JP3221413B2 - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置及び半
導体装置の製造方法に関するものであり、特に詳しく
は、不純物の増速拡散を有効に抑制し、短チャネル化を
防止した微細化半導体装置及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の微細化による短チャネル化
を抑制するためには、浅接合形成技術が不可欠であっ
て、チャネル領域を含めた不純物拡散層をどのように構
成するかは重要な技術である。特に、イオン注入による
不純物導入においては、注入欠陥に起因した増速拡散を
抑制することが微細化の一つのファクターとなってい
る。
【0003】このため、短チャネル効果を抑制するため
の施策として、近年ソース/ドレイン拡散層の構造とし
て、ゲート電極に近い領域ではエクステンション領域と
称する極めて浅い高濃度の不純物拡散層を設ける構造が
主流となりつつある。この構造の製造工程の断面模式図
である図7を参照すると、ソース/ドレイン不純物拡散
層の製造方法は次のとおりになっている。
【0004】まず、半導体基板1の表面の素子分離領域
にフィールド酸化膜2が形成され、素子形成領域にゲー
ト酸化膜4が形成される。その後、ゲート電極3が形成
された後、エクステンション領域11の形成のために、
イオン注入、或は固相拡散、気相拡散、プラズマドーピ
ング、レーザードーピング技術などにより、極めて浅く
且つ高濃度に不純物がドーピングされた領域11として
形成される。
【0005】次にゲート電極3にサイドウォール5を形
成した後、エクステンション領域11より深い拡散層6
を形成するためのイオン注入を行い、活性化アニールに
よりエクステンション領域11と併せて半導体素子のソ
ース/ドレイン拡散層6が形成される。しかしながら、
このソース/ドレイン拡散層6の製造工程において、深
いソース/ドレイン拡散層6を形成するためのイオン注
入工程において、同時に基板中に導入される点欠陥等の
イオン注入欠陥が活性化アニール時に不純物の増速拡散
を起こし、先に形成しておいたエクステンション領域1
1の不純物、さらにはチャネル領域やウエルの不純物の
再分布を引き起こし、半導体素子の微細化が困難になる
他、しきい値の制御が困難になることが問題となる。
【0006】又、特開平6−267881号公報には、
増速拡散を抑制する為に不純物の高濃度領域と低濃度領
域とを2層に形成する事が開示されているが、その主目
的はアモルファス領域を積極的に形成させて点欠陥を吸
収する様にしたもので、不純物のドープ量も本発明のド
ープ量と比較して相対的に低いものである。又、特開平
8−18047号公報及び特開平9−306862号公
報には、上記公知例と同様の目的でソース拡散領域とド
レイン拡散領域とは分離して不純物の高濃度層を形成す
るものであり、又不純物のドープ量も本発明のドープ量
と比較して相対的に低いものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記した従来技術の欠点を改良し、イオン注入時に
発生した点欠陥が不純物の増速拡散に及ぼす影響を最小
限に抑制するための半導体の製造方法に関し、短チャネ
ル効果が抑制された微細な構造を有し、高速化を最優先
とする半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、基本的には、以下に記載されたような技
術構成を採用するものである。即ち、本発明に係る第1
の態様は、基板面にソース拡散領域、ドレイン拡散領域
が形成され、且つ当該両拡散領域に挟まれた当該基板面
にゲート酸化膜を介して電極が設けられている半導体装
置であって、当該ソース拡散領域及びドレイン拡散領域
の側面部と当該電極部の下部端面との間の領域に、当該
拡散領域の不純物の濃度よりも高い不純物濃度を持つエ
クステンション領域が形成されていると共に、当該ソー
ス拡散領域及びドレイン拡散領域の当該基板表面から当
該両拡散領域内に、所定の深さに形成された不純物濃度
の高い不純物の拡散抑制層が形成されており、且つ当該
不純物拡散抑制層の不純物濃度は、1×1021 cm3
以上である事を特徴とする半導体装置であり、又本発明
に係る第2の態様としては、基板面にソース拡散領域、
ドレイン拡散領域が形成され、且つ当該両拡散領域に挟
