JPH06222583A - 像保持部材の製造方法 - Google Patents
像保持部材の製造方法Info
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- JPH06222583A JPH06222583A JP2604193A JP2604193A JPH06222583A JP H06222583 A JPH06222583 A JP H06222583A JP 2604193 A JP2604193 A JP 2604193A JP 2604193 A JP2604193 A JP 2604193A JP H06222583 A JPH06222583 A JP H06222583A
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- conductive
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 一回の画像露光により画像を記憶でき、多数
枚複写に供せられる像保持部材の改良された製造方法を
提供する。 【構成】 本発明の像保持部材は、導電性表面を有する
基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送物質と
熱軟化性樹脂を含有する塗布液を塗布して熱軟化層を形
成した後、熱軟化層を冷却しながら、その上に導電性粒
子を含有する導電性粒子分散液を塗布して製造すること
ができる。 【効果】 本発明の製造方法によれば、像保持部材の熱
軟化層上に導電性粒子分散液を高速度で塗布することが
可能になる。
枚複写に供せられる像保持部材の改良された製造方法を
提供する。 【構成】 本発明の像保持部材は、導電性表面を有する
基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送物質と
熱軟化性樹脂を含有する塗布液を塗布して熱軟化層を形
成した後、熱軟化層を冷却しながら、その上に導電性粒
子を含有する導電性粒子分散液を塗布して製造すること
ができる。 【効果】 本発明の製造方法によれば、像保持部材の熱
軟化層上に導電性粒子分散液を高速度で塗布することが
可能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面近傍に埋め込まれ
た導電性粒子の熱軟化性樹脂中での移動により画像情報
を記憶する像保持部材の製造方法に関する。
た導電性粒子の熱軟化性樹脂中での移動により画像情報
を記憶する像保持部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真複写法は、電子写真感光
体の表面を一様に帯電した後に画像露光を行って、像様
に表面電位を減衰させ、次いで、トナー現像し、用紙に
転写するカールソン方式が一般的な方法として広く応用
されている。しかしながらこの方式では、画像を一枚複
写する毎に一回ずつ露光をしなければならない。そのた
め、高速度の複写では、装置が複雑化し、大型化すると
いう問題があった。
体の表面を一様に帯電した後に画像露光を行って、像様
に表面電位を減衰させ、次いで、トナー現像し、用紙に
転写するカールソン方式が一般的な方法として広く応用
されている。しかしながらこの方式では、画像を一枚複
写する毎に一回ずつ露光をしなければならない。そのた
め、高速度の複写では、装置が複雑化し、大型化すると
いう問題があった。
【0003】この点を改善するために、本発明者は、先
に特願平3−69442号において、熱軟化層表面近傍
に導電性粒子を埋め込んだ像保持部材に画像情報を記憶
させ、画像露光を一回行うのみで多数枚の連続複写をす
ることができる像保持部材およびそれを用いた電子写真
法を提案した。また、その像保持部材の製造方法とし
て、特願平3−87387号において、塗布によって導
電性粒子層を形成する方法を提案した。上記製造方法
は、像保持部材の製造としては一応満足できるものであ
る。しかし、熱軟化層上に導電性粒子分散液を塗布する
際、熱軟化層に対する導電性粒子分散液の溶解性が高い
と、分散液の塗布後に溶剤が乾燥するより前に熱軟化層
表面の溶解する度合が大きくなる。一方、塗布を高速度
で行うほど分散液の濃度を低下させる必要があり、分散
液中の溶剤比率が高くなるので熱軟化層の厚みムラが一
層大きくなる。したがって、像保持部材をより高速度で
製造するにはさらに改善する必要がある。
に特願平3−69442号において、熱軟化層表面近傍
に導電性粒子を埋め込んだ像保持部材に画像情報を記憶
させ、画像露光を一回行うのみで多数枚の連続複写をす
ることができる像保持部材およびそれを用いた電子写真
法を提案した。また、その像保持部材の製造方法とし
て、特願平3−87387号において、塗布によって導
電性粒子層を形成する方法を提案した。上記製造方法
は、像保持部材の製造としては一応満足できるものであ
る。しかし、熱軟化層上に導電性粒子分散液を塗布する
際、熱軟化層に対する導電性粒子分散液の溶解性が高い
と、分散液の塗布後に溶剤が乾燥するより前に熱軟化層
表面の溶解する度合が大きくなる。一方、塗布を高速度
で行うほど分散液の濃度を低下させる必要があり、分散
液中の溶剤比率が高くなるので熱軟化層の厚みムラが一
層大きくなる。したがって、像保持部材をより高速度で
製造するにはさらに改善する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、熱
軟化層上に導電性粒子分散液を高速度で塗布することが
可能な像保持部材の製造方法を提供することを目的とす
る。
軟化層上に導電性粒子分散液を高速度で塗布することが
可能な像保持部材の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、像保持部材
の製造方法について鋭意検討した結果、熱軟化層の形成
後に冷却して導電性粒子分散液を塗布すると、熱軟化層
表面近傍の熱軟化性樹脂を溶解するものの、その内部に
まで浸透しないことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の像保持部材の製造方法は、基体
の導電性表面に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送
物質および熱軟化性樹脂を含有する塗布液を塗布して熱
軟化層を形成した後、基体ごと熱軟化層を冷却しなが
ら、その上に導電性粒子を含有する導電性粒子分散液を
塗布することを特徴とする。
の製造方法について鋭意検討した結果、熱軟化層の形成
後に冷却して導電性粒子分散液を塗布すると、熱軟化層
表面近傍の熱軟化性樹脂を溶解するものの、その内部に
