JP2853362B2 - 像保持部材の製造方法 - Google Patents

像保持部材の製造方法

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JP2853362B2
JP2853362B2 JP8738791A JP8738791A JP2853362B2 JP 2853362 B2 JP2853362 B2 JP 2853362B2 JP 8738791 A JP8738791 A JP 8738791A JP 8738791 A JP8738791 A JP 8738791A JP 2853362 B2 JP2853362 B2 JP 2853362B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱軟化層の表面近傍に
埋め込まれた導電性粒子の熱軟化性樹脂中での移動によ
り画像情報を記憶する像保持部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真複写法は、電子写真感光
体に対して、表面を一様に帯電した後、画像露光を行っ
て、像様に表面電位を減衰させ、次いで、トナー現像
し、用紙に転写するカールソン方式が一般的な方法とし
て広く応用されている。しかしながらこの方式では、画
像を一枚複写するごとに、一回ずつ露光をしなければな
らない。そのため、高速度の複写は、装置が複雑化し、
大型化するという問題があった。
【0003】この点を改善するために、画像情報を電子
写真感光体に記憶させ、一回の画像露光により多数枚の
複写を得る方式が提案されている。例えば、特開昭53
−102037号および特開平2−269357号公報
には、特定の化合物を感光層に添加して、持続性感光体
を得ることが記載されている。しかしながら、画像情報
の記憶時間、複写時のコントラスト等の点で、満足なも
のは得られ難い。一方、米国特許第4883731号明
細書には、感光性粒子が熱軟化層の内部に移動して画像
情報を記憶する感光性原版を用い、多数枚の複写を行う
電子写真方式が記載されている。
【0004】図10〜図17は、その場合を説明する図
であって、これらの図において、80は、感光性原版で
あって、基体81、導電層82、熱により軟化する熱可
塑性樹脂と電荷輸送物質を含む熱軟化層83、および熱
軟化層の表面近傍に埋設されている光により電荷を発生
する感光性粒子84から構成されている。
【0005】この感光性原版を使用するに当たっては、
図10に示すように、まず、コロナ帯電器60により、
表面に一様に負帯電を施す。次いで、図11に示すよう
に、像様の光線61によって画像露光を行う。それによ
り、露光された部分の感光性粒子は、正負の電荷を発生
し、正の電荷が表面に輸送されて表面電荷を中和すると
共に、粒子内には、負の電荷が残留する。次いで、図1
2に示すように、熱線62で加熱すると、感光性粒子中
の荷電粒子は、静電引力により軟化した層中を移動す
る。即ち、加熱により、像に応じて移動した粒子842
を含む部分と、移動せずにそのままの状態に保持された
粒子841を含む部分とに分かれた状態の像保持部材9
0が形成される。
【0006】この様な状態の像保持部材90を用いて複
写を行うには、まず、図13に示すように、コロナ帯電
器71により、表面に一様に正帯電を施す。次いで図1
4に示すように全面に光照射72を行う。それにより、
感光性粒子は、電荷を発生するが、元の位置にある粒子
841を有する部分と、移動した粒子842を有する部
分とでは、電位減衰特性が異なるので、即ち、粒子84
1を有する部分の方が高感度で減衰が速いので、表面電
位に差が生じ、粒子842を有する部分が高電位の潜像
が形成される。次いで、図15に示すようにトナー91
を用いて現像を行い、さらに図16に示すように、転写
帯電器93を用いて、用紙92に転写を行い、用紙92
上にトナー像を形成させる。その後、図17に示すよう
に、除電光94を強く照射することにより、粒子842
を有する部分の電位は減衰して、像保持部材が元の状態
に戻る。
【0007】この像保持部材に対して、図13ないし図
17の工程を繰り返すことにより、画像露光工程を必要
とせずに、帯電と全面照射だけで、多数枚の複写操作を
行うことができる。複写終了後の像保持部材は、不要と
なるので、再び、新しい感光性原版80を準備する。ま
た、図13における一様帯電の際に、負に帯電させた場
合には、次の全面照射72を行うと、粒子842を有す
る部分の表面電荷が減衰し、粒子841を有する部分が
現像されて、図15に示す場合とは、反転したトナー像
が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の感光性原版を用
いる電子写真法は、1回の画像露光で、多数枚の複写を
行う場合に非常に好ましい方法である。しかしながら、
感光性粒子として、セレンが使用されているため、分光
感度がセレンに支配されるという欠点がある。図9は、
感光層の分光感度特性を示すグラフであり、Bがセレン
を用いた感光層の分光感度曲線である。
【0009】近年、画像露光の光源として、像様に変調
されたレーザー光を回転反射鏡で操作する方式が電子技
術の進展に伴って広く普及しており、この場合のレーザ
ー光源としては、波長780nmのレーザーダイオード
