JP2011022273A - ブレ補正装置および光学機器 - Google Patents

ブレ補正装置および光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2011022273A
JP2011022273A JP2009165861A JP2009165861A JP2011022273A JP 2011022273 A JP2011022273 A JP 2011022273A JP 2009165861 A JP2009165861 A JP 2009165861A JP 2009165861 A JP2009165861 A JP 2009165861A JP 2011022273 A JP2011022273 A JP 2011022273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
blur
shake
signal
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009165861A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Watanabe
伸一 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2009165861A priority Critical patent/JP2011022273A/ja
Publication of JP2011022273A publication Critical patent/JP2011022273A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】好適なブレ補正を行うことができるブレ補正装置および光学機器を提供すること。
【解決手段】
ブレに対応したブレ信号(ω1)を出力するブレ検出部(44,46)と、ブレを補正するために駆動する光学部品(20)と、前記光学部品の位置に対応する位置信号(LR)を出力する位置検出部(82,107)と、前記ブレ信号及び前記位置信号を用いてブレを補正するためのブレ補正信号(Vpid)を演算する演算部(101)と、前記ブレ補正信号の少なくとも一部の周波数帯域を減衰させて出力するフィルタ部(103)と、前記フィルタ部から出力された信号(Vpid2)を用いて前記光学部品を駆動する駆動部(76,105)とを含むブレ補正装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、ブレ補正装置および光学機器に関する。
撮影装置に発生する振れを検知し、レンズ鏡筒に内蔵される光学部品を振れ方向とは反対方向にシフトさせることにより、像ブレを補正する技術がある。また、手振れ等に起因する振れだけでなく、シャッタ駆動等によって発生した振れや、カメラを三脚に固定して撮影する時に発生する振れ等を補正する技術が提案されている(特許文献1または2等参照)。
ここで、シャッタ駆動等によって発生した振れや、カメラを三脚に固定して撮影する時に発生する振れは、手振れ等に起因する振れより周波数が高いため、これらの振れに起因する像ブレを補正するためには、光学部品の駆動周波数を高める必要がある。しかし、従来の技術では、光学部品の駆動周波数を高めた結果、光学部品の駆動時に発生する騒音や振動が大きくなるという問題が生じている。また、光学部品を高い周波数で駆動するためには、より大きい駆動力が必要とされるため、駆動力が飽和し、光学部品の制御系の安定性が悪化する場合があった。
特開2000−330152号公報 特開2008−249900号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、好適なブレ補正を行うことができるブレ補正装置および光学機器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るブレ補正装置は、
ブレに対応したブレ信号(ω1)を出力するブレ検出部(44,46)と、
ブレを補正するために駆動する光学部品(20)と、
前記光学部品の位置に対応する位置信号(LR)を出力する位置検出部(82,107)と、
前記ブレ信号及び前記位置信号を用いてブレを補正するためのブレ補正信号(Vpid)を演算する演算部(101)と、
前記ブレ補正信号の少なくとも一部の周波数帯域を減衰させて出力するフィルタ部(103)と、
前記フィルタ部から出力された信号(Vpid2)を用いて前記光学部品を駆動する駆動部(76,105)とを含む。
また、例えば、前記フィルタ部は、ローパスフィルタ、及び、バンドパスフィルタのうち少なくとも一方であってもよい。
また、例えば、前記演算部は、入力された信号を微分して出力する微分器(115)を有してもよく、
前記フィルタ部は、前記微分器の後段に備えられてもよい。
また、例えば、前記フィルタ部は、500Hz以上、1kHz以下のカットオフ周波数を有してもよい。
また、例えば、本発明に係るブレ補正装置は、前記フィルタ部のカットオフ周波数を、第1カットオフ周波数(fc1)と、前記第1カットオフ周波数よりも周波数が低い第2カットオフ周波数(fc2)とに切替えるように制御する制御部(121)を含んでいてもよい。
また、例えば、前記制御部は、静止画撮影時に前記フィルタ部が前記第1カットオフ周波数になり、動画撮影時に前記フィルタ部が前記第2カットオフ周波数になるように制御してもよい。
また、例えば、前記制御部は、前記ブレ信号を用いて前記フィルタ部のカットオフ周波数が切替わるように制御してもよい。
また、例えば、本発明に係るブレ補正装置は、音声を検出して音声信号を出力するマイク(62)を有してもよく、
前記制御部は、前記音声信号を用いて前記フィルタ部のカットオフ周波数が切替わるように制御してもよい。
また、例えば、本発明に係る光学機器は、上記いずれかに記載のブレ補正装置を含む。
