JP2007323847A - 配線コード及びそれを用いた携帯用音響機器 - Google Patents

配線コード及びそれを用いた携帯用音響機器 Download PDF

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Abstract

【課題】製造後に任意に長さを変えることが困難であり、部品点数が多くて製造工程が煩雑なため、量産性が低く、コスト高になる。
【解決手段】配線コード1は、断面円形の大口径の第1のコード本体10と、断面円形の小口径の第2のコード本体20とを有している。コード本体10は、導体11と、この導体11を被覆する絶縁体12と、この絶縁体12の長手方向に沿って側面の一部に形成された断面略円形の嵌合溝13と、この嵌合溝13の一部に形成された弾力性を有する係止部13b,13cとを有している。第2のコード本体20は、導体21と、この導体21を被覆する絶縁体22とを有している。係止部13b,13cにコード本体20を押し付ければ、このコード本体20が嵌合溝13に嵌入されてコード本体10内に収納される。嵌合溝13内に収納されたコード本体20を外方向へ引き出せば、コード本体10とコード本体20とを分離出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1及び第2のコード本体が嵌脱自在に接合された配線コードと、この配線コードを用いたイヤホン、ヘッドホン等の携帯用音響機器に関するものである。
従来、ステレオ型イヤホン、ヘッドホン等に使用される2本1組の配線コードを結合/分離可能にしたものとして、例えば、次のような文献に記載されるものがあった。
特開2004−56636号公報
この特許文献1には、ファスナー付き配線コードを用いたステレオ型ヘッドホンの技術が記載されている。このヘッドホンでは、ファスナー付き2本1組の配線コードの一端に、ステレオ用の2個のヘッドホン本体が接続され、他端にプラグが接続されている。
ファスナーは、2帯の布状のテープ部分がスライダにより開閉可能な構造になっているので、このファスナーを利用して、2帯の布状のテープ部分をそれぞれ袋状に形成し、この袋状の各テープ部分に配線コードをそれぞれ挿入してファスナー付き2本1組の配線コードを形成する。このファスナー付き2本1組の配線コードの一端に、2個のヘッドホン本体を電気的に接続すると共に、配線コードの他端を留め具で固定してプラグを電気的に接続することにより、ヘッドホンを製造する構造になっている。
このようなヘッドホンでは、スライダにより配線コード部分を分岐出来るので、分岐する配線コードの長さを容易に調整でき、又、収納持の配線コード部分の絡み付きを防止できて便利である。
しかしながら、従来のファスナー付き2本1組の配線コードでは、長さを予め決めておいて製造する構造になっているので、製造後に任意に長さを変えることが困難であり、しかも、部品点数が多くて製造工程が煩雑なため、量産性が低く、コスト高になるという課題があった。
前記課題を解決するために、本発明の配線コードは、嵌脱自在に接合される第1及び第2のコード本体を備えている。前記第1のコード本体は、長尺の第1の導体と、前記第1の導体を被覆する第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体の長手方向に沿って前記第1の絶縁体の側面に形成された断面凹状の嵌合溝と、前記嵌合溝の一部に形成された弾力性を有する係止部とを有している。更に、前記第2のコード本体は、長尺の第2の導体と、前記第2の導体を被覆し、前記嵌合溝内に嵌脱自在に嵌入されて前記係止部により係止される第2の絶縁体とを有し、断面の口径が前記嵌合溝の断面の口径よりも小さい。
本発明の他の端線コードも、嵌脱自在に接合される第1及び第2のコード本体を備えている。前記第1のコード本体は、長尺の第1の導体と、前記第1の導体を被覆する第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体の長手方向に沿って前記第1の絶縁体の側面に形成された断面凹状をなす1つ又は複数の嵌合溝と、前記嵌合溝に形成された第1の係合部とを有している。更に、前記第2のコード本体は、長尺の第2の導体と、前記第2の導体を被覆する第2の絶縁体と、前記第2の絶縁体の長手方向に沿って前記第2の絶縁体の側面に形成され、前記嵌合溝内に嵌脱自在に嵌入される断面凸状をなす1つ又は複数の嵌合突起部と、前記嵌合突起部に形成されて前記第1の係合部により係止される第2の係合部とを有している。
本発明の携帯用音響機器では、前記発明の配線コード又は前記発明の他の配線コードと、前記配線コードの一端に接続された一対の電気/音声変換器と、前記配線コードの他端に接続されたプラグとを有している。
