JP2857597B2 - デジタイザ及び入力ペン - Google Patents

デジタイザ及び入力ペン

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タブレットと位置指示
器とが電磁的に結合するものに関し、特に位置指示器と
してペン形式のいわゆる入力ペンを用いたものの筆圧検
出方法及びその筆圧検出に適した入力ペンの構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種デジタイザの筆圧検出方法
としては、実開平1−133632号に記載された技術
があった。この装置は筆圧検出用の入力ペンとして、入
力ペンのコイルに対して筆圧に応じて進退可能な芯体を
設け、この芯体のコイル両端部に対応する位置にそれぞ
れフェライトチップを埋め込んだ構造を有したものであ
る。すなわち、入力ペンの芯体の筆圧による変位により
コイルと2つのフェライトチップとの位置関係が変化し
筆圧に応じてコイルのインダクタンスが変化する構造と
なっている。そして、この入力ペンとタブレットの導体
との間の電磁結合による出力信号の周波数または位相が
上記筆圧変化にともなうコイルインダクタンスの変化に
応じて変化させるようにし、電磁結合による出力信号の
周波数または位相を検出することで入力ペンの筆圧を検
出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の入力ペンでは感度すなわち電磁結合による周波
数または位相の変化率が低い欠点があった。この発明は
感度の高い筆圧検知用入力ペンを得るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、この発明にお
いては、タブレットに配置された複数の導体と位置指示
器としての入力ペンに配置されたコイルが近接し該タブ
レットの複数の導体及び入力ペンのコイルが電磁的に結
合した時の出力信号の周波数に基づき上記位置指示器の
筆圧(押圧)を検出するようになしたデジタイザにおい
て、上記入力ペンのコイルに2つの磁性体コアを介在さ
せるとともに一方の磁性体コアについては入力ペンの筆
圧に応じて他方の磁性体コアに対する相対距離が可変す
るよう配置し、該入力ペンのタブレットに対する筆圧に
応じて上記コイルのインダクタンスが連続的に可変され
るよう構成し、該入力ペンの筆圧にともなう上記コイル
のインダクタンス変化が上記タブレットの複数の導体と
入力ペンが電磁的に結合したときの出力信号の周波数の
変化として表れるように構成し、該出力信号の周波数を
測定して上記入力ペンの筆圧を検出するようにした。
【0005】
【作用】筆圧検出のための入力ペンのコイルの内部に2
つに分割された磁性体コアを設け、一方の磁性体コアを
固定とし、他方の磁性体コアを筆圧に応じて進退可能に
構成したので、筆圧の変化を大きなコイルインダクタン
スの変化として取り出すことができる。2つの磁性体コ
アの距離が大きいときにはそれぞれのコアの間からの漏
れ磁束が多くなりコイルに与える影響を大きくする。
【0006】
【実施例】図1〜図6は本発明の筆圧検知型コードレス
デジタイザの構成を示すもので、図1はこのデジタイザ
に使用される入力ペンの主要部の構成を示す説明図、図
2はこの入力ペンを用いたコードレスデジタイザの出力
周波数と筆圧との関係を表すグラフ、図3は周波数検出
方式の1例を示す説明図、図4はこのコードレスデジタ
イザの全体の構成を示す説明図、図5は図4に示した各
ループコイル群のスキャン動作を示す説明図、図6は図
4に示したデジタイザの位置検出方法の1例を示す説明
図である。
【0007】最初に、図4〜図6を参照してこの発明に
関わるデジタイザの構成及び動作を説明する。図4を参
照する。タブレット1には、X方向に順次配置されたX
側ループコイル群X1、X2、X3、・・・とY方向に
順次配置されたY側ループコイル群Y1、Y2、Y3、
・・・が設けられている。X側ループコイル群はX軸ス
キャナ11に各々接続され、Y側ループコイル群はY軸
スキャナ12に各々接続されている。X軸スキャナ11
は図示しない制御回路からのXアドレス信号に基づいて
測定の各タイミングにおいていずれかのX側ループコイ
ルを選択して電圧増幅器13の入力側に接続し、Y軸ス
キャナ12は同様なYアドレス信号の下に測定の各タイ
ミングにおいていずれかのY側ループコイルを選択して
電流増幅器14の出力側に接続する。電圧増幅器13の
出力信号は電流増幅器14の入力信号となる。従って、
この装置においては、X側ループコイル群の選択された
ループコイル、電圧増幅器13、電流増幅器14及びY
側ループコイル群の選択されたループコイルがいずれか
の測定タイミングにおいて接続される。そして、電圧増
幅器13の出力e0が利用回路15に取り込まれ位置指
示器2の位置決定に利用され、電流増幅器14の出力e