なお、上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために、実施形態を示す図面の符号に対応つけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラシステムの概略ブロック図である。 図2は、図1に示す防振ユニットの断面図である。 図3は、ブレ補正制御に関する演算処理を示すブロック図である。 図4は、図3に示す目標駆動位置演算部における演算処理を示すブロック図である。 図5は、図3に示すフィルタ部周辺における演算処理を示すブロック図である。 図6は、図1および図2に示す防振ユニットの制御特性(閉特性)を示すグラフである。 図7は、図1に示すカメラのブレ補正制御を示すフローチャートである。 図8は、ゲインと、目標操作量の最大振幅の関係を表すグラフである。 図9は、本発明の第2実施形態に係る防振ユニットのブレ補正制御における目標操作量の時間変化を表すグラフである。 図10は、本発明の参考例に係る防振ユニットのブレ補正制御における目標操作量の時間変化を表すグラフである。 図11は、本発明の第2参考例に係る防振ユニットの制御特性(閉特性)を表すグラフである。
図1は、本発明の一実施形態に係るブレ補正装置を搭載したカメラシステムを、模式的に示したブロック図である。図1を用いて、カメラシステムの概要を説明する。なお、本実施形態では、図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を用いて説明を行う。また、図1に示すカメラシステムは、ピッチング方向(X軸回りの方向)とヨーイング方向(Y軸回りの方向)の振れを検出し、ブレ補正を行う。Z軸は光軸と一致する軸である。Y軸は、Z軸と直交し、カメラボディ10の底面に対して垂直な軸である。X軸は、Z軸およびY軸に直交する軸である。
また、本実施形態では、デジタル一眼レフカメラを用いて説明を行うが、本発明に係るブレ補正装置を搭載する光学機器としては、これに限定されない。本発明に係るブレ補正装置は、銀塩フィルムカメラに搭載されてもよく、コンパクトカメラのような非レンズ交換式カメラに搭載されてもよく、また、カメラ付き携帯電話や、望遠鏡、双眼鏡等に搭載されてもよい。
カメラシステムは、撮像素子30等を含むカメラボディ10と、ズーミングレンズ16や補正レンズ20等のレンズを含むレンズ鏡筒12によって構成される。カメラボディ10に含まれる主制御部32は、マイクロコンピュータ等で構成され、カメラボディ10とレンズ鏡筒12から構成されるカメラシステム全体の制御を行う。
また、主制御部32には、主としてブレ補正に関する制御を行うブレ制御部36が接続されている。本実施形態において、主制御部32とブレ制御部36は、相互に独立したワンチップマイクロコンピュータとして構成されるが、これに限定されるものではない。たとえば、主制御部32は、相互に独立した制御ブロックを組み合わせて構成されていてもよく、あるいは、主制御部32とブレ制御部36は、ひとつのワンチップマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。また、主制御部32とブレ制御部36を、複数のワンチップマイクロコンピュータ等で構成することも可能であるし、それぞれの制御ブロックをシリアル通信等で通信し、同様な動作を行うことも可能である。
レンズ鏡筒12は、ズーミングレンズ16、ブレ補正の為のシフトレンズ20(以下、単に補正レンズ20と言う)およびフォーカシングレンズ22からなる撮影光学系を有する。これらの撮影光学系は、被写体からの光を、カメラボディ10に含まれる撮像素子30に投影する。
撮像素子30は、主制御部32により制御され、被写体からの光を光電変換し、画像を生成する。主制御部32は、撮像素子30によって得られた画像を処理する。主制御部32は、撮影結果等を外部液晶モニタ58に表示させることができる。また、主制御部32は、必要に応じて撮影画像を記憶部48に記憶させたり、記憶部48に記憶された撮影画像を読み出すことができる。
さらに、主制御部32は、撮影焦点距離を制御することができる。主制御部32は、ズーミングレンズ位置検出部40によりズーミングレンズ16の位置を検出する。さらに、主制御部32は、ズーミングレンズ駆動部38により、ズーミングレンズ16を撮影光軸方向(Z軸方向)に沿って移動させることができる。このようにして、主制御部32は、ズーミングレンズ16の位置を変化させ、撮影における焦点距離を制御することができる。
主制御部32は、カメラシステムのピント調整を制御することができる。主制御部32は、フォーカシングレンズ位置検出部52によりフォーカシングレンズ22の位置を検出する。さらに、主制御部32は、フォーカシングレンズ駆動部50により、フォーカシングレンズ22を撮影光軸方向(Z軸方向)に沿って移動させることができる。このようにして、主制御部32は、フォーカシングレンズ22の位置を変化させることによって、ピント調整を行う。
主制御部32は、撮影タイミングや、撮像素子30の露光時間を制御することができる。主制御部32は、シャッタ駆動部54を用いてシャッタ28の開閉を制御する。例えば、主制御部32は、レリーズスイッチ60からの信号を検出したタイミングで、シャッタ28の開閉を行うことができる。
主制御部32は、必要なタイミングで、閃光回路34を介してキセノン管等を用いた閃光部24を発光させることによって、フラッシュ動作を制御することができる。また、主制御部32には、操作部56が接続されている。撮影者は、操作部56を操作することによって、撮影モード等の情報を入力することができる。主制御部32は、操作部56から入力された信号に基づき、カメラシステムに含まれる光学部品を制御し、撮影モード等の設定を行うことができる。また、主制御部32は、設定した撮影モード等の情報を、外部液晶モニタ58に表示させることができる。
