JP3226673B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆる駆動回路一体型の液晶表
示装置においては、図3に示すようにTFTアレイ基板
301上に走査線駆動回路303と信号線駆動回路30
5と、画像を表示する画面部分305とが形成されてい
る。画面部分305には走査線307と信号線309と
が互いに交差するように配列され、その交差部分近傍に
画素のオン・オフ状態を制御するスイッチング素子とし
てのTFT素子311、そのTFT311に接続された
画素電極313、画素電極313に接続された補助容量
315がそれぞれの画素ごとに形成されている。このよ
うな駆動回路一体型液晶表示装置においては、駆動回路
系の冗長性を向上するという観点から特開昭57-132191
に開示されているように、例えば信号線駆動回路を各信
号線の上下に、また走査線駆動回路を各走査線の左右
に、それぞれ 1組以上設けるという技術が知られてい
る。
【0003】これは、このように駆動回路系を複数系統
形成しておき、いずれか一方の駆動回路に動作不良等が
発生した場合に、その不良が発生した駆動回路を切り離
す一方、良品の駆動回路系によって走査線あるいは信号
線を駆動しようというものである。
【0004】具体的には同一基板上に作り込まれた複数
の駆動回路系のうち正常に動作する駆動回路と不良のも
のとを識別した上で、不良の駆動回路をレ−ザ照射法等
によって各走査線あるいは信号線と切り離し、正常な駆
動回路だけを走査線あるいは信号線と接続させることで
動作不良を防ぐというものである。このような冗長構造
を採用した場合、例えば走査線を例にとると、走査線の
両側に駆動回路を接続した場合にはどちらか片方の駆動
回路が不良になると、その不良の駆動回路によって走査
線の電位が特定の電位で保持される、あるいは走査線に
印加される走査電圧波形が鈍るなどの悪影響が残り、正
常な側の駆動回路の動作も正常に行なうことが困難とな
る。このため、両端に駆動回路を形成しただけでは実際
上冗長構造とはならないので、不良側の駆動回路は走査
線から全て切断しなければならない。この故に、走査線
の両端に走査線駆動回路を形成しても、不良側の駆動回
路は走査線から切り離さなければならない。この切り換
えを行なうための具体的な手段としては、上記のような
レ−ザ照射による方法などでは層間絶縁膜を介してその
下層に位置している走査線や信号線にレ−ザ照射を行わ
なければならないので、リペア方法が煩雑であるという
問題がある。またレ−ザ照射によりその照射スポット近
傍が破損してしまうというという不都合も生じる。
【0005】また、液晶表示パネルの画素の高密度化、
高精細化等により走査線同士の間隔あるいは信号線同士
の間隔がますます微細化していくにつれ、正確なリペア
が困難になっていくという問題がある。
【0006】そこでこのような問題を避けるために、複
数系統の駆動回路系のうちの正常の1系統を選択すると
ともに不良側の他系統は電気的に切断する手段として、
駆動回路系と信号線あるいは走査線との間に電気的な接
続スイッチを設けるという対策も案出される。このよう
な接続スイッチとしてはダブルゲ−ト構造のTFTを用
いるという技術が検討されるが、このようなダブルゲ−
ト構造を用いる場合、正常動作する側の駆動回路の動作
特性が低劣化するという問題があることを本発明者らは
確認した。
【0007】あるいは駆動回路系と走査線や信号線との
間にTFT素子単体で接続スイッチを設けるという技術
も検討したが、この技術も駆動回路系内部にTFT素子
として形成されたアナログスイッチと、その外部に形成
した接続スイッチとによって、ダブルゲ−ト構造的な電
気的構造が形成されることになり、上記と同様に動作特
性が低劣化するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決するためになされたもので、その目的は、動作
特性を低劣化することなく動作不良側の駆動回路の切断
を電気的に簡易に行なうことが可能な液晶表示装置を実
現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
めに本発明の液晶表示装置は、薄膜トランジスタ素子と
前記薄膜トランジスタ素子に接続された走査線および信
号線と前記薄膜トランジスタ素子に接続された画素電極
とを有するスイッチング素子アレイ基板と、前記スイッ
チング素子アレイ基板に対向配置される対向電極を有す
る対向基板と、前記スイッチング素子アレイ基板と前記
対向基板との間に封入挟持される液晶組成物と、前記走
査線に走査信号を印加する走査線駆動回路と、映像デー
タが入力される映像データ線から映像信号を抽出して前