を用いることが一般的に行われている。しかしながら、
図9から明らかなように、セレンを用いた感光層は78
0nmに感度を有しないので、この様なレーザー光によ
って画像書き込みを行うことができないという欠点を有
している。さらに、上記電子写真方式では、複写時に、
図14に示すような全面光照射を1枚ごとに繰り返して
行わなければならないという問題があり、画像露光が不
必要であるとはいえ、依然として、工程の簡略化が求め
られている。
【0010】本発明の目的は、波長780nmの光で書
き込み可能であり、一回の画像露光で多数枚の複写を行
うことができる像保持部材の製造方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の像保持部材の製
造方法は、導電性表面を有する基体の導電性表面に、電
荷発生層形成用塗布液を塗布して電荷発生層を形成し、
その上に電荷輸送物質と熱軟化性樹脂を含有する塗布液
を塗布して熱軟化層を形成し、さらにその上に導電性粒
子を含有する導電性粒子分散液を塗布することを特徴と
する。
【0012】次に、本発明について図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明の方法によって製造された
像保持部材の模式的断面図である。10は像保持部材で
あって、基体1の上に導電層2が形成され、その上に電
荷発生層3が設けられている。さらにその上に電荷輸送
物質と熱により軟化する熱軟化性樹脂とからなる熱軟化
層4が設けられている。熱軟化層4の表面近傍には、導
電性粒子5が埋め込まれた状態の導電性粒子分散層が形
成されている。
【0013】本発明の製造方法ににおいて、基体として
は、例えばプラスチックフィルム、紙、金属箔、ガラス
等、電子写真感光体において使用できるものならば、如
何なるものでも使用可能である。またその形状も特に制
限されるものではなく、任意の形状のものが使用可能で
ある。
【0014】基体は、少なくとも導電性表面を有してい
なけらばならない。導電性表面は、導電層を設けること
によって形成してもよい。導電層は、電荷が自由に流れ
るものであれば、如何なるものでもよく、例えば、金属
膜を蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、メ
ッキ法等の方法で形成したり、金属や低抵抗の金属酸化
物等の導電性粒子を樹脂などに分散した導電性塗料を塗
布してもよい。また、基体が導電性である場合には、導
電層を形成する必要はない。
【0015】導電性表面の上には、接着性の向上や、帯
電性の向上、画質の向上等のために、下引き層を設けて
もよい。下引き層は、下引き層形成用塗布液を塗布する
ことによって形成することができるが、塗布液に用いら
れる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、セルロース
エーテル類、セルロースエステル類、ポリアミド、ポリ
ウレタン、カゼイン、ポリグルタミン酸、澱粉、スター
チアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド等があげられる。中でも、特開昭56−21
129号公報に記載されているタイプ8−ナイロンや、
特開昭52−7242号公報に記載されている共重合ナ
イロンを始めとするポリアミド系樹脂は、金属との密着
性、上塗り層である電荷発生層に対する耐溶剤性、塗布
液の安定性等の点で、優れた材料である。
【0016】下引き層は、上記樹脂単独で構成されても
よいが、レーザー光のような可干渉性光を散乱させ、干
渉縞の発生を防止するために粉体を分散させてもよい。
粉体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリ
スチレン、テフロン、シリコーンレジン等の有機系粉末
や、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、硫酸バ
リウム、硫酸カルシウム、カオリン、ケイ酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、鉛白、炭酸マグネシウム、リトポ
ン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウ
ム等の無機系の粉末があげられる。これらは単独または
複数種混合して用いることができる。なお、後述の導電
性粒子は電荷注入性があるので、使用することは好まし
くない。 下引き層形成用塗布液には、上記の成分のほ
か、抵抗率を低下させるために、さらに導電性ポリマ
ー、電子供与または受容性物質、カルボン酸またはスル
ホン酸化合物、4級アンモニウム塩等を添加してもよ
い。また、粉体の分散性を向上させるために、各種の界
面活性剤、シランまたはチタネートカップリング剤等を
添加してもよい。
【0017】上記の各成分の分散方法としては、常法が
使用され、例えば、ボールミル、サンドミル、ロールミ
ル等、常法によって分散させることができる。下引き層
形成用塗布液は、膜厚0.5〜5μmになるように塗布
される。下引き層の膜厚が、厚すぎる場合には、残留電
荷が蓄積される原因になるので好ましくない。下引き層
形成用塗布液に粉体が分散されている場合には、下引き
層の表面は粗面になる。その粗度はRaで0.1〜0.
