JP3222580B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP3222580B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電情報をフロスト像
とし、光学的に情報再生しうる情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フロスト像を利用した情報記録媒
体としては、真空中で熱可塑性樹脂層の表面に電子ビー
ムにより情報電荷を施し、帯電後に熱可塑性樹脂を加熱
して軟化させ、その表面に帯電量に対応した凹凸部から
なるフロスト像を形成するものが知られている。しかし
ながら、この方法は、装置が大型である上、使用する樹
脂によってはフロスト像を形成させるのが困難であるも
のが多い。
【0003】また、真空系を必要としない記録媒体とし
ては、導電層上に光導電性層、熱可塑性樹脂層とを順次
積層したもの、又は熱可塑性と光導電性を有する単層構
造のサーモプラスチック記録媒体が知られ、その記録に
あたってはコロナ帯電等による初期全面帯電後、像露光
し、再度全面帯電したものを加熱現像、或いは溶剤蒸気
中で現像することにより像露光に対応したフロスト像を
形成するものも知られている。しかしながら、光導電性
層を有するものは、その記録にあたってコロナ帯電等に
よる全面帯電を必要とする等の操作を必要とする。
【0004】この種のサーモプラスチック記録材料とし
ては、一般にスチレン樹脂、テルペン樹脂、ロジンエス
テル、クマロン樹脂、塩化ビニル樹脂等が知られている
が、一般に熱や光に対し不安定であり、そのため冷暗所
に保存する必要があり、また、フロスト媒体の特徴であ
る熱消去を繰り返すうちに、媒体自体が劣化するという
問題がある。また、電荷保持性の低いものは、熱現像の
前に電荷が消失してしまうので、フロストによる記録材
料としては問題があり、フロスト像を形成するために、
膜表面に高粘性の皮膜を形成する方法や溶媒蒸気による
現像方法が提案されているが、いずれも簡便さに欠ける
ものである。
【0005】本発明者等は、情報記録層をβ−ピネン樹
脂層とすることにより、解像性に優れた情報記録媒体と
なしうることを提案した(特開平4−46347号公
報、特願平2−156239号)。このβ−ピネン樹脂
層は、他のサーモプラスチック記録材料に比較して、そ
の熱現像温度を90℃〜110℃としても樹脂表面に形
成された情報電荷の減衰を生じない優れた特性を有する
が、明所に放置しておくと劣化が生じ、フロスト変形を
生じなくなるという問題があることが判明した。また、
一般に、準共振周波数と呼ばれるフロスト表面の凹凸の
度合は、情報記録層の膜厚に依存し、その膜厚が薄いほ
ど高周波数、即ち凹凸のピッチが狭くなるが、フロスト
の濃度、即ち凹凸の高さは低くなる。β−ピネン樹脂層
の場合、準共振周波数を大きくしようとすると、フロス
ト濃度が減少し、準共振周波数が500cycles/ mm以
上のフロスト像は得られないことが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、更に高解像
性で、かつ熱や光に対する安定性に優れた情報記録媒体
の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の情報記録媒体
は、少なくとも導電層及び情報記録層が積層されてな
り、情報記録層表面に静電情報が静電荷として記録され
た後、加熱されて、該表面に静電情報に対応した凹凸状
可視像が形成され、情報が光学的に再生される情報記録
媒体において、情報記録層がβ−ピネン樹脂とスチレン
樹脂とを重量比で10:90〜50:50の割合で混合
した樹脂層からなるものであることを特徴とする。
【0008】図1は、本発明の情報記録媒体の断面図で
あり、10は情報記録媒体、11は情報記録層、13は
導電層、15は支持体である。
【0009】以下、本発明における情報記録層について
説明する。β−ピネン樹脂は、モノテルペン炭化水素で
あるβ−ピネンの重合体であり、その分子量は500〜
10000のものが好ましい。分子量が500未満であ
ると成形性がなく、10000を越えるとフロスト像形
成が困難となる。また、これらβ−ピネン樹脂の軟化点
は60℃〜160℃のものが好ましい。また、β−ピネ
ン樹脂としてはスチレン、α−メチルスチレン、α−ピ
ネン等を共重合成分とする共重合体であってもよく、α
−ピネンに関しては適宜量含有させてもよいが、スチレ
ン、α−メチルスチレンの場合には、その含有量は60
重量%以下とすることが必要である。
