JP3223715U - 操作部付ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】コア電線が断線し難い操作部付ケーブルを提供する。【解決手段】複数本のコア電線を含むケーブル2の途中に操作部3を有する操作部付ケーブル1であって、複数本のコア電線は、束ねられて電線束が形成され、電線束は、二群に分けられて被覆樹脂で被覆されており、ケーブル2は、操作部3の前後所定長の部分で二群の電線束が一群ずつ独立した分離部2Aと、分離部2A以外の部分で二群の電線束がまとめられている一体部2Bとを有する。分離部2Aと一体部2Bとの境界部分が補強部材4で覆われている。【選択図】図1

Description

本考案は、操作部付ケーブルに関する。
ケーブルの途中に操作部が設けられた操作部付ケーブルが知られている。例えば、特許文献1の図15〜図17には、ケーブルの途中にコントローラが設けられたヘッドホンケーブルが開示されている。
特表2012−529844号公報
例えば、特許文献1に開示された操作部付ケーブル(ヘッドホンケーブル)は、複数のコア電線を束ねた電線束(導電ワイヤ束)によるケーブルを備えている。ケーブルの一端は、2本のケーブルとなっており、それぞれのケーブルが左右(ステレオ)のイヤホンに接続されている。この2本のケーブルは、Y接合部で二つの電線束がシースで一体的に覆われて1本のケーブルとされ、ケーブルの他端がプラグに接続されている。そして、Y接合部からプラグまでのケーブルの途中に操作部(コントローラ)が設けられている。ところが、このような操作部付ケーブルでは、操作部を操作する際に、操作部が傾いたり回動したりすると、ケーブルもこれに伴って動くため曲げられたり捻られたりする。そのため、電線束を構成するコア電線に曲げおよび捻りの力がかかり、操作部の近くでコア電線が断線し易い。
本考案は、コア電線が断線し難い操作部付ケーブルを提供することを目的とする。
本考案の一態様に係る操作部付ケーブルは、
複数本のコア電線を含むケーブルの途中に操作部を有する操作部付ケーブルであって、
前記複数本のコア電線は、束ねられて電線束が形成され、
前記電線束は、二群に分けられて被覆樹脂で被覆されており、
前記ケーブルは、
前記操作部の前後所定長の部分で二群の前記電線束が一群ずつ独立した分離部と、
前記分離部以外の部分で二群の前記電線束がまとめられている一体部と、
を有する。
上記考案によれば、コア電線が断線し難い操作部付ケーブルを提供することができる。
本考案の実施形態に係る操作部付ケーブルの概略図である。 図1に示す操作部付ケーブルのA−A線における断面図である。 変形例1のケーブルを用いた操作部付ケーブルにおける、図1のA−A線の断面図である。 変形例2のケーブルを用いた操作部付ケーブルにおける、図1のA−A線の断面図である。
(本考案の実施形態の説明)
最初に本考案の実施態様を列記して説明する。
本考案の一態様に係る操作部付ケーブルは、
(1)複数本のコア電線を含むケーブルの途中に操作部を有する操作部付ケーブルであって、
前記複数本のコア電線は、束ねられて電線束が形成され、
前記電線束は、二群に分けられて各群が被覆樹脂で被覆されており、
前記ケーブルは、
前記操作部の前後所定長の部分で二群の前記電線束が一群ずつ独立した分離部と、
前記分離部以外の部分で二群の前記電線束がまとめられている一体部と、
を有する。
上記構成によれば、操作部付ケーブルは、操作部の前後所定長の部分で二群の電線束が一群ずつ独立した分離部を有するので、操作部を操作した際には、この一群ずつ独立した電線束がそれぞれ動くことができる。このため、操作部が移動したときにケーブルかかる力を逃がすことができる。電線束を構成する複数のコア電線に曲げや捻りの力がかかりにくいので、コア電線が断線し難い。
(2)前記分離部と前記一体部との境界部分が補強樹脂で覆われていてもよい。
分離部と一体部との境界部分が補強樹脂で補強されているので、境界部分から一体部が裂けることを防止できる。
(3)前記一体部は、二群の前記電線束が一体的に被覆樹脂で被覆されていてもよい。
二群の電線束が一体的に被覆樹脂で被覆されているので、一体部を裂けにくくすることができる。
(4)前記一体部は、二群の前記電線束がそれぞれ被覆樹脂で被覆されており、前記被覆樹脂同士が接触する箇所で前記被覆樹脂同士が融着されていてもよい。
二群の電線束の被覆樹脂同士を融着することで、容易に一体部を形成することができる。
(5)前記一体部は、二群の前記電線束の中で前記複数本のコア電線同士がそれぞれ撚られており、それぞれの撚り方向が逆であってもよい。