まれた当該基板面にゲート酸化膜を介して電極が設けら
れている半導体装置を製造するに際し、当該基板上にゲ
ート酸化膜を介してゲート電極部を形成する工程、当該
ゲート電極部をマスクとして当該ゲート電極部の両側の
当該基板表面から不純物を高濃度にドーピングして、当
該不純物が浅く且つ高濃度にドーピングされた第1の拡
散領域を形成する工程、当該ゲート電極部の側面部にサ
イドウォールを形成する工程、当該ゲート電極部と当該
サイドウォールをマスクとして不純物をドーピングする
事によって当該第1の拡散領域の深さよりも深い第2の
拡散領域を形成すると同時に、不純物濃度が1×10 21
/cm 3 を越える様にドーピング処理することにより
該第1と第2の拡散領域の重複領域部の少なくとも一部
に不純物拡散抑制層を形成し、同時にエクステンション
領域を形成する工程とから構成されている事を特徴とす
る半導体装置の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る当該半導体装置及び
半導体装置の製造方法に於いては、上記した様な技術構
成を採用しており、より具体的には、高濃度不純物拡散
層の形成過程において、イオン注入により不純物を5×
1015 cm2を超える濃度で導入し、この領域に不純
物のクラスターと称される不純物拡散抑制層を形成する
こと、及び上記の構造を得るために、注入イオンの70
%以上が不純物濃度1×1021 cm3を超える領域に
存在するような条件で注入を行うことによって、高濃度
のイオン注入領域にクラスターを形成し、これを点欠陥
のシンクとして作用させることにで不純物の増速拡散を
抑制することにある。
【0010】
【実施例】以下に、本発明に係る半導体装置及び半導体
装置の製造方法の一具体例の構成を図面を参照しながら
詳細に説明する。即ち、図1は、本発明に係る半導体装
置の一具体例の構成を示す図であり、図中、基板1表面
にソース拡散領域6、ドレイン拡散領域6’が形成さ
れ、且つ当該両拡散領域6、6’に挟まれた当該基板1
の表面にゲート酸化膜4を介してゲート電極部3が設け
られている半導体装置20であって、当該ソース拡散領
域6及びドレイン拡散領域6’の側面部と当該電極部3
の下部端面との間の領域に、当該拡散領域6、6’の不
純物の濃度よりも高い不純物濃度を持つエクステンショ
ン領域7が形成されている半導体装置20が示されてい
る。
【0011】本発明に係る当該半導体装置20に於ける
当該エクステンション領域7の深さは、当該ソース拡散
領域及びドレイン拡散領域6、6’の深さよりも浅く形
成されている事が望ましい。又、本発明に於いては、当
該ソース拡散領域及びドレイン拡散領域6、6’の当該
基板1の表面から当該両拡散領域6、6’内に、所定の
深さに形成された不純物濃度の高い不純物の拡散抑制層
8が形成されている事が望ましい。
【0012】本発明に於ける当該不純物拡散抑制層8
は、当該半導体装置20に於ける当該エクステンション
領域7の深さよりも浅い深さを有している事が望まし
い。本発明に於ける当該不純物拡散抑制層8は、クラス
ターとも称されるものであって、例えば、ドーピングさ
れた不純物同志、或いは当該不純物と基板の構成分子、
例えばシリコンとが結合して大きな分子状として存在し
ており、従来存在している点欠陥を吸収して不純物の増
速拡散を抑制する機能を有するものである。
【0013】その為、当該不純物拡散抑制層8は、従来
のドーピング条件とは異なり、極めて高濃度に不純物を
ドーピングする事が必要であり、例えば、当該不純物拡
散抑制層8に於ける不純物濃度は、1×1021 cm3
以上である事が好ましい。又、本発明に於いて使用され
る不純物は特に限定されるものではないが、特に拡散係
数の高いボロンを使用する場合に効果的である。
【0014】処で、本発明に係る上記した技術構成の背
景は、以下の通りである。即ち、図2に示すように拡散
層中の不純物分布のうち、例えばドーパントとしてボロ
ンを用いた場合、活性化熱処理温度が1000℃では、
キャリアの固溶限は1×1020/cm3 程度である。し
たがって、この濃度以上の不純物は殆ど不活性なまま基
板の表面領域に存在することになる。そして、この不活
性なボロンは注入ドーズ量を多くすればするほど増加す
る。
【0015】また、図3に示すように、イオン注入ドー
