JPH07146628A - 像形成法および電子写真法 - Google Patents

像形成法および電子写真法

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JPH07146628A
JPH07146628A JP31904893A JP31904893A JPH07146628A JP H07146628 A JPH07146628 A JP H07146628A JP 31904893 A JP31904893 A JP 31904893A JP 31904893 A JP31904893 A JP 31904893A JP H07146628 A JPH07146628 A JP H07146628A
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image holding
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conductive
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Application number
JP31904893A
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English (en)
Inventor
Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 波長780nmの光で書き込み可能であり、
一開の画像露光で多数枚の複写を行うことが出来る像保
持部材及び像形成方法を提供する。帯電と現像を繰り返
し行うことにより、連続的に高速度で複写を行うことが
できる電子写真法を提供する。原版として感光性を有し
ない像保持部材を使用することにより、原版の低価格化
を図る。 【構成】 導電性表面を有する基体の導電性表面に、電
荷輸送物質と熱軟化性樹脂を含有する熱軟化層を形成し
てなり、該熱軟化層の表面近傍に導電性粒子が埋め込ま
れて形成された導電性粒子層を設けてなる像保持部材
を、あらかじめ画像情報にもとづいて像様に静電潜像を
形成しておいた電子写真感光体と対向させて静電潜像を
像保持部材に転写して、導電性粒子に電荷を蓄積させ、
次いで、熱軟化層を熱軟化性樹脂の軟化点以上の温度に
加熱して、電荷が蓄積されている導電性粒子を熱軟化層
中で移動させ、画像情報を記憶させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱軟化性樹脂中の粒子
の移動により画像情報を記憶する像保持部材及び像保持
方法、およびその像保持部材を用いて、連続的に複数枚
の複写画像を形成する電子写真法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真複写法は、電子写真感光
体に対して、表面を一様に帯電した後、画像露光を行っ
て、像様に表面電位を減衰させ、次いで、トナー現像
し、用紙に転写するカールソン方式が一般的な方法とし
て、広く応用されている。しかしながらこの方式では、
画像を一枚複写するごとに、一回ずつ露光をしなければ
ならない。そのため、高速度の複写は、装置が複雑化
し、大型化するという問題があった。
【0003】この点を改善するために、画像情報を電子
写真感光体に記憶させ、1回の画像露光により多数枚の
複写を得る方式が提案されている。例えば、特開昭53
ー102037号および特開平2ー269357号公報
には、特定の化合物を感光層に添加して、持続性感光体
を得ることが記載されている。しかしながら、画像情報
の記憶時間、複写時のコントラスト等の点で、満足なも
のは得られ難い。
【0004】一方、米国特許第4883731号明細書
には、感光性粒子が熱軟化層の内部に移動して、画像情
報を記憶し、多数枚の複写を行う電子写真方式が記載さ
れている。図8〜図15は、その場合を説明する図であ
って、これらの図において、80は、感光性原版であっ
て、基体81、導電層82、熱により軟化する熱可塑性
樹脂と電荷輸送物質を含む熱軟化層83、および熱軟化
層の表面近傍に埋設されている光により電荷を発生する
感光性粒子84から構成されている。この感光性原版を
使用するに当たっては、図8に示すように、まず、コロ
ナ帯電器60により、表面に一様に負帯電を施す。次い
で、図9に示すように、像様の光線61によって画像露
光を行う。それにより、露光された部分の感光性粒子
は、正負の電荷を発生し、正の電荷が表面に輸送されて
