JP3222299B2 - 浴用エアゾール組成物および浴用エアゾール製品 - Google Patents

浴用エアゾール組成物および浴用エアゾール製品

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JP3222299B2 JP33828393A JP33828393A JP3222299B2 JP 3222299 B2 JP3222299 B2 JP 3222299B2 JP 33828393 A JP33828393 A JP 33828393A JP 33828393 A JP33828393 A JP 33828393A JP 3222299 B2 JP3222299 B2 JP 3222299B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴用エアゾール組成物
および浴用エアゾール製品に関する。さらに詳しくは、
使用感、高温多湿下での保存安定性、湯中での拡散性お
よび溶解性にすぐれ、使用量の調節が容易な浴用エアゾ
ール組成物および浴用エアゾール製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人体に対して種々の効果を有する
浴用剤は、一般に粉末、顆粒、固形などの形態で汎用さ
れている。
【0003】しかしながら、これらの形態の浴用剤は、
いずれも吸湿性が高く、かかる浴用剤中に含有される炭
酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムなどの無機成分が潮
解をおこすなどするため、保存安定性に劣るという欠点
がある。さらに、かかる浴用剤のなかには、一般に含有
される精油成分、動植物エキス、ビタミンなどの有効成
分が空気中で酸化され、使用前にその効果が減少してし
まうものがある。
【0004】そこで、前記粉末、顆粒、固形などの形態
の浴用剤のほとんどが、現在、その適量ごとに個別包装
され、使用者はかかる包装をその都度開封して用いてい
るが、このように個別包装されたものは、使用量を使用
者個人の好みに応じて調節することができず、一度に使
用せずに残った浴用剤をそのままの状態で安定に保存す
ることが非常に困難である。また、かかる個別包装化に
ともない、包装紙など廃棄物が多量に生じるという問題
もある。
【0005】さらに、とくに固形の浴用剤は、湯中での
拡散性および溶解性に劣るため、かかる浴用剤を湯中に
投入したのち、手で充分に撹拌しなければならず、その
操作が煩雑である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて使用感にすぐれることはもち
ろんのこと、湯中での拡散性および溶解性、高温多湿下
での保存安定性にすぐれ、使用量の調節が容易である浴
用剤をうるべく鋭意研究を重ねた結果、特定の噴射剤と
原液とからなるエアゾール組成物および該組成物をエア
ゾール用耐圧容器内に充填したエアゾール製品が、これ
らの物性を同時に満足することをようやく見出し、本発
明を完成するにいたった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
臨界温度が−20℃以上の圧縮ガスを含有した噴射剤
と、有効成分0.01〜50重量%、非イオン性界面活
性剤0.1〜30重量%、油成分20〜95重量%およ
び溶媒0.5〜50重量%を含有した油中水型原液
らなる浴用エアゾール組成物であって、温湯中に噴射さ
れたときに水中油型へ転相する浴用エアゾール組成物、
ならびに臨界温度が−20℃以上の圧縮ガスを含有し
た噴射剤と、有効成分0.01〜50重量%、非イオン
性界面活性剤0.1〜30重量%、油成分20〜95重
量%および溶媒0.5〜50重量%を含有した油中水型
原液からなり、温湯中に噴射したときに水中油型へ転
相する浴用エアゾール組成物エアゾール用耐圧容器内
に充填され、該浴用エアゾール組成物を線状または棒状
に噴射する浴用エアゾール製品に関する。
【0008】
【作用および実施例】本発明の浴用エアゾール組成物
は、前記したように、臨界温度が−20℃以上の圧縮ガ
スを含有した噴射剤と、有効成分0.01〜50重量
%、非イオン性界面活性剤0.1〜30重量%、油成分
20〜95重量%および溶媒0.5〜50重量%を含有
した油中水型原液からなり、温湯中に噴射されたとき
に水中油型へ転相するものである。
【0009】本発明の浴用エアゾール組成物が、湯中で
線状、棒状などに噴射されてすばやく拡散し、さらに該
組成物をエアゾール用耐圧容器内に充填した浴用エアゾ
ール製品を、ある程度の高温多湿下で安定して安全に用
いることができるのは、このように噴射剤に特定の圧縮