ズ量の増加とともに接合は深くなるが、ある程度のドー
ズ量を超えると接合深さは変化しなくなる。そして、こ
の不活性なボロンは、さらに高温または長時間のアニー
ルを行っても拡散せず、不活性なままである。更に図4
に示すようにイオン注入時に導入された点欠陥が、周辺
の他のドーパントに及ぼす影響を調べると、例えばボロ
ンを2keVで注入した場合には、注入ドーズ量を高く
すると不純物の増速拡散の影響が抑制されることが分か
る。
【0016】これらのことから、高濃度の不活性ボロン
はクラスターと称される不純物拡散抑制層8を形成し、
点欠陥のシンクとなるために、不純物の増速拡散が抑制
されると考えられ、接合深さを浅く保ちつつ周辺不純物
の再分布を抑制することが出来る。以下に、本発明に係
る当該半導体装置20及びその製造方法の具体例を説明
する。
【0017】本発明の具体例について図1の断面図を用
いて説明するならば、まず、半導体基板1の表面の素子
分離領域にフィールド酸化膜2を形成し、素子形成領域
にゲート酸化膜4及びゲート電極3を形成する。ここ
で、将来エクステンション領域7部分を構成する領域の
形成のために、イオン注入により極めて浅く且つ高濃度
に不純物がドーピングされた領域10(つまり図7
(a)に示す従来の半導体装置の製造工程参照)に相当
する第1の拡散領域10を形成する。
【0018】係る第1の拡散領域のドーピング濃度は、
従来と同様で良くその接合深さは当該ドーピングエネル
ギーを調整する事によって任意に決定する事が可能であ
る。次にゲート電極3にサイドウォール5を形成した
後、将来エクステンション領域となる領域を含む当該第
1の拡散層領域10より深い拡散層6、6’を形成する
ためのイオン注入を行う。
【0019】この場合のイオン注入エネルギー及びドー
ズ量を最適化し、注入イオンのピーク位置に不純物のク
ラスター、つまり不純物拡散抑制層8を形成する。例え
ばボロンの注入エネルギーを2keVとした場合、注入
ドーズ量を5×1015 cm2とし、注入イオンの70
%以上が不純物濃度1×1021 cm3を超える領域に
存在するような条件で注入を行う。
【0020】即ち、図2に示した図中の実線0部分より
左の斜線で表示した領域が不純物濃度1×1021 cm
3を超えており、この領域の不純物濃度が全注入量の7
0%以上に達していることがポイントである。その後、
活性化アニールを行うことにより、不純物のクラスター
と称される当該不純物拡散抑制層8が形成され、エクス
テンション領域7の増速拡散を抑制しつつ、浅い接合お
よび低抵抗層を有する半導体素子のソース/ドレイン拡
散層6、6’が形成される。
【0021】ここで、本発明に係る当該具体例に於い
て、本発明の目的とする効果が得られる理由について以
下に説明する。図3には、シリコン基板にボロン注入を
行い、熱処理を行った後のボロン濃度の深さ方向分布を
示し、イオン注入ドーズ量に対するボロン分布の依存性
を示す。
【0022】この実験結果は、イオン注入ドーズ量をあ
る値より高くしても、拡散するボロンの濃度は変化しな
くなることを示しており、つまり、イオン注入ドーズ量
を増やしても活性化されるボロン量がある一定量以上に
ならないことを示唆しており、電気的に活性化されない
不純物は拡散層にとって過剰なものとなる。そして、こ
の過剰な不純物は注入ドーズ量を増やすと、注入飛程付
近に不活性な不純物として大量に存在することになる。
また、この付近の高濃度の不純物はその後の熱処理によ
っても殆ど拡散せず、例えばボロンの場合、不純物は元
の位置に高濃度領域を保ったままである。
【0023】このことから、この領域のボロン原子は非
常に安定な状態になっていると思われ、ボロン原子同士
或はシリコン原子とが互いにクラスター状に結合した状
態になっていると考えられる。図4にはボロンイオン注
入ドーズ量に対する接合深さを示したものである。この
実験結果では、イオン注入エネルギーが0.5keVお
よび2keVの場合ともに、あるドーズ量以上に不純物
を導入しても接合は深くならないことを示しており、非
常に高濃度に不純物がイオン注入された領域が存在する
と、この領域の不純物は非常に拡散し難くなることが証
明される。
【0024】更に図5に示すようにイオン注入時に導入
された点欠陥が、周辺の他のドーパントに及ぼす影響を
評価した結果でも、例えばボロンを2keVで注入した
