JP2012208336A - 画像ぶれ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大小広範囲な振幅の振れに対応するとともにレンズ構成の制約が少ない画像ぶれ補正装置を提供する。
【解決手段】撮影レンズ4には、第1補正レンズ11と第2補正レンズ12とを設けてある。各補正レンズ11,12は、光学的補正感度が同じになっている。第1補正レンズ11は、振動の低周波成分の振れ角度に基づいて駆動されるVCM21,22で変位され、第2補正レンズ12は、振動の高周波成分の振れ角度に基づいて駆動されるVCM25,26で変位される。第1補正レンズ11は、第2補正レンズ12に比べてセンタリング速度を速くしてある。
【選択図】図2
【解決手段】撮影レンズ4には、第1補正レンズ11と第2補正レンズ12とを設けてある。各補正レンズ11,12は、光学的補正感度が同じになっている。第1補正レンズ11は、振動の低周波成分の振れ角度に基づいて駆動されるVCM21,22で変位され、第2補正レンズ12は、振動の高周波成分の振れ角度に基づいて駆動されるVCM25,26で変位される。第1補正レンズ11は、第2補正レンズ12に比べてセンタリング速度を速くしてある。
【選択図】図2
Description
本発明は監視カメラなどの撮影レンズに用いられる画像ぶれ補正装置に関するものである。
近年、手ぶれ補正を行う画像ぶれ補正装置を内蔵するデジタルカメラやビデオカメラなどの撮影装置が多くなっている。手ぶれ補正を行う画像ぶれ補正装置としては、電子式のものと光学式(機械式)のものとが知られている。電子式の画像ぶれ補正装置は、撮像手段から順次に得られる各フレームの所定領域を比較し、両者の相関を求めることにより、先行するフレームの画像に対する後続のフレームの画像の光軸に直交する方向の移動方向と移動量とを検出し、この移動方向とは逆方向に移動量分だけ、撮像素子の撮像範囲から切り出して出力する画像の範囲をシフトするようにしている(例えば特許文献1参照)。
一方、光学式の画像ぶれ補正装置は、角速度センサなどの検出結果に基づいて、撮像装置の振れ角を検出し、この振れ角に応じて、撮影レンズに配された補正レンズを変位させることにより、撮像素子上に結像されている光学像の振れよる移動を打ち消すようにしている。
また、撮影装置に加わる振動は、様々の周波数のものがあるが、一般的に周波数が高い振動は振幅が小さく、周波数が低い振動は振幅が大きいという性質がある。そこで、レンズの変位に対する補正量、すなわち光学的補正感度が高低2種類の補正レンズを用い、周波数が高い振動を感度の低い補正レンズで補正し、周波数の低い振動を感度の高い補正レンズで補正する撮影レンズが知られている(特許文献2参照)。この特許文献2の撮影レンズでは、この構成により、画質を維持しながら手ぶれや一眼レフカメラのクイックリターンミラーの作動時の振動などの周波数帯の振動に対応させている。
上記のような電子式の画像ぶれ補正装置は、撮像素子の撮像範囲から画像を切り出しているため有効画素数が小さくなり、画質劣化が生じる。この画質劣化を抑えるために、切り出される画像の範囲の大きさが撮像範囲の90%程度に制限される。その結果、撮像範囲の10%程度の光学像の変位にしか対応できず、補正量がかなり小さかった。例えば撮影画角が10度であるときに、補正可能な振れ角は1度であり、十分な補正効果が得られるものではなかった。
ところで、船舶や山頂,鉄塔などに設置される監視カメラでは、数kmの先を監視するため、撮影画角が極めて小さなものとなることがある。例えば、1/2型縦横比16:9の撮像素子と焦点距離2000mmの撮影レンズを組み合わせた場合、V(垂直)方向の撮影画角は0.11度であり、上記のような電子式の画像ぶれ補正装置では、補正できる振れ角は最大で0.01度となる。このため、このような監視カメラに電子式の画像ぶれ補正装置は不向きである。
