JP3221368B2 - 抵抗膜方式タブレット及びその制御方法並びにその方法を実現するためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

抵抗膜方式タブレット及びその制御方法並びにその方法を実現するためのプログラムを記録した記録媒体

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JP3221368B2
JP3221368B2 JP25121297A JP25121297A JP3221368B2 JP 3221368 B2 JP3221368 B2 JP 3221368B2 JP 25121297 A JP25121297 A JP 25121297A JP 25121297 A JP25121297 A JP 25121297A JP 3221368 B2 JP3221368 B2 JP 3221368B2
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    • G06F3/041Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means
    • G06F3/045Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means using resistive elements, e.g. a single continuous surface or two parallel surfaces put in contact

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抵抗膜方式タブレッ
ト及びその制御方法並びにその方法を実現するためのプ
ログラムを記録した記録媒体に関し、特に2枚の抵抗膜
を所定距離隔てて重ね合せてなる抵抗膜方式タブレット
及びその制御方法並びにその方法を実現するためのプロ
グラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、抵抗膜方式のタブレットは、両
端に平行電極を付け、均一の抵抗値を持った2枚の抵抗
膜によって構成されている。そして2枚の抵抗膜は、向
きを90度ずらし、所定距離隔てて向かい合わせる。そ
して、ペン先等の先の細いもので、このように向かい合
わされた2枚の抵抗膜を外側から押すと、その押された
点で2枚の抵抗膜同士が接触するようになっている。
【0003】このようなタブレットの4つの平行電極に
対しては、以下のようなスキャン方法を用いることによ
り2枚の抵抗膜の接触点の物理的位置を測定できること
が知られている。
【0004】基本的なスキャン方法には以下のものがあ
る。すなわち、2枚の抵抗膜同士が接触しているかどう
かを調べる「接触検出」と、接触点のX方向の位置を調
べる「X検出」と、接触点のY方向の位置を調べる「Y
検出」とがある。そして、これらの検出を順に行い、
「接触検出」において2枚の抵抗膜同士が接触されてい
ないと判断されるまで繰返される。
【0005】各検出方式について、図5の概略ブロック
図と図6のタイミングチャートとを参照して説明する。
まず、構成から説明する。
【0006】図1のタブレット入力部1は、2枚の抵抗
膜10及び11を重ねあわせたものである。そして、抵
抗膜10には平行電極101及び102が取付けられ、
抵抗膜11には平行電極111及び112が取付けられ
ている。抵抗膜10,11は、外部からペンなどの細い
もので押すと点で接触する。これにより、その接点は通
電する。
【0007】ところで、抵抗膜10,11の両端に取付
けられている平行電極101,102,111,112
は、電子スイッチ61〜67によって、接続先を変更で
きるようになっている。平行電極101は、電子スイッ
チ63によって電源92bと接続できるようになってい
る。平行電極102は、電子スイッチ67によってグラ
ンド91aと、電子スイッチ64によって電圧測定用の
A/Dコンバータ(A/D CON)2と、夫々独立し
て接続できるようになっている。
【0008】平行電極111は、電子スイッチ61によ
って電源92aと接続できるようになっている。平行電
極112は、電子スイッチ62によってグランド91b
と、電子スイッチ65によってA/Dコンバータ2と、
電子スイッチ66によってプルダウン抵抗5と、夫々独
立して接続できるようになっている。
【0009】電子スイッチ61〜67は信号処理部3に