場合には、注入ドーズ量を高くすると増速拡散の影響が
抑制されることが分かる。このことは、増速拡散の原因
となるイオン注入時に発生した格子間シリコンが、この
ボロンのクラスターが形成された領域に何らかの影響を
受けていることが分かる。
【0025】その影響とは、ボロンのクラスターが格子
間シリコンのシンクとなって働いているか、或はイオン
注入時のダメージが熱処理時に格子間シリコンを消費し
ていること等が考えられる。いずれにせよ、この製造方
法は従来の製造方法に比較しても工程数は増えること無
く、半導体素子の微細化としきい値の変動を抑制するこ
とが容易になる。
【0026】尚、本発明に係る上記具体例に於いては、
当該不純物拡散抑制層8は、当該半導体装置20のゲー
ト電極3の側面に設けられた側壁部5よりも外側に設け
られているものである。上記した説明から理解される様
に、本発明に係る当該半導体装置の製造方法は、基本的
には、以下の様な構成を有するものである。
【0027】即ち、基板面にソース拡散領域、ドレイン
拡散領域6、6’が形成され、且つ当該両拡散領域に挟
まれた当該基板1表面にゲート酸化膜4を介してゲート
電極部3が設けられている半導体装置20を製造するに
際し、当該基板1上にゲート酸化膜4を介してゲート電
極部3を形成する第1の工程、当該ゲート電極部3をマ
スクとして当該ゲート電極部3の両側の当該基板1の表
面から不純物を高濃度にドーピングして、当該不純物が
浅く且つ高濃度にドーピングされた第1の拡散領域10
を形成する第2の工程、当該ゲート電極部3の側面部に
サイドウォール5を形成する第3の工程、当該ゲート電
極部3と当該サイドウォール5をマスクとして不純物を
ドーピングする事によって当該第1の拡散領域10の深
さよりも深い第2の拡散領域6、6’を形成すると共
に、当該第1と第2の拡散領域10と6、6’の重複領
域部の少なくとも一部に不純物拡散抑制層8を形成し、
同時にエクステンション領域7を形成する4工程とから
構成されている半導体装置の製造方法である。
【0028】本具体例に於ける当該半導体装置の製造方
法においては、当該第2の拡散領域6、6’を形成する
第4の工程は、当該不純物の注入ドーズ量が5×1015
cm2以上で相対的に高い注入エネルギーを使用して
当該不純物をドーピングする事が望ましい。更に、本具
体例に於ける当該不純物拡散抑制層8を形成する工程に
於いては、当該拡散領域6、6’にドーピングされる当
該不純物の少なくとも70%が、×1021 cm3
越える領域に存在する様にドーピング処理する事が好ま
しい。
【0029】次に、本発明に係る半導体装置及び半導体
装置の製造方法に関する第2の具体例について図6を参
照しながら説明する。即ち、本発明に係る第2の具体例
に於いて得られる当該半導体装置20の構成は、図6に
示す様に、基本的な構成は、第1の具体例の半導体装置
20と同様であるが、当該不純物拡散抑制層8が、当該
半導体装置20のゲート電極3の側面に設けられた側壁
部5の下端部内で当該エクステンション領域7の表面部
にも設けられている点が異なっている。
【0030】本具体例に於ける当該半導体装置20の製
造方法の一具体例としては、例えば以下の様な方法であ
る。即ち、基板面にソース拡散領域、ドレイン拡散領域
6、6’が形成され、且つ当該両拡散領域6、6’に挟
まれた当該基板1の表面にゲート酸化膜4を介してゲー
ト電極部3が設けられている半導体装置20を製造する
に際し、当該基板1上にゲート酸化膜4を介してゲート
電極部3を形成する第1の工程、当該ゲート電極部3を
マスクとして当該ゲート電極部3の両側の当該基板1の
表面から不純物を高濃度にドーピングして、将来エクス
テンション領域を形成する、不純物が浅く且つ高濃度に
ドーピングされた第1の拡散領域10を形成すると共に
第1の拡散領域10の少なくとも一部に不純物拡散抑制
層8を形成する第2の工程、当該ゲート電極部3の側面
部にサイドウォール5を形成する第3の工程、当該ゲー
ト電極部3と当該サイドウォール5をマスクとして不純
物をドーピングする事によって当該第1の拡散領域10
の深さよりも深い第2の拡散領域6、6’を形成し、同
時にエクステンション領域7を形成する第4の工程とか
ら構成されている半導体装置の製造方法である。
【0031】即ち、本具体例に於いては、第1の具体例
と同様に素子分離を行い、ゲート酸化膜4及びゲート電