記信号線に印加する信号線駆動回路とを有する液晶表示
装置であって、前記信号線駆動回路が、シフトレジスタ
と、前記シフトレジスタの出力を受けるバッファと、前
記バッファの出力に応じて前記映像データ線から映像信
号を抽出して前記信号線に印加するアナログスイッチ
と、前記バッファと前記アナログスイッチとの間に電気
的に介挿され、前記バッファの出力と制御入力線からの
制御信号に基づいて電気的な導通・非導通を制御する接
続制御スイッチとを具備することを特徴としている。
【0010】
【0011】
【0012】また、上記の走査線駆動回路および信号線
駆動回路および接続制御スイッチが、前記スイッチング
素子アレイ基板上に一体に配設されている、いわゆる駆
動回路一体型であることを特徴としている。
【0013】なお、上記の接続制御スイッチとしては、
複数の各走査線あるいは各信号線ごとに 1対 1にアナロ
グスイッチを形成し、さらにそれらの一つ一つに対して
一つずつ接続制御スイッチを接続するように複数個の接
続制御スイッチを設けてもよく、あるいはそれらのアナ
ログスイッチを一括して制御するような一つの接続制御
スイッチを設けてもよい。あるいは複数の走査線や信号
線ごとに 1ブロックにまとめたブロックを複数個つく
り、このブロックごとに上記の接続制御スイッチやアナ
ログスイッチを一つずつ形成して接続制御を行なうよう
にしてもよい。上記の接続制御スイッチおよびアナログ
スイッチは、走査線駆動回路や信号線駆動回路などの駆
動回路系内部に設けたものであればよい。
【0014】
【作用】本発明によれば、駆動回路系内部に、外部から
の制御信号によって制御される接続制御スイッチを設
け、この接続制御スイッチによって各アナログスイッチ
のオン・オフを制御して、このアナログスイッチに接続
された走査線あるいは信号線の駆動回路との電気的な接
続・切断を行なうことができる。このとき、接続スイッ
チとしては、駆動回路系の内部に設ければよく、例えば
AND回路、NAND回路、NOR回路等の論理回路素
子を用いることが望ましい。このような論理回路素子を
用いることによって、従来のTFT素子を用いたアナロ
グスイッチとの間でダブルゲート構造のTFTのような
構造となるという不都合を避けることができる。
【0015】このようにして本発明によれば、動作不良
側の駆動回路と走査線あるいは信号線とのTFTなどの
トランジスタ素子を用いたアナログスイッチによる電気
的な切断を、外部からの制御信号によって接続制御スイ
ッチを切り換えることにより簡易に行なうことができ
る。またこのとき、駆動回路系の動作特性の低下を避け
ることができるので、表示品質の高い画像表示を実現す
ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る液晶表示装置の一実施例
を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は本発明に係る液晶表示装置のTFT
アレイ基板の構造の概要を示す図、図2はその信号線駆
動回路の回路構造の概要を示す図である。
【0018】TFTアレイ基板101上には、走査線駆
動回路103と、信号線駆動回路105と、画像を表示
する画面部分105とが形成されている。画面部分10
5には走査線107と信号線109とが互いに交差する
ように配列され、その交差部分近傍に画素のオン・オフ
状態を制御するスイッチング素子としてのTFT素子1
11、そのTFT素子111に接続された画素電極11
3、画素電極113に並列に接続された補助容量115
がそれぞれの画素ごとに形成されている。
【0019】信号線駆動回路105は前記のTFT素子
111と同様の多結晶シリコン薄膜トランジスタを用い
て形成された駆動回路で、シフトレジスタ201、レベ
ルシフタ202、バッファ203、制御入力線204、
AND回路を用いた接続制御スイッチ205、映像デ−
タ線206、TFT素子111と同様の構造のTFTを
用いて形成されたアナログスイッチ207からその主要
部が構成されている。
【0020】前記のAND回路を用いた接続制御スイッ
チ205は、制御入力線204から入力されるオン・オ
フ制御信号に基づいてアナログスイッチ207のゲ−ト
入力をオン・オフ制御する。つまり外部から制御入力線
204を介してL(Low )レベルの信号が入力されると
接続制御スイッチ205はオフとなり、その接続制御ス
イッチ205の接続されたアナログスイッチ207がオ
フとなる。その結果、そのアナログスイッチ207に接
続された信号線109には映像デ−タ線206からの映
像デ−タ信号が印加されないことになり、その信号線1
09が映像デ−タ線206から切断されたことになる。
