JPH05134215A - 画像振れ防止装置 - Google Patents

画像振れ防止装置

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Publication number
JPH05134215A
JPH05134215A JP29556591A JP29556591A JPH05134215A JP H05134215 A JPH05134215 A JP H05134215A JP 29556591 A JP29556591 A JP 29556591A JP 29556591 A JP29556591 A JP 29556591A JP H05134215 A JPH05134215 A JP H05134215A
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JP
Japan
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focal length
lens
support member
torque
lens barrel
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Withdrawn
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JP29556591A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Nishikawa
嘉一 西川
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の焦点距離変倍コンバータがレンズ先端
に装着されても、防振効果を損なうことなくパンニング
やチルティングにも効果のある画像振れ防止装置を提供
すること。 【構成】 光学機器の画像振れ防止装置であって、焦点
距離変倍コンバータを識別する識別器100と、変倍レ
ンズの位置を検出する変倍エンコーダ(ENC)95
と、前記識別器100からの識別データと前記ENC9
5からの位置データにより焦点距離を求める焦点距離判
別器101とを備えているもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手振れ等により光学機
器の画像が振れるのを防止する画像振れ防止装置の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】手振れ等によって生じる画像の振れを防
止する機能を備えた光学機器は、従来より知られてい
る。実例を挙げると、たとえば、米国特許第29590
88号や同第2829557号等に、補正光学系を可動
に配し、その慣性によって画像振れを防止する方式のも
のが開示されている。
【0003】(従来例1)図13は、この方式の画像振
れ防止装置の全体構成を示したものである。図におい
て、焦点面14上に画像を結像するためのレンズ鏡筒
(以下単に鏡筒と記す)4に固定された主レンズ12,
13に対し、レンズ1,2が画像振れを補正するための
補正光学系である。これら補正光学系の焦点距離は、鏡
筒4に固定された負のパワーを持つレンズ1の焦点距離
をf1とし、可動支持部3に支えられている正のパワー
を持つレンズ2の焦点距離をf2とすると、 f1=−f2 の関係を満足するように設定されている。
【0004】前記可動支持部3は、2軸可動の支持を行
うためのジンバル5を介して、レンズ2の像側主点から
焦点距離f2(=−f1)の位置で、鏡筒4に支持され
ている。
【0005】図14は、このジンバル5の2軸可動支持
の構成を示す。すなわち、レンズ2を保持する可動支持
部材3はy軸回りの自由度を有する支持部材5yに支持
され、支持部材5yはy軸に垂直のx軸回りの自由度を
有する支持部材5xに支持され、支持部材5xは鏡筒4
により支持されている。このようにして2軸の自由度を
有する補正光学系が構成されている。
【0006】図13において、10は、可動支持部材3
の釣合が取れるようにするためのバランサーとしてのカ
ウンタ・ウェイトで、ジンバル5を挟んで可動支持部材
3のレンズ2とは反対側に取り付けて、レンズ2とのバ