また、上記のような監視カメラでは、波による船舶の揺れや鉄塔の揺れなどのかなり周波数が低い低周波数の振動から、撮影レンズを収容したハウジングの振動や強風による振動等による高周波数の振動などが加わる。また振幅の範囲が日常の使用環境の範囲に比べてかなり大きく、日常の使用環境では想定されないような大きな振幅もある。例えば、低周波数の振動では振れ角度で±8度になるものもあり、また高周波数の振動では振れ角度で±0.001度となるような微細なものもある。このため、特許文献1に記載されるように日常の使用環境において満足できるものであっても、監視カメラでは、十分な画像ぶれの補正を行うことができなかった。さらに、特許文献1のように光学的補正感度が異なる2種類の補正レンズを撮影レンズに組み込むことは、レンズ光学系の設計の自由度が小さくなるという問題があった。
本発明は、大小広範囲な振幅の振れに対応しながら、レンズ構成の制約が小さい画像ぶれ補正装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像ぶれ補正装置では、画像ぶれを補正する第1及び第2補正レンズと、第1補正レンズを変位させる第1アクチュエータ、及び第2補正レンズを変位させる第2アクチュエータと、撮影レンズの振れの角速度を検出して角速度信号を出力する角速度検出手段と、角速度信号を低周波成分と高周波成分とに分離する分離手段と、角速度信号の低周波成分に基づいて前記第1アクチュエータを駆動する第1駆動制御手段、及び高周波成分に基づいて前記第2アクチュエータを駆動する第2駆動制御手段と、第1補正レンズを可動範囲の中心位置に戻す第1センタリング手段、及び前記第2補正レンズを可動範囲の中心位置に戻す第2センタリング手段とを備え、前記第2センタリング手段よりも前記第1センタリング手段によるセンタリング速度を速くしたことを備えたものである。
前記第1駆動制御手段は、低周波成分の角速度信号から得られる振れ角に現在の累積振れ角を加算する第1積分処理より新たな累積振れ角を求め、この新たな累積振れ角に応じた位置に第1補正レンズを変位させるように前記第1アクチュエータを駆動し、前記第2駆動制御手段は、高周波成分の角速度信号から得られる振れ角に現在の累積振れ角を加算する第2積分処理より新たな累積振れ角を求め、この新たな累積振れ角に応じた位置に第2補正レンズを変位させるように前記第2アクチュエータを駆動し、前記第1センタリング手段は、第1積分処理の際に、振れ角に加算される現在の累積振れ角を第1減衰率で減衰させ、前記第2センタリング手段は、第2積分処理の際に、振れ角に加算される現在の累積振れ角を第2減衰率で減衰させるようにし、前記第1減衰率が前記第2減衰率よりも大きくするのも好ましい。
また、前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータを、ボイスコイルとすることが好ましい。
本発明によれば、像の変位を打ち消す補正レンズを第1レンズと第2補正レンズとで構成し、低周波成分に対応させた第1補正レンズをその可動範囲の中心位置に戻すセンタリング速度を、高周波成分に対応させた第2補正レンズのセンタリング速度よりも速くしたから、第1補正レンズが変位している位置から可動限界までの変位量が大きく確保され振幅の大きな低周波の振れが生じた際に第1補正レンズを大きな変位量で変位させることができる。また、これによりレンズ構成の制約を小さくしながら、大小広範囲な振幅の振れに対応させて画像ぶれを補正することができる。
図1に示すように、監視カメラ2は、画像ぶれ補正装置3を備える撮影レンズ4と、カメラ本体5とから構成されている。監視カメラ2は、メイン制御部6によってその各部が統括的に制御される。撮影レンズ4は、レンズ駆動機構7で駆動される複数のレンズG1〜G5と、絞り装置8、第1補正レンズ11、第2補正レンズ12とを備えている。
レンズG1は、フォーカシングレンズであり、被写体にピントが合致されるように光軸方向に移動される。レンズG2,G3は、撮影レンズ2の焦点距離を連続的に変化させるズーム部であり、レンズG2がバリエータ、レンズG3がコンペンセータとなっている。レンズG2,G3は、いずれも光軸方向に移動する。
