JPH07287475A - 像形成部材および像形成方法 - Google Patents

像形成部材および像形成方法

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JPH07287475A
JPH07287475A JP12323194A JP12323194A JPH07287475A JP H07287475 A JPH07287475 A JP H07287475A JP 12323194 A JP12323194 A JP 12323194A JP 12323194 A JP12323194 A JP 12323194A JP H07287475 A JPH07287475 A JP H07287475A
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JP12323194A
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English (en)
Inventor
Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透過光を利用する可視像が直接形成できる像
形成部材、およびそれを用いて可視像を形成する画像形
成方法を提供する。 【構成】 本発明の像形成部材は、透明導電性基体表面
に、直接または電荷発生層を介して、熱軟化性樹脂と電
荷輸送材料を含有する熱軟化層を設け、その表面近傍に
黒色導電性粒子が埋め込まれた導電性粒子分散層が存在
している。上記像形成部材のうち、電荷発生層を有する
場合は、表面に負帯電を施して黒色導電性粒子を電荷さ
せ、次いで画像露光を行って露光部の粒子の電荷を放電
させ、その後加熱して荷電している黒色導電性粒子を熱
軟化層中で移動させ、移動粒子と非移動粒子とによる可
視像を形成する。電荷発生層を有しない場合は、表面に
負帯電を施して黒色導電性粒子を荷電させ、次いでサー
マルヘッドまたはレーザー光により画像に応じて加熱し
て黒色導電性粒子を熱軟化層中で移動させ、移動粒子と
非移動粒子とによる可視像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナー現像することな
く顕像を形成することができる像形成部材およびそれを
用い、可視像を形成する像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、先に特開平5−72749
号公報および特開平5−241480号公報等におい
て、導電性基体表面に電荷発生層を設け、その上に、熱
軟化性樹脂と電荷輸送材料を含有する熱軟化層を形成
し、その表面近傍に、導電性粒子が埋め込まれて導電性
粒子分散層が形成された像保持部材を提案した。この像
保持部材によれば、一回の画像露光により像を記憶し、
その後は画像露光を行わずに多数枚の連続複写を行うこ
とができる。すなわち、像保持部材に一様に負帯電を施
し、画像露光を行った後、加熱することによって導電性
粒子を熱軟化層中で移動させて画像情報が記憶された像
保持部材を形成する。この画像情報が記憶された像保持
部材は、画像露光を行うことなく単に帯電を施すのみで
静電潜像が形成されるので、形成された静電潜像をトナ
ーを用いて可視化した後、トナー像を転写用紙に転写す
る操作を繰り返し実施すれば、多数枚の複写を連続して
得ることができるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の像形
成部材を使用する場合、像保持部材上に形成されるのは
可視コントラストがないか、または極めてコントラスト
の低い可視像が形成されているにすぎないので、その像
形成部材をトナー現像を施すことなく直接に透過光を利
用する用途に使用することができなかった。本発明は、
従来の技術における上記のような問題点を解決すること
を目的としてなされたものである。本発明の目的は、透
過光を利用する可視像が直接形成できる像形成部材を提
供することにある。本発明の他の目的は、この像形成部
材を用いて可視像を形成する画像形成方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、像形成部
材上の潛像を可視化すべく鋭意検討した結果、基体とし