ランスが取れるようにしてある。いわゆる慣性振り子式
の防振光学系は、以上のように構成されているので、以
下に示すようにして画像振れが防止される。
【0007】例えば、図13に示す構成が望遠鏡だとし
て、目標物に向けられた鏡筒4の内部では、主レンズ1
2,13及び補正光学系1,2により目標物の光学像が
焦点面14上に結像されている。拡大率の高い望遠鏡で
は、手持ちでの使用の場合、特に手振れ等により鏡筒4
に0.1〜10Hz程度の範囲の周波数成分を有する振
動が発生し、この振動により画像振れが生じる。
【0008】ところが、上記光学機構によれば、この振
動に対し可動支持部材3の慣性により、レンズ2とレン
ズ1との間に相対的な変位が生じ、レンズ2とレンズ1
との相対変位により上記の画像振れが抑制されることに
なる。
【0009】また、図13において、可動支持部材3に
取り付けられた部材9は、アルミ片等の非磁性体の導体
で、鏡筒4に固定されたマグネット6及び7にて形成さ
れる磁気的効果により、前記鏡筒4の振動速度に応じた
抑制力(ダイビング・フォース)が発生する。これは、
たとえば、構図を変えるために鏡筒4を急激に変位させ
た場合に、可動支持部材3が鏡筒4の内壁に突き当たる
のを防止するためのダイビング作用を発生させるための
ものである。
【0010】具体的には、図15に示すように、マグネ
ット6,7に対し導体9により発生する渦電流が、レン
ズ2の光軸と主レンズ12,13の光軸(主光軸15)
とが一致する可動中心位置からの可動支持部材3の変位
量を小さくする方向に力を発生し、ダイビング効果を得
る。
【0011】なお、マグネット6,7は、図13では、
鏡筒4の上部のみに取り付けられているが、これは説明
の便宜を図るための省略である。鏡筒4の下部及び左右
にも同様のマグネットが設けられて2軸制御が行われる
ことは言うまでもない。
【0012】さらに、図13において、11は、可動支
持部材3に前記カウンタ・ウェイト10と一体的に取り
付けられた磁性体であり、鏡筒4に固定されたマグネッ
ト8との間で構成される磁気的効果により、レンズ2の
光軸が主光軸15に一致する可動中心位置に可動支持部
材3を戻すセンタリング動作を行う。このセンタリング
動作は、振れのない場合には、レンズ2の中心部を用い
た方が光学的特性が良好であるので、製造誤差や上記変
位の周波数成分で直流成分に当たる変位の除去を行い、
レンズ2の光軸を主光軸15に一致させるようにするた
めのものである。
【0013】具体的には、図15に示すように、磁性体
11とマグネット8とが互いに同極(N極)同士で面し
ており、互いに磁気的に反発するように構成されてい
る。そして、マグネット8の中心が主光軸15と一致し
ているので、レンズ2の光軸を主光軸15に一致させる
ような求心力(センタリング・フォース)が発生するこ
とになる。
【0014】以上のように、上記ダイピングの構成や上
記センタリングの構成は、慣性振り子式による画像振れ
防止装置の特性を向上させることができる。
【0015】ところで、実際の撮影時には、被写体を追
跡したり、被写体を変えるため、パンニング(構図を変
えるために鏡筒4を水平方向に動かすこと)やチルティ
ング(構図を変えるために鏡筒4を垂直方向に動かすこ
と)等の動作を行うことが頻繁に行われる。
【0016】この観点からみれば、上述の方式には問題
があった。すなわち、上述の方式の画像振り防止装置に
あっては、防振動作のみのシステムであるため、手振れ
等の振動については防振効果を有するが、一方向に連続
して移動する現実的なパンニング,チルティング動作時
の挙動に対しては、防振効果が低下したり、あるいは補
正光学系が大きく一方向に移動したままになったり、鏡
筒4の内壁に衝突したりして、画像の動きが不自然にな
ることがあった。
【0017】(従来例2)そこで、前述の補正光学系に
おけるパンニング,チルティング対策として、x軸,y
軸の動作に最適な制御関数を設定し、この関数に応じた
補正光学系の制御を実現する画像振り防止装置が提案さ
れている。
【0018】次に、この装置について説明する。この装
置の構成要素は、パンニング,チルティング等の動作に
よって発生し易い補正光学系の鏡筒4の内壁への突き当