極3を順次形成後、エクステンション領域7形成のため
のイオン注入を行う。この場合に前記不純物拡散抑制層
8に相当するクラスターが形成されるような条件でイオ
ン注入を行い、且つ浅い接合を形成するために、極低加
速で高濃度のイオン注入を行う。
【0032】これらの条件を満たすため、例えばボロン
イオンを相対的に低い注入エネルギーである注入エネル
ギー0.2keVで、注入ドーズ量を5×1015 cm
2 として注入を行う。これにより、活性化アニール時に
イオン注入領域の極表面領域にクラスターと称される当
該不純物拡散抑制層8が形成され、その後の深いイオン
注入時に発生した点欠陥がこのクラスターである不純物
拡散抑制層8に捕獲されるために、不純物の増速拡散が
抑制されることになる。
【0033】本具体例に於いて、当該不純物拡散抑制層
8を形成する工程は、当該拡散領域にドーピングされる
当該不純物の少なくとも70%が、×1021 cm3
を越える領域に存在する様にドーピング処理する事が望
ましい事は、前記した第1の具体例に於ける条件と同様
である。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る当該半導体装置及び半導体
装置の製造方法は、上記したような技術構成を採用して
いるので、イオン注入時に発生した点欠陥が不純物の増
速拡散に及ぼす影響を最小限に抑制し、短チャネル効果
が抑制された微細な構造を有し、高速化を最優先とする
半導体装置が容易に得られると言う効果を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る半導体装置の一具体例の
構成を示す側面図である。
【図2】図2は、ボロンの接合深さと注入濃度の分布の
関係についての一例を説明するグラフである。
【図3】図3は、ボロンの接合深さと注入濃度の分布の
関係についての注入ドーズ量の依存性を示すグラフであ
る。
【図4】図4は、ボロンを使用した場合に於ける注入ド
ーズ量と接合深さとの関係についての一例を説明するグ
ラフである。
【図5】図5は、ボロンを使用した場合に於ける注入ド
ーズ量と増速拡散の関係についての一例を説明するグラ
フである。
【図6】図6は、本発明に係る半導体装置の他の具体例
の構成を示す側面図である。
【図7】図7は、従来に於ける半導体装置の製造方法の
一具体例を説明する断面図である。
【符号の説明】 1…基板 2…フィールド酸化膜 3…ゲート電極部 4…ゲート酸化膜 5…側壁部 6…ソース拡散領域、第2の拡散領域 6’…ドレイン拡散領域、第2の拡散領域 7…エクステンション領域 8…不純物拡散抑制層 10…第1の拡散領域 20…半導体装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板面にソース拡散領域、ドレイン拡散
    領域が形成され、且つ当該両拡散領域に挟まれた当該基
    板面にゲート酸化膜を介して電極が設けられている半導
    体装置であって、当該ソース拡散領域及びドレイン拡散
    領域の側面部と当該電極部の下部端面との間の領域に、
    当該拡散領域の不純物の濃度よりも高い不純物濃度を持
    つエクステンション領域が形成されていると共に、当該
    ソース拡散領域及びドレイン拡散領域の当該基板表面か
    ら当該両拡散領域内に、所定の深さに形成された不純物
    濃度の高い不純物拡散抑制層が形成されており、且つ当
    該不純物拡散抑制層の不純物濃度は、1×1021 cm
    3 以上である事を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 当該エクステンション領域の深さは、当
    該ソース拡散領域及びドレイン拡散領域の深さよりも浅
    く形成されている事を特徴とする請求項1記載の半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 当該不純物拡散抑制層は、当該半導体装
    置に於ける当該エクステンション領域の深さよりも小さ
    い深さを有している事を特徴とする請求項1記載の半導
    体装置。
  4. 【請求項4】 当該不純物拡散抑制層は、当該半導体装
    置のゲート電極の側面に設けられた側壁部よりも外側に
    設けられている事を特徴とする請求項1又は3記載の半