5μm、Rmax で0.3〜1μm程度が好ましい。粗度
が大きい場合には、画質が粗くなる等、障害の原因にな
る。
【0018】本発明においては、まず、基体の導電性表
面の上に、上記下引き層の形成に続いて、電荷発生層を
形成する。電荷発生層は、通常の機能分離型電子写真感
光体において使用される電荷発生層を形成する場合と全
く同じ材料が使用される。即ち、電荷発生材料として、
金属又は無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔
料、スクエアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペリ
レン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アントア
ントロン、臭素化アントアントロン、ピランスロン、フ
ラバンスロン等の多環キノン類、シアニン色素、キサン
テン染料、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロ
フルオレノン等からなる電荷移動錯体、ピリリウム染料
とポリカーボネート樹脂からなる共晶錯体等が使用さ
れ、また、種々の結晶構造を有するチタニルフタロシア
ニン及びアゾ顔料等の高感度の材料を使用することがで
きる。これらの電荷発生材料は、必要に応じて電荷輸送
材料と共に使用することができる。
【0019】電荷発生層は、上記の材料を適当な結着樹
脂及び溶剤と共に常法により分散して電荷発生層塗布液
を調製した後、導電層または下引き層の上に塗布し、乾
燥して溶剤を除去することにより形成される。塗布方法
は、基体の形状に応じて最適なものを選択すればよく、
ディップコート、スピンコート、スプレーコート、アト
マイザー、ロールコート、バーコート、ダイコート等、
いずれを用いてもよい。 電荷発生層の膜厚は、通常、
0.1〜2μmの範囲に設定される。
【0020】電荷発生層の上には、次いで熱軟化層を形
成する。熱軟化層は、電荷輸送物質と熱軟化性樹脂を含
有する塗布液を塗布することによって形成することがで
きる。 電荷輸送物質としては、電子写真感光体におけ
る電荷輸送層に使用されるものであれば如何なるもので
も使用することができる。例えば、アントラセン、ピレ
ン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドー
ル、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環を有
する化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、ト
リフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物、
スチルベン化合物、ベンジジン化合物等があげられる。
【0021】また、熱軟化性樹脂としては、ガラス転移
点(Tg)が30〜90℃で、Tg以上の温度における
粘度が102 〜106 ポイズであるような熱可塑性樹脂
が好ましく用いられる。例えば、ポリエチレン、塩化ビ
ニル樹脂、ポリプロピレン、スチレン樹脂、ABS樹
脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリロニ
トリル−スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS
(ASA)樹脂、AES樹脂、繊維素誘導体樹脂、熱可
塑性ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリ−4−
メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ロジンエステル
樹脂等があげられ、中でも、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリ
ル酸の三元重合体は、特に好適である。
【0022】上記成分を適当な溶剤に溶解して調製され
塗布液は、通常、膜厚3〜15μmの範囲になるように
塗布される。塗布方法は、電荷発生層について述べたと
同様な塗布方法を用いることができるが、電荷発生層よ
りも膜厚が厚いので、条件を適宜変更するか、或いは電
荷発生層の場合とは別の塗布法を用いることもできる。
【0023】本発明においては、熱軟化層の上に、導電
性粒子を含有する導電性粒子分散液を塗布し、熱軟化層
の表面近傍に、像形成部材表面から導電性粒子の直径の