本発明の配線コードによれば、第1のコード本体の側面の長手方向に沿って形成された嵌合溝に、第2のコード本体の長手方向の側面を押し付ければ、この第2のコード本体がその嵌合溝に嵌入されてその第1のコード本体内に収納されるので、簡単に2本1組の配線コードにすることが出来る。又、第1のコード本体の嵌合溝内に収納された第2のコード本体をその嵌合溝から引き外せば、第1のコード本体と第2のコード本体とを簡単に分離することが出来る。しかも、第1及び第2のコード本体は、構造が簡単なため、製造が容易で、量産性が高く、低コスト化が可能である。このような嵌脱可能な2本1組の配線コードは、種々の用途に使用出来る。
本発明の他の配線コードによれば、第1のコード本体の側面の長手方向に沿って形成された嵌合溝に、第2のコード本体の側面の長手方向に沿って形成された嵌合突起部を押し付ければ、この嵌合突起部がその嵌合溝に嵌入されてその第1及び第2のコード本体が嵌脱自在に接合されるので、簡単に2本1組の配線コードにすることが出来る。又、第1のコード本体に接合された第2のコード本体を引き離せば、第1のコード本体と第2のコード本体とを簡単に分離することが出来る。しかも、第1及び第2のコード本体は、構造が簡単なため、製造が容易で、量産性が高く、低コスト化が可能である。このような嵌脱可能な2本1組の配線コードは、種々の用途に使用出来る。
本発明の携帯用音響機器では、配線コード部分に、嵌脱可能な2本1組の配線コードを用いているので、従来のものよりも配線コード部分を細くて簡素な形態にできる。しかも、使用時において、指で配線コード部分の分岐長を容易に調整できて便利であり、保管時においても、配線コード部分の絡み付きを防止できる。
配線コードは、断面円形の大口径の第1のコード本体と、断面円形の小口径の第2のコード本体とを有している。前記第1のコード本体は、長尺の第1の導体と、前記第1の導体を被覆する第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体の長手方向に沿って前記第1の絶縁体の側面に形成された断面凹状の嵌合溝と、前記嵌合溝の一部に形成された弾力性を有する係止部とを有している。更に、前記第2のコード本体は、長尺の第2の導体と、前記第2の導体を被覆し、前記嵌合溝内に嵌脱自在に嵌入されて前記係止部により係止される第2の絶縁体とを有している。
(実施例1の構成)
図1(A)、(B)は、本発明の実施例1を示す配線コードの概略の構成図であり、同図(A)は全体の斜視図、及び同図(B)は端面部分の斜視図である。
本実施例1の配線コード1は、2芯型の長尺の配線コードであり、断面形状が例えば大口径の略円形の第1のコード本体10と、断面形状が例えば小口径の略円形の第2のコード本体20とを有し、この第1のコード本体10内に第2のコード本体20が収納/離脱可能な構造になっている。
第1のコード本体10は、絶縁被覆された複数本の長尺の第1の導体11を有し、この複数本の第1の導体11の外側が、断面略円形の第1の絶縁体12により被覆されている。第1の絶縁体12の長手方向に沿ってこの絶縁体12の側面に、断面凹状(例えば、断面が絶縁体12の口径よりも小口径の略円形)の嵌合溝13が形成されている。嵌合溝13は、絶縁体12の側面の長手方向に沿って所定幅の開口部13aを有し、この開口部13aの対向する箇所に、第2のコード本体20の断面の口径よりも小さな幅を有する一対の係止部13b,13cが、該開口部13aを閉塞する方向に突設されている。一対の係止部13b,13cは、弾力性を有している。
これらの第1の絶縁体12、嵌合溝13及び係止部13b,13cは、非塩化ビニール等の樹脂により一体的に形成されている。なお、図示されていないが、複数本の第1の導体11には、これに沿って、1本又は複数本の補強糸を介在させても良い。
第2のコード本体20は、絶縁被覆された複数本の長尺の第2の導体21を有し、この複数本の第2の導体21の外側が、嵌合溝13内に嵌合可能な第2の絶縁体22により被覆されている。第2の絶縁体22の断面形状は、嵌合溝13の断面の口径よりも少し小さな口径を有する略円形をしており、非塩化ビニール等の樹脂により形成されている。なお、図示されていないが、複数本の第2の導体21には、これに沿って、1本又は複数本の補強糸を介在させても良い。
(実施例1の製造方法例)
本実施例1の2芯型配線コード1は、例えば、次のようにして製造される。
