JP3226586B2 - 画像振れ防止装置 - Google Patents

画像振れ防止装置

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JP3226586B2
JP3226586B2 JP03485092A JP3485092A JP3226586B2 JP 3226586 B2 JP3226586 B2 JP 3226586B2 JP 03485092 A JP03485092 A JP 03485092A JP 3485092 A JP3485092 A JP 3485092A JP 3226586 B2 JP3226586 B2 JP 3226586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手振れ等により光学機
器の画像が振れるのを防止する画像振れ防止装置の改良
に関するものであり、特にレンズとカメラ本体との間に
中間アクセサリの装着が可能なレンズ交換型ビデオカメ
ラ等に有効な画像振れ防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より手振れ等により生じる画像の振
れを防止する機能を具備した光学機器が知られている。
たとえば、米国特許第2959088号や同第2829
557号等では、補正光学系を可動に配し、その慣性に
よって画像振れを防止するものが開示されている。
【0003】これら従来の画像振れ防止装置について以
下説明する。図13は、画像振れ防止装置の基本構成を
示す断面図である。図13において、焦点面14上に画
像を結像するためのレンズ鏡筒(以下単に鏡筒と記す)
4に固定された主レンズ12,13に対し、レンズ1,
2が画像振れを補正するための補正光学系である。これ
ら補正光学系の焦点距離は鏡筒4に固定された負のパワ
ーを持つレンズ1の焦点距離をf1とし、可動支持部3
に支えられている正のパワーを持つレンズ2の焦点距離
をf2とすると、 f1=−f2 の関係を満足するように設定されている。
【0004】可動支持部3は、2軸可動の支持を行う為
のジンバル5によりレンズ2の像側主点から、該焦点距
離f2(=−f1)の位置で鏡筒4に支持されている。
【0005】図14は、上記ジンバル5の2軸可動支持
の構成を示す部分拡大図である。レンズ2を保持する可
動支持部材3はy軸回りの自由度を有する支持部材5y
に支持され、支持部材5yはy軸方向とは垂直のx軸回
りの自由度を有する支持部材5xに支持され、更に該支
持部材5xは鏡筒4により支持していることにより、2
軸の自由度を有する補正光学系が構成されている。
【0006】上述のように、補正光学系の焦点位置で振
り子を支持し、通常の安定した状態にて釣合が取れるよ
うなバランサーとして、部材10が取り付けられてい
る。
【0007】即ち、図13において、10は可動支持部
材3の釣合が取れるようにする為のバランサーとしての
カウンター・ウェイトで、ジンバル5を挟んで可動支持
部材3のレンズ2とは反対側に取り付けられて、ジンバ
ル5に対しレンズ2とのバランスが取れるようにしてあ
る。そして以上の構成により、所謂慣性振り子型の防振
光学系を構成している。即ち、図13に示す基本構成に
より、以下に示すようにして画像振れが防止できる。
【0008】例えば、図13に示す構成が望遠鏡だとし
て目標物に向けられた鏡筒4の内部では、主レンズ1
2,13及び補正光学系1,2により目標物の光学像が
焦点面14上に結像される。
【0009】拡大率の高い望遠鏡では、手持ちで使用の
場合、手振れ等により鏡筒4に0.1〜10Hz程度の
範囲の周波数成分を有する振動が発生し、この振動によ
り画像振れが生ずる。
【0010】ところが、上記慣性振り子型の光学機構に
よれば、上記の振動に対し可動支持部材3の慣性により
レンズ2とレンズ1との間に相対的な変位が生じ、レン
ズ2とレンズ1との相対変位により上記画像の振れが抑
制されることになる。
【0011】図13において、可動支持部材3に取り付
けられた部材9はアルミ片等の非磁性体の導体で、鏡筒
4に固定されたマグネット6及び7にて形成される磁気