【0010】β−ピネン樹脂としては、例えば理化ハー
キュレス(株)製、商品名ピコライトS−115(軟化
点115℃、分子量1700)、安原化学(株)製、商
品明YSレジンPX1250(軟化点125℃、分子量
3000)等の市販されているものが挙げられる。
【0011】次に、スチレン樹脂としては、その分子量
は300〜3000のものが好ましい。分子量が300
未満であると成形性がなく、3000を越えるとフロス
ト像形成が困難となる。スチレン樹脂の軟化点は60℃
〜150℃のものが好ましい。スチレン樹脂としては、
その単量体成分がα−メチルスチレンであるものが好ま
しいが、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、スチレ
ンを単量体とするものであってもよい。また、スチレン
とビニルトルエン、α−メチルスチレンの共重合体であ
ってもよく、その場合の共重合成分の含有量は50重量
%以下とすることが必要である。
【0012】α−メチルスチレン重合体としては、例え
ば理化ハーキュレス(株)製、商品名クリスタレックス
3085(軟化点82℃〜88℃、分子量660)等の
市販されているものが挙げられる。
【0013】本発明においては、情報記録層をβ−ピネ
ン樹脂とスチレン樹脂との重量比を10:90〜50:
50の範囲で混合した樹脂層とすると、高解像のフロス
ト像が得られ、また熱や光に対する安定性に優れること
が見出された。スチレン樹脂の含有量が50重量%未満
であると、光に対する安定性が低下するという問題があ
り、また90重量%を越えると電荷保持能力が低下し、
フロスト化しにくくなるという問題がある。
【0014】β−ピネン樹脂とスチレン樹脂とは、上記
割合で混合された後、キシレン、トルエン、ベンゼン、
クロロホルム、ジクロロエタン、n−ヘキサン等の溶媒
に溶解し、ブレードコーティング、ディッピング、スピ
ンナーコーティング等により、導電層上に塗布形成さ
れ、その乾燥後膜厚は0.1μm〜5μmとされる。膜
厚が0.1μm未満であれば表面電位が乗らない、或い
は熱現像前に電荷がリークし、熱現像してもフロスト像
形成ができないとういう問題がある。
【0015】導電層は、支持体に支持されていてもよ
く、支持体として金属板が使用される場合を除いて支持
体上に形成され、比抵抗値が106 Ω・cm以下であれ
ば限定されなく、無機金属導電膜、無機金属酸化物導電
膜、四級アンモニウム塩等の有機導電膜等を使用するこ
とができる。
【0016】無機金属酸化物導電膜としては、例えば、
酸化インジウム−酸化錫(In2O3-SnO2)(ITO)膜、
酸化錫膜等の透明導電層が挙げられ、また、無機金属導
電膜としてはAu、Al、Ag、Ni、Cr等を蒸着、
またはスパッタリングで作製された導電層が挙げられ、
更に、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、ポリア
セチレン等のコーティングによる有機導電層、また表面
が熱酸化処理されたシリコン基板等が挙げられる。
【0017】特に、情報記録媒体における導電層とし
て、表面熱酸化シリコン基板のごとき、導電層からの逆
電荷の注入を防止するような層を設けた基板を使用する
と、ピネン重合体記録層の膜厚を薄くすることができ、
よりフロスト像を高品位、高解像性のものとすることが
できる。
【0018】また、支持体としては、情報記録媒体を支
持することができるある程度の強度を有していれば、厚
み、材質は特に制限がなく、例えば厚み1mm程度の可
撓性のあるプラスチックフィルム、或いは硝子、プラス
チックシート等が使用される。
【0019】次に、本発明の情報記録媒体への静電情報
記録方法について、その一例を図2により説明する。
【0020】図2に示す方法においては、a−セレン
層、又は有機光導電層等の光導電層を導電層上に積層し
た感光体を使用して、情報記録媒体と対向配置され、両
電極間に電圧を印加しつつ情報露光することにより、情
報記録層表面に静電情報が静電荷の形で付与される。
【0021】まず、図2(a)に示すように、1mm厚の
ガラス支持体5上に1000Åの膜厚の酸化インジウム
−酸化錫(ITO)導電層7を積層し、更に10μm程
度の光導電層9を積層して形成された感光体1と、10
μm程度の空隙を介して情報記録媒体10とを対向させ
て配置する。次いで同図(b)に示すように、電源17
により導電層7、13間に電圧を印加する。暗所であれ
ば光導電層9は高抵抗体であるため、空隙に加わる電圧
がパッシェンの法則に従う放電開始電圧以下であれば、
導電層間には何の変化も生じない。感光体1側より一定
