JPH05241480A - 像保持部材、像形成法および電子写真法 - Google Patents

像保持部材、像形成法および電子写真法

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JPH05241480A
JPH05241480A JP6944291A JP6944291A JPH05241480A JP H05241480 A JPH05241480 A JP H05241480A JP 6944291 A JP6944291 A JP 6944291A JP 6944291 A JP6944291 A JP 6944291A JP H05241480 A JPH05241480 A JP H05241480A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波長780nmの光で書き込み可能であり、
一回の画像露光で多数枚の複写を行うことができる像保
持部材および像形成方法、および帯電と現像を繰り返し
行うことにより、連続的に高速度で複写を行うことがで
きる電子写真法を提供する。 【構成】 像保持部材は、導電性表面を有する基体1の
導電性表面に、電荷発生層3および電荷輸送物質と熱軟
化性樹脂を含有する熱軟化層4を順次積層してなり、該
熱軟化層の表面近傍に導電性粒子5が埋め込まれて形成
された導電性粒子層が設けている。この像保持部材に負
帯電を施して、導電性粒子に電荷を蓄積し、次いで、画
像情報に対応した画像露光を行うことにより、露光部の
導電性粒子の電荷を消失させた後、熱軟化層を熱軟化性
樹脂の軟化点以上の温度に加熱して、電荷が蓄積されて
いる導電性粒子を熱軟化層中で移動させ、画像情報を記
憶させる。電子写真法は、この画像情報が記憶された像
保持部材に、帯電、現像、転写を繰り返すことにより行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱軟化性樹脂中の粒子
の移動により画像情報を記憶する像保持部材および像保
持方法、およびその像保持部材を用いて、連続的に複数
枚の複写画像を形成する電子写真法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真複写法は、電子写真感光
体に対して、表面を一様に帯電した後、画像露光を行っ
て、像様に表面電位を減衰させ、次いで、トナー現像
し、用紙に転写するカールソン方式が一般的な方法とし
て広く応用されている。しかしながらこの方式では、画
像を一枚複写するごとに、一回ずつ露光をしなければな
らない。そのため、高速度の複写は、装置が複雑化し、
大型化するという問題があった。
【0003】この点を改善するために、画像情報を電子
写真感光体に記憶させ、一回の画像露光により多数枚の
複写を得る方式が提案されている。例えば、特開昭53
−102037号および特開平2−269357号公報
には、特定の化合物を感光層に添加して、持続性感光体
を得ることが記載されている。しかしながら、画像情報
の記憶時間、複写時のコントラスト等の点で、満足なも
のは得られ難い。一方、米国特許第4883731号明
細書には、感光性粒子が熱軟化層の内部に移動して、画
像情報を記憶し、多数枚の複写を行う電子写真方式が記
載されている。
【0004】図9〜図16は、その場合を説明する図で
あって、これらの図において、80は、感光性原版であ
って、基体81、導電層82、熱により軟化する熱可塑
性樹脂と電荷輸送物質を含む熱軟化層83、および熱軟
化層の表面近傍に埋設されている光により電荷を発生す
る感光性粒子84から構成されている。
【0005】この感光性原版を使用するに当たっては、
図9に示すように、まず、コロナ帯電器60により、表
面に一様に負帯電を施す。次いで、図10に示すよう
に、像様の光線61によって画像露光を行う。それによ
り、露光された部分の感光性粒子は、正負の電荷を発生
し、正の電荷が表面に輸送されて表面電荷を中和すると
共に、粒子内には、負の電荷が残留する。次いで、図1
1に示すように、熱線62で加熱すると、感光性粒子中
の荷電粒子は、静電引力により軟化した層中を移動す
る。即ち、加熱により、像に応じて移動した粒子842
を含む部分と、移動せずにそのままの状態に保持された