二群の電線束の中で複数本のコア電線同士がそれぞれ撚られており、それぞれの撚り方向が逆(左右対称)になっているので、線癖がつきにくく機械特性に優れた操作部付ケーブルとすることができる。
(本考案の実施形態の詳細)
本考案の実施形態に係る操作部付ケーブルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本考案はこれらの例示に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲によって示され、実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、本実施形態に係る操作部付ケーブル1の構成を示す平面図である。
図1に示すように、操作部付ケーブル1は、ケーブル2と、ケーブル2の途中に配置されている操作部3とを備えている。
ケーブル2は、ケーブル2の長手方向(図における前後方向)に沿ってケーブル2が二つに分離されている分離部2Aと、ケーブル2が一体になっている一体部2Bとを有している。分離部2Aは、ケーブル2の長手方向において、操作部3を間に挟むように操作部3の両側(図における前後)の所定長の部分にそれぞれ設けられている。本例では、二つの分離部2Aの長さは略同じ長さに形成されているが、使用されるケーブル2の形態に応じてそれぞれ適する長さに形成されてもよい。
操作部3は、上記二つの分離部2A間に配置され、ケーブル2の分離部2Aの端部と電気的、機械的に接続されている。操作部3には、例えばケーブル2を介して送受信される信号を発信するための操作ボタン等が設けられている。操作部3は、例えば合成樹脂等からなるハウジングとその中の電気回路(半導体素子などの部品を含む)とから構成されている。
分離部2Aと一体部2Bとの境界部分には、例えばポリ塩化ビニル等の樹脂塊(グロメットやチューブなど)からなる補強部材4が設けられている。補強部材4は、少なくとも分離部2Aの一部と一体部2Bの一部とを覆うように設けられている。なお、補強部材4としては、この他に例えば上記境界部分に樹脂テープを巻いて補強する構成であってもよい。
図2は、図1のA−A線における断面図である。図2に示すように、ケーブル2は、その一体部2Bにおいて複数の電線束(本例では、第一の電線束10と第二の電線束20)を備えている。
第一の電線束10は、複数本のコア電線11が図2の断面で見て円形になるように束ねられた一群の電線の束として形成されている。コア電線11は、例えば、信号線、絶縁電線、同軸電線、対撚線等である。また、コア電線11は、その用途として、例えば、USB(Universal Serial Bus)プラグ接続用の電線やAUX(Auxiliary)プラグ接続用の電線やHDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)プラグ接続用の電線等であってもよい。また、第一の電線束10には、複数の異なる線種や用途のコア電線11が含まれていてもよい。
第一の電線束10の周囲には、抑え巻12が設けられている。抑え巻12は、例えばテープが第一の電線束10の周囲に螺旋状に巻き付けられることで形成されている。抑え巻12を構成するテープとしては、例えば樹脂(PET)テープを用いることが好ましい。なお、樹脂テープを用いる代わりに、金属樹脂テープ(金属箔と樹脂テープとが貼り合わされたテープ)を第一の電線束10の周囲に巻き付けて後述のシールド層13としての機能を持たせるようにしても良い。
抑え巻12の周囲には、シールド層13が設けられている。シールド層13は、例えば金属細線が抑え巻12の周囲を覆うように螺旋に巻回されることで形成されている。なお、シールド層13は、金属樹脂テープを巻き付けたものでもよく、金属細線を素線として編組したものでもよい。
第二の電線束20は、上記第一の電線束10と同様の構成を有しており、複数本のコア電線21が円形に束ねられた一群の電線の束として形成されている。コア電線21は、コア電線11と同様の線種や用途の電線である。第二の電線束20の外径は、第一の電線束10の外径と略同じ大きさに形成されている。第二の電線束20の周囲には、上記第一の電線束10と同様に、抑え巻22が形成され、抑え巻22の周囲にはシールド層23が形成されている。
抑え巻12およびシールド層13により覆われた第一の電線束10と、抑え巻22およびシールド層23により覆われた第二の電線束20とは、互いに一定の間隔を空けて並列して配置されており、その周囲が一括して外被30で覆われている。外被30は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂材料で形成されている。本例ではケーブル2は、第一の電線束10と第二の電線束20とが外被30により一体的に被覆された、いわゆる、メガネ形状(8の字形状)型のケーブルとして形成されている。