レンズG4は、焦点距離を切り換えるためのエクステンダレンズであり、図示されるように、光路から退避した退避位置と、二点鎖線で示すように、光路に挿入された挿入位置とに移動される。レンズG4を挿入位置とすることにより、撮影レンズ4の焦点距離が所定の倍率で長くなる。レンズG5は、フランジバック調整のためのトラッキングレンズであり、光軸方向に移動自在にされている。
絞り装置8は、光路中に配された絞り羽根8aを有している。この絞り羽根8aにより形成される絞り開口の径を増減することにより、カメラ5に入射する撮影光の光量を調整する。
画像ぶれ補正装置3は、第1補正レンズ11を含む第1防振ユニット14、第2補正レンズ12を含む第2防振ユニット15,制御ユニット16などで構成され、制御ユニット16には、X方向ジャイロセンサ17,Y方向ジャイロセンサ18や制御用の回路などを内蔵している。
各補正レンズ11,12は、いずれも画像ブレを補正するものであり、撮影レンズ4の光路中に配され、独立して変位する。このうちの第1補正レンズ11は、低周波数の振動に対応するために設けられている。また、第2補正レンズ12は、高周波数の振動に対応するために設けられている。なお、各補正レンズ11,12は、それぞれ1枚で構成される必要はなく、複数枚で構成されてもよい。
第1補正レンズ11と第2補正レンズ12とは、レンズの変位量に対して変位する光学像の変位量、すなわち光学的な補正感度が同じにされているが、相違していてもかまわない。このため、例えば撮影レンズに組み込まれている1組の補正レンズ系を2つの補正レンズに均等なあるいは適当なパワー配分で分離して2組の補正光学系とし、一方を第1補正レンズ11とし他方を第2補正レンズ12とするよう構成することできる。これにより、1組の補正レンズ系で構成されたこれまでのレンズ光学系に比較的に容易な変更を加えて利用することも可能となる。また、本来1組しか補正光学系が構成できないようなレンズ光学系であっても利用することも可能となる。
なお、第1補正レンズ11、第2補正レンズ12の各光学的補正感度を異なったものとするときには、低周波成分に対応する第1補正レンズ11の光学的補正感度を相対的に高くするとよい。
X方向ジャイロセンサ17は、撮影レンズ4の光軸PLに直交し、かつ互いに直交するX方向,Y方向のうちのX方向の振れ角速度を検出し角速度信号を出力する。同様に、Y方向ジャイロセンサ18は、Y方向の振れ角速度を検出して角速度信号を出力する。
カメラ本体5は、撮影レンズ4の後端にマウントMを介して取り付けられている。カメラ本体5は、撮像素子5aを内蔵しており、撮影レンズ4で結像される光学像を電気的な撮像信号に変換して出力する。この撮像信号は、各種信号処理が施されてモニタ(図示省略)に送られる。これにより、撮影レンズ4を通してカメラ本体5で撮影される画像を見ることができる。
図2において、第1防振ユニット14は、X方向,Y方向に移動自在にして第1補正レンズ11を保持している。また、この第1防振ユニット14には、第1補正レンズ11を変位させるためのアクチュエータとして、X方向VCM(ボイスコイルモータ)21と、Y方向VCM22とが設けられている。X方向VCM21は、第1補正レンズ11をX軸方向に移動させ、Y方向VCM22は、第1補正レンズ11をY方向に移動させる。
また、第1防振ユニット14には、X方向位置センサ23と、Y方向位置センサ24とが設けられている。X方向位置センサ23は、第1補正レンズ11のX方向のレンズ位置を検出し、Y方向位置センサ24は、第1補正レンズ11のY方向のレンズ位置を検出する。