より制御される。信号処理部3は、必要に応じて、各電
子スイッチの接続状態を制御すると共に、上述した検出
方式を変更し、また必要なタイミングでA/Dコンバー
タ2により平行電極間の電圧を測定し、その結果を測定
データ7として出力する。
【0010】次に、各検出方式における平行電極の接続
状態について説明する。
【0011】まず、接触検出の場合、平行電極101は
電源92bと接続し、平行電極102及び111は無接
続、平行電極112はプルダウン抵抗5及びA/Dコン
バータ2と接続する。また、X検出の場合、平行電極1
01は電源92bと接続し、平行電極102はグランド
91aと接続し、平行電極111は無接続、平行電極1
12はA/Dコンバータ2と接続する。さらに、Y検出
の場合、平行電極101は無接続、平行電極102はA
/Dコンバータ2と接続し、平行電極111は電92
aと接続、平行電極112はグランド91bと接続す
る。
【0012】以下、図6を参照して図5の各部の動作に
ついて説明する。この図6に示されている従来の抵抗膜
方式タブレットについてのスキャン方式においては、2
回目の接触検出で接触されていないと判断した例であ
る。
【0013】まず、通常、信号処理部3は、接触検出状
態で待機している。この状態において、2枚の抵抗膜が
ペンなどでタッチされることによって接触すると、電極
101から給電されている抵抗膜10から抵抗膜11に
給電される。プルダウン抵抗とA/Dコンバータ2が接
続された抵抗膜11の電圧値は抵抗膜10からの給電に
より上昇する(図6中の点A)。
【0014】信号処理部3はA/Dコンバータ2を通し
て抵抗膜101の電圧値を監視している。そして、その
電圧値が一定値を超えると、タッチがあったと判断し
て、X検出に移る(図6中の点B)。
【0015】X検出においては、抵抗膜10には電圧を
加えず、抵抗膜10の両端の電極101と102との間
に電圧を加える。これにより抵抗膜10は、図5中のx
軸方向に位置に比例した電圧値を持ち、A/Dコンバー
タ2以外の負荷が接続されていない抵抗膜11は、抵抗
膜10との接触点における電圧を出力するようになる
(図6中の点C)。信号処理部3は、A/Dコンバータ
2を通して電極112の電圧(接触点と同じ電位の電
圧)を知ることができる。信号処理部3は、この電圧を
接触点のx軸上の値として記憶し、次にY検出を行う
(図6中の点D)。
【0016】Y検出においては、抵抗膜の接続関係をX
検出時とは逆にする。すなわち、抵抗膜11の両端の電
極111と112との間には電圧を加え、抵抗膜10を
無接続にする。こうすることにより、接触点のy軸上の
値を知ることができる。信号処理部3はこの値を記憶し
て、再び接触検出を行う(図6中の点E)。この接触検
出で接触が確認されると、記憶していた測定値をタブレ
ットの測定データ7として外部に送出する。
【0017】そして再びスキャンを始め、X検出、Y検
出、接触検出と順に繰返し、その測定値を測定データ7
として送出し続ける。この測定データ7の送出は、接触
検出時に、接触が確認できなくなるまで行われる。そし
て、接触が確認できなければ(図6中の点F)、信号処
理部3は接触検出状態で待ち続ける。接触が確認されれ
ば再度スキャンを開始する。
【0018】また、最近のタブレットにおいては、通常
の筆記スピードで文字認識させる等の要求により、より
高速なサンプリングが要求されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のタブレ
ットにおいて、X検出,Y検出で接触点の電圧を測定す
る際には、信号処理部3がモード設定してからある時間
を待たなければならない(図6中の点Bから点Cの矢
印)。この矢印で示されている待ち時間は、A/Dコン
バータ側に接続された抵抗膜がもつ静電容量と電源供給
を行う抵抗膜の抵抗分とによりCR時定数回路による遅
延回路で生成される。したがって、この遅延回路によ
り、検出モードに移る時間がかかり、サンプリングは大
きく制限されている。つまり、抵抗膜方式のタブレット
のスキャンに関して、X検出、Y検出で接触点の電圧を
測定する際には、信号処理部がモード設定してからある
時間を待たなければならないという欠点がある。
【0020】本発明は上述した従来技術の欠点を解決す
るためになされたものであり、その目的はこの待ち時間
を短縮して、より高速にサンプリングを行うことのでき
る抵抗膜方式タブレット及びその制御方法並びにその方
法を実現するためのプログラムを記録した記録媒体を提