レンズ鏡筒12に含まれるブレ制御部36は、通信接点を介して、主制御部32に対して電気的に接続されている。ブレ制御部36には、ブレ検出部44およびブレ補正部42が接続されている。ブレ検出部44には、角速度センサ46の信号が入力される。角速度センサ46から出力される信号には、ブレに対応したブレ信号が含まれる。本実施形態に係るブレ検出部44には、ピッチング方向(X軸回りの方向)の振れを検出するX軸用ジャイロ46aと、ヨーイング方向(Y軸回りの方向)の振れを検出するY軸用ジャイロ46bが接続されている。ブレ検出部44は、角速度センサ46から入力された信号を処理したのち、ブレに対応したブレ信号(振れ量子化値ω1(図3参照))を、ブレ制御部36に出力する。
ブレ補正部42は、防振ユニット18に含まれる補正レンズ20の位置を検出する機能と、防振ユニット18に含まれる補正レンズ20を駆動する機能とを有する。ブレ補正部42は、補正レンズ20の位置に対応する位置信号(補正レンズ位置LR(図3参照))を、ブレ制御部36に出力する。ブレ制御部36は、ブレ補正部42から入力された位置信号と、ブレ検出部44から入力されたブレ信号から、ブレを補正するためのブレ補正信号(目標操作量Vpid(図3参照))を演算し、ブレ補正信号をフィルタ処理した後、ブレ補正部42に出力する。ブレ補正部42は、ブレ制御部36から出力された信号(第2目標操作量Vpid2(図3参照))を用いて、防振ユニット18に含まれる補正レンズ20を駆動する。
以下に、図2および図3を用いて、防振ユニット18および防振ユニット18を用いたブレ補正制御について、詳細に説明する。なお、実際にはピッチング方向とヨーイング方向について、それぞれのブレ補正機構が存在するが、本実施形態では説明を簡略化するために、一つの軸に関する制御機構のみを記す。
図2は、図1に示す防振ユニット18の断面図である。防振ユニット18は補正レンズ20を有する。補正レンズ20は、可動枠66によって支持されている。可動枠66は、撮影光軸14に対して略垂直な平面であるXY平面に沿って移動できるように、固定枠64に対して相対移動可能に設置されている。すなわち、固定枠64は、バネ78を介して、可動枠66および可動枠66に取り付けられた補正レンズ20を、移動自在に支持している。
可動枠66には、コイル76が取り付けられている。また、固定枠64には、可動枠66に取り付けられたコイル76に対向する位置に、マグネット74が取り付けられている。マグネット74は、固定枠64の内側に、ヨーク72を介して取りつけられている。コイル76を挟んでヨーク72の反対側には、ヨーク70が配置してある。
ヨーク70,72、マグネット74、コイル76は、補正レンズ20を移動させるためのVCM(ボイスコイルモータ)を構成している。コイル76は図1に示すブレ補正部42に、電気的に接続されている。ブレ補正部42は、コイル76を流れる電流値を制御する。これにより、コイル76は、マグネット74およびヨーク70,72によって形成される磁界から、電流値に応じた駆動力を受ける。コイル76が取り付けられている可動枠66および可動枠66に取り付けられている補正レンズ20は、コイル76が受ける駆動力によって、XY平面に沿って駆動される。
固定枠64は、固定枠64の内部に向かって突出しているLED配置板64aを有する。LED配置板64aの面のうち、可動枠66に対応する面には、LED68が配置される。また、可動枠66には、LED68と対向する位置に、スリット86が設けられている。スリット86は、LED68からの光を、可動枠66の反対側に通過させる。可動枠66を挟んでLED68の反対側には、PSD(Position Sensitive Detector)82が配置される。PSD82は、スリット86に対向するように、固定枠64に取り付けられる。
PSD82は、LED68からの光の受光状態に関する信号を、図1に示すブレ補正部42に出力する。ブレ補正部42は、PSD82から出力された信号に基づいて、補正レンズ20の位置を検出することができる。さらに、ブレ補正部42は、補正レンズ20の位置に対応する位置信号を、図1に示すブレ制御部36へ出力する。
ブレ制御部36は、補正レンズ20の位置に対応する位置信号と、ブレ検出部44から入力されたブレ信号から、ブレを補正するためのブレ補正信号を演算し、ブレ補正信号をフィルタ処理した後、ブレ補正部42に出力する。ブレ補正部42は、ブレ制御部36から出力された信号に基づき、図2に示すコイル76を流れる電流の値を制御し、ブレ補正レンズ20を駆動する。
図3は、図1に示すカメラシステムにおいて行われるブレ補正信号の演算処理を表すブロック図である。角速度センサ46で検出された信号は、図3に示すブレ検出部44に出力される。ブレ検出部44は、オフセット電圧調整部88とA/D変換器90を含む。角速度センサ46からブレ検出部44に入力された信号は、オフセット電圧調整部88により角速度センサ46のオフセット電圧が調整され、A/D変換器90により量子化される。この量子化された信号を振れ量子化値ω1とする。
振れ量子化値ω1は、ブレ制御部36に入力される。振れ量子化値ω1は、2つの信号に分岐され、一方は振れ角速度基準値算出部92に入力される。振れ角速度基準値算出部92では、振れ量子化値ω1から、振れによって検出される角速度の基準値である振れ角速度基準値ω0が演算される。そして、第1減算器94では、振れ量子化値ω1から、振れ角速度基準値ω0が減算されることによって、振れ量子化値ω1から誤差成分が除去された振れ角速度ωが算出される。
積分演算部96では、角速度の単位で表されている振れ角速度ωを時間積分して、振れ角度に換算する。積分演算部96は、算出された振れ角度を、補正レンズ目標位置LCとして出力する。第2減算器98には、積分演算部96から出力された補正レンズ目標位置LCと、位置信号出力部107から出力された補正レンズ位置LRが、入力される。
ここで、補正レンズ位置LRは、補正レンズ20(図2)の位置に対応する信号である。防振ユニット18に含まれるPSD82は、図2に示すように、LED68からの光を、スリット86を介して受光する。PSD82は、LED68からの光を受光した位置および受光した光の光量に対応した信号を、ブレ補正部42の位置信号出力部107(図3)に出力する。この際、可動枠66に形成されているスリット86の位置は、補正レンズ20の位置に応じて変化するため、LED68からの光がPSD82に受光される位置等も、補正レンズ20の位置に応じて変化する。したがって、位置信号出力部107は、PSD82から入力される信号に基づき、補正レンズ20の位置に対応する補正レンズ位置LRを演算し、第2減算器98に出力することができる。
