JP3853401B2 - 消炎鎮痛用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、消炎鎮痛用組成物に関する。さらに詳しくは、たとえばエアゾール製品としたばあいには、霧状に噴射させることができるにもかかわらず、鼻粘膜を刺激することがなく、患部に容易に均一に塗布させることができ、しかも爽快感を付与しうる消炎鎮痛用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、消炎鎮痛剤としては、たとえばインドメタシンなどの酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物が汎用されている。
【0003】
たとえば、前記非ステロイド系消炎鎮痛化合物を、通常の経口投与や坐剤投与などの方法により、短期間ではなく、長期間にわたって投与したばあい、胃腸障害や腎臓・肝臓障害などの副作用が生じるといった問題がある。
【0004】
そこで、前記問題を解決するべく、経口投与や坐剤投与とは異なる経路によって消炎鎮痛剤を患部に浸透させることを目的として、近年、外用液剤などの研究が行なわれ、市販されるまでにいたっている。
【0005】
しかしながら、前記外用液剤を患部の皮膚表面に塗布する際に、患部の痛みが激しいばあいには、かなりの苦痛を伴うという問題がある。
【0006】
そこで、前記外用液剤を用いる際の苦痛を緩和しうるものとして、インドメタシンを含有したエアゾール剤が提案されている(特開昭61−83117号公報)。
【0007】
しかしながら、前記エアゾール剤は、霧状に噴射されるばあいが多く、かかる霧状のエアゾール剤によって鼻粘膜が刺激されて咳込んだり、口内に入り込んで前記経口投与を行なったばあいと同様の副作用が生じるなどの問題がある。
【0008】
特開平3−72432号公報には、前記エアゾール剤のように鼻粘膜を刺激しない泡状エアゾール剤が開示されている。
【0009】
しかしながら、前記泡状エアゾール剤は、噴射したときに泡状となるものであることから、その効果を充分に発現させるには、エアゾール剤が塗布された患部を充分に擦らなければならず、前記外用液剤と同様に、患部の痛みが激しいばあいには、やはり苦痛を伴うという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、たとえばエアゾール製品としたばあいには、霧状に噴射させることができるにもかかわらず、鼻粘膜を刺激することがなく、患部に容易に均一に塗布させることができ、しかも噴射剤の気化熱によって爽快感を付与しうる消炎鎮痛用組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物0.1〜10重量%、水75〜99.5重量%、界面活性剤0.1〜10重量%および増粘剤0.01〜10重量%を含有した原液10〜50重量%と、
(B)噴射剤50〜90重量%
とからなる消炎鎮痛用組成物であって、原液と噴射剤とが乳化しており、霧状に噴射する消炎鎮痛用組成物に関する。
また、本発明は、(A)酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物0.1〜10重量%、水75〜99.5重量%、界面活性剤0.1〜10重量%および増粘剤0.01〜10重量%を含有した原液10〜50重量%と、
(B)噴射剤50〜90重量%
とからなる消炎鎮痛用組成物を、バルブオリフィスの断面積の2倍以上の断面積のオリフィスを有するボタンが装着されている容器に充填し、霧状に噴射するエアゾール製品にも関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の消炎鎮痛用組成物は、前記したように、特定量の消炎鎮痛化合物、水、界面活性剤および増粘剤を含有した原液と噴射剤とが用いられ、前記原液と噴射剤とが特定の割合で配合され、たとえばエアゾール製品としたばあいには、乳化状態でエアゾール化されるものであり、(A)酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物0.1〜10重量%、水75〜99.5重量%、界面活性剤0.1〜10重量%および増粘剤0.01〜10重量%を含有した原液10〜50重量%と、(B)噴射剤50〜90重量%とから構成される。
【0013】
本発明に用いられる酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物は、えられる消炎鎮痛用組成物にすぐれた消炎鎮痛効果を付与する有効成分である。
【0014】