供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明による抵抗膜方式
タブレットは、2枚の抵抗膜を所定距離隔てて重ね合せ
てなる抵抗膜方式タブレットであって、前記2枚の抵抗
膜同士が接触点で接触していることを検出する接触検出
手段と、この検出に応答して前記2枚の抵抗膜間に前回
の測定値電圧を与えて、この抵抗膜間の静電容量を充電
する充電手段と、この充電後の2枚の抵抗膜について前
記接触点についてのX方向の位置及び該方向と直交する
Y方向の位置を検出する検出手段とを含むことを特徴と
する。
【0022】本発明による抵抗膜方式タブレットの制御
方法は、2枚の抵抗膜を所定距離隔てて重ね合せてなる
抵抗膜方式のタブレットについての制御方法であって、
前記抵抗膜同士の接触状態を検出する接触状態検出ステ
ップと、その接触状態の検出に応答して前記2枚の抵抗
膜間に前回の測定値電圧を与えて、この抵抗膜間の静電
容量を充電する充電ステップと、この充電後の2枚の抵
抗膜について前記接触点についてのX方向の位置及び該
方向と直交するY方向の位置を検出する位置検出ステッ
プとを含むことを特徴とする。
【0023】本発明による抵抗膜方式タブレットについ
ての制御方法を実現するためのプログラムを記録した記
録媒体は、コンピュータによって、2枚の抵抗膜を所定
距離隔てて重ね合せてなる抵抗膜方式のタブレットにつ
いての制御を行うためのプログラムを記録した記録媒体
であって、前記プログラムは、コンピュータに、前記抵
抗膜同士の接触状態を検出させ、その接触状態の検出に
応答して前記2枚の抵抗膜間に前回の測定値電圧を与え
て、この抵抗膜間の静電容量を充電させ、この充電後の
2枚の抵抗膜について前記接触点についての第1の方向
の位置及び該方向と直交する第2の方向の位置を検出さ
せることを特徴とする。
【0024】要するに本発明では、抵抗膜方式のタブレ
ットのスキャンに関して、Y検出で接触点の電圧を測定
する際に必要なモード設定してからの待ち時間を短縮し
てより高速にサンプリングを行うため、静電容量分をも
つA/Dコンバータ側に接続された抵抗膜に前回の同モ
ードで測定された値をD/Aコンバータから出力して静
電容量分をチャージしてより早く収束値に近づけるので
ある。このため、抵抗膜方式のスキャンにおいて、X検
出、Y検出で接触点での電圧を測定する際に必要なモー
ド設定してからの待ち時間を短縮することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0026】図1は本発明による抵抗膜方式タブレット
の実施の一形態を示すブロック図である。同図におい
て、図5と同等部分は同一符号により示されており、そ
の部分の詳細な説明は省略する。
【0027】図1において、使用者が実際に入力を行う
抵抗膜方式のタブレット入力部1は、平行電極101、
102をつけた抵抗膜10と平行電極111,112を
つけた抵抗膜11を2枚重ねあわせたものであり、これ
らの抵抗膜は、90度ずらして向かい会っており、外部
からペンなどの細いもので押すと抵抗膜10と11とは
点で接触し、その接点は通電できる程度の隙間が空いて
いる。A/Dコンバータ2は、タブレット入力部1から
電圧として出力される位置データを、電圧からディジタ
ルデータとして使用できるような形にするための変換を
行う。信号処理部3は、A/Dコンバータ2から出力さ
れるデータを元に、電子スイッチ61〜69を個別にオ
ン/オフを制御する。そして、タブレット入力部1の動
作モードを変更し、その結果A/Dコンバ一タ2から出
力されるデータを元にダブレット入力部1の接触位置デ
ータを計算し、測定データとして出力する。また、信号
処理部3は、タブレット入力部1に電圧供給できるD/
Aコンバータ(D/A CON)8も制御できる。
【0028】接触検出抵抗5は、タブレット入力部の動
作モードを接触検出モードに変更した時に接触検出用に
A/Dコンバータ2に接続される抵抗膜11を接地用グ
ランドと同電位にするために使用される。電子スイッチ
61〜69は、信号処理部3により制御され、その両端
に接続された端子部分の接続をオン/オフすることがで
きる。
【0029】各部の接続状態についてより詳細に説明す
る。
【0030】電子スイッチ61は、タブレット入力部の
供給用電源92aと抵抗膜11の平行電極111とを接
続することができる。電子スイッチ62はタブレット入
力部1の接地用グランド91bと抵抗膜11の平行電極
112とを接続できる。
【0031】電子スイッチ63は、タブレット入力部の