表面電荷を中和すると共に、粒子内には、負の電荷が残
留する。次いで、図10に示すように、熱線62で加熱
すると、感光性粒子中の荷電粒子は、静電引力により軟
化した層中を移動する。即ち、加熱により、像に応じて
移動した粒子842を含む部分と、移動せずにままの状
態に保持された粒子841を含む部分とに分かれた状態
の像保持部材90が形成される。
【0005】このような状態の像保持部材90を用いて
複写を行うには、まず、図11を示すように、コロナ帯
電器71により、表面に一様に正帯電を施す。次いで図
12に示すように全面に光照射72を行う。それによ
り、感光性粒子は、電荷を発生するが、元の位置にある
粒子841を有する部分と、移動した粒子842を有す
る部分とでは、電位減衰特性が異なるので、即ち、粒子
841を有する部分の方が高感度で減衰が速いので、表
面電位に差が生じ、粒子842を有する部分が高電位の
潜像が形成される。次いで、図13に示すようにトナー
91を用いて現像を行い、さらに図14に示すように、
転写帯電器93を用いて、用紙92に転写を行い、用紙
92上にトナー像を形成させる。その後、図15に示す
ように、除電光94を強く照射することにより、粒子8
42を有する部分の電位は減衰して、像保持部材が元の
状態に戻る。
【0006】この像保持部材に対して、図11ないし図
15の工程を繰り返すことにより、画像露光工程を必要
とせずに、帯電と全面照射だけで、多数枚の複写操作を
行うことができる。複写終了後の像保持部材は、不要と
なるので、再び、新しい感光性原版80を準備する。ま
た、図12における一様帯電の際に、負に帯電させた場
合には、次の全面照射72を行うと、粒子842を有す
る部分の表面電荷が減衰し、粒子841を有する部分が
現像されて、図13に示す場合とは、反転したトナー像
が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の電子写真法は、
一回の画像露光で、多数枚の複写を行う場合に非常に好
ましい方法である。しかしながら、感光性粒子として、
セレンが使用されているため、分光感度がセレンに支配
されるという欠点がある。図7は、感光層の分光感度特
性を示すグラフであり、Bがセレンを用いた感光層の分
光感度曲線である。近年、画像露光の光源として、像様
に変調されたレーザー光を回転反射鏡で操作する方式が
電子技術の進展に伴って広く普及しており、この場合の
レーザー光源としては、波長780nmのレーザーダイ
オードを用いることが一般的に行われている。しかしな
がら、図7から明らかなように、セレンを用いた感光層
は780nmに感度を有しないので、この様なレーザー
光によって画像書き込みを行うことができないという欠
点を有している。さらに、上記電子写真方式では、複写
時に、図12に示すようにな全面光照射を一枚ごとに繰
り返して行わなければならないという問題があり、画像
露光が不必要で有るとはいえ、依然として、工程の簡略
化が求められている。一方、上記方式では、画像形成ご
とに感光性原版を一枚ずつ消耗するが、感光性原版は比
較的高価であるため、原版のコストダウンも求められ
る。
【0008】本発明の目的は、波長780nmの光で書
き込み可能であり、一開の画像露光で多数枚の複写を行
うことが出来る像保持部材及び像形成方法を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は帯電と現像を繰り返し行
うことにより、連続的に高速度で複写を行うことができ
る電子写真法を提供することにある。更に他の目的は、
原版として感光性を有しない像保持部材を使用すること
により、原版の低価格化を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の像保持部材は、
導電性表面を有する基体の導電性表面に、電荷輸送物質
と熱軟化性樹脂を含有する熱軟化層を形成してなり、該
熱軟化層の表面近傍に導電性粒子が埋め込まれて形成さ
れた導電性粒子層を設けてなることを特徴とする。本発
明の像形成方法は、上記の像保持部材をあらかじめ画像
情報に基づいて像様に静電潜像を形成しておいて電子写
真感光体と対向させ、静電潜像を像保持部材に転写し
て、導電性粒子に電荷を蓄積させ、次いで、熱軟化層を
熱軟化性樹脂の軟化点以上の温度に加熱して、電荷が蓄
積されている導電性粒子を熱軟化層中を移動させ、画像
情報を記憶させることを特徴とする。また、本発明の電
子写真法は、上記の像形成方法により、画像情報が記憶
された像保持部材に、帯電を施す工程、形成された静電