先ず、長尺の第1のコード本体10の製造において、例えば、複数本の第1の導体11(及び必要に応じて1本又は複数本の補強糸)を押出機のクロスヘッドにセットし、この押出機に被覆材の樹脂ペレットを供給する。これにより、樹脂ペレットが加熱されて溶融し、クロスヘッドへ所定の圧力で注入されて、複数本の第1の導体11(及び必要に応じて挿入された1本又は複数本の補強糸)の表面が樹脂で被覆される。溶融した樹脂で被覆された第1の導体11(及び必要に応じて挿入された1本又は複数本の補強糸)を、所定の速度でクロスヘッドから引き出して冷却する。これにより、クロスヘッドの出口のダイスの形状に応じて、所定の断面形状を有する第1の絶縁体12で被覆された第1のコード本体10を形成出来る。
この第1のコード本体10と同様にして、第2のコード本体20も形成される。第1及び第2のコード本体10,20を嵌合装置等にセットし、第1のコード本体10の側面の長手方向に沿って形成された嵌合溝13と、第2のコード本体20の長手方向の側面とを接触させ、第2のコード本体20を嵌合溝13の方向へ押圧すれば、この第2のコード本体20が嵌合溝13内に嵌入されて第1のコード本体10内に収納される。第2のコード本体20が第1のコード本体10内に収納された2本1組の配線コード1をローラ等に巻き取れば、長尺の2芯型配線コード1の製造が終了する。
(実施例1の動作)
図2(A)〜(D)は、図1の配線コード1の嵌脱動作を示す断面図である。
第1のコード本体10内に第2のコード本体20を収納する場合は、図2(A)、(B)に示すように、第1のコード本体10の側面の長手方向に沿って形成された嵌合溝13の開口部13aと、第2のコード本体20の長手方向の側面とを接触させ、第2のコード本体20を嵌合溝13の内側の矢印方向へ押圧する。すると、第2のコード本体20の側面により、開口部13a側の弾力性を有する係止部13b,13cが嵌合溝13の内側の矢印方向へ屈曲し、第2のコード本体20が開口部13a内に押し込まれて嵌合溝13と嵌合し、図2(C)に示すように、第2のコード本体20が第1のコード本体10内に収納される。
第2のコード本体20が第1のコード本体10内に収納された状態では、第2のコード本体20の側面が第1のコード本体10側の係止部13b,13cにより係止されているので、該第2のコード本体20における嵌合溝13からの離脱が防止される。そのため、第2のコード本体20が第1のコード本体10内に収納された状態の配線コード1を屈曲させても、第2のコード本体20が第1のコード本体10内から離脱しない。
第2のコード本体20を第1のコード本体10から分離させる場合は、図2(D)に示すように、第1のコード本体10内の第2のコード本体20を、開口部13aの外側の矢印方向へ引き離す。すると、弾力性を有する係止部13b,13cが外側の矢印方向へ屈曲して開口部13aが開き、第2のコード本体20が嵌合溝13から外れる。
(実施例1の効果)
本実施例1の配線コード1によれば、次の(a)〜(e)のような効果がある。
(a) 嵌合溝13を有する大口径の第1のコード本体10と、その嵌合溝13内に収納された小口径の第2のコード本体20とを、引き離す又は圧接することによって任意の位置で分離又は嵌合出来る。特に、嵌合溝13が断面略円形で、これに嵌合するように第2のコード本体20も断面略円形になっているので、第2のコード本体20を嵌合溝13に嵌入する際に、第2のコード本体20の回転角度の位置合わせが不要となり、該第2のコード本体20を嵌合溝13内に容易に嵌合出来る。しかも、第2のコード本体20を第1のコード本体10内に収納すれば、1本の配線コード1になるので、使用時や保管時に便利である。
(b) 第2のコード本体20が第1のコード本体10内に収納された状態では、第2のコード本体20が第1のコード本体10側の係止部13b,13cにより係止されているので、配線コード1を屈曲させても、第2のコード本体20が第1のコード本体10から外れることがない。
(c) 第1のコード本体10は第1の絶縁体12により被覆され、第2のコード本体20は第2の絶縁体22により被覆されているので、第2のコード本体20が第1のコード本体10内に収納された状態では、第1の導体11と第2の導体21との間の電気的な絶縁性が大きい。
(d) 第1のコード本体10は、口径が大きいので、引っ張り強度等の機械的強度が大きい。第2のコード本体20は、口径が小さいので、軽くて屈曲し易い。この第2のコード本体20は、引っ張り強度等の機械的強度が小さいが、これを第1のコード本体10内に収納した状態では、該第1のコード本体10により機械的に保護される。従って、そのような配線コード1の特性に応じた種々の用途に使用出来る。
(e) 第1及び第2のコード本体10,20は、構造が簡単であるから、製造が容易で、量産性が高く、低コスト化が可能である。
(実施例1の変形例)