図3に示すように、第2減算器98は、積分演算部96から出力された補正レンズ目標位置LCから、位置信号出力部107から出力された補正レンズ位置LRを差し引くことによって、制御誤差量ΔLを算出する。第2減算器98は、算出した制御誤差量ΔLを、目標駆動位置演算部101に出力する。
図4は、図3に示す目標駆動位置演算部101における演算処理を表すブロック図である。目標駆動位置演算部101では、PID制御と呼ばれるフィードバック制御を用いて、補正レンズ20の目標操作量Vpidを算出する。PID制御とは、P制御(比例制御)、I制御(積分制御)およびD制御(微分制御)を、組み合わせて用いるフィードバック制御である。
目標駆動位置演算部101では、まず、比例値Vpと、積分値Viと、微分値Vdとが、算出される。目標駆動位置演算部101の比例ゲイン部109では、制御誤差量ΔLと比例ゲインKpとから比例値Vpを算出し、加算器119に出力する。目標駆動位置演算部101の積分部111は、制御誤差量ΔLを積分し、積分ゲイン部113は、積分部111での積分結果と積分ゲインKiから、積分値Viを算出する。目標駆動位置演算部101の微分部115は、制御誤差量ΔLを微分し、微分ゲイン部117は、微分部115での微分結果と微分ゲインKdから、微分値Vdを算出する。
目標駆動位置演算部101の加算器119では、比例値Vp、積分値Viおよび微分値Vdを加算し、目標操作量Vpidを算出する。また、加算器119は、目標操作量Vpidを、フィルタ部103(図3)に出力する。
図5は、図3に示すフィルタ部103周辺の処理を表すブロック図である。フィルタ部103は、入力された目標操作量Vpidの少なくとも一部の周波数帯域を減衰させて、駆動信号演算部105に出力する。本実施形態に係るフィルタ部103は、図5に示すように、1次ディジタルバターワースLPFであるが、フィルタ部103の構成としてはこれに限定されず、他のLPFや、バンドパスフィルタであってもよい。
本実施形態に係るフィルタ部103の時定数τは、遮断周波数fcおよび制御周期tsを用いて以下の式1で表すことができる。
τ=1/(2πfc×ts) ・・・ (式1)
なお、図11の1/zは、1回前の制御サンプリングを表す。
ここで、フィルタ部103の遮断周波数fcは、制御周期ts、ブレ補正制御系全体のゲイン余裕と位相余裕、撮影モード等に応じて適切な値に設定することができるが、例えば500Hz〜1kHzに設定することが好ましい。遮断周波数fcを500Hz以上とし、500Hz以上の周波数帯域を減衰させる構成とすることによって、フィルタ部103における処理が、目標操作量Vpidの周波数成分のうちブレ補正制御に必要な周波数成分に対して悪影響を与えることを防止できる。また、遮断周波数fcを1kHz以下とし、1kHz以上の周波数帯域を減衰させる構成とすることによって、防振ユニット18の可動部84(図2)が高周波数で駆動されることによって生じる騒音を、効果的に低減させることができる。
また、フィルタ部103の遮断周波数fcは、撮影モード等に応じて変化してもよい。たとえば、図3に示すブレ制御部36は、図5に示す切替制御部121を含んでいても良い。切替制御部121は、フィルタ部103に制御信号を出力し、フィルタ部103の遮断周波数fcを、第1遮断周波数fc1と、第1遮断周波数fc1よりも周波数が低い第2遮断周波数fc2との間で切り替えるように制御する。
切替制御部121は、静止画撮影時にフィルタ部103の遮断周波数fcが第1遮断周波数fc1になり、動画撮影時にフィルタ部103の遮断周波数fcが第2遮断周波数fc2になるように、フィルタ部103を制御してもよい。
切替制御部121は、動画撮影または静止画撮影等の撮影モードに応じて遮断周波数fcを切り替えても良いが、振れ量子化値ω1または制御誤差量ΔL等のブレ信号に応じて、遮断周波数fcを切り替えることができる。例えば、ブレ信号の周波数を解析し、ブレ信号の周波数が高いときは、遮断周波数fcを上げ、ブレ信号の周波数が低いときは、遮断周波数fcを下げるように制御してもよい。これによって、フィルタ部103は、ブレ信号に応じて適切に設定された遮断周波数fcを用いて、目標操作量Vpidを処理することができる。なお、ブレ制御部36は、遮断周波数fcを上げるのに合わせてゲインを上げ、遮断周波数fcを下げるのに合わせてゲインを下げてもよい。
また、切替制御部121は、カメラボディ10に含まれるマイク62(図1)からの音声信号を用いて、フィルタ部103の遮断周波数fcを切り替えてもよい。例えば、マイク62(図1)から入力される音声信号を主制御部32等で解析する。主制御部32が、カメラシステムの周囲音の音圧が低いと判断した場合は、切替制御部121に信号を送り、切替制御部121は、遮断周波数fcを低い値(第2遮断周波数fc2)に設定する。その反対に、主制御部32が、カメラシステムの周囲音の音圧が高いと判断した場合は、切替制御部121に信号を送り、切替制御部121は、遮断周波数fcを高い値(第1遮断周波数fc1)に設定する。これにより、本実施形態に係るブレ補正装置は、周囲音の音圧が低い場合は防振ユニット18の駆動音を抑制し、周囲音の音圧が高い場合は防振ユニット18の応答性を重視したブレ補正制御を行うことができる。なお、ブレ制御部36は、遮断周波数fcを上げるのに合わせてゲインを上げ、遮断周波数fcを下げるのに合わせてゲインを下げてもよい。
あるいは、切替制御部121は、実際に露光動作を行っている撮影段階と、露光動作前に構図決定等を行っている撮影準備段階とで、フィルタ部103の遮断周波数fcを切り替えてもよい。たとえば、切替制御部121は、露光動作前は遮断周波数fcを低い値に設定し、露光動作中は遮断周波数fcを高い値に設定することができる。これにより、本実施形態に係るブレ補正装置は、露光動作中はシャッタ駆動等に伴う高周波数成分を含むブレを好適に補正し、露光動作前は必要とするブレ補正制御を行いつつも電力消費を抑制することができる。