【0021】一方、外部から制御入力線204にH(H
i)レベルの信号を入力すると、この制御入力線204
に接続されている全ての接続制御スイッチ205はオン
となるので、これに接続されているアナログスイッチ2
07のゲートにはオン電圧が印加されてオン(導通)状
態となる。これによりアナログスイッチ207に接続さ
れた全ての信号線109が映像デ−タ線206に接続さ
れたことになる。
【0022】このような接続制御スイッチ205の動作
を用いて、動作不良が発生した駆動回路側の制御入力線
にはLレベルの制御信号を入力することにより接続制御
スイッチ205をオフ状態にしてアナログスイッチ20
7をオフ状態とし、それに接続された各信号線109と
の接続を電気的に切断状態にする。一方、正常な駆動回
路側の制御入力線204にはHレベルの制御信号を入力
することにより接続制御スイッチをオフ状態にしてアナ
ログスイッチ207をオフ状態とし、それに接続された
各信号線109を電気的に接続状態にする。こうして動
作不良の信号線駆動回路を電気的に切断するとともに正
常な動作の信号線駆動回路を各信号線と電気的に接続す
ることができ、正常な駆動回路側で正常な駆動を実行す
ることができる。
【0023】走査線駆動回路103側にも上記と同様の
接続制御スイッチ(図示省略)が形成されている。この
接続制御スイッチによって上記と同様に不良の発生した
側の走査線駆動回路を電気的に切断するとともに正常な
動作を行なう側の走査線駆動回路を各走査線に接続する
ことができる。このような走査線駆動回路内に接続制御
スイッチを設ける場合には、走査線駆動回路内部に設け
られたシフトレジスタと最終段のバッファ部との間に接
続制御スイッチを設ければよい。
【0024】なお、上記の実施例では 1つのシフトレジ
スタ201の出力に対してレベルシフタ202を介して
8個のバッファ203が並列接続され、さらにこのバッ
ファ203の一つ一つの出力に対して接続制御スイッチ
205が一つ一つ接続された構造に形成されている。つ
まり上記実施例では、いわゆるブロック駆動方式の液晶
表示装置の場合の一例を示した。しかし本発明はこれの
みには限定しないことは言うまでもない。 1つのレベル
シフタ202の出力に対して接続されるバッファおよび
接続制御スイッチの個数としては、上記実施例よりもさ
らに多数個設けてもよく、あるいは少なくしてもよいこ
とは言うまでもない。
【0025】また、接続切り換えを行なう接続制御スイ
ッチ205としては、上記実施例ではAND回路を用い
たが、本発明はこれのみには限定しない。この他にもN
AND回路、NOR回路等の論理回路を用いてもよい。
ただしこのとき、それらの論理回路を用いた接続制御ス
イッチ205が制御入力線204を介して入力される制
御信号に基づいてそのオン・オフを一義的に制御される
ように回路を構成することが必要なことは言うまでもな
い。例えば上記実施例とは異なりNAND回路を接続制
御スイッチ205として用いる場合には、上記実施例に
おけるバッファ203とは出力が逆転(インバース)し
たバッファを用いるとともに、上記じ実施例とは逆(イ
ンバース)の属性の制御信号を用いることになる。つま
り外部から入力される制御信号がLのときに接続制御ス
イッチ205がオンとなり、制御信号がHのときに接続
制御スイッチ205がオフとなるのであるから、そのよ
うな動作に基づいて、入力する制御信号を選択すること
が必要である。
【0026】また、上記実施例では、走査線駆動回路1
03にも信号線駆動回路105にも冗長性を持たせた
が、本発明はこれのみには限定しないことは言うまでも
ない。走査線駆動回路103あるいは信号線駆動回路1
05のうちいずれか一方の側のみを冗長構造としてもよ
い。
【0027】また、上記実施例では、 1本の制御入力線
によって全ての信号線109あるいは走査線107の接
続を制御しているが、本発明はこれのみには限定しな
い。この他にも、例えばブロックごとに制御を行なうよ
うに各ブロックに対して1本ずつの異なる制御入力線を
接続することもできる。この場合、各ブロックごとでの
さらに細かい制御を行なうこともできる。例えば液晶表
示装置の永年使用により、駆動回路系の一部に劣化が生
じて動作不良が生じたような場合、その部分だけをそれ
まで未使用だった側の駆動回路への接続に切り替えると
ともに動作不良が生じた側の駆動回路を切断することに
よって、経年変化等による動作不良を解消することがで
きる。
【0028】また、上記実施例においては、いわゆるブ
ロック駆動方式の液晶表示装置に一般的なシフトレジス
タ201、レベルシフタ202、バッファ203、映像
データ線204、アナログスイッチ207を用いた信号