本実施例1は、図1の形状や構造に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次の(1)、(2)のようなものがある。
(1) 第1、第2のコード本体10,20の断面構成は、図1以外の形状や構造に変更出来る。例えば、図1の第1の絶縁体12、嵌合溝13、及び第2の絶縁体22の断面形状は、それぞれ略円形であるが、これらをそれぞれ略楕円形、略方形等の他の形状にしても良い。
(2) 図1の係止部13b,13cの断面形状は、先端が尖っているが、この尖った先端を少し内側に湾曲させたり、あるいは、尖った先端に少し丸みを付ければ、第2のコード本体20を第1のコード本体10内に収納する際に、嵌入し易くなる。
(実施例2の構成)
図3は、本発明の実施例2を示す配線コードの一部の概略の斜視図である。
本実施例2の配線コード30は、2芯型の長尺の配線コードであり、例えば、断面形状がそれぞれ略長方形の第1のコード本体40及び第2のコード本体50を有し、この第1のコード本体40の長手方向に沿った側面と、第2のコード本体50の長手方向に沿った側面とが、接合/分離可能な構造になっている。
第1のコード本体40は、絶縁被覆された複数本の長尺の第1の導体41−1,41−2を有し、この複数本の第1の導体41−1,41−2の外側が、断面略長方形の第1の絶縁体42により被覆されている。第1の絶縁体42の長手方向に沿ってこの絶縁体42の側面に、断面凹状をなす2つの嵌合溝43−1,43−2が平行して突設されている。各嵌合溝43−1,43−2は、長手方向に沿って所定幅の開口部43aを有し、この開口部43aの対向する箇所に、一対の第1の係合部43b,43cが、該開口部43aを閉塞する方向に突設されている。一対の第1の係合部43b,43cは、弾力性を有している。
これらの第1の絶縁体42、嵌合溝43−1,43−2及び第1の係合部43b,43cは、非塩化ビニール等の樹脂により一体的に形成されている。なお、図示されていないが、複数本の第1の導体41−1,41−2には、これに沿って、1本又は複数本の補強糸を介在させても良い。
第2のコード本体50は、絶縁被覆された複数本の長尺の第2の導体51−1,51−2を有し、この複数本の第2の導体51−1,51−2の外側が、断面略長方形の第2の絶縁体52により被覆されている。第2の絶縁体52の長手方向に沿ってこの絶縁体52の側面に、嵌合溝43−1,43−2内に嵌脱自在に嵌入される断面凸状をなす2つの嵌合突起部53−1,53−2が平行に突設されている。各嵌合突起部53−1,53−2の断面構造は、頭部の口径が、各嵌合溝43−1,43−2の断面の口径よりも僅かに小さく、基部に、その頭部よりも口径が小さな凹状をなす一対の第2の係合部53a,53bが形成されている。第2の係合部53a,53bは、第1の係合部43b、43cを受け入れて係止するものである。
これらの第2の絶縁体52、嵌合突起部53−1,53−2及び第2の係合部53a,53bは、非塩化ビニール等の樹脂により一体的に形成されている。なお、図示されていないが、複数本の第2の導体51−1,51−2には、これに沿って、1本又は複数本の補強糸を介在させても良い。
(実施例2の製造方法例)
本実施例2の2芯型配線コード30は、例えば、次のようにして製造される。
実施例1とほぼ同様に、例えば、押出機のクロスヘッドを用いて、所定の断面形状を有する第1の絶縁体42で被覆された第1のコード本体40を形成すると共に、所定の断面形状を有する第2の絶縁体52で被覆された第2のコード本体50を形成する。
その後、第1及び第2のコード本体40,50を嵌合装置等にセットし、第1のコード本体40の側面の長手方向に沿って形成された嵌合溝43−1,43−2と、第2のコード本体50の側面の長手方向に沿って形成された嵌合突起部53−1,53−2とを接触させ、嵌合突起部53−1,53−2を嵌合溝43−1,43−2の方向へ押圧すれば、嵌合突起部53−1,53−2が嵌合溝43−1,43−2内に嵌入されて第1のコード本体40と第2のコード本体50とが接合される。このように第1及び第2のコード本体40,50が接合された2本1組の配線コード30をローラ等に巻き取れば、長尺の2芯型配線コード30の製造が終了する。
(実施例2の動作)
図3の配線コード30の嵌脱動作において、第1及び第2のコード本体40,50を接合する場合は、第1のコード本体40の側面の長手方向に沿って形成された嵌合溝43−1,43−2の各開口部43aと、第2のコード本体50の側面の長手方向に沿って形成された嵌合突起部53−1,53−2とを接触させ、第2のコード本体50の嵌合突起部53−1,53−2を嵌合溝43−1,43−2の内側の矢印方向へ押圧する。すると、嵌合突起部53−1,53−2の頭部により、各開口部43a側の弾力性を有する第1の係合部43b,43cが屈曲して外側に開き、嵌合突起部53−1,53−2の頭部が各開口部43a内に押し込まれて嵌合溝43−1,43−2と嵌合し、第1及び第2のコード本体40,50が接合される。