    導体装置。
  5. 【請求項5】 当該不純物拡散抑制層は、当該半導体装
    置のゲート電極の側面に設けられた側壁部の下端部内で
    当該エクステンション領域の表面部にも設けられている
    事を特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 当該不純物はボロンである事を特徴とす
    る請求項1乃至5の何れかに記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 基板面にソース拡散領域、ドレイン拡散
    領域が形成され、且つ当該両拡散領域に挟まれた当該基
    板面にゲート酸化膜を介して電極が設けられている半導
    体装置を製造するに際し、当該基板上にゲート酸化膜を
    介してゲート電極部を形成する工程、当該ゲート電極部
    をマスクとして当該ゲート電極部の両側の当該基板表面
    から不純物を高濃度にドーピングして、当該不純物が浅
    く且つ高濃度にドーピングされた第1の拡散領域を形成
    する工程、当該ゲート電極部の側面部にサイドウォール
    を形成する工程、当該ゲート電極部と当該サイドウォー
    ルをマスクとして不純物をドーピングする事によって当
    該第1の拡散領域の深さよりも深い第2の拡散領域を形
    成すると同時に、不純物濃度が1×10 21 /cm 3 を越
    える様にドーピング処理することにより当該第1と第2
    の拡散領域の重複領域部の少なくとも一部に不純物拡散
    抑制層を形成し、同時にエクステンション領域を形成す
    る工程とから構成されている事を特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板面にソース拡散領域、ドレイン拡散
    領域が形成され、且つ当該両拡散領域に挟まれた当該基
    板面にゲート酸化膜を介して電極が設けられている半導
    体装置を製造するに際し、当該基板上にゲート酸化膜を
    介してゲート電極部を形成する工程、当該ゲート電極部
    をマスクとして当該ゲート電極部の両側の当該基板表面
    から不純物を高濃度にドーピングして、当該不純物が浅
    く且つ高濃度にドーピングされた第1の拡散領域を形成
    する同時に、不純物濃度が1×10 21 /cm 3 を越える
    様にドーピング処理することにより第1の拡散領域の少
    なくとも一部に不純物拡散抑制層を形成する工程、当該
    ゲート電極部の側面部にサイドウォールを形成する工
    程、当該ゲート電極部と当該サイドウォールをマスクと
    して不純物をドーピングする事によって当該第1の拡散
    領域の深さよりも深い第2の拡散領域を形成し、同時に
    エクステンション領域を形成する工程とから構成されて
    いる事を特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 当該第1の拡散領域を形成する工程は、
    当該不純物の注入ドーズ量が5×1015 cm2以上で
    前記第2の拡散領域を形成する場合の注入エネルギーよ
    りも相対的に低い注入エネルギーを使用して当該不純物
    をドーピングするものである事を特徴とする請求項8記
    載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記不純物拡散抑制層を形成する工程
    は、前記第2の拡散領域にドーピングされる不純物の少
    なくとも70%が、1×1021 cm3を越える領域に
    存在する様にドーピング処理する事を特徴とする請求項
    に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記不純物拡散抑制層を形成する工程
    は、前記第1の拡散 領域にドーピングされる不純物の少
    なくとも70%が、1×1021 cm3を越える領域に
    存在する様にドーピング処理する事を特徴とする請求項
    8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
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