的効果により、鏡筒4の振動速度に応じた抑制力(ダン
ピング・フォース)が発生する。これは、例えば構図を
変えるために鏡筒4を急激に変位させた場合に、可動支
持部材3が鏡筒4の内壁に突き当たるのを防止するため
のダンピング作用を発生させるためのものである。
【0012】具体的には、図15の要部拡大図に示すよ
うに、マグネット6,7により導体9に発生する渦電流
が、レンズ2の光軸と主レンズ12,13の光軸(主光
軸15)とが一致する可動中心位置からの可動支持部材
3の変位量を小さくする方向に力を発生し、ダンピング
効果を得ることができる。
【0013】なお、図15ではマグネット6,7は鏡筒
4の上部に取り付けたものだけを示してあるが、これは
説明の便宜を図るための省略であり、鏡筒4の下部及び
左右にも同様のマグネットが設けられて2軸制御が行わ
れていることは言うまでもない。
【0014】また、図13において、11は可動支持部
材3に前記カウンター・ウェイト10と一体的に取り付
けられた磁性体であり、鏡筒4に固定されたマグネット
8との間で構成される磁気的効果によりレンズ2の光軸
が主光軸15に一致する可動中心位置に可動支持部材3
を戻すセンタリング動作を行う。このセンタリング動作
は、振れのない場合にはレンズ2の中心部を用いた方が
光学的特性が良好であるので、製造誤差や上記変位の周
波数成分で直流成分に当たる変位の除去を行い、レンズ
2の光軸を主光軸15に一致させるようにするためのも
のである。
【0015】具体的には、図15の拡大図に示すよう
に、磁性体11とマグネット8とが互いに同極(N極同
士)の面で相対しており、互いに磁気的に反発する様に
構成されている。そして、該マグネット8の中心が主光
軸15と一致しているので、レンズ2の光軸を主光軸1
5に一致させるような求心力(センタリング・フォー
ス)を発生している。
【0016】以上の様に、上記ダンピングの構成や上記
センタリングの構成は慣性振り子型による画像振れ防止
装置の特性を向上させることができる基本的な構成の例
である。
【0017】しかし、実際の撮影時には被写体を追跡し
たり被写体を変える為、パンニング(構図を変えるため
に鏡筒4を水平方向に動かすこと)やティルティング
(構図を変えるために鏡筒4を垂直方向に動かすこと)
等の動作が頻繁に行われる。
【0018】前述の画像振れ防止装置の基本構成は防振
動作のみのシステムであり、手振れ等の振動については
防振効果を有するが、一方向に連続して移動する現実的
なパンニング,ティルティング動作等の挙動に関し防振
効果が低下したり、補正光学系が大きく一方向に移動し
たままになったり、鏡筒4の内壁に衝突したりして、不
自然な画像の動きになることがあった。
【0019】そこで、前述の画像振れ補正系においてパ
ンニング,ティルティング対策として、x軸,y軸の動
作に最適な制御関数を設定し、該関数に応じた補正光学
系の制御を実現する構成のものがある。
【0020】次に、この従来例を以下に説明する。即
ち、パンニング,ティルティング等の動作時に発生し易
い鏡筒の内壁への突き当たり防止の為に補正光学系の動
きを制御するトルク発生手段、該トルク発生手段を制御
する制御信号発生手段、及び制御信号発生のための演算
処理の入力信号として該補正光学系の移動を検出するた
めの位置検出手段が主要な構成手段でとなっている。
【0021】上記の制御信号発生手段からは、防振とパ
ンニングやティルティングに関するレンズ部の過度な動
きの防止、という相反する2つの要素を満足させるため
に、慣性振り子である可動支持部材3の変位に対して非
線形な制御トルクが出力できるように構成されている。
【0022】この制御トルク出力の基本特性を図16に
示す。図16の制御トルクの特性によれば、可動支持部
材3が可動中心付近に位置する場合には、慣性振り子に
よる防振作用を妨げないようにセンタリング及びダンピ
ングのためのトルクを殆ど発生させない。
【0023】しかし、パンニング等の様に鏡筒4をある
方向へ大きく動かした場合等、可動支持部材3が慣性振
り子の作用によって可動中心から大きく変位すると、そ
の変位量が大きくなるに従い可動支持部材3を可動中心