たりを防止するために補正光学系の動きを制御するトル
ク発生手段と、このトルク発生手段を制御する制御信号
発生手段と、制御信号発生のための演算処理の入力信号
として、補正光学系の移動を検出する位置検出手段が主
なものである。
【0019】上記の制御信号発生手段からは、防振とパ
ンニングやチルティングに関するレンズ部の過度な動き
の防止、という相反する2つの要素を満足させるため
に、慣性振り子である可動支持部材3の変位に対して非
線形なトルク出力が与えられる。図16は、このトルク
出力の特性を示したものである。
【0020】同図のトルク出力の特性によれば、可動支
持部材3が可動中心付近に位置する場合には、慣性振り
子による防振作用を妨げないようにセンタリング及びダ
ンピングのためのトルクは殆ど発生しない。しかし、パ
ンニング等のように鏡筒4をある方向への大きく動かし
た場合等、可動支持部材3が慣性振り子の作用によって
可動中心から大きく変位する場合には、その変位量が大
きくなるに従い可動支持部材3を可動中心に引き戻すた
めの急激に増大するセンタリング及びダンピングが発生
する。つまり、大きな制御トルクが発生する。この制御
トルクが、可動支持部材3が鏡筒4にぶつかるのを防止
している。
【0021】図4は上記制御システムを用いた画像振れ
防止装置の構成を示す。この装置は、図13の画像振れ
防止装置と同様の慣性振り子式によるものである。従っ
て、図13と同じ部分には同一符号を付し、その説明は
省略する。
【0022】図4において、主撮像光学系が前玉レンズ
91,変倍レンズ92,結像用の固定レンズ93,94
により構成されている。変倍レンズ92は焦点距離可変
のために可動の移動環96により移動可能に配設されて
いる。変倍レンズ92の移動位置は変倍エンコーダ(以
下ENCと記す)95により検出可能で、このENC9
5の出力により撮像光学系の焦点距離がどのような状態
にあるかを把握可能である。因に、図4におけるENC
95は、2bitの光学反射式のものである。
【0023】鏡筒4の内壁及び可動支持部材3にセンサ
系30,31,32が、その軸対称部にトルク発生器系
41,42,43がそれぞれ配設されている。また、x
軸とy軸はそれぞれ同様の構成で、かつx軸とy軸とは
直交する位置に配設される。
【0024】前記センサ系30,31,32の細部構成
を図5に示す。この系は、鏡筒4の内壁に取り付けられ
たLED等の発光素子30,発光素子30のための電源
34と、これを受光するPSD等の一次元受光位置検出
素子32と、可動支持部材3に取り付けられたスリット
幕31とから成っている。
【0025】発光素子30と一次元の受光位置検出素子
32の間に設けられたスリット幕31は補正光学系であ
るレンズ2を保持する可動支持部材3の移動に伴い図の
矢印方向に動くので、受光位置検出素子32からその振
れ角に応じた信号が検出され、それがセンサアンプ33
から可動支持部材3の鏡筒4に対する変位信号として得
られる。
【0026】次に、前記トルク発生器系41,42,4
3の構成をボイスコイル型とした場合の例を図6に示
す。
【0027】入力端子43に制御信号が入力されると、
その電流量と極性に応じボイスコイル42とマグネット
41の間で磁気的結合力(あるいは磁気的反発力)が発
生し、矢印方向にトルクが発生する。そして、前述した
ように、センサ系30,31,32とトルク発生器系4
1,42,43は、x軸とy軸を直交させた配置となっ
ており、ジンバル支持と相まり、可動支持部材3の移動
をダンピング及びセンタリングすべく同可動支持部材3
をx軸回り及びy軸回りにトルク制御できる。
【0028】図3において、可動支持部材3のx軸回り
及びy軸回りに対するセンサアンプ33(図3において
可動支持部材3のx軸回りに対するセンサ系(ここでは
30〜33のほか、34も含める)は、30x,31
x,32x,33x,34xで示し、y軸回りに対する
センサ系は、30y,31y,32y,33y,34y
で示す)からの可動支持部材3の鏡筒4に対する変位信
号は、マイコン等により構成される制御回路50内のA
/D変換器511によりディジタル・データに変換さ
れ、制御回路50により処理される。
【0029】上記のようにしてA/D変換され、後述す
