JP2533926B2 - 像形成部材の作製方法 - Google Patents

像形成部材の作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は一般に像形成装置に関し、さらに詳細には、
改良されたマイグレーション像形成部材、および該改良
されたマイグレーション−像形成部材を用いる静電印刷
複写法に関する。
印刷/複写技術においては、後の印刷工程で使用する
ためのマスターを作製する種々の技術が開発されてい
る。リトグラフまたはオフセット印刷は周知の確立され
た印刷方法である。一般には、リトグラフは像形成領域
と非像形成領域の印刷性における異なる性質に依存する
印刷用プレートからの印刷方法である。通常のリトグラ
フにおいては、リトグラフ中間体を先ずハロゲン化銀膜
上に原像から作製し;次いで、印刷用プレートを上記中
間体を介して強いUV光と接触露光させている。UV露光は
印刷用プレートの露光領域を親水性またはインク受容性
にし;非露光領域は化学処理によって洗い落して疎水性
またはインク反発性とする。その後、印刷インクを印刷
用プレートに適用し、インク像をオフセットロールに転
写し、そこで実際の印刷が行なわれる。リトグラフ印刷
は高品質プリントと高印刷速度を与えるけれども、この
方法は費用高の中間体フィルムと印刷用プレートの使用
を必要とする。さらに、その作製に著しい費用と時間を
要し、多くの場合、高熟練労働者と厳格な加工制御基準
を必要とする。さらに不利な点は印刷加工中に所望の結
果を得るために必要な適切な水対インクのバランスを得
るための印刷用プレスのセットアップが困難なことであ
る。これは最初の受け入れ可能なプリントを得るのに一
層のコスト増大および時間の遅れをもたらす。
上記の問題は数種のカラー分離像を同じ受け入れ媒体
上に重複させる場合の高品質カラープリントの製造にお
いて特に重大となる。費用高な印刷用プレートの作製と
プレス操作に伴う高コストと複雑さ故に、カラープルー
フィングを用いてカラー分離成分から標本としての仮の
プリント(いわゆるプルーフ)を形成させて使用者に最
終印刷が所望の結果を正確に再生しているかどうかを決
定させている。多くの場合、分離成分は使用者を満足さ
せるには繰返しの交換を必要としている。使用者がその
結果に満足した場合にのみ、各カラー分離成分を有した
印刷用プレートが作製されプレス操作において最終的に
使用される。カラープルーフィング装置の例は1972年E.
I.デュポン社によって導入されたクロマリン(CROMALI
N)であり、印刷工業において広範に使用されている。
この装置は紙にラミネートさせた感光性粘着性フォトポ
リマー層よりなる。フォトポリマー層はカラー分離成分
を通してUV源下に接触露光させる。露光領域は重合して
その粘着性を喪失するが、非露光領域は粘着性のままで
ある。次いで、トナーが適用されて粘着性領域に付着す
る。プルーフィングおよびプレス操作においては極めて
異なる方法を用いるので、プルーフは最良でもプレスシ
ートを疑似し得るのみである。さらに、カラープルーフ
の作製は時間を要する方法である(例えば、クロマリン
用プルーフで約30分)。
静電複写印刷法はもう一つの周知の印刷方法である。
通常の静電複写印刷においては、静電潜像を、可視光へ
のレンズ連成露光またはレーザースキャニングによっ
て、通常の感光体上に先ず形成させ;この静電像をトナ
ー付し;次いでこのトナー像を受け入れ部材に転写させ
る。この方法は熟練性および労働コストが少なくて済み
操作の容易さと印刷安定性という利点を与えるけれど
も、商業的印刷で必要とするような高品質と高印刷速度
の2つの条件が納得できるコストで同時にかつ容易には
満され得ない。何故ならば、高品質を与えかつある種の
人為的結果を回避するためには、極めて高画像−構成分
子密度(picture−element density)も必要とするから
である。新しい像が、例えば、各プリント毎の感光体に
描かれる場合、高速と高密度のための条件は電子バンド
幅および変調速度と多角形回転速度(レーザースキャニ
ングを用いた場合)を含むであろうし、これらは予知可
能な将来においては納得できるコストで入手できる様子
は殆んどない。この問題を直接的方法で克服するような
技術も存在しない。通常の静電複写印刷に関する問題に
は像形成的露光を高速度で連続的に繰返す必要性もあ
る。
静電印刷はもう1つの静電複写印刷法である。概念的
には、静電印刷は上記の問題を極めて簡単な方法で克服
する。静電印刷は多数のコピーをマスタープレートまた
は円筒体から印刷する静電印刷法である。マスタープレ
ートは薄い電気絶縁性コーティングの形で像を刷り込ん
だ金属シートである。マスタープレートは光工学法また
は静電複写法によって作製できる。原像から、シングル
静電印刷用“マスター”を、例えば、30〜60秒でゆっく
りと作製できる。この像形成材料は、典型的には、光工
学または静電複写俸いよって作製された絶縁領域の像形
成パターンを有する電導体であり;像形成領域と像形成
なしの領域で異なる電荷アクセプタンスを有する。即
ち、一般的には、マスタープレートの像形成表面は所望
の像形状に相応する電気絶縁と背景に対応する導電性領
域を含む。この静電印刷用マスターは、その後、均一に
帯電させ;電荷は絶縁領域にのみ補足されて残り、続い
てこの静電像をトナー付する。紙にトナー転写し必要に
応じてクリーニングしたのち、帯電−トナー付−転写−
クリーニングの工程を高速で繰返す。原理的には、繰返
しの像形成的露光なしで、静電複写法の簡素性、安定性
および品質の多くを保持することは可能である。追加の
利点としては、同じ領域を繰返しトナー付けするので、
クリーニング工程を用いる必要はない。しかも、通常の
トナーを用いて、比較し得る磁力記録法を用いる方法で
遭遇するようなカラー浸透の欠如問題を回避し得る。静
電潜像の高対比電位および高解像力は静電印刷によって
製せられた書類の印刷品質を決定する重要な特徴であ
る。しかしながら、これらの従来技術の静電印刷法は悪
質のプリントを生ずることが見い出されていた。何故な
らば、金属伝導体上の絶縁像はその環境近くで十分かつ
均一には帯電できないからである。対比電位が絶縁像の
境界に沿って蓄積するにつれて、絶縁像領域からの周辺
電解は電荷装置(通常はコロナ電荷装置である)からの
獲得イオンを隣接の導電性背景領域に反発する。これは
低対比電位のみならず貧弱なプリント品質をもたらす。
さらに、ある幾つかの静電印刷法はマスターおよび/ま
たは最終静電印刷製品を製造するのに多くの処理工程と
複雑な装置を必要とする。また、ある静電印刷法はマス
ターの像形成領域中または非像形成領域中の物質の面倒
な光化学的処理および除去を必要とする。
L.キャリーラに付与された米国特許第3,574,614号に
は、静電印刷用マスターをブロッキング用電極と注入用
電極(その1つの透明である)の間の光電気泳動像形成
性懸濁液(この懸濁液は絶縁性キャリヤー液中の複数の
光電気泳動性粒子を含む)の層に電場を適用することに
よって形成し、上記懸濁液を電磁線に透明電極を通して
像形成的に露光して各電極表面上に相補像を形成させ
(露光粒子が注入用電極からブロッキング電極に移行す
る)、像の1つを伝動性基体に転写し、この像付着基体
に有機絶縁性バインダーを均一に適用して像形成および
非像形成の両領域内のバインダー厚が1〜20μmの範囲
となるようにすることからなる静電印刷法が開示されて
いる。この静電印刷法は像付着基体の表面に電磁線の存
在下に均一な電荷を適用して非像形成領域(光電気泳動
性粒子のない領域)に相応する静電残留電荷像を形成さ
せ、この残留電荷像を現像し、現像剤を残留電荷像から
コピーシートに転写すること、および上記帯電、現像お
よび転写の各工程を繰返すことからなる。また、絶縁性
バインダーは両電極間に液体混合物を挿入する前に光電
気泳動性粒子の分散体を緊密に混合してもよい。光電気
泳動性粒子が移行する領域は絶縁性となり静電荷を支持
し得るようになる。大きな問題は伝導性基体に直接支持
させた絶縁像は、その周縁部近くを、周縁電場が獲得イ
オンを接地基体に誘導するので、帯電させ得ないことで
ある。かかる方法のもう一つの欠点はこれらの方法が液
状の光電気泳動性の像形成用懸濁液を用いてマスターを
作製する必要がある点である。さらに、マスター作製方
法が極端に複雑で、電極の1つの除去、相補像の1つの
伝導性基体への転写、および有機絶縁性バインダーの伝
導性基体への適用を含むことである。このような複雑な
マスター作製方法は使用者にとって不利でありプリント
品質に悪影響を与え得る。また、静電印刷用マスターと
して使用する前に像を乾燥する追加の時間を必要とす
る。
米国特許第3,574,614号に記載された液状光電気泳動
性の像形成用懸濁液系と異なり、固形の像形成部材がド
ライマイグレーション系用に開発されている。
ドライマイグレーション像形成部材は特許文献、例え
ば、1975年9月30日に発行された米国特許第3,909,262
号および第1976年8月17日に発行された米国特許第3,97
5,195号において広く開示されている(これらの米国特
許の記載はすべて本明細書に引用する)。これらのマイ
グレーション像形成系の典型的な態様においては、基
体、軟化性材料層、および感光性マーキング材料とを含
むマイグレーション像形成部材を、先ず、上記部材を帯
電させ帯電させた部材を光のような活性化用電磁照射像
に露光することにより静電像を形成することによって像
形成させる。上記の感光性マーキング材料が、本質的
に、上記軟化性層の上部表面と連続する破壊性層の形で
ある場合、上記部材の露光領域内のマーキング粒子は、
部材を上記軟化性層を軟化することによって現像すると
きに、基体に向って深部に移行する。
本明細書で使用するときの“軟化性”なる表現はより
透過性とすることができるそれによって粒子をその嵩を
通して移行させ得る任意の材料を意味するものとする。
通常、そのような材料の透過性を変化させあるいはマイ
グレーションマーキング材料の移行(マイグレーショ
ン)に対する抵抗を低減させるのは、例えば、熱、水蒸
気、部分溶媒、溶媒蒸気、溶媒およびこれらの組合せと
の接触のような方法による溶解、膨潤化、溶融または軟
質化によって、あるいは上記軟化性材料の粘度を任意の
適当な手段によって低減させることによって行う。
本明細書で使用するときの“破壊性”層または材料な
る用語は現像中に破壊し得それによってこの層の一部を
基体に移行せしめるかさもなくば除去せしめ得る任意の
層または材料を意味するものとする。この破壊性層はマ
イグレーション像形成部材の種々の実施態様において粒
状であることが好ましい。マーキング粒子のそのような
破壊性層は、典型的には、基体から離れている軟化性層
表面に連続しており、またそのような破壊性層は像形成
部材の種々の実施態様において軟化性層中に実質的にあ
るいは全体的に埋込み得る。
本明細書で使用するときの“連続”なる表現は、実際
に接触していること;軽く接触していること;接触して
ないけれども接近していること;および隣接しているこ
とを意味するものとし、軟化性層中のマーキング材料の
破壊性層の基体から離れている転化性層表面に対する関
係を包括的に述べるものとする。
本明細書で使用するときの“光学的に符合保持(opit
ically sigh−retained)”なる表現はマイグレーショ
ン像形成部材上に形成された可視像の暗(高光学密度)
および明(低光学密度)領域が使用した任意の原紙上の
像の暗および明領域に相応するこをと意味するものとす
る。
本明細書で使用するときの“光学的に符号逆転(opit
ically sign−reveresd)”なる表現はマイグレーショ
ン像形成部材上に形成された暗領域が原紙上の像の明領
域に相応し、マイグレーション像形成部材上に形成され
た明領域が使用した原紙上の像の暗領域に相応すること
を意味するものとする。
本明細書で使用するときの“光学対比密度”なる表現
は最高光学密度(Dmax)と最小光学密度(Dmin)との差
を意味するものとする。光学密度は、本発明の目的にお
いては、青色ラットン(Wratten)No.94フィルターを有
する拡散密度計で測定する。本明細書で使用するときの
“光学密度”なる表現は“透過性光学密度”を意味する
ものとし、次式: D=log10〔lo/1〕 (式中、1は透過光強度であり、loは照射光強度であ
る) で示される。本発明の目的において、本発明で使用する
透過光学密度の値はすべて約0.2の基体密度を包含し、
これは金属処理ポリエステル基体の典型的な密度であ
る。
非感光性または不活性マーキング粒子を上記の破壊性
層中に配列させあるいは軟化性層中に分散させてなる他
のそのような像形成系も、前記各米国特許に記載されて
いるように、存在しており、またこれらの米国特許をマ
イグレーション像形成部材上に潜像を形成するのに使用
できる種々の方法も開示している。
種々の潜像現像手段がマイグレーション像形成系にお
いて使用できる。これらの現像法には、溶媒洗浄除去
法、溶媒蒸気軟化法、熱軟化法、およびこれら方法の組
合せ、並びに粒状マーキング粒子の軟化性層を介しての
移行に対する軟化性材料の抵抗性を変化させ基体へ向け
ての深部粒子の像形成的移行を可能にする他の任意の方
法がある。溶媒洗浄除去法即ち負(マイナス)現像法に
おいては、光照射領域のマイグレーションマーキング粒
子が軟化し溶解された軟化性層を通って基体に移行し、
単分子層形状に再充填する。透明基体のみで支持された
マイグレーション像形成性フィルムにおいては、この領
域が未処理フィルムの初期光学密度と同様に高い最高光
学密度を示す。一方、未露光領域のマイグレーションマ
ーキング粒子は実質的に洗浄除去されて、この領域は本
質的に基体単独の光学光度である最小光学密度を示す。
従って、現像の像感は光学的に符号逆転、即ち、正対負
またはその逆となる。種々の方法、材料およびその組合
せが、以前から、そのような未定着マイグレーション像
の定着に使用されている。加熱、または蒸気軟化現像法
においては、露光領域内のマイグレーションマーキング
粒子は現像後軟化性層の深部に移行し、この領域は典型
的に0.6〜0.7の範囲にあるDminを示す。この比較的高い
Dminは他方の未変化マイグレーションマーキング材料の
深い分散の直接の結果である。一方、未露光領域内のマ
イグレーションマーキング粒子は移行せずに元の形状
で、即ち、単分子層中に実質的に残存する。透明基体に
支持されたマイグレーション像形成用フィルムにおいて
は、この領域は約1.8〜1.9の最高光学密度を示す。従っ
て、加熱または蒸気現像像の像感は符号保持性、即ち、
正対正または負対負である。
蒸気現像により光学的に符号逆転像形成を行う技術は
考案されているが、これらの技術は一般に複雑であり、
臨界的に調整されたプロセス条件を必要とする。そのよ
うな技術は、例えば、米国特許第3,795,512号に記載さ
れている。
多くの像形成用途において、正原像から負像をまたは
負原像から正像を形成させること、即ち、好ましくは、
低最小光学密度でもって光学的に符号逆転像を形成させ
ることである。負即ち溶媒洗浄除去現像法は低最小光学
密度で光学的に符号逆転像を形成するけれも、これらの
方法はマイグレーション像形成部材からの材料の除去を
含み、摩耗から大いにまたは全体的に保護されていない
像形成部材を残存させる。種々の方法および材料が従来
から用いられてそのような未定着マイグレーション像を
オーバーコーティングしているが、現像後のオーバーコ
ーティングは実際的でない費用高であり使用者にとって
不利である。さらに、現像中、マイグレーション像形成
部材からの洗浄流出液の廃棄も含めて費用高である。
像形成部材の背景部分は、時には、凝集および融合作
用によって透明化され得る。この系においては、電気的
に感光性のマイグレーションマーキング材料の破壊性層
を含む軟化性層を含む像形成部材は、1つの方法態様に
おいて、該部材を静電的に帯電させ、該部材を活性化溶
電磁線の像形成パターンに露光し、軟化性層を数秒間溶
媒蒸気にさらすことによって軟化させそれによって前以
って活性化用照射に露光させた領域の軟化性層中のマイ
グレーション材料の深部での選択的移行を起させること
によって像形成させる。蒸気現像した像は、次いで、加
熱工程に供する。露光粒子は、露光の結果として実質的
な正味電荷(典型的には、85〜90%の付着表面電荷)を
獲得するので、露光粒子は、溶媒蒸気にさらしたとき
に、基体に向って軟化性層の深部に実質的に移行し、か
くして光学密度の劇的な低下を生ずる。この領域の光学
密度は1.8〜1.9(約0.2の基体密度を含む)の初期値に
較べて蒸気にさらしたのちは典型的に0.7〜0.9(約0.2
の基体密度を含む)の範囲にある。非露光領域では、表
面電荷は蒸気暴露によって放電する。その後の加熱工程
は非露光領域内の移行してなく帯電してないマイグレー
ション材料を多くの場合マーキング材料粒子の融合に伴
って凝集させ、それによって0.25〜0.35範囲の極めて低
い最小光学密度のマイグレーション像(非露光領域内
で)を与える。即ち、最終像の対比密度は典型的には0.