同様に、第2防振ユニット15には、X方向,Y方向に移動自在にして第2補正レンズ12が保持されている。また、第2補正レンズ12を変位させるためのアクチュエータとして、X方向VCM25、Y方向VCM26が設けられており、X方向VCM25により第2補正レンズ12がX軸方向に、Y方向VCM26により第2補正レンズ12がY方向に移動される。さらに、X方向位置センサ27により第2補正レンズ12のX方向のレンズ位置が検出され、Y方向位置センサ28により第2補正レンズ12のY方向の位置が検出される。
VCM21,22は、第1補正レンズ11を変位させることで振幅の大きい低周波成分の振動による画像ぶれを補正し、VCM25,26は、第2補正レンズ12を変位させることで振幅の小さい高周波成分の振動による画像ぶれを補正する。
後述するように、低周波成分、高周波成分には、それぞれ補正レンズ11,12を可動範囲の中心位置に戻すセンタリング速度の大小により対応させているため、第1防振ユニット14、第2防振ユニット15としては同じものを用いることができる。すなわち、大振幅の低周波成分の振れに対応してVCM25,26よりもVCM21,22のストロークを長くする必要はない。
制御ユニット16は、振れ信号に基づいて各VCM21,22,25,26を駆動する。図3に示すように、制御ユニット16は、X方向補正制御部41とY方向補正制御部42からなる。X方向補正制御部41は、前述のX方向ジャイロセンサ17からの角速度信号に基づき、X方向VCM21,25の駆動を制御する。Y方向補正制御部42は、Y方向ジャイロセンサ18からの角速度信号に基づき、Y方向VCM22,26の駆動を制御する。
X方向補正制御部41の構成を図4に示す。X方向ジャイロセンサ17からの角速度信号は、アンプ43に送られる。アンプ43は、微弱な角速度信号を所定のゲインで増幅して出力する。A/D変換器44は、アンプ43で増幅された角速度検出信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングすることによって角速度データにデジタル変換する。この角速度データは、LPF(ローパスフィルタ)45と、HPF(ハイパスフィルタ)46とに送られる。LPF45とHPF46とにより分離手段が構成されている。
LPF45は、順次入力される角速度データに演算処理を施すことにより、角速度信号のうちの基準周波数以下、例えば1Hz以下の低周波の振動成分に相当する低周波角速度データを出力する。同様に、HPF46は、角速度データに演算処理を施して、角速度信号のうちの基準周波数を超える高周波の振動成分の高周波角速度データを出力する。
LPF45からの低周波角速度データは、積分回路47に送られる。積分回路47は、駆動回路48とともに第1駆動制御手段を構成している。この積分回路47は、入力される低周波角速度データを用いて積分処理を行う。この積分処理では、低周波角速度データから振れ角度を求め、得られる振れ角度を順次に加算することにより、監視カメラ2のX方向の振れのうちの低周波成分の累積振れ角θx1を算出する。振れ角度は、角速度信号をサンプリングする1周期期間に振動の低周波成分によって監視カメラ2がX方向に振れた角度であり、累積振れ角θx1は、監視カメラ2の静止時を基準(「0」)として、その基準から振動の低周波成分によって監視カメラ2がX方向に振れた角度である。
また、この積分回路47では、監視カメラ2が静止時したときに第1補正レンズ11をその可動範囲の中心位置に戻すためのセンタリング処理部47aが設けられている。このセンタリング処理部47aの詳細は後述する。
駆動回路48には、積分回路47からの累積振れ角θx1が入力される。この駆動回路48は、累積振れ角θx1を電圧信号である駆動信号に変換して、この駆動信号でX方向VCM21を駆動する。また、駆動回路48には、X方向位置センサ23からの第1補正レンズ11のX方向のレンズ位置が入力され、このレンズ位置に基づいてX方向VCM21をフィードバック制御する。これにより、累積振れ角θx1に対応する位置に第1補正レンズ11がX方向VCM21によって変位される。