るように処理された信号は、D/A変換器524にてア
ナログ・データに変換され、制御回路50より出力され
る。そして、このアナログ・データに基づいて駆動回路
53x,53yにより前記トルク発生器系41,42
(図3では前記可動支持部材3のx軸回りに対するもの
を41x,42xで示し、y軸回りに対するものを41
y,42yで示してある)が駆動制御される。
【0030】制御回路50による制御の基本は、防振
と、パンニングやチルティングに関するレンズ部の過度
な動きの防止、という相反する2つの要素を満足させる
ために、慣性振り子である可動支持部材3の鏡筒4に対
する変位に対して、トルク発生器系41x,42x及び
41y,42yにダンピング及びセンタリングのための
非線形な制御トルクを発生させる。
【0031】ここで、図3における制御系の基本となる
制御トルクの特性例を図7に示す。図7の制御トルクの
特性によれば、可動支持部材3が可動中心付近に位置す
る場合には、慣性振り子による防振作用を妨げないよう
に、トルク発生器系41x,42x及び41y,42y
にはダンピングのためのトルクが殆ど発生しない。一
方、パンニングやチルティングのように鏡筒4をある方
向へ大きく動かしたような場合等、可動支持部材3が慣
性振り子の作用によって可動中心から大きく変位した場
合には、その変位量が大きくなるに従いトルク発生器系
41x,42x及び41y,42yに可動支持部材3を
可動中心に引き戻すための急激に増大するセンタリング
及びダンピング力が発生し、可動支持部材3が鏡筒4の
内壁にぶつかるのを防止する。
【0032】図7のトルクカーブを振り子の主光軸15
の方向から見ると、図8のようなイメージになる。一つ
の同心円が一定量のトルク変化を示しているので、外周
つまり鏡筒4の端に近づくにつれ、同心円の間隔が密に
なり、可動支持部材3が可動中心から変位するに従って
トルク特性の傾きが急になることが分る。すなわち、図
7に示す非線形のカーブを描いてトルクが上昇する様子
が分る。
【0033】このように、センタリング及びダンピング
トルクを制御することにより、可動支持部材3が鏡筒4
に近接した時点でセンタリング及びダンピング作用を大
きく働かせて可動支持部材3が鏡筒4の内壁にぶつかる
のを防止し、それ意外では、このセンタリング及びダン
ピング作用を極力少なくし、慣性振り子による防振作用
を妨げないようにしている。
【0034】図7の制御特性を実現するために、制御回
路50では、例えば、センサアンプ33x,33yより
入力される慣性振り子の変位量(振れ角θ)に応じて図
7のトルクカーブが得られるような係数K1,K2を、
制御回路50内のメモリに格納されたルック・アップ・
テーブル(以下LUTと記す)516,517より選択
して、制御関数 DATA=K1*θ+K2*dθ/dt+K3* θdt を演算し(但し、係数K3は一定の小さな値であり、*
は乗算を意味する)、このDATAを制御トルクとして
トルク発生器系41x,42x及び41y,42yに発
生させるようにする。
【0035】上記制御関数において、「K1*θ」の項
は、図3に示すLUT516,合成器519,乗算器5
21により求められ、これは慣性振り子の可動中心から
変位量に応じたセンタリング・フォースを発生させるス
プリング項として作用し、「K2*dθ/dt」の項
は、ダンピング項で、図3に示すLUT517,合成器
520,乗算器522,微分器518により求められ、
急激なパンニングやチルティング等に対する抑制効果を
有し、「K3* θdt」の項は、センタリングのため
のもので、積分器515内にて求められ、蓄積誤差や量
産時の製造誤差などの各種要因で発生する誤差をキャン
セルして可動支持部材3を可動中心位置に復帰させる効
果を有する。このような積分行為は、制御系に対する影
響度を低く設定するので、他項のような非線形処理は行
わない。
【0036】そして、前記それぞれの項が、図3に示す
加算器523にて加算され、次段のD/A変換器524
にてアナログ信号に再び変換されてトルク発生器42
x,42yへ直接出力される。
【0037】なお、図3の制御回路50内の点線枠5
1,52で示した枠内の構成は、上記LUT516,5