前記酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物の代表例としては、たとえばインドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、フェルビナク、アスピリン、アルクロフェナック、クリダナク、サルサラート、ナプロキセン、フェンブフェン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、メチアジン酸、メフェナム酸などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの消炎鎮痛化合物のなかでは、とくにインドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェンおよびフェルビナクが、その消炎鎮痛効果の面から好適に使用しうるものである。
【0015】
前記酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物の原液中における含有量は、その消炎鎮痛効果を充分に発現させるために、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上とされ、またえられる消炎鎮痛用エアゾール組成物を患部に噴射した際に、刺激が生じるなどの副作用のおそれをなくすために、10重量%以下、好ましくは7重量%以下とされる。
【0016】
本発明に用いられる水は、えられる消炎鎮痛用組成物を噴射した際に、皮膚に刺激が生じるのを抑制し、かかる組成物の基剤となる成分である。
【0017】
前記水の種類はとくに限定がなく、たとえば通常基剤として用いられている精製水やイオン交換水などを好適に用いることができる。
【0018】
前記水の原液中における含有量は、皮膚に刺激が生じるのを充分に抑制するために、75重量%以上、好ましくは80重量%以上とされ、また他の各成分の原液中における含有量が少なくなり、これら各成分の効果が充分に発現されなくなるおそれをなくすために、99.5重量%以下、好ましくは98.5重量%以下とされる。
【0019】
本発明に用いられる界面活性剤は、原液と噴射剤とを乳化させ、えられる消炎鎮痛用組成物を、たとえばエアゾール製品とする際に乳化状態でエアゾール化させるための成分である。
【0020】
前記界面活性剤の代表例としては、たとえばカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩などのアニオン界面活性剤;脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などのカチオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、シリコーンポリエーテルコポリマーなどのノニオン界面活性剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの界面活性剤のなかでは、とくにノニオン界面活性剤が、たとえばエアゾール用の金属製容器との腐食性、非ステロイド系消炎鎮痛化合物の安定性などの面から好適に使用しうるものである。
【0021】
前記界面活性剤の原液中における含有量は、強力な振盪または長時間にわたる振盪なしで、原液と噴射剤とを均一に乳化させるために、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上とされ、また皮膚に刺激を与えないようにするために、10重量%以下、好ましくは7重量%以下とされる。
【0022】
本発明に用いられる増粘剤は、原液と噴射剤とが乳化してえられた消炎鎮痛用組成物をたとえば霧状に噴射させた際の粒子径を調整し、かかる組成物が霧状に噴射されたときの鼻粘膜に対する刺激を抑制するための成分であり、本発明においては、かかる増粘剤を用いたことに大きな特徴の1つがある。
【0023】
なお、えられる消炎鎮痛用組成物を噴射させた際の平均粒子径があまりにも小さいばあいには,噴射した際に鼻粘膜を刺激しやすくなる傾向があり、またかかる平均粒子径があまりにも大きいばあいには、ストリーム状の吐出によって飛散やはね返りが大きくなる傾向がある。したがって、かかる消炎鎮痛用組成物を噴射させた際の平均粒子径は、前記増粘剤の配合量を調整し、40μm以上、なかんづく50μm以上、また500μm以下、なかんづく300μm以下となるようにすることが好ましい。
【0024】
前記増粘剤の代表例としては、たとえばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、カチオン化セルロースなどのセルロース類;キサンタンガム、グアガム、カチオン化グアガム、デンプン、カチオン化デンプン、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸、カラーギナン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
前記増粘剤の原液中における含有量は、えられる消炎鎮痛用組成物の粒子径が小さくなりすぎて、鼻粘膜を刺激しないようにするために、0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上とされ、また消炎鎮痛用組成物が充分に霧状に噴射されるようにするために、10重量%以下、好ましくは6重量%以下とされる。