潜像を電子写真現像剤を用いて現像する工程、形成され
た可視像を転写紙に転写する工程の各工程を繰り返すこ
とにより、連続的に複写像を形成することを特徴とす
る。
【0010】次に、本発明について図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明の像保持部材の模式的断面
図である。10は像保持部材であって、基体1の上に導
電層2が形成され、その上に、必要に応じてその上に、
電荷輸送物質と下引き層が設けられている。熱軟化層4
の表面近傍には、導電性粒子5が埋め込まれて、導電性
粒子層を形成している。本発明の像保持部材において、
基体としては、例えばプラスチックフィルム、紙、金属
箔、ガラス等、電子写真感光体において使用できるもの
ならば、如何なるものでも使用可能である。またその形
状も特に制限されるものではなく、任意の形状のものが
使用可能である。基体は、少なくとも導電性表面を有し
ていなければならない。導電性表面は、導電層を設ける
ことによって形成していてもよい。導電層は、電荷が自
由に流れるものであれは、如何なるものでもよく、例え
ば、金属膜を蒸着法、スパッタリング法、プラズマCV
D法、メッキ法等の方法で形成したり、金属や低抵抗の
金属酸化物等の導電性粒子を樹脂などに分散した導電性
塗料を塗布してもよい。また基体が、導電性である場合
には、導電層を形成する必要はない。下引き層は、接着
性の向上や帯電性の向上、画質の向上等のために設けら
れるものであり、従来より電子写真感光体に用いられて
いる各種の公知材料が適用できる。
【0011】熱軟化層に用いられる電荷輸送物質として
は、電子写真感光体における電荷輸送層に使用されるも
のであれば、如何なるものでも使用することができる。
例えば、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多
環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾ
ール等の含窒素複素環を有する化合物、ピラゾリン化合
物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、ト
リフェニルアミン化合物、スチルベン化合物、ベンジジ
ン化合物、トリニトロフルオレノン、キノン化合物等が
あげられる。熱軟化性樹脂としては、ガラス転移点(T
g)が30〜90°Cで、Tg以上の温度における粘度
が102〜106ポイズであるような熱可塑性樹脂が好ま
しく用いられる。例えば、ポリエチレン、塩化ビニル樹
脂、ポリプロピレン、スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリ
ビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリロニトリルー
スチレン型樹脂、塩化ビリデンAAS(ASA)樹脂、
AES樹脂、繊維素誘導体樹脂、熱可塑性ポリウレタ
ン、 ポリビニルブチラール、ポリー4ーメチルペンテ
ンー1、ポリブテン1、ロジンエステル樹脂等があげら
れ、中でもスチレンーアクリル酸エステル共重合体、ス
テレンーアクリル酸エステルーアクリル酸の三元重合体
は、特に好適である。熱軟化層の膜厚は、通常、3〜1
5μmの範囲に設定される。
【0012】熱軟化層の表面近傍、即ち、表面から導電
性粒子の直径の数倍以内の間に、導電性粒子の単層又は
複数層が形成される。導電性粒子のサイズは、0.05
〜1μmの範囲のものが好ましい。導電性粒子のサイズ
が大きすぎると、導電性粒子が移動し難くなり、また小
さすぎると帯電し難くなり、好ましくない。また、導電
性粒子は、薄膜状の形状の場合には、移動が困難になる
ので好ましくない。導電性粒子を構成する導電性材料と
しては、カーボンブラック、よう化銅、よう化銀、流化
亜鉛、炭化ケイ素等の他、金属酸化物が好ましく使用さ
れる。特に、酸素欠陥を含む金属酸化物、および用いら
れる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少
量含む物などは、導電性が高いので、即ち、電子正孔対
を多く含有するので好ましい。金属酸化物の例として
は、ZnO、SnO2、TiO2、In23、MoO
3等、あるいはこれらの複合酸化物があげられ、異種原
子を含む例としては、ZnOに対してはA1、Inな
ど、TiO2に対してはNb,Taなど、SnO2に対し
てはSb,Nb,In,ハロゲン元素等の異種原子を含
むものがあげられる。これら異種原子の添加量は、0.