に引き戻す為の急激に増大するセンタリング及びダンピ
ング力を発生、つまり大きな制御トルクを発生させる様
に構成されている。このことにより、可動支持部材3が
鏡筒4に突き当たるのを防止することができる。
【0024】次に、上記画像振れ防止装置の構成例を説
明する。図4は従来の画像振れ防止装置の構成を示す断
面図であり、該装置は前記図13の画像振れ防止装置と
同様の慣性振り子型のものであり、図13と同一または
相当部分には同一符号で示し、重複説明を省略する。
【0025】図4において、主撮像光学系が前玉レンズ
91,変倍レンズ92,結像用の固定レンズ93,94
により構成されており、変倍レンズ92は可動の移動環
96により焦点距離変化のために移動可能に配設されて
いる。該変倍レンズ92の移動位置は変倍エンコーダ
(以下ENCと記す)95により検出可能で、このEN
C95の出力により撮像光学系の焦点距離がどのような
状態にあるかを把握可能である。因に図4においては、
ENC95は2bitの光学反射式を例示している。
【0026】鏡筒4の内壁及び可動支持部材3にセンサ
系(30,31,32)が、そして軸対称部にトルク発
生器系(41,42,43)が配設されている。また、
x軸とy軸は各々同様の構成で、かつx軸とy軸とは直
交する位置に配設される。
【0027】前記センサ系(30,31,32)の構成
を図5の斜視図を参照して説明する。この系は、鏡筒4
の内壁に取り付けられたLED等の発光素子30、発光
素子30のための電源34とこれを受光するPSD等の
一次元受光位置検出素子32と、可動支持部材3に取り
付けられたスリット幕31とから成っている。
【0028】発光素子30と一次元の受光位置検出素子
32の間に設けられたスリット幕31は補正光学系であ
るレンズ2を保持する可動支持部材3の移動に伴い図の
矢印方向に動くので、受光位置検出素子32から振れ角
に応じた信号を検出しセンサアンプ33から可動支持部
材3の鏡筒4に対する変位信号として出力する。
【0029】次に、前記トルク発生器系(41,42,
43)の構成をボイスコイル型の構成とした場合の例を
図6の斜視図を参照して説明する。入力端子43に制御
信号が入力されると、その電流量と極性に応じボイスコ
イル42とマグネット41の間で磁気的結合力(あるい
は磁気的反発力)が発生し、図6の矢印方向にトルクを
発生させることが出来る。前述した様に、センサ系(3
0,31,32)とトルク発生器系(41,42,4
3)はx軸とy軸を直交させた配置と成っており、ジン
バル支持と相まり、可動支持部材3の移動をダンピング
及びセンタリングすべく可動支持部材3をx軸回り及び
y軸回りにトルク制御が出来る。
【0030】図3は、上記センサ系(30,31,3
2)およびトルク発生器系(41,42,43)により
構成した規制手段を備えた画像振れ防止装置例のブロッ
ク図である。
【0031】図3において、前記可動支持部材3のx軸
回り及びy軸回りに対するセンサアンプ33、詳しくは
図3において可動支持部材3のx軸回りに対するセンサ
系(ここでは30〜32の他、センサアンプ33、電源
34も含める)30x,31x,32x,33x,34
xおよびy軸回りに対するセンサ系30y,31y,3
2y,33y,34yからの可動支持部材3の鏡筒4に
対する変位信号は、マイクロコンピュータ等により構成
される制御回路50内のA/D変換器511および51
2によりディジタル・データに変換され、該制御回路5
0により処理される。
【0032】上記のようにしてA/D変換され、後述す
るように処理された信号はD/A変換器524および5
25にてアナログ・データに変換され、制御回路50よ
り出力される。そして、このアナログ・データに基づい
て駆動回路53x,53yにより前記トルク発生器系4
1,42、詳しくは図3では前記可動支持部材3のx軸
回りに対するものを41x,42xで示し、y軸回りに
対するものを41y,42yで示してあるトルク発生器
系が駆動制御される。
【0033】上記の制御回路50による制御の基本は、
画像振れ防止と、パンニングやティルティング時の補正
光学系レンズの過度な動きの防止、という相反する2つ