第1及び第2のコード本体40,50が接合された状態では、各嵌合溝43−1,43−2側の第1の係合部43b,43cが、各嵌合突起部53−1,53−2側の第2の係合部53a,53bにより係止されているので、第1及び第2のコード本体40,50の分離が防止される。そのため、第1及び第2のコード本体40,50が接合された状態の配線コード30を屈曲させても、第1及び第2のコード本体40,50が分離して外れることがない。
第1と第2のコード本体40,50を分離させる場合は、第1と第2のコード本体40,50を図3の矢印方向へ引き離す。すると、弾力性を有する各第1の係合部43b,43cが外側へ屈曲して各開口部43aが開き、嵌合突起部53−1,53−1の頭部が嵌合溝43−1,43−2から外れる。
(実施例2の効果)
本実施例2の配線コード30によれば、次の(a)〜(d)のような効果がある。
(a) 2つの嵌合溝43−1,43−2を有する第1のコード本体40と、その嵌合溝43−1,43−2内に嵌合された2つの嵌合突起部53−1,53−1を有する第2のコード本体50とを、引き離す又は圧接することによって任意の位置で分離又は接合出来る。しかも、第1及び第2のコード本体40,50を接合すれば、1本の配線コード30になるので、使用時や保管時に便利である。
(b) 第1及び第2のコード本体40,50が接合された状態では、嵌合溝43−1,43−2側の各第1の係合部43b,43cが嵌合突起部53−1,53−1側の各第2の係合部53a,53bにより係止され、第1と第2のコード本体40,50が2箇所で係合しているため、接合強度が比較的大きく、配線コード30を屈曲させても、第1と第2のコード本体40,50が分離して外れることがない。
(c) 第1のコード本体40は第1の絶縁体42により被覆され、第2のコード本体50は第2の絶縁体52により被覆されているので、第1及び第2のコード本体40,50が接合された状態では、第1の導体41−1,41−2と第2の導体51−1,51−2との間の電気的な絶縁性が大きい。
(d) 第1及び第2のコード本体40,50は、構造が簡単であるから、製造が容易で、量産性が高く、低コスト化が可能である。
(実施例2の変形例)
本実施例2は、図3の形状や構造に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
第1、第2のコード本体40,50の断面構成は、図3以外の形状や構造に変更出来る。例えば、図3の絶縁体42,52の断面形状は、それぞれ略長方形であるが、これらをそれぞれ略正方形、略半円形、略半楕円形等の他の形状にしても良い。
(実施例3の構成)
図4は、本発明の実施例3を示す配線コードの一部の概略の斜視図である。
本実施例3の配線コード60は、実施例2とほぼ同様に、2芯型の長尺の配線コードであり、例えば、断面形状がそれぞれ略長方形の第1のコード本体70及び第2のコード本体80を有し、この第1のコード本体70の長手方向に沿った側面と、第2のコード本体80の長手方向に沿った側面とが、接合/分離可能な構造になっている。
第1のコード本体70は、絶縁被覆された複数本の長尺の第1の導体71−1,71−2を有し、この複数本の第1の導体71−1,71−2の外側が、断面略長方形の第1の絶縁体72により被覆されている。第1の絶縁体72の長手方向に沿ってこの絶縁体72の側面に、実施例2とは異なり、断面凹状をなす1つの嵌合溝73が突設されている。嵌合溝73は、長手方向に沿って実施例2の開口部43aよりも幅の広い開口部73aを有し、この開口部73aの対向する箇所に、一対の第1の係合部73b,73cが、該開口部73aを閉塞する方向に突設されている。一対の第1の係合部73b,73cは、弾力性を有している。
これらの第1の絶縁体72、嵌合溝73及び第1の係合部73b,73cは、実施例2と同様に、非塩化ビニール等の樹脂により一体的に形成されている。なお、図示されていないが、複数本の第1の導体71−1,71−2には、これに沿って、1本又は複数本の補強糸を介在させても良い。
第2のコード本体80は、絶縁被覆された複数本の長尺の第2の導体81−1,81−2を有し、この複数本の第2の導体81−1,81−2の外側が、断面略長方形の第2の絶縁体82により被覆されている。第2の絶縁82の長手方向に沿ってこの絶縁体82の側面に、実施例2とは異なり、嵌合溝73内に嵌脱自在に嵌入される断面凸状をなす1つの嵌合突起部83が突設されている。嵌合突起部83の断面構造は、頭部の口径が、嵌合溝83の断面の口径よりも僅かに小さく、基部に、その頭部よりも口径が小さな凹状をなす一対の第2の係合部83a,83bが形成されている。第2の係合部83a,83bは、第1の係合部73b、73cを受け入れて係止するものである。