01〜30モル%の範囲が好ましく、1〜10モル%の
範囲が特に好ましい。
【0013】これらの導電性粒子を熱軟化層の表面近傍
に埋めこんで導電性粒子層形成する方法としては、蒸着
法(抵抗加熱、電子ビーム加熱)、イオンプレーティン
グ法、グロー放電スパッタ法、イオンビームスパッタ法
等が利用できる。例えば、蒸着法の場合、熱軟化層を加
熱することによって軟化した状態にしておき、導電性材
料を、10〜10-3Torrの低圧下で蒸発させればよ
い。それによって導電性材料は熱軟化層表面で凝集し、
1〜0.1μmの粒径を有する微粒子状態となって、そ
の粒子が、単層状、或いは複数層状に整列した状態で、
熱軟化層表面の近傍に埋め込まれる。
【0014】また、ポリエステル等のプラスチックフィ
ルムへ透明導電性膜を形成する方法として知られている
グロー放電スパッタ法は、そのまま、本発明の像保持部
材の作製に使用できる。この場合も、熱軟化性樹脂を加
熱しておくことにより、導電性材料が微粒子状になって
表面近傍に導電性粒子層が形成される。導電性粒子層を
熱軟化層表面近傍に形成する他の方法として、導電性粒
子を熱軟化層形成用の塗布液と同一組成の塗布液に分散
させておき、その分散液を熱軟化層の上に塗布する湿式
法を適用することができる。この場合、分散液を塗布し
た際に、下層に存在する熱軟化層が溶解しないよう、分
散液の塗膜を速やかに乾燥させることが必要である。
【0015】次に、上記の様にして作製された像保持部
材に像情報を記憶させる像形成方法について、図面を参
照して説明する。図2〜図4は像形成方法を説明する図
面であって、まず、図2Aに示すように、負帯電感光体
6に像様の静電潜像を形成する。それには、感光体を一
様に帯電した後、画像情報にもとづいて光61を照射す
ればよい。感光体としては、有機感光体、セレン感光
体、アモルファスシリコン感光体など通常の電子写真感
光体の中から、使用する露光波長に適用するものを選ん
で任意に用いられる。なお、図2Aにおいて、1は基
体、2は導電層(基体が導電性であれば不可)、7は感
光層である。次に、図2Bに示すように、感光体と像保
持部材を対向させて静電潜像の転写を行う。すなわち、
静電潜像を形成した感光体6を像保持部材10と接触さ
せ、感光体の表面電荷を像保持部材の表面に転写させ
る。その際、両者の導電層は電気的に接続させる。感光
体側の導電層に適当量の電圧を印加することは、転写電
位を調節するために有効である。像保持部材の表面に負
電荷が転写されると、導電性粒子は、常温で電子正孔対
を有しており、直ちに表面の負電荷に対して正孔が放出
されて、電荷輸送物質を通じて表面電荷を中和する。そ
して、導電性粒子の内部には、負電荷が残留する。負電
荷が転写されなかった部分の導電性粒子には電荷は存在
しない。
【0016】静電潜像を転写する他の方法を図3によっ
て説明する。図3Aは正帯電感光体66を用い、一様に
帯電した後、光61を照射して感光体に正帯電の潜像を
形成する説明図である。感光体は、負帯電と同じく通常
の電子写真感光体の中から波長に応じて選択される。な
お、画ず露光の際には、図2Aの画像露光とは濃淡反転
の光を照射する。一方、像保持部材には、図3Bに示す
ように、全面に負帯電を施しておく。導電性粒子5から
正孔が放出されて表面電荷を中和し、導電性粒子には負
電荷が残留する。その際、表面電位を測定すると、導電
性粒子が存在しない場合にくらべて、80〜95%程度
になっている。次に、図3Cに示すように、像保持部材
10を感光体66と接触させる。すると感光体側に正電
荷が残留している部分(すなわち無露光部分)は、像保
持部材側の負電荷を中和して、像保持部材側の負電荷が
消失する。このようにして、感光体の静電潜像が像保持
部材に転写される。なお、像保持部材表面が正帯電され
ないよう、感光体側の導電層には高い負の電圧を印加し
ておく。以上のようにして、像保持部材に静電潜像を転
写した後、図4に示すように、像保持部材を、熱62に
よって加熱する。加熱方法としては、加熱ローラーに通