35〜0.65の範囲である。また、マイグレーション像は、
加熱し次いで溶媒蒸気へ暴露しさらに第2加熱工程に供
することによっても形成でき、この方法によっても極め
て低い最小光学密度の光学密度を有するマイグレーショ
ン像が得られる。この像形成方式並びに前述した加熱ま
たは蒸気現像法においては、軟化性層は現像後実質的に
無傷のままであり、像はマーキング材料粒子が軟化性層
内に補足されているので自己定着する。
本明細書で使用するときの“凝集”なる用語は、粒子
の個性の損失なしに、以前は実質的に分離している粒子
の集合および付着として定義する。
本明細書で使用するときの“融合”なる用語は、球状
のような低エネルギー形状への上記凝集物の形状の変化
を通常伴う、そのような粒子のより大きい単位への融合
として定義する。
一般的には、マイグレーション像形成部材の軟化性層
は摩耗および外部汚染に対しての感受性によって特徴付
けされる。破壊性層は軟化性層の表面または表面近くに
存在させるので、摩耗により、破壊性層の幾分かはフィ
ルムの製造中または使用中に容易に除去され得、最終像
に悪影響を及ぼす。指紋のような外部汚染も最終像中に
現われる欠陥を生ずる。さらにまた、軟化性層は、複数
部材を重ねたときまたはマイグレーション像形成材料を
貯蔵または輸送用にロール巻きしたときに、マイグレー
ション像形成部材のブロッキングを起しがちである。ブ
ロッキングは、通常、分離するとき、対象物に劣化をも
たらす。
摩耗および外部汚染に対する感受性は米国特許第3,90
9,262号に開示されているもののようなオーバーコーテ
ィングを形成することによって低減し得る。しかしなが
ら、各現像法におけるマイグレーション像形成機構が異
なり、さらにこれらの機構は軟化性層表面の電気的性質
並びに表面からの電荷注入、軟化性層を介しての電荷移
送、感光性粒子による電荷捕捉および感光性粒子からの
電荷放出等を包含する種々の電気的プロセスの複雑な相
互作用に臨界的に依存しているので、軟化性層へのオー
バーコートの適用は、しばしば、上記プロセスの微妙な
バランスの変化を生じさらにオーバーコーティングなし
のマイグレーション像形成部材と比較して写真特性の低
下をきたす。著しく、写真対比密度は低下する。最近、
マイグレーション像形成部材およびこれらマイグレーシ
ョン像形成部材上で像形成する方法における改良がなさ
れて来ている。これらの改良されたマイグレーション像
形成部材および方法はドミニックS.Ngに付与された米国
特許第4,536,458号およびマンC.タムに付与された米国
特許第4,536,457号に記載されている。
従来技術 1971年4月3日付にてL.カレイラに付与された米国特
許第3,574,614号は、光電気泳動性像形成性懸濁液の層
をブロッキング用電極と注入用電極間に適用された電場
に供し(電極の1つは透明であり、上記懸濁液は絶縁性
キャリヤー液中の複数の光電気泳動性粒子を含む)、上
記懸濁液を透明電極を介して電磁線に像形成的に露光さ
せて各電極表面上に相補的像を形成させ(露光粒子が注
入用電極からブロッキング用電極に移行する)、像の1
つを伝導性基体に転写し、この像付着基体に有機絶縁性
バインダーを均一に適用して像形成および像形成なしの
両領域内のバインダー厚さガ1〜20μmであるように
し、像付着基体表面に電磁線の存在下に均一な電荷を適
用して像形成なしの領域(光電気泳動性粒子のない領
域)に相応する静電残留電荷像を形成させ、この残留電
荷像を現像し、残留電荷像からの現像剤をコピーシート
に転写し、さらに、上記の帯電、現像および転写の各工
程を繰返すことからなる方法を開示している。また、絶
縁性バインダーは両電極間に液状混合物を混入する前に
光電気泳動性粒子の分散体と緊密に混合させてもよい。
光電気泳動性粒子が移行する領域は絶縁性となりまた静
電荷を支持し得るようになる。
1985年8月20日付けでドミニックS.Ngに付与された米
国特許第4,536,458号は基体と該基体上の電気絶縁性軟
化性層とを含み、この軟化性層が基体から離れている該
軟化性層の少なくとも表面または表面近くに存在させた
マイグレーションマーキング粒子と電荷移送分子とを含
むマイグレーション像形成部材を開示している。このマ
イグレーション像形成部材は、静電的に帯電させ、像形
成的に活性化用照射に露光し、軟化性層中の深部のマー
キング材料の移行に対する抵抗性を、少なくともマーキ
ング粒子の移行を可能にしそれによってマーキング材料
が像形状で基体に向けて移行するのに十分なように、溶
媒蒸気への暴露または加熱によって低減させることによ
って現像させている。軟化性層の好ましい厚さは約0.7
〜2.5μmであり、それよりも厚いまたは薄い層も使用
できる。
1985年8月20日付にてM.C.タムに付与された米国特許
第4,536,457号は、基体および該基体上の電気絶縁性軟
化性層を含み、該軟化性層が該基体から離れた該軟化性
層の少なくとも表面または表面近くに存在させたマイグ
レーションマーキング材料および電荷移送分子とを含む
マイグレーション像形成部材(例えば、米国特許第4,53
6,458号に記載されている像形成部材)を均一に帯電さ
せ、像形成的に活性化用照射に露光させる方法を開示し
ている。軟化性層中のマーキング材料の移行に対する抵
抗を、その後、溶媒蒸気の適用によって十分に低下させ
てマーキング材料の深部での基体に向けてのわずかの移
行を像形状に行い、さらに、軟化性層中のマーキング材
料の移行に対する抵抗を加熱によって十分に低下させて
露光されていないマーキング材料を凝集させ融合せしめ
る。好ましい厚さは約0.5〜2.5μmであるが、それより
厚いまたは薄い層も使用できる。
1951年11月20日付でR.シャッフェルトに付与された米
国特許第2,576,047号は、例えば、金属ドラム上にコー
ティングされた像形状の絶縁パターンを静電的に帯電さ
せ、その後、現像剤粉末で現像させることからなる静電
印刷装置および方法を開示している。得られた絶縁パタ
ーン上の粉末像は受け入れ部材に静電的に転写する。絶
縁性パターンはクリーニングされ再使用される。
1976年7月6日付ではR.ガンドラッヒに付与された米
国特許第3,967,818号は前以って校合した情報の校合コ
ピーセット用の複写装置を開示している。静電印刷用マ
スターは逆方向にも移動し得るマスタースクロールとし
て使用できる。このマスターは静電的に帯電させ、現像
し、得られたトナー像を受け入れ部材に転写している。
1973年10月16日付でR.ガンドラッヒに付与された米国
特許第3,765,330号は同じ材料の凹凸面を有する伝導性
基体とレリーフ面に接触し凹面には接触なしでまたいで
いる電気抵抗性材料の層とを含む印刷用マスターを用い
る静電印刷方式を開示している。均一電荷を上記印刷用
マスターに適用して抵抗性材料がレリーフ面に接触して
いる放電領域と抵抗性材料が凹面をまたいでいる帯電領
域を形成させる。次いで、印刷用マスターは現像され
て、現像した像を転写シートに静電的に転写させてい
る。
1983年10月4日付でE.Satoに付与された米国特許第4,
407,918号は、単一像から複数コピーを作製するための
電子写真法および装置を開示している。伝導性基体、該
基体上に適用された第1の光導電性層、該第1光導電性
層上に適用された電荷保持性絶縁層および該電荷保持性
層上に適用された第2光導電性層とを含む感光性部材が
記載されている。この感光性部材を均一に負極性に帯電
させ可視光に露光する。コピーすべき原稿の像を投影さ
せ、その間、感光性部材を生帯電させる。次いで、感光
性部材を可視光および紫外線に露光させ、それによって
電荷保持性層に帯電潜像を捕捉している。
1985年5月21日付でナカヤマに付与された米国特許第
4,518,668号はリトグラフ印刷用プレートの作製方法を
開示している。感光性層と光導電性絶縁層とを含む感光
性材料を像形成的に露光させ処理して光導電性絶縁性層
上に静電潜像を形成させている。像は次いで荷電した不
透明現像剤粒子によって現像する。この現像をその下の
感光性リトグラフマスター層の接触露光に用いている。
1985年5月28日付でタヅキ等に付与された米国特許第
4,520,089号は基材紙を含み、その一面ににセリサイト
製の裏打ちコーティング層を有する電子写真オフセット
マスターを開示している。基材紙の他の面は光導電性の
プレコート層と接着剤とを有している。このマスターは
光導電体の像形成的露光、その後の現像および定着を行
うことによって作製される。
1985年8月6日付でウィンクルマンに付与された米国
特許第4,533,611号は、帯電像を光導電性層およびその
上の絶縁性フィルム上に形成させることを含む平版印刷
用プレートの作製方法を開示している。この像をその後
現像し印刷用プレートに転写している。
これらの従来技術の方法には多くの欠点が存在する。
例えば、ある従来技術の静電印刷法は、前述したような
周縁電場によって生ずるその貧弱な解像能力故に、貧弱
な像品質を与える。ある静電印刷法は、マスターおよび
/または最終静電印刷製品を作製するのに数多くの加工
工程と複雑な装置を必要とする。マスターの像形成また
は像形成なしの領域の材料の面倒な光化学処理および除
去もある静電印刷法においては必要とする。ある試みに
おいては、絶縁像を、“漏電性(leaky)”の絶縁体、
即ち、電荷を各特定のスポットへ適用する時間よりも長
い時間で電荷を受け入れ保持するが潜像を帯電し像現す
る間の時間よりも短い緩和時間で放電するような基体上
に形成させている。この試みの基本的な問題点は抵抗性
(“漏電性”)の絶縁フィルムの殆んどは相対湿度に対
し、場合によっては経時および温度に対しても感受性で
あることである。換言すれば、緩和時間は、相対湿度、
温度、および製品寿命の通常遭遇する範囲において、受
け入れ可能な許容限定を越えて変化する。これらの欠点
は、低価格での高品質、高解像力、および高速性を必要
とするカラー印刷/複写用途において特に決定的であ
る。
近年、コンピュータ技術の使用が商業的な印刷工業に
おいて増大し普及して来ている。これは印刷方法の大い
に増大した効率と生産性をもたらしているが、コンピュ
ーター技術の利益は、殆んど、キストス編集、組立て、
ページ付け等の前印刷作業に限定されている。高品質、
高解像力および高印刷速度を得るためには、その主なる
印刷法は依然としてオフセットリトグラフであり、これ
は、通常の印刷プレートの極めて低い感光性故に、コン
ピューター技術と適応性がないものである。レーザー静
電複写、加熱印刷法、イオノグラフィ、磁力記録法のよ
うな他の印刷方法はコンピューター技術と適応性がある
が、これらは、前述したように、高品質、高解像力およ
び高生産速度の合わせた要件を満し得ない。
従って、改良された像形成部材および改良された静電
印刷法が求められている。
発明の内容 本発明の目的は、高生産速度で高品質、高解像力のプ
リントを生産するという複合した利点を有し、コンピュ
ーター技術と適合性があり、カラープルーフィングおよ
びカラー印刷/複写用途の両方に適する改良された像形
成系を提供することである。
本発明の像形成させた部材は、基体および該基体上の
電気絶縁性軟化性層とを含み、この軟化性層が電荷移送
分子と上記基体から離れた軟化性層の実質的表面または
表面近くに存在させた電気的に感光性のマイグレーショ
ンマーキング材料の破壊性層とを含み、軟化性層が約3
〜約30μmの厚さを有し、電荷移送分子が上記電気的に
感光性のマイグレーションマーキング材料からの軟化性
層への電荷注入を増大させることができ、電荷を基体に
移送することができ、さらに軟化性層中に溶解または分
子分散されていることを特徴とするマイグレーション像
形成部材を用意し;該部材を静帯電させて該部材上に均
一な電荷を付着させ;該部材を均一電荷の減衰前に活性
化用照射に像形成パターンで露光させそれによって活性
化照射に露光された電気的に感光性のマイグレーション
マーキング材料が電荷キャリヤーを光励起し;軟化性層
中のマイグレーションマーキング材料の移行に対する抵
抗性を十分に低下させて露光マイグレーションマーキン
グ材料を基体に向けて像形成に移行せしめて軟化性層の
深部で分散せしめることによって作製される。
本発明の像形成された部材は、基体と、像形成表面を
有する電気絶縁性軟化性層と、基体上の接着層、電気絶
縁性フィルム形成性バインダーを含む電荷移送スペーシ
ング層または該接着層と該電荷移送スペーシング層の組
合せ層を含む中間層とを含み;上記電気絶縁性軟化層が
電荷移送分子と上記電気絶縁層の少なくとも1つの領域
での上記電気絶縁性層の実質的に像形成表面またはその
近くに存在させた像形状の接近した間隔の電気的に感光
性のマイグレーションマーキング粒子の破壊性層とを含
み;上記像形成パターンが、静帯電させ上記マイグレー
ションマーキング粒子が電荷キャリヤーを光励起するス
ペクトル領域の活性化用電磁照射に露光させたとき、光
放電を示し、上記マイグレーションマーキング粒子が電
荷キャリヤーを光励起するスペクトル粒子の活性化用電
磁照射に対して実質的に吸収性で不透明であり;上記電
気絶縁性軟化性層の少なくとも1つの他の領域におい
て、深部に移行し分散した電気的に感光性のマイグレー
ションマーキング粒子が上記近接した間隔の電気的に感
光性のマイグレーションマーキング粒子の像形成パター
ンに隣接してあるいは相補的なパターンで実質的に上記
電気絶縁性軟化性層内に存在しており;この深部に移行
し分散した電気的に感光性のマイグレーションマーキン
グ粒子の大きさは上記近接した間隔の電気的に感光性の
マイグレーションマーキング粒子の隣接像形成パターン
と実質的に同じ大きさであり;上記深部に移行して分散
したマイグレーションマーキング粒子のパターンは、上
記近接した間隔の電気的に感光性のマイグレーションマ
ーキング粒子の隣接像形成パターンと比較したとき、静
帯電させマイグレーションマーキング粒子が電荷キャリ