dもまた所定の処理が施されて利用回路15に取り込ま
れスイッチ識別あるいは位置指示器の高さ(筆圧)検出
のための周波数検出のため利用される。
【0008】なお、この装置においては、上述の電圧増
幅器13はこの自己発振系において飽和しない領域とな
るものを選択し、また電流増幅器14は飽和領域で使用
されるかまたは短時間で飽和するものであることが望ま
しい。電圧増幅器13の出力e0は位置決定に利用され
るので位置の再現性を良好にするために飽和しない領域
で使用することが望ましく、また電流増幅器14の出力
edは自己発振系の一方のループコイルを駆動する出力
となるので系の安定発振のために早い立ち上がりが望ま
れるからである。一方、位置指示器2は、この実施例装
置においては、ペン形状のハウジングを有しいわゆる入
力ペンとして構成され、コイル21と第1のコンデンサ
221と第2のコンデンサ222及びスイッチ23から
構成されている。この位置指示器2のコイル21は、例
えば位置指示器2のタブレット1に対する接触圧に応じ
てそのインダクタンスが連続的に可変するよう取り付け
られている。第2のコンデンサ222はスイッチ23を
介してこの位置指示器2に並列に接続されたものでスイ
ッチ23のオンオフ動作を識別するために利用される。
この位置指示器を上記のように構成されたタブレット上
に位置づけると、この位置指示器2のコイル21が周囲
の雑音電波等を拾いこの系において発振動作が開始され
る。
【0009】図5に示すように、この装置においては、
Y軸スキャナ12は所定のタイミングで各Y側ループコ
イルを順次増幅器14の出力側に接続する。そして、こ
のY軸スキャナ12がいずれかのY側ループコイルを選
択しているときX軸スキャナ11が動作して各X側ルー
プコイルを順次増幅器13の入力側に接続する。ここで
は、X軸スキャナ11がそれぞれのX側ループコイルを
選択している1つのタイミングが1つの測定タイミング
となる。
【0010】そして、各測定タイミングにおいて、利用
回路15は電圧増幅器13の出力e0をそれぞれ取り込
み、図6に示すような処理を行う。図6は利用回路15
の処理の1つであるタブレット1上の位置指示器2の指
示位置を決定するための1つの方式を示す模式図であ
る。図5に示すように、Y軸スキャナ12がループコイ
ルY1を選択し、X軸スキャナ11が各X側のループコ
イルを選択した際の増幅器13の各出力レベル(図6
)、Y軸スキャナ12がループコイルY2を選択し、
X軸スキャナ11が各X側のループコイルを選択した際
の電圧増幅器13の各出力レベル(図6)、Y軸スキ
ャナ12がループコイルY3を選択し、X軸スキャナ1
1が各X側のループコイルを選択した際の電圧増幅器1
3の各出力レベル(図6)、・・・・というように各
測定のタイミングにおける電圧増幅器13の出力レベル
をデータとして、利用回路15は位置指示器2のタブレ
ット1上の指示位置を決定する。
【0011】次に、図1〜図3を用いてこのコードレス
デジタイザにおける入力ペンの筆圧検出の具体的な方法
について説明する。図1は、上述した位置指示器と同様
の電気的構成を有する入力ペン2の具体的構成の説明図
である。ハウジング20はペン形状を有している。ペン
先26の上部には第1のフェライトコア251と第2の
フェライトコア252が間に弾性体253をはさんだ形
式で取り付けられている。この2つのフェライトコア2
51、252内の第2のフェライトコア252は、ハウ
ジング20に固定されている。したがって、第1のフェ
ライトコア251がタブレットに対する入力ペン2の押
圧(筆圧)に応じて進退する構成を有している。これら
2つのフェライトコア251、252の周囲にコイル2
1が設けられている。第1のフェライトコア251の上
下位置の変動にともなって、コイル21内の両コア間距
離を変動させることができ、コイル21のインダクタン
スを連続的に変化させることができる。このコイル21
にはコンデンサ22が接続されている。なお、この実施
例においては、入力ペン2の初期状態(筆圧がかかって
いない状態)の各要素の位置関係を次のようにしてい
る。すなわち、第1のフェライトコア(可動フェライト
コア)251と第2のフエライトコア(固定フエライト
コア)252との間を接続する弾性体253の垂直方向
の長さをl(エル)、コイル21の垂直方向の長さを
m、第1のフェライトコア251の下端と第2のフェラ
イトコア252の上端の長さをkとしたとき、lの中点
の位置とmの中点の位置とが一致する配置としている。
以上の構成によれば、コイル21と2つのコア251,
252の係わりの度合いを入力ペン2の筆圧に応じて可
変することができ、したがって、コイル21のインダク
タンスを筆圧に応じて可変することができる。
【0012】図2はこの入力ペン2の筆圧と図4に示す
増幅器13または14の出力信号の周波数との関係を示
したものである。筆圧を大きくすると入力ペン2のコイ