供給用電源92bと抵抗膜10の平行電極101とを接
続できる。電子スイッチ64は、抵抗膜10の平行電極
102とA/Dコンバータ2の入力部に接続できる。
【0032】電子スイッチ65は、抵抗膜11の平行電
極112とA/Dコンバータ2とを接続することができ
る。電子スイッチ66は、接触検出抵抗5と抵抗膜11
の平行電極112とを接続することができる。
【0033】電子スイッチ67は、抵抗膜10の平行電
極102とタブレット入力部1の接地用グランド91a
とを接続できる。電子スイッチ68は、D/Aコンバー
タ8の出力と抵抗膜10の平行電極102とを接続でき
る。電子スイッチ69は、D/Aコンバータ8の出力と
抵抗膜11の平行電極112とを接続できる。
【0034】D/Aコンバータ8は、信号処理部3から
指示されたディジタルデータをアナログ電圧として出力
する。グランド91a及び91bは、タブレット入力部
1の接地用グランドである。電源92a及び92bは、
タブレット入力部への供給電源である。
【0035】本発明においては、通常の抵抗膜方式のタ
ブレットに、前回の同モードで測定値を出力するD/A
コンバータとA/Dコンバータと接続されるタブレット
の平行電極にそのD/Aコンバータを接続するための電
子スイッチを追加し、スキャンモードに前回の測定値を
出力するモードである「X出力」「Y出力」を追加した
ものとなる。従って、基本的なスキャン方法として、2
枚の抵抗膜が接触しているかどうかを調べる「接触検
出」、X方向の位置を調べる「X検出」,Y方向の位置
を調べる「Y検出」を順に行い「接触検出」において2
枚の抵抗膜接触されていないと判断されたならばスキ
ャンを中止する。接触されたと判断したならば、前回の
X検出の測定値を出力する「X出力」を行い、「X検
出」を行い、前回の「Y検出」の値を出力する「Y出
力」を行い、「Y検出」を行い、「接触検出」を行い接
触がなくなるまで繰返す。図2は、2回目の接触検出で
接触されていないと判断した例である。
【0036】各検出方式を、概略ブロック図である図1
とタイミングチャートである図2により説明する。具体
的には、図1中のタブレット部入力部1は、平行電極1
01,102をつけた抵抗膜10と平行電極111,1
12をつけた抵抗膜11を2枚重ねあわせたものであ
り、外部からペンなどの細いもので押すと抵抗膜10,
11は点として接触し、その接点は通電できる。平行電
極は、電子スイッチ61〜69により、接続先を変更で
きる様になっている。平行電極101は、電子スイッチ
63により、電源92と接続できるようになっている。
平行電極102は、グランド91aとA/Dコンバータ
2の入力に加えてD/Aコンバータ8の出力を独立して
接続できるようになっている。平行電極111は、電源
92との接続できるようになっている。平行電極112
は、グランド91b、A/Dコンバータ2、接触検出用
抵抗5とD/Aコンバータ6の出力とを接続できるよう
になっている。
【0037】次に各検出方式の平行電極の状態を説明す
る。接触検出の場合は、平行電極101は電源92、平
行電極102,111は無接続、平行電極112は接触
検出用抵抗5とA/Dコンバータ2と接続する、X検出
の場合は、平行電極101は電源92、平行電極102
はグランド62、平行電極111は無接続、平行電極1
12はA/Dコンバータ2へ接続する。Y検出の場合
は、平行電極101は無接続、平行電極102はA/D
コンバータ2へ、平行電極111は電源92に、平行電
極112はグランド91に接続する。X出力は、平行電
極101は電源92、平行電極102はグランド91、
平行電極111は無接続、平行電極112はA/Dコン
バータ2とD/Aコンバータ8へ接続するY出力は、
平行電極101は無接続、平行電極102はA/Dコン
バータ2とD/Aコンバータ8へ、平行電極111は電
源92に、平行電極112はグランド91に接続する。
【0038】本発明に関係する動作を詳しく説明する。
【0039】1回目の接触検出、X検出、Y検出は従来
例と変わらない。2回目の接触検出において、接触が確
認されたならば、信号処理部3は、X出力モードに移り
(図2中の点G)、D/Aコンバータ8が、静電容量を
もつA/Dコンバータ2側に接続された抵抗膜11に前
回の測定値電圧を与え静電容量分をチャージする。次に
信号処理部3は、X検出を行い(図2中の点H)、抵抗
膜11の電圧値が収束するのを待ってから(図2中の点
I)、抵抗膜11の電圧値をA/Dコンバータで測定