ヤーを光励起するスペクトル領域の活性化用電磁照射に
露光させたとき、実質的に小さい光放電を示し、マイグ
レーションマーキング粒子が電荷キャリヤーを光励起す
るスペクトル領域の電磁照射に対して実質的に小さい吸
収性であり;電荷移送分子が上記電気的に感光性のマー
キング材料から電気絶縁層への電荷注入を増大させるこ
とができ、電荷を基体に移送でき、さらに上記軟化性層
および電荷移送スペーシング層中で溶解または分子分散
している。
上記像形成させた部材は、均一な静電荷を静電印刷用
マスターの像形成表面全体に付着させ;電気絶縁層を、
上記均一静電荷が実質的に減衰する前に、活性化用電磁
線に均一に露光させて上記近接した間隔(Dmax)の電気
的に感光性のマイグレーションマーキング粒子の像形成
パターンを覆う像形成表面を実質的に放電させかつ深部
に移行し凝集した電気的に感光性のマイグレーションマ
ーキング粒子層の相補パターンを覆う像形成表面領域上
に静電潜像を形成させ;像形成表面を静電的に付着性の
トナー粒子で現像して上記像形成パターンまたは相補パ
ターンに相応するトナー像を形成させ;トナー像を受け
入れ部材に転写することを含む像形成方法において、静
電印刷用マスターとして使用できる。
以下、本発明およびその特徴をより明確に理解するた
めに、種々の好ましい実施態様を示す図面に沿ってより
詳細に説明する。
前述した静電印刷法での使用に適する典型的な静電印
刷用マスターを第1図、第2図および第3図に示す。第
1図においては、任意構成成分としての伝導性層14を有
する基体12、フィルム形成性ポリマーと電荷移送分子を
含む任意構成成分としての電荷移送スペーシング層16、
および、その上にコーティングした軟化性層18とを含む
静電印刷用マスタープレカーサー部材10が例示されてお
り、軟化性層13は電荷移送材料と軟化性層18の上部表面
と連続したマイグレーションマーキング材料20の破壊性
層とを含む。マーキング粒子20の粒子は、図面中では、
そのような略図的例示の物理的限界により、互いに接触
しているように見える。しかしながら、マーキング材料
20の粒子は互いにミクロン以下で実際には離れている。
種々の実施態様において、支持基体12は電気絶縁性また
は導電性のいずれかであり得る。例えば、支持基体12は
電導性の金属ドラムまたはプレームであり得る。ある実
施態様においては、導電性基体は表面上に伝導性コーテ
ィング14を有する支持基体12、例えば、アルミニウム処
理ポリエステルフィルムを含み得、その上には、任意構
成成分としての電荷移送スペーシング層16または軟化性
層18をコーティングする。基体12は、その上にコーティ
ングした電導性層14自体が部分的にまたは実質的に透明
である実施態様を含む種々の実施態様において不透明、
半透明または透明であり得る。軟化性層18の上部表面と
連続しているマーキング材料20の破壊性層はわずかに、
部分的に、実質的にまたは全体的に軟化性層18の上部表
面で軟化性層中に埋め込まれている。
第2図においては、支持基体12が伝導性コーティング
14、任意構成成分としての接着層22、任意構成成分とし
ての電荷移送覆16およびその上にコーティングした軟化
性層18を有する静電印刷用マスタープレカーサー部材の
別の多層型オーバーコーティング型の実施態様が例示さ
れている。マイグレーションマスター材料20は軟化性層
18の上部表面に連続している破壊性層中に最初は配列さ
れている。
第3図の実施態様においては、静電印刷用マスタープ
レカーサー部材は、単に、支持基体12、伝導性層14およ
びコーティング転化性層18を含むだけである。マイグレ
ーションマーキング材料20は軟化性層18の上部表面に連
続する破壊性層中に最初に配列される。
例示していないけれども、第1、第2および3図で示
した実施態様は軟化性層18上にコーティングした任意の
オーバーコーティング層も含み得る。本発明の新規な静
電印刷用マスターの種々の実施態様において、オーバー
コーティング層は非粘着剤またははく離剤を含み得、ま
たは外側層が非粘着剤またははく離剤を含む複数の層を
含み得る。
第1、2および3図に示した各静電印刷用マスタープ
レカーサー部材は、これら部材を構成し、作製し、使用
する方法において、通常の静電印刷用マスタープレカー
サー部材と著しく異なる。例えば、典型的な従来技術の
静電印刷用マスターは、多くの場合、非露光領域からの
材料を光工学的方法によって除去することによって作製
する。第4図においては、この像形成マスター24は、典
型的に、光工学または静電写真法によって製せられた絶
縁性材料28の像形成パターンを有する導電体26である。
このマスターは絶縁性像形成領域30と導電性の非像形成
領域32では異なる電荷アクセプタンスを有する。
第5図において示すように、その後、静電印刷用マス
ター24はコロトロン34のような適当な装置によって荷電
される。絶縁像領域と伝導性背景領域との形状境界は絶
縁像表面上に蓄積する電荷として強力な周縁(フリン
ジ)電場を生じさらにイオンを伝導性背景に偏向させ境
界に対して高電荷密度を妨げている。これはぼやけた低
密度微細線並びに大固形領域のはっきりしない低密度周
縁部を与える。付着電荷は絶縁材料28の像形成パターン
上のみに捕捉されて残る。ある従来技術の場合には、非
像形成領域はコロナ荷電時間よりも長いが荷電と現像の
間の時間よりも短い電荷緩和時間定数を有する抵抗性フ
ィルムで被覆されていた。この試みにおける難しさは許
容範囲が小さく、緩和時間定数の変化がバッチ間で、あ
るいは通常遭遇する相対湿度の範囲において、さらには
経時によってさえも厳しいことである。この静電像は、
次いで、絶縁性材料28の像形成パターン上の電荷の極性
と反対の極性に帯電させたトナー粒子を給送してそれに
よって第6図で示すような付着トナー38および40を形成
させる通常の静電複写現像法によってトナー付できる。
第7図においては、付着トナー像38と40は像形成した
マスター24から適当な受け入れシート42、例えば紙に、
コロトロン44のような適当な荷電装置により受け入れシ
ート42の後面に均一電荷を適用することによって転写す
る。トナー像の受け入れシート42への転写に続いて、転
写トナー像は融合法、ラミネーティング等の周知の方法
によって定着できる。電導体26の上部表面および絶縁材
料28の像形成パターンは、その後、必要ならば、クリー
ニングしてもよい。帯電、トナー付、転写およびクリー
ニングの各工程を高速で繰返す。原理的には、繰返しの
像露光なしで、静電複写法の簡易性、安定性および品質
の多くを保持することはできる。追加の利点としては、
同じ面を繰返しトナー付するので、クリーニング工程を
用いる必要もない。しかも、通常のトナーを用いて、例
えば、磁力記録法を用いる匹敵する方法において遭遇す
るカラー浸透の欠如を回避できる。
静電印刷の概念的な簡易性にもかかわらず、静電印刷
は、実際には、電子写真技術における古典的な問題であ
る。静電複写の初期の多くの努力、資料にもかかわら
ず、高品質プリントを生産する方法を開発する挑戦がな
され続けている。この静電印刷用マスターにおける問題
は絶縁体が合理的な厚さを有して静電印刷用マスター上
の電圧が良好な静電複写現像のために十分に高くなけれ
ばならないことである。第8図で示すように、静電印刷
用マスター44を帯電させたとき、周縁性電場(図示せ
ず)は導電体46と絶縁材料48の像形成パターンとの間に
生ずる。これらの周縁電場は有意の距離に亘って拡大し
たさらなる獲得イオン46を偏向させる傾向にある。得ら
れた絶縁材料48の像形成パターンの非均一電荷は最終プ
リントの解像力を由々しく制限し、高品質目的での静電
印刷法の目的を妨げる。解像力は特別な方法によって改
良できるが、実際的使用にはあまりにも臨界的すぎる。
本発明の改良された静電印刷用マスターの作製工程を
第9図〜第11図に示す。第9図に関連して、電気的に接
地した伝導性基体52、電荷移送層54、軟化性層56および
マイグレーションマーキング材料58の破壊性層とを含む
静電印刷用マスタープレカーサー部材50をコロナ荷電装
置60によって均一に正帯電させる。均一帯電させた静電
印刷用マスタープレカーサー部材50を、その後、第10図
で示すように、活性化照射62に露光させる。
第11図に関しては、露光静電印刷用マスタープレカー
サー部材へ熱エネルギー66を適用させたとき、プレカー
サー部材の静電印刷用マスター72への転換が終了する。
マイグレーションマーキング部材58の破壊性層の露光領
域では、マイグレーションマーキング粒子が、基体52に
向って移行することによって、軟化性層中の実質的に深
部に分散してDmin領域を形成する。移行したマーキング
粒子の粒度はマイグレーションマーキング材料58の層中
のマーキング粒子と実質的に同じままである。未露光マ
ーキング粒子はその元の位置に実質的に残存してDmax
域となる。即ち、最終静電印刷用マスター72の現像像は
原像の光学的に符号保持性の可視像である(通常の光レ
ンズ露光方式を用いた場合)。
上記で作製した静電印刷用マスター72は、その後、静
電印刷法において使用できる。静電印刷法での静電印刷
用マスターの使用を第12図〜第16図に示す。第12図にお
いて、静電印刷用マスター72をコロナ荷電装置74によっ
て均一に正に帯電させる。しかしながら、第8図で示し
た殆んどの初期の試みとは異なり、静電印刷用マスター
72は暗中で均一に絶縁性であり、それで、周縁電場を生
ずるものあるいは帯電イオンをぼかすようなものは何も
ない。次いで、帯電させた静電印刷用マスター72を、第
13図に示すように光エネルギー76に均一にフラッシュ露
光させる。
上述したように、軟化性層56のDmaxおよびDmin領域で
のマイグレーションマーキング材料の相対的位置(また
は粒子分布)の差異により、Dmax領域とDmin領域とは大
きく異なる光放電特性と光吸収特性を示す(即ち、Dmax
領域は実質的に吸収性でありDmin領域は実質的に透過性
である)。即ち、光エネルギーへの均一露光はDmax領域
上の軟化性層の像形成表面部分(マイグレーションマー
キング材料58の未露光破壊性層)を実質的に放電せし
め、Dmin領域上の部分(深部に分散し移行した粒子68)
に実質的に電荷を保持せしめ、それによって、第13図に
示すように、静電潜像を静電印刷用マスター上に形成さ
せる。換言すれば、本発明の静電印刷用マスターの深部
に分散し移行した電気的に感光性のマイグレーションマ
ーキング粒子の像(パターン)は比較的貧弱な即ち“汚
損された”感光体の特性を示し、移行してない近接した
間隔の電気的に感光性のマイグレーションマーキング粒
子は良好な感光体の特性を示す。“貧弱”または“良
好”なる用語は、本明細書においては、背景電位の差が
初期適用表面電位の少なくとも30%好ましくは少なくと
も40%まで異なる2つの感光体を意味するものとし、良
好な感光体を高放電を示すものである。即ち、本発明の
静電印刷用マスターを均一帯電させ次いで均一に照射す
ることによって放電を主として像のDmax領域内で生ぜし
める。第14図においては、静電潜像はトナー粒子80で現
像してDmin領域上の静電潜像に相応するトナー像を形成
させる。第14図においては、トナー粒子80は負静電荷を
担持しDmin(深部に分散し移行した粒子)上の反対荷電
部分に付着される。しかしながら、必要に応じて、トナ
ーは帯電領域と同じ極性(第15図に示す実施態様におい
ては正)を有するトナー粒子を用いて放電領域に付着さ
せてもよい。その時、現像剤はDmin領域上の電荷によっ
て反発され放電領域(Dmax領域)に付着するであろう。
周知の電気的にバイアスされた現像電極も、必要に応じ
て用いてトナー粒子を像形成表面の帯電または放電領域
のいずれかに指向させ得る。第15図に示すように、付着
トナー像は、紙のような受け入れ部材82に、この受け入
れ部材の裏面にコロナ装置84により静電荷を適用するこ
とによって転写する。転写像は、その後、オーブン定着
機のような通常の手段(図示せず)によって定着させ
る。トナー像を転写した後、静電印刷用マスターは、必
要に応じて、クリーニングして存在し得る残留トナーを
除去し、次いで、第16図に示すような強力電磁照射85に
よりあるいはACコロトロンにより消去することができ
る。現像、転写、定着、クリーニングおよび消去の各工
程は静電複写像形成において通常用いる工程と同じであ
る。
支持基体は電気絶縁性または電導性のいずれかであり
得る。基体および基体が支持する静電印刷用マスタープ
レカーサー部材全体は、ウェブ、ホイル、ラミネートま
たは同等物、ストリップ、シート、コイル、円筒状物、
ドラム、エンドレスベルト、エンドレスメービウススト
リップ、円盤または他の形状を包含する任意の適当な形
状であり得る。本発明はこれら形状のいずれかでの使用
に特に適する。典型的な支持基体には、アルミニウム処
理ポリエステル、透明伝導性ポリマーでコーティングし
たポリエステルフィルム、金属プレート、ドラム等があ
る。幾つかの実施態様においては、電導性基体は表面上
にコーティングした伝導性の層またはコーティングを有
する支持基体、例えば、アルミニウム処理ポリエステル
フィルムを含み得、その上には、また任意構成成分とし
ての接着剤、任意構成成分としての電荷移送スペーシン
グ層または軟化性層をコーティングする。基体は、その
上にコーティングした電導性層自体が部分的にまたは実
質的に透明である実施態様を包含する種々の実施態様に
おいて、不透明、半透明、または透明であり得る。伝導
性層は、例えば、真空蒸発金属または金属酸化物の薄い
コーティング、金属ホイル、バインダー中に分散させた
電導性粒子等であり得る。典型的な金属または金属酸化
物には、アルミニウム、インジウム、金、酸化錫、イン
ジウム錫酸化物、銀、ニッケル等がある。
任意の適当な接着材料を本発明の任意構成成分として
の接着層中で使用できる。典型的な接着材料には、スチ
レンとアクリレートのコポリマー、デュポン49000(E.