の要件を満足させるために、慣性振り子である可動支持
部材3の鏡筒4に対する変位に対して、トルク発生器系
41x,42x及び41y,42yにダンピング及びセ
ンタリングのための非線形な制御トルクを発生させるこ
とにある。
【0034】図7は、撮影光学系の焦点距離が望遠時に
おける前記制御トルクの特性例を示す特性図であり、鏡
筒4に対する可動支持部材3の振れ角に対する制御トル
クの非線形トルクを示している。
【0035】即ち、可動支持部材3が可動中心付近に位
置する場合には、慣性振り子による防振作用を妨げない
ようにトルク発生器系41x,42x及び41y,42
yにはダンピングの為のトルクは殆ど発生させていな
い。
【0036】一方、パンニングやティルティングのよう
に鏡筒4をある方向へ大きく動かしたような場合等、可
動支持部材3が慣性振り子の作用によって可動中心から
大きく変位すると、その変位量が大きくなるに従いトル
ク発生器系41x,42x及び41y,42yに可動支
持部材3を可動中心に引き戻すための急激に増大するセ
ンタリング及びダンピング力を発生させ、可動支持部材
3が鏡筒4の内壁にぶつかるのを防止する。
【0037】図7に示すトルクカーブを主光軸15の方
向から見ると、図8のようなイメージ図になる。一つの
同心円が一定量のトルク変化を示しているので、外周つ
まり鏡筒4の端に近づくにつれ、同心円の間隔が密にな
り、可動支持部材3が可動中心から変位するに従ってト
ルク特性の傾きが急になることが分かる。すなわち、図
7に示す非線形のカーブを描いてトルクが上昇する様子
を示している。
【0038】上記のようにセンタリング及びダンピング
トルクを制御することにより、可動支持部材3が鏡筒4
に近接した時点でセンタリング及びダンピング作用を大
きく働かせて該可動支持部材3が鏡筒4の内壁にぶつか
るのを防止し、それ以外では、このセンタリング及びダ
ンピング作用を極力少なくし、慣性振り子による防振作
用を妨げないようにしている。
【0039】図7および図8に示す制御特性を実現する
ために制御回路50では、例えばセンサアンプ33x,
33yより入力される慣性振り子の変位量(振れ角θ)
に応じて図7に示すトルクカーブが得られるような係数
K1,K2を制御回路50内のメモリに格納されたルッ
ク・アップ・テーブル(以下LUTと記す)516,5
17より選択して、制御関数 DATA=K1*θ+K2*dθ/dt+K3*∫θdt を演算し(但し係数K3は一定の小さな値であり、又*
は乗算を意味する)、上記のDATAを制御トルクとし
てトルク発生器系41x,42x及び41y,42yに
発生させるようにする。
【0040】上記制御関数において、「K1*θ」の項
は図3に示すLUT516,合成器519,乗算器52
1により求められ、これは慣性振り子の可動中心から変
位量に応じたセンタリング・フォースを発生させるスプ
リング項として作用する。
【0041】「K2*dθ/dt」項はダンピング項
で、図3に示すLUT517,合成器520,乗算器5
22,微分器518により求められ、急激なパンニング
やティルティング等に対する抑制効果を有する。
【0042】「K3*∫θdt」項はセンタリングの為
のもので積分器515内にて求められ、蓄積誤差や量産
時の製造誤差などの各種要因にて発生する誤差をキャン
セルして可動支持部材3を可動中心位置に復帰させる効
果を有する。このような積分行為は、制御系に対する影
響度を低く設定するので、他項のような非線形処理は行
わない。
【0043】そして、前記それぞれの項が図3に示す加
算器523にて加算され、次段のD/A変換器524に
てアナログ信号に再び変換されてトルク発生器42x,
42yへ直接出力される。なお、図3の制御回路50内
の点線51,52で示した枠内の構成は上記LUT51
6,517内の係数データを除き同一構成であるので片
側(点線52の枠内)は詳細図示を省略してある。ま
た、点線51の枠内の構成のうち積分器515から加算
器523までの部分は制御回路50の処理内容をハード
的に示したものである。
【0044】本構成例では、変倍エンコーダ(ENC9
5)の出力に応じて前記制御トルクの与え方を、望遠時