数倍以内の範囲に導電性粒子を含む層を形成する。本発
明において使用する導電性粒子のサイズは、0.05〜
1μmの範囲のものが好ましい。導電性粒子のサイズが
大きすぎると、導電性粒子が移動し難くなり、また、小
さすぎると、帯電し難くなり、好ましくない。また、導
電性粒子は、薄膜状の形状の場合には、移動が困難にな
るので好ましくない。
【0024】導電性粒子を構成する導電性材料として
は、カーボンブラック、よう化銅、よう化銀、硫化亜
鉛、炭化ケイ素等の他、金属酸化物が好ましく使用され
る。特に、酸素欠陥を含む金属酸化物、および用いられ
る金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少量
含むもの等は、導電性が高いので、即ち、電子正孔対を
多く含有するので好ましい。金属酸化物の例としては、
ZnO、TiO2 、SnO2 、In2 3 、MoO
3 等、或いはこれらの複合酸化物があげられ、異種原子
を含む例としては、ZnOに対してはAl、Inなど、
TiO2 に対してはNb、Ta等、SnO2 に対しては
Sb、Nb、ハロゲン元素等の異種原子を含むものがあ
げられる。これら異種原子の添加量は、0.01〜30
モル%の範囲が好ましく、0.1〜10モル%の範囲が
特に好ましい。
【0025】上記導電性粒子は、熱軟化層の表面に付着
しているだけでは、粒子の移動が起こらないので、本発
明においては、導電性粒子が表面から埋没した状態にす
ることが必要である。その為の方法として、(1) 導電性
粒子分散液として、導電性粒子と共に熱軟化層を構成す
るものと同じ熱軟化性樹脂を含有するものを用い、塗布
によって熱軟化層の表面に熱軟化性樹脂中に導電性粒子
が分散した層を形成する方法、及び、(2) 導電性粒子分
散液として、導電性粒子を熱軟化層に対して溶解性を有
する溶剤に分散させた分散液を用い、塗布時に熱軟化層
の表面を溶解させて、導電性粒子を埋没させる方法が採
用できる。なお、本発明において、これら導電性粒子分
散液には、電荷輸送物質が含有されているのが好まし
い。また、導電性粒子の分散性を向上させる為に、界面
活性剤、シランカップリング剤、チタネートカップリン
グ剤等の処理剤を含有させてもよい。
【0026】なお、導電性粒子を熱軟化層の表面近傍に
埋め込んで導電性粒子層を形成する為には、蒸着法(抵
抗加熱、電子ビーム加熱)、イオンプレーティング法、
グロー放電スパッタ法、イオンビームスパッタ法等のド
ライプロセス等も利用可能であるが、コスト、大量生産
性、大面積化等の点で不利であるので、本発明において
は、塗布方法を使用する。
【0027】図2は、上記(1) の方法によって作成され
た像保持部材を示し、図3は、(2)の方法によって作成
された像保持部材を示す。図2において、基体1の上に
導電層2が形成され、その上に電荷発生層3及び電荷輸
送物質と熱により軟化する熱軟化性樹脂とからなる熱軟
化層4が形成される。熱軟化層4の上に、導電性粒子5
と熱軟化性樹脂及び所望により電荷輸送物質を含む導電
性粒子分散液を塗布して、導電性粒子分散層6が形成さ
れる。導電性粒子分散層の膜厚は、導電性粒子の粒径の
2〜5倍程度が好ましく、また、層中に占める導電性粒
子の比率は、体積比で2〜20%程度が好ましい。導電
性粒子の比率が多すぎると、粒子同士が接触するように
なり、表面抵抗が減少して画像形成に支障を来すように
なる。
【0028】上記の場合、導電性粒子分散液における熱
軟化性樹脂を熱軟化層5におけるものと同一のものとす
ると、溶剤の蒸発によって熱軟化層と導電性粒子分散層
との境界がなくなるので好ましい。溶剤としては、熱軟
化層に対して溶解性を有するものでも、溶解性を有しな
いものでもよいが、溶解性を有するものを使用する場合
には、後述のように、熱軟化層の溶解が進行し過ぎない
ように注意することが必要である。
【0029】図3においては、軟化層4の上に、導電性
粒子分散液として、導電性粒子5を熱軟化層に対して溶
解性を有する溶剤に分散させた分散液を塗布し、導電性
粒子5を含有する層を形成させる。この場合、溶剤によ
って熱軟化層の表面が溶解するので、導電性粒子5が熱
軟化層の表面近傍に埋没され、導電性粒子を含有する層
が形成される。その際、溶剤が多すぎるか、或いは溶剤
の乾燥が遅いと、熱軟化層の溶解が進行し過ぎて、導電
性粒子が熱軟化層の内部深く移動してしまうので好まし
くない。したがって、塗布後の乾燥には注意を払い、風
乾(指触乾燥)から3〜10秒程度で乾燥するように制
御するのが好ましい。
【0030】上記(2) の方法の場合には、図3に模式的