時間情報光18を入射させると、情報光が入射した部分
の光導電層9は導電性を示し、感光体と情報記録媒体間
に放電が生じ、情報記録層上に情報電荷が蓄積される。
そして同図(c)に示すように、電源17をOFFと
し、情報記録媒体3を感光体1から引き離す(同図
(d))。なお、上記では電圧を印加しつつ、情報露光
したが、情報露光しつつ、電圧を一定時間印加して記録
する、所謂電圧シャッター方式としてもよい。
【0022】以上、感光体を使用して静電情報を記録す
る場合について記載したが、本発明の情報記録媒体への
静電情報記録方法は、他にも例えば、コロナ帯電、導電
層針ヘッド、或いはイオン流ヘッドを用いた静電記録、
レーザープリンター等の光プリンター等による記録方式
を使用してもよい。
【0023】次に、表面に情報電荷が蓄積された状態
で、情報記録層を加熱することにより、情報記録層表面
に蓄積電荷によるフロスト像を形成させる。加熱方法と
しては、支持体中に抵抗線を内蔵させ、通電して情報記
録層を加熱する抵抗加熱法、又はオーブン中に情報記録
媒体を配置する等により行うとよい。
【0024】加熱温度或いは加熱時間は、混合樹脂の種
類及び軟化点により異なる。特に加熱温度としては、樹
脂層が完全に軟化してしまう温度より高くなると、表面
に付与された情報電荷が減衰してしまい、静電力が働か
なくなると同時にレベリングの効果により1度現れた凹
凸が消えてしまうので、樹脂層の軟化点より若干低めの
温度で加熱するのがよい。
【0025】例えば、情報記録層が軟化点115℃であ
る混合樹脂からなる時には、加熱温度は90℃〜110
℃、好ましくは95℃〜100℃で1分間〜3分間加熱
するとよい。加熱温度が90℃未満であると樹脂は軟化
せず、充分なフロスト像を形成せず、また110℃を越
えると樹脂の粘度が低くなりすぎて像がぼける、或いは
像の消去が同時に行われてしまうという問題が生じる。
また、加熱時間が長いと軟らかくなった樹脂の流動性に
よりやはり像がぼけるので好ましくない。
【0026】また、静電潜像を形成した情報記録媒体を
加熱現像する代わりに、例えばキシレン、アセトン、メ
チルエチルケトン、トルエン等の溶剤蒸気を満たした密
閉容器中に放置しても同様にフロスト像を形成すること
ができる。
【0027】
【作用及び発明の効果】本発明の情報記録媒体は、情報
記録層をβ−ピネン樹脂とスチレン樹脂との重量比を1
0:90〜50:50の範囲で混合した樹脂層とするこ
とにより、高解像のフロスト像を得ることができ、また
熱や光に対する安定性に優れるものとできる。
【0028】スチレン樹脂は、比較的熱や光に対して安
定ではあるが、電荷を保持する能力が低く、熱現像の前
に電荷が消失してしまうので、フロストによる記録材料
としては問題があるが、β−ピネン樹脂と一定範囲で混
合すると、熱や光に対する安定性があり、また予期しえ
なかったことであるが、同一膜で比較しても、β−ピネ
ン樹脂単独の場合より本発明の混合系の方が準共振周波
数が大きくなるが、混合系においてはβ−ピネン樹脂単
独の場合に比較して薄膜化が可能であり、その結果10
00cycles/ mm以上の準共振周波数が可能となり、高
解像性のフロスト像を得ることができる。
【0029】また、スチレン樹脂として比較的低分子量
のものを使用することにより、β−ピネン樹脂からなる
情報記録層のフレキシビリティを上げることができる。
また、上述したように、情報記録層の膜厚と準共振周波
数は逆比例の関係にあるため、出来るだけ情報記録層の
膜厚は薄くした方がよいが、本発明の情報記録媒体で
は、膜厚を薄くしても、β−ピネン樹脂単独の場合に比
して、熱現像前での情報電荷のリークが減少させること
ができ、安定性を向上することができるものである。
【0030】更に、本発明の情報記録媒体に対する情報
記録を、感光体を使用した電圧印加時露光により行うこ
とにより、特に諧調性を有するフロスト像を形成でき
る。
【0031】また、本発明の情報記録媒体は、透過型又
は反射型で投影されるオーバーヘッドプロジェクター用
原稿に適したものである。
【0032】以下、実施例により本発明を説明する。
【0033】
【実施例1】β−ピネン樹脂(商品名:ピコライトS1
15、理化ハーキュレス社製)2.0gと、α−メチル
スチレン樹脂(商品名:クリスタレックス3085、理
化ハーキュレス社製)8.0gとを混合し、40gのキ
シレンに溶解し、20重量%溶液とした。この溶液をI
TO導電層(550Å、80Ω/□)を蒸着した厚さ1
mmのガラス基板におけるITO導電層上に、スピンコー
ターを用いて1000rpmで塗布した。
【0034】その後、60℃、1時間乾燥し、膜厚0.