て透明なものを用い、導電性粒子として黒色の材料を用
いると、移動粒子と非移動粒子との間で可視コントラス
ト(可視像)が形成され、上記目的を達成できることを
見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の第1の
像形成部材は、透明導電性基体表面に、電荷発生層を設
け、その上に熱軟化性樹脂と電荷輸送材料を含有する熱
軟化層を設け、その表面近傍に黒色導電性粒子が埋め込
まれた導電性粒子分散層が存在していることを特徴とす
る。本発明の第2の像形成部材は、透明導電性基体表面
に、熱軟化性樹脂と電荷輸送材料を含有する熱軟化層を
設け、その表面近傍に黒色導電性粒子が埋め込まれた導
電性粒子分散層が存在していることを特徴とする。ま
た、本発明の第1の像形成方法は、上記第1の像形成部
材の表面に負帯電を施して黒色導電性粒子を電荷させ、
次いで画像露光を行って露光部の粒子の電荷を放電さ
せ、その後加熱して荷電している黒色導電性粒子を熱軟
化層中で移動させて、移動粒子と非移動粒子とによる可
視像を形成することを特徴とする。また、本発明の第2
の像形成方法は、上記第2の像形成部材の表面を負帯電
して黒色導電性粒子を荷電させ、次いでサーマルヘッド
またはレーザー光により画像に応じて加熱して黒色導電
性粒子を熱軟化層中で移動させ、移動粒子と非移動粒子
とによる可視像を形成することを特徴とする。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。図1
(a)は、本発明の第1の像形成部材の一例の模式的断
面図を示し、図1(b)は、第2の像形成部材の一例の
模式的断面図を示す。第1の像形成部材は、電荷発生層
を有するものであって、像形成部材1は、透明基体2上
に透明導電層3が形成され、その上に電荷発生層4、熱
軟化層5が順次積層されている。熱軟化層5の表面近傍
には、黒色導電性粒子6が埋め込まれた状態の導電性粒
子分散層7が形成されている。また、第2の像形成部材
は、電荷発生層を有しないものであって、像形成部材1
0は、透明基体2上に透明導電層3が形成され、その上
に熱軟化層5が積層されている。熱軟化層5の表面近傍
には、黒色導電性粒子6が埋め込まれた状態の導電性粒
子分散層7が形成されている。
【0006】上記の像形成部材において、透明基体2と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル類等より形成さ
れた透明な合成樹脂フィルムが使用される。透明導電層
3は、導電層として、インジウム、錫酸化物(ITO)
薄膜のごとき透明材料が用いられる。これらは、蒸着
法、スパッタリング法、プラズマCVD法、メッキ法等
の方法によって透明状態が保持されるような膜厚に形成
すればよい。また、透明基体自体が導電性を有する場合
には、導電層を形成する必要はない。透明基体の導電性
表面上には、帯電性および画質の向上等のために、下引
き層を形成してもよい。下引き層を形成する材料は、透
光性を阻害しない材料であることが必要であり、例え
ば、ナイロン、PVA、セルロース、カゼイン、ポリビ
ニルメチルエーテル等の樹脂が使用される。
【0007】その上に形成される電荷発生層は、透光性
のものであって、通常の有機感光体(OPC)のものと
同じものを用いればよい。すなわち、電荷発生材料とし
ては、金属または無金属フタロシアニン等のフタロシア
ニン顔料、スクアリリウム化合物、アズレニウム化合
物、ペリレン顔料、アントアントロン、臭素化アントア
ントロン、ピランスロン、フラバンスロン等の多環キノ
ン類が使用される。ただし、本発明の場合、結着樹脂と
相溶する染料、または、膜厚を非常に薄くしても有効な
材料が好適である。電荷発生層は、これらの電荷発生材
料を必要に応じて電荷輸送材料とともに結着樹脂中に分
散し、塗布することによって形成することができる。ま
た、上記電荷発生材料を蒸着した膜や非晶質ケイ素の蒸
着膜等も使用することができる。電荷発生層の膜厚は、
透光性を阻害しない範囲で、0.01〜0.5μmが適
当である。
【0008】熱軟化層は電荷輸送材料および熱軟化性樹
脂より構成される。電荷輸送材料としては、OPC感光
体における電荷輸送層に使用されるものであれば何如な
るものでもよい。例えば、アントラセン系、ピレン系、
フェナントレン系等の多環芳香族化合物、インドール