す方法、加熱容器に入れる方法、熱線により加熱する方
法等の任意の方法が採用でき、Tg以上の温度に数秒間
加熱する。それにより、負電荷が残留していた導電性粒
子は、軟化して粘度が低下した熱軟化層中を、静電引力
により、電極となる基体側に移動していく。一方、加熱
により、熱軟化層の電気抵抗が低下して、導電性粒子の
電荷は、急激に自然放電するので、導電性粒子が全て電
極側に移動することはなく、粒子の大きさ、荷電密度の
ばらつき等により、熱軟化層中にまばらに分布して停止
する。このようにして、移動した導電性粒子(移動粒子
52)を含有する部分が形成される。次いで、像保持部
材を常温に戻せば、画像情報が記憶された像保持部材2
0が得られる。
【0017】次に、上記のようにして画像情報が記憶さ
れた像保持部材を用いて複写物を得る電子写真方法につ
いて説明する。図5に示すように、画像情報が記憶され
た像保持部材に対して、その全面に負の帯電を施す。そ
れにより、移動しなかった導電性粒子(非移動粒子5
1)が存在する部分は、図3Bに示す場合と同様に、導
電性粒子に負電荷が残留し、表面電位は、導電性粒子が
存在しない場合の85〜95%程度になる。一方、移動
した導電性粒子(移動粒子52)が存在する部分では、
電極に近い方の粒子から次々に正電荷が注入されて、表
面側の負電荷を中和して行き、結果的に、表面電位は、
導電性粒子が存在しない場合に比べて、0〜20%と、
非常に低くなる。したがって、一様な全面負帯電のみ
で、画像に応じた静電コントラストを有する潜像が形成
される。形成された静電像を電子写真現像剤で現像すれ
ば像を可視化することができる。その際、高電位部分を
可視化したい場合には、陽画現像。反対に、低電位部分
を可視化したい場合には、陰画反転現像を施す。陽画と
陰画の選択は感光体の画像露光方式にもより、希望の画
像が得られる方式を選択すればよい。なお、デジタル変
調レーザー光で露光する場合には、電子的に陽画と陰画
の制御が可能である。また、像保持部材への帯電の極性
も像保持部材の材料構成により選択される。次いで、常
法により、転写用紙に転写することによって複写物を得
ることができる。
【0018】その後、再び帯電をすることにより図5に
示すように潜像を形成することができ、したがって、画
像露光を行うことなく、連続的に複写を行うことができ
る。なお、複写後は、必要に応じてクリーニングを行う
こともできる。一連の工程が終了後の保持部材は新しい
ものと交換される。本発明の像保持部材は熱軟化層と導
電性粒子層を基本構成として有しているだけなので、従
来の感光性原版よりも製造方法が容易で、しかも安価で
あるため、交換する際の経済的効果は大きいものであ
る。
【0019】
【実施例】
実施例1 基体として、アルミニウムを蒸着した導電層を有する厚
さ50μmのポリエステルフィルムを用いた。一方、ス
チレン62重量部、アクリル酸エチル36重量部、アク
リル酸2重量部を出発原料とし、トルエンを溶剤として
合成された重量平均分子量約8000の3元重合体を用
意した。この重合体のTgは48°Cであり、110°
Cにおける粘度は28000ポイズであった。この重合
体78重量部とN,N’ージフェニルーN,N’ービス
(3ーメチルフェニル)−[1,1’ービフェニル]ー
4,4’−ジアミン22重量部とを、トルエン500重
量部に溶解した。得られた溶液を導電層の上に、ワイヤ
ーバーで塗布し、110°Cで15分間乾燥し、膜厚8
μmの熱軟化層を形成した。次に、このフィルムを22
0mm×300mmのサイズに切り取り、10-1Tor
rの圧力下でIn23を蒸着した。その際、フィルムは
ステンレス鋼板に貼り付け、全面を110°Cに加熱し
た。蒸着時間を短時間に制御することにより、粒径約
0.4μmのIn23粒子が、熱軟化層の表面に埋め込
まれた状態で形成された。このようにして像保持部材を
作製した。
【0020】これとは別に、X型フタロシアニンを電荷
発生層とし、その上に、電荷輸送層を有する出し写真感
