前面枠
１の前面に開閉自在に装着されたガラス枠、３は前面枠
１の後面に着脱自在に装着された遊技盤である。この遊
技盤３の表面には外レール４と内レール５が設けられ、
その外レール４と内レール５とで囲まれる遊技部のほぼ
中央に本発明に係る入賞装置６を設けている。また、入
賞装置６の上方には可変表示器７を設けると共に、下方
には変動入賞装置８を設け、さらに入賞装置６の右斜め
側方には特定入賞口９を設けている。１０は一般入賞
口、１１は風車である。

【０００７】前記可変表示器７は、この実施例の場合横
に３桁に並べた７セグメントＬＥＤデジタル表示部を有
する周知のものである。

【０００８】前記変動入賞装置８は、図９および図１０
に示すように取付基板８１に開設した横長の開口８２
と、取付基板８１の裏面側に設けられ、該開口８２に連
続している横長の凹室８３と、該凹室８３の開口８２を
開閉するように下端が枢支された開閉扉８４とを有す
る。開閉扉８４は、リンク機構８５を介してソレノイド
８６と連結され、通常は図１０実線のように閉じていて
打球を受け入れない第１状態とソレノイド８６の駆動に
より同図鎖線のように開いて打球を受け入れ易い第２状
態に変換するものである。

【０００９】また、前記特定入賞口９は図１１に示すよ
うに起立および傾動自在な一対の可動翼片９１，９１を
有し、ソレノイド９２の励磁によって可動翼片９１，９
１を打球が入り易いように傾動させる周知のものであ
る。

【００１０】図２は本発明に係る入賞装置６の斜視図、
図３は分解斜視図、図４は一部断面にして示す平面図、
図５は同じく一部断面にして示す正面図である。入賞装
置６は遊技盤３の表面に取付けられる取付基板１２を有
する。取付基板１２の前面には横長のカバー枠１３が設
けられる。カバー枠１３は、例えば内部が透視できるよ
うに無色または有色透明樹脂により後面が開口した中空
状に形成され、その上面中央に打球を受け入れるための
開口部１４が形成されている。

【００１１】一方、取付基板１２の左右両側には球通孔
１５および１６が穿設され、その球通孔１５と連通状に
大当り用通路１７が、球通孔１６と連通状に外れ用通路
１８がそれぞれ裏面側に突出して形成される。また、取
付基板１２の裏面にはは間隔保持突起１９，１９を介し
て取付枠２０が設けられており、その取付枠２０の上面
に電気的駆動源としての第１のソレノイド２１および第
２のソレノイド２２が固着されている。

【００１２】前記第１のソレノイド２１のプランジャー
２１ａには第１のゲート片２３が第２のソレノイド２２
のプランジャー２２ａには第２のゲート片２４がそれぞ
れ一体をなして前後方向に往復し得るように連結されて
いる。この第１のゲート片２３および第２のゲート片２
４は、取付基板１２の透孔２５からカバー枠１３の開口
部１４の両側直下方に臨んで開口部１４から落下する打
球を一時的に保留する球受部２６を形成するもので、１
個の打球が通り抜け可能なコ字形のゲート部２３１，２
４１と球受部２６の打球をゲート部２３１，２４１に向
けて押出すテーパー面を有する押出部２３２，２４２と
球受部２６への打球の落下を阻止するための球止部２３
３，２４３とを一体に備えて構成されている。

【００１３】そして、第１のゲート片２３および第２の
ゲート片２４は、第１のソレノイド２１および第２のソ
レノイド２２が消磁している状態のとき、それぞれのプ
ランジャ２１ａ，２２ａに引かれて図６実線で示すよう
に第１のゲート片２３および第２のゲート片２４のゲー
ト部２３１および２４１が球受部２６から後退させられ
ており、第１のソレノイド２１および第２のソレノイド
２２が励磁されるとこれのプランジャ２１ａ，２２ａが
復帰ばね２１ｂ，２２ｂに抗して前方へ吸引され、第１
のゲート片２３および第２のゲート片２４は図６鎖線で
示すように前進して球受部２６の打球がゲート部２３１
またはゲート部２４１を通り抜け可能なようになってい
る。

【００１４】前記カバー枠１３の内部にはガイド壁２７
を突設して取付基板１２の球通孔１５と一致する球通路
２８と球通孔１６と一致する球通路２９とを設けてい
る。また、開口部１４部分には打球を検出する入賞検出
器３０が設けられている。