する。この時、従来例とは異なり、前回の測定値から目
的の値に収束することになる。通常タブレットの応答速
度は、手で動くスピードであるため、前回の測定結果と
現在の測定結果に差分があまりない。このため、収束の
時間(図2中の矢印)が短くなる。その後信号処理部3
は、抵抗膜の接続を入替え、同様にY出力及びY検出を
行い、接触検出を行う。その接触検出により、接触が確
認されたならば、再度X出力よりスキャンを開始する。
【0040】更に図面を参照して説明する。図3は、本
発明の一実施例を示す抵抗膜方式タブレットのブロック
図である。特に、A/Dコンバータ及びD/Aコンバー
タ並びに信号処理部を1チップマイコンにて実現した例
が示されている。
【0041】図3において、使用者が実際に入力を行う
抵抗膜方式のタブレット入力部1は、平行電極101,
102をつけた抵抗膜10と平行電極111、112を
つけた抵抗膜11を2枚重ねあわせたものであり、これ
らの抵抗膜は、90度ずらして向かい会っており、外部
からペンなどの細いもので押すと抵抗膜10,11は点
として接触し、その接点は通電できる程度の隙間が空い
ている。
【0042】同図において1チップマイコン31は、入
力切替器301と、A/Dコンバータ302と、信号処
理部303と、D/Aコンバータ308とを含んで構成
されている。
【0043】入力切替器301は、タブレット入力部1
の抵抗膜10,11の電圧を切替えてA/Dコンバータ
に伝える。A/Dコンバータ302は、タブレット入力
部1から電圧として出力されるアナログ電圧としての位
置データを、ディジタルデータとして使用できるような
形にするための変換を行う。
【0044】信号処理部303は、CPUコア及びメモ
リを含んで構成されている。この信号処理部303は、
A/Dコンバータ302から出力されるデータを元に、
電子スイッチ61〜63及び66〜69を個別にオン/
オフ制御すると共に、入力切替器301における選択制
御を適宜行う。また信号処理部303は、タブレット入
力部1の動作モードを変更して、その結果A/Dコンバ
ータ302から出力されるデータを元にタブレット入力
部1の接触位置データを計算する。この計算されたデー
タは、測定データ7として出力される。
【0045】また、タブレット入力部1に供給する電圧
を出力するD/Aコンバータ308も制御できるように
なっている。D/Aコンバータ308は、信号処理部3
03から指示されたディジタルデータをアナログ電圧と
して出力する。バッファアンプ32は、負荷抵抗が低く
くてもD/Aコンバータ308の出力する電圧と同じ電
圧を出力する。
【0046】接触検出抵抗5は、タブレット入力部1の
動作モードを接触検出モードに変更した時に接触検出用
にA/Dコンバータ302に接続される抵抗膜11を接
地用グランドと同電位にするために使用される。電子ス
イッチ61〜63及び66〜69は、信号処理部303
により制御され、その両端に接続された端子部分の接続
をオン/オフできる。
【0047】接続状態をより詳細に説明する。
【0048】電子スイッチ61は、タブレット入力部の
供給用電源92と抵抗膜11の平行電極111とを接続
できる。電子スイッチ62はタブレット入力部の接地用
グランド91と抵抗膜11の平行電極112とを接続で
きる。
【0049】電子スイッチ63は、タブレット入力部1
の供給用電源92bと抵抗膜10の平行電極101とを
接続できる。電子スイッチ66は、接触検出抵抗5と抵
抗膜11の平行電極112とを接続することができる。
【0050】電子スイッチ67は、抵抗膜10の平行電
極102とタブレット入力部1の接地用グランド91a
とを接続できる。電子スイッチ68は、バッファアンプ
32の出力と抵抗膜10の平行電極102とを接続でき
る。電子スイッチ69は、バッファアンプ32の出力と
抵抗膜11の平行電極112とを接続できる。
【0051】グランド91a及び91bは、タブレット
入力部1の接地用グランドである。電源92a及び92
bは、タブレット入力部1へ供給される電源である。
【0052】本実施形態は、通常の抵抗膜方式のタブレ
ットに、前回の同モードにおける測定値を出力するD/
Aコンバータと、A/Dコンバータと接続されるタブレ
ットの平行電極にそのD/Aコンバータを接続するため
の電子スイッチとを追加した構成である。また、本実施
形態では、スキャンモードに前回の測定値を出力するモ
ードである「X出力」及び「Y出力」を追加している。
【0053】従って、本実施形態においては、2枚の抵
抗膜が接触しているかどうかを調べる「接触検出」、X