線駆動回路の内部に、本発明に係る制御入力線204、
接続制御スイッチ205、およびアナログスイッチ20
7を形成したものとなっている。このうちアナログスイ
ッチ207は、従来の一般的なブロック駆動方式として
用いられるアナログスイッチ207を兼用したものとな
っている。このように、ブロック駆動方式の液晶表示装
置に本発明を適用する場合などには、接続制御スイッチ
205をはじめとする本発明に係る技術的要部を信号線
駆動回路の内部に極めて簡易に作り込むことができると
いう利点もある。ただし上記のようなブロック駆動方式
以外の液晶表示装置においても、アナログスイッチ20
7等を新たに作り込むだけでよいので、本発明の適用を
簡易に行なうことができることは言うまでもない。
【0029】また、上記実施例では、駆動回路とTFT
素子111とは同じ多結晶シリコン薄膜トランジスタか
ら形成された場合について示したが、この他にも例えば
駆動回路を液晶ドライバLSI化してCOG(Chip On
Glass )実装することなども可能である。この場合に
も、液晶ドライバLSI内に上記実施例に示したような
本発明に係る制御入力線204、接続制御スイッチ20
5、およびアナログスイッチ207を形成すればよい。
【0030】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、本発明の液晶表示装置の各部位の形成材料などの変
更が種々可能であることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】以上詳細な説明で明示したように、本発
明によれば、駆動回路一体型の液晶表示装置において、
駆動回路と信号線あるいは走査線との接続を制御入力線
の制御信号入力によって接続あるいは切断を行なうこと
ができるので、従来のレ−ザリペア法のような物理的な
切断あるいは接続を行なうのではなく、電気的に制御す
ることができる。その結果、動作特性を低劣化すること
なく動作不良側の駆動回路の切断を電気的に簡易に行な
うことが可能な液晶表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の構造の概要を示す
図。
【図2】本発明に係る液晶表示装置の信号線駆動回路の
構造を示す図。
【図3】従来の駆動回路一体型液晶表示装置の構造の概
要を示す図。
【符号の説明】
101…TFTアレイ基板、103…走査線駆動回路、
105…信号線駆動回路、107…走査線、109…信
号線、111…TFT素子、113…画素電極、115
…補助容量、201…シフトレジスタ、202…レベル
シフタ、203…バッファ、204…制御入力線、20
5…接続制御スイッチ、206…映像デ−タ線、207
…アナログスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/133 550 G09G 3/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜トランジスタ素子と前記薄膜トラン
    ジスタ素子に接続された走査線および信号線と前記薄膜
    トランジスタ素子に接続された画素電極とを有するスイ
    ッチング素子アレイ基板と、前記スイッチング素子アレ
    イ基板に対向配置される対向電極を有する対向基板と、
    前記スイッチング素子アレイ基板と前記対向基板との間
    に封入挟持される液晶組成物と、前記走査線に走査信号
    を印加する走査線駆動回路と、映像データが入力される
    映像データ線から映像信号を抽出して前記信号線に印加
    する信号線駆動回路とを有する液晶表示装置であって、 前記信号線駆動回路が、シフトレジスタと、前記シフト
    レジスタの出力を受けるバッファと、前記バッファの出
    力に応じて前記映像データ線から映像信号を抽出して前
    記信号線に印加するアナログスイッチと、前記バッファ
    と前記アナログスイッチとの間に電気的に介挿され、前
    記バッファの出力と制御入力線からの制御信号に基づい
    て電気的な導通・非導通を制御する接続制御スイッチと
    具備することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記信号線駆動回路および前記接続制御
    スイッチが、前記スイッチング素子アレイ基板に一体に
    配設されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表
    示装置。
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