ケーブル2における分離部2A(図1参照)は、外被30の左右方向における略中央部が切り裂かれて、それぞれ外被30で覆われた状態の第一の電線束10と第二の電線束20とが一群ずつに切り離されて独立した状態となっている。これに対して、ケーブル2における一体部2Bは、第一の電線束10と第二の電線束20とが切り離されないで外被30により一体的に被覆されたままの状態となっている。
なお、本例では二つの電線束からなるケーブル2が各電線束をそれぞれ一群として二つに分離されているが、この形態に限定されず、例えば三つの電線束からなるケーブルが電線束毎に三つに分離される構成、四つの電線束からなるケーブルが電線束毎に四つに分離される構成等であってもよい。また、第一の電線束10と第二の電線束20にそれぞれ含まれるコア電線の線種や、本数、配置等は図示の例に限定されるものではない。また、第一の電線束10および第二の電線束20は、断面が略真円状に形成されているが、楕円状や角状等であってもよい。
このような構成の操作部付ケーブル1によれば、操作部3の前後所定長の部分に第一の電線束10と第二の電線束20とが一群ずつ独立された分離部2Aが形成されている。このため、操作部3が動かされてケーブル2、2Aに曲げや捻りが加えられた際には、この一群ずつ独立した第一の電線束10と第二の電線束20とがそれぞれ自由に動いてケーブルにかかる力を逃がすことができる。したがって、第一の電線束10と第二の電線束20とを構成する複数のコア電線11,21に曲げや捻りの力が掛かりにくく、コア電線11,21が断線しにくい。
また、分離部2Aと一体部2Bとの境界部分が補強部材4で補強されているので、ケーブル2が曲げられたり捻られたりした場合でも、境界部分から一体部2Bが裂けることを防止することができる。
また、第一の電線束10と第二の電線束20とが外被30によって一体的に被覆されているので、ケーブルの取り回しがよい。
次に、操作部付ケーブル1に用いられるケーブルの変形例について図3,図4を参照しつつ説明する。なお、上述した形態と同一番号を付した部分については、同じ機能であるため、繰り返しとなる説明は省略する。
(変形例1)
図3は、変形例1のケーブル102を用いた操作部付ケーブル1における、図1のA−A線の断面図である。図3に示すように、変形例1のケーブル102の一体部は、外被30Aで被覆された第一の電線束10と第二の電線束20とが相互に融着されることにより一体的に構成されている。
例えば、抑え巻12、シールド層13および外被30Aで覆われた第一の電線束10と、抑え巻22、シールド層23および外被30Aで覆われた第二の電線束20とが左右並列に配置され、それぞれの外被30A同士の一部31がケーブル102の長手方向において融着されている。
このような構成の操作部付ケーブル1によれば、それぞれ外被30Aで被覆された第一の電線束10と第二の電線束20とを予め個別に作製しておき、それらの外被30A同士を融着することで容易にケーブル102を製造することができる。
(変形例2)
図4は、変形例2のケーブル202を用いた操作部付ケーブル1における、図1のA−A線の断面図である。図4に示すように、変形例2のケーブル202の一体部は、第一の電線束10を構成する複数本のコア電線11同士が撚り合わされ、第二の電線束20を構成する複数本のコア電線21同士が上記コア電線11同士の撚り合わせ方向とは逆の方向へ撚り合わされている。
例えば、図4に示すように、第一の電線束10を構成する複数本のコア電線11同士は、反時計回り方向C1へ撚り合わされている。これに対して、第二の電線束20を構成する複数本のコア電線21同士は、コア電線11同士の撚り合わせ方向C1とは逆の時計回り方向C2へ撚り合わされている。
また、外被30Bにおいて、第一の電線束10と第二の電線束20との間の部分には、例えば操作部付ケーブル1の長手方向に沿って互いに対向する一対のノッチ(切れ込み)32が設けられていてもよい。本例では操作部付ケーブル1の上下面にノッチ32が設けられている。
このような構成のケーブル202を有する操作部付ケーブル1によれば、第一の電線束10のコア電線11同士および第二の電線束20のコア電線21同士がそれぞれ撚られており、それぞれの撚り方向が逆方向とされているので、線癖がつきにくく機械特性を向上させることができる。
また、ノッチ32が設けられることにより、操作部付ケーブル1の屈曲性や捻回性が良好に保たれる。また、ケーブル202を割いて第一の電線束10と第二の電線束20とに分離する場合、ノッチ32部分を介して容易に分離することができる。