17内の係数データを除き同一構成であるので、片側
(点線枠52内)は、便宜上、図示を省略してある。ま
た、点線枠51内の構成のうち積分器515から加算器
523までの部分は制御回路50の処理内容をハード的
に示したものである。
【0038】上記構成例では、変倍エンコーダ(ENC
95)の出力に応じた前記制御トルクの与え方は、望遠
時より広角時を強くするようにしている。この様子を示
したのが図10である。同図に示すように、撮像光学系
の焦点距離が望遠(長焦点距離)端から広角(短焦点距
離)端へ変化するにつれて、制御トルクカーブを(c)
→(b)→(a)のように、より強くトルクの与えられ
る非線形特性となるように変化させている。
【0039】このため、制御回路50内では、LUT5
16,517に広角端のトルクカーブ(a)を与えるた
めの可動支持部材3の振れ角θに応じた前記制御関数の
係数K1,K2が設定されており、これらの係数を可動
支持部材3の振れ角θに応じて選択し、ENC95の値
に応じて上述のようなトルクカーブが得られるように合
成演算して前記制御関数K1,K2とするようにしてい
る。
【0040】これは、通常、望遠での手持ち撮影では、
広角撮影時に比べ手振れが目立つことが知られているの
で、パンニングのような大きな動きへの対策であって、
防振という本来の目的にとってはマイナス作用である制
御トルクを光学機器の使用状況に合わせ、望遠撮影時の
特性を広角撮影時に比べ弱くして防振効果に適したもの
としている。
【0041】これにより、望遠端付近での防振特性を損
なうことなく、防振光学系全体の小型化と軽量化を達成
することができる。この点について、以下に少し説明を
加える。
【0042】図11において、I,IIはそれぞれ図4の
レンズ1,2と同様の補正光学系の第一レンズ群及び第
二レンズ群、III は主撮像系である。IV,Vはそれぞれ
軸外の光線を表す。同図(A)は防振のための第二レン
ズ群の振れ量が大きい時、同図(B)は同振れ量が小さ
い時を示す。
【0043】防振光学系の第一レンズ群と、第二レンズ
群の各レンズの大きさは、それぞれ軸外の光線IV,Vが
レンズ系を通る高さによって決定される。従って、図1
1に示すように、振れ角の小さい時は振れ角が大きい時
に比べて軸外光束を通る高さが低くなるため、光学系の
大きさを小さくすることができる。
【0044】光学系の大きさを決定する軸外光線は、通
常広角端、あるいはその付近のズーム域における最大像
高に結像する光線である。望遠端付近では画角が小さく
なるため、広角端付近である程度の振れ角の光線を確保
しておけば(広角側では望遠側に比してそれほど画像振
れは気にならないため)、十分な防振範囲を得ることが
できる。
【0045】従って、図10に示したようなトルク特性
によって広角端付近の防振時における振れ角、すなわち
制御範囲を望遠端よりも小さくすれば、望遠端付近での
防振特性を損なうことなく、防振光学系全体の小型化と
軽量化を達成することができる。
【0046】次に、図3の制御系の動作を、図9のフロ
ーチャートに従って説明する。「ステップ1」 焦点距
離の検出のためにENC95の値(ENCデータ)を取
り込む。
【0047】「ステップ2」 可動支持部材3のx軸回
りの制御トルク信号を演算する処理のためにモードiを
xと指定する。
【0048】「ステップ3」 LUT選択モードj=1
に設定し、上記制御関数の係数をメモリしたLUTのど
れを使用するかを選択する。
【0049】「ステップ4」 可動支持部材3のx軸回
りの振れ角θ(以下θxと記す)に応じたセンサーアン
プ33xの出力をA/D変換器511によりディジタル
・データとして取り込む。
【0050】「ステップ5」 ステップ3のLUT選択
モードj=1の設定に従い、可動支持部材3のx軸回り
に対して図10に示すような広角端時の制御トルクカー
ブ(a)及び望遠端時の制御トルク(c)の得られる上
記制御関数の係数K1をメモリしたLUT−1x−W及
びLUT−1x−Tから前述の振れ角θxに対応した係
数K1W及びK1Tを読み出す。
【0051】「ステップ6」 現在の焦点距離に対する
上記制御関数の係数K1を、前述の係数K1W及びK1
Tに対する前述のENC95の値に応じた合成演算によ