に示すように、表面が多少荒れることがあるが、特に問
題になることはない。なお、導電性粒子の塗布量は、粒
子同士が接触しないような量にする必要がある。
【0031】次に、本発明の方法により作製された像保
持部材を用いて、像情報を記憶させる像形成方法につい
て、図面を參酌して説明する。図4〜図7は、像形成方
法を説明する図面であって、まず、図4に示すように、
像保持部材10に対して、コロナ帯電器60を相対的に
移動させて、表面に負の帯電を施す。それによって、上
記した導電性粒子は、常温で電子正孔対を有しており、
ただちに表面の負電荷に対して正孔が放出されて、電荷
輸送物質を通じて表面電荷を中和する。そして、導電性
粒子の内部には、負電荷が残留する。なお、その際、表
面電位を測定すると、導電性粒子が存在しない場合に比
べて、80〜95%程度になっている。
【0032】次に、図5に示すように、画像露光を行
う。61は電荷発生層を感光させる光であって、これは
十分に薄い導電性粒子層を通過して、その大部分が電荷
発生層3に到達する。レーザーダイオード光の場合に
は、電子的手段で像様に変調させて露光させるが、その
際には、現像剤を付着させる部分に光を当てればよい。
それによって、電荷発生層から正電荷が熱軟化層に注入
され、層中を輸送されて、導電性粒子の負電荷を中和す
る。一方、光が当たらなかった部分の導電性粒子には、
負電荷が残っている。
【0033】その後、図6に示すように、像保持部材
を、熱62によって加熱する。加熱方法としては、加熱
ローラーに通す方法、加熱容器に入れる方法、熱線によ
り加熱する方法等の任意の方法が採用でき、Tg以上の
温度に数秒間加熱する。それにより、負電荷が残留して
いた導電性粒子は、軟化して粘度が低下した熱軟化層中
を、静電引力により、電極となる基体側に移動してい
く。一方、加熱により、熱軟化層の電気抵抗が低下し
て、導電性粒子の電荷は、急激に自然放電するので、導
電性粒子が全て電極側に移動することはなく、粒子の大
きさ、荷電密度のばらつき等により、熱軟化層中にまば
らに分布して停止する。このようにして、移動した導電
性粒子(移動粒子52)を含有する部分が形成される。
次いで、像保持部材を常温に戻せば、画像情報が記憶さ
れた像保持部材20が得られる。
【0034】次に、上記のようにして画像情報が記憶さ
れた像保持部材を用いて複写物を得る電子写真方法につ
いて説明する。図7に示すように、画像情報が記憶され
た像保持部材に対して、その全面に負の帯電を施す。そ
れにより、移動しなかった導電性粒子(非移動粒子5
1)が存在する部分は、図4に示す場合と同様に、導電
性粒子に負電荷が残留し、表面電位は、導電性粒子が存
在しない場合の85〜95%程度になる。一方、移動し
た導電性粒子(移動粒子52)が存在する部分では、電
極に近い方の粒子から次々に正電荷が注入されて、表面
側の負電荷を中和して行き、結果的に、表面電位は、導
電性粒子が存在しない場合に比べて、0〜20%と、非
常に低くなる。したがって、一様な全面負帯電のみで、
画像に応じた静電コントラストを有する潜像が形成され
る。
【0035】形成された潜像に対して、正帯電性現像剤
を用いて現像を行う。それによって潜像は可視化され、
次いで、常法により、転写用紙に転写することによって
複写物を得ることができる。
【0036】その後、再び帯電をすることにより図7に
示すように潜像を形成することができ、したがって、画
像露光を行うことなく、連続的に複写を行うことができ
る。なお、複写後は、必要に応じてクリーニングを行う
こともできる。
【0037】
【実施例】
実施例1 基体として、アルミニウムを蒸着した導電層を有する厚
さ50μmのポリエステルフィルムを用いた。シクロヘ
キサノン19重量部にあらかじめポリビニルブチラール
樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)1
重量部を溶解した溶液8重量部を、X型無金属フタロシ
アニン1.6重量部およびシクロヘキサノン12.8重
量部と混合し、直径約2mmのガラスビーズを分散媒と
して、ペイントシェーカーによって約1時間分散処理を
行った。得られた分散液を、導電性上にワイヤーバーに
より塗布し、100℃で10分間乾燥し、膜厚0.3μ
mの電荷発生層を形成した。
【0038】一方、スチレン62重量部、アクリル酸エ
チル36重量部、アクリル酸2重量部を出発原料とし、
トルエンを溶剤として合成された重量平均分子量約80