なお、上記図2に示すメガネ形状型のケーブル2および図3に示す融着型のケーブル102においても第一の電線束10のコア電線11同士および第二の電線束20のコア電線21同士がそれぞれ撚られており、それぞれの撚り方向が逆方向である構成としてもよい。
(実施例)
上記実施形態において説明した操作部付ケーブルの実施例について以下に説明する。
例1(実施例)として、図1に示す構成の操作部付ケーブルを製造した。ケーブルには図2に示すメガネ形状のケーブル2を使用した。複数本(十数本)のコア電線を束ねて形成した第一の電線束および第二の電線束の周囲に抑え巻としてポリエステルテープを巻きつけ、その周囲に金属細線を横巻きして配してシールド層を形成した。コア電線にはAW30〜40の絶縁電線または同軸電線を使用した。第一の電線束および第二の電線束の外径は1.8mmとした。第一の電線束と第二の電線束を並列させてポリ塩化ビニルをその周囲に押出被覆して外被とした。ケーブルの厚さ(上下方向の長さ)は2.5mm、幅(左右方向の長さ)は4.7mmとし、分離部2Aの長さは50mm、補強部材4の前後方向の長さは10mmとした。
例2(比較例)として、図1に示す操作部付ケーブルにおいて分離部2Aを有さない構成のもの(ケーブル2を全て一体部2Bとし、一体部2Bが直接、操作部3に接続されたもの)を製造した。なお、補強部材4は設けなかった。
例1および例2の操作部付ケーブルについて、それぞれ屈曲試験を行った。屈曲試験は、長さ50cmの操作部付ケーブルを鉛直に下げ、操作部をクランプで把持した。ケーブルの下端に5Nの重りを下げた。クランプから鉛直方向に10cm下の点を回転中心として鉛直方向から±60度の間を30回/分の速度でクランプを移動させ、ケーブルを屈曲させた。ケーブルが鉛直に下がる位置を始点としてクランプが鉛直方向と+60度をなす位置まで動いた後に逆方向に動いて鉛直方向と−60度をなす位置まで動いた後に逆方向に動いて始点まで戻ってくるのを1回とする。操作部付ケーブルのいずれかのコア電線に断線が生じるまでの回数が15000回以上を合格、15000回未満を不合格とした。
実施例(例1)の図1に示す分離部2Aを有する構成は合格、比較例(例2)の分離部2Aを有さない構成は不合格であった。
同様にして、図3に示す変形例1のケーブル102を使用した場合、図4に示す変形例2のケーブル202を使用した場合についても試験を行った。その結果、変形例1、変形例2においても同様に、図1に示す分離部2Aを有する構成とすることにより、屈曲試験が合格となり、分離部がないと不合格となることが確認できた。
以上、本考案を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本考案の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本考案を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
1 操作部付ケーブル
2、102、202 ケーブル
2A 分離部
2B 一体部
3 操作部
4 補強部材
10 第一の電線束
11、21 コア電線
12、22 抑え巻
13、23 シールド層
20 第二の電線束
30、30A、30B 外被
31 外被30A同士の一部
32 ノッチ(切れ込み)

Claims (5)

  1. 複数本のコア電線を含むケーブルの途中に操作部を有する操作部付ケーブルであって、
    前記複数本のコア電線は、束ねられて電線束が形成され、
    前記電線束は、二群に分けられて各群が被覆樹脂で被覆されており、
    前記ケーブルは、
    前記操作部の前後所定長の部分で二群の前記電線束が一群ずつ独立した分離部と、
    前記分離部以外の部分で二群の前記電線束がまとめられている一体部と、
    を有する、操作部付ケーブル。
  2. 前記分離部と前記一体部との境界部分が補強樹脂で覆われている、請求項1に記載の操作部付ケーブル。
  3. 前記一体部は、二群の前記電線束が一体的に被覆樹脂で被覆されている、請求項1または請求項2に記載の操作部付ケーブル。
  4. 前記一体部は、二群の前記電線束がそれぞれ被覆樹脂で被覆されており、前記被覆樹脂同士が接触する箇所で前記被覆樹脂同士が融着されている、請求項1または請求項2に記載の操作部付ケーブル。
  5. 前記一体部は、二群の前記電線束の中で前記複数本のコア電線同士がそれぞれ撚られており、それぞれの撚り方向が逆である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の操作部付ケーブル。
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