まで浸透しないことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の像保持部材の製造方法は、基体
の導電性表面に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送
物質および熱軟化性樹脂を含有する塗布液を塗布して熱
軟化層を形成した後、基体ごと熱軟化層を冷却しなが
ら、その上に導電性粒子を含有する導電性粒子分散液を
塗布することを特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。図1は、
本発明の方法によって製造される像保持部材の縦断面図
である。1は像保持部材であって、基体2上に導電層3
が被覆されており、その上に電荷発生層4が積層されて
いる。上記導電層3と電荷発生層4との間に下引き層を
形成していてもよい。さらに電荷発生層4上には熱によ
り軟化する熱軟化性樹脂と電荷輸送物質とからなる熱軟
化層5が積層されている。熱軟化層5の表面近傍には、
導電性粒子6が埋め込まれた導電性粒子分散層7が積層
されている。
本発明の方法によって製造される像保持部材の縦断面図
である。1は像保持部材であって、基体2上に導電層3
が被覆されており、その上に電荷発生層4が積層されて
いる。上記導電層3と電荷発生層4との間に下引き層を
形成していてもよい。さらに電荷発生層4上には熱によ
り軟化する熱軟化性樹脂と電荷輸送物質とからなる熱軟
化層5が積層されている。熱軟化層5の表面近傍には、
導電性粒子6が埋め込まれた導電性粒子分散層7が積層
されている。
【0007】本発明の製造方法において、基体として
は、例えばプラスチックフィルム、紙、金属箔、ガラス
等、電子写真感光体において使用できるものならば、い
かなるものでも使用可能である。また、その形状も特に
制限されるものではなく、任意の形状のものが使用可能
である。
は、例えばプラスチックフィルム、紙、金属箔、ガラス
等、電子写真感光体において使用できるものならば、い
かなるものでも使用可能である。また、その形状も特に
制限されるものではなく、任意の形状のものが使用可能
である。
【0008】基体は少なくとも導電性表面を有していな
けらばならない。導電性表面は導電層を別途被覆するこ
とによって形成してもよい。導電層は、電荷が自由に流
れるものであればいかなるものでもよく、例えば、金属
膜を蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、メ
ッキ法等の方法で形成したり、金属や低抵抗の金属酸化
物等の導電性粒子を樹脂などに分散した導電性塗料を塗
布して形成もよい。また、基体が導電性である場合に
は、導電層を形成する必要はない。
けらばならない。導電性表面は導電層を別途被覆するこ
とによって形成してもよい。導電層は、電荷が自由に流
れるものであればいかなるものでもよく、例えば、金属
膜を蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、メ
ッキ法等の方法で形成したり、金属や低抵抗の金属酸化
物等の導電性粒子を樹脂などに分散した導電性塗料を塗
布して形成もよい。また、基体が導電性である場合に
は、導電層を形成する必要はない。
【0009】導電性表面上には、接着性の向上や帯電性
の向上、画質の向上等のために、下引き層を必要に応じ
て形成してもよい。下引き層は下引き層形成用塗布液を
塗布することによって形成することができる。この塗布
液を構成する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、セ
ルロースエーテル類、セルロースエステル類、ポリアミ
ド、ポリウレタン、カゼイン、ポリグルタミン酸、澱
粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド等が挙げられる。中でも、特開
昭56−21129号公報に記載されているタイプ8−
ナイロンや、特開昭52−7242号公報に記載されて
いる共重合ナイロンをはじめとするポリアミド系樹脂
は、金属との密着性、上塗り層である電荷発生層に対す
る耐溶剤性、塗布液の安定性等の点で優れた材料であ
る。
の向上、画質の向上等のために、下引き層を必要に応じ
て形成してもよい。下引き層は下引き層形成用塗布液を
塗布することによって形成することができる。この塗布
液を構成する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、セ
ルロースエーテル類、セルロースエステル類、ポリアミ
ド、ポリウレタン、カゼイン、ポリグルタミン酸、澱
粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド等が挙げられる。中でも、特開
昭56−21129号公報に記載されているタイプ8−
ナイロンや、特開昭52−7242号公報に記載されて
いる共重合ナイロンをはじめとするポリアミド系樹脂
は、金属との密着性、上塗り層である電荷発生層に対す
る耐溶剤性、塗布液の安定性等の点で優れた材料であ
る。
【0010】下引き層は、上記樹脂単独で構成してもよ
いが、レーザー光のような可干渉性光を散乱させ、干渉
縞の発生を防止するために粉体を分散させてもよい。こ
のような粉体としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエス
テル、ポリスチレン、テフロン、シリコーン樹脂等の有
機系粉末や、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミ
ナ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、ケイ酸
カルシウム、炭酸カルシウム、鉛白、炭酸マグネシウ
ム、リトポン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、
酸化セリウム等の無機系の粉末が挙げられる。これらは
単独または2種以上混合して用いることができる。な
お、後述の導電性粒子は電荷注入性があるので使用する
ことは好ましくない。下引き層形成用塗布液には、上記
の成分の他に、抵抗率を低下させるために、さらに導電
性ポリマー、電子供与または受容性物質、カルボン酸化
合物、スルホン酸化合物、第四級アンモニウム塩等を添
加してもよい。また、粉体の分散性を向上させるため
に、各種の界面活性剤、シランまたはチタネートカップ
リング剤等を添加してもよい。
いが、レーザー光のような可干渉性光を散乱させ、干渉
縞の発生を防止するために粉体を分散させてもよい。こ
のような粉体としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエス
テル、ポリスチレン、テフロン、シリコーン樹脂等の有