に対して広角時を強くするようにしている。この様子を
示したのが図10に示す焦点距離、振れ角に対する制御
トルクの特性図である。
【0045】即ち、撮影光学系の焦点距離が望遠(長焦
点距離)端から広角(短焦点距離)端へ変化するにつれ
て制御トルクカーブを(c)→(b)→(a)のよう
に、より強いトルクが与えられる非線形特性となるよう
に変化させる。
【0046】その為、制御回路50内では、LUT51
6,517に広角端のトルクカーブ(a)を与える為の
可動支持部材3の振れ角θに応じた前記制御関数の係数
K1,K2が設定されており、これら係数を可動支持部
材3の振れ角θに応じて選択し、ENC95の値に応じ
て上述のようなトルクカーブが得られるように合成演算
して前記制御関数K1,K2とするようにしている。
【0047】上記は、通常、望遠での手持ち撮影では広
角撮影時に比べ手振れが目立つことが知られているの
で、パンニングのような大きな動きへの対策であって、
防振という本来の目的にとってはマイナス作用である制
御トルクを光学機器の使用状況に合わせ、望遠撮影時の
特性を広角撮影時に比べ弱くして防振効果に適したもの
としている。
【0048】上記の制御トルクにより、望遠端付近での
防振特性を損なうことなく、光学系全体の小型化と軽量
化を達成することができる。
【0049】上記の点について、図11に示す防振光学
系の振れ量説明図を参照して説明を補足する。図11に
おいて、I,IIは、それぞれ図4に示すレンズ1,2に
相当する補正光学系の第一レンズ群及び第二レンズ群、
III は主撮像系である。IV, Vはそれぞれ軸外の光線を
表し、(A)は防振の為の第二レンズ群の振れ量が大き
い時、(B)は同振れ量が小さい時である。
【0050】防振光学系の第一レンズ群と、第二レンズ
群の各レンズの大きさはそれぞれ軸外の光線IV, Vがレ
ンズ系を通る高さによって決定される。従って、図11
に示すように、振れ角の小さい時は振れ角が大きい時に
比べて軸外光束が通る高さが低くなる為に光学系の大き
さを小さくすることができる。
【0051】光学系の大きさを決定する軸外光線は通常
広角端或はその付近のズーム域における最大像高に結像
する光線である。
【0052】望遠端付近では画角が小さくなる為に広角
端付近である程度の振れ角の光線を確保しておけば(広
角側では望遠側に比してそれ程画像振れは気にならない
為)十分な防振範囲を得ることができる。
【0053】従って、図10に示したようなトルク特性
によって広角端付近の防振時における振れ角すなわち制
御範囲を望遠端よりも小さくすれば、望遠端付近での防
振特性を損なうことなく、図11の(A)より(B)の
光学系が小さいように光学系全体の小型化と軽量化を達
成することができるのである。
【0054】次に、上記図3に示す制御系の動作を、図
9に示すフローチャートに従って説明する。 「ステップ1」 焦点距離検出のためにENC95の値
(ENCデータ)を取り込む。
【0055】「ステップ2」 可動支持部材3のx軸回
りの制御トルク信号を演算する処理のためモードiをx
と指定する。
【0056】「ステップ3」 LUT選択モードj=1
に設定し、上記制御関数の係数をメモリしたLUTのど
れを使用するかを選択する。
【0057】「ステップ4」 可動支持部材3のx軸回
りの振れ角θ(以下θxと記す)に応じたセンサーアン
プ33xの出力をA/D変換器511によりディジタル
・データとして取り込む。
【0058】「ステップ5」 ステップ3のLUT選択
モードj=1の設定に従い、可動支持部材3のx軸回り
に対して図10に示すような広角端時の制御トルクカー
ブ(a)及び望遠端時の制御トルク(c)が得られる上
記制御関数の係数K1をメモリしたLUT−1x−W及
びLUT−1x−Tから、前述の振れ角θxに対応した
係数K1W及びK1Tを読み出す。
【0059】「ステップ6」 現在の焦点距離に対する
上記制御関数の係数K1を、前述の係数K1W及びK1
Tに対する前述のENC95の値に応じた合成演算によ
り求める。
【0060】上記の合成演算を行う合成器の一例を図1
2のブロック図に示す。図12において、合成器519