粒子841を含む部分とに分かれた状態の像保持部材9
0が形成される。
【0006】この様な状態の像保持部材90を用いて複
写を行うには、まず、図12に示すように、コロナ帯電
器71により、表面に一様に正帯電を施す。次いで図1
3に示すように全面に光照射72を行う。それにより、
感光性粒子は、電荷を発生するが、元の位置にある粒子
841を有する部分と、移動した粒子842を有する部
分とでは、電位減衰特性が異なるので、即ち、粒子84
1を有する部分の方が高感度で減衰が速いので、表面電
位に差が生じ、粒子842を有する部分が高電位の潜像
が形成される。次いで、図14に示すようにトナー91
を用いて現像を行い、さらに図15に示すように、転写
帯電器93を用いて、用紙92に転写を行い、用紙92
上にトナー像を形成させる。その後、図16に示すよう
に、除電光94を強く照射することにより、粒子842
を有する部分の電位は減衰して、像保持部材が元の状態
に戻る。
【0007】この像保持部材に対して、図12ないし図
16の工程を繰り返すことにより、画像露光工程を必要
とせずに、帯電と全面照射だけで、多数枚の複写操作を
行うことができる。複写終了後の像保持部材は、不要と
なるので、再び、新しい感光性原版80を準備する。ま
た、図12における一様帯電の際に、負に帯電させた場
合には、次の全面照射72を行うと、粒子842を有す
る部分の表面電荷が減衰し、粒子841を有する部分が
現像されて、図14に示す場合とは、反転したトナー像
が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の電子写真法は、
1回の画像露光で、多数枚の複写を行う場合に非常に好
ましい方法である。しかしながら、感光性粒子として、
セレンが使用されているため、分光感度がセレンに支配
されるという欠点がある。図8は、感光層の分光感度特
性を示すグラフであり、Bがセレンを用いた感光層の分
光感度曲線である。
【0009】近年、画像露光の光源として、像様に変調
されたレーザー光を回転反射鏡で操作する方式が電子技
術の進展に伴って広く普及しており、この場合のレーザ
ー光源としては、波長780nmのレーザーダイオード
を用いることが一般的に行われている。しかしながら、
図8から明らかなように、セレンを用いた感光層は78
0nmに感度を有しないので、この様なレーザー光によ
って画像書き込みを行うことができないという欠点を有
している。さらに、上記電子写真方式では、複写時に、
図13に示すような全面光照射を1枚ごとに繰り返して
行わなければならないという問題があり、画像露光が不
必要であるとはいえ、依然として、工程の簡略化が求め
られている。
【0010】本発明の目的は、波長780nmの光で書
き込み可能であり、一回の画像露光で多数枚の複写を行
うことができる像保持部材および像形成方法を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、帯電と現像を繰り返
し行うことにより、連続的に高速度で複写を行うことが
できる電子写真法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の像保持部材は、
導電性表面を有する基体の導電性表面に、電荷発生層お
よび電荷輸送物質と熱軟化性樹脂を含有する熱軟化層を
順次積層してなり、該熱軟化層の表面近傍に導電性粒子
が埋め込まれて形成された導電性粒子層を設けてなるこ
とを特徴とする。
【0012】本発明の像形成方法は、上記の像保持部材
に、負帯電を施して導電性粒子に電荷を蓄積し、次い
で、画像情報に対応した画像露光を行うことにより、露
光部の導電性粒子の電荷を消失させた後、熱軟化層を熱
軟化性樹脂の軟化点以上の温度に加熱して、電荷が蓄積
されている導電性粒子を熱軟化層中を移動させ、画像情
報を記憶させることを特徴とする。
【0013】また、本発明の電子写真法は、上記の像形
成方法により、画像情報が記憶された像保持部材に、帯
電を施す工程、形成された静電潜像を電子写真現像剤を
用いて現像する工程、形成された可視像を転写紙に転写
する工程の各工程を繰り返すことにより、連続的に複写
像を形成することを特徴とする。
【0014】次に、本発明について図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明の像保持部材の模式的断面