00の3元重合体を用意した。この重合体のTgは48
℃であり、110℃における粘度は28000ポイズで
あった。この重合体78重量部と電荷輸送材料:N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニ
ル)-[1,1′−ビフェニル]−4,4′ジアミン22
重量部とを、トルエン500重量部に溶解した。得られ
た溶液を、上記電荷発生層の上に、ワイヤーバーで塗布
し、110℃で15分間乾燥し、膜厚8μmの熱軟化層
を形成した。この熱軟化層は、電荷輸送層としての機能
を果たすものであって、その分光感度を測定したとこ
ろ、図9における曲線Aで示される結果が得られ、波長
780nmの部分で十分な実用感度を有していることが
確認された。
【0039】次に、酸化錫−酸化インジウム(ITO)
粉末1重量部、上記三元重合体6重量部、上記電荷輸送
材料2重量部、トルエン50重量部及びブタノール50
重量部からなる混合物を、ボールミルで処理し、分散液
を得た。分散後の粒子の平均粒径は0.35μmであっ
た。この分散液を、上記熱軟化層の上に、ワイヤーバー
にて、乾燥後の膜厚が0.6μmになるように塗布し
た。形成された像保持部材は、図2に示す断面構造を有
するものであった。
【0040】この像保持部材を−800Vになるような
条件で負に帯電した。それにより、負電荷がITO粒子
に移動し、表面電位は−750Vになった。(図4)次
に、ダイオードレーザーを用いて、12エルグ/cm2
の強度で像露光を行った(図5)。その際、フィルムを
直径25mmのローラー上を搬送させながら、その屈曲
部において、レーザー光を照射するようにして、レーザ
ー光の干渉によって画像に縞模様が生じるのを防止し
た。(特開平1−281475号公報参照)その後、暗
所において、115℃に保持したヒートロール上に、フ
ィルムを、加熱時間が5秒間になるように通過させ、過
熱処理を行った。それにより、露光されなかった部分の
ITO粒子は、基体側に移動した。(図6)以上のよう
にして、像の書き込みによる記憶を終了した。
【0041】得られた像情報が記憶された像保持部材
を、108φmm×340mmのアルミニウムパイプに
巻き付け、−800V帯電、二成分正帯電現像剤による
現像、A4用紙への転写、ブラシクリーニングの各工程
を実施する電子写真複写機に取り付けた。図7に示され
るように、帯電器60で帯電させ、移動粒子52を含有
する部分が−20Vの表面電位を、また、非移動粒子5
1を含有する部分が−750Vの表面電位を有する潜像
を形成した。この潜像を二成分正帯電現像剤により現像
し、転写することによって、高コントラストを有する複
写像が得られた。この工程を毎分100枚の速度で、繰
り返し実施した。その結果、連続2000枚の複写を行
っても、何等問題がないことが確認された。
【0042】実施例2 実施例1で用いたITO粉末の代わりに、酸化錫−酸化
アンチモン(SnO2 −Sb2 3 )粉末を用いた以外
は、実施例1と全く同様にして像保持部材を製造した。
なお、粉末の分散後の平均粒径は0.28μmであっ
た。
【0043】実施例3 実施例1で用いた電荷発生材料であるX型無金属フタロ
シアニンの代わりに、下記構造式で示されるペリレン系
顔料を用いた以外は、実施例1と全く同様にして像保持
部材を製造した。
【0044】
【0045】得られた像保持部材を使用する際、波長6
80nmのダイオードレーザーを用いて像露光を行っ
た。それ以外は、実施例1と同様に処理したところ、高
速複写を行うことが可能であった。
【0046】実施例4 フィルムへの塗布をウエブコーターにより連続的に行っ
た。図8は、ウエブコーターの側面図であって、フィル
ムは、ロール16から供給され、塗料汲み上げロール1
3と塗布ロール12により、塗布液をフィルム表面に塗
布し、乾燥ゾーン14を通って乾燥させ、巻き取りロー
ル15に巻き取られる。17は押し当てロール、18は
排気ダクトである。膜厚は、塗布液の濃度、塗布ロール
の回転速度等によって制御することができる。このウエ
ブコーターにより、実施例1におけると同様の基体およ
び材料を用いて、電荷発生層は30cm/秒、熱軟化層
は20cm/秒、また、導電性粒子分散層は40cm/
秒の速度でそれぞれ塗布を行い、長さ100mの塗布フ
ィルムを得た。この方法により、像保持部材を大量に製
造することができた。また、得られた像保持部材は、実
施例1の場合におけると同様に使用することができた。
【0047】実施例1におけると同様にして電荷発生層