光体を用意した(例えば、特開昭63ー271355号
公報に記載されている感光体)。その分光感度を測定し
たところ、図8における曲線Aで示される結果が得ら
れ、波長780nmの部分で十分な実用感度を有してい
ることが確認された。この感光体を−700Vに帯電さ
せた後、ダイオードレーザーを用いて、文字部分に対応
して光が照射されるよう露光を行い、潜像を形成した。
露光された部分は−100Vの電位となった。次にこの
感光体と像保持部材を対抗して接触させ、潜像を転写し
た。その際、感光体の基体に、+100Vの電圧を印加
した。像保持部材の表面電位は、感光体側の無露光部に
対応する部分が−500V、感光体側の露光部に対応す
る部分はゼロであった。その後、フィルムを115°C
に保持したヒートロール上を、加熱時間が5秒となるよ
うに通過させて加熱した。これにより、電荷が残ってい
る部分のIn23粒子は基体側に移動した(図4)。以
上のようにして、像の書き込みによる記憶を終了した。
【0021】得られた像情報が記憶された像保持部材
を、108φmm×340mmのアルミニウムパイプに
巻き付け、−800V帯電、二成分正帯電現像剤による
現像、A4用紙への転写、ブラシクリーニングの各工程
を実施する電子写真複写機に取り付けた。図5に示され
るように、帯電器60で帯電させ、移動粒子52を含有
する部分が−100Vの表面電位を、また、非移動粒子
51を含有する部分が−750Vの表面電位を有する潜
像を形成した。この潜像を二成分正帯電現像剤により現
像し、転写することによって高コントラストを有する複
写像が得られた。この工程を毎分100枚の速度で、繰
り返し実施した。その結果、連続2000枚の複写を行
っても、何等問題がないことが確認された。
【0022】実施例2 スチレン80重量部とヒドロキシメタクリレート20重
量部をモノマーとして合成した、重量平均分子量が約1
2000、Tgが38°C,110°Cの粘度が250
00ポイズの共重合体を用意した。この共重合体を、熱
軟化性樹脂として使用した以外は、実施例1と全く同様
にして、像保持部材を作製した。この像保持部材は、熱
軟化層の密着強度が実施例1の場合よりも若干劣るもの
の、同様にして像形成を行うことができ、また連続複写
に供することができた。
【0023】実施例3 実施例2において、熱軟化層の塗布前に、基体の導電層
の上に共重合ナイロン樹脂(商品名:CM8000.東
レ(株)製)の0.5μ厚の下引き層を形成した。こう
すると熱軟化層の密着強度を向上させることができた。
【0024】実施例4 フィルムへの塗布ウエブコーターにより連続的に行っ
た。図6は、ウエブコーターの側面図であって、フィル
ムは、ロール16から供給され、塗料汲み上げロール1
3と塗布ロール12により、塗布液をフィルム表面に塗
布し、乾燥ゾーン14を通って乾燥させ、巻き取りロー
ル15に巻き取られる。17は押し当てルール、18は
排気ダクトである。膜厚は、塗布液の濃度、塗布ロール
の回転速度等によって制御することができる。このウエ
ブコーターにより、実施例1におけると同様の基体およ
び材料を用いて、20cm/秒の速度で熱軟化層の塗布
を行った。次に、インジウムースズ酸化物(ITO)の
粒子を用意し、これを実施例1におけると同様の熱軟化
層形成用の塗布液60重量部に1重量部の割合で、混合
し、ぺイントシェーカーによって分散した。分散後の粒
径は約0.2μmであった。この分散液を上記ウエブコ
ーターにより、40cm/秒の速度で塗布し、乾燥膜厚
0.5μmの粒子層を形成し、110°Cで10分間の
乾燥をして像保持部材を作製した。得られた像保持部材
も実施例1におけると同様に使用することができた。
【0025】実施例5 感光体として、アモルファスシリコン感光体を使用し
た。この感光体を+500Vに帯電させた後、ダイオー
ドレーザーを用いて文字部分に対応して光が照射される
よう露光を行い、潜像を形成した。露光部分の電位は+
50Vであった。次にこの状態で、実施例4で作製され