図である。10は像保持部材であって、基体1の上に導
電層2が形成され、その上に電荷発生層3が設けられて
いる。さらにその上に電荷輸送物質と熱により軟化する
熱軟化性樹脂とからなる熱軟化層4が設けられている。
熱軟化層4の表面近傍には、導電性粒子5が埋め込まれ
て、導電性粒子層を形成している。
【0015】本発明の像保持部材において、基体として
は、例えばプラスチックフィルム、紙、金属箔、ガラス
等、電子写真感光体において使用できるものならば、如
何なるものでも使用可能である。またその形状も特に制
限されるものではなく、任意の形状のものが使用可能で
ある。
【0016】基体は、少なくとも導電性表面を有してい
なければならない。導電性表面は、導電層を設けること
によって形成してもよい。導電層は、電荷が自由に流れ
るものであれば、如何なるものでもよく、例えば、金属
膜を蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、メ
ッキ法等の方法で形成したり、金属や低抵抗の金属酸化
物等の導電性粒子を樹脂などに分散した導電性塗料を塗
布してもよい。また、基体が導電性である場合には、導
電層を形成する必要はない。導電性表面の上には、接着
性の向上や、帯電性の向上、画質の向上等のために、下
引き層を設けてもよい。
【0017】基体の導電性表面の上に設けられる電荷発
生層は、通常の機能分離型電子写真感光体において使用
される電荷発生層と全く同じものが用いられる。即ち、
電荷発生材料として、金属又は無金属フタロシアニン等
のフタロシアニン顔料、スクエアリウム化合物、アズレ
ニウム化合物、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリ
ドン顔料、アントアントロン、臭素化アントアントロ
ン、ピランスロン、フラバンスロン等の多環キノン類、
シアニン色素、キサンテン染料、ポリ−N−ビニルカル
バゾールとトリニトロフルオレノンなどからなる電荷移
動錯体、ピリリウム染料とポリカーボネート樹脂からな
る共晶錯体等を使用し、それを結着樹脂および必要に応
じて電荷輸送材料と共に、分散し、塗布することによっ
て形成すればよい。また、上記電荷発生材料を蒸着した
膜や、非晶質ケイ素の蒸着膜等も有効である。さらにま
た、近年開発されている特定の結晶構造を有するチタニ
ルフタロシアニン又はビスアゾ顔料などを使用すること
も可能である。電荷発生層の膜厚は、通常、0.1〜2
μmの範囲に設定される。
【0018】熱軟化層に用いられる電荷輸送物質として
は、電子写真感光体における電荷輸送層に使用されるも
のであれば如何なるものでも使用することができる。例
えば、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環
芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾー
ル等の含窒素複素環を有する化合物、ピラゾリン化合
物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、ト
リフェニルアミン化合物、スチルベン化合物、ベンジジ
ン化合物等があげられる。
【0019】熱軟化性樹脂としては、ガラス転移点(T
g)が30〜90℃で、Tg以上の温度における粘度が
102 〜106 ポイズであるような熱可塑性樹脂が好ま
しく用いられる。例えば、ポリエチレン、塩化ビニル樹
脂、ポリプロピレン、スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリ
ビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリロニトリル−
スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS(AS
A)樹脂、AES樹脂、繊維素誘導体樹脂、熱可塑性ポ
リウレタン、ポリビニルブチラール、ポリ−4−メチル
ペンテン−1、ポリブテン1、ロジンエステル樹脂等が
あげられ、中でも、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸の三