および熱軟化層を形成した。次に、ITO粉末1重量部
をトルエン20重量部、塩化メチレン40重量部からな
る溶剤に加え、ボールミルで分散処理した。その際、シ
ランカップリング剤(商品名:A1100、日本ユニカ
ー社製)0.05重量部を分散性向上のために添加し
た。分散後のITO粒子の平均粒径は、0.25μmで
あった。得られた分散液を、ワイヤーバーにて熱軟化層
の上に塗布した。風乾時間3秒の後、さらに20秒おい
てから、100℃で10分間乾燥した。溶剤として用い
た塩化メチレンは、熱軟化層に対して強い溶解性を有し
ているので、熱軟化層の表面は短時間、溶解状態になっ
ていて、ITO粒子が熱軟化層の表面近傍に浸入する
が、塩化メチレンの蒸発速度が非常に速いので、その状
態はわずか3秒程度であった。その為、ITO粒子は、
熱軟化層の内部中央にまで侵入することはなく、表面近
傍に埋没した状態になった。得られた像保持部材も、実
施例1におけると同様に使用することができた。
【0048】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を有するから、1
回の画像露光で多数枚の複写を高速かつ連続的に行うこ
とが可能な像保持部材を、容易かつ大量に製造すること
ができる。また、製造に際して、電荷発生材料を選択す
ることにより、幅広い露光光源に対して適用できる像保
持部材を作製することが可能になり、例えば、波長78
0nmのダイオードレーザーに対して使用可能な像保持
部材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によって作成された像保持部材の模式
的断面図である。
【図2】 本発明の実施例によって作成された像保持部
材の断面図である。
【図3】 本発明の他の実施例によって作成された像保
持部材の断面図である。
【図4】 本発明によって作成された像保持部材による
像形成工程の説明図である。
【図5】 本発明によって作成された像保持部材による
像形成工程の説明図である。
【図6】 本発明によって作成された像保持部材による
像形成工程の説明図である。
【図7】 本発明によって作成された像保持部材を用い
る電子写真法の説明図である。
【図8】 本発明の像形成部材を製造するためのウエブ
コーターの側面図である。
【図9】 感光層の分光感度特性を示すグラフである。
【図10】 従来の像保持部材を用いる像形成工程の説
明図である。
【図11】 従来の像保持部材を用いる像形成工程の説
明図である。
【図12】 従来の像保持部材を用いる像形成工程の説
明図である。
【図13】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図14】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図15】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図16】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【図17】 従来の像保持部材を用いる電子写真法の説
明図である。
【符号の説明】
1…基体、2…導電層、3…電荷発生層、4…熱軟化
層、5…導電性粒子、6…導電性粒子分散層、10…像
保持部材、20…画像情報を記憶した像保持部材、51
…非移動粒子、52…移動粒子、60…コロナ帯電器、
61…光、62…熱。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性表面を有する基体の導電性表面
    に、電荷発生層形成用塗布液を塗布して電荷発生層を形
    成し、その上に電荷輸送物質と熱軟化性樹脂を含有する
    塗布液を塗布して熱軟化層を形成し、さらにその上に導
    電性粒子を含有する導電性粒子分散液を塗布することを
    特徴とする像保持部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性粒子分散液が、導電性粒子と共に
    電荷輸送物質および/または熱軟化性樹脂を含有する請
    求項1に記載の像保持部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性粒子分散液における溶剤が、熱軟
    化層に対して溶解性を有している請求項1に記載の像保
    持部材の製造方法。
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