HPF46からの高周波角速度データは、積分回路51に送られる。この積分回路51は、駆動回路52とともに第2駆動制御手段を構成している。積分回路51は、積分回路47と同様であるが、入力される高周波角速度データを用いてX方向の振れのうちの高低周波の振動成分の累積振れ角θx2を求めて出力する。また、この積分回路51では、詳細を後述するセンタリング処理部51aが設けられている。
駆動回路52は、積分回路51からの累積振れ角θx2を駆動信号に変換して、レンズ位置に基づいてX方向VCM25をフィードバック制御しながら、駆動信号でX方向VCM25を駆動する。これにより、累積振れ角θx2に対応した位置に第2補正レンズ12がX方向VCM25によって変位される。
なお、累積振れ角θx1,θx2を監視カメラ2の振れ方向に応じた符号を付などとすることで、各補正レンズ11,12を変位すべき方向が識別できるようにされている。
Y方向補正制御部42は、Y方向の振れの補正を行うために、Y方向ジャイロセンサ18の検出結果に基づいて、Y方向VCM22,Y方向VCM26を駆動するための駆動信号をそれぞれ発生させるものである。このY方向補正制御部42の構成は、X方向補正制御部41と同様であるので、詳しい説明を省略する。
図5に示すように、積分回路47は、加算器55、積分レジスタ56、上述のセンタリング処理部47aを有している。LPF45からの低周波角速度データが積分回路47に入力されると、これに所定の演算が施されて振れ角とされる。
加算器55には、この振れ角と、累積振れ角θx1とが入力される。加算器55に入力される累積振れ角θx1は、その時点で積分レジスタ56に記憶されているものが読み出されてセンタリング処理部47aでの処理が施されたものである。加算器55は、これら入力される振れ角と累積振れ角θx1とを加算し、その値を新たな累積振れ角θx1として積分レジスタ56に記憶させる。
上記の新たな累積振れ角θx1に積分レジスタ56の内容を更新する処理は、低周波角速度データが入力されるごと、すなわちA/D変換器44のサンプリング周期(例えば1msec)ごとに行われる。これにより、積分レジスタ56には、監視カメラ2の静止時を基準(「0」)からX方向に振れた角度を示す累積振れ角θx1が記憶される。駆動回路48は、このようにして求められる累積振れ角θx1に基づいてX方向VCM21を駆動する。
センタリング処理部47aは、乗算器57と、第1減衰率記憶部58とで構成されている。第1係数記憶部58には、センタリング速度を決めるパラメータとして第1減衰率に対応した第1係数が予め書き込まれている。この第1係数の値としては、「1」未満の値とされている。乗算器57は、積分レジスタ56から読み出された累積振れ角θx1に第1係数を乗算する。
このようにして、現時点までの累積振れ角θx1を第1減衰率で減衰させたものに振れ角を加算することにより、振れの低周波成分が「0」となっているときに、累積振れ角θx1を「0」に収束するように減衰させて、第1補正レンズ11をその可動範囲の中心位置に戻すようにしている。
図6に示すように、積分回路51及びセンタリング処理部51aは、積分回路47及びセンタリング処理部47aと同様な構成となっている。加算器61は、HPF46からの高周波角速度データから得られる振れ角と、センタリング処理部51aでの処理が施された現時点までの累積振れ角θx2とを加算し、この加算で求められる新たな累積振れ角θx2を積分レジスタ62に記憶させる。駆動回路52は、このようにして求められる累積振れ角θx2に基づいてX方向VCM25を駆動する。
センタリング処理部51aは、乗算器61と、第2係数記憶部64とで構成されている。第2係数記憶部64には第2減衰率に対応した第2係数が予め書き込まれており、やはり「1」未満の値とされている。乗算器63は、積分レジスタ62から読み出された累積振れ角θx2に第2減衰率を乗算する。これにより、振れの高周波成分が「0」となっているときに、累積振れ角θx2が「0」に収束するように減衰させて、第2補正レンズ12をその可動範囲の中心位置に戻すようにしている。