これらの第2の絶縁体82、嵌合突起部83及び第2の係合部83a,83bは、実施例2と同様に、非塩化ビニール等の樹脂により一体的に形成されている。なお、図示されていないが、複数本の第2の導体81−1,81−2には、これに沿って、1本又は複数本の補強糸を介在させても良い。
(実施例3の製造方法例)
本実施例3の2芯型配線コード60は、実施例2の2芯型配線コード30とほぼ同様にして製造される。
(実施例3の動作)
図4の配線コード60の嵌脱動作において、第1及び第2のコード本体70,80を接合する場合は、実施例2とほぼ同様に、第1のコード本体70の側面の長手方向に沿って形成された嵌合溝73の開口部73aと、第2のコード本体80の側面の長手方向に沿って形成された嵌合突起部83とを接触させ、第2のコード本体80の嵌合突起部83を嵌合溝83の内側の矢印方向へ押圧する。すると、嵌合突起部83の頭部により、開口部73a側の弾力性を有する第1の係合部73b,73cが屈曲して外側に開き、嵌合突起部83の頭部が開口部73a内に押し込まれて嵌合溝73と嵌合し、第1及び第2のコード本体70,80が接合される。
第1及び第2のコード本体70,80が接合された状態では、実施例2とほぼ同様に、嵌合溝73側の第1の係合部73b,73cが、嵌合突起部83側の第2の係合部83a,83bにより係止されているので、第1及び第2のコード本体70,80の分離が防止される。そのため、第1及び第2のコード本体70,80が接合された状態の配線コード60を屈曲させても、第1及び第2のコード本体70,80が分離して外れることがない。
第1と第2のコード本体70,80を分離させる場合は、実施例2とほぼ同様に、第1と第2のコード本体70,80を図4の矢印方向へ引き離す。すると、弾力性を有する第1の係合部73b,73cが外側へ屈曲して開口部73aが開き、嵌合突起部83の頭部が嵌合溝73から外れる。
(実施例3の効果)
本実施例3の配線コード60によれば、実施例2の効果(a)、(c)及び(d)と同様の効果が有り、更に、次のような効果もある。
第1及び第2のコード本体70,80が接合された状態では、幅の広い嵌合溝73側の第1の係合部73b,73cが幅の広い嵌合突起部83側の第2の係合部83a,83bにより係止され、第1と第2のコード本体70,80が幅の広い1箇所で係合しているため、接合強度が比較的大きく、配線コード60を屈曲させても、第1及び第2のコード本体70,80が分離して外れることがない。
(実施例3の変形例)
本実施例3は、図4の形状や構造に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
第1、第2のコード本体70,80の断面構成は、図4以外の形状や構造に変更出来る。例えば、図4の絶縁体72,82の断面形状は、それぞれ略長方形であるが、これらをそれぞれ略正方形、略半円形、略半楕円形等の他の形状にしても良い。
(実施例4の構成)
図5は、本発明の実施例4を示す携帯用音響機器の概略の構成図である。
本実施例4の携帯用音響機器は、例えば、イヤホン90であり、実施例1に記載された所定の長さの2本の配線コード1−1,1−2を使用している。一方の配線コード1−1の一端部は、第1及び第2のコード本体10,20が電気的に接続され、この接続部分を覆うように、例えば筒状の雌型連結部材91−1が取り付けられている。この配線コード1−1の他端部において、第2のコード本体20には、電気/音響変換器であるステレオ型イヤホン本体92−1が電気的に接続されている。
同様に、他方の配線コード1−2の一端部は、第1及び第2のコード本体10,20が電気的に接続され、この接続部分を覆うように、例えば筒状の雄型連結部材91−2が取り付けられている。雄型連結部材91−2は、雌型連結部材91−1に対して着脱自在に連結し、首に掛けることができる構造になっている。更に、第2の配線コード1−2の他端部において、第2のコード本体20には、ステレオ型イヤホン本体92−2が電気的に接続されている。
一方の配線コード1−1の他端部における第1のコード本体10と、他方の配線コード1−2の他端部における第1のコード本体10とは、短い2芯型配線コード93の一端と電気的に接続され、この接続部分を覆うように、例えば筒状の固定部材94が取り付けられている。配線コード93の他端は、固定部材94の例えば側面の孔から引き出され、プラグ95が電気的に接続されている。固定部材94の例えば下部には、リング状(環状)の紐96が取り付けられ、この紐96によって携帯用音響装置100の吊り下げが可能な構造になっており、この携帯用音響装置100のジャックにプラグ95が挿着される。