機系粉末や、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミ
ナ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、ケイ酸
カルシウム、炭酸カルシウム、鉛白、炭酸マグネシウ
ム、リトポン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、
酸化セリウム等の無機系の粉末が挙げられる。これらは
単独または2種以上混合して用いることができる。な
お、後述の導電性粒子は電荷注入性があるので使用する
ことは好ましくない。下引き層形成用塗布液には、上記
の成分の他に、抵抗率を低下させるために、さらに導電
性ポリマー、電子供与または受容性物質、カルボン酸化
合物、スルホン酸化合物、第四級アンモニウム塩等を添
加してもよい。また、粉体の分散性を向上させるため
に、各種の界面活性剤、シランまたはチタネートカップ
リング剤等を添加してもよい。
【0011】上記各成分の分散方法としては、例えば、
ボールミル、サンドミル、ロールミル等の装置により分
散させる公知の方法が挙げられる。下引き層形成用塗布
液は膜厚0.5〜5μmになるように塗布される。下引
き層の膜厚が厚すぎると、残留電荷が蓄積される原因に
なるので好ましくない。下引き層形成用塗布液に粉体が
分散されている場合には、下引き層の表面は粗面にな
る。その粗度は、Raで0.1〜0.5μm、Rmax で
0.3〜1μm程度が好ましい。粗度が大きくなると、
画質が粗くなる等の障害の原因になる。
ボールミル、サンドミル、ロールミル等の装置により分
散させる公知の方法が挙げられる。下引き層形成用塗布
液は膜厚0.5〜5μmになるように塗布される。下引
き層の膜厚が厚すぎると、残留電荷が蓄積される原因に
なるので好ましくない。下引き層形成用塗布液に粉体が
分散されている場合には、下引き層の表面は粗面にな
る。その粗度は、Raで0.1〜0.5μm、Rmax で
0.3〜1μm程度が好ましい。粗度が大きくなると、
画質が粗くなる等の障害の原因になる。
【0012】本発明においては、導電層または上記下引
き層上に電荷発生層が形成される。電荷発生層は、通常
の機能分離型電子写真感光体において電荷発生層を形成
する際に使用されるものと同様の電荷発生物質が使用さ
れる。電荷発生物質としては、金属または無金属フタロ
シアニン等のフタロシアニン顔料、スクアリリウム化合
物、アズレニウム化合物、ペリレン顔料、インジゴ顔
料、キナクリドン顔料、アントアントロン、臭素化アン
トアントロン、ピランスロン、フラバンスロン等の多環
キノン類、シアニン色素、キサンテン染料などが挙げら
れる。また、種々の結晶構造を有するチタニルフタロシ
アニンおよびアゾ顔料等の高感度の電荷発生物質を使用
することができる。これらの電荷発生物質は、必要に応
じて電荷輸送物質と共に使用することもできる。電荷発
生層は、上記の材料を適当な結着樹脂および溶剤と共に
常法により分散して電荷発生層塗布液を調製した後、導
電層あるいは下引き層の上に塗布し、乾燥して溶剤を除
去することにより形成される。電荷発生層の膜厚は、通
常0.1〜2μmの範囲が適当である。
き層上に電荷発生層が形成される。電荷発生層は、通常
の機能分離型電子写真感光体において電荷発生層を形成
する際に使用されるものと同様の電荷発生物質が使用さ
れる。電荷発生物質としては、金属または無金属フタロ
シアニン等のフタロシアニン顔料、スクアリリウム化合
物、アズレニウム化合物、ペリレン顔料、インジゴ顔
料、キナクリドン顔料、アントアントロン、臭素化アン
トアントロン、ピランスロン、フラバンスロン等の多環
キノン類、シアニン色素、キサンテン染料などが挙げら
れる。また、種々の結晶構造を有するチタニルフタロシ
アニンおよびアゾ顔料等の高感度の電荷発生物質を使用
することができる。これらの電荷発生物質は、必要に応
じて電荷輸送物質と共に使用することもできる。電荷発
生層は、上記の材料を適当な結着樹脂および溶剤と共に
常法により分散して電荷発生層塗布液を調製した後、導
電層あるいは下引き層の上に塗布し、乾燥して溶剤を除
去することにより形成される。電荷発生層の膜厚は、通
常0.1〜2μmの範囲が適当である。
【0013】電荷発生層上には次いで熱軟化層が形成さ
れる。熱軟化層は、電荷輸送物質および熱軟化性樹脂を
含有する塗布液を塗布することによって形成することが
できる。電荷輸送物質としては、電子写真感光体におけ
る電荷輸送層を形成する際に使用される材料と同じもの
を使用することができる。例えば、アントラセン系、ピ
レン系、フェナントレン系等の多環芳香族化合物、イン
ドール系、カルバゾール系、イミダゾール系等の含窒素
複素環を有する化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾ
ン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリフェニ
ルアミン系化合物、スチルベン系化合物、ベンジジン系
化合物などが挙げられる。
れる。熱軟化層は、電荷輸送物質および熱軟化性樹脂を
含有する塗布液を塗布することによって形成することが
できる。電荷輸送物質としては、電子写真感光体におけ
る電荷輸送層を形成する際に使用される材料と同じもの
を使用することができる。例えば、アントラセン系、ピ
レン系、フェナントレン系等の多環芳香族化合物、イン
ドール系、カルバゾール系、イミダゾール系等の含窒素
複素環を有する化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾ
ン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリフェニ
ルアミン系化合物、スチルベン系化合物、ベンジジン系
化合物などが挙げられる。
【0014】また、熱軟化性樹脂としては、ガラス転移
点(Tg)が30〜90℃で、Tg以上の温度における
粘度が102 〜106 ポイズであるような熱可塑性樹脂
が好ましく用いられる。例えば、ポリエチレン、塩化ビ
ニル樹脂、ポリプロピレン、スチレン樹脂、ABS樹
脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリロニ
トリル−スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS
(ASA)樹脂、AES樹脂、繊維素誘導体樹脂、熱可
塑性ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリイソペ
ンテン、ポリn−ブテン、ロジンエステル樹脂等が挙げ
られる。中でも、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸の三元