方向の位置を調べる「X検出」、Y方向の位置を調べる
「Y検出」という基本的なスキャンを順に行う。そし
て、「接触検出」において2枚の抵抗膜が接触されてい
ないと判断されたならばスキャンを中止する。
【0054】一方、接触されていると判断されたなら
ば、以下の動作となる。すなわち、前回のX検出の測定
値を出力する「X出力」、「X検出」、前回の「Y検
出」の値を出力する「Y出力」、「Y検出」を順に行
う。その後、「接触検出」を行い、接触がなくなるまで
繰返す。なお、図2に示されている動作例は、2回目の
接触検出において接触されていないと判断した場合の動
作例である。
【0055】次に、本発明による抵抗膜方式タブレット
のより具体的な実施例について、ブロック図である図3
とタイミングチャートである図2とを参照して説明す
る。
【0056】図3中のタブレット入力部1は、具体的に
は、2枚の抵抗膜10と抵抗膜11とを所定間隔を空け
て重ねあわせたものである。そして、抵抗膜10には平
行電極101及び102が取付けられている。また、抵
抗膜11には平行電極111及び112が取付けられて
いる。このように重ねあわせた抵抗膜10及び11の表
面を外部からペンなどの細いもので押すと、抵抗膜同士
は点で接触する。すると、その抵抗膜同士の接点は通電
する。
【0057】同図中の各平行電極は、電子スイッチ61
〜63及び66〜69により、接続先を変更できる様に
なっている。平行電極101は、電子スイッチ63によ
り、電源92と接続できるようになっている。平行電極
102は、グランド91aや入力切替器301の入力側
と接続できる他、バッファアンプ32の出力側を独立し
て接続できるようになっている。
【0058】平行電極111は、電源92aと接続でき
るようになっている。平行電極112は、グランド91
bや入力切替器301の入力側と接続できる他、接触検
出用抵抗5やバッファアンプ32の出力側と接続できる
ようになっている。
【0059】次に、各検出方式における平行電極の状態
を説明する。
【0060】接触検出の場合、平行電極101は電源9
2bと接続し、平行電極102,111は無接続、平行
電極112は接触検出用抵抗5と入力切替器301を通
してA/Dコンバータ302と接続する。
【0061】X検出の場合、平行電極101は電源92
bと接続し、平行電極102はグランド91bと接続
し、平行電極111は無接続、平行電極112は入力切
替器301を通してA/Dコンバータ302と接続す
る。
【0062】Y検出の場合、平行電極101は無接続、
平行電極102は入力切替器301を通してA/Dコン
バータ302と接続し、平行電極111は電源92a
に、平行電極112はグランド91aと接続する。
【0063】X出力の場合、平行電極101は電源92
bと接続し、平行電極102はグランド91aと接続
し、平行電極111は無接続、平行電極112は入力切
替器301を通してA/Dコンバータ302とバッファ
アンプ32と接続する。
【0064】Y出力の場合、平行電極101は無接続、
平行電極102は入力切替器301を通してA/Dコン
バータ301及びバッファアンプ302と接続し、平行
電極111は電源92aと接続し、平行電極112はグ
ランド91aに接続する。
【0065】次に、本タブレットの動作について図2を
参照して説明する。
【0066】同図において、1回目の接触検出、X検出
及びY検出は、上述した従来例の場合と変わらない。2
回目の接触検出において、接触が確認されたならば、信
号処理部303はX出力モードに移り(図2中の点
G)、D/Aコンバータ308が、静電容量をもつA/
Dコンバータ302側に接続された抵抗膜11に前回の
測定値電圧を与えて静電容量分をチャージする。
【0067】次に、信号処理部303はX検出を行い
(図2中の点H)、抵抗膜11の電圧値が収束するのを
待ってから(図2中の点I)、抵抗膜11の電圧値をA
/Dコンバータ302で測定する。
【0068】このとき、従来例の場合とは異なり、前回
の測定値から開始して目的の収束値に到達することにな
る。ここで、通常タブレットで要求される応答速度は、
操作者の手が動くスピードである。よって、前回の測定
結果と現在の測定結果とに差があまりないので、図2中
の矢印で示されている収束時間が短くなるのである。
【0069】その後信号処理部303は、抵抗膜の接続
を入れ替えて、同様にY出力を行った後にY検出を行い
接触検出を行う。その接触検出により、接触が確認され
たならば、再度X出力よりスキャンを開始する。