系、カルバゾール系、イミダゾール系、ピラゾリン系等
の含窒素複素環化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニ
ルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物、スチルベ
ン化合物、ベンジジン化合物等が挙げられる。ただし、
これ等の化合物は、無色ないし淡色のもの、特に無色透
明材料であるのが好ましい。熱軟化性樹脂としては、ガ
ラス転移点(Tg)が30〜90℃で、Tg以上の温度
における粘度が10〜105 パスカル秒であるような熱
可塑性樹脂が好ましく用いられる。例えば、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、
ABS樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ア
クリロニトリル−スチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
AAS(ASA)樹脂、AES樹脂、繊維素誘導体樹
脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポ
リ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ロジン
エステル樹脂等が挙げられる。中でも、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル−アクリル酸の三元重合体が特に好適である。熱軟化
層の膜厚は、通常3〜15μmの範囲が適当である。
【0009】熱軟化層の表面近傍、すなわち、表面から
導電性粒子の直径の数倍以内に黒色導電性粒子の単層ま
たは複数層が形成される。黒色導電性粒子のサイズは
0.05〜1μmが好ましい。黒色導電性粒子として
は、カーボンブラック、チタンブラック、Fe3 4
MoO3 等の粒子が挙げられる。また、これらの粒子お
よびその他の黒色粉体を核として、SnO2 系の淡色導
電材料を表面に被膜した黒色導電性粒子を用いてもよ
い。これらの黒色導電性粒子が熱軟化層の表面近傍に埋
め込まれた状態の導電性粒子分散層を形成する方法とし
ては、電荷輸送材料を含む熱軟化性樹脂溶液に黒色導電
性粒子を分散させ、その分散液を熱軟化層上に塗布する
方法があげられる。
【0010】次に、本発明の像形成方法について説明す
る。図2〜4は、本発明の上記第1の像形成部材を用い
て像を形成する方法を説明するものである。まず、図2
に示すように、像形成部材1に負帯電を施す。帯電は、
コロナ帯電器8による方法のほか、帯電ロールや帯電ブ
ラシを用いた接触帯電方法を用いてもよい。熱軟化層5
の表面近傍に埋め込まれた黒色導電性粒子6は、常温で
電子正孔対を有しているので、帯電により、ただちに表
面の負電荷に対して正孔が放出され、電荷輸送材料を通
じて表面電荷を中和する。そして、黒色導電性粒子6に
は負電荷が残留する。
【0011】次いで、図3に示すように、像形成部材に
光を照射し、電荷発生層を感光させて、画像露光を行
う。像形成部材の表面には導電性粒子分散層7が存在す
るため、光9が弱められるので、露光強度はその分だけ
強めることが好ましい。なお、光照射部分に黒色の画像
が形成されるので、画像露光には陰画(白黒反転像)を
照射しなければならないが、レーザーダイオード光を電
気的に変調して露光する方式が好ましい。なお、導電性
粒子分散層7を通過する光が非常に弱くて感光しにくい
場合は、基体裏面から露光を行うことが有効である。す
なわち、透明基体2も透明導電層3も本発明では透明材
料を用いているので、基体裏面から露光すると、光は弱
められることなく電荷発生層4に到達するのである。こ
の場合の画像としては、表面から露光する画像の鏡像に
するのは勿論である。なお、形成される像が陰画である
ことが望まれる場合には、陽画を露光すればよい。露光
された電荷発生層4から正電荷が熱軟化層5に注入さ
れ、熱軟化層5中を輸送されて黒色導電性粒子6の負電
荷を中和する。一方、光が照射されなかった部分の黒色
導電性粒子6には負電荷が残留する。
【0012】その後、図4に示すように、像形成部材1
を熱11によって加熱する。加熱方式としては、加熱ロ
ーラに通す方法、加熱容器に入れる方法、熱線により加