【0026】
前記したように、本発明に用いられる原液は、酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物、水、界面活性剤および増粘剤を含有したものであるが、本発明においては、必要に応じて、さらに他の成分を原液に配合することができる。
【0027】
たとえば、えられる消炎鎮痛用組成物を噴射した際に、皮膚への吸収作用を向上させ、さらに非ステロイド系消炎鎮痛化合物を充分に溶解させるために、前記水の一部を、1価の低級アルコールおよび/または多価アルコールに置換することが好ましい。
【0028】
前記1価の低級アルコールの代表例としては、たとえばエタノール、変性エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノールなどの炭素数2〜4のアルコールがあげられる。
【0029】
前記多価アルコールの代表例としては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどのヒドロキシル基を2〜3個有する炭素数2〜8のアルコールがあげられる。
【0030】
前記1価の低級アルコールおよび/または多価アルコールのアルコール類は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、該アルコール類の原液中における含有量は、皮膚に刺激が生じるのを抑制する効果の発現および前記水の原液中における含有量とのバランスを考慮して調整することが好ましい。したがって、かかるアルコール類と水との割合(アルコール類/水(重量比))が1/99以上、なかんづく2/98以上、また50/50以下、なかんづく40/60以下となるように調整することが好ましい。
【0031】
さらに、前記原液には、これらのほかにも、たとえば鎖状ジメチルシリコーンオイル(メチルポリシロキサン)、環状シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル;アイソパーA、アイソパーC、アイソパーD、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーM(以上、エクソン社製)、流動パラフィンなどのイソパラフィン系炭化水素、ワセリン、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、スクワレンなどの炭化水素類;オリーブ油、アーモンド油、ホホバ油、落花生油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、アボカド油、ツバキ油、トウモロコシ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、カカオ油、ゴマ油、月見草油、紅花油、サザンカ油、大豆油、ナタネ油などの植物油;ラノリン、ラノリン誘導体、タートル油、ミンク油、ミツロウ、プリスタン、卵黄油などの動物油;ブチルステアレート、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、オクチルドデシルミリステート、イソプロピルパルミテート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケートなどの脂肪酸エステル;l−メントール、dl−カンフル、チモール、ショウキョウエキス、ノニル酸ワニルアミド、トウガラシエキスなどの局所刺激剤;パラベンなどの防腐剤;ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤;水酸化ナトリウム、アンモニア水、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、クエン酸などのpH調整剤;酸化亜鉛、酸化チタン、ナイロンパウダー、シリコーンパウダー、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどの粉末などを、本発明の目的が疎外されない範囲内で配合することができる。
【0032】
なお、本発明に用いられる原液は、前記各成分が混合溶解された均一な状態であってもよく、また酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物が微粉末として均一に分散された状態であってもよい。
【0033】
前記噴射剤の代表例としては、たとえばLPG(プロパン、i−ブタンおよびn−ブタンを主成分とする液化石油ガス)、n−ペンタン、i−ペンタン、ジメチルエーテル、ジフルオロモノクロロエタン、モノクロロジフルオロメタン、テトラフルオロエタンなどのフロンガスなどの液化ガスがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの噴射剤のなかでは、汎用性の面から、LPG(液化石油ガス)、i−ペンタンおよびジメチルエーテルが好ましい。なお、本発明においては、前記液化ガスに、たとえば空気、N2、O2、CO2、N2Oなどの圧縮ガスを配合することができる。