重合体が好適である。
点(Tg)が30〜90℃で、Tg以上の温度における
粘度が102 〜106 ポイズであるような熱可塑性樹脂
が好ましく用いられる。例えば、ポリエチレン、塩化ビ
ニル樹脂、ポリプロピレン、スチレン樹脂、ABS樹
脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリロニ
トリル−スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS
(ASA)樹脂、AES樹脂、繊維素誘導体樹脂、熱可
塑性ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリイソペ
ンテン、ポリn−ブテン、ロジンエステル樹脂等が挙げ
られる。中でも、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸の三元
重合体が好適である。
【0015】上記成分を適当な溶剤に溶解して調製され
る熱軟化層形成用塗布液は、通常、膜厚が3〜15μm
の範囲になるように塗布される。塗布方法は、電荷発生
層について述べたと同様な塗布方法を採用することがで
きるが、電荷発生層よりも膜厚が厚いので、条件を適宜
変更するかあるいは電荷発生層の場合とは別の塗布法を
採用することもできる。
る熱軟化層形成用塗布液は、通常、膜厚が3〜15μm
の範囲になるように塗布される。塗布方法は、電荷発生
層について述べたと同様な塗布方法を採用することがで
きるが、電荷発生層よりも膜厚が厚いので、条件を適宜
変更するかあるいは電荷発生層の場合とは別の塗布法を
採用することもできる。
【0016】本発明の方法においては、熱軟化層上に導
電性粒子を含有する導電性粒子分散液を塗布し、熱軟化
層の表面近傍に像形成部材表面から導電性粒子の直径の
数倍以内の範囲に導電性粒子を含む導電性粒子層を形成
する。導電性粒子としては、カーボンブラック、ヨウ化
銅、ヨウ化銀、硫化亜鉛、炭化ケイ素等の他に、金属酸
化物等の粒状物が好ましく使用される。特に、酸素欠陥
を含む金属酸化物およびドナーを形成する異種原子を少
量含む金属酸化物等は、導電性が高いので、すなわち電
子正孔対を多く含有するので好ましい。金属酸化物の例
としては、ZnO、TiO2 、SnO2 、In2 O3 、
MoO3 等あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。
異種原子を含む例としては、ZnOに対してはAl、I
n等、TiO2 に対してはNb、Ta等、SnO2 に対
してはSb、Nb、ハロゲン元素等の異種原子を含む金
属酸化物が挙げられる。これらの異種原子の添加量は、
0.01〜30モル%の範囲が適当であり、0.1〜1
0モル%の範囲が特に好ましい。
電性粒子を含有する導電性粒子分散液を塗布し、熱軟化
層の表面近傍に像形成部材表面から導電性粒子の直径の
数倍以内の範囲に導電性粒子を含む導電性粒子層を形成
する。導電性粒子としては、カーボンブラック、ヨウ化
銅、ヨウ化銀、硫化亜鉛、炭化ケイ素等の他に、金属酸
化物等の粒状物が好ましく使用される。特に、酸素欠陥
を含む金属酸化物およびドナーを形成する異種原子を少
量含む金属酸化物等は、導電性が高いので、すなわち電
子正孔対を多く含有するので好ましい。金属酸化物の例
としては、ZnO、TiO2 、SnO2 、In2 O3 、
MoO3 等あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。
異種原子を含む例としては、ZnOに対してはAl、I
n等、TiO2 に対してはNb、Ta等、SnO2 に対
してはSb、Nb、ハロゲン元素等の異種原子を含む金
属酸化物が挙げられる。これらの異種原子の添加量は、
0.01〜30モル%の範囲が適当であり、0.1〜1
0モル%の範囲が特に好ましい。
【0017】導電性粒子のサイズは0.05〜1μmの
範囲が好ましい。導電性粒子のサイズが大きすぎると導
電性粒子が移動し難くなり、一方、小さすぎると帯電し
難くなり、上記範囲が適当である。また、導電性粒子が
薄膜状の場合には、導電性粒子の移動が困難になるので
好ましくない。導電性粒子分散層の膜厚は、導電性粒子
の粒径の2〜5倍程度が好ましく、また、分散層中に占
める導電性粒子の比率は、体積比で2〜20%程度が好
ましい。導電性粒子の比率が高すぎると、粒子同士が接
触するようになり、表面抵抗が減少して画像形成に支障
をきたすようになる。
範囲が好ましい。導電性粒子のサイズが大きすぎると導
電性粒子が移動し難くなり、一方、小さすぎると帯電し
難くなり、上記範囲が適当である。また、導電性粒子が
薄膜状の場合には、導電性粒子の移動が困難になるので
好ましくない。導電性粒子分散層の膜厚は、導電性粒子
の粒径の2〜5倍程度が好ましく、また、分散層中に占
める導電性粒子の比率は、体積比で2〜20%程度が好
ましい。導電性粒子の比率が高すぎると、粒子同士が接
触するようになり、表面抵抗が減少して画像形成に支障
をきたすようになる。
【0018】導電性粒子は熱軟化層の表面に付着してい
るだけでは、粒子の移動が起こらないので、本発明にお
いては、導電性粒子が表面から埋没した状態にすること
が必要である。そのための方法としては、基体ごと熱軟
化層を冷却しながら、(1) 導電性粒子と共に熱軟化層を
構成するものと同じ熱軟化性樹脂を含有する導電性粒子
分散液を用い、塗布によって熱軟化層の表面に熱軟化性
樹脂中に導電性粒子が分散した層を形成する方法、およ
び(2) 熱軟化層に対して溶解性を有する溶剤に導電性粒
子を分散させた導電性粒子分散液を用い、塗布時に熱軟
化層表面近傍の樹脂を溶解させて導電性粒子を埋没させ
る方法が採用できる。これらの導電性粒子分散液には電
荷輸送物質を含有させてもよい。また、導電性粒子の分
散性を向上させるために、界面活性剤、シランカップリ
ング剤、チタネートカップリング剤等の処理剤を含有さ
せてもよい。
るだけでは、粒子の移動が起こらないので、本発明にお
いては、導電性粒子が表面から埋没した状態にすること
が必要である。そのための方法としては、基体ごと熱軟
化層を冷却しながら、(1) 導電性粒子と共に熱軟化層を
構成するものと同じ熱軟化性樹脂を含有する導電性粒子
分散液を用い、塗布によって熱軟化層の表面に熱軟化性
樹脂中に導電性粒子が分散した層を形成する方法、およ
び(2) 熱軟化層に対して溶解性を有する溶剤に導電性粒
子を分散させた導電性粒子分散液を用い、塗布時に熱軟
化層表面近傍の樹脂を溶解させて導電性粒子を埋没させ
る方法が採用できる。これらの導電性粒子分散液には電
荷輸送物質を含有させてもよい。また、導電性粒子の分
散性を向上させるために、界面活性剤、シランカップリ
ング剤、チタネートカップリング剤等の処理剤を含有さ