元重合体は、特に好適である。熱軟化層の膜厚は、通
常、3〜15μmの範囲に設定される。
【0020】熱軟化層の表面近傍、即ち、表面から導電
性粒子の直径の数倍以内の間に、導電性粒子の単層又は
複数層が形成される。導電性粒子のサイズは、0.05
〜1μmの範囲のものが好ましい。導電性粒子のサイズ
が大きすぎると、導電性粒子が移動し難くなり、また、
小さすぎると、帯電し難くなり、好ましくない。また、
導電性粒子は、薄膜状の形状の場合には、移動が困難に
なるので好ましくない。
【0021】導電性粒子を構成する導電性材料として
は、カーボンブラック、よう化銅、よう化銀、硫化亜
鉛、炭化ケイ素等の他、金属酸化物が好ましく使用され
る。特に、酸素欠陥を含む金属酸化物、および用いられ
る金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少量
含む物などは、導電性が高いので、即ち、電子正孔対を
多く含有するので好ましい。金属酸化物の例としては、
ZnO、SnO2 、TiO2 、In2 3 、MoO
3 等、或いはこれらの複合酸化物があげられ、異種原子
を含む例としては、ZnOに対してはAl、Inなど、
TiO2 に対してはNb、Taなど、SnO2 に対して
はSb、Nb、In、ハロゲン元素等の異種原子を含む
ものがあげられる。これら異種原子の添加量は、0.0
1〜30モル%の範囲が好ましく、1〜10モル%の範
囲が特に好ましい。
【0022】これらの導電性粒子を熱軟化層の表面近傍
に埋め込んで導電性粒子層を形成する方法としては、蒸
着法(抵抗加熱、電子ビーム加熱)、イオンプレーティ
ング法、グロー放電スパッタ法、イオンビームスパッタ
法等が利用できる。例えば、蒸着法の場合、熱軟化層を
加熱することによって軟化した状態にしておき、導電性
材料を、10〜10-3Torrの低圧下で蒸発させれば
よい。それによって導電性材料は熱軟化層表面で凝集
し、1〜0.1μmの粒径を有する微粒子状態となっ
て、その粒子が、単層状、或いは複数層状に整列した状
態で、熱軟化層表面の近傍に埋め込まれる。
【0023】また、ポリエステル等のプラスチックフィ
ルムへ透明導電性膜を形成する方法として知られている
グロー放電スパッタ法は、そのまま、本発明の像保持部
材の作製に使用できる。この場合も、熱軟化性樹脂を加
熱しておくことにより、導電性材料が微粒子状になって
表面近傍に導電性粒子層が形成される。
【0024】導電性粒子層を熱軟化層表面近傍に形成す
る他の方法として、導電性粒子を熱軟化層形成用の塗布
液と同一組成の塗布液に分散させておき、その分散液を
熱軟化層の上に塗布する湿式法を適用することができ
る。この場合、分散液を塗布した際に、下層に存在する
熱軟化層が溶解しないよう、分散液の塗膜を速やかに乾
燥させることが必要である。
【0025】次に、上記の様にして作製された像保持部
材に像情報を記憶させる像形成方法について、図面を參
酌して説明する。図2〜図4は、像形成方法を説明する
図面であって、まず、図2に示すように、像保持部材1
0に対して、コロナ帯電器60を相対的に移動させて、
表面に負の帯電を施す。それによって、上記した導電性
粒子は、常温で電子正孔対を有しており、ただちに表面
の負電荷に対して正孔が放出されて、電荷輸送物質を通
じて表面電荷を中和する。そして、導電性粒子の内部に
は、負電荷が残留する。なお、その際、表面電位を測定
すると、導電性粒子が存在しない場合に比べて、80〜
95%程度になっている。
【0026】次に、図3に示すように、画像露光を行
う。61は電荷発生層を感光させる光であって、これは
十分に薄い導電性粒子層を通過して、その大部分が電荷
発生層3に到達する。ダイオードレーザー光の場合に
は、電子的手段で像様に変調させて露光させるが、その
際には、現像剤を付着させる部分に光を当てればよい。
それによって、電荷発生層から正電荷が熱軟化層に注入
され、層中を輸送されて、導電性粒子の負電荷を中和す
る。一方、光が当たらなかった部分の導電性粒子には、
負電荷が残っている。
【0027】その後、図4に示すように、像保持部材
を、熱62によって加熱する。加熱方法としては、加熱
ローラーに通す方法、加熱容器に入れる方法、熱線によ
り加熱する方法等の任意の方法が採用でき、Tg以上の