ガスが含有されているからである。
【0010】前記噴射剤の配合量は、その種類によって
異なるので一概には決定することができないが、たとえ
ばかかる噴射剤が圧縮ガスのみからなるものであるばあ
いには、浴用エアゾール組成物の0.05〜10重量
%、なかんづく0.1〜5重量%であることが好まし
く、またかかる噴射剤が圧縮ガスに後述する液化ガスが
添加されたものであるばあいには、浴用エアゾール組成
物の1〜20重量%であることが好ましい。かかる噴射
剤の配合量が前記下限値未満であるばあいには、加圧が
不充分となり、吐出状態が良好でなくなる傾向があり、
また前記上限値をこえるばあいには、内圧が非常に高く
なって高圧ガス取締法上好ましくないようになる傾向が
ある。
【0011】なお、噴射剤の配合量は、えられる浴用エ
アゾール製品の内圧が35℃で8kg/cm2・G以下
となるように前記範囲内で調整すればよい。
【0012】前記臨界温度が−20℃以上の圧縮ガスと
しては、たとえば炭酸ガス、亜酸化チッ素ガスなどがあ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。前記圧縮ガスの含有量は、えられる浴
用エアゾール組成物の25℃における圧力の40%以上
の圧力となるように調整することが好ましい。
【0013】なお、本発明においては、前記圧縮ガスの
ほかに、浴用エアゾール組成物の25℃における圧力の
60%未満の圧力となるように噴射剤に液化ガスを含有
することができ、該液化ガスとしては、たとえばジメチ
ルエーテル、i−ペンタン、n−ペンタン、i−ブタ
ン、n−ブタン、プロパンやこれらの混合物などがあげ
られる。また、かかる液化ガスを用いるばあいにおいて
も、噴射剤の総配合量は、えられる浴用エアゾール製品
の内圧が35℃で8kg/cm2・G以下となるように
調整することが好ましい。
【0014】本発明の浴用エアゾール組成物に用いられ
油中水型原液(以下、単に原液ともいう)には、有
成分、非イオン性界面活性剤、油成分および溶媒含有
される。
【0015】前記原液の配合量は、前記噴射剤の種類に
よって異なるので一概には決定することができないが、
たとえば噴射剤が圧縮ガスのみからなるものであるばあ
いには、原液の配合量は浴用エアゾール組成物の90〜
99.95重量%、なかんづく95〜99.9重量%で
あることが好ましく、またかかる噴射剤が圧縮ガスに液
化ガスが添加されたものであるばあいには、液化ガスそ
のものが原液に溶解することもありうるので、好ましい
圧力をうるには、原液の配合量は浴用エアゾール組成物
の80〜99重量%であることが好ましい。かかる原液
の配合量が前記下限値未満であるばあいには、噴射剤の
配合量が多くなるが、かかる噴射剤中に前記圧縮ガスは
ある一定量までしか用いることが困難であり、その結
果、たとえば前記液化ガスを用いることとなり、火気が
付近にあることが多い浴室での使用を考慮すると、かか
る液化ガスの使用量を増加させると危険性が高くなると
いった問題が生じる傾向があり、また前記上限値をこえ
るばあいには、噴射剤の配合量が少なくなって加圧が不
充分となり、吐出しにくくなる傾向がある。
【0016】前記有効成分としては、たとえばセンキュ
ウ、当帰、橙皮、菖蒲、桃葉、桂皮、ウイキョウ、ケイ
ガイ、チンピ、ローズマリー、ガイヨウ、甘草、アロ
エ、はと麦、ユズ、ラベンダー、人参、紫根、リモネン
などの植物エキス;サフラワー油、大豆油、トウヒ油、
オリーブ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、
メドウホーム油、アボガド油、ホホバ油、マカデミアナ
ッツ油、綿実油、ラッカセイ油、米ヌカ油、ラベンダー
油、ハッカ油、ベルガモット油、ヒノキ油などの植物性
油;スクワランなどの動物性油;シリコーン;マンニト
ール、ソルビトール、キシリトールなどの多糖類;ヒア
ルロン酸、コンドロイチン硫酸塩などのムコ多糖類;加
水分解コラーゲンペプチドおよびその誘導体、海藻エキ
スなどの保湿剤;カゼイン、脱脂粉乳、レシチン、ペプ
チド、シルクプロテイン、大豆プロテイン、コラーゲン
などのタンパク質;アスコルビン酸、パントテン酸、ト
コフェロール、ピリドキシン、チアミン、リボフラビン
などのビタミンおよびその誘導体、グリチルリチン酸
類、グリチルレチン酸類、アラントインなどの抗炎症物
質;パンクレアチン、パパイン酵素などのタンパク分解
酵素;殺菌剤;無水ケイ酸、メタケイ酸、炭酸マグネシ
ウム、リン酸水素ナトリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシ
ウム、酸化チタン、イオウ、人工カルルス塩、ホウ砂、
ホウ酸、雲母末、活性白土、中性白土、タルクなどの無