【0034】
また、前記噴射剤の蒸気圧は、消炎鎮痛用組成物の噴射状態および安全性を考慮して、35℃で8kg/cm2・G程度以下となるように調整することが好ましい。
【0035】
本発明の消炎鎮痛用組成物は、前記原液10〜50重量%と、噴射剤50〜90重量%とから構成される。
【0036】
前記原液の割合があまりにも多いばあい、すなわち前記噴射剤の割合があまりにも少ないばあいには、消炎鎮痛用組成物の噴射が不充分となるようになり、また前記原液の割合があまりにも少ないばあい、すなわち前記噴射剤の割合があまりにも多いばあいには、消炎鎮痛効果が低下するようになる。
【0037】
したがって、前記原液の割合は、10重量%以上、好ましくは20重量%以上、また50重量%以下、好ましくは40重量%以下とされ、すなわち前記噴射剤の割合は、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、また90重量%以下、好ましくは80重量%以下とされる。
【0038】
本発明の消炎鎮痛用組成物は、たとえば、通常の方法でエアゾール用耐圧容器内に充填し、エアゾール用バルブ、ボタンを取りつけることによってエアゾール製品とすることができる。
【0039】
前記エアゾール用耐圧容器にはとくに限定がなく、通常用いられている容器を適用することができるが、バルブオリフィスの断面積の2倍以上、好ましくは3倍以上の断面積のオリフィスを有するボタンが装着された容器を用いることが、消炎鎮痛用組成物を噴射させた際の平均粒子径を考慮すると好ましい。
【0040】
かくしてえられる本発明の消炎鎮痛用組成物は、たとえばエアゾール製品としたばあいには、霧状に噴射させることができるにもかかわらず、鼻粘膜を刺激することがなく、患部に容易に均一に塗布させることができ、しかも噴射剤の気化熱によって爽快感を付与することができるものである。
【0041】
【実施例】
つぎに、本発明の消炎鎮痛用組成物を実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0042】
実施例1〜6および比較例1〜4
表1に示す組成からなる原液と噴射剤とを混合して消炎鎮痛用組成物をえた。えられた消炎鎮痛用組成物120gをエアゾール用耐圧容器(満注量:300ml)に充填し、それぞれ表1に示すオリフィス径を有するエアゾール用バルブおよびボタンを取り付けてエアゾール製品を作製した。
【0043】
なお、比較例1においては、消炎鎮痛用組成物が乳化しなかったので、エアゾール製品を作製しなかった。
【0044】
また、表1中の略号は、以下に示すとおりである。
【0045】
[原液]
(消炎鎮痛化合物)
AI−1:インドメタシン
AI−2:ピロキシカム
AI−3:フェルビナク
(界面活性剤)
S−1:ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル
S−2:ポリオキシエチレン(20)ノニルフェニルエーテル
S−3:ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油
S−4:ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油
S−5:ポリエチレングリコールモノステアリン酸エステル(エチレンオキシド40モル付加)
(増粘剤)
T−1:キサンタンガム
T−2:カラーギナン
T−3:ポリエチレングリコール
T−4:ヒドロキシプロピルセルロース
(アルコール類)
Et:エタノール
IP:i−プロパノール
Gl:グリセリン
(その他)
DEA:ジエタノールアミン
TEA:トリエタノールアミン
DIPA:ジイソプロパノールアミン
Ta:タルク
DBHT:ジブチルヒドロキシトルエン
M:l−メントール
MP:メチルパラベン
ZO:酸化亜鉛
[噴射剤]
PR−1:LPG(35℃で3kg/cm2・G)
PR−2:i−ブタン(35℃で3.8kg/cm2・G)
PR−3:i−ペンタンとi−ブタンとの混合ガス(i−ペンタン/i−ブタン(重量比)=40/60、35℃で3.2kg/cm2・G)
PR−4:LPG(35℃で4kg/cm2・G)
PR−5:i−ペンタンとプロパンとの混合ガス(i−ペンタン/プロパン(重量比)=95/5、N2にて35℃で7kg/cm2・Gに加圧)
【0046】
【表1】
【0047】
つぎに、実施例1〜6および比較例2〜4でえられた消炎鎮痛用組成物の物性として、噴射状態、鼻粘膜に対する刺激性、塗布性および爽快感を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0048】
(イ)噴射状態