7μmの情報記録媒体を得た。情報記録媒体を作成した
後、ただちに、下記のようにして作成した感光体と、図
2に示すように9μm厚のポリエステルフィルムをスペ
ーサに用いて形成した空隙を介して対向させて配置し、
両導電層間に感光体導電層を負にして800Vを1.0
秒間印加し、露光量を0.1μJ〜10μJと変化さ
せ、グレースケールを投影露光した。
【0035】このようにして情報記録媒体表面に形成さ
れた表面電位を、振動型表面電位計を使用して測定し、
露光量との関係を調べた。その結果を図3に示す。図か
ら露光量と表面電位が対応関係にあることがわかる。
【0036】次いで、この各表面電位を有する媒体を6
5℃のホットプレート上で2分間加熱し、フロスト像を
形成させ、マイクロデンシトメータ(コニカ社製)で反
射光濃度を測定し、表面電位と濃度との関係を求めた。
その結果を図4に示す。図からフロスト像を得るには、
少なくとも150Vの表面電位が必要である。
【0037】また、この時の最大濃度は透過光で0.4
であり、またこのフロスト像を顕微鏡(1000倍)で
観察したところ、準共振周波数約700周期/mmのもの
であった。但し、ここで準共振周波数とは、現像により
生じる凹凸の隣接する凸部と凸部、或いは凹部と凹部を
1周期として1mm当たりにいくつ周期があるかを顕微鏡
観察により測定したものである。以下、フロスト周波数
と記載されているものは同様の測定に従った。
【0038】また、上記で作成した情報記録媒体を、室
温、明所で2週間放置した後、静電潜像を上記同様に記
録させ、同様にフロスト像を形成させたところ、裁断反
射光濃度、準共振周波数に変化はなかった。
【0039】次に、上記で使用した感光体の作成方法を
示しておく。まず、充分洗浄した厚さ1.1mmのガラス
基板上に、膜厚1000ÅのITO膜をスパッタ法によ
り成膜し、電極層とした。次いで、その電極上に、電荷
発生剤として下記構造
【0040】
【化1】
【0041】を有するフルオレノンアゾ顔料(日本感光
色素社製)3重量部使用し、更にポリビニルブチラール
樹脂(積水化学社製、BMS)1重量部、1,4−ジオ
キサン98重量部、アノン98重量部を混合し、ペイン
トシェーカーにて6hr分散して塗工液とし、スピンナ
ーにて1400rpm、0.4secでコーティングし
た後、100℃、1hr乾燥して、膜厚3000Åの電
荷発生層を積層した。
【0042】この電荷発生層上に、電荷輸送剤として下
記構造
【0043】
【化2】
【0044】のパラジメチルスチルベン25重量部を使
用し、更にポリスリレン樹脂(デンカ社製、HRM−
3)5重量部、1,1,2−トリクロロエタン102重
量部、ジクロロメタン68重量部を混合した塗工液を、
スピンナーにて300rpm、0.3msecでコーテ
ィングした後、80℃、2hr乾燥して電荷輸送層を積
層し、電荷発生層と電荷輸送層とからなる膜厚20μm
の光導電層を有する感光体と得た。
【0045】
【実施例2】実施例1で調製した混合樹脂溶液を、実施
例1同様に導電層上に2000rpmでスピンコーター
により塗布し、膜厚0.5μmの情報記録媒体を得た。
【0046】得られた媒体上に、実施例1同様に静電潜
像を形成した後、同様に加熱してフロスト像を形成させ