I.デュポン社より入手できる)のようなポリエステル、
アクリロニトリルと塩化ビニリデンのコポリマー、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、およびこれらの混
合物等がある。接着層を用いる場合、静電印刷中に満足
できる放電を確実にするために約0.5μm以下の厚さを
有する均一な連続フィルムを形成すべきである。この接
着剤も、必要ならば、電荷移送分子を含み得る。
任意構成成分としての電荷移送ケーシグ層16は像形成
性軟化性層からの注入電荷の伝導性層への移送;像形成
性軟化性層と伝導性層または基体(基体が電導性であ
り、別個の接着層を用いない場合)との間の界面接着剤
としての機能;および像形成表面と伝導性層間の間隔を
増大させて静電潜像の静電対比電位を増大させることを
包含する幾つかの重要な機能を発揮する。フィルム構造
体を種々の層に分離することによって、本発明は適切な
材料を選択して像形成部材の機械的、化学的、電気的、
像形成的および静電印刷的諸性質を最適とするのに最高
の柔軟性を可能とする。
良品質プリントに必要な静電対比電位は使用する現像
剤の特定の種類(例えば、乾燥であるか液状であるか)
および特定用途に要求される現像速度に依存している。
一般的には、50〜100ボルト範囲の対比電位が液体現像
系には適しているのに対し、200〜800ボルト範囲の対比
電位が乾燥トナー現像系では必要である。留意すべき点
は本発明の静電潜像の静電対比電位は像形成性軟化性層
と任意構成成分としての電荷移送スペーシング層との合
計厚さに依存していることである。乾燥現像系において
は、上記の合計厚さは一般に約4μm〜約30μmの範囲
にあり、任意構成成分である電荷移送スペーシング層の
厚さは約2〜25μmの範囲にある。それより幾分薄い層
も印刷密度を犠牲にするかあるいは遅い現像速度でよけ
れば使用してもよい。上記より厚い層も使用できるが、
対比電位のさらなる増大によってもさらなる像品質の改
良は得られない。優れた結果は約5〜約25μmの合計厚
さおよび3〜20μmの任意構成成分である電荷移送スペ
ーシング層の厚さによって達成される。液体現像系にお
いては、上記の合計厚さは一般に約3〜約25μmの範囲
にあり、任意構成成分である電荷移送スペーシング層の
厚さは1〜20μmの範囲である。優れた結果は約4〜約
20μmの合計厚さおよび任意構成成分である電荷移送ス
ペーシング層の厚さが2〜15μmの範囲である場合に達
成される。例えば、潜像の約200ボルトの静電対比電位
が所望され、かつDmax領域およびDmin領域の相対的光放
電が初期適用表面電位の約50%まで異なると仮定した場
合、その時、静電印刷用マスターは約400ボルトの初期
表面電位に帯電させることが必要である。静電印刷用マ
スターを100v/μmの適用現場で帯電させる場合には、
約4μmの合計厚が乾燥および液体現像剤の両方での条
件を満すであろう。
軟化性層と電荷移送層は共に電荷移送物質を含んで効
率的な電荷移送を可能にし得るけれども、電荷移送層の
主たる役割は電荷を移送しかつスペーシング層として機
能することであり、一方、軟化性層の役割は電荷を移送
することおよび可視像の形成におけるマイグレーション
マーキング材料と軟化性層間の適切な電荷注入過程を確
実にすることの両方である。軟化性層と電荷移送スペー
シング層は同じまたは異なるバインダー物質および/ま
たは電荷移送物質を有して像形成部材の機械的、化学
的、電気適、像形成性および静電印刷性の各性質を最適
なものとし得る。例えば、ある物質、例えば、スチレン
/ヘキシルメタクリレートは優れたマイグレーション像
形成特性を示すが、不十分な可撓性(特に、その厚さが
10μmより大きく増大したとき)および接着特性を示
す。一方、他の物質、例えば、ポリカーボネートは良好
な可撓性と接着性を示すが比較的劣ったマイグレーショ
ン像形成特性を示す。即ち、軟化性層と基体との間に別
の電荷移送スペーシング層を含ませることによって、例
えば、軟化性層に2μm厚のスチレン/ヘキシルメタク
リレートをまた電荷移送スペーシング層に5μm厚のポ
リカーボネートを使用してその像形成性、静電印刷性お
よび機械的性質を最適にすることができる。
電荷移送スペーシング層16は任意の適当なフィルム形
成性バインダー物質を含み得る。典型的なフィルム形成
性バインダー物質には、スチレンアクリレートコポリマ
ー、ポリカーボネート、コポリカーボネート、ポリエス
テル、コポリエステル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニー
ル、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、アルキッド
置換ポリスチレン、スチレン−オレフィンコポリマー、
スチレン−コ−n−ヘキシルメタクリレート、固有粘度
0.179dl/gmを有する特別注文合成80/20モル%スチレン
−ヘキシルメタクリレートコポリマー、他のスチレン−
ヘキシルメタクリレートコポリマー、スチレン−ビニル
トルエンコポリマー、ポリアルファ−メチルスチレン、
およびこれらの混合物またはコポリマーがある。これら
一群の材料は限定的なものではなく、任意構成成分とし
ての電荷移送スペーシング層のフィルム形成性バインダ
ー物質として適するものの単なる例示である。これらフ
ィルム形成性バインダー物質は典型的に電気絶縁性であ
り、静電印刷用マスターの製造および本発明の静電印刷
用マスター作製および静電印刷の各工程中に悪しく化学
的に反応しないものである。任意構成成分としての電荷
移送スペーシング層は基体上のコーティングとして説明
して来たけれども、ある実施態様においては、電荷移送
スペーシング層自体が十分な強度と一体性を有して実質
的に自己支持性であってもよく、また、必要に応じて、
像形成過程中に適当な伝導性基体と接触させてもよい。
当該技術において良く知られているように、適当な極性
の静電荷の均一な付着を伝導性層と置き換えてもよい。
また、電荷移送スペーシング層の露出表面上での適当な
極性の静電荷の均一付着を伝導性層に置き換えてマイグ
レーション層への電気泳動力の適用を容易にすることも
できる。この“二重荷電”技術は当該技術において周知
である。
電荷移送スペーシング層用の電荷移送分子は後の軟化
性層の説明において詳述する。任意の得られたマスター
の電荷移送スペーシング層で用いる特定の電荷移送分子
は隣接の軟化性層で用いる電荷移送分子と同じものある
いは異なるものであってもよい。同様に、任意の得られ
るマスターの電荷移送スペーシング層で用いる電荷移送
分子の濃度も隣接の軟化性層において用いる電荷移送分
子の濃度と同じまたは異なってもよい。電荷移送物質と
フィルム形成性バインダーとを組合せて電荷移送スペー
シング層を形成させるときには、使用する電荷移送物質
の量は特定の電荷移送物質およびその連続絶縁性フィル
ム形成性バインダー中での適合性(例えば、溶解性)に
よって変化し得る。満足できる結果は電荷移送スペーシ
ング層の総重量基準で約10〜約50重量%の電荷移送物質
を用いることによって得られる。それより幾分低濃度の
電荷移送物質も使用できるが、不十分な電荷移送のため
に、増大した背景電位を生じ得る。電荷移送分子の濃度
が約50%を越えるときには、電荷移送層中の電荷移送分
子の結晶化が起り得、また電荷暗減衰も高くなり得る。
さらにまた、極めて高濃度の電荷移送分子も電荷移送層
の機械的強度、可撓性および一体性を減損せしめ得る。
像形成性軟化性層はその中に光導電性粒子の像を形成
させる層である。像形成性軟化性層はマトリックスポリ
マーのような電気絶縁性軟化性物質表面のすぐ下に埋め
込まれた近間隔のサブミクロンマイグレーションマーキ
ング材料を含む。軟化性層はまた前記の電荷移送スペー
シング層で使用したのと同じまたは異なるものであり得
る電荷移送物質でドーピングすることもできる。
本発明で用いる静電印刷用マスターの種々の変形にお
いては、マイグレーションマーキング材料は、好ましく
は、電気的に感光性、光導電性または他の任意の適当な
組合せの材料である。典型的なマイグレーションマーキ
ング材料は、例えば、米国特許第4,536,457号、米国特
許第4,536,458号、米国特許第3,909,262号および第3,97
5,195号に開示されており、これら米国特許の記載はす
べて本明細書に引用する。マイグレーションマーキング
材料の特定の例にはセレンおよびセレン−テルル合金が
ある。マイグレーションマーキング材料は粒状で一般に
互いに近間隔であるべきである。好ましいマイグレーシ
ョンマーキング材料は一般に球状でサブミクロン径であ
る。これらの形状マイグレーションマーキング材料はマ
イグレーション像形成技術において周知である。優れた
結果は軟化性層の外表面(オーバーコーティングを用い
る場合には基体から離れた表面)内の表面下単分子層と
して埋込まれた約0.2〜約0.4μm好ましくは約0.3〜0.4
μmの粒度範囲の形状マイグレーションマーキング材料
によって得られる。マイグレーションマーキング材料の
球状体は、最高光学密度のために、また、加熱工程中の
マイグレーションマーキング材料の凝集および融合を容
易にするのに球状体直径の半分以下の距離で互いにわず
かに離れているのが好ましい。球状体または軟化性層の
外表面(オーバーコーティングを用いる場合は基体から
離れた表面)の約0.01〜約0.1μm下にあるのが好まし
い。軟化性層中のマイグレーションマーキング材料を付
着させるのに特に適する方法はP.ソーデンとP.ビンセッ
トに付与された米国特許第4,482,622号に記載されてお
り、その記載はすべて本明細書に引用する。本発明の目
的においては、マイグレーションマーキング材料はその
自己拡散が付着中に使用する温度で急速であるように十
分に低い融点を有することが非常に好ましい。付着温度
はマイグレーション像形成部材の軟化性材料、基体また
は他のすべて成分の劣化温度以上であってはならない。
“急速”なる用語は接触しているマイグレーションマー
キング材料の粒子が好ましくは秒の間隔であるいは最長
でも約2分以内で融合することを意味する。
軟化性材料は加熱または溶媒蒸気によって軟化し得る
任意の適当な材料であり得る。さらに、静電印刷用マス
ターの実施態様においては、軟化性層は、典型的には、
実質的に電気絶縁性であり、本発明のマスター作製工程
および静電印刷工程中に化学的に反応しないものであ
る。軟化性層を基体上にコーティングしたものとして説
明して来たけれども、ある実施態様においては、軟化性
層はそれ自体十分な強度と一体性を有して実質的に自己
支持性であり得る。付着させた伝導性層を用いないなら
ば、軟化性層または任意構成成分であるオーバーコーテ
ィング層の露出表面上での適当な極性の静電荷の均一付
着を用いて像形成部材への電気泳動力の適用を容易にで
きる。この“二重荷電”技術は当該技術において周知で
ある。また、軟化性層は、それ自体、マスター作製およ
び静電印刷工程中に適当な伝導性表面と接触させ得る。
任意の適当な溶媒膨潤性で軟化性材料を軟化性層に使
用できる。典型的な膨潤性で軟化性の物質にはスチレン
アクリレートコポリマー、ポリスチレン、アルキッド置
換ポリスチレン、スチレン−オレフィンコポリマー、ス
チレン−コ−n−ヘキシルメタクリレート、固有粘度0.
179dl/gmを有するスチレンとヘキシルメタクリレートの
特別注文合成80/20モル%コポリマー、他のスチレン−
ヘキシルメタクリレートコポリマー、スチレン−ビニル
トルエンコポリマー、ポリアルファメチルスチレン、コ
ポリエステル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカー
ボネート、コポリカーボネート、およびこれらの混合物
またはコポリマーがある。これらの一群の物質は限定的
なものではなくそのような軟化性層に適する材料の単な
る例示である。
軟化性層材料として機能できあるいは軟化性層中で溶
解または分子規模で分散できる任意の適当な電荷移送物
質を本発明の軟化性層中で使用できる。電荷移送物質は
電気絶縁性マーキング材料から軟化性層への電荷注入過
程(電荷の少なくとも1つの符号に対しての)を改良で
きる(好ましくは、軟化性層の軟化による現像前または
少なくとも現像段階で)電気絶縁性フィルム形成性バイ
ンダーまたは電気絶縁性フィルム形成性バインダー中に
溶解または分子分散させた溶解性または分子分散性物質
として定義し、その改良は対象として電気的に不活性な
絶縁性軟化性層になされる。電荷移送物質は正孔移送物
質および/または電子移送物質であり得、即ち、電荷移
送物質はマーキング材料からの軟化性層への正孔および
/または電子の注入を改良し得る。注入の1つの極性の
みが改良された場合、本発明の目的においてマイグレー
ションマーキング部材と光に最初感光させるのに用いた
イオン性電荷の符号は、最も普通において、注入が改良
された電荷の符号と同じである。従って、特定の移送部
材と特定のマーキング材料の組合せの使用はマーキング
粒子から軟化性層への正孔および/または電子の注入が
何らの移送物質を含まない軟化性層に比し改良されるよ
うでなければならない。電荷移送物質を絶縁性フィルム
形成性バインダー中に溶解または分子分散させる場合に
は、電荷移送物質と絶縁性フィルム形成性バインダーの
組合せは電荷移送物質がフィルム形成性バインダー中に
十分な濃度レベルで溶解してあるいは分子分散して含有
され得るようでなければならない。場合によっては、電
荷移送物質が高分子フィルム形成性材料である場合に
は、絶縁性フィルム形成性バインダーは使用する必要は
ない。
任意の適当な電荷移送物質を使用できる。電荷移送物
質は当該技術において周知である。典型的な電荷移送物
質には次のようなものがある: 米国特許第4,306,008号、第4,304,829号、第4,233,38
4号、第4,115,116号、第4,299,897号、および第4,081,2
74号に記載されているタイプのジアミン移送分子。典型
的なジアミン移送分子には、N,N−ジフェニル−N,N′−
ビス(3″−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニ
ル)−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−
ビス(4−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)
−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(2−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,
4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3
−エチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−
ジアミン、N,N′−ビフェニル−N,N′−ビス(4−エチ
ルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4−n−ブチル
フェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−クロロフェ
ニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4−クロロフェニル)
−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン、N,N′−
ジフェニル−N,N′−ビス(フェニルメチル)−〔1,1′
−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン、N,N,N′,N′−テト
ラフェニル−〔2,2′−ジメチル−1,1′−ビフェニル〕
−4,4′−ジアミン、N,N,N′,N′−テトラ−(4−メチ
ルフェニル)−〔2,2′−ジメチル−1,1′−ビフェニ
ル〕−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−
ビス(4−メチルフェニル)−〔2,2′−ジメチル−1,
1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェ
ニル−N,N′−ビス(2−メチルフェニル)−〔2,2′−
ジメチル−1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン、N,
N−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−
〔2,2′−ジメチル−1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジ
アミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチル
フェニル)−フィレニル−1,6−ジアミン等がある。
米国特許第4,315,982号、第4,278,746号および第3,83
7,851号に記載されているようなピラゾリン移送分子。
典型的なピラゾリン移送分子には、1−〔レピジル−
(2)−〔−3−(p−ジエチルアミノフェニル)−5
−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−
(キノリル−(2)〕−3−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−〔ピリジル−(2)〕−3−(p−ジエチルア
ミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)
ピラゾリン、1−〔6−メトキシピリジル−(2)〕−
3−(p−ジメチルアミノスチリル)−5−(p−ジエ
チルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−
〔p−ジメチルアミノスチリル〕−5−(p−ジメチル
アミノスチリル)ピラゾリン、1−フェニル−3−〔p
−ジエチルアミノスチリル〕−5−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)ピラゾリン等がある。
米国特許第4,245,021号に記載されているような置換
フルオレン電荷移送分子。典型的なフルオレン電荷移送
分子には、9−(4′−ジメチルアミノベンジリデン)
フルオレン、9−(4′−メトキシベンジリデン)フル
オレン、9−(2′,4′−ジメトキシベンジリデン)フ
ルオレン、2−ニトロ−9−ベンジリデン−フルオレ
ン、2−ニトロ−9−(4′−ジエチルアミノベンジリ
デン)フルオレン等がある。
2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール、ピラゾリン、イミダゾール、トリア
ゾール等のようなオキサジアゾール移送分子。他の典型
的なオキサジアゾール移送分子は、例えば、ドイツ特許
第1,058,836号、第1,060,260号および第1,120,875号に
記載されている。
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−(ジフェニル
ヒドラゾン)、o−エトキシ−p−ジエチルアミノベン
ズアルデヒド−(ジフェニルヒドラゾン)、o−メチル
−p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−(ジフェニル
ヒドラゾン)、o−メチル−p−ジメチルアミノベンズ
アルデヒド−(ジフェニルヒドラゾン)、1−ナフタレ
ンカルボアルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾ
ン、1−ナフタレンカルボアルデヒド1,1−フェニルヒ
ドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−カルボアルデ
ヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン等のヒドラゾ
ン移送分子。他の典型的なヒドラゾン移送分子は、例え
ば、米国特許第4,150,987号、第4,385,106号、第4,338,
388号、第4,387,147号に記載されている。
9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1
−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルゾ
ール−3−カルボアルデヒド−1−メチル−1−フェニ
ルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボア
ルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−
エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1−エチ
ル−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチ
ルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1,1−ジフェ
ニルヒドラゾン等のカルバゾールフェニルヒドラゾン移
送分子。他の典型的なカルバゾールフェニルヒドラゾン
移送分子は米国特許第4,256,821号および第4,297,426号
に記載されている。
ポリビニルアントラセン、ポリアセナフチレンのよう
なビニル芳香族ポリマー;ホルムアルデヒドと、−ブロ
モピレンとの縮合物のようなホルムアルデヒドの各種芳
香族との縮合生成物;2,4,7−トリニトロフルオレノン;
および米国特許第3,972,717号に記載されているような
3,6−ジニトロ−N−t−ブチル−ナフタルイミド。
米国特許第3,895,944号に記載されている2,5−ビス−
(p−ジエチルアミノフェニル)オキジアゾール−1,3,
4のようなオキサジアゾール誘導体。
米国特許第3,820,989号に記載されているようなアル
キル−ビス(N,N−ジアルキルアミノアリール)メタ
ン、シクロアルキル−ビス(N,N−ジアルキルアミノア
リール)メタン、およびシクロアルケニル−ビス(N,N
−ジアルキルアミノアリール)メタンのようなトリ置換
メタン類。
次式: (式中、XおよびYはシアノ基またはアルコキシカルボ
ニル基であり、A、BおよびWは、個々に、アシル、ア
ルコキシカルボニル、ニトロ、アルキルアミノカルボニ
ルおよびこれらの誘導体から選ばれた電子吸引基であ
り、mは0〜2の数であり、nは0または1の数であ
る) を有する米国特許第4,474,865号に記載されているよう
な9−フルオレニリデンメタン誘導体。上記式に属する
典型的な9−フルオレニリデンメタン誘導体には、(4
−n−ブトキシカルボニル−9−フルオニリデン)マロ
ノントリル、(4−フェネトキシカルボニル−9−フル
オレニリデン)マロノントリル、(4−カルビトキシ−
9−フルオレニリデン)マロノントリル、(4−n−ブ
トキシカルボニル−2,7−ジニトロ−9−フルオレニリ
デン)マロネート等がある。
他の電化移送物質には、ポリ−1−ビニルピレン、ポ
リ−9−ビニルアンスラセン、ポリ−9−(4−ペンテ
ニル)−カルバゾール、ポリ−9−(5−ヘキシル)−
カルバゾール、ポリメチレンピレン、ポリ−1−(ピレ
ニル)ブタジエン;ポリ−3−アミノカルバゾール、1,
3−ジブロモ−ポリ−N−ビニルカルバゾールおよび3,
−ジブロモ−ポリ−N−ビニルカルバゾールのようなア
ルキル、ニトロ、アミノ、ハロゲン、およびヒドロキシ
置換ポリマーのようなポリマー;および米国特許第3,87
0,516号に記載されているような他の多くの透明有機高
分子または非高分子移送物質がある。
フィルム形成性バインダー中で可溶性または分子規模
で分散性である電化移送分子に関する上述の各特許の記
載はすべて本明細書に引用する。
電荷移送物質を絶縁性バインダーと組合せて軟化性層
を形成させる場合、使用する電荷移送物質の量は特定の
電荷移送物質およびその軟化性層の連続絶縁性フィルム
形成性バインダー相中での適合性(例えば、溶解性)等
に依存し得る。満足できる結果は軟化性層の総重量基準
で約8〜約50重量%の電荷移送物質を用いたとき得られ
る。特に好ましい電荷移送分子は、次式: (式中、X、YおよびZは水素、1〜20個の炭素原子を
有するアルキル基および塩素からなる群より選ばれ、
X、YおよびZの少なくとも1つは、それぞれ、1〜20
個の炭素原子を有するアルキル基または塩素であるよう
に選ばれる) を有する分子である。YおよびZが水素である場合、そ
の化合物はN,N′−ビス(アルキルフェニル)−〔1,1′
−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(アルキルは、例え
ば;メチル、エチル、プロピル、n−ブチル等であ
る)、あるいは化合物はN,N′−ジフェニル−N,N′−ビ
ス(クロロフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′
−ジアミンであり得る。格別な貯蔵安定性を含む優れた
結果は軟化性層が軟化性層の層重量基準で約10〜約40重
量%の上記ジアミン化合物を含有するときに達成でき
る。最良の結果は軟化性層が軟化性層の総重量基準で約
16〜約40重量%のN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(3″−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−
4,4′−ジアミンを含むときに得られる。軟化性層中の
電荷移送物質は静電印刷用マスターでのマイグレーショ
ン像の形成には必要でないけれども、電荷移送能力は本
発明の静電印刷法において不可欠である軟化性層が軟化
性層総重量基準で約8重量%以下の上記ジアミン化合物
を含有するときは、Dmax領域中の光放電度合が効果的で
ない電荷移送のために小さくなり、軟化層内での電荷捕
捉が静電印刷像形成サイクル中にサイクルアップ(cycl
e−up)を生じ得る。電荷移送物質の濃度が軟化性層総
重量基準で約50重量%以上の上記ジアミン化合物である
ときには、軟化性層の機械的強度、可撓性および一体性
が幾分か劣化し、電荷暗減衰も高くなる。さらにまた、
極めて高濃度の上記ジアミン化合物も軟化性層中の化合
物の結晶化を生じ得る。
電荷移送物質は軟化性層および任意構成成分としての
電荷移送スペーシング層中に任意の適当な方法によって
含有させ得る。例えば、電荷移送物質は軟化性層または
スペーシング層成分と共通溶媒に溶解させることによっ
て混合できる。必要ならば、軟化性層またはスペーシン
グ層用の各溶媒の混合物を用いて混合またはコーティン
グを容易にすることができる。
任意構成成分の接着層、任意構成成分の電荷移送スペ
ーシング層および軟化性層は任意の適当なコーティング
方法によって基体に適用できる。これら多層のコーティ
ングにおいては、適切な制限を設けて1つの層のコーテ
ィングが下地層を溶解しないようにすべきである。これ
はフィルム形成性バインダー物質とその溶媒または溶媒
混合物との適切な選択によって達成できる。典型的なコ
ーティング法には、引き延し棒法、スプレー法、押出し
法、浸漬法、グラビアロール法、ワイヤー巻きロッド
法、エアナイフコーティング法等がある。接着層および
電荷移送スペーシング層の厚さは前述したとおりであ
る。軟化性層の厚さは電荷移送スペーシング層を使用す
るかどうかによる。
1〜25μm範囲の厚さを有する電荷移送スペーシング
層を用いる場合、乾燥即ち硬化工程後の付着軟化性層の
厚さは、約2〜5μmの範囲にあることが好ましい。2
μm以下の厚さも、Dminのわずかな増大を許容できれ
ば、軟化性層において使用してもよい、何故ならば、D
min領域での移行粒子の最高分散を与えるには十分な空
間を必要とするからである。さらに、増大したDmin(即
ち、移行粒子の不十分分な分散)はDmin領域で光放電を
増大せしめ、静電印刷中に静電対比電位の低下をもたら
す。電荷移送層の使用は約5μm以上の軟化性層の使用
を不必要とする。しかしながら、電荷移送層を使用しな
い場合には、軟化性層の厚さは約3〜30μmの範囲が好
ましく十分に高静電対比電位を与えて特定の用途に適す
るものとする。約25μmより厚い層も使用できるが、印
刷品質のそれ以上の改良は得られない。
電荷移送物質を軟化性層および電荷移送層に含有させ
ることによって、本発明の像形成部材にその静電印刷用
マスターとしての使用性を付与させる。
場合によっては、溶媒蒸気を加熱の代りに用いて軟化
性層を軟化させて静電印刷用マスターの作製における露
光マイグレーションマーキング粒子の深部での移行およ
び分散を行う。軟化性層中の硬化性材料に対する任意の
適当な溶媒を使用できる。接触時に、溶媒蒸気は軟化性
層を十分に軟化させて露光マイグレーションマーキング
材料を軟化性層の深部に基体に向けて像形状で移行せし
めるべきである。典型的な溶媒には、種々のケトン類、
脂肪族エステル類、ハロゲン化脂肪族類およびこれらの
混合物がある。軟化性層を十分に軟化させて基体に向っ
てのマイグレーションマーキング材料の深部での像形状
での移行を可能にするのは溶媒または溶媒混合物の蒸気
または液体と接触させることによって行い得る。必要な
らば、溶媒混合物は軟化性物質に対する貧溶媒と良溶媒
の混合物を含んで軟化性物質の軟化度を一定時間内で制
御し得る。軟化性物質と溶媒または溶媒混合物の典型的
な組合せには、スチレンエチルアクリレートコポリマー
とトルエン溶媒、スチレンヘキシルメタクリレートコポ
リマーとトルエン溶媒、スチレンヘキシルメタクリレー
トコポリマーと酢酸エチル溶媒、スチレンヘキシルメタ
クリレートコポリマーと1,1,1−トリクロロエタン溶
媒、スチレンヘキシルメタクリレートコポリマーとトル
エンおよびイソプロパノール溶媒混合物、スチレンブタ
ジエンコポリマーと酢酸エチルおよび酢酸ブチル溶媒混
合物がある。任意構成成分としてのオーバーコーティン
グ層を軟化性層上部で用いて耐摩耗性を改善し、溶媒軟
化法を用いる場合には、このオーバーコーティング層は
使用する溶媒蒸気に対して透過性であるべきであり、追
加の溶媒処理時間は、溶媒蒸気が軟化性層を十分に軟化
させて露光マイグレーションマーキング材料を基体に向
ってマイグレーショマーキング材料の深部で像形状で移
行せしめるようでなければならない。溶媒透過性は、加
熱を用いて軟化性層を十分に軟化させて露光マイグレー
ションマーキング材料を基体に向って深部で像形状に移
行せしめる場合には、オーバーコーティング層において
必要ではない。
任意構成成分としてのオーバーコーティング層は実質
的に電気絶縁性であり得また他の適当な性質を有し得
る。オーバーコーティング層は、少なくとも、電磁線を
マスター作製過程の像形成露光工程および静電印刷過程
のの均一露光工程で用いる場合のスペクトル領域におい
て、実質的に透明であるべきである。オーバーコーティ
ングは連続しており、好ましくは約1〜2μmまでの厚
さを有している。好ましいのは、オーオーバーコーティ
ングは約0.1〜約0.5μmの厚さを有して残留電荷蓄積を
最小にすべきである。約1〜2μmより厚いオーバーコ
ーティング層も使用できるが、多刷プリントを静電印刷
中に作製するとき、オーバーコーティング層中で生ずる
電荷捕捉傾向のためにわずかなサイクルアップを生じ得
る。典型的なオーバーコーティング材料にはアクリル−
スチレンコポリマー、メタクリレートポリマー、メタク
リレートコポリマー、スチレン−ブチルメタクリレート
コポリマー、ブチルメタクリレート樹脂、塩化ビニルコ
ポリマー、フッ素化ホモまたはコポリマー、高分子量ポ
リ酢酸ビニル、オルガノシロキサンポリマーおよびコポ
リマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリビニルトルエン等がある。オーバーコーティン
グ層は軟化性層18を保護して取扱い中、像形成中および
静電印刷中に摩耗の悪影響に対してより大きい抵抗性を
与えるべきである。オーバーコーティング層は好ましく
は軟化性層に強固に接着して劣化を最小にする。オーバ
ーコーティング層はまたトナー付中、転写中および/ま
たはクリーニング中にトナーのフィルム形成化に対する
改良された抵抗性を与える外表面としての非粘着性も有
し得る。非粘着性はオーバーコーティング層固有のもの
であり得、あるいは他の層または非粘着性材料成分を含
有させることによってオーバーコーティング層に付与し
得るものである。これらの非粘着性材料はオーバーコー
ティングのフィルム形成性成分を劣化させるべきでな
く、好ましくは、約20エルグ/cm2以下の表面エネルギー
を有すべきである。典型的な非粘着性材料には脂肪酸
類、塩およびエステル類、フルオロカーボン類、シリコ
ーン類等がある。オーバーコーティングは引き延し棒
法、スプレー、浸漬、溶融、押出しまたはグラビアコー
ティングのような任意の適当な方法によって適用でき
る。これらのオーバーコーティング層が像形成前、像形
成中、部材を像形成させた後および静電印刷中に静電印
刷用マスターを保護するものであることは理解されるで
あろう。
再び、第1図、第2図および第3図で例示した静電印
刷用マスタープレカーサー部材に関して、これらのマス
タープレカーサー部材は、帯電させ像形成的に露光させ
たのち、熱または溶媒蒸気を適用することによって現像
する。もし基体12、伝導性層14および悦着層22が光透過
性であるならば、これらの部材は、像形成させたとき、
露光領域内のマイグレーションマーキング材料の深部で
の移行故に、可視光透過性であり得る。
第9図においては、静電印刷用マスタープレカーサー
部材は、伝導性コーティング54を有する基体52、軟化性
層56、およびこの軟化性層56の表面に連続しているマイ
グレーションマーキング材料58の層を含むものとして示
されている。静電潜像は、像形成部材上に、該像形成部
材を均一に静帯電させ帯電させた部材を実質的な上記均
一電荷の暗減衰が起る前に活性化用電磁照射に第9図お
よび第10図で示すように露光させることによって形成で
きる。像形成部材は、第9図において、コロナ荷電装置
60により静電的に正帯電させるように示している。基体
52が伝導性であるかあるいは伝導性コーティング54を有
する場合、伝導性層は接地させるかあるいは静帯電中所
定の電位に維持する。伝導性基体よりもむしろ絶縁性基
体を有する部材を帯電させるもう1つの方法は部材の両
面を各反対極性の表面電位に静帯電させることである。
第10図においては、帯電させた未像形成部材を活性化
用電磁照射62に露光させそれによってマスター上に静電
潜像を形成させるように示している。像形成的に露光さ
せ静電印刷用マスタープレカーサー部材上に静電潜像を
形成させるのは、付着表面電荷の実質的な暗減衰前に行
うべきである。満足できる結果は暗減衰が初期電荷の約
50%以下である場合に得られる。即ち“実質的な減衰
前”なる表現は暗減衰が初期電荷の約50%以下であるこ
とを意味する。初期電荷の約25%以下の暗減衰が静電印
刷用のマスタープレカーサー部材の最適像形成のために
好ましい。
上面に静電潜像を有する静電印刷用マスタープレカー
サー部材は、その後、第11図で示すようにして部材に熱
エネルギーを均一に適用することによって現像する。加
熱現像温度および時間は、熱エネルギーを如何にして適
用するか(例えば、伝導、輻射、対流等)、軟化性層の
溶融粘度、軟化性層の厚さ、熱エネルギーの量等のファ
クターに依存している。例えば、110℃〜約130℃の温度
では、わずかに数秒間の加熱を必要とする。これより低
温では、もっと加熱時間を要する。熱を適用したとき、
軟化性層56は粘度を減少させそれによって軟化性層56の
深部でのマーキング材料の移行に対する抵抗を低下させ
る。露光領域では、マイグレーションマーキング粒子
は、実質的な正味電荷を獲得し、これが、軟化性層の軟
化時に、これら露光粒子を基体に向って像形状に多孔さ
せ軟化層の深部に分散せしめてDmin領域を与える。未露
光領域の未露光マイグレーションマーキング粒子は本質
的に中正で変化しないまゝである。即ち、泳動力の不存
在で、未露光マイグレーションマーキング粒子はその元
の位置に実質的に残存してDmax領域を与える。即ち、第
11図においては、マイグレーションマーキング材料は露
光領域では実質的に深部に移行し分散させるようにまた
未露光領域では実質的にその元の位置に残るように示さ
れている。露光および未露光領域は第10図および第11図
に関連して説明した静電潜像の形成に相応している。即
ち、この静電印刷用マスターを作製する方法は正原像か
ら光学的に符号保持性像を形成させる(通常の光レンズ
方式を用いて像形成部材を露光させた場合)。明らか
に、露光は光レンズ方式以外の手段、例えば、レーザー
ライターのようなラスターアウトプットスキャンニング
装置によっても行い得る。
必要ならば、溶媒蒸気現像を加熱現像の代りに用いて
もよい。マイグレーション像形成部材の蒸気現像は当該
技術において周知である。一般的には、溶媒蒸気軟化法
を用いる場合、溶媒蒸気暴露時間は軟化性層の溶媒中で
の溶媒性、溶媒蒸気の種類、周知温度および溶媒蒸気濃
度等のファクターに依存している。
加熱または溶媒蒸気の適用、その組合せまたは他の任
意の適当な手段は軟化性層56の軟化性材料の抵抗性を低
下させて軟化性層56の深部でのマイグレーションマーキ
ング材料の像形状での移行を可能にするのに十分でなけ
ればならない。加熱現像においては、満足できる結果
は、オーバーコーティングなしの軟化性層が0.179dl/gm
の固有粘度を有するスチレンとヘキシルメタクリレート
の特別注文合成80/20モル%コポリマーとN,N′−ジフェ
ニル−N,N′−ビス(3″−メチルフェニル)−(1,1′
−ビフェニル)4,4′−ジアミンを含む場合において、
約100℃〜約130℃の温度にほんの数秒間像形成部材を加
熱することによって得ることができる。時間と温度の満
足できる組合せのための試験が静電印刷用の光学対比密
度と静電対比電位を最大にするためである。蒸気現像法
においては、満足できる結果は、オーバーコーティング
なしの軟化性層が固有粘度0.179dl/gmを有するスチレン
とヘキシルメタクリレートの特別注文合成80/20モル%
コポリマーとN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3″−
メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジ
アミンを含有する場合において、像形成部材をトルエン
蒸気に約4〜約60秒間、約5〜約30mmHgの溶媒蒸気部分
圧下で暴露することによって達成される。
第12図で示した像形成した静電印刷用マスターは第3
図で示したのと同様の何らの任意構成成分層なしで示し
てある。必要ならば、第1図または第2図に示したのと
同様な別のマスターを第3図および第12図で示したコー
ティング部材の代りに用いてもよい。
第12図で示した像形成された静電印刷用マスターは、
露光領域でのマイグレーションマーキング材料の深部で
の移行および分散故に、露光領域おいて可視光線に対し
高度に透過性である。露光領域で得たDminは軟化性層の
下の透明基体の光学密度よりも少し高い。また、未露光
領域のDmaxは、未露光領域内のマイグレーションマーキ
ング粒子の位置が本質的に変化しないまゝであるので、
元の未処理像形成部材と本質的に同じである。即ち、0.