(合成器520も同様)では、ENC95の分解能に応
じた係数1を発生する係数発生器81と1の補数(1−
1)を発生する演算器82と「K1T*1」及び「K1
W*(1−1)」を演算する乗算器の84と83を有
し、該乗算器の出力を加算演算する加算器85により焦
点距離に応じた係数K1を出力する。
【0061】なお、ENC95の出力に対応し、ENC
のステップ数(分解能)と同数のLUTを用意し、この
合成器を省略するようにしても良い。
【0062】「ステップ7」 LUT選択モードjが
1、2の設定に対し、共に処理が終了したか否かを確認
する。もし、終了していない場合(j=2)はステップ
8へ進む。
【0063】「ステップ8」 ここではLUT選択モー
ドj=2と設定し直してステップ5に戻り、LUT選択
モードj=2に従い、可動支持部材3のx軸回りに対し
て図10に示すような広角端時の制御トルクカーブ
(a)及び望遠端時の制御トルクカーブ(c)の得られ
る上記制御係数K2をメモリしたLUT−2x−W及び
LUT−2x−Tから前述のθxに対応した係数K2W
及びK2Tを読みだし、ステップ6にて前述の合成演算
により上記制御関数の係数K2を求める。
【0064】「ステップ9」 前述のθxを微分(dθ
x/dt)してデータΔとする。
【0065】「ステップ10」 前述のθxを積分(θ
xdt)してこれに係数K3を乗算し、データd1とす
る。なお、係数K3は、前記したように制御系に対する
影響度を低く設定すべく一定の小さな値とし、他の係数
K1、K2のような非線形処理は行わない。
【0066】「ステップ11」 前述のθxに先に求め
た係数K1を乗算し、これをデータd2とする。
【0067】「ステップ12」 前述のデータΔに先に
求めた係数K2を乗算し、これをデータd3とする。
【0068】「ステップ13」 上記データd1、d
2、d3を加算し、これを“DATA”として一時格納
する。
【0069】即ち、ここで DATA=d1+d2+d3 =k1*θx+k2*dθx/dt+K3*∫θxdt により前記制御関数の演算結果が得られる。
【0070】「ステップ14」 現在の処理モードiが
可動支持部材3のx軸回りに関するものかを判別する。
【0071】奇数回目であればx軸回りに関するもので
あり(noの場合)、ステップ15へ進む。偶数回目で
あればyに関するものであり(yesの場合)、ステッ
プ17へ進む。
【0072】「ステップ15」 演算結果の“DAT
A”をx軸回りに対する制御トルクデータとしてDxに
格納する。
【0073】「ステップ16」 処理モードiをyに変
更し、ステップ3へ戻り、次に可動支持部材3のy軸回
りの制御トルク信号の演算のための処理を上記x軸回り
の場合と同様に行う。
【0074】但し、この場合、ステップ5では、可動支
持部材3のy軸回りに対して図10に示すような広角端
時の制御トルクカーブ(a)及び望遠端時の制御トルク
カーブ(c)の得られる上記制御関数の係数K1をメモ
リしたLUT−1y−W及びLUT−1y−Tから可動
支持部材3のy軸回りの振れ角θ(以下θyと記す)に
対応した係数K1W及び係数K1Tを読み出すと共に、
図10に示すような広角端時の制御トルクカーブ(a)
及び望遠端時の制御トルクカーブ(c)の得られる上記
制御関数の係数K2をメモリしたLUT−1y−W及び
LUT−1y−Tから前述した振れ角θyに対応した係
数K1W及び係数K1Tを読み出すことになる。
【0075】「ステップ17」 演算結果の“DAT
A”をy軸回りに対する制御トルクデータとしてDyに
格納する。
【0076】「ステップ18」 制御トルクデータDx
とDyをD/A変換器524,525によりアナログ・
データに変換し、これを直接振れ角データ(トルク制御
信号)として駆動回路53x,53yへ出力し、可動支
持部材3のx軸回り及びy軸回りのトルク制御を行う。
【0077】「ステップ19」 画像振れ補正動作を終
了してよいか否かを判断する。終了ならば(YESの場
合)一連の動作を終了し、継続ならば(NOの場合)ス
テップ1へ戻り、上述の処理を終了するまで繰り返す。
【0078】上記のようにして、焦点距離が望遠から広