せてもよい。
【0019】上記(1) の方法によって製造される像保持
部材を図2に示し、(2) の方法によって製造される像保
持部材を図3に示す。図2において、導電性粒子6およ
び溶剤と共に熱軟化性樹脂、所望により電荷輸送物質を
含む導電性粒子分散液を熱軟化層5上に塗布して、導電
性粒子分散層7が積層されている。(1) の方法では、導
電性粒子分散液における熱軟化性樹脂を熱軟化層5にお
けるものと同一としたものであるから、溶剤の蒸発によ
って熱軟化層5と導電性粒子分散層7との境界がなくな
るので好ましい。溶剤としては、熱軟化層に対して溶解
性を有するものでも、溶解性を有しないものでもよい
が、溶解性を有する溶剤を使用する場合には、下記のよ
うに、熱軟化層の溶解が進行しすぎないように注意する
ことが必要である。そのために、本発明の方法は、基体
ごと熱軟化層を冷却することにより溶解性を低下させる
ようにしたものである。
部材を図2に示し、(2) の方法によって製造される像保
持部材を図3に示す。図2において、導電性粒子6およ
び溶剤と共に熱軟化性樹脂、所望により電荷輸送物質を
含む導電性粒子分散液を熱軟化層5上に塗布して、導電
性粒子分散層7が積層されている。(1) の方法では、導
電性粒子分散液における熱軟化性樹脂を熱軟化層5にお
けるものと同一としたものであるから、溶剤の蒸発によ
って熱軟化層5と導電性粒子分散層7との境界がなくな
るので好ましい。溶剤としては、熱軟化層に対して溶解
性を有するものでも、溶解性を有しないものでもよい
が、溶解性を有する溶剤を使用する場合には、下記のよ
うに、熱軟化層の溶解が進行しすぎないように注意する
ことが必要である。そのために、本発明の方法は、基体
ごと熱軟化層を冷却することにより溶解性を低下させる
ようにしたものである。
【0020】図3において、熱軟化層5に対して溶解性
を有する溶剤に導電性粒子6を分散させた導電性粒子分
散液を熱軟化層5上に塗布し、導電性粒子6を含有する
導電性粒子分散層7を積層させている。(2) の方法で
は、溶剤によって熱軟化層5の表面が溶解するので、導
電性粒子6が熱軟化層5の表面近傍に埋没され、導電性
粒子6を含有する導電性粒子分散層7が形成される。そ
の膜厚は粒子径の1〜5倍程度が好ましい。熱軟化層に
対して溶解性を有する溶剤としては、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、アセトン、ブタノン等のケトン
類、酢酸エチル等のエステル、テトラヒドロフランなど
の有機溶剤が挙げられる。その際、溶剤が多すぎるかあ
るいは溶剤の乾燥が遅いと、熱軟化層の溶解が進行しす
ぎて、導電性粒子が熱軟化層の内部深く移動してしまう
ので好ましくない。したがって、塗布後の乾燥には注意
を払い、風乾(指触乾燥)から3〜10秒程度で乾燥す
るように制御することが好ましい。この(2) の方法でも
(1) の方法と同様に、熱軟化層を冷却するものであり、
熱軟化層の溶解性が低下するので、導電性粒子は熱軟化
層の表面近傍だけにとどまる。
を有する溶剤に導電性粒子6を分散させた導電性粒子分
散液を熱軟化層5上に塗布し、導電性粒子6を含有する
導電性粒子分散層7を積層させている。(2) の方法で
は、溶剤によって熱軟化層5の表面が溶解するので、導
電性粒子6が熱軟化層5の表面近傍に埋没され、導電性
粒子6を含有する導電性粒子分散層7が形成される。そ
の膜厚は粒子径の1〜5倍程度が好ましい。熱軟化層に
対して溶解性を有する溶剤としては、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、アセトン、ブタノン等のケトン
類、酢酸エチル等のエステル、テトラヒドロフランなど
の有機溶剤が挙げられる。その際、溶剤が多すぎるかあ
るいは溶剤の乾燥が遅いと、熱軟化層の溶解が進行しす
ぎて、導電性粒子が熱軟化層の内部深く移動してしまう
ので好ましくない。したがって、塗布後の乾燥には注意
を払い、風乾(指触乾燥)から3〜10秒程度で乾燥す
るように制御することが好ましい。この(2) の方法でも
(1) の方法と同様に、熱軟化層を冷却するものであり、
熱軟化層の溶解性が低下するので、導電性粒子は熱軟化
層の表面近傍だけにとどまる。
【0021】本発明おける冷却とは、常温(塗布室の室
温)とされる20〜25℃に対して−10〜20℃程度
に熱軟化層を冷却することをいう。冷却温度が低過ぎる
場合には、空気中からの結露がひどくなるので、低温で
あるほど湿度も低下させておく必要がある。冷却方法と
しては、基体側に冷却したロールを接触させる方法、基
体側および/または熱軟化層側に冷却空気を吹き付ける
方法、さらには塗布ブース全体を冷却してしまう方法等
を採用することができる。また、塗布する導電性粒子分
散液も冷却しておくことが好ましい。
温)とされる20〜25℃に対して−10〜20℃程度
に熱軟化層を冷却することをいう。冷却温度が低過ぎる
場合には、空気中からの結露がひどくなるので、低温で
あるほど湿度も低下させておく必要がある。冷却方法と
しては、基体側に冷却したロールを接触させる方法、基
体側および/または熱軟化層側に冷却空気を吹き付ける
方法、さらには塗布ブース全体を冷却してしまう方法等
を採用することができる。また、塗布する導電性粒子分
散液も冷却しておくことが好ましい。
【0022】次に、本発明の方法により製造される像保
持部材に画像情報を記憶させる像形成方法について、図
4〜図6に基づいて説明する。図4に示すように、像保
持部材1に対してコロナ帯電器8を相対的に移動させ、
表面に負の帯電を施す。それにより、熱軟化層の表面近
傍に埋め込まれた導電性粒子6は、常温で電子正孔対を
有しているので、直ちに表面の負電荷に対して正孔が放
出され、電荷輸送物質を通じて表面電荷を中和する。そ
して、導電性粒子6には負電荷が残留する。なお、この
際、表面電位を測定すると、導電性粒子6が存在しない
場合の80〜95%程度になっている。
持部材に画像情報を記憶させる像形成方法について、図
4〜図6に基づいて説明する。図4に示すように、像保
持部材1に対してコロナ帯電器8を相対的に移動させ、
表面に負の帯電を施す。それにより、熱軟化層の表面近
傍に埋め込まれた導電性粒子6は、常温で電子正孔対を
有しているので、直ちに表面の負電荷に対して正孔が放
出され、電荷輸送物質を通じて表面電荷を中和する。そ
して、導電性粒子6には負電荷が残留する。なお、この
際、表面電位を測定すると、導電性粒子6が存在しない
場合の80〜95%程度になっている。
【0023】次いで、図5に示すように、像保持部材1
に光を照射し、電荷発生層を感光させて画像露光を行
う。光は十分に薄い導電性粒子層7を通過してその大部
分が電荷発生層4に到達する。レーザーダイオード光の
場合には、電子的手段で像様に変調させて露光させる