機成分などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。
【0017】なお、原液に前記無機成分が含有された浴
用エアゾール組成物を用いたばあいには、かかる無機成
分が懸濁化作用を呈することから、にごり湯とすること
ができる。このとき、前記無機成分の含有量があまりに
も少ないばあいには、好ましい使用感がえられにくくな
る傾向があり、またあまりにも多いばあいには、エアゾ
ール組成物を液体の状態で吐出させにくくなる傾向があ
るので、かかる無機成分の含有量は、原液の0.1〜5
0重量%程度、なかんづく1〜30重量%程度であるこ
とが好ましい。
【0018】また、本発明においては、前記無機成分と
して、たとえばタルク、酸化亜鉛、酸化チタン、中性白
土、イオウ、無水ケイ酸、メタケイ酸、雲母末などのま
ったくまたはほとんど溶出しない無機成分を用いるばあ
いには、その含有量が無機成分全量の50重量%未満と
なるように調整すればよい。
【0019】なお、前記無機成分の平均粒子径は、あま
りにも小さいばあいには、使用時にエアゾール組成物が
飛散するようになる傾向があり、またあまりにも大きい
ばあいには、ノズル中などで詰まりが生じたり、エアゾ
ール組成物の吐出パターンが変化するようになる傾向が
あるので、通常0.01〜100μm、なかんづく0.
1〜50μmであることが好ましい。
【0020】前記非イオン性界面活性剤は、前記各有効
成分に安定性を付与し、えられる浴用エアゾール組成物
の吐出形態を調整する作用を有するものである。
【0021】かかる非イオン性界面活性剤としては、た
とえばポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンラノリン、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル
型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルなどのエーテル型非イオン性界面活性剤、ポリ
オキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油などのエーテルエステル型非イオン性界面活性剤な
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。
【0022】前記油成分としては、前記有効成分として
用いられる植物性油および動物性油のほかに、たとえば
ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロ
ピル、ステアリン酸オクチル、オレイン酸ジグリセリ
ル、オクタン酸セトステアリル、オクタン酸セチルなど
の脂肪酸エステル;パラフィン、軽質流動パラフィンな
どの脂肪族炭化水素化合物などや、さらにエモリエント
剤としてのキミルアルコール、バチルアルコール、セラ
キルアルコールなどのアルキルグリセリンエーテルなど
があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して
用いることができる。
【0023】前記溶媒としては、たとえば精製水などの
水;エタノール、プロパノールなどの低級1価アルコー
ル;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコー
ルなどの多価アルコール;ステアリルアルコール、セチ
ルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコー
ルなどや、ほかにも溶解補助用の溶媒としてのメチルエ
ーテル、メチルエチルケトンなどがあげられ、これらは
単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0024】なお本発明において、油中水型原液を構成
する水の概念には、いわゆる精製水などの水だけでな
く、前記各種溶媒が含まれる。
【0025】本発明の浴用エアゾール組成物に用いられ
る原液には、前記有効成分、非イオン性界面活性剤、油
成分および媒のほかにも、たとえば前記無機成分以外
のたとえばナイロンパウダー、粒状シリコーンなどの懸
濁化剤や使用感を向上せしめるための香料、色素などが
含有されていてもよい。
【0026】発明においては、前記有効成分、非イオ
ン性界面活性剤、油成分および溶媒の種類を適宜調整
し、その含有量を特定範囲内に調整することによって、
油中水型原がえられ、かかる油中水型原液からなる浴
用エアゾール組成物を、たとえば25℃程度以上の温湯
中に噴射したばあいには、ただちに油中水型から水中油
型への転相がおこり、にごり湯とすることができる。