消炎鎮痛用組成物を掌の上に約3秒間噴射させ、その状態を観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0049】
(評価基準)
○:均一な状態で霧状に噴射されている。
△:霧状に噴射されているが、やや不均一な状態である。
×:霧状に噴射されず、不均一な状態である。
【0050】
(ロ)鼻粘膜に対する刺激性
無作為に抽出した男女各25名、合計50名のパネラーを対象として、消炎鎮痛用組成物を上腕部に約3秒間噴射し、鼻粘膜に刺激が生じるか否かを判定してもらい、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0051】
(評価基準)
○:わずかでも刺激が生じると判定した人が5名未満である。
△:わずかでも刺激が生じると判定した人が5名以上、25名未満である。
×:わずかでも刺激が生じると判定した人が25名以上である。
【0052】
(ハ)塗布性
無作為に抽出した男女各25名、合計50名のパネラーを対象として、消炎鎮痛用組成物を上腕部の約3cm四方に約3秒間噴射し、容易に均一に塗布することができるか否かを判定してもらい、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0053】
(評価基準)
○:容易に均一に塗布することができると判定した人が40名以上である。△:容易に均一に塗布することができると判定した人が20名以上、40名未満である。
×:容易に均一に塗布することができると判定した人が20名未満である。(ニ)爽快感
無作為に抽出した男女各25名、合計50名のパネラーを対象として、消炎鎮痛用組成物を上腕部の約3cm四方に約3秒間噴射したのち1分間放置し、腕の表面で爽快感があるか否かを判定してもらい、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0054】
(評価基準)
○:爽快感があると判定した人が40名以上である。
△:爽快感があると判定した人が20名以上、40名未満である。
×:爽快感があると判定した人が20名未満である。
【0055】
【表2】
【0056】
表2に示された結果から、実施例1〜6でえられた消炎鎮痛用組成物は、比較例2〜4でえられた組成物と異なり、霧状に均一に噴射させることができ、鼻粘膜を刺激せず、目的とする部位に容易に均一に塗布することができるうえ、爽快感にもすぐれたものであることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の消炎鎮痛用組成物は、たとえばエアゾール製品としたばあいには、霧状に噴射させることができるにもかかわらず、鼻粘膜を刺激することがなく、患部に容易に均一に塗布させることができ、しかも噴射剤の気化熱によって爽快感を付与することができるという効果を奏する。
Claims (9)
- (A)酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物0.1〜10重量%、水75〜99.5重量%、界面活性剤0.1〜10重量%および増粘剤0.01〜10重量%を含有した原液10〜50重量%と、
(B)噴射剤50〜90重量%
とからなる消炎鎮痛用組成物であって、原液と噴射剤とが乳化しており、霧状に噴射する消炎鎮痛用組成物。 - 原液に炭素数が2〜4の1価の低級アルコールおよび/またはヒドロキシル基を2〜3個有する炭素数2〜8の多価アルコールが含有され、アルコール類と水との割合(アルコール類/水(重量比))が1/99〜40/60である請求項1記載の消炎鎮痛用組成物。
- 非ステロイド系消炎鎮痛化合物が、インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェンおよびフェルビナクのうち少なくとも1種である請求項1または2記載の消炎鎮痛用組成物。
- 原液がpH調整剤を含む請求項1、2または3記載の消炎鎮痛用組成物。
- 原液の割合が20〜40重量%であり、噴射剤の割合が60〜80重量%である請求項1、2、3または4記載の消炎鎮痛用組成物。
- 噴射剤が液化ガスであり、蒸気圧が35℃で3〜8kg/cm 2 ・Gである請求項1、2、3、4または5記載の消炎鎮痛用組成物。
- 液化ガスがLPGである請求項6記載の消炎鎮痛用組成物。
- (A)酸性の非ステロイド系消炎鎮痛化合物0.1〜10重量%、水75〜99.5重量%、界面活性剤0.1〜10重量%および増粘剤0.01〜10重量%を含有した原液10〜50重量%と、
(B)噴射剤50〜90重量%
とからなる消炎鎮痛用組成物を、バルブオリフィスの断面積の2倍以上の断面積のオリフィスを有するボタンが装着された容器に充填したエアゾール製品。 - 噴射時の平均粒子径が50〜300μmである請求項8記載のエアゾール製品。
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