り求める。
【0052】図3ではENC95の出力に対応し、EN
Cのステップ数(分解能)と同数のLUTを用意してソ
フト的に合成演算を求めている。
【0053】なお、この合成演算の一例をハード的に示
したものを図12に示す。同図において、ENC95の
分解能に応じた係数1を発生する係数発生器81と1の
補数(1−1)を発生する演算器82と「K1T*1」
及び「K1W*(1−1)」を演算する乗算器の84と
83を有し、両乗算器の出力を加算演算する加算器85
により焦点距離に応じた係数K1を出力する。
【0054】「ステップ7」 LUT選択モードjが
1,2の設定に対し、共に処理が終了したか否かを確認
する。もし、終了していない場合(j=2)は、ステッ
プ8へ進む。
【0055】「ステップ8」 ここではLUT選択モー
ドj=2と設定し直してステップ5へと戻り、LUT選
択モードj=2に従い、可動支持部材3のx軸回りに対
して図10に示すような広角端時の制御トルクカーブ
(a)及び望遠端時の制御トルクカーブ(c)の得られ
る上記制御係数K2をメモリしたLUT−2x−W及び
LUT−2x−Tから前述のθxに対応した係数K2W
及びK2Tを読み出し、ステップ6にて前述の合成演算
により上記制御関数の係数K2を求める。
【0056】「ステップ9」 前述のθxを微分(dθ
x/dt)としてデータΔとする。
【0057】「ステップ10」 前述のθxを積分(∫
θxdt)してこれに係数K3を乗算し、データd1と
する。
【0058】この係数K3は、前述したように制御系に
対する影響度を低く設定すべく一定の小さな値とし、他
の係数K1,K2のような非線形処理は行わない。
【0059】「ステップ11」 前述のθxに先に求め
た係数K1を乗算し、これをデータd2とする。
【0060】「ステップ12」 前述のデータΔに先に
求めた係数K2を乗算し、これをデータd3とする。
【0061】「ステップ13」 上記データd1,d
2,d3を加算し、これを“DATA”として一時格納
する。
【0062】つまり、ここで DATA=d1+d2+d3 =K1*θx+K2*dθx/dt+K3*∫θxdt により前記制御関数の演算結果が得られる。
【0063】「ステップ14」 現在の処理モードiが
可動支持部材3のx軸回りに関するものかを判別する。
【0064】奇数回目であればx軸回りに関するもので
あり(NOの場合)、ステップ15へ進み、偶数回目で
あればyに関するものである(YESの場合)、ステッ
プ17へ進む。
【0065】「ステップ15」 演算結果の“DAT
A”をx軸回りに対する制御トルクデータとしてDxに
格納する。
【0066】「ステップ16」 処理モードiをyに変
更し、ステップ2へ戻り、次に可動支持部材3のy軸回
りの制御トルク信号の演算のための処理を上記x軸回り
の場合と同様に行う。ただし、この場合、ステップ5で
は、可動支持部材3のy軸回りに対して図10に示すよ
うな広角端時の制御トルクカーブ(a)及び望遠端時の
制御トルクカーブ(c)の得られる上記制御関数の係数
K1をメモリしたLUT−1y−W及びLUT−1y−
Tから可動支持部材3のy軸回りの振れ角θ(以下θy
と記す)に対応した係数K1W及び係数K1Tを読み出
すとともに、図10に示すような広角端時の制御トルク
カーブ(a)及び望遠端時の制御トルクカーブ(c)の
得られる上記制御関数の係数K2をメモリしたLUT−
1y−W及びLUT−1y−Tから前述の振れ角θyに
対応した係数K1W及び係数K1Tを読み出すことにな
る。
【0067】「ステップ17」 演算結果の“DAT
A”をy軸回りに対する制御トルクデータとしてDyに
格納する。
【0068】「ステップ18」 制御トルクデータDx
とDyをD/A変換器524によりアナログ・データに
変換し、これを直接振れ角データ(トルク制御信号)と
して駆動回路53x,53yへ出力し、可動支持部材3
のx軸回りのトルク制御を行う。
【0069】「ステップ19」 画像振れ補正動作を終
了してよいか否かを判断する。終了ならば(YESの場
合)一連の動作を終了し、継続ならば(NOの場合)ス
テップ1へ戻り、上述の処理を終了するまで繰り返す。
【0070】このようにして、焦点距離が望遠から広角