9〜1.3の範囲の高対比密度を有する光学的に符号保持性
像が静電印刷用マスター用に得られる。さらに、228線
対/mmのような優れた解像力が静電印刷用マスター上に
達成される。
本発明の静電印刷法で用いるマスターを製作するため
の像形成法においては、本発明の優れた結果を得るため
に、露光マイグレーション像形成粒子は認知し得る程の
正味電荷を獲得し、上記現像中に加熱または溶媒蒸気で
処理して軟化性層を軟化させたときに、基体に向ってか
なり移行して比較的低光学密度領域を有する。さらにま
た、未露光粒子は実質的に変化しないまゝで軟化工程に
おいて移行せず、即ち、未露光粒子は元の単分子層形状
で実質的に変化しないままである。
軟化性層中の電荷移送物質は静電印刷用マスター中で
マイグレーション像を形成するという目的だけには不要
であるが、像形成させた部材を静電印刷法で使用する場
合に不可欠である。電荷移送物質を軟化性層および電荷
移送スペーシング層に含有させることは本発明の像形成
部材に静電印刷用マスターとして機能する能力を付与す
る。電荷移送物質の適切な濃度は得られる光学的に符号
保持性像の光学対比密度並びに静電印刷に必要な静電対
比電位を濃度の関数として最大にすることにより実験的
に決定できる。電荷移送はまたは露光時に軟化性層のマ
トリックスを通って拡大し必要な潜像コントラストを生
じかつ急速サイクル操作時の残留電荷蓄積を除くもので
なければならない。
作製した静電印刷用マスターは、その後、該静電印刷
用マスターをコロナ荷電によって均一に帯電させる静電
印刷法において使用できる。静電印刷法で使用するコロ
ナ荷電の極性は正孔移送物質または電子移送物質を軟化
性層および電荷移送層に含有させるかどうかによって決
まる。正コロナ荷電は軟化性層と電荷移送層中の正孔移
送物質と共に使用する。電子移送物質を軟化正層と電荷
移送層中で使用する場合には、静電印刷用マスターは均
一に負帯電させる。静電印刷用マスターは例示目的の第
12図で示すようなコロナ荷電装置によって均一に正帯電
させる。
帯電させた像形成部材は、次いで、第13図に示すよう
に均一にフラッシュ露光させて静電潜像を形成させる。
前述したように、マイグレーションマーキング粒子の相
対的位置および分布の違いのために、静電印刷用マスタ
ーのDmax領域とDmin領域は、本発明の静電印刷用マスタ
ーを均一帯電させ次いで均一に露光即ち、活性化用電磁
照射させたとき、大きい差の光学密度(Dmax領域は高度
に吸収性でありDmin領域は透過性である)だけでなく大
きな差の光放電をも示す。即ち、静電印刷用マスターの
均一帯電および活性化用電磁線への均一露光時には、光
放電は主としてDmax領域で起り、実質的に少ない光放電
が静電印刷用マスターのDmin領域で起って、静電潜像を
与える。電荷は移行マーキング粒子を含む領域に実質的
に残って、未露光粒子を含む領域では実質的に消散す
る。均一露光工程の活性化用照射はマイグレーションマ
ーキング粒子によって実質的に吸収されてDmax領域で実
質的な光放電を生ずるべきである。均一露光工程で使用
する活性化用電磁線はマイグレーションマーキング粒子
が電荷キャリヤーを光励起するスペクトル領域にあるべ
きである。300〜500ナノメーター(nm)領域の単色光が
セレン粒子にとって好ましく静電潜像の静電対比電位を
最大とする。露光エネルギーは所望のおよび/または最
適の静電対比電位が得られるようにあるべきである。即
ち、本発明による静電印刷用マスターは像形成的に“汚
損された”感光体とみなし得、Dmax領域(未露光マーキ
ング粒子)は比較的良好な感光体であり、Dmin領域(移
行粒子)は比較的貧弱な感光体である。用語“貧弱”お
よび“良好”とは、背景電位の差が初期に適用した表面
電位の少なくとも30%好ましくは少なくとも40%まで異
なる2つの感光体を示めさんとするものであり、良好感
光体は高い光放電を示すものである。この像形成的に
“汚損された”感光体は軟化性層中のマイグレーション
マーキング材料の永久的な構造的変化によって生じた異
なる光放電特性(および感光性)を有する。一般に、D
max領域(未移行領域)は、静帯電させ露光させたと
き、実質的な光放電を示し、マイグレーションマーキン
グ粒子が荷電キャリヤーを光励起するスペクトル領域の
活性化電磁線に対して実質的に吸収性で不透明である。
Dmin領域(移行粒子)は、実質的に小さい光放電を示し
てその背景電位がDmax領域と比較して初期に適用した表
面電位の少なくとも約30%より好ましくは少なくとも40
%まで異なり、またマイグレーションマーキング粒子が
電荷キャリヤーを光励起するスペクトル領域の活性化用
電磁線に対して実質的に小吸収性である。静電潜像は通
常の感光体におけるように各印刷サイクルにおいて再励
起されるので、本発明のこの大いに改良された静電印刷
用マスター構造体は、ある従来技術マスター、例えば、
米国特許第4,407,918号に記載されているようなマスタ
ー(これでは、静電潜像の寿命は電荷保持性層の絶縁能
力によっている)におけるような静電潜像の劣化なし
に、一貫して優れたコピー品質を確保する。注意すべき
ことは上記静電印刷用マスター上の可視像は正原像の光
学的に符号保持性像であるけれども(マスターをレーザ
ースキャニングの代りにレンズ集成露光によって形成さ
せた場合)、静電荷像は原像の負(符号逆転)であるこ
とである。
次いで、静電潜像はトナー粒子によって現像して静電
潜像に相応するトナー像を形成させる。現像(トナー
付)工程は静電複写像形成において通常使用する工程と
同じである。静電的に吸引性のマーキング粒子を含有す
る任意の適当な通常の静電複写用乾燥または液体現像剤
を用いて本発明の静電印刷マスター上の静電潜像を現像
できる。典型的な乾燥トナーは約6〜約20μmの粒度を
有する。典型的な液体トナーは約0.1〜約0.3μmの粒度
を有する。トナー粒子の粒度はプリントの解像力に影響
する。カラープルーフィングおよびカラー印刷のような
極めて高解像力を必要とする用途においては、液体トナ
ーが微細なハーフトーンドットのより良好な解像力を与
えるそのかなり小さな粒度故に一般に好ましく、濃密黒
色領域での過度の厚さなしで4色像を形成する。転写可
能な液体現像トナーは典型的には直径約2μmである。
通常の静電複写現像技術を用いて本発明の静電印刷用マ
スターの像形成表面上にトナー粒子を付着させ得る。
本発明は乾燥2成分現像剤による現像に適する。2成
分現像剤はトナー粒子とキャリヤー粒子を含む。典型的
なトナー粒子は、樹脂と着色剤を含む組成物のような、
静電潜像の現像に適する任意の組成を有し得る。典型的
なトナー樹脂には、ポリエステル、ポリアミド、エポキ
シ、ポリウレタン、ジオレフィン類、ビニル樹脂、およ
びジカルボン酸とジフェノールを含むジオールとの高分
子エステル交換生成物がある。ビニルモノマーの例に
は、スチレン、p−クロロスチレン、ビニルナフタレ
ン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等
の不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、
フッ化ビニルのようなビニルハライド類;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルおよび酢酸ビニ
ル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、イソブチルアクリレート、ドテシル
アクリレート、n−オクチルアクリレート、2−クロロ
エチルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルア
ルファ−クロロアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等を包含
するモノカルボン酸のエステルのようなビニルエステル
酸;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエー
テル、およびビニルエチルエーテルを包含するビニルエ
ーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、ビニルイソブチルケトンのようなビニルケトン類;N
−ビニルインドールおよびN−ビニルピロリドン;スチ
レンブタジエン;およびこれらモノマーの混合物等があ
る。樹脂は、一般に、トナー組成物の約30〜約90重量%
の量で存在するが、本発明の目的が達成される限り、そ
れより多量または少量の樹脂も使用できる。
任意の適当な顔料または染料をトナー粒子中で使用で
きる。典型的な顔料または染料には、カーボンブラッ
ク、ニグロシン染料、アニリンブルー、マグネタイト、
およびこれらの混合物があり、カーボンブラックが好ま
しい着色剤である。顔料は、好ましくは、記録部材上に
明瞭な可視像の形成を可能にする高度に着色されたトナ
ー組成物を与えるのに十分な量で存在する。一般的に
は、顔料粒子は、トナー組成物の総重量基準で約1〜約
20重量%の量で存在するが、それより多量または少量の
顔料粒子も本発明の目的が達成される限り使用できる。
他のカラートナー顔料には、レッド、グリーン、ブル
ー、ブラウン、マゼンタ、シアン、およびイエロー粒
子、並びにこれらの混合物がある。適当なマゼンタ顔料
の具体的には、2,9−ジメチル置換キナクリドンおよび
カラーインデックスにCI60710、CIディスパースドレッ
ド15として挙げられているアントラキノン染料、カラー
インデックスにCI26050、CIソルベントレッド19として
挙げられているジアゾ染料等ある。適当なシアン顔料の
具体的な例には、テトラ−4−(オクタデシルスルホン
アミド)フタロシアニン、カラーインデックスにCI7416
0,CIピグメントブルーとして挙げられている1−銅フタ
ロシアニン、およびカラーインデックスにCI69810、ス
ペシャルブルーX−2137として挙げられているアントラ
ダンスレンブルー等がある。使用できるイエロー顔料の
具体的例には、ジアリライドイエロー3,3−ジクロロベ
ンジジンアセトアセトアニリド、カラーインデックスに
CI12700、CIソルベントイエロー16として挙げられてい
るモノアゾ顔料、カラーインデックスにフロンイエロー
SE/GLN、CIデイスパースドイエロー33として挙げられて
いるニトロフェニルアミンスルホンアミド、2,5−ジメ
トキシ−4−スルホンアニリドフェニルアゾ−4′−ク
ロロ−2,5−ジメトキシアセト−アセトアニリド、パー
マネントイエローFGL等がある。これらのカラー顔料
は、トナー樹脂粒子の重量基準で、約15〜約20.5重量%
の量で一般に存在するが、それより少量または多量も本
発明の目的を満すかぎり使用できる。
顔料粒子がマグネタイトである場合、該マグネタイト
はマピコブラック(Mapico Black)として商業的に入手
できるもののような酸化鉄(Fe3O4)の混合物を含む。
これらの顔料は、トナー組成物中に、約10〜約70重量%
の量好ましくは約20〜約50重量%の量で存在するが、本
発明の目的が達成される限り、これら顔料はそれより多
量または少量で存在し得る。
トナー組成物は任意の適当な方法で調製できる。例え
ば、乾燥トナーの各成分を、撹拌用のスチールビーズを
トナー重量のおよそ5倍の量加えたボールミル中で混合
し得る。ボールミルは約120フィート(364.8cm)/分で
約30分間操作し、その後、スチールビーズを除去する。
2成分現像剤用の乾燥トナーは約6〜約20μmの平均粒
度を有する。
任意の適当な外部添加剤も乾燥トナー粒子において使
用できる。外部添加剤の量はトナー組成物の重量%に関
して尺度付できるが、その量自体はトナーのパーセント
組成を計算するときには含まれない。例えば、樹脂、顔
料および外部添加剤を含むトナー組成物は80重量%の樹
脂と20重量%の顔料を含み得、外部添加剤は樹脂と顔料
の合計の重量の%として報告される。外部添加剤には、
ストレートシリカ、コロイド状シリカ(例えば、デグッ
サ社より入手できるエーロジルR972)、酸化第2鉄、ウ
ニリン、ポリプロピレンワックス、ポリメチルメタクリ
レート、ステアリン酸亜鉛、酸化クロム、酸化アルミニ
ウム、ステアリン酸、ポリフッ化ビニリデン(例えば;
ベンサルトケミカルズコーポレーションから入手できる
キナール)等を包含する静電写真トナーで使用する任意
の添加剤があり得る。外部添加剤は、本発明の目的が達
成される限り、任意の適当量で存在し得る。
任意の適当なキャリヤー粒子をトナー粒子と共に使用
できる。典型的なキャリヤー粒子には粒状ジルコン、ス
チール、ニッケル、鉄フェライト等がある。他の典型的
なキャリヤー粒子には、米国特許第3,847,604号に開示
されているようなニッケル果粒状キャリヤーがあり、該
米国特許の記載はすべて参考として本明細書に引用す
る。これらのキャリヤーは再生性の凹凸表面に特徴を有
する団塊状ニッケルビーズキャリヤーであり、比較的大
きい外面積を有する粒子を与える。キャリヤー粒子の直
径は変化し得るが、一般に約50〜約1,000ミクロンであ
り、かくして粒子に十分な密度と慣性を与えて現像工程
中の静電像の付着を回避する。キャリヤー粒子はコーテ
ィング表面を有し得る。典型的なコーティング材料に
は、例えば、米国特許第3,526,533号、第3,849,186号お
よび第3,942,979号に記載されているようなポリフッ化
ビニリデンのようなフルオロポリマーを包含するポリマ
ーおよびターポリマーである(これらの米国特許の記載
はすべて参考として本明細書に引用する)。トナーは、
2成分現像剤中で、例えば、キャリヤーの約1〜約3重
量%に等しい量で存在し得、好ましいのはキャリヤーの
約3重量%に等しい量である。
典型的な乾燥トナーは、例えば、米国特許第2,788,28
8号、第3,079,342号および再発行特許第25,136号に開示
されており、これらの記載は全体的に本明細書に引用す
る。場合によっては、現像は、液体現像剤によって行い
得る。液体現像剤は例えば、米国特許第2,890,174号お
よび第2,899,335号に開示されている。液体現像剤は水
系または油系インクを含み得る。液体現像剤には水溶性
または油溶性染料物質を含むインクと顔料着色インクと
の両方がある。典型的な染料物質にはイーストマンコダ
ック社より商業的に入手できるメチレンブルー、ハーラ
コケミカル社より商業的に入手できるブリリアントイエ
ロー、過マンガン酸カリウム、塩化第2鉄、メチレンバ
イオレット、ローズベンガルおよびキノリンイエロー等
があり、後の3つのアライドケミカル社より入手でき
る。典型的な顔料はカーボンブラック、グラファイト、
油煙、骨炭、木炭、二酸化チタン、白鉛、酸化亜鉛、酸
化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛、クロム酸亜
鉛、カドミウムイエロー、カドミニウムレッド、鉛丹、
二酸化アンチモン、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、ケイ酸カルシウム、フタロシアニン類、ベンジジン
類、ナフトール類、トルイジン類等がある。液体現像剤
組成物は微分割不透明粉末、高抵抗液体および凝集防止
成分を含み得る。典型的な高抵抗液体にはアイソパール
(Isopar)、四塩化炭素、ケロセン、ベンゼン、トリク
ロロエチレン等のような有機絶縁性液体がある。他の液
体現像剤成分または添加剤には、カルボキシビニルポリ
マー、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−
無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルアルコールのよ
うなビニル樹脂;ナトリウムカルボキシ−エチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、メチルセルロースのようなセルロ
ース類;これらセルロースのエステルおよびエーテルの
ようなセルロース誘導体;アルカリ可溶性たんぱく質、
カゼイン、ゼラチン;およびポリアクリル酸アンモニウ
ム、ポリアクリル酸ナトリウムのようなアクリル酸塩等
がある。
任意の適当な通常の静電複写現像法を用いてトナー粒
子を本発明の静電印刷用マスターの像形成表面上の静電
潜像上に付着させ得る。周知の静電複写現像法には、磁
性ブラシ法、粉末被覆法、カスケード法、粉末被覆法、
電気泳動法および同様な現像方法がある。カスケード現
像法は米国特許第2,618,551号および第2,618,552号によ
り詳しく記載されており、粉末被覆現像法は米国特許第
2,725,305号、第2,918,910号および第3,015,305号によ
り詳しく記載されており、磁性ブラシ現像法は米国特許
第2,791,949号により詳しく記載されており、さらに液
体現像法は米国特許第3,084,043号により詳しく記載さ
れている。これらトナー、現像剤および現像法に関する
特許はすべて本明細書に引用する。
付着トナー像は、紙のような受け入れ部材に、コロナ
転写、加圧転写、接着転写、バイアスロール転写等の静
電複写で通常使用する任意の適当な方法によって転写で
きる。典型的なコロナ転写は、付着トナー粒子を紙シー
トと接触させトナー粒子と反対のシート面に静電荷を適
用することを含む。約5000〜約8000ボルトの電位を適用
した単線コロトロンが満足できる転写を与える。
転写後、転写トナー像は受け入れシートに定着でき
る。定着工程も静電複写像形成で通常用いる工程と同じ
である。典型的な周知の静電複写定着法には、加熱ロー
ル定着、フラッシュ定着、オーブン定着、ラミネート
法、接着スプレー定着等がある。
静電印刷用マスターは同一の連続像を正確に同じ領域
に形成するので、連続像形成サイクル間で静電潜像を消
去する必要はない。しかしながら必要ならば、マスター
を通常の静電複写消去法によって任意に消去させてもよ
い。例えば、静電印刷用マスターの強力光への均一露光
によりマスターの像領域および非像領域の両方を放電す
る。消去に用い得る典型的な光強度は均一露光工程で用
いる光強度の約10倍から約300倍の範囲である。別の周
知方法は像形成表面をACコロナ放電にさらしてマスター
上のすべての残留電荷を中和することを含む。ACコロナ
消去装置のコロナ線に適用する典型的な電位は約3〜約
10キロボルトの範囲であり得る。
必要ならば、静電印刷用マスターの表面はクリーニン
グしてもよい。静電複写像形成において通常使用する任