熱する方法等の任意の方法が採用でき、Tg以上の温度
に数秒間加熱する。それにより、負電荷が残留している
黒色導電性粒子6は、静電力により、軟化して粘度が低
下した熱軟化層5中を電極となる基体2側に移動してい
く。このようにして、移動した黒色導電性粒子(移動粒
子6a)と移動しなかった黒色導電性粒子(非移動粒子
6b)と含有する部分が形成される。次いで、像形成部
材1を常温に戻せば、コントラストを有する画像が形成
される。すなわち、画像は、非移動粒子6bの存在部分
が黒色であり、一方、移動粒子6aの存在部分は粒子
が、熱軟化層内部にばらばらに存在するようになるの
で、両者間で濃淡のコントラストが生じるようになる。
したがって、移動粒子6aの存在部分は、もはや黒色で
はなくなり、白く見えるようになる。
【0013】次に、本発明の第2の像形成部材を用いる
場合について説明する。図5〜6は、本発明の上記第2
の像形成部材を用いて像を形成する方法を説明するもの
である。電荷発生層を有しない像形成部材10への像形
成方法は、図5に示すように、先ずコロナ帯電器8によ
り帯電を行った後、図6に示すように、画像を白くした
い部分にのみ熱11を加えて加熱を行う。このような加
熱方法としては、サーマルヘッドによる加熱やレーザー
光の照射による加熱等の方法が挙げられる。加熱された
部分の導電性粒子は図4と同様に基体側に移行する。電
荷発生層を有しない像形成部材は、電荷発生層による着
色がないので、濃淡コントラストがより良好になるとい
う利点がある。
【0014】本発明の上記第1および第2の像形成部材
に画像を形成したものは、そのまま透過光を利用する用
途に使用することができる。例えば、OHP(オーバー
ヘッドプロジェクター)フィルムとして使用することが
でき、その場合、トナーで現像した従来のOHPフィル
ムの場合よりも解像度が高いという利点を有している。
また、本発明の像形成部材の他の用途としては、PS版
等の印刷原版を作製する際の露光フィルムが挙げられ
る。本発明の像形成部材をこの用途に用いる場合、従来
用いられている銀塩フィルムに比較して、コストが低い
ので、銀塩フィルムに置き換えることが可能になる。し
かも、電荷発生層に高感度フタロシアニンを使用すれ
ば、半導体レーザーによって露光することも可能であ
り、露光フィルムの作製を簡略化することができるとい
う利点もある。図7は、図1の像形成部材について、画
像形成された状態のものを透過光で使用する場合を説明
する図である。光9は透明基体の下側(或いは上側)か
ら照射されるが、移動粒子6aの存在部分では、光の透
過量が多いのに対し、非移動粒子6bの存在部分では、
光の透過量が少なく、両者間に可視コントラストが生じ
る。
【0015】本発明の上記第1および第2の像形成部材
は、上記のように画像が形成されたものをそのまま利用
してもよいが、静電コントラスト(潛像)を利用して、
電子写真法による多数枚連続複写方式に使用することも
できる。図8は、画像形成された像形成部材をプリント
モードで使用する際の帯電工程の説明図である。図8に
示すように、画像形成された像形成部材(電荷発生層は
存在していなくてもよい)に負帯電を施す。それによ
り、非移動粒子6bが存在する部分は、図2に示す場合
と同様に、黒色導電性粒子に負電荷が残留する。一方、
移動粒子6aが存在する部分では、電極に近い方の粒子
から次々に正電荷が注入されて表面側の負電荷を中和し
ていき、結果的に、表面電位は黒色導電性粒子が存在し
ない場合の0〜20%と非常に低くなる、したがって、
一様な全面負帯電のみで、画像に応じた静電コントラス
トを有する潛像が形成される。次いで、形成されて潛像
に対して正帯電性現像剤を用いて現像を行う。それによ
り、潛像は可視化され、常法により転写用紙に転写する
ことによって複写物を得ることができる。その後、再び
帯電をすることにより、潛像を形成することができる。
この方法によれば、画像露光を行うことなく、連続的に
複写を行うことができる。なお、複写後は必要に応じて
クリーニングを行うこともできる。
【0016】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明する。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味す