た。この時の最大反射光濃度は透過光で0.15であ
り、またこのフロスト像の準共振周波数は1000cycl
es/mmであった。
【0047】
【実施例3】実施例1における混合樹脂溶液において、
β−ピネン樹脂の含有率が10重量%、30重量%、5
0重量%である情報記録媒体を同様に作成し、同様に静
電潜像を形成させた後、同様にフロスト像を形成させ
た。得られた各フロスト像の最大反射光濃度及び準共振
周波数を下記表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【実施例4】実施例1で作成した情報記録媒体に、静電
潜像の形成方法としてコロナ帯電器を使用して+100
Vの表面電位となるようにコロナ帯電させた後、その情
報記録層における熱刺激電流(TSC)を測定した。熱
刺激電流は、熱刺激電流測定装置((株)東洋精機製作
所製)を使用して得たものであり、情報記録媒体の情報
記録面に電極を配置し、両電極間に電流計を設け、情報
記録層を一定の昇温速度(5℃/min.)で加熱し、
その加熱温度に対して得られる電流値を測定するもので
ある。その測定結果を図5に示す。図より、情報記録媒
体における熱現像温度(65℃)付近で鋭い電流ピーク
を示すことがわかる。
【0050】
【実施例5】1mmのガラス板上にアルミニウム電極を蒸
着形成し、その電極面に実施例1で調製した混合樹脂溶
液を、1000rpmでスピンコーターを使用して塗布
し、膜厚0.7μmの情報記録媒体を作成した。
【0051】この媒体を作成した後、ただちに実施例1
同様にして静電潜像を形成し、同様に表面電位を測定す
ると共に、65℃のホットプレート上で2分間加熱し、
フロスト像を形成し、マイクロデンシトメーターで反射
光濃度を測定した。表面電位と反射光濃度との関係を図
6に示す。
【0052】また、上記で作成した情報記録媒体を60
℃、25%RHの雰囲気下で8日間放置した後、実施例
1同様にして静電潜像を形成し、同様に表面電位を測定
すると共に、65℃のホットプレート上で2分間加熱
し、フロスト像を形成し、マイクロデンシトメーターで
反射光濃度を測定した。表面電位と反射光濃度との関係
を同様に図6に示す。
【0053】この図からわかるように60度、25%R
H雰囲気下での放置により、特性が劣化していないこと
がわかる。
【0054】
【実施例6】実施例5で作成した媒体を作成後ただちに
使用して、実施例4同様にして+100Vコロナ帯電さ
せ、同様にTSC測定を行った。また、実施例5で作成
した媒体を60℃、25%RHの雰囲気下で8日間放置
した後、同様にしてコロナ帯電をさせ、同様にTSC測
定を行った。
【0055】その結果を図7に示す。この図から、放置
しても両者殆ど差異がなく、本発明の情報記録媒体は、
熱、湿度等に安定であることがわかる。
【0056】
【比較例1】β−ピネン樹脂(商品名:ピコライトS1
15、理化ハーキュレス社製)5.0gを15gのキシ
レンに溶解し、25重量%溶液とした。この溶液をIT
O導電層(550A、80Ω/□)を蒸着した厚さ1mm
のガラス基板におけるITO導電層上に、スピンコータ
ーを用いて1000〜3000rpmで塗布した。
【0057】その後、60℃、1時間乾燥し、膜厚0.