ル21のインダクタンスが大きくなり、その出力周波数
は連続的に小さくなる。図3は図1に示す増幅器13ま
たは14の出力信号の周波数の検出の説明図である。図
3に示すように、この装置においては一定時間T内にお
ける出力信号e0またはedの立ち上がり数を検出す
る。一定時間を発生するタイムベース回路151のスタ
ート信号により立ち上がり検出回路152が動作し例え
ば出力信号edの立ち上がり部を検出する。この立ち上
がりの回数は立ち上がり計数カウンター153により計
数され利用回路15へ送られ周波数が検出される。
【0013】なお、利用回路15の取り込まれたデータ
は入力ペン2のスイッチ23の操作によってコンデンサ
の容量も変化する。従って、利用回路15においてはこ
の点についても出力データの周波数成分を測定すること
により入力ペン2の操作状態をも検出している。このよ
うに、この装置においては、タブレット1に対する入力
ペン2の接触圧あるいはそのスイッチのオンオフ識別な
どを可能にしている。さらに、上述したようにこれらの
周波数解析を電流増幅器14の出力信号に基づき行うよ
う構成することにより十分に大きな出力信号が周波数解
析に利用することができる利点があるとともに位置の決
定のための信号と異なる信号であるので位置決定と独立
して入力ペン2の操作状態を検出することができ、回路
構成が単純になる利点がある。
【0014】なお、上記装置は電磁結合型に属するもの
であるが、いわゆる静電結合型のデジタイザにも適用で
きる。この場合には、静電結合のための電極として上述
のようなループコイルを用いることもできあるいは単に
導体を用いても良い。
【0015】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
入力ペンのコイル内に可動コアと固定コアを設け、可動
コアは筆圧により進退可能に構成したので、入力ペンの
コイルインダクタンスを連続的に取り出すことが可能と
なり、入力ペンの筆圧検知を有効に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の1実施例を示すデジタイザの
入力ペンを示す構成説明図である。
【図2】図2は、入力ペンの筆圧と出力信号の周波数の
関係を示す説明図である。
【図3】図3は、周波数の検出の1例を示す説明図であ
る。
【図4】図4は、本発明の1実施例を示すデジタイザの
全体構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図1のデジタイザのスキャン動作を示
す説明図である。
【図6】図6は、図1のデジタイザの位置決定方法の1
例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:タブレット 2:位置指示器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タブレットに配置された複数の導体と位置
    指示器としての入力ペンに配置されたコイルが近接し該
    タブレットの複数の導体及び入力ペンのコイルが電磁的
    に結合した時の出力信号の周波数に基づき上記位置指示
    器の筆圧(押圧)を検出するようになしたデジタイザに
    おいて、 上記入力ペンのコイルに2つの磁性体コアを介在させる
    とともに一方の磁性体コアについては入力ペンの筆圧に
    応じて他方の磁性体コアに対する相対距離が上記コイル
    に関連して可変するよう配置し、該入力ペンのタブレッ
    トに対する筆圧に応じて上記コイルのインダクタンスが
    連続的に可変されるよう構成し、 該入力ペンの筆圧にともなう上記コイルのインダクタン
    ス変化が上記タブレットの複数の導体と入力ペンが電磁
    的に結合したときの出力信号の周波数の変化として表れ
    るように構成し、 該出力信号の周波数を測定して上記入力ペンの筆圧を検
    出するようにしたことを特徴とするデジタイザ。
  2. 【請求項2】タブレットに配置された複数の導体と位置
    指示器としての入力ペンに配置されたコイルが近接し該
    タブレットの複数の導体及び入力ペンのコイルが電磁的
    に結合した時の出力信号に基づき上記位置指示器の筆圧
    (押圧)を検出するようになしたデジタイザ用入力ペン
    において、 上記入力ペンのコイルに2つの磁性体コアを介在させる
    とともに一方の磁性体コアについては入力ペンの筆圧に
    応じて他方の磁性体コアに対する相対距離が上記コイル
    に関連して可変するよう配置し、該入力ペンのタブレッ
    トに対する筆圧に応じて上記コイルのインダクタンスが
    連続的に可変されるよう構成したことを特徴とするデジ
    タイザ用入力ペン。
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