る。 実施例1 透明導電性基体として、ITOスパッタ膜の導電層を有
する厚さ50μmのポリエステルフィルムを用いた。共
重合ナイロン(CM8000、東レ社製)5部をメタノ
ール40部およびブタノール60部に溶解し、得られた
溶液を上記透明導電性基体上にワイヤーバーにより塗布
し、100℃で10分間乾燥して膜厚0.5μmの下引
き層を形成した。 次いで、ポリビニルブチラール樹脂
(BM−S、積水化学社製)の2%シクロヘキサノン溶
液に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(特開平
5−263007号公報参照)をPB比2:1となるよ
う混合し、サンドミルにて3時間の分散を行った。分散
液を酢酸n−ブチルによって更に希釈して、下引き層上
に塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.03
μmの電荷発生層を形成した。この電荷発生層は、顔料
自体が淡い青緑色であり、更に、高感度の特徴を利用し
て超薄膜に形成されているので、着色は非常に小さかっ
た。一方、スチレン62部、アクリル酸エチル36部お
よびアクリル酸2部を原料とし、トルエンを溶剤として
合成された重量平均分子量約8000の三元重合体を用
意した。この三元重合体78部と電荷輸送材料としての
N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリ
ル)ベンジジン22部とをトルエン500部に溶解し、
得られた溶液を電荷発生層上にワイヤーバーにより塗布
し、110℃で15分間乾燥して膜厚8μmの熱軟化層
を形成した。次いで、黒色導電性粒子として、平均粒径
約0.3μmのチタンブラック(M−1、石原産業社
製)1部、上記三元重合体6部、上記電荷輸送材料2
部、トルエン50部およびブタノール50部からなる混
合物をボールミルで処理して分散液を得た。この分散液
を熱軟化層上にワイヤーバーにより乾燥後の膜厚が1.
1μmになるように塗布して、導電性粒子分散層を形成
し、像形成部材を作製した。
【0017】次に、図2に示すようにして、像形成部材
を−600Vになるような条件で帯電させた後、原稿の
黒部が発光し、原稿の白地部が消光するように、ダイオ
ードレーザービームにより変調して画像露光を行った。
その後、暗所において115℃に保持したヒートロール
上を5秒間かけて通過させ、加熱処理を行った。それに
より、露光されなかった部分の粒子は基体側に移動し、
画像形成が行われた。得られた像形成部材の黒色部(非
移動粒子部)は白色光透過率が約10%、白色部(移動
粒子部)は、白色光透過率が約70%であった。白色部
は完全な白色ではないが、黒色部とのコントラストは十
分であり、OHPフィルムとして使用することができ
た。なお、解像度は、32本/mm(1600dpi)
の見分けが可能なものであった。このような高解像度
は、高密度の画像形成に有用であり、従来の電子写真プ
リンターでは出力不可能であるような高解像度の画像を
得ることが可能になった。次に、得られた像形成部材を
図8に示すように負帯電させたところ、粒子移動部は−
170V、非移動部は−600Vに帯電された。この静
電コントラストを利用して、電子写真法により、トナー
現像して連続複写方式(ゼロプリンター)に適用するこ
とができた。なお、この場合の解像度は現像システムで
決まるが、通常は8本/mm(400dpi)程度であ
った。
【0018】実施例2 透明導電性基体として、ITOスパッタ膜の導電層を有
するポリエステルフィルムを用いた。その上に、タイプ
8ナイロン(ラッカマイド5003、大日本インキ化学
社製)のメタノールブタノール溶液を塗布して、膜厚1
μmの下引き層を形成した。この上に実施例1と同じ電
荷発生層と熱軟化層、および導電性粒子分散層を形成し
た。次に得られた像形成部材を−600Vに帯電させた
後、15mmφのロール上で屈曲させた状態でダイオー
ドレーザーにより画像露光を行った。その後、暗所にお
いて115℃に保持したヒートロール上を5秒間かけて
通過させ、加熱処理を行った。それにより、露光されな
かった部分の黒色導電性粒子は基体側に移動して、画像
形成が行われた。得られた像形成部材は透過光で使用可
能であり、高解像度のOHPフィルムとして使用するこ
とができた。