【0027】前記油中水型原液に用いられる非イオン性
界面活性剤のなかでもHLB値が5〜8程度と比較的
低い非イオン性界面活性剤とHLB値が12〜20程度
と比較的高い非イオン性界面活性剤とを併用すると、そ
の乳化力が向上するので好ましい。
【0028】また、油成分としては、浴槽内に噴射する
際の取扱いやえられる浴用エアゾール組成物の溶解性な
どの点から低粘性のものを用いることが好ましい。
【0029】油中水型原の有効成分の含有量は、
0.01〜50重量%、なかんづく0.1〜30重量%
である。かかる有効成分の含有量が前記下限値未満であ
るばあいには、該有効成分を含有することによる効果が
充分に発現されなくなり、また前記上限値をこえるばあ
いには、作用が減退したり、悪臭、異臭の発生、皮膚や
粘膜の刺激などによる使用感の悪化が起こったり、製剤
的な不安定化やコストアップなどの問題が生じる。
【0030】前記非イオン性界面活性剤の含有量は、
0.1〜30重量%、なかんづく0.5〜20重量%
ある。かかる非イオン性界面活性剤の含有量が前記下限
値未満であるばあいには、乳化力が弱く、転相がおこり
にくくなり、また前記上限値をこえるばあいには、皮膚
や粘膜の刺激が生じたり、えられる浴用エアゾール組成
物を添加した温湯でシャンプー、リンス、石けんなどを
使用したときに、泡立ち、付着性などの使用感が低下す
る。
【0031】前記油成分の含有量は、20〜95重量
%、好ましくは77〜95重量%、さらに好ましくは7
〜80重量%である。かかる油成分の含有量が前記下
限値未満であるばあいには、浴槽内の多量の温湯に対し
て充分なにごり湯とすることが困難となり、また前記上
限値をこえるばあいには、前記非イオン性界面活性剤の
添加が困難になる。
【0032】前記溶媒の含有量は、0.5〜50重量
%、なかんづく0.5〜30重量%である。かかる溶媒
の含有量が前記下限値未満であるばあいには、たとえば
防腐剤、香料などの添加物の溶解が困難となり、また前
記上限値をこえるばあいには、併用される前記油成分と
の相溶性の低下が生じたり、充分な油中水型原液がえら
れにくくなる。
【0033】油中水型原液は、たとえばそれぞれの所望
量を前記範囲内で調整した有効成分、非イオン性界面活
性剤および油成分を50〜80℃、なかんづく60〜7
0℃に加温して溶解させたものに、所望量を前記範囲内
で調整し、あらかじめ50〜80℃、なかんづく60〜
70℃に加温した溶媒を徐々に添加することによって調
製することができる。
【0034】なお、本発明において前記油中水型原液を
調製する際に、保湿効果を発現させようとするばあいに
は、有効成分としてソルビトール、マンニトール、キシ
リトールなどの多糖類の水溶液を0.1〜30重量%、
なかんづく3〜20重量%配合することが好ましい。
【0035】かくしてえられる浴用エアゾール組成物を
通常の方法でエアゾール用耐圧容器内に充填することに
よって本発明の浴用エアゾール製品がえられる。
【0036】前記エアゾール用耐圧容器には、とくに限
定がなく、通常用いられる容器を適用することができ
る。
【0037】前記浴用エアゾール用耐圧容器内に充填さ
れる浴用エアゾール組成物の量は、通常製品の内圧が2
5℃で2〜6kg/cm2・G、なかんづく2.5〜5
kg/cm2・Gとなるように調整することが好まし
い。かかる内圧が前記下限値未満であるばあいには、良
好な吐出状態となりにくくなる傾向があり、また前記上
限値をこえるばあいには、浴槽といった比較的高温の場
所での使用を考えると、より高圧になって危険性が大き
くなる傾向がある。なお、本発明の浴用エアゾール製品
は、たとえば30℃程度の高温の浴室内で保存したばあ
いであっても、その内圧が2.7〜13kg/cm2
G程度であるので、安全性にすぐれたものである。
【0038】前記浴用エアゾール組成物は、線または
棒状の噴射形態であるので、湯中でより拡散しやすい。
【0039】なお、本発明においては、浴用エアゾール
組成物を線状または棒状に噴射し、湯中における浴用エ
アゾール組成物の拡散性さらに向上させるために、たと
えば図1に示されるようなノズルを有するボタンを備え
たバルブを、エアゾール用耐圧容器に取り付けて用いる
ことが好ましい。
【0040】図1は、本発明の浴用エアゾール製品に用
いられるボタンの一実施態様を示す概略説明図である。
【0041】図1において、ボタン1は外部へ突出した
くちばし状のノズル2を有する。ノズル2内の組成物導
入孔3において、噴射孔4の内径と根元部5の内径とは
ほぼ同じ大きさである。したがって、エアゾール用耐圧
容器内に充填された浴用エアゾール組成物が、噴射孔4
を介して湯面近くから直線状に噴射されたばあいであっ
ても、湯中深くまで到達し、湯中で拡散されやすくな