【００１５】次に、本実施例におけるパチンコ機の入賞
装置６の作用について説明する。打球が入賞装置６の開
口部１４に入ると該打球は入賞球検出器３０で検出され
ながら球受部２６に落下し、第１のゲート片２３および
第２のゲート片２４によって一時的に保留される（図４
参照）。一方、入賞球が入賞球検出器３０で検出される
と、その検出信号によって可変表示器７が始動し、一定
時間が経過後停止する。

【００１６】しかして、その停止時の表示があらかじめ
設定された表示（例えば「１１１」，「７７７」等のぞ
ろ目）に揃うと「大当り」としての権利発生となり、特
定入賞口９のソレノイド９２が励磁されて可動翼片９
１，９１が打球を受け入れ可能なように開かれる。同時
に入賞装置６の両ソレノイド２１，２２のうち第１のソ
レノイド２１が励磁される。

【００１７】第１のソレノイド２１が励磁されるとこれ
のプランジャ２１ａに連結された第１のゲート片２３が
図７鎖線のように前進し、これによって球受部２６で保
留されている入賞球は押出部２３２のテーパー面で押さ
れてゲート部２３１を通り抜け、球通路２８から大当り
用通路１７に導かれて排出されることになる。

【００１８】そして上記のように権利発生状態になると
特定入賞口９への打球の入賞を条件に変動入賞装置８の
開閉扉８４が所定時間ずつ連続して複数回繰り返えし開
閉動作すると共に、前記したサイクルを１サイクルと
し、そのサイクル更新を所定回数（例えば１６回）まで
可能とする。これによって、多量の入賞球が発生し、遊
技者は多大な利益を得ることができる。

【００１９】一方、前記可変表示器７の停止後の表示が
あらかじめ設定された表示と一致していなければ「外
れ」であり、この場合には入賞装置６の第２のソレノイ
ド２２が励磁し、これのプランジャ２２ａに連結された
第２のゲート片２４を図８鎖線のように前進し、これに
よって球受部２６で保留されている入賞球は押出部２４
２のテーパー面で押されてゲート部２４１を通り抜け球
通路２９から外れ用通路１８に導かれて排出されること
になる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、本発明に係るパチンコ機
の入賞装置によれば、球受部に入った打球を一時的に保
留し、その打球を「大当り」の権利発生など遊技内容に
応じて大当り用通路または外れ用通路に振分けて排出処
理するようにしたものであるから、遊技者の興味を引く
ことができると共に、大当り発生の感動を一層高めるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されるパチンコ機の正面図であ
る。

【図２】本発明の一実施例の入賞装置の斜視図である。

【図３】同分解斜視図である。

【図４】同一部断面にして示す平面図である。

【図５】同一部断面にして示す正面図である。

【図６】同中央縦断側面図である。

【図７】打球を大当り用通路に導く状態の作用説明図で
ある。

【図８】打球を外れ用通路に導く状態の作用説明図であ
る。

【図９】変動入賞装置の斜視図である。

【図１０】同要部の断面図である。

【図１１】特定入賞口の斜視図である。

【符号の説明】

６ 入賞装置 １２ 取付基板 １３ カバー枠 １７ 大当り用通路 １８ 外れ用通路 ２１ 第１のソレノイド（電気的駆動源） ２２ 第２のソレノイド（電気的駆動源） ２３ 第１のゲート片 ２４ 第２のゲート片 ２６ 球受部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 取付基板と、前記取付基板の裏面の左右
   両側に設けられた大当り用通路と外れ用通路と、前記取
   付基板の前面に設けられその内部の左右両側に前記大当
   り用通路及び外れ用通路のそれぞれに連通する球通路が
   設けられた透明なカバー枠と、１個の打球が通り抜け可
   能なゲート部と該ゲート部に向けて横方向に打球を押し
   出すための押出部とが形成された１対のゲート片と、前
   記ゲート片を前後方向へ移動させる電気的駆動源とを備
   え、 前記カバー枠の内部であり且つ前記左右の球通路の間に
   は、打球１個分の間隔を離して前記ゲート片のゲート部
   を対向位置させ、その両ゲート部間に打球を一時的に保
   留する球受部を形成し、 前記電気的駆動源の作動に伴い前記ゲート片のいずれか
   一方が前方へ移動すると前記球受部の打球が前記押出部
   によって該ゲート部に向けて押し出されることにより打
   球を左右のいずれかの球通路を介して大当り用通路又は
   外れ用通路に振分けるようにした こと特徴とするパチン
   コ機の入賞装置。