なお、第1及び第2のコード本体10,20からなる一方の配線コード1−1の外周と、第1及び第2のコード本体10,20からなる他方の配線コード1−2の外周とには、これらの長手方向に沿ってそれぞれ摺動可能なリング状又は筒状等の結合部材97−1,97−2を装着しても良い。
(実施例4の使用方法例)
図5のイヤホン90を使用する場合、固定部材94の下部に取り付けられたリング状の紐96を携帯用音響装置100の掛止部に通して括り付けておく。固定部材94の側面から引き出された配線コード93に接続されたプラグ95を、携帯用音響装置100のジャックに挿入する。連結部材91−1,91−2によってリング状になっている配線コード1−1,1−2を首に掛け、この各配線コード1−1,1−2から分岐した第2のコード本体20,20に接続されているイヤホン本体92−1,92−2を両耳に挿入する。
第2のコード本体20,20の長さを調整する場合、分岐した第2のコード本体20,20のイヤホン本体92−1,92−2側を外方向へ引っ張れば、第2のコード本体20,20が第1のコード本体10,10の嵌合溝13,13から引き出されるので、第2のコード本体20,20の分岐長が長くなる。この際、配線コード1−1,1−2に結合部材97−1,97−2が装着されていれば、この結合部材97−1,97−2が配線コード1−1,1−2の上方向へ摺動していくので、第2のコード本体20,20の分岐長が長くなる。
又、配線コード1−1,1−2における第2のコード本体20,20の分岐部分を、例えば指で摘んで下方向へ移動させれば、分岐した第2のコード本体20,20部分が第1のコード本体10,10の嵌合溝13,13内に嵌入されていくので、第2のコード本体20,20の分岐長が短くなる。この際、配線コード1−1,1−2に結合部材97−1,97−2が装着されていれば、この結合部材97−1,97−2を指で摘んで下方向へ摺動させれば、分岐した第2のコード本体20,20部分が第1のコード本体10,10の嵌合溝13,13内に嵌入されていくので、第2のコード本体20,20の分岐長が短くなる。
携帯用音響装置100から出力された音声信号は、プラグ95、配線コード93、配線コード1−1,1−2の第1のコード本体10,10、及び配線コード1−1,1−2の第2のコード本体20,20を通してイヤホン本体92−1,92−2で音に変換され、両耳で聴くことが出来る。
(実施例4の効果)
本実施例4のイヤホン90によれば、次の(i)、(ii)のような効果がある。
(i) 第1及び第2のコード本体10,20の嵌脱可能な配線コード1−1,1−2を用いているので、従来のものよりも配線コード部分を細くて簡素な形態にできる。しかも、首に掛けて使用する場合、分岐した第2のコード本体20,20を外方向へ引っ張れば、第2のコード本体20,20の分岐長が長くなり、この分岐部分を指で摘んで下方向へ移動させるか、あるいは結合部材97−1,97−2を下方向へ移動させれば、第2のコード本体20,20の分岐長が短くなるので、分岐長を容易に調整できて便利である。又、保管時においても、分岐した第2のコード本体20,20を第1のコード本体10,10内に収納出来るので、配線コード部分の絡み付きを防止できる。
(ii) 使用時において、連結部材91−1,91−2でリング状に連結された配線コード1−1,1−2を首に掛けてイヤホン本体92−1,92−2を両耳に挿入した場合、吊り下げた携帯用音響装置40の荷重が、大口径で機械的強度の大きな第1のコード本体10,10を介して首に掛かるので、小口径で軽い第2のコード本体20,20に接続されたイヤホン本体92−1,92−2に直接テンションが掛からない。そのため、イヤホン本体92−1,92−2が耳から外れにくいばかりか、耳が疲れない。
(実施例4の変形例)
本実施例4は、図5の形状や構造に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
本実施例4では、実施例1の配線コード1を用いたが、これに代えて、実施例2又は3の配線コード30,60を用いてもよい。又、本実施例4では、配線コード1,30,60の使用例として、イヤホン90について説明したが、ヘッドホン等の他の携帯用音響機器や、その他の種々の機器や装置にも使用できる。
本発明の実施例1を示す配線コードの概略の構成図である。 図1の配線コードの嵌脱動作を示す断面図である。 本発明の実施例2を示す配線コードの一部の概略の斜視図である。 本発明の実施例3を示す配線コードの一部の概略の斜視図である。 本発明の実施例4を示す携帯用音響機器の概略の構成図である。