が、その場合、現像剤を付着させる部分に光を当てれば
よい。それにより、電荷発生層4から正電荷が熱軟化層
5に注入され、熱軟化層5中を輸送されて導電性粒子6
の負電荷を中和する。一方、光が照射されなかった部分
の導電性粒子6には負電荷が残留している。
に光を照射し、電荷発生層を感光させて画像露光を行
う。光は十分に薄い導電性粒子層7を通過してその大部
分が電荷発生層4に到達する。レーザーダイオード光の
場合には、電子的手段で像様に変調させて露光させる
が、その場合、現像剤を付着させる部分に光を当てれば
よい。それにより、電荷発生層4から正電荷が熱軟化層
5に注入され、熱軟化層5中を輸送されて導電性粒子6
の負電荷を中和する。一方、光が照射されなかった部分
の導電性粒子6には負電荷が残留している。
【0024】その後、図6に示すように、像保持部材
(1)を熱によって加熱する。加熱方法としては、加熱
ローラーに通す方法、加熱容器に入れる方法、熱線によ
り加熱する方法等の任意の方法が採用でき、Tg以上の
温度に数秒間加熱する。それにより、負電荷が残留して
いた導電性粒子6は、静電引力により、軟化して粘度が
低下した熱軟化層5中を電極となる基体2側に移動して
いく。一方、加熱により、熱軟化層5の電気抵抗が低下
し、導電性粒子6の電荷は急激に自然放電するので、導
電性粒子6が全て電極側に移動することはなく、粒子の
大きさ、荷電密度のばらつき等により、熱軟化層5中に
まばらに分布して停止する。このようにして、移動した
導電性粒子(移動粒子6a)と移動しなかった導電性粒
子(非移動粒子6b)とを含有する部分が形成される。
次いで、像保持部材(1)を常温に戻せば、画像情報が
記憶された像保持部材1′が得られる。
(1)を熱によって加熱する。加熱方法としては、加熱
ローラーに通す方法、加熱容器に入れる方法、熱線によ
り加熱する方法等の任意の方法が採用でき、Tg以上の
温度に数秒間加熱する。それにより、負電荷が残留して
いた導電性粒子6は、静電引力により、軟化して粘度が
低下した熱軟化層5中を電極となる基体2側に移動して
いく。一方、加熱により、熱軟化層5の電気抵抗が低下
し、導電性粒子6の電荷は急激に自然放電するので、導
電性粒子6が全て電極側に移動することはなく、粒子の
大きさ、荷電密度のばらつき等により、熱軟化層5中に
まばらに分布して停止する。このようにして、移動した
導電性粒子(移動粒子6a)と移動しなかった導電性粒
子(非移動粒子6b)とを含有する部分が形成される。
次いで、像保持部材(1)を常温に戻せば、画像情報が
記憶された像保持部材1′が得られる。
【0025】上記のようにして画像情報が記憶された像
保持部材を用いて複写物を得る電子写真法について説明
する。図7に示すように、画像情報が記憶された像保持
部材1′に対して帯電器8を移動させ、その全面に負の
帯電を施す。それにより、非移動粒子6bが存在する部
分は、図4に示す場合と同様に、導電性粒子に負電荷が
残留し、表面電位は導電性粒子が存在しない場合の85
〜95%程度になる。一方、移動粒子6aが存在する部
分では、電極に近い方の粒子から次々に正電荷が注入さ
れて表面側の負電荷を中和していき、結果的に、表面電
位は導電性粒子が存在しない場合の0〜20%と非常に
低くなる。したがって、一様な全面負帯電のみで、画像
に応じた静電コントラストを有する潜像が形成される。
保持部材を用いて複写物を得る電子写真法について説明
する。図7に示すように、画像情報が記憶された像保持
部材1′に対して帯電器8を移動させ、その全面に負の
帯電を施す。それにより、非移動粒子6bが存在する部
分は、図4に示す場合と同様に、導電性粒子に負電荷が
残留し、表面電位は導電性粒子が存在しない場合の85
〜95%程度になる。一方、移動粒子6aが存在する部
分では、電極に近い方の粒子から次々に正電荷が注入さ
れて表面側の負電荷を中和していき、結果的に、表面電
位は導電性粒子が存在しない場合の0〜20%と非常に
低くなる。したがって、一様な全面負帯電のみで、画像
に応じた静電コントラストを有する潜像が形成される。
【0026】次いで、形成された潜像に対して正帯電性
現像剤を用いて現像を行う。それにより、潜像は可視化
され、常法により転写用紙に転写することによって複写
物を得ることができる。その後、再び帯電をすることに
より、潜像を形成することができる。したがって、画像
露光を行うことなく、連続的に複写を行うことができ
る。なお、複写後は必要に応じてクリーニングを行うこ
ともできる。
現像剤を用いて現像を行う。それにより、潜像は可視化
され、常法により転写用紙に転写することによって複写
物を得ることができる。その後、再び帯電をすることに
より、潜像を形成することができる。したがって、画像
露光を行うことなく、連続的に複写を行うことができ
る。なお、複写後は必要に応じてクリーニングを行うこ
ともできる。
【0027】以下、実施例によって本発明をさらに具体
的に説明する。
的に説明する。
実施例1 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水
化学工業(株)製)を1重量部に対してシクロヘキサノ
ン19重量部の割合で予め溶解した。この溶液8重量部
をx型無金属フタロシアニン1.6重量部およびシクロ
ヘキサノン12.8重量部と混合し、直径約1mmのガ
ラスビーズを分散媒として、サンドミル装置で分散処理
して電荷発生層形成用分散液を調製した。一方、熱軟化
樹脂として、スチレン62重量部、アクリル酸エチル3
6重量部およびアクリル酸2重量部を原料とし、トルエ
ン溶剤中で合成された3元重合体を用意した。この重合
体の重量平均分子量は約8000であり、Tgは48℃
であり、110℃における粘度は28000ポイズであ
った。この3元重合体78重量部と電荷輸送材料として
用いたN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−
トリル)ベンジジン22重量部とをトルエン600重量
部に溶解して熱軟化層形成用溶液を調製した。さらに、
酸化インジウム−酸化錫(ITO)粉末1重量部、上記
三元重合体6重量部、上記電荷輸送材料2重量部、トル
エン50重量部およびブタノール50重量部からなる混
合物をサンドミル装置で処理して導電性粒子分散液を得
た。
化学工業(株)製)を1重量部に対してシクロヘキサノ
ン19重量部の割合で予め溶解した。この溶液8重量部
をx型無金属フタロシアニン1.6重量部およびシクロ
ヘキサノン12.8重量部と混合し、直径約1mmのガ
ラスビーズを分散媒として、サンドミル装置で分散処理
して電荷発生層形成用分散液を調製した。一方、熱軟化
樹脂として、スチレン62重量部、アクリル酸エチル3
6重量部およびアクリル酸2重量部を原料とし、トルエ