図3に示すように、フィルタ部103は、目標操作量Vpidの少なくとも一部の周波数帯域を減衰させて第2目標操作量Vpid2を演算し、第2目標操作量Vpid2を駆動信号演算部105に出力する。ブレ補正部42に含まれる駆動信号演算部105は、入力される第2目標操作量Vpid2に従って補正レンズ20を移動させるように、コイル76(図2)の電流値を制御する。このようにして、ブレ制御部36、ブレ補正部42およびブレ検出部44は、補正レンズ20を駆動し、ブレを補正する。
図6は、第1実施形態に係るブレ補正装置を用いて実施したブレ補正制御の制御特性(閉特性)の一実施例と、本実施形態の比較例(第1比較例)に係るブレ補正装置の制御特性を表すグラフである。図6(A)および図6(B)は、各ブレ補正装置の周波数特性を表している。図6(A)は、制御ゲインと周波数の関係を表しており、図6(B)は、位相と周波数の関係を表している。
図6(A)および図6(B)において、実施例の制御特性は実線で表されており、比較例の制御特性は点線で表されている。実施例で用いたブレ補正装置は、図3に示すように、ブレ信号の高周波数成分を減衰させるフィルタ部103を備える。実施例におけるフィルタ部103の遮断周波数fcは、500Hzとした。それに対して、比較例で用いたブレ補正装置は、図3に示すフィルタ部103を含まないが、それ以外の構成は実施例と同様とした。
なお、実施例、比較例ともに、制御サンプリング周波数fsは、三脚ブレ等に対応可能な高周波数に設定した。具体的には、実施例、比較例ともに、制御サンプリング周波数fsは、4kHzとした。また、図6に示す実施例および比較例で用いたブレ補正装置に含まれる防振ユニット18は、補正レンズ20を含む可動部84(図2)が比較的軽く、アクチュエータの駆動力が、十分な余裕を持っている。
図6(A)に示すように、フィルタ部103を備える実施例に係る制御特性と、フィルタ部103を備えない比較例に係る制御特性とを比べると、実施例では、500Hz以上の高周波数領域の制御ゲインが、比較例に比べて低減されていることがわかる。ここで、ブレ補正制御において、防振ユニット18を500Hz以上の周波数帯で駆動すると、500Hz未満の周波数帯で駆動する場合に比べて、防振ユニット18が大きな振動や駆動音を発生させる傾向にある。実施例では、500Hz以上の高周波数領域における制御ゲインが低減されているので、実施例に係る制御は、防振ユニット18が発生させる振動や、駆動音を大きく低減できる。例えば、実施例に係る制御特性では、2kHz周辺の制御ゲインが25dB程度低減されており、このことは、当該周波数の制御に起因して発生する駆動音の音圧が、10分の一程度に低減されることを意味する。
また、図6(B)に示すように、実施例では、比較例より低い周波数領域で位相が遅れ始めており、実施例に係る制御特性は、200Hzを超えた領域から位相の遅れが見られる。しかし、ブレ補正制御に関係がある周波数領域は、おおむね150Hz以下であるため、実施例にみられる位相の遅れは、ブレ補正制御に対して実質的な影響はないと考えられる。すなわち、フィルタ部103の遮断周波数fcを適切に設定することによって、ブレ補正制御に関係がある周波数領域に関しては、位相の遅れが発生することを防止できる。
このように、ブレ信号の高周波数成分を減衰させるフィルタ部103を備えるブレ補正装置は、三脚ブレ等に対応できるように高い制御サンプリング周波数fsで防振ユニット18を制御した場合でも、ブレ補正制御に起因する駆動音や振動の発生を防止できる。すなわち、本実施形態に係るブレ補正装置は、三脚ブレやシャッタ駆動に伴うブレなど、高い周波数の振れ成分に起因するブレを、精度良く補正するとともに、ブレ補正制御に起因する駆動音や振動の発生を防止して、快適な撮影を実現できる。
以下に、図1、図3、図5および図7を用いて、第1実施形態に係るブレ補正制御装置を用いたブレ補正制御の具体的な流れを説明する。図7は、図1に示すカメラシステムにおけるブレ補正制御の一例を示すフローチャートである。
ステップS001では、図1に示す主制御部32が、レリーズスイッチ60から入力された半押し信号を受けて、ブレ補正制御のパラメータ設定を開始する。ステップS002において、主制御部32は、カメラボディ10の撮影モードが、静止画モードであるか否かを判断する。
ステップS002において、静止画モードであると判断した場合、主制御部32は、静止画モードに対応したブレ補正制御に必要なパラメータを取得する(ステップS003)。主制御部32は、例えばカメラボディ10に内蔵されているメモリ(不図示)から、フィルタ部103(図3)の遮断周波数fcや、目標駆動位置演算部101の固定値ゲイン(比例ゲインKp、積分ゲインKi、微分ゲインKd)等のパラメータを取得する。ステップS003において、主制御部32は、遮断周波数fcを第1遮断周波数fc1(fc1=1kHz)とし、各固定値ゲインKp,Ki,Kdを1倍とするパラメータを取得する。また、ステップS002において、主制御部32は、取得したパラメータをブレ制御部36に出力する。ブレ制御部36は、主制御部32から出力されたパラメータに従い、図4に示す目標駆動位置演算部101の各固定値ゲインKp,Ki,Kdを設定するとともに、図5に示す切替制御部121を介してフィルタ部103の遮断周波数fcを設定する。
ステップS002において、静止画モードでないと判断した場合、主制御部32は、動画モードに対応したブレ補正制御に必要なパラメータを取得する(ステップS003a)。ステップS003aにおいて、主制御部32は、遮断周波数fcを第2遮断周波数fc2(fc2=0.5kHz)とし、各固定値ゲインKp,Ki,Kdを0.5倍とするパラメータを取得する。また、ステップS003aにおいて、主制御部32は、ステップS003と同様に、ブレ制御部36を介して、目標駆動位置演算部101の固定値ゲインKp,Ki,Kdや、フィルタ部103の遮断周波数fcを設定する。