意の適当なクリーニング工程を用いて本発明の静電印刷
用マスターをクリーニングするのに使用できる。典型的
な周知の静電複写クリーニング法には、ブラシクリーニ
ング法、ブレードクリーニング法、ウェブクリーニング
法等がある。
マスターから付着トナー像を受け入れ部材に転写した
のち、マスターは、消去工程およびクリーニング工程無
しまたは有りで、追加の均一帯電、均一照射、現像およ
び転写の各工程によりサイクル操作して追加の像形成受
け入れ部材を形成できる。
幾つかの通常の静電印刷用マスターとは異なり、本発
明の静電印刷方式で用いるマスターは、その全像形成表
面が絶縁性である(即ち、絶縁性領域からの周縁電場が
獲得コロナイオンを隣接の伝導性領域に反発する金属伝
導体上の絶縁性像がない)ので、その完全電位に均一に
帯電させ得る。これはマスター上に高対比電位と高解像
力の性電像を与える。即ち、高対比温度と高解像力を有
する高品質像が得られる。かくして、通常の従来技術マ
スターの低対比電位と貧弱な解像力の問題は克服され
る。しかも、像形成的露光工程を各プリント毎に繰返さ
なければならない通常のレーザーゼログラフィのような
通常の感光体を用いる多くの従来技術および/または静
電複写印刷法と異なり、像形成的露光工程は本発明の静
電印刷用マスターを作製するための1回だけ行えばよ
く、このマスターから多数プリントが高速で生産でき
る。即ち、本発明の静電印刷方式は、極めて高品質で、
高速の電子白黒またはカラー印刷に対する通常の静電複
写の試みを妨害している基本的な電子帯域幅の問題を克
服する。即ち、合理的なコストでの高感光性、高品質お
よび高印刷速度の組合せた能力が本発明の静電印刷用マ
スターズおよび静電印刷装置を高品質のカラープルーフ
ィング用途および印刷/複写用途の両方に適するものと
している。オフセット印刷と比較したとき、本発明の静
電印刷方式は低いマスターコスト(別々のリトグラフ中
間体と印刷プレートを必要としない。中間体は、オフセ
ット印刷においては、印刷プレートが直接像形成する程
十分に感光性でないので必要であり;その代り、印刷プ
レートは強力なUV光を用いて中間体に接触露光させて次
いで化学的に現像する)、全体的に乾式であること(加
熱現像を用いる場合)、流出液なしの簡単な作製法、改
良された印刷安定性、および実質的に減少された時間と
費用という多くの利点を有して、最初の受け入れ可能な
プリントを与える。結果として、これは従来技術の方法
で必要としていたようなカラープルーフィングおよびカ
ラー印刷のための総体的に異なる印刷技術を用いる必要
性をなくし、最終使用者は多量のプリントを作製する前
に所望のプリント品質を容易に確立できる。従って、本
発明の静電印刷用マスターおよび静電印刷方式は実際的
であるだけでなく他の公知の方法よりも低コストであ
る。フィルム構造体を種々の層に分割することによっ
て、本発明の像形成部材は、その機械的、化学的、像形
成的および静電印刷的各性質を最大とするための適切な
材料の選択において最大の融通性を与える。本発明の静
電印刷用マスターは、軟化性層から何ら成分を除去、廃
棄することなしに、マイグレーションマーキング材料の
永久的構造変化の結果として形成される。換言すれば、
その特異的な像形成特性故に、本発明の静電印刷用マス
ターおよび静電印刷方式は、簡単な作製法、低コスト、
高感光性(レーザー感光性)、乾燥性、迅速性流出液な
しの簡単なマスター作製法、高品質、高解像力および高
印刷速度の多くの利点を有する。従って、この静電印刷
方式の用途は高品質カラー印刷およびカラープルーフィ
ングのような種々のタイプの印刷方式を包含する。しか
も、その高感光性と電荷移送能力故に、本発明の静電印
刷用マスタープレーカーサー部材は通常の静電複写にお
ける通常の感光体としても簡単に使用できる。さらにま
た、静電印刷用マスター上の可視像は高光学対比密度を
有するので、本発明の静電印刷用マスターは、中間体フ
ィルムとして使用する通常のハロゲン化銀フィルムの代
りに用いて、静電印刷用マスターとして使用できる以外
にもオフセット印刷における通常の印刷プレートを作製
できる。
加熱現像を用いた場合、本発明のマスター作製方法
は、全体的に乾式で、極めて簡単(単に、コロナ帯電さ
せ、像形成的に露光し、加熱現像するだけである)であ
り、秒の単位で実施できる。即ち、この方法を利用する
マスター製造機を構成させることができ、このマスター
製造機はスタンド単独ユニット(stand−alone unit)
として機能できあるいは静電印刷用プレスと容易に一体
化させてオフィス環境での使用にも適する自己収容型の
完全自動化印刷装置を作ることもできる。本発明の静電
印刷用マスタープレカーサー部材は高感光性および高解
像力を示すので、レーザースキャンニングのようなコン
ピューター駆動電子記録法を有利に用いて静電印刷用マ
スター上に高解像力の像(線または絵)を形成できる。
従って、高品質、高解像力および高印刷速度の能力に関
連して、本発明の静電印刷方式はコンピューター技術の
すべての利点をデジタルファイルインプット(テキスト
編集、組立て、ページ付、像操作等)から直接印刷工程
に送り込み高品質と高解像力を有するプリントを高速で
生産できる。
実施例 以下、本発明を特定の好ましい実施態様に関連して詳
細には説明するが、これらの実施例は単に例示を目的と
し本発明の範囲を限定するものではないことに留意され
たい。部およびパーセントは他に断わらない限り重量に
よる。
実施例1 第3図で例示したのと同様な静電印刷用マスタープレ
カーサー部材を、得られる溶液の総重量基準で、約15.0
重量%のスチレン−ヘキシルメタクリレートの80/20モ
ル%コポリマー、および約4.8重量%のN,N′−ジフェニ
ル−N,N′−ビス(3″−メチルフェニル)−(1,1′−
ビフェニル)−4,4′−ジアミンを約80.2重量%のトル
エンに溶解させることによって作製した。得られた溶液
を、No.25ワイヤー巻きロッドを用いて、薄い半透明ア
ルミニウムコーティングを有する12インチ(3.05cm)
幅、76μm(3ミル)厚のマイラーポリエステルフィル
ム(E.I.デュポン社より入手できる)に適用した。付着
軟化性層を約110℃で約15分間乾燥させた。乾燥軟化性
層の厚さは約5ミクロンであった。軟化性層の温度を約
115℃に上げて軟化性層の露出表面の粘度を約5×103
イズとしてマーキング材料の付着の準備とした。次い
で、粒状ガラス質セレンの薄層を、約4×10-4トールの
真空に維持した真空チャンバー内で真空蒸着させること
によって適用した。次に、この像形成部材を室温に急冷
させた。コポリマーの露出表面下の約0.05〜0.1μmに
埋め込まれた平均直径約0.3μmを有するセレン粒子の
赤色単分子層が形成された。その後、得られた静電印刷
用マスタープレカーサー部材を、約−400ボルトの表面
電位に負コロナ帯電させ、階段くさび(ステップ・ウェ
イジ)により活性化用照射に露光させ、上記ポリエステ
ルと接触させたホットプレート上で約115℃に約5秒間
加熱する各工程を含む加熱処理法によって、像形成させ
現像した。得られた像形成させたマイグレーション像形
成部材は、現像の光学的に符号保持性特性像、優れた像
品質、228線対/mm以上の解像力、および約1.25の対比密
度を示した。Dmaxは約1.85であり、Dminは約0.6であっ
た。また、Dminは像のDmin領域中のアルミニウムコーテ
ィングに向ってのセレン粒子の深部での実質的な移行と
分散に基づいていることが判った。
次に、上記の静電印刷用マスターを正コロナ電荷によ
り約+600ボルトに均一に帯電させ、次いで約10エルグ/
cm2の430nmの活性化用照射に簡単に均一にフラッシュ露
光させた。表面電位は像のDmax領域内で+50ボルトであ
り、Dmin領域内で約+330ボルトであり、それによって
約+270ボルトの静電対比電位を得た。この得られた静
電潜像を、平均粒度約10μmを有するカーボンブラック
顔料着色スチレン/ブチルメタクリレート樹脂を含む負
帯電トナー粒子でトナー付した。付着トナー像を、紙シ
ートに、紙の裏面をコロナ荷電させることによって静電
的に転写させ、転写トナー像を、その後、加熱定着させ
て高品質プリントを得た。転写プリントは約1.1の対比
密度と15線対/mm以上の解像力を有していた。
実施例2 第2図で例示したのと同様の静電印刷用マスタープレ
カーサー部材を、No.4ワイヤー巻きロッドを用いて、ポ
リエステル(49,000E.I.デュポン社より入手できる)の
接着薄層を約76μm(3ミリ)の厚さを有するアルミニ
ウム処理ポリエステル上に手でもってコーティングする
ことによって作製した。110℃で5分間乾燥させたとき
の接着層は厚さ約0.1μmを有していた。その後、電荷
移送スペーシング層を、得られる溶液の総重量基準で約
20重量%のポリカーボネート樹脂と約6重量%のN,N′
−ジフェニル−N,N′−ビス(3″−メチルフェニル)
−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミンを約74重量
%の塩化メチレン溶媒に溶解させることによって、上記
接着層上に形成させた、110℃で約15分間の乾燥後、電
荷移送スペーシング層は厚さ約4μmを有していた。次
いで、像形成軟化性層を、上記電荷移送スペーシング層
上により、約15重量%の80/20モル%スチレン−ヘキシ
ルメタクリレートコポリマーと3重量%のN,N′−ジフ
ェニル−N,N′−ビス(3″−メチルフェニル)−(1,
1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミンとを約82重量%の
トルエン中に含むコーティング混合物(いずれも混合割
合は溶液の総重量基準で)を適用することによって形成
させた。110℃で約15分の乾燥後、像形成性軟化性層は
約2μmであった。軟化性層の温度を約115℃に上げて
軟化性層の露出表面の粘度を約5×103ポイズとしてマ
ーキング材料の付着の基準とした。次いで、粒状ガラス
質セレンの薄層を、約4×10-4トールの真空に維持した
真空チャンバー内で真空蒸着させることによって適用し
た。次に、この像形成部材を室温に急冷させた。コポリ
マーの露出表面下の約0.05〜0.1μmに埋め込まれた平
均直径約0.3μmを有するセレン粒子の赤色単分子層が
形成された。
静電印刷用マスターは、その後、この静電印刷用マス
タープレカーサー部材を用いて実施例1で記載したのと
同じ方法で作製した。約1.15の対比密度および228線対/
mm以上の解像力を有する光学的に符号保持性の可視像が
得られた。次に、この静電印刷用マスターを約+700ボ
ルトの電位に正コロナ荷電によって帯電させ約80エルグ
/cm2の400〜700nmの白色光に均一にフラッシュ露光させ
た。像のDmax領域内の表面電位は約+50ボルトであり、
Dmin領域の表面電位は+400ボルトであり、約+350ボル
トの対比電位を得た。この得られた静電潜像を、平均粒
度約10μmを有するカーボンブラック顔料着色スチレン
/ブチルメタクリレート樹脂を含む負帯電トナー粒子で
トナー付した。付着トナー像を、紙シートに、紙の裏面
をコロナ荷電させることによって静電的に転写させ、転
写トナー像を、その後、加熱定着させて高品質プリント
を得た。転写プリントは約1.1の対比密度と15線対/mm以
上の解像力を有していた。
実施例3 第1図で例示したのと同様の静電印刷用マスタープレ
カーサー部材を、No.25ワイヤー巻きロッドを用いて、
厚さ約76μm(3ミル)を有するアルミニウム処理ポリ
エステルフィルム上に、電荷移送スペーシング層を、得
られる溶液の総重量基準で約20重量%のスチレンエチル
アクリレートアクリル酸樹脂(RP1215、モンサント社よ
り入手でき)と約6.8重量%のN,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(3″−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェ
ニル)−4,4′−ジアミンを約73.2重量%のトルエンに
溶解し、得られた溶液をコーティングすることによって
作製した。110℃で約15分間の乾燥後、電荷移送スペー
シング層は厚さ約6μmを有していた。次いで、像形成
軟化性層を、上記電荷移送スペーシング層に、約15重量
%の80/20モル%スチレン−エチルアクリレートコポリ
マーと2.4重量%のN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(3″−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−
4,4′−ジアミンとを約50重量%のシクロヘキサン溶媒
と約32重量%のトルエン中に含むコーティング混合物
(いずれも混合割合は溶液の層重量基準で)を適用する
ことによって形成させた。110℃で約15分の乾燥後、像
形成性軟化性層は約2μmであった。軟化性層の温度を
約115℃に上げて軟化性層の露出表面の粘度を約5×103
ポイズとしてマーキング材料の付着の準備とした。次い
で、粒状ガラス質セレンの薄層を、約4×10-4トールの
真空に維持した真空チャンバー内で真空蒸着させること
によって適用した。次に、この像形成部材を室温に急冷
させた。コポリマーの露出表面下の約0.05〜0.1μmに
埋め込まれた平均値直径約0.3μmを有するセレン粒子
の赤色単分子層が形成された。
静電印刷用マスターは、その後、この静電印刷用マス
タープレカーサー部材を用いて実施例1で記載したのと
同じ方法で作製した。約1.2の背景密度および228線対/m
m以上の解像力を有する光学的に符号保持性可視像が得
られた。この静電印刷用マスターを正コロナ荷電によっ
て+850ボルトの電位に帯電させ約50エルグ/cm2の440nm
活性化用照射に均一にフラッシュ露出させた。像のDmax
領域内の表面電位は約+98ボルトであり、Dmin領域の表
面電位は+498ボルトであり、約+400ボルトの対比電位
を得た。この得られた静電潜像を、平均粒度約6μmを
有するカーボンブラック顔料着色スチレン/ブタジエン
樹脂を含む負帯電トナー粒子でトナー付して付着トナー
像を形成させた。付着トナー像を、紙シートに、紙の裏
面をコロナ荷電させることによって静電的に転写させ、
転写トナー像を、その後、加熱定着させて高品質プリン
トを得た。転写プリントは約1.1の対比密度と15線対/mm
以上の解像力を有していた。
実施例4 第3図で例示したのと同様な静電印刷用マスタープレ
カーサー部材を、得られる溶液の総重量基準で、約15.0
重量%のスチレン−ヘキシルメタクリレートの80/20モ
ル%コポリマー、および4.8重量%のN,N′−ジフェニル
−N,N′−ビス(3″−メチルフェニル)−(1,1′−ビ
フェニル)−4,4′−ジアミンを約80.2重量%のトルエ
ンに溶解させることによって作製した。得られた溶液
を、No.10ワイヤー巻きロッドを用いて、薄い半透明ア
ルミニウムコーティングを有する12インチ(30.5cm)
幅、76μm(3ミル)厚のマイラーポリエステルフィル
ム(E.I.デュポン社より入手できる)に適用した。付着
軟化性層を約110℃で約15分間乾燥させた。乾燥軟化性
層の厚さは約2ミクロンであった。軟化性層の温度を約
115℃に上げて軟化性層の露出表面の粘度を約5×103
イズとしてマーキング材料の付着の準備とした。次い
で、粒状ガラス質セレンの薄層を、約4×10-4トールの
真空に維持した真空チャンバー内で真空蒸着させること
によって適用した。次に、この像形成部材を室温に急冷
させた。コポリマーの露出表面下の約0.05〜0.1μmの
埋め込まれた平均直径約0.3μmを有するセレン粒子の
赤色単分子層が形成された。その後、得られた静電印刷
用マスタープレカーサー部材を、約+200ボルトの表面
電位に正コロナ帯電させ、階級くさび(ステップウェイ
ジ)により活性化用照射に露光させ、上記ポリエステル
と接触させたホットプレート上で約115℃に約3秒間加
熱する各工程を含む加熱処理法によって、像形成させ現
像した。得られた像形成させたマイグレーション像形成
部材は、原像の光学的に符号保持性像、優れた像品質、
228線対/mm以上の解像力、および約1.13の対比密度を示
した。Dmaxは約1.85であり、Dminは約0.72であった。ま
た、Dminは像のDmin領域中のアルミニウムコーティング
に向ってのセレン粒子の深部での実質的な移行に基づい
ていることが判った。
次に、上記の静電印刷用マスターを正コロナ電荷によ
り約+250ボルトに均一に帯電させ、次いで約10エルグ/
cm2の440nm活性化用照射に簡単に均一にフラッシュ露光
させた。表面電位は像のDmax領域内で+22ボルトであ
り、Dmin領域内で約+142ボルトであり、それによって
約+120ボルトの静電対比電位を得た。この得られた静
電潜像を、平均粒度約6μmを有するカーボブラック顔
料着色スチレン/ブタジエン樹脂を含む負帯電トナー粒
子でトナー付して付着トナー像を形成させた。付着トナ
ー像を、紙シートに、紙の裏面をコロナ荷電させること
によって静電的に転写させ、転写トナー像を、その後、
加熱定着させた。転写像は、乾燥トナーで現像したとき
の静電潜像のその比較的低い静電対比電圧(約120ボル
ト)の故に、貧弱な品質および低いプリント密度を示し
た。
実施例5 第3図で例示したのと同様であるが軟化性層中に電荷
移送物質を含まない静電印刷用マスタープレカーサー部
材を、得られる溶液の総重量基準で、約15.0重量%のス
チレン−ヘキシルメタクリレートの80/20モル%コポリ
マーを約85重量%のトルエンに溶解させることによって
作製した。
得られた溶液を、No.25ワイヤー巻きロッドを用い
て、薄い半透明アルミニウムコーティングを有する12イ
ンチ(30.5cm)幅、76μm(3ミル)厚のマイラーポリ
エステルフィルム(E.I.デュポン社より入手できる)に
適用した。付着軟化性層を約110℃で約15分間乾燥させ
た。乾燥軟化性層の厚さは約5ミクロンであった。軟化
性層の温度を約115℃に上げて軟化性層の露出表面の粘
度を約5×103ポイズとしてマーキング材料の付着の準
備とした。次いで、粒状ガラス質セレンの薄層を、約4
×10-4トールの真空に維持した真空チャンバー内で真空
蒸着させることによって適用した。次に、この像形成部
材を室温に急冷させた。コポリマーの露出表面下の約0.