ン溶剤中で合成された3元重合体を用意した。この重合
体の重量平均分子量は約8000であり、Tgは48℃
であり、110℃における粘度は28000ポイズであ
った。この3元重合体78重量部と電荷輸送材料として
用いたN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−
トリル)ベンジジン22重量部とをトルエン600重量
部に溶解して熱軟化層形成用溶液を調製した。さらに、
酸化インジウム−酸化錫(ITO)粉末1重量部、上記
三元重合体6重量部、上記電荷輸送材料2重量部、トル
エン50重量部およびブタノール50重量部からなる混
合物をサンドミル装置で処理して導電性粒子分散液を得
た。
【0028】次いで、基体として、蒸着したアルミニウ
ムを導電層とする厚さ50μmのポリエステルフィルム
を用い、図8に示すウェブコーター10により像保持部
材を製造した。図8において、ロール11からフィルム
が供給され、汲み上げロール12により汲み上げられた
塗布液は、フィルムの背面を5℃に冷却した押し当てロ
ール13で押し当てながら塗布ロール14によりフィル
ム表面に塗布される。層の膜厚は塗布液の濃度、塗布ロ
ール14の回転速度等によって制御することができる。
塗布されたフィルムはその後乾燥ゾーン15を通って乾
燥された後、巻き取りロール16に巻き取られる。ま
た、蒸発した溶剤を含む乾燥ゾーン15内の空気は排気
ダクト17から室外へ排出される。
ムを導電層とする厚さ50μmのポリエステルフィルム
を用い、図8に示すウェブコーター10により像保持部
材を製造した。図8において、ロール11からフィルム
が供給され、汲み上げロール12により汲み上げられた
塗布液は、フィルムの背面を5℃に冷却した押し当てロ
ール13で押し当てながら塗布ロール14によりフィル
ム表面に塗布される。層の膜厚は塗布液の濃度、塗布ロ
ール14の回転速度等によって制御することができる。
塗布されたフィルムはその後乾燥ゾーン15を通って乾
燥された後、巻き取りロール16に巻き取られる。ま
た、蒸発した溶剤を含む乾燥ゾーン15内の空気は排気
ダクト17から室外へ排出される。
【0029】このウェブコーターにより、上記ポリエス
テルフィルム上に電荷発生層形成用分散液を50cm/
秒の速度で塗布し、膜厚0.33μmの電荷発生層を形
成した。この上に熱軟化層形成用溶液を50cm/秒の
速度で塗布し、膜厚8μmの熱軟化層を形成した。次い
で、同じくウェブコーターにより、熱軟化層上に導電性
粒子分散液を50cm/秒の速度で塗布し、膜厚0.5
μmの導電性粒子層を形成した。なお、分散液の塗布時
には、ポリエステルフィルムの熱容量は非常に小さいの
で、フィルムが押し当てロールに接触すると瞬時にフィ
ルムは5℃に冷却される。
テルフィルム上に電荷発生層形成用分散液を50cm/
秒の速度で塗布し、膜厚0.33μmの電荷発生層を形
成した。この上に熱軟化層形成用溶液を50cm/秒の
速度で塗布し、膜厚8μmの熱軟化層を形成した。次い
で、同じくウェブコーターにより、熱軟化層上に導電性
粒子分散液を50cm/秒の速度で塗布し、膜厚0.5
μmの導電性粒子層を形成した。なお、分散液の塗布時
には、ポリエステルフィルムの熱容量は非常に小さいの
で、フィルムが押し当てロールに接触すると瞬時にフィ
ルムは5℃に冷却される。
【0030】比較例1 温度コントロールは行わず、すなわち、22℃に保持さ
れた室内に設置され、塗布機器がほぼ同温度にあるウェ
ブコーターにより、熱軟化層上に導電性粒子分散液を4
0cm/秒の速度で塗布した以外は、実施例1と同様に
して像保持部材を製造した。 比較例2 導電性粒子分散液を50cm/秒の速度で塗布した以外
は、比較例1と同様にして像保持部材を製造した。
れた室内に設置され、塗布機器がほぼ同温度にあるウェ
ブコーターにより、熱軟化層上に導電性粒子分散液を4
0cm/秒の速度で塗布した以外は、実施例1と同様に
して像保持部材を製造した。 比較例2 導電性粒子分散液を50cm/秒の速度で塗布した以外
は、比較例1と同様にして像保持部材を製造した。
【0031】以上のようにして製造された各像保持部材
を−800Vになるような条件で負に帯電した。この帯
電により、負電荷がITO粒子に移動し、表面電位は−
750Vになった(図4)。次いで、ダイオードレーザ
ーを用いて12erg/cm2 の強度で像露光を行った
(図5)。その際、フィルムを直径25mmのローラー
上に搬送させながら、その屈曲部にレーザー光を照射す
るようにして、レーザー光の干渉によって画像に縞模様
が生じるのを防止した(特開平1−281475号公報
参照)。その後、暗所において、加熱時間が5秒間とな
るように115℃に保持したヒートロール上にフィルム
を通過させて加熱した。この加熱により、露光されなか
った部分のITO粒子は基体側に移動した(図6)。以
上のようにして、像の書き込みによる記憶を終了した。
次に、各像保持部材の電気特性を測定した。測定項目は
帯電後の露光部と非露光部における表面電位である。そ
の結果を表1に示す。
を−800Vになるような条件で負に帯電した。この帯
電により、負電荷がITO粒子に移動し、表面電位は−
750Vになった(図4)。次いで、ダイオードレーザ
ーを用いて12erg/cm2 の強度で像露光を行った
(図5)。その際、フィルムを直径25mmのローラー
上に搬送させながら、その屈曲部にレーザー光を照射す
るようにして、レーザー光の干渉によって画像に縞模様
が生じるのを防止した(特開平1−281475号公報
参照)。その後、暗所において、加熱時間が5秒間とな
るように115℃に保持したヒートロール上にフィルム
を通過させて加熱した。この加熱により、露光されなか
った部分のITO粒子は基体側に移動した(図6)。以
上のようにして、像の書き込みによる記憶を終了した。
次に、各像保持部材の電気特性を測定した。測定項目は
帯電後の露光部と非露光部における表面電位である。そ
の結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1と比較例1とは同一の結果であっ
たが、塗布速度が実施例1の方が比較例1よりも速いの
で、像保持部材の製造上有利である。一方、比較例2の
像保持部材は各電位が少しずつ劣っており、結果として
コントラストが60Vほど小さくなっていた。これは、
導電性粒子分散液の塗布時に導電性粒子が熱軟化層の内
部にまで埋め込まれていたためである。本発明は、実施
例1に示すように、塗布時に熱軟化層を冷却することに
より、塗布速度を速めることができ、塗布溶剤に基づく
電気特性への影響をなくすことが可能になった。
たが、塗布速度が実施例1の方が比較例1よりも速いの
で、像保持部材の製造上有利である。一方、比較例2の
像保持部材は各電位が少しずつ劣っており、結果として