ステップS004では、図1に示す防振ユニット18、ブレ補正部42、角速度センサ46、ブレ検出部44およびブレ制御部36によって、ブレ補正制御が開始される。撮影モードが静止画モードである場合には、目標駆動位置演算部101の固定値ゲインKp,Ki,Kdや、フィルタ部103の遮断周波数fcが、動画モードより高く設定されている。したがって、静止画モードにおけるブレ補正制御では、三脚ブレやシャッタ駆動に伴うブレなど、高い周波数の振れ成分に起因するブレを、精度良く補正することができる。
それに対して、撮影モードが動画モードである場合には、目標駆動位置演算部101の固定値ゲインKp,Ki,Kdや、フィルタ部103の遮断周波数fcが、静止画モードより低く設定されている。したがって、動画モードにおけるブレ補正制御では、防振ユニット18の補正レンズ20が高い周波数に追従しないため、ブレ補正制御に伴う電力消費が低減される。なお、動画モードでは、シャッタ駆動に伴うブレは発生せず、また、三脚ブレのような高周波数のブレは比較的目立ちにくいので、固定値ゲインKp,Ki,Kdや、遮断周波数fcは、静止画モードより低く設定されていてもよい。さらに、動画モードでは、固定値ゲインKp,Ki,Kdや、遮断周波数fcが低く設定されているため、高周波数領域の制御ゲインがより大きく低減され、ブレ補正制御に伴う振動および駆動音の発生を、静止画モードより効果的に防止できる。
ステップS005では、図1に示す主制御部32は、レリーズスイッチ60からの半押し信号がOFFであるか否かを判断する。半押し信号がOFFであると判断した場合、主制御部32は、ブレ制御部36等に信号を出力し、ブレ補正制御を停止させた後(ステップS006)、一連の制御を終了させる(ステップS007)。
ステップS005において、半押し信号がOFFでないと判断した場合、主制御部32は、レリーズスイッチ60からの全押し信号が入力されているか否かを判断する(ステップS008)。全押し信号が入力されていないと判断した場合、主制御部32は、ブレ補正制御を継続させたまま、ステップS005の処理に戻る。
ステップS008において全押し信号が入力されていると判断した場合、主制御部32は、ブレ制御部36(図3)等に信号を出力し、ブレ補正制御を一旦停止させる(ステップS009)。さらに、ブレ制御部36およびブレ補正部42は、主制御部32からの制御に応じて、防振ユニット18の補正レンズ20をセンタリングする露光前センタリングを行う(ステップS010)。
防振ユニット18、ブレ補正部42、角速度センサ46、ブレ検出部44およびブレ制御部36は、露光前センタリングの後、ブレ補正制御を再開する(ステップS011)。ステップS012において、主制御部32は、撮影が終了しているか否かを判断する。撮影が終了していないと判断した場合は、主制御部32は、ブレ制御部36等に、ブレ補正制御を継続させる。それに対して、撮影が終了していると判断した場合は、主制御部32は、ブレ制御部36等に信号を出力し、ブレ補正制御を終了させる(ステップS013)。
本実施形態に係るブレ補正装置は、図7を用いて説明したように、撮影モードが静止画モードであるか動画モードであるかを判断し、それぞれの撮影モードに対して好適なブレ補正制御を行うことができる。すなわち、本実施形態に係るブレ補正装置は、静止画モードにおけるブレ補正制御では、三脚ブレやシャッタ駆動に伴うブレなど、高い周波数の振れ成分に起因するブレを精度良く補正することができる。また、本実施形態に係るブレ補正装置は、動画モードにおけるブレ補正制御では、ブレ補正制御に伴う電力消費を低減させつつ、ブレ補正制御に伴う振動および駆動音の発生を、静止画モードより効果的に防止できる。
第2実施形態
図8は、第2実施形態に係るブレ補正装置を用いて実施したブレ補正制御(第2実施例)における第2目標操作量Vpid2と固定値ゲインKp,Ki,Kdの関係を、実線で表したものである。また、図8には、比較のために、第2実施形態の比較例(第2比較例)に係る目標操作量Vpidと固定値ゲインKp,Ki,Kdの関係を、点線で表している。
第2実施形態に係るブレ補正装置は、図1〜図5に示す第1実施形態に係るブレ補正装置とほとんど同様であるが、防振ユニット18に含まれる補正レンズ20の重量が重く、アクチュエータの駆動力の余裕が、第1実施形態に係るブレ補正装置より乏しい。第2実施形態に係るブレ補正装置は、この点を除き、第1実施形態に係るブレ補正装置と同様である。
第2実施形態に係るブレ補正装置は、図3に示すように、ブレ信号の高周波数成分を減衰させるフィルタ部103を備える。第2実施例におけるフィルタ部103の遮断周波数fcは、500Hzとした。それに対して、第2比較例で用いたブレ補正装置は、図3に示すフィルタ部103を含まないが、それ以外の構成は第2実施例と同様である。
第2比較例では、アクチュエータの駆動力の余裕が乏しく、さらに、ブレ信号の高周波数成分を減衰させるフィルタ部103を含まないブレ補正装置を用いている。第2比較例で用いたブレ補正装置は、図8および図11に示すように、補正レンズ20の応答性を高めることが難しい。
図11は、第2比較例で用いたブレ補正装置に係る防振ユニットの制御特性(閉特性)を表すグラフである。図11(A)は、制御ゲインと周波数の関係を表しており、図11(B)は、位相と周波数の関係を表している。図11(A)および図11(B)は、制御サンプリング周波数fsが1kHzの場合と、2kHzの場合と、4kHzの場合と、8kHzの場合における周波数特性を、表示している。
第2比較例で用いたブレ補正装置は、図11(A)に示すように、制御サンプリング周波数fsがいずれの値であっても、150Hz未満の周波数領域で、すでに制御ゲインが著しく低下し始めていることがわかる。また、図11(B)に示すように、制御サンプリング周波数fsがいずれの値であっても、150Hz未満の周波数領域で、すでに位相が大きく遅れ始めていることがわかる。