側になるに従って強いトルクを与える前記制御関数のト
ルクカーブに従い、可動支持部材3がパンニングやチル
ティングの動作等によって鏡筒4の内壁に近付くにつれ
て、x軸回りのトルク発生器系(41x,42x)及び
y軸回りのトルク発生器系(41y,42y)に可動支
持部材3を可動中心位置へ戻すための非線形に急増する
トルクが発生し、これにより可動支持部材3は可動中心
方向へ戻される。
【0071】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年のカメ
ラ一体型ビデオにおいては、撮影用途の拡大等により、
テレコンバータやワイドコンバータ等のいわゆる焦点距
離変倍装置をレンズ先端に装着して撮影する場合が多く
なっている。
【0072】ところが、上記従来例では、この焦点距離
変倍装置をレンズ先端に装着しても、焦点距離変倍装置
の種類を識別する手段を持たないため、焦点距離の変化
を識別できず、上述の図10に示されるように、望遠端
時、至近端時というマスターレンズの焦点距離のみをパ
ラメータにして制御関数係数を定める方式では、必ずし
も最適な防振及びパンニングやチルティングができない
場合がある。
【0073】本発明は、このような従来の問題点を解決
するためになされたもので、任意の焦点距離変倍装置が
レンズ先端に装着されても、防振効果を損なうことなく
パンニングやチルティングにも効果のある画像振れ防止
装置を提供することを目的とする。
【0074】
【課題を解決するための手段】本発明が提供する画像振
れ防止装置は、焦点距離変倍装置を識別する識別手段
と、変倍位置検出手段と、前記識別手段からの識別デー
タと前記変倍位置検出手段からの位置データにより焦点
距離を求める焦点距離判別手段とを設けたものである。
【0075】
【作用】上記構成によれば、画像振れ補正のデータが焦
点距離に応じた制御関数の係数を選択できるようにな
り、前記欠点を克服することができる。
【0076】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。図1は実施例の画像振れ防止装置の構成を示
す。同装置は、前記図3の画像振れ防止装置と同様の慣
性振り子式によるものであるので、図3と同じ部分には
同一符号を付し、その説明は省略する。
【0077】図1において、100は焦点距離変倍コン
バータ識別器で、焦点距離変倍コンバータの種類の識別
を行うためのものである。101は焦点距離判別器で、
前記焦点距離変倍コンバータ識別器100とENC95
のデータから焦点距離変倍コンバータが装着された場合
の焦点距離を演算する。この焦点距離は、新たなエンコ
ーダ情報として後の演算に使用される。
【0078】次に、図1に示す実施例の制御系の動作
を、図2のフローチャートに従って説明する。図2のフ
ローチャートは、図1の構成をフロー化しているため、
図9と同じ部分については同一記号を用い、その詳細説
明は省略する。
【0079】「ステップ1」 焦点距離の検出のために
ENC95の値(ENCデータ)を取り込み、更に焦点
距離変倍コンバータ識別器100により識別された焦点
距離変倍コンバータの種類より変倍率を求め、焦点距離
判別器101により現状態の焦点距離を演算する。「ス
テップ2」から「ステップ4」までは図9と同様であ
る。
【0080】「ステップ5」 ステップ3のLUT選択
モードj=1の設定に従い、ステップ1で求めた焦点距
離をパラメータとして現在の焦点距離のLUTを決定す
る。
【0081】「ステップ6」 現在の焦点距離と前述の
振れ角θxに対応した上記制御関数の係数K1を、前述
のLUTより読み出す。「ステップ7」から「ステップ
19」までは図9と同様である。
【0082】本実施例によれば、上述のように構成した
ので、任意の焦点距離変倍コンバータがレンズ先端に装
着されても、防振特性は現在の焦点距離に従って最適化
されるため、防振効果を損なうことなくパンニングやチ
ルティングにも効果のある画像振れ防止装置を実現する
ことができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上述のような構成としたので、任意の焦点距離変倍装置
がレンズ先端に装着されても、防振効果を損なうことな