【0019】実施例3 実施例2において、画像露光を基体下側から行うように
したところ、露光強度は約1/3でよかった。
【0020】実施例4 透明導電性基体として、ITOスパッタ膜の導電層を有
するポリエステルフィルムを用いた。その上に、タイプ
8ナイロン(ラッカマイド5003、大日本インキ化学
社製)のメタノールブタノール溶液を塗布して、膜厚1
μmの下引き層を形成した。この上に実施例1と同じ熱
軟化層、および導電性粒子分散層を形成した。次に得ら
れた像形成部材を−600Vに帯電させた後、サーマル
ヘッドにより150℃に加熱した。それにより加熱され
た部分の黒色導電性粒子は基体側に移動して、画像形成
が行われた。得られた像形成部材は透過光で使用可能で
あり、高解像度のOHPフィルムとして使用することが
できた。
【0021】
【発明の効果】本発明の像形成部材は、上記した像形成
方法により、トナーで現像せずに直ちに透過光で利用可
能な可視像を得ることができる。そのため解像度の非常
に高い画像を得ることができるという利点がある。した
がって、本発明によれば、高密度、高精細な画像の形成
が可能であり、またその保管ができるようになるという
効果を奏する。また、本発明の像形成部材は、透過光で
使用するので、OHPフィルムや印刷原版作製時の露光
フィルムとして好適に使用される。その場合、レーザー
ダイオードにより直ちにフィルムを作製でき、高解像度
を有するほか、銀塩フィルムを用いる場合に比べてコス
トダウンや現像にかかる時間の大幅短縮を図ることがで
きるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の像形成部材の実施例の模式的断面図
である。
【図2】 電荷発生層を有する像形成部材の帯電工程の
説明図である。
【図3】 像形成部材に画像を書き込む工程の説明図で
ある。
【図4】 像形成部材を加熱して画像を形成させる工程
の説明図である。
【図5】 電荷発生層を有しない像形成部材の帯電工程
の説明図である。
【図6】 電荷発生層を有しない像形成部材への像形成
方法の説明図である。
【図7】 画像形成された像形成部材を透過光で利用す
る説明図である。
【図8】 画像形成された像形成部材をプリントモード
で使用する際の帯電工程の説明図である。
【符号の説明】
1…像形成部材、2…透明基体、3…透明導電層、4…
電荷発生層、5…熱軟化層、6…黒色導電性粒子、6a
…移動粒子、6b…非移動粒子、7…導電性粒子分散
層、8…コロナ帯電器、9…光、10…電荷発生層を有
しない像形成部材、11…熱。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明導電性基体表面に、電荷発生層を設
    け、その上に熱軟化性樹脂と電荷輸送材料を含有する熱
    軟化層を設け、その表面近傍に黒色導電性粒子が埋め込
    まれた導電性粒子分散層が存在していることを特徴とす
    る像形成部材。
  2. 【請求項2】 透明導電性基体表面に、熱軟化性樹脂と
    電荷輸送材料を含有する熱軟化層を設け、その表面近傍
    に黒色導電性粒子が埋め込まれた導電性粒子分散層が存
    在していることを特徴とする像形成部材。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の像形成部材の表面に負帯
    電を施して黒色導電性粒子を電荷させ、次いで画像露光
    を行って露光部の粒子の電荷を放電させ、その後加熱し
    て荷電している黒色導電性粒子を熱軟化層中で移動させ
    て、移動粒子と非移動粒子とによる可視像を形成するこ
    とを特徴とする像形成方法。
  4. 【請求項4】 画像露光を基体表面から行うことを特徴
    とする請求項3記載の像形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の像形成部材の表面に負帯
    電を施して黒色導電性粒子を荷電させ、次いでサーマル
    ヘッドまたはレーザー光により画像に応じて加熱して黒
    色導電性粒子を熱軟化層中で移動させ、移動粒子と非移
    動粒子とによる可視像を形成することを特徴とする像形
    成方法。
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