第1係数は、第2係数よりも小さくしてあり、相対的に第1減衰率が大きく第2減衰率が小さくなっている。第1減衰率を大きくすることにより、第1補正レンズ11が変位している位置から中心位置に戻るセンタリング速度を速くしている。これは、結果的に第1補正レンズ11を可動限界に到達し難くするものであり、第1補正レンズ11が変位している位置から可動限界までの変位量が大きく確保されることを意味する。これにより、振幅の大きな低周波の振れが生じた際に第1補正レンズ11を大きな変位量で変位可能とし、その振れによる光学像の変位を打ち消すことができるようにしている。
第2補正レンズ12は、小振幅の高周波成分に対応するため、変位量は第1補正レンズ11に比べて大きくする必要はない。一方で、第2補正レンズ12では、監視カメラ2の速い動きに対応する必要がある。そこで、第2補正レンズ12のセンタリング速度が第1補正レンズ11よりも遅くなるように第2減衰率は、第1減衰率よりも小さくしてある。
なお、画像ぶれ装置3の全体的な構成を原理図として図7に示す。
次に上記構成による画像ぶれの補正について説明する。なお、以下の説明では、監視カメラ2がX方向に振れた場合を例にして説明する。X方向ジャイロセンサ17からの角速度信号がアンプ43で増幅され、A/D変換器44により所定のサンプリング周期でサンプリングされて角速度データに変換される。そして、このようにして得られる角速度データがLPF45とHPF46とにそれぞれ送られる。
LPF45によって振動の低周波成分の角速度に相当する低周波角速度データが求められ、これが積分回路47に送られる。この積分回路47に低周波角速度データが入力されると、それが所定の演算により振れ角とされる。振れ角が求められると、積分レジスタ56にその時点で記憶されていた累積振れ角θx1が読み出され、これにセンタリング処理部47aによって第1係数が乗算されて減衰されたものが加算機55で振れ角に加算される。そして、この加算で求められる新たな累積振れ角θx1が積分レジスタ56に書き込まれる。
低周波角速度データが入力されるごとに、上記のようにして新たな累積振れ角θx1が求められ、その累積振れ角θx1に積分レジスタ56の内容が更新される。また、積分レジスタ56の内容が更新されるごとに、その累積振れ角θx1が駆動回路48に送られる。これにより、駆動回路48によってX方向VCM21が駆動され、順次更新される累積振れ角θx1に対応する変位位置に第1補正レンズ11が変位される。
一方、HPF46からは振動の高周波成分の角速度に相当する高周波角速度データが出力され、これが積分回路51に送られる。積分回路51により、高周波角速度データが振れ角とされる。また、積分レジスタ62から読み出された累積振れ角θx2にセンタリング処理部47aによって第2係数が乗算されて減衰されたものが加算機61に送られる。そして、これら振れ角と累積振れ角θx2とがから新たな累積振れ角θx2求められ、積分レジスタ62に書き込まれる。
累積振れ角θx2についても同様に、高周波角速度データが入力されるごとに上記のようにして新たな値が求められて、積分レジスタ62の内容が更新される。そして、更新ごとに、その累積振れ角θx2が駆動回路52に送られて、X方向VCM25が駆動される。これにより、順次更新される累積振れ角θx2に対応する変位位置に第2補正レンズ12が変位される。
このようにして第1補正レンズ11は、累積振れ角θx1に対応する位置に変位され、そのときのX方向の変位により、振動の低周波成分による光学像の変位が打ち消される。また、第2補正レンズ12は、累積振れ角θx2に対応する位置に変位され、そのときのX方向の変位により、振動の高周波成分による光学像の変位が打ち消される。
上記のように光学像の変位が打ち消されることによって監視カメラ2の振動による画像ぶれが補正されるが、振動の低周波成分の振幅はかなり大きなものとなることがある。しかし、第1補正レンズ11は、それに対応するセンタリング処理部47aでの第1減衰率を大きくしてあるので、変位している位置から可動限界までの変位量が大きく確保される傾向にある。このため、振幅の大きな低周波の振れが生じた際に第1補正レンズ11を大きな変位量で変位し、その振れによる光学像の変位が打ち消される。