このように、第2比較例で用いたブレ補正装置は、補正レンズ20の応答性を高める目的で、制御サンプリング周波数fsおよび固定値ゲインKp,Ki,Kdを上昇させても、PID制御の安定性が低下し、精度良くブレ補正制御することが難しい。これは、第2比較例で用いたブレ補正装置に含まれるアクチュエータの駆動力の余裕が乏しいことに起因する。
図10は、第2比較例に係るブレ補正制御における目標操作量Vpidの時間変化を表すものである。第2比較例に係る目標操作量Vpidは、高周波成分を減衰させる処理を施されていないため、周波数が1kHz(周期が1msec)程度の高い周波数成分を含む。また、図10に示すように、周波数が1kHz程度の高い周波数成分は振幅も大きいため、目標操作量Vpidの一部は、駆動力出力(Driving performance)の100%に相当する値を超えており、ブレ補正制御の一部で駆動力が飽和している。したがって、第2比較例で用いたブレ補正装置は、制御サンプリング周波数fsおよび固定値ゲインKp,Ki,Kdを上昇させても、PID制御の安定性が低下し、補正レンズ20の応答性を高めることが難しい。なお、目標操作量Vpidに含まれる高周波数ノイズは、主としてPID制御における微分値Vdが、高周波数であって振幅の大きい成分を形成することによって生じる。
また、図8に示すように、第2比較例では、固定値ゲインを上昇させると簡単に駆動力が飽和してしまうので、補正レンズ20の応答性を高めることが難しい。さらに、図10に示すように、ブレ補正制御の一部で駆動力が飽和している第2比較例では、防振ユニット18が許容できない駆動音を発生させる場合がある。
これに対して、第2実施例で用いたブレ補正装置は、第2比較例と駆動力そのものは同等であるが、ブレ信号の高周波数成分を減衰させるフィルタ部103(図5等参照)を備えるため、ブレ補正制御におけるゲイン余裕が大きい(図8)。
図9は、第2実施例に係るブレ補正制御における第2目標操作量Vpid2の時間変化を表すものである。第2実施例に係る第2目標操作量Vpid2は、高周波成分を減衰させる処理を、フィルタ部103において施されたものであるため、目標操作量Vpidに含まれる成分のうち、周波数が1kHz程度の高い周波数成分が減衰されている。したがって、第2目標操作量Vpid2は、駆動力出力(Driving performance)の100%に相当する値を超えておらず、ブレ補正制御の全体で駆動力が飽和していない。したがって、第2実施例で用いたブレ補正装置は、制御サンプリング周波数fsおよび固定値ゲイン上昇に伴うPID制御の安定性低下を抑制しうるため、補正レンズ20の応答性を高めることができる。
第2実施形態に係るブレ補正装置は、アクチュエータの駆動力自体は大きくない場合であっても、高い周波数の振れ成分に起因するブレを精度良く補正するとともに、ブレ補正制御に起因する駆動音や振動の発生を防止して、快適な撮影を実現できる。
その他の実施形態
第1実施形態および第2実施形態に係るブレ補正装置では、フィルタ部103を用いて、図3に示す目標駆動位置演算部から出力される目標操作量Vpidに対して、高周波成分を減衰させる処理を行う。しかし、フィルタ部103の配置としてはこれに限定されず、例えば、図4に示す微分ゲイン部117と加算器119の間に、高周波成分を減衰させるフィルタ部を配置してもよい。フィルタ部を、微分部115の後段に備えることによって、ブレ補正信号の中から、高周波数であって振幅の大きい成分を効果的に減衰させることができる。なぜなら、目標操作量Vpidに含まれる高周波数ノイズは、PID制御における微分値Vdが、高周波数であって振幅の大きい成分を形成することによって生じる傾向にあるからである。
また、上述の実施形態に係るブレ補正装置では、ブレを補正するために駆動する光学部品は、補正レンズ20であるが、ブレを補正するために駆動する光学部品はこれに限定されない。例えば、ブレを補正するために駆動する光学部品は、レンズ等の光を透過させる光透過部材であってもよいし、ミラーと等の光を反射させる光反射部材であってもよいし、又は、CCD、C−MOSセンサ等のような、光学系による像を撮像する撮像素子であってもよい。
10…カメラボディ
12…レンズ鏡筒
18…防振ユニット
20…補正レンズ
36…ブレ制御部
42…ブレ補正部
44…ブレ検出部
46…角速度センサ
46…マイク
62…PSD
101…目標駆動位置演算部
103…フィルタ部
105…駆動信号演算部
107…位置信号出力部
115…微分部
ω1…振れ量子化値
LR…補正レンズ位置
Vpid…目標操作量
Vpid2…第2目標操作量

Claims (9)

  1. ブレに対応したブレ信号を出力するブレ検出部と、
    ブレを補正するために駆動する光学部品と、
    前記光学部品の位置に対応する位置信号を出力する位置検出部と、
    前記ブレ信号及び前記位置信号を用いてブレを補正するためのブレ補正信号を演算する演算部と、
    前記ブレ補正信号の少なくとも一部の周波数帯域を減衰させて出力するフィルタ部と、
    前記フィルタ部から出力された信号を用いて前記光学部品を駆動する駆動部とを含むことを特徴とするブレ補正装置。
  2. 請求項1に記載されたブレ補正装置であって、
    前記フィルタ部は、ローパスフィルタ、及び、バンドパスフィルタのうち少なくとも一方であることを特徴とするブレ補正装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたブレ補正装置であって、
    前記演算部は、入力された信号を微分して出力する微分器を有し、
    前記フィルタ部は、前記微分器の後段に備えられることを特徴とするブレ補正装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載されたブレ補正装置であって、
    前記フィルタ部は、500Hz以上、1kHz以下のカットオフ周波数を有することを特徴とするブレ補正装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載されたブレ補正装置であって、