7〜1.25μmの情報記録層を有する情報記録媒体を
得た。
【0058】この各情報記録媒体を実施例1同様の方法
で静電潜像を形成させた後、95℃のホットプレート上
で2分間加熱し、フロスト像を形成させた。各媒体につ
いて、実施例1同様にして、その最大反射光濃度及び準
共振周波数を測定した。情報記録層の膜厚と準共振周波
数との関係を図8に示す。また、最大反射光濃度及び準
共振周波数との関係を図9に示す。尚、図9中に実施例
1で作成した情報記録媒体におけるフロスト像の反射光
濃度及び準共振周波数を同時に示す。
【0059】図からわかるように、情報記録層の膜厚が
薄くなると反射光濃度は低くなることがわかる。また、
この比較例1の媒体に比して本発明の情報記録媒体は高
解像のものであることがわかる。
【0060】また、上記で調製した情報記録媒体を、明
所で2週間放置した後、実施例1同様に静電潜像を形成
させた後、95℃のホットプレート上で5分間加熱した
が、フロスト像は得られなかった。
【0061】
【比較例2】1mmのガラス板上にアルミニウム電極を蒸
着形成し、その電極面に比較例1で調製した樹脂溶液
を、1000rpm、1500rpmでスピンコーター
を使用して塗布し、膜厚0.97μm、1.37μmの
2種類の情報記録媒体を作成した。
【0062】これらの媒体を60℃、25%RHの雰囲
気下で1日間、3日間、10日間放置した後、実施例1
同様に静電潜像を形成し、同様に表面電位を測定すると
共に、95℃のワットプレ−ト上で2分間加熱してフロ
スト像を形成し、マイクロデンシトメーターで反射光濃
度を測定した。表面電位と反射光濃度との関係を図に示
す。図10は膜厚0.97μmの場合、図11は膜厚
1.37μmの場合である。
【0063】図からわかるように、10日放置後では、
表面電位が低い場合には反射光濃度が低く、フロスト像
が得られないことがわかる。
【0064】
【比較例3】比較例2で調製した情報記録層の膜厚が
1.37μmの情報記録媒体を、媒体調製後ただち+1
50Vのコロナ帯電を実施したもの、また60℃、25
%RHの雰囲気下で3日間、10日間放置した後、同様
に静電潜像を形成した後、TSC測定を行った。
【0065】その結果を図12に示す。この図から、3
日間、10日間放置したものは、熱現像温度(90℃)
よりも低温に電荷のピークが存在し、電荷の保持能力が
低下していることがわかる。
【0066】
【比較例4】α−メチルスチレン(商品名:クリスタレ
ックス3085、理化ハーキュレス社製)5.0gを2
0gのキシレンに溶解し、20重量%溶液とした。この
溶液をITO導電層(550A、80Ω/□)を蒸着し
た厚さ1mmのガラス基板におけるITO導電層上に、ス
ピンコーターを用いて1000rpmで塗布した。
【0067】その後、60℃、1時間乾燥し、膜厚0.
7μmの情報記録媒体を得た。
【0068】この情報記録媒体を実施例1同様の方法で
静電潜像を形成させた後、65℃のホットプレート上で
5分間加熱したがフロスト像は形成されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の情報記録媒体の断面図であ
る。
【図2】図2は、本発明の情報記録媒体への静電潜像形
成方法の一例を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の情報記録媒体に記録された表
面電位と露光量との関係を示す図である。
【図4】図4は、本発明の情報記録媒体に記録されたフ
ロストの反射光濃度と表面電位との関係を示す図であ
る。
【図5】図5は、本発明の情報記録媒体における熱刺激
電流の測定結果を示す図である。
【図6】図6は、本発明の他の情報記録媒体に記録され
たフロストの反射光濃度と表面電位との関係を示す図で
ある。
【図7】図7は、本発明の情報記録媒体の安定性を示す
図である。
【図8】図8は、比較用の情報記録媒体における膜厚と
準共振周波数、透過光濃度との関係を示す図である。
【図9】図9は、比較用の情報記録媒体における最大反
射光濃度と準共振周波数の測定結果を示す図である。
【図10】図10は、比較用の情報記録媒体に記録され
たフロストの反射光濃度と表面電位との関係を示す図で
ある。
【図11】図11は、比較用の情報記録媒体に記録され
たフロストの反射光濃度と表面電位との関係を示す図で
ある。
【図12】図12は、比較用の情報記録媒体における熱
刺激電流の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1は感光体、5は支持体、7は導電層、9は光導電層、
10は情報記録媒体、11は情報記録層、13は導電
層、15は支持体、17は電源、18は情報光である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電層及び情報記録層が積層
    されてなり、情報記録層表面に静電情報が静電荷として
    記録された後、加熱されて、該表面に静電情報に対応し
    た凹凸状可視像が形成され、情報が光学的に再生される
    情報記録媒体において、情報記録層がβ−ピネン樹脂と
    スチレン樹脂とを重量比で10:90〜50:50の割
    合で混合した樹脂層からなるものであることを特徴とす
    る情報記録媒体。
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