温度に数秒間加熱する。それにより、負電荷が残留して
いた導電性粒子は、軟化して粘度が低下した熱軟化層中
を、静電引力により、電極となる基体側に移動してい
く。一方、加熱により、熱軟化層の電気抵抗が低下し
て、導電性粒子の電荷は、急激に自然放電するので、導
電性粒子が全て電極側に移動することはなく、粒子の大
きさ、荷電密度のばらつき等により、熱軟化層中にまば
らに分布して停止する。このようにして、移動した導電
性粒子(移動粒子52)を含有する部分が形成される。
【0028】次いで、像保持部材を常温に戻せば、画像
情報が記憶された像保持部材20が得られる。なお、導
電性粒子が移動した部分は、光の透過率が小さくなるの
で、肉眼でも濃淡の差を確認することが可能である。
【0029】次に、上記のようにして画像情報が記憶さ
れた像保持部材を用いて複写物を得る電子写真方法につ
いて説明する。図5に示すように、画像情報が記憶され
た像保持部材に対して、その全面に負の帯電を施す。そ
れにより、移動しなかった導電性粒子(非移動粒子5
1)が存在する部分は、図2に示す場合と同様に、導電
性粒子に負電荷が残留し、表面電位は、導電性粒子が存
在しない場合の85〜95%程度になる。一方、移動し
た導電性粒子(移動粒子52)が存在する部分では、電
極に近い方の粒子から次々に正電荷が注入されて、表面
側の負電荷を中和して行き、結果的に、表面電位は、導
電性粒子が存在しない場合に比べて、0〜20%と、非
常に低くなる。したがって、一様な全面負帯電のみで、
画像に応じた静電コントラストを有する潜像が形成され
る。
【0030】形成された潜像に対して、正帯電性現像剤
を用いて現像を行う。それによって潜像は可視化され、
次いで、常法により、転写用紙に転写することによって
複写物を得ることができる。
【0031】その後、再び帯電をすることにより図5に
示すように潜像を形成することができ、したがって、画
像露光を行うことなく、連続的に複写を行うことができ
る。なお、複写後は、必要に応じてクリーニングを行う
こともできる。
【0032】
【実施例】
実施例1 基体として、アルミニウムを蒸着した導電層を有する厚
さ50μmのポリエステルフィルムを用いた。シクロヘ
キサノン19重量部にあらかじめポリビニルブチラール
樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)1
重量部を溶解した溶液8重量部を、X型フタロシアニン
1.6重量部およびシクロヘキサノン12.8重量部と
混合し、直径約2mmのガラスビーズを分散媒として、
ペイントシェーカーによって約1時間分散処理を行っ
た。得られた分散液を、導電性上にワイヤーバーにより
塗布し、100℃で10分間乾燥し、膜厚0.3μmの
電荷発生層を形成した。
【0033】一方、スチレン62重量部、アクリル酸エ
チル36重量部、アクリル酸2重量部を出発原料とし、
トルエンを溶剤として合成された重量平均分子量約80
00の3元重合体を用意した。この重合体のTgは48
℃であり、110℃における粘度は28000ポイズで
あった。この重合体78重量部とN,N′−ジフェニル
−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)-[1,1′−
ビフェニル]−4,4′ジアミン22重量部とを、トル
エン500重量部に溶解した。得られた溶液を、上記電
荷発生層の上に、ワイヤーバーで塗布し、110℃で1
5分間乾燥し、膜厚8μmの熱軟化層を形成した。この
熱軟化層は、電荷輸送層としての機能を果たすものであ
って、その分光感度を測定したところ、図8における曲
線Aで示される結果が得られ、波長780nmの部分で
十分な実用感度を有していることが確認された。
【0034】次に、このフィルムを220mm×300
mmのサイズに切り取り、10-1Torrの圧力下でI
2 3 を蒸着した。その際、フィルムはステンレス鋼
板に貼り付け、全面を110℃に加熱した。蒸着時間を
短時間に制御することにより、粒径約0.4μmのIn
2 3 粒子が、熱軟化層の表面に埋め込まれた状態で形
成された。形成された像保持部材は、図1に示す断面構
造を有するものであった。
【0035】この像保持部材を−800Vになるような
条件で負に帯電した。それにより、負電荷がIn2 3