たフィルムを密着し、感光体側の基体に−500Vのバ
イアス電圧を印加した。これにより、像保持部材の表面
電位は、感光体の無露光部に対する部分がゼロ、感光体
の露光部に対する部分が−450Vであった。その後、
フィルムを加熱して像を定着した。次いで−800V帯
電、二成分負帯電現像剤による反転現像A4用紙への転
写によって、画質をみたところ、良好なる画像が確認で
きた。
【0026】
【発明の効果】本発明の像保持部材は感光層を有してい
ないので、それだけ製造が容易であり、安価である。潜
像は別個に設けられた感光体から転写させるので、感光
体の選択により幅広い波長、光源に対応することができ
る。また、本発明の像保持部材は、1回の画像露光で、
多数枚の複写を連続的に行うことができる。したがっ
て、本発明の像形成方法および電子写真法は、複写工程
が非常に簡単であり、高速で連続的に複写を行うことが
でき、例えば、1分間に100枚以上の高速複写を行う
ことが可能である。また、予め像保持部材の全面に帯電
を施した場合は、特にコントラストの高い、解像力の優
れた画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の像保持部材の模式的断面図である。
【図2】本発明の像形成工程を説明する図である。
【図3】本発明の像形成工程を説明する図である。
【図4】本発明の像形成工程を説明する図である。
【図5】本発明の像保持部材を用いる電子写真法の説明
図である。
【図6】本発明の像保持部材を製造するためのウエブコ
ーターの側面図である。
【図7】感光層の分光感度特性を示すグラフである。
【図8】従来の像形成工程を説明する図である。
【図9】従来の像形成工程を説明する図である。
【図10】従来の像形成工程を説明する図である。
【図11】従来の像保持部材を用いる電子写真法の説明
図である。
【図12】従来の像保持部材を用いる電子写真法の説明
図である。
【図13】従来の像保持部材を用いる電子写真法の説明
図である。
【図14】従来の像保持部材を用いる電子写真法の説明
図である。
【図15】従来の像保持部材を用いる電子写真法の説明
図である。
【符号の説明】
1 基体 2 導電層 3 下引き層 4 熱軟化層 5 導電性粒子 10 像保持部材 20 画像情報を記憶した像保持部材 51 非移動粒子 52 移動粒子 60 コロナ帯電器 61 光 62 熱
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性表面を有する基体の導電性表面
    に、電荷輸送物質と熱軟化性樹脂を含有する熱軟化層を
    形成してなり、該熱軟化層の表面近傍に導電性粒子が埋
    め込まれて形成された導電性粒子層を設けてなる像保持
    部材を、あらかじめ画像情報にもとづいて像様に静電潜
    像を形成しておいた電子写真感光体と対向させて静電潜
    像を像保持部材に転写して、導電性粒子に電荷を蓄積さ
    せ、次いで、熱軟化層を熱軟化性樹脂の軟化点以上の温
    度に加熱して、電荷が蓄積されている導電性粒子を熱軟
    化層中で移動させ、画像情報を記憶させることを特徴と
    する像形成法。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体と対向させる前に、像保
    持部材の全面に帯電を施してあることを特徴とする請求
    項1に記載の像形成法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の像形成方法により画像
    情報が記憶された像保持部材に、帯電を施す工程、形成
    された静電潜像を電子写真現像剤を用いて現像する工
    程、形成された可視像を転写紙に転写する工程の各工程
    を繰り返すことにより、連続的に複写像を形成すること
    を特徴とする電子写真法。
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