る。
【0042】なお、前記ノズル2内の組成物導入孔3の
長さは、その噴射孔4の内径によって異なるので一概に
は決定することができないが、よりスムーズに直線状に
組成物を噴射させようとするばあいには、たとえば噴射
孔4の内径が0.5〜1.5mm、なかんづく0.7〜
1.2mmである際には、組成物導入孔3の長さは5〜
15mm、なかんづく7〜12mmであることが好まし
い。
【0043】つぎに、本発明の浴用エアゾール組成物お
よび浴用エアゾール製品を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0044】実施例1 表1に示される(A)成分を約60℃に加温して溶解さ
せたもの約60℃に加温した(B)成分を徐々に添加
し、充分に撹拌して均一な油中水型原液を調製した。こ
油中水型原液と噴射剤である(C)成分とを均一に混
合して浴用エアゾール組成物をえた。
【0045】えられた浴用エアゾール組成物を、エアゾ
ール用耐圧容器(満注量:200ml)に25℃で内圧
が3.5kg/cm2・Gとなるように充填し、図1に
示されるボタン(ノズル内の組成物導入孔の長さ:7m
m、吐出孔の内径:0.7mm)を備えたバルブを取り
付けて浴用エアゾール製品をえた。
【0046】
【表1】
【0047】えられた浴用エアゾール製品の特性として
使用感、保存安定性ならびに拡散性および溶解性を以下
の方法にしたがって調べた。その結果を表に示す。
【0048】(イ)使用感 無作為に抽出した男女50名に、約27℃の浴室内で約
40℃の湯中に浴用エアゾール製品を噴射したのちに入
浴してもらい、使用感を以下の評価基準に基づいて評価
した。 (評価基準) ○:好みの量を噴射することができて非常に使いやす
く、とても気持ちよく入浴することができる。 △:気持ちよく入浴することができるが、少し使いにく
い。 ×:非常に使いにくい。
【0049】なお、表中のA〜Eの評価基準は以下の
とおりである。 (評価基準) A:○が40名以上 B:○が30〜39名 C:○が20〜29名 D:○が10〜19名 E:○が9名以下
【0050】(ロ)保存安定性 調製直後の25℃での浴用エアゾール組成物の状態を目
視にて観察して調べた。つぎに、該浴用エアゾール組成
物を充填した浴用エアゾール製品を約37℃、相対湿度
約90%の室内に1カ月間放置したのち、該浴用エアゾ
ール製品をよく振盪したのち2秒間噴射し、浴用エアゾ
ール組成物の状態を目視にて観察して調べ、調製直後の
状態と比較し、以下の評価基準に基づいて評価した。 (評価基準) A:1カ月間放置後も安定して均一に噴射することがで
き、噴射した浴用エアゾール組成物の状態にまったく変
化がない。 B:1カ月間放置後、噴射状態が少し安定せず、噴射し
た浴用エアゾール組成物中で分離が生じる。 C:1カ月間放置後、噴射状態が安定せず、噴射した浴
用エアゾール組成物が完全に分離している。
【0051】(ハ)拡散性および溶解性 約40℃の湯中に浴用エアゾール製品を2秒間噴射し、
湯中での浴用エアゾール組成物の拡散および溶解状態を
目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。 (評価基準) A:すばやく拡散し、溶解して均一な状態になる。 B:少し拡散および溶解しにくく、均一な状態になりに
くい。 C:非常に拡散および溶解しにくく、均一な状態になら
ない。
【0052】実施例に示される(A)成分を約65℃に加温して溶解さ
せたものに約65℃に加温した(B)成分を徐々に添加
し、充分に撹拌して均一な油中水型原液を調製した。こ
油中水型原液と噴射剤である(C)成分とを用い、実
施例1と同様にして浴用エアゾール組成物が充填された
浴用エアゾール製品をえた。
【0053】
【表2】
【0054】えられた浴用エアゾール製品の特性を実施
例1と同様にして調べた。その結果を表に示す。
【0055】実施例に示される(A)成分を約70℃に加温して溶解さ
せたものに約70℃に加温した(B)成分を徐々に添加
し、充分に撹拌して均一な油中水型原液を調製した。こ
油中水型原液と噴射剤である(C)成分とを用い、実
施例1と同様にして浴用エアゾール組成物が充填された
浴用エアゾール製品をえた。
【0056】
【表3】
【0057】えられた浴用エアゾール製品の特性を実施
例1と同様にして調べた。その結果を表に示す。
【0058】実施例に示される(A)成分を約70℃に加温して溶解さ
せたものに約70℃に加温した(B)成分を徐々に添加
し、充分に撹拌して均一な油中水型原液を調製した。こ
油中水型原液と噴射剤である(C)成分とを用い、実
施例1と同様にして浴用エアゾール組成物が充填された
浴用エアゾール製品をえた。