粒子に移動し、表面電位は−750Vになった。(図
2)次に、ダイオードレーザーを用いて、12エルグ/
cm2 の強度で像露光を行った(図3)。その際、フィ
ルムを直径25mmのローラー上を搬送させながら、そ
の屈曲部において、レーザー光を照射するようにして、
レーザー光の干渉によって画像に縞模様が生じるのを防
止した。(特開平1−281475号公報参照)その
後、暗所において、115℃に保持したヒートロール上
に、フィルムを、加熱時間が5秒間になるように通過さ
せ、過熱処理を行った。それにより、露光されなかった
部分のIn2 3 粒子は、基体側に移動した。(図4)
以上のようにして、像の書き込みによる記憶を終了し
た。
【0036】得られた像情報が記憶された像保持部材
を、108φmm×340mmのアルミニウムパイプに
巻き付け、−800V帯電、二成分正帯電現像剤による
現像、A4用紙への転写、ブラシクリーニングの各工程
を実施する電子写真複写機に取り付けた。図5に示され
るように、帯電器60で帯電させ、移動粒子52を含有
する部分が−100Vの表面電位を、また、非移動粒子
51を含有する部分が−750Vの表面電位を有する潜
像を形成した。この潜像を二成分正帯電現像剤により現
像し、転写することによって、高コントラストを有する
複写像が得られた。この工程を毎分100枚の速度で、
繰り返し実施した。その結果、連続2000枚の複写を
行っても、何等問題がないことが確認された。
【0037】実施例2 スチレン80重量部とヒドロキシメタクリレート20重
量部をモノマーとして合成した、重量平均分子量が約1
2000、Tgが38℃、110℃の粘度が25000
ポイズの共重合体を用意した。この共重合体を、熱軟化
性樹脂として使用した以外は、実施例1と全く同様にし
て、像保持部材を作製した。この像保持部材は、熱軟化
層の密着強度が実施例1の場合よりも若干劣るものの、
同様にして像形成を行うことができ、また、連続複写に
供することができた。
【0038】実施例3 フィルムへの塗布をウエブコーターにより連続的に行っ
た。図6は、ウエブコーターの側面図であって、フィル
ムは、ロール16から供給され、塗料汲み上げロール1
3と塗布ロール12により、塗布液をフィルム表面に塗
布し、乾燥ゾーン14を通って乾燥させ、巻き取りロー
ル15に巻き取られる。17は押し当てロール、18は
排気ダクトである。膜厚は、塗布液の濃度、塗布ロール
の回転速度等によって制御することができる。このウエ
ブコーターにより、実施例1におけると同様の基体およ
び材料を用いて、電荷発生層は30cm/秒、熱軟化層
は20cm/秒の速度で塗布を行い、長さ100mの塗
布フィルムを得た。
【0039】次いで、マグネトロンスパッタ装置によ
り、連続的に導電性粒子を付着させた。図7は、マグネ
トロンスパッタ装置の概略の構成を示す図であって、真
空容器21中に、インジウム−錫(10%)合金をター
ゲットとしたマグネトロン22および先端に環状のガス
(アルゴンと酸素)供給口31を有するシールド23が
配設されている。フィルムは、ロール28から送られ、
110℃に保持された回転ドラム29の表面を通って搬
送され、ロール30に巻き取られる。一方、フィルムの
周囲には、ターゲット前面にスリットを有するシールド
24およびアルミニウム板25、テフロン絶縁体26が
設けられ、アルミニウム板25は、冷却された高周波導
波路27を通じて高周波回路に結合されている。
【0040】このマグネトロンスパッタ装置により、フ
ィルムを5cm/秒の速度で搬送させながら、インジウ
ム−スズ酸化物(ITO)の粒子(粒径約0.3μm)
を熱軟化層の表面近傍に形成した。この方法によれば、
像保持部材を大量に作製することができた。得られた像
保持部材は、実施例1におけると同様に使用することが
できた。
【0041】実施例4 実施例1におけると同様にして電荷発生層および熱軟化
層を形成した。一方、ITOの粉末を用意し、これを実
施例1におけると同様の熱軟化層形成用の塗布液60重
量部に1重量部の割合で混合し、ペイントシェーカーに
よって分散した。分散後の粒径は、約0.2μmであっ
た。この分散液をワイヤーバーにより、熱軟化層上に、
乾燥膜厚0.5μmになるように素早く塗布し、110
℃で10分間乾燥した。得られた像保持部材も、実施例