くパンニングやチルティングにも効果のある画像振れ防
止装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の画像振れ防止装置のブロック図
【図2】 実施例の画像振れ防止装置の動作を示すフロ
ーチャート
【図3】 従来例2の画像振れ防止装置のブロック図
【図4】 従来例2の画像振れ防止装置の構成を示す断
面図
【図5】 図4におけるセンサ系の具体的な構成例を示
す斜視図
【図6】 図4におけるトルク発生器系の具体的な構成
例を示す斜視図
【図7】 従来例2の制御系の基本となる制御トルク特
性図
【図8】 図7の制御トルクを主光軸側から見た場合の
イメージ図
【図9】 従来例2の動作を示すフローチャート
【図10】 従来例2において焦点距離に応じて制御ト
ルクの特性を異ならしめた場合の制御トルク特性図
【図11】 防振光学系全体の小型化,軽量化を説明す
るための図
【図12】 図3に示す合成器の具体的な構成を示す回
路図
【図13】 従来例1の画像振れ防止装置の断面図
【図14】 図13におけるジンバル支持の構成を示す
部分拡大図
【図15】 図13における要部構成を示す部分拡大図
【図16】 従来例1の制御系の基本となる制御トルク
特性図
【符号の説明】
3 可動支持部材 30x〜34x,30y〜34y センサ系 41x,42x,41y,42y トルク発生器系 50 制御回路 95 変倍エンコーダ(ENC) 515 積分器 516,517 ルック・アップ・テーブル(LUT) 518 微分器 519,520 合成器 521,522 乗算器 523 変換器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ先端に装着される焦点距離変倍装
    置の種類を識別するための焦点距離変倍装置識別手段
    と、鏡筒に対し相対変位可能に支持され、画像の振れを
    補正する補正光学手段と、補正光学手段の前記鏡筒に対
    する相対変位を規制するための、同補正光学手段の前記
    鏡筒に対する相対変位量が大きくなるにつれて大なる作
    用を発生する規制手段と、焦点距離を変倍するための焦
    点距離変倍手段と、焦点距離変倍手段の位置情報を検出
    する変位位置検出手段とを備えた、光学機器における慣
    性振り子式の画像振れ防止装置であって、前記変倍位置
    検出手段と焦点距離変倍装置識別手段からの情報によ
    り、真の焦点距離を求める焦点距離判別手段を設け、求
    めた真の焦点距離によって防振用データを選択する構成
    としたことを特徴とする画像振れ防止装置。
JP29556591A 1991-11-12 1991-11-12 画像振れ防止装置 Withdrawn JPH05134215A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6694096B1 (en) 1997-01-28 2004-02-17 Canon Kabushiki Kaisha Image stabilization control device for use in camera system optionally including optical characteristics modifying converter
JP2011107520A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Nikon Corp コンバータ、レンズ鏡筒、カメラボディおよびカメラ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6694096B1 (en) 1997-01-28 2004-02-17 Canon Kabushiki Kaisha Image stabilization control device for use in camera system optionally including optical characteristics modifying converter
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