【0059】
【表4】
【0060】えられた浴用エアゾール製品の特性を実施
例1と同様にして調べた。その結果を表に示す。
【0061】実施例に示される(A)成分に(B)成分を添加し、均一
に混合して油中水型原液を調製した。この油中水型原液
と噴射剤である(C)成分とを用い、実施例1と同様に
して浴用エアゾール組成物が充填された浴用エアゾール
製品をえた。
【0062】
【表5】
【0063】えられた浴用エアゾール製品の特性を実施
例1と同様にして調べた。その結果を表に示す。
【0064】比較例1 実施例1において、炭酸ガス0.2重量%のかわりにチ
ッ素ガス0.2重量%を用いたほかは実施例1と同様に
て浴用エアゾール製品をえた。
【0065】えられた浴用エアゾール製品の特性を実施
例1と同様にして調べた。その結果を表に示す。
【0066】
【表6】
【0067】表に示された結果から、本発明の浴用エ
アゾール組成物および浴用エアゾール製品は、使用感が
よく、高温多湿下で長期間にわたって保存したばあいで
あっても安定しており、湯中での拡散性および溶解性に
すぐれたものであることがわかる。
【0068】なお、保存安定性の試験で、浴用エアゾー
ル製品を高温多湿下で放置したが、実施例1〜でえら
れた製品は、その耐圧容器に何らの変化がなく、安全な
ものであった。
【0069】
【発明の効果】本発明の浴用エアゾール組成物および浴
用エアゾール製品は、使用量の調節が容易であり、使用
感がきわめてよく、高温多湿下で長期間にわたって保存
したばあいであっても、安定した状態で噴射することが
でき、さらに湯中での拡散性および溶解性にすぐれたも
のであるので、浴室内で保存および使用する入浴剤とし
て好適に使用しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浴用エアゾール製品に用いられるボタ
ンの一実施態様を示す概略説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−287018(JP,A) 特開 平2−138209(JP,A) 特開 昭62−242612(JP,A) 特開 昭57−18776(JP,A) 特開 昭48−19487(JP,A) 特開 平3−90018(JP,A) 特開 平7−53395(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/50

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臨界温度が−20℃以上の圧縮ガスを含
    有した噴射剤と、有効成分0.01〜50重量%、非イ
    オン性界面活性剤0.1〜30重量%、油成分20〜9
    5重量%および溶媒0.5〜50重量%を含有した油中
    水型原液からなる浴用エアゾール組成物であって、温
    湯中に噴射されたときに水中油型へ転相する浴用エアゾ
    ール組成物。
  2. 【請求項2】 非イオン性界面活性剤として、HLB値
    が5〜8の非イオン性界面活性剤とHLB値が12〜2
    0の非イオン性界面活性剤とを併用したものである請求
    項1記載の浴用エアゾール組成物。
  3. 【請求項3】 油成分の配合量が、油中水型原液の77
    〜95重量%である請求項1または2記載の浴用エアゾ
    ール組成物。
  4. 【請求項4】 圧縮ガスが炭酸ガスである請求項1、2
    または3記載の浴用エアゾール組成物。
  5. 【請求項5】 噴射剤が液化ガスを含有したものである
    請求項1、2、3または記載の浴用エアゾール組成
    物。
  6. 【請求項6】 臨界温度が−20℃以上の圧縮ガスを含
    有した噴射剤と、有効成分0.01〜50重量%、非イ
    オン性界面活性剤0.1〜30重量%、油成分20〜9
    5重量%および溶媒0.5〜50重量%を含有した油中
    水型原液からなり、温湯中に噴射したときに水中油型
    へ転相する浴用エアゾール組成物エアゾール用耐圧容
    器内に充填され、該浴用エアゾール組成物を線状または
    棒状に噴射する浴用エアゾール製品。
  7. 【請求項7】 非イオン性界面活性剤として、HLB値
    が5〜8の非イオン性界面活性剤とHLB値が12〜2
    0の非イオン性界面活性剤とを併用したものである請求
    項6記載の浴用エアゾール製品。
  8. 【請求項8】 油成分の配合量が、油中水型原液の77
    〜95重量%である請求項6または7記載の浴用エアゾ
    ール製品。
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