コントラストが60Vほど小さくなっていた。これは、
導電性粒子分散液の塗布時に導電性粒子が熱軟化層の内
部にまで埋め込まれていたためである。本発明は、実施
例1に示すように、塗布時に熱軟化層を冷却することに
より、塗布速度を速めることができ、塗布溶剤に基づく
電気特性への影響をなくすことが可能になった。
【0034】像情報が記憶された実施例1の像保持部材
を108φmm×340mmのアルミニウムパイプに巻
き付け、−800V帯電、二成分正帯電現像剤による現
像、A4用紙への転写、ブラシクリーニングの各工程を
実施する電子写真複写機に取り付けた。上記複写機を用
いて画像どりを行うと、高コントラストを有する複写像
が得られた。この工程を毎分100枚の速度で繰り返し
実施した。その結果、連続2000枚の複写を行っても
何ら問題がないことが確認された。
を108φmm×340mmのアルミニウムパイプに巻
き付け、−800V帯電、二成分正帯電現像剤による現
像、A4用紙への転写、ブラシクリーニングの各工程を
実施する電子写真複写機に取り付けた。上記複写機を用
いて画像どりを行うと、高コントラストを有する複写像
が得られた。この工程を毎分100枚の速度で繰り返し
実施した。その結果、連続2000枚の複写を行っても
何ら問題がないことが確認された。
【0035】実施例2 ITO粉末に代えて酸化錫−酸化アンチモン(SnO2
−Sb2 O3 )粉末を用いた以外は、実施例1と同様に
して像保持部材を製造した。この像保持部材も実施例1
と同様の電気特性および画像特性を有していた。
−Sb2 O3 )粉末を用いた以外は、実施例1と同様に
して像保持部材を製造した。この像保持部材も実施例1
と同様の電気特性および画像特性を有していた。
【0036】
【発明の効果】本発明の像保持部材の製造方法は、熱軟
化層上に導電性粒子分散液を塗布する際に熱軟化層を冷
却するものであるから、熱軟化層の耐溶剤性が向上し、
高速塗布等のより過酷な条件で塗布することが可能にな
る。
化層上に導電性粒子分散液を塗布する際に熱軟化層を冷
却するものであるから、熱軟化層の耐溶剤性が向上し、
高速塗布等のより過酷な条件で塗布することが可能にな
る。
【図1】 本発明によって製造される像保持部材の縦断
面図である。
面図である。
【図2】 本発明の一実施態様によって製造される像保
持部材の縦断面図である。
持部材の縦断面図である。
【図3】 本発明の他の実施態様によって製造される像
保持部材の縦断面図である。
保持部材の縦断面図である。
【図4】 像保持部材による像形成工程において、像保
持部材表面を帯電させたときの説明図である。
持部材表面を帯電させたときの説明図である。
【図5】 像保持部材による像形成工程において、画像
露光を行うときの説明図である。
露光を行うときの説明図である。
【図6】 像保持部材による像形成工程において、画像
情報を記憶させるときの説明図である。
情報を記憶させるときの説明図である。
【図7】 画像情報が記憶された像保持部材を用いる電
子写真法の説明図である。
子写真法の説明図である。
【図8】 本発明の像形成部材を製造するためのウェブ
コーターの側面図である。
コーターの側面図である。
1…像保持部材、1′…画像情報を記憶した像保持部
材、2…基体、3…導電層、4…電荷発生層、5…熱軟
化層、6…導電性粒子、6a…移動粒子、6b…非移動
粒子、7…導電性粒子分散層、8…コロナ帯電器、10
…ウェブコーター。
材、2…基体、3…導電層、4…電荷発生層、5…熱軟
化層、6…導電性粒子、6a…移動粒子、6b…非移動
粒子、7…導電性粒子分散層、8…コロナ帯電器、10
…ウェブコーター。
Claims (3)
- 【請求項1】 基体の導電性表面に電荷発生層を形成
し、その上に電荷輸送物質および熱軟化性樹脂を含有す
る塗布液を塗布して熱軟化層を形成した後、基体ごと熱
軟化層を冷却しながら、その上に導電性粒子を含有する
導電性粒子分散液を塗布することを特徴とする像保持部
材の製造方法。 - 【請求項2】 導電性粒子分散液が、導電性粒子および
溶剤と共に電荷輸送物質および熱軟化性樹脂のうちの少
なくとも1つを含有する請求項1記載の像保持部材の製
造方法。 - 【請求項3】 導電性粒子分散液における溶剤が、熱軟
化層に対して溶解性を有している請求項1記載の像保持
部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2604193A JPH06222583A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 像保持部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2604193A JPH06222583A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 像保持部材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06222583A true JPH06222583A (ja) | 1994-08-12 |
Family
ID=12182620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2604193A Pending JPH06222583A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 像保持部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06222583A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4865056A (en) * | 1987-01-23 | 1989-09-12 | Japan Tobacco Inc. | Easily breakable plastic capsule and a water filter for a cigarette using the same |
-
1993
- 1993-01-22 JP JP2604193A patent/JPH06222583A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4865056A (en) * | 1987-01-23 | 1989-09-12 | Japan Tobacco Inc. | Easily breakable plastic capsule and a water filter for a cigarette using the same |
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