角側になるに従って強いトルクを与える前記制御関数の
トルクカーブに従い、可動支持部材3がパンニングやテ
ィルティングの動作等によって鏡筒4の内壁に近付くに
つれて、x軸回りのトルク発生器系(41x,42x)
及びy軸回りのトルク発生器系(41y,42y)に可
動支持部材3を可動中心位置へ戻すための非線形に急増
する制御トルクが発生し、これにより可動支持部材3は
可動中心方向へ戻される。
【0079】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、レンズとカメラが一体となっているいわゆる
カメラ一体型VTRが前提となっており、レンズとカメ
ラ本体の間に中間アクセサリが入る可能性のあるレンズ
交換型ビデオカメラ等では、焦点距離が自由に変えれる
ため上述の図10に示すように望遠端時、広角端時とい
う制御関数係数の区切り方だけでは必ずしも最適な防振
効果及びパンニングやティルティングができない場合が
ある。
【0080】この発明は、上記従来技術の問題点を解消
するために成されたもので、レンズとカメラ本体の間に
中間アクセサリを装着したため、真の焦点距離が変化し
た時も最適な防振効果を有し、且つパンニングやティル
ティングも支障なくできる画像振れ防止装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0081】
【課題を解決するための手段】このため、この発明に係
る画像振れ防止装置は、レンズとカメラ本体との間に装
着された中間アクセサリの種類を識別する中間アクセサ
リ識別手段と、レンズ鏡筒内に配され、画像の振れを補
正する補正光学手段と、前記レンズ鏡筒に対する前記補
正光学手段の相対変移量が大きくなるに従って大なる規
制トルクを発生して補正光学手段のレンズ鏡筒に対する
相対変移を規制する規制手段と、焦点距離を変化させて
変倍を行う変倍手段と、該変倍手段の変倍位置情報を検
出する変倍位置検出手段とを備え、かつ前記変倍位置検
出手段と中間アクセサリ識別手段からの情報により真の
焦点距離を算出する焦点距離判別手段と、算出した真の
焦点距離に対応させて前記規制手段を制御する制御手段
とを備えたことを特徴とする構成によって、前記の目的
を達成しようとするものである。
【0082】
【作用】以上の構成により、中間アクセサリ識別手段か
らの中間アクセサリ識別情報と変倍位置検出手段からの
変倍位置情報とを入力して判別手段は真の焦点距離を求
め、制御手段は上記求めた真の焦点距離に対応させて規
制手段を制御して補正光学手段のレンズ鏡筒に対する相
対変移を規制し、補正光学手段による画像振れ防止を実
施する。
【0083】即ち、中間アクセサリを装着したときも最
適な画像振れ防止効果を発揮し、かつ補正光学手段がレ
ンズ鏡筒に突き当たることなくパンニング、およびティ
ルティングが実施できる。
【0084】
【実施例】以下、本発明に係る画像振れ防止装置を実施
例により説明する。図1は、本発明に係る一実施例の構
成を示すブロック図であり、該装置は前記図3,図4等
に示す従来の慣性振り子型による画像振れ防止装置を発
展させたものであり、図3,図4等により説明した従来
装置の部分と同一または相当部分には同一符号で示し、
重複説明を省略する。
【0085】図1において、100は中間アクセサリ識
別手段であり、該中間アクセサリ識別手段によりレンズ
とカメラ本体との間に装着された中間アクセサリの種類
を識別する。
【0086】101は、焦点距離判別回路であり、前記
中間アクセサリ識別手段100と、ENC95のデータ
から中間アクセサリが装着された場合の真の焦点距離を
演算により求め、新たなエンコーダ情報として後記する
演算に使用する。
【0087】次に、図1に示す本実施例の制御動作を図
2のフローチャートを参照して説明する。図2のフロー
チャートは、図1の構成をフロー化しているため、前記
図1の説明と同様に従来例のフローチャート図9と同じ
部分については同一記号を用い、重複説明を省略する。
【0088】「ステップ1」 真の焦点距離検出のため
にENC95の値(ENCデータ)を取り込み、更に中
間アクセサリ識別手段100より中間アクセサリの種類