05〜0.1μmに埋め込まれた平均直径約0.3μmを有する
セレン粒子の赤色単分子層が形成された。その後、得ら
れた静電印刷用マスタープカーサー部材を、約+400ボ
ルトの表面電位に正コロナ帯電させ、階段くさび(ステ
ップウェイジ)により活性化用照射に露光させ、上記ポ
リエステルと接触させたホットプレート上で約115℃に
約5秒間加熱する各工程を含む加熱処理法によって、像
形成させ現像した。軟化性層中で電荷移送分子なしで
は、得られた符号逆転像はわずかに約1.2の光学対比密
度を示すことが判った。Dmaxは約1.8であり、Dminは約
0.6であった。また、Dmaxは像のDmax領域の基体へ向っ
てのセレン粒子の実質的に深い移行と分散に基づいてい
たことが判った。
次に、上記の像形成させた部材を正コロナ荷電によっ
て約+550ボルトに均一に帯電させ次いで約10エルグ/cm
2の440nm活性化用照射に簡単に均一にフラッシュ露光さ
せた。表面電位がDmaxおよびDmin領域共に約+520ボル
トであったので、静電像は得られなかった。
実施例6 静電印刷用マスタープレカーサー部材を実施例3のよ
うにして作製し、約10重量%のスチレン−アクリルコポ
リマー(ポリビニルケミカルインダストリーズ社により
入手できる、ネオクリルA−1054)と約0.03重量%のポ
リシロキサン樹脂(Byk301、Byk−マリンクォット社よ
り入手できる)を含有する水系溶液でオーバーコーティ
ングした。乾燥オーバーコーティングは厚さ約1.5μm
を有していた。その後、得られたオーバーコート型静電
印刷用マスタープレカーサー部材を、約+600ボルトの
表面電位に正コロナ帯電させ、階級くさび(ステップウ
ェイジ)により活性化用照射に露光させ、基体ポリエス
テルと接触させたホットプレート上で約115℃に約5秒
間加熱する各工程を含む加熱処理法によって、像形成さ
せ現像した。得られた像形成させたマイグレーション像
形成部材は、原像の光学的に符号保持性像、優れた像品
質、228線対/mm以上の解像力、および約1.0の対比密度
を示した。Dmaxは約1.75であり、Dminは約0.75であっ
た。像形成させた部材は、指の爪でひっかいたとき、優
れた耐摩耗性を示した。このオーバーコート型像形成部
材は、スコッチブランドの“マジック”接着テープによ
る極めて厳しい接着テープ試験に供したとき、その一体
性を保持したまゝであった。また、Dminは像のDmin領域
中のアルミニウム層へ向ってのセレン粒子の実質的な移
行および分散に基づいていることが判った。
次に、上記の静電印刷用マスターを正コロナ電荷によ
り約+800ボルトに均一に帯電させ、次いで約100エルグ
/cm2の400〜700nm白色光に簡単に均一にフラッシュ露光
させた。表面電位は像のDmax領域内で+120ボルトであ
り、Dmin領域内で約+520ボルトであり、それによって
約+400ボルトの静電対比電位を得た。この得られた静
電潜像を、平均粒度約6μmを有するカーボンブラック
顔料着色スチレン/ブチルメタクリレート樹脂を含む負
帯電トナー粒子でトナー付して付着トナー像を形成させ
た。付着トナー像を、紙シートに、紙の裏面をコロナ荷
電させることによって静電的に転写させ、転写トナー像
を、その後、加熱定着させて高品質プリントを得た。転
写プリントは約1.3の対比密度と15線対/mm以上の解像力
を有していた。
実施例7 第3図で例示したのと同様な静電印刷用マスタープレ
カーサー部材を、得られる溶液の総重量基準で、約15.0
重量%のスチレン−エチルアクリレートコポリマー、お
よび約2.4重量%のN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(3″−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−
4,4′−ジアミンを約82.6重量%のトルエンに溶解させ
ることによって作製した。得られた溶液を、薄い半透明
アルミニウムコーティングを有する12インチ(30.5cm)
幅、76μm(3ミル)厚のマイラーポリエステルフィル
ム(E.I.デュポン社より入手できる)に適用した。付着
軟化性層を約110℃で約15分間乾燥させた。乾燥軟化性
層の厚さは約3.5ミクロンであった。軟化性層の温度を
約115℃に上げて軟化性層の露出表面の粘度を約5×103
ポイズとしてマーキング材料の付着の準備とした。次い
で、粒状ガラス質セレンの薄層を、約4×10-4トールの
真空に維持した真空チャンバー内で真空蒸着させること
によって適用した。次に、この像形成部材を室温に急冷
させた。コポリマーの露出表面下の約0.05〜0.1μmに
埋め込まれた平均直径約0.3μmを有するセレン粒子の
赤色単分子層が形成された。その後、得られた静電印刷
用マスタープレカーサー部材を、約+400ボルトの表面
電位に正コロナ帯電させ、階級くさび(ステップウェイ
ジ)により活性化用照射に露光させ、上記ポリエステル
と接触させたホットプレート上で約115℃に約5秒間加
熱する各工程を含む加熱処理法によって、像形成させ現
像した。得られた像形成させたマイグレーション像形成
部材は、原像の光学的に符号保持性像、優れた像品質、
228線対/mm以上の解像力、および約1.2の対比密度を示
した。Dmaxは約1.8であり、Dminは約0.6であった。ま
た、Dminは像のDmin領域中のアルミニウム層へ向っての
セレン粒子の実質的に深部での移行に基づいていること
が判った。
次に、上記の静電印刷用マスターを正コロナ電荷によ
り約+500ボルトに均一に帯電させ、次いで約40エルグ/
cm2の400〜700nm活性化用照射に簡単に均一にフラッシ
ュ露光させた。表面電位は像のDmax領域内で+50ボルト
であり、Dmin領域内で約+300ボルトであり、それによ
って約+250ボルトの静電対比電位を得た。この得られ
た静電潜像を、平均粒度約0.2μmを有するカーボンブ
ラック顔料着色ポリエチレン/アクリル酸樹脂を含む負
帯電液体トナー粒子でトナー付して付着トナーを形成さ
せた。付着トナー像を、紙シートに、紙の裏面をコロナ
荷電させることによって静電的に転写させ、転写トナー
像を、その後、加熱定着させて高品質プリントを得た。
転写プリントは約1.9の対比密度とは60線対/mm以上の解
像力を有していた。
実施例8 実施例3の部材と同様の静電印刷用マスター部材を作
製した。この静電印刷用マスターを正コロナ電荷により
約+700ボルトに均一に帯電させ、次いで約100エルグ/c
m2の400〜700nmの白色光に簡単に均一にフラッシュ露光
させた。表面電位は像のDmax領域内で+50ボルトであ
り、Dmin領域内で約+450ボルトであり、それによって
約+400ボルトの静電対比電位を得た。次いで、静電線
像を400〜700nmおよび約1000エルグ/cm2の白色光の均一
な強力照射によって消去させた。上記の均一帯電、均一
露光および消去を1000回繰返した。この静電印刷用マス
ター部材は安定であり、また像のDmax領域の+50ボルト
およびDmin領域の約450ボルトのサイクル対サイクル表
面電位は本質的に変化しないまゝであったことが判っ
た。
実施例9 実施例8の部材と同様の静電印刷用マスター部材を作
製した。この静電マスターを裸のドラムに貼り付けて、
自動複写機の基の感光体ドラムと取り替えた。この静電
印刷用マスターを正コロナ電荷によって約+700ボルト
に均一に帯電させ、フラッシュ照射に均一に露光させて
静電潜像を形成させ、次いでこれを平均粒度約0.2μm
を有するカーボンブラック着色ポリエチレン/アクリル
酸樹脂を含む負帯電トナー粒子でトナー付して付着トナ
ー像を形成させた。付着トナー像を、紙シートに、紙の
裏面をコロナ荷電させることによって静電的に転写さ
せ、その後、転写トナー像を加熱定着させて高品質プリ
ントを得た。この静電印刷工程を極めて良好な結果でも
って少なくとも150回繰返した。
本発明の他の変形は本明細書の記載から当業者にとっ
て容易である。これらの変形は本発明の範囲に属するも
のとする。
【図面の簡単な説明】
第1図は多層型静電印刷用マスタープレカーサー部材の
1つの実施態様の一部断面図である。 第2図は多層型静電印刷用マスタープレカーサー部材の
別の実施態様の一部断面図である。 第3図は多層型静電印刷用マスタープレカーサー部材の
さらに別の実施態様の一部断面図である。 第4図は通常の静電印刷用マスターの一部断面図であ
る。 第5図は静電荷を受け入れ中の通常の静電印刷用マスタ
ーの一部断面図である。 第6図は現像中の通常の静電印刷用マスターの一部断面
図である。 第7図はトナー像を受け入れ部材に転写しているところ
の通常の静電印刷用マスターの一部断面図である。 第8図は周縁電場の作用を示す静電荷を受け入れ中の通
常の静電印刷用マスターの一部断面図である。 第9図は静電荷を受け入れ中の本発明の静電印刷用マス
タープレカーサー部材の一部断面図である。 第10図は像形状の活性化用電磁線に露光中の本発明の静
電印刷用マスタープレカーサー部材の一部断面図であ
る。 第11図は熱に暴露中の本発明の静電印刷用マスタープレ
カーサー部材の一部断面図である。 第12図は静電荷を受け入れ中の本発明の静電印刷用マス
ターの一部断面図である。 第13図は活性化用電磁線に均一に露光中の本発明の静電
印刷用マスターの一部断面図である。 第14図は現像中の本発明の静電印刷用マスターの一部断
面図である。 第15図はトナー像を受け入れ部材に転写中の本発明の静
電印刷用マスターの一部断面図である。 第16図は強力な消去電磁線に露光中の本発明の静電印刷
用マスターの一部断面図である。 10……静電印刷用マスタープレカーサー部材、12……基
体、14……伝導性層、16……電荷移送スペーシング層、
18……軟化性層、20……マイグレーションマーキング材
料、22……接着層、24……像形成マスター、26……電導
体、28……絶縁材料、30……絶縁領域、32……電導性非
像形成領域、38、40……付着トナー像、42……受入れシ
ート、44……コロトロン、46……獲得イオン、52……伝
導性基体、54……電荷移送層、56……軟化性層、58……
マーキング材料、60……コロナ荷電装置、62……活性化
用照射、66……加熱放射、82……受け入れシート、80…
…トナー像。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−169853(JP,A) 米国特許4474865(US,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体、厚さ2〜25μmの電荷移送スペーシ
    ング層を含む中間層、像形成表面を有する電気的絶縁性
    軟化層とを含む静電印刷用マスタープレカーサー部材で
    あって、該中間層と該軟化性層との合計厚さが4〜30μ
    mであり、該軟化性層が、基体から離れた軟化性層の実
    質的に表面または表面近くに存在させ電気的に感光性の
    マイグレーションマーキング材料の破壊性層を含み、前
    記電荷移送スペーシング層及び該軟化性層が電荷移送分
    子を含み、該電荷移送分子が、前記電気的に感光性のマ
    イグレーションマーキング材料が電荷キャリヤーを光励
    起するスペクトル領域で主として非吸収性であり、前記
    電気的に感光性のマイグレーションマーキング材料から
    軟化性層への電荷注入を増大させることができ、電荷を
    基体に移送することができ、かつ軟化性層中で溶解また
    は分子分散していることを特徴とする静電印刷用マスタ
    ープレカーサー部材を用意し;該部材を静電気的に帯電
    させ;該部材を活性化用照射に像形成パターンで露光さ
    せ;そして該部材を、前記軟化性層中の深部でのマーキ
    ング材料の移行に対する抵抗性を、少なくともマーキン
    グ材料の移行を可能にするに十分に低下させ、それによ
    って活性化用照射に露光されたマーキング粒子が基体に
    向って像形状に移行することによって現像することを特
    徴とする像形成部材の作製方法。
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