一方、振動の高周波成分による監視カメラ2の振れが速いが、第2補正レンズ11は、第2減衰率を大きくしてあるので、第2補正レンズ12を速く変位することができるため、その振れによる光学像の変位を打ち消すことができる。
上記実施形態では、アクチュエータとしてボイスコイルモータを用いた例について説明したが、これに限定されるものではなく、ストロークの応答性とがそれぞれ上記のようなものになっているものであれば他のアクチュエータを用いることができる。このような、アクチュエータとしては、例えば、圧電アクチュエータ、ステッピングモータ、サーボモータ等が挙げられる。
また、上記実施形態では、振動を高周波成分と低周波成分とに分離しているが、高周波成分、低周波成分、それらの中間の周波数帯域の成分などのように3以上の帯域に分離し、それぞれに対応させて補正レンズを設ける構成としてもよい。
2 監視カメラ
3 画像ぶれ補正装置
4 撮影レンズ
5 カメラ本体
6 メイン制御部
G1〜G5 レンズ
11 第1補正レンズ
12 第2補正レンズ
21,22,25,26 VCM
41,42 補正制御部
45 LPF
46 HPF
47,51 積分回路
47a,51 センタリング処理部
3 画像ぶれ補正装置
4 撮影レンズ
5 カメラ本体
6 メイン制御部
G1〜G5 レンズ
11 第1補正レンズ
12 第2補正レンズ
21,22,25,26 VCM
41,42 補正制御部
45 LPF
46 HPF
47,51 積分回路
47a,51 センタリング処理部
Claims (3)
- 撮影レンズの光路中に配したレンズを変位させることより画像ぶれを補正する画像ぶれ補正装置において、
画像ぶれを補正する第1及び第2補正レンズと、
第1補正レンズを変位させる第1アクチュエータ、及び第2補正レンズを変位させる第2アクチュエータと、
撮影レンズの振れの角速度を検出して角速度信号を出力する角速度検出手段と、
角速度信号を低周波成分と高周波成分とに分離する分離手段と、
角速度信号の低周波成分に基づいて前記第1アクチュエータを駆動する第1駆動制御手段、及び高周波成分に基づいて前記第2アクチュエータを駆動する第2駆動制御手段と、
第1補正レンズを可動範囲の中心位置に戻す第1センタリング手段、及び前記第2補正レンズを可動範囲の中心位置に戻す第2センタリング手段とを備え、
前記第2センタリング手段よりも前記第1センタリング手段によるセンタリング速度を速くしたことを備えたことを特徴とする画像ぶれ補正装置。 - 前記第1駆動制御手段は、低周波成分の角速度信号から得られる振れ角に現在の累積振れ角を加算する第1積分処理より新たな累積振れ角を求め、この新たな累積振れ角に応じた位置に第1補正レンズを変位させるように前記第1アクチュエータを駆動し、
前記第2駆動制御手段は、高周波成分の角速度信号から得られる振れ角に現在の累積振れ角を加算する第2積分処理より新たな累積振れ角を求め、この新たな累積振れ角に応じた位置に第2補正レンズを変位させるように前記第2アクチュエータを駆動し、
前記第1センタリング手段は、第1積分処理の際に、振れ角に加算される現在の累積振れ角を第1減衰率で減衰させ、
前記第2センタリング手段は、第2積分処理の際に、振れ角に加算される現在の累積振れ角を第2減衰率で減衰するようにされ、
前記第1減衰率が前記第2減衰率よりも大きくされていることを特徴とする請求項1記載の画像ぶれ補正装置。 - 前記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータは、ボイスコイルであることを特徴とする請求項1または2記載の画像ぶれ補正装置。
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