より変倍率を求め、焦点距離判別回路101により現状
態の焦点距離を演算する。
【0089】「ステップ2」から「ステップ4」までは
図9説明と同様である。
【0090】「ステップ5」 ステップ3のLUT選択
モードj=1の設定に従い、ステップ1で求めた焦点距
離をパラメータとして現在の焦点距離のLUTを決定す
る。
【0091】「ステップ6」 現在の焦点距離と前述の
振れ角θxに対応した上記制御関数の係数K1を、前述
のLUTより読み出す。
【0092】「ステップ7」から「ステップ19」まで
は図9説明と同様である。
【0093】本実施例によれば、任意の中間アクセサリ
がレンズとカメラ本体の間に装着されても、防振特性は
真の焦点距離によって最適化されるため防振効果を損な
うことなくパンニングやティルティングにも効果のある
画像振れ防止効果を実現することができる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、中間アクセサリ識別手段からの中間アクセサリ識別
情報と変倍位置検出手段からの変倍位置情報とを入力し
て判別手段は真の焦点距離を求め、制御手段は上記求め
た真の焦点距離に対応させて規制手段を制御して補正光
学手段のレンズ鏡筒に対する相対変移を規制し、補正光
学手段による画像振れ防止を実施する。
【0095】即ち、中間アクセサリを装着したときも最
適な画像振れ防止効果を発揮し、かつ補正光学手段がレ
ンズ鏡筒に突き当たることなくパンニング、およびティ
ルティングが実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例のブロック図
【図2】 一実施例のフローチャート
【図3】 従来の画像振れ防止装置例のブロック図
【図4】 従来の画像振れ防止装置の断面図
【図5】 センサ系の構成例を示す斜視図
【図6】 トルク発生器系の具体的な構成例を示す斜視
【図7】 振れ角に対する制御トルクの特性図
【図8】 主光軸側から見た制御トルクのイメージ図
【図9】 従来の画像振れ防止装置のフローチャート
【図10】 焦点距離・振れ角に対する制御トルクの特
性図
【図11】 防振光学系の振れ量説明図
【図12】 合成器の構成を示すブロック図
【図13】 画像振れ防止装置の基本構成を示す断面図
【図14】 ジンバル支持の構成を示す部分拡大図
【図15】 ダンピング・センタリング基本構成の要部
拡大図
【図16】 画像振れ防止装置の基本となる制御トルク
特性図
【符号の説明】
1,2 補正光学系 3 可動支持部材 4 レンズ鏡筒(鏡筒) 5 ジンバル 12,13 主レンズ 14 焦点面 30,31,32, センサ系 41,42 トルク発生器系 50 制御回路 92 変倍レンズ 95 変倍エンコーダ(ENC) 96 移動環 100 中間アクセサリ識別器 101 焦点距離判別器 516,517 ルック・アップ・テーブル(LUT) なお、図中、同一符号は同一または相当する部分を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/222 - 5/257

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズとカメラ本体との間に装着された
    中間アクセサリの種類を識別する中間アクセサリ識別手
    段と、レンズ鏡筒内に配され、画像の振れを補正する補
    正光学手段と、前記レンズ鏡筒に対する前記補正光学手
    段の相対変移量が大きくなるに従って大なる規制トルク
    を発生して補正光学手段のレンズ鏡筒に対する相対変移
    を規制する規制手段と、焦点距離を変化させて変倍を行
    変倍手段と、該変倍手段の変倍位置情報を検出する変
    倍位置検出手段とを備え、かつ前記変倍位置検出手段と
    中間アクセサリ識別手段からの情報により真の焦点距離
    を算出する焦点距離判別手段と、算出した真の焦点距離
    に対応させて前記規制手段を制御する制御手段とを備え
    たことを特徴とする画像振れ防止装置。
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