    前記フィルタ部のカットオフ周波数を、第1カットオフ周波数と、前記第1カットオフ周波数よりも周波数が低い第2カットオフ周波数とに切替えるように制御する制御部を含むことを特徴とするブレ補正装置。
  6. 請求項5に記載されたブレ補正装置であって、
    前記制御部は、静止画撮影時に前記フィルタ部が前記第1カットオフ周波数になり、動画撮影時に前記フィルタ部が前記第2カットオフ周波数になるように制御することを特徴とするブレ補正装置。
  7. 請求項5に記載されたブレ補正装置であって、
    前記制御部は、前記ブレ信号を用いて前記フィルタ部のカットオフ周波数が切替わるように制御することを特徴とするブレ補正装置。
  8. 請求項5に記載されたブレ補正装置であって、
    音声を検出して音声信号を出力するマイクを有し、
    前記制御部は、前記音声信号を用いて前記フィルタ部のカットオフ周波数が切替わるように制御することを特徴とするブレ補正装置。
  9. 請求項1から請求項8までの何れか1項に記載されたブレ補正装置を含むことを特徴とする光学機器。
JP2009165861A 2009-07-14 2009-07-14 ブレ補正装置および光学機器 Pending JP2011022273A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009165861A JP2011022273A (ja) 2009-07-14 2009-07-14 ブレ補正装置および光学機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009165861A JP2011022273A (ja) 2009-07-14 2009-07-14 ブレ補正装置および光学機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011022273A true JP2011022273A (ja) 2011-02-03

Family

ID=43632423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009165861A Pending JP2011022273A (ja) 2009-07-14 2009-07-14 ブレ補正装置および光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011022273A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013033184A (ja) * 2011-07-01 2013-02-14 Nikon Corp レンズ鏡筒、カメラシステム及びカメラボディ
JP2013050515A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Rohm Co Ltd レンズ制御装置および撮像装置
JP2016170285A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 キヤノン株式会社 像ブレ補正装置、光学機器、撮像装置および制御方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013033184A (ja) * 2011-07-01 2013-02-14 Nikon Corp レンズ鏡筒、カメラシステム及びカメラボディ
JP2013050515A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Rohm Co Ltd レンズ制御装置および撮像装置
JP2016170285A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 キヤノン株式会社 像ブレ補正装置、光学機器、撮像装置および制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101575626B1 (ko) 디지털 카메라 및 그 제어방법
JP2012208336A (ja) 画像ぶれ補正装置
JP2011022273A (ja) ブレ補正装置および光学機器
JP2013210614A (ja) 撮像装置
JP5235542B2 (ja) 像振れ補正装置またはそれを備えたレンズ装置、撮像装置並びに像振れ補正装置の制御方法
JP2007127756A (ja) 像振れ補正装置、光学装置、交換レンズ、及びカメラシステム
JP2010249942A (ja) 振れ補正装置および光学機器
JP2011118073A (ja) 画像振れ補正装置
KR101329741B1 (ko) 손떨림 보정 제어 방법 및 손떨림 보정 제어 장치
JP2010231037A (ja) カメラシステムおよび光学機器
JP4861110B2 (ja) 光学機器
JP2011013555A (ja) ブレ補正装置及び光学機器
JP2001201777A (ja) ぶれ補正装置及び該ぶれ補正装置を含む光学機器
JP2006098541A (ja) カメラ
JP5168981B2 (ja) ブレ補正装置および光学装置
JP2013179788A (ja) モータ駆動装置とそれを用いた鏡筒およびカメラ
JP6165052B2 (ja) 振れ補正装置、それを有する撮像装置、振れ補正方法、およびプログラム
JP3571928B2 (ja) 撮像装置と該撮像装置におけるレンズ位置の制御方法
JP2007127755A (ja) 像振れ補正装置、光学装置、交換レンズ、及びカメラシステム
JP7470082B2 (ja) 像ブレ補正装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
JP6590013B2 (ja) 交換レンズおよび撮像装置
JP2001042376A (ja) 画像動き補正装置
JP2009282444A (ja) 振れ補正装置および撮影装置
JP2009300766A (ja) ブレ補正装置および撮影装置
JP2009300879A (ja) 振れ補正装置および撮影装置