1におけると同様に使用することができた。
【0042】
【発明の効果】本発明の像保持部材は、上記の構成を有
するから、電荷発生材料を選択することにより、幅広い
露光光源を使用することができる。例えば、波長780
nmのダイオードレーザーを容易に利用することが可能
であり、また、発光ダイオード、液晶シャッターモジュ
ールなど、任意のものに対応させることもできる。ま
た、本発明の像保持部材は、1回の画像露光で、多数枚
の複写を連続的に行うことができる。したがって、本発
明の像形成方法および電子写真法は、複写工程が非常に
簡単であり、高速で連続的に複写を行うことができ、例
えば、1分間に100枚以上の高速複写を行うことが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の像保持部材の模式的断面図である。
【図2】 本発明の像形成工程を説明する図である。
【図3】 本発明の像形成工程を説明する図である。
【図4】 本発明の像形成工程を説明する図である。
【図5】 本発明の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図6】 本発明の像形成部材を製造するためのウエブ
コーターの側面図である。
【図7】 本発明の像形成部材を製造するためのマグネ
トロンスパッタ装置の概略の構成図である。
【図8】 感光層の分光感度特性を示すグラフである。
【図9】 従来の像形成工程を説明する図である。
【図10】 従来の像形成工程を説明する図である。
【図11】 従来の像形成工程を説明する図である。
【図12】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図13】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図14】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図15】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図16】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【符号の説明】
1…基体、2…導電層、3…電荷発生層、4…熱軟化
層、5…導電性粒子、10…像保持部材、20…画像情
報を記憶した像保持部材、51…非移動粒子、52…移
動粒子1、60…コロナ帯電器、61…光、62…熱
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性表面を有する基体の導電性表面
    に、電荷発生層および電荷輸送物質と熱軟化性樹脂を含
    有する熱軟化層を順次積層してなり、該熱軟化層の表面
    近傍に導電性粒子が埋め込まれて形成された導電性粒子
    層を設けてなることを特徴とする像保持部材。
  2. 【請求項2】 導電性粒子が、導電性金属酸化物粒子で
    ある請求項1に記載の像保持部材。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の像保持部材に負帯電を
    施して、導電性粒子に電荷を蓄積し、次いで、画像情報
    に対応した画像露光を行うことにより、露光部の導電性
    粒子の電荷を消失させた後、熱軟化層を熱軟化性樹脂の
    軟化点以上の温度に加熱して、電荷が蓄積されている導
    電性粒子を熱軟化層中で移動させ、画像情報を記憶させ
    ることを特徴とする像形成方法。
  4. 【請求項4】 電気信号により変調したレーザービーム
    を用いて画像露光を行うことを特徴とする請求項3記載
    の像形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の像形成方法により画像
    情報が記憶された像保持部材に、帯電を施す工程、形成
    された静電潜像を電子写真現像剤を用いて現像する工
    程、形成された可視像を転写紙に転写する工程の各工程
    を繰り返すことにより、連続的に複写像を形成すること
    を特徴とする電子写真法。
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