【0070】要するに、本発明による抵抗膜方式タブレ
ットにおいては、以下のような制御方法が採用されてい
る。すなわち、抵抗膜同士が接触しているかどうかを調
べる「接触検出」、この検出に応答して前回のX検出の
測定値を出力する「X出力」、この後にX方向の位置を
調べる「X検出」、この検出に応答して前回のY検出の
値を出力する「Y出力」、この後にY方向の位置を調べ
る「Y検出」、の順序でタブレットが制御されるのであ
る。そして、この制御方法を実現するためのプログラム
が信号処理部303に記憶されており、そのプログラム
が実行されるのである。
【0071】このプログラムについて図4を参照して説
明する。同図に示されているように、まず最初にタッチ
パネルを接触検出モードに設定する(ステップS1
1)。この設定後、抵抗膜同士が接触しているかどうか
を判断し、接触していなければ、処理を終了する(ステ
ップS12→S24)。一方、接触している場合は、1
回目のスキャンか、それ以降のスキャンかを判断し(ス
テップS12→S13)、その処理を変更する。
【0072】スキャンが1回目である場合、タッチパネ
ルをX検出モードに設定し(ステップS14)、X方向
の位置を調べる(ステップS15)。次に、タッチパネ
ルをY検出モードに設定し(ステップS16)、Y方向
の位置を調べる(ステップS17)。その後、抵抗膜同
士が接触しているかどうかを判断するために、ステップ
S11の処理に戻る(ステップS17→S11)。
【0073】スキャンが2回目以降である場合、タッチ
パネルに前回のX検出の測定値を出力する(ステップS
13→S18)。そして、タッチパネルをX検出モード
に設定し(ステップS19)、X方向の位置を調べる
(ステップS20)。
【0074】この後、タッチパネルに前回のY検出の値
を出力する(ステップS21)。そして、タッチパネル
をY検出モードに設定し(ステップS22)、Y方向の
位置を調べる(ステップS23)。その後、抵抗膜同士
が接触しているかどうかを判断するために、ステップS
11の処理に戻る(ステップS23→S11)。以降、
以上の動作を繰返し、抵抗膜同士が接触していない場合
は、動作が終了となる(ステップS12→S24)。
【0075】なお、以上説明した制御方法を実現するた
めのプログラムを記録した記録媒体を用意し、これを用
いて図1又は図3の各部を制御すれば、上述と同様の動
作を行うことができることは明白である。この記録媒体
には、両図中に示されていない半導体メモリ、磁気ディ
スク装置の他、種々の記録媒体を用いることができる。
【0076】また、同記録媒体に記録されているプログ
ラムによってコンピュータを制御すれば、上述と同様の
動作を行うことができることは明白である。この記録媒
体には、半導体メモリ、磁気ディスク装置の他、種々の
記録媒体を用いることができる。
【0077】請求項の記載に関連して本発明は更に次の
態様をとりうる。
【0078】(1)前記2枚の抵抗膜は共に均一の抵抗
値を持った矩形の抵抗膜であり、その矩形の対向する辺
に設けられた平行電極同士が互いに90度ずれて重なり
合うように構成されていることを特徴とする請求項1〜
4のいずれかに記載の抵抗膜方式タブレット。
【0079】(2)前記2枚の抵抗膜は共に均一の抵抗
値を持った矩形の抵抗膜であり、前記第1の方向は前記
矩形の1辺に沿った方向であり、前記第2の方向は前記
矩形の他の辺に沿った方向であることを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載の抵抗膜方式タブレット。
【0080】(3)前記2枚の抵抗膜は共に均一の抵抗
値を持った矩形の抵抗膜であり、その矩形の対向する辺
に設けられた平行電極同士が互いに90度ずれて重なり
合うように構成されていることを特徴とする請求項5又
は6記載の抵抗膜方式タブレットの制御方法。
【0081】(4)前記2枚の抵抗膜は共に均一の抵抗
値を持った矩形の抵抗膜であり、前記第1の方向は前記
矩形の1辺に沿った方向であり、前記第2の方向は前記
矩形の他の辺に沿った方向であることを特徴とする請求
項5又は6記載の抵抗膜方式タブレットの制御方法。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、抵抗膜の
静電容量分を前回の測定値でチャージし、より早く収束
値に近づけることにより、X検出、Y検出で接触点での
電圧を測定する際には、信号処理部がモード設定してか
らの待ち時間を短縮して、より高速にサンプリングを行
うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による抵抗膜方式タブレ
ットの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の抵抗膜方式タブレットの動作を示すタイ
ムチャートである。
【図3】図1の抵抗膜方式タブレットのより具体的な構
成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の一形態による抵抗膜方式タブレ
ットの制御方法を示すフローチャートである。
【図5】従来の抵抗膜方式タブレットの構成を示すブロ
ック図である。
【図6】図1の抵抗膜方式タブレットの動作を示すタイ
ムチャートである。
【符号の説明】
1 タブレット入力部 2,302 A/Dコンバータ 3,303 信号処理部 5 接触検出抵抗 8 D/Aコンバータ 10,11 抵抗膜 32 バッファアンプ 61〜69 電子スイッチ 91a,91b グランド 92a,92b 電源 101,102,111,112 平行電極 301 入力切替器

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の抵抗膜を所定距離隔てて重ね合せ
    てなる抵抗膜方式タブレットであって、前記2枚の抵抗
    膜同士が接触点で接触していることを検出する接触検出
    手段と、この検出に応答して前記2枚の抵抗膜間に前回
    の測定値電圧を与えて、この抵抗膜間の静電容量を充電
    する充電手段と、この充電後の2枚の抵抗膜について前
    記接触点についての第1の方向の位置及び該方向と直交
    する第2の方向の位置を検出する検出手段とを含むこと
    を特徴とする抵抗膜方式タブレット。
  2. 【請求項2】 前記充電手段は、前記検出手段により検
    出された前記第1の方向の位置及び前記第2の方向の位
    置についての位置データを記憶するメモリと、このメモ
    リに記憶した位置データに対応する電圧を前記2枚の抵
    抗膜間に印加する電圧印加手段とを含むことを特徴とす
    る請求項1記載の抵抗膜方式タブレット。
  3. 【請求項3】 前記位置データをディジタルデータに変
    換した後で前記メモリに記憶することを特徴とする請求
    項2記載の抵抗膜方式タブレット。
  4. 【請求項4】 前記充電手段は、前記メモリから読出し
    たデータをアナログデータに変換した後の信号によって
    前記静電容量を充電することを特徴とする請求項2記載
    の抵抗膜方式タブレット。
  5. 【請求項5】 2枚の抵抗膜を所定距離隔てて重ね合せ
    てなる抵抗膜方式のタブレットについての制御方法であ
    って、前記抵抗膜同士の接触状態を検出する接触状態検
    出ステップと、その接触状態の検出に応答して前記2枚
    の抵抗膜間に前回の測定値電圧を与えて、この抵抗膜間
    の静電容量を充電する充電ステップと、この充電後の2
    枚の抵抗膜について前記接触点についての第1の方向の
    位置及び該方向と直交する第2の方向の位置を検出する
    位置検出ステップとを含むことを特徴とする抵抗膜方式
    タブレットの制御方法。
  6. 【請求項6】 前記充電ステップは、前記位置検出ステ
    ップにより検出された前記第1の方向の位置及び前記第
    2の方向の位置についての位置データを記憶するメモリ
    に記憶した位置データに対応する電圧を前記2枚の抵抗
    膜間に印加することを特徴とする請求項5記載の抵抗膜
    方式タブレットの制御方法。
  7. 【請求項7】 コンピュータによって、2枚の抵抗膜を
    所定距離隔てて重ね合せてなる抵抗膜方式のタブレット
    の制御方法を実現するためのプログラムを記録した記録
    媒体であって、前記プログラムは、コンピュータに、前
    記抵抗膜同士の接触状態を検出させ、その接触状態の検
    出に応答して前記2枚の抵抗膜間に前回の測定値電圧を
    与えて、この抵抗膜間の静電容量を充電させ、この充電
    後の2枚の抵抗膜について前記接触点についての第1の
    方向の位置及び該方向と直交する第2の方向の位置を検
    出させることを特徴とする抵抗膜方式タブレットについ
    ての制御を行うためのプログラムを記録した記録媒体。
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