符号の説明
1,1−1,1−2,30,60 配線コード
10,40,70 第1のコード本体
11,41−1,41−2,71−1,71−2 第1の導体
12,42,72 第1の絶縁体
13,43−1,43−2,73 嵌合溝
13a,43a,73a 開口部
13b,13c 係止部
20,50,80 第2のコード本体
21,51−1,51−2,81−1,81−2 第2の導体
22,52,82 第2の絶縁体
43b,43c,73b,73c 第1の係合部
53a,53b,83a,83b 第2の係合部
90 イヤホン
91−1,91−2 連結部材
92−1,92−2 イヤホン本体
95 プラグ
97−1,97−2 結合部材
100 携帯用音響装置

Claims (10)

  1. 長尺の第1の導体と、前記第1の導体を被覆する第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体の長手方向に沿って前記第1の絶縁体の側面に形成された断面凹状の嵌合溝と、前記嵌合溝の一部に形成された弾力性を有する係止部とを有する第1のコード本体と、
    長尺の第2の導体と、前記第2の導体を被覆し、前記嵌合溝内に嵌脱自在に嵌入されて前記係止部により係止される第2の絶縁体とを有し、断面の口径が前記嵌合溝の断面の口径よりも小さな第2のコード本体と、
    を備えたことを特徴とする配線コード。
  2. 前記断面凹状の嵌合溝は、前記第1の絶縁体の側面の長手方向に沿って所定幅の開口部を有し、
    前記開口部の対向する箇所に、前記第2のコード本体の断面の口径よりも小さな幅を有する前記係止部が、前記開口部を閉塞する方向に突設されていることを特徴とする請求項1記載の配線コード。
  3. 前記第1のコード本体は、全体の断面形状が略円形、略楕円形又は略方形をなし、該断面形状の一部に、断面が略円形、略楕円形又は略方形の前記嵌合溝が形成されており、
    前記第2のコード本体は、全体の断面形状が前記嵌合溝に嵌合可能な略円形、略楕円形又は略方形であることを特徴とする請求項1又は2記載の配線コード。
  4. 前記第1の絶縁体、前記嵌合溝、及び前記係止部は、樹脂により一体的に形成され、前記第2の絶縁体は、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線コード。
  5. 長尺の第1の導体と、前記第1の導体を被覆する第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体の長手方向に沿って前記第1の絶縁体の側面に形成された断面凹状をなす1つ又は複数の嵌合溝と、前記嵌合溝に形成された第1の係合部とを有する第1のコード本体と、
    長尺の第2の導体と、前記第2の導体を被覆する第2の絶縁体と、前記第2の絶縁体の長手方向に沿って前記第2の絶縁体の側面に形成され、前記嵌合溝内に嵌脱自在に嵌入される断面凸状をなす1つ又は複数の嵌合突起部と、前記嵌合突起部に形成されて前記第1の係合部により係止される第2の係合部とを有する第2のコード本体と、
    を備えたことを特徴とする配線コード。
  6. 前記断面凹状をなす嵌合溝は、前記第1の絶縁体の側面の長手方向に沿って所定幅の開口部を有し、
    前記開口部の対向する箇所に、前記第1の係合部が前記開口部を閉塞する方向に突設され、
    前記嵌合突起部において前記第1の係合部に対応する箇所に、前記第2の係合部が前記第1の係合部を受け入れ可能な凹状に形成されていることを特徴とする請求項5記載の配線コード。
  7. 前記第1の絶縁体、前記嵌合溝、及び前記第1の係合部は、樹脂により一体的に形成され、前記第2の絶縁体、前記嵌合突起部、及び前記第2の係合部は、樹脂により一体的に形成されていることを特徴とする請求項5又は6記載の配線コード。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の配線コードと、
    前記配線コードの一端に接続された一対の電気/音声変換器と、
    前記配線コードの他端に接続されたプラグと、
    を有することを特徴とする携帯用音響機器。
  9. 前記配線コードの外周には、前記配線コードの長手方向に沿って摺動可能な結合部材が装着されていることを特徴とする請求項8記載の携帯用音響機器。
  10. 前記電気/音声変換器は、イヤホン又はヘッドホンであることを特徴とする請求項5又は6記載の携帯用音響機器。
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