JP2592121Y2 - コードレスデジタイザ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、タブレットと位置指
示器との間に接続ケーブルを有さないコードレスデジタ
イザであって、タブレットには第１、第２の発振要素と
しての導体と第３の発振要素としての増幅手段を設け、
位置指示器には第４の発振要素としての導体を設け、こ
れら第１、第２、第３及び第４の発振要素によって形成
される発振系の発振出力に基づき、上記位置指示器のタ
ブレット上の指示位置座標等を検出するようにしたコー
ドレスデジタイザに関する。

【０００２】

【従来の技術】このコードレスデジタイザの従来技術と
しては、本願出願人が先に出願した特願平４−３３７８
９４号に記載された発明があった。まず、この発明につ
いて、図１〜図３を用いて説明する。なお、図１は本考
案に関わる実施例装置でもあるが、ここでは従来技術の
部分についてのみ説明する。 タブレット１には、図１
に示されているように、Ｘ方向に順次配置されたＸ側ル
ープコイル群Ｘ１、Ｘ２、Ｘ３、・・・からなる第１の
発振要素と、Ｙ方向に順次配置されたＹ側ループコイル
群Ｙ１、Ｙ２、Ｙ３、・・・からなる第２の発振要素が
設けられている。第１の発振要素の各Ｘ側ループコイル
群はＸ軸スキャナ１１に各々接続され、第２の発振要素
の各Ｙ側ループコイル群はＹ軸スキャナ１２に各々接続
されている。Ｘ軸スキャナ１１は制御回路１５からのＸ
アドレス信号に基づいて測定の各タイミングにおいてい
ずれかのＸ側ループコイルを選択して第３の発振要素と
しての増幅手段（図１では電圧増幅器１３及び飽和増幅
器１４）の入力側に接続し、Ｙ軸スキャナ１２は同様な
Ｙアドレス信号の下に測定の各タイミングにおいていず
れかのＹ側ループコイルを選択して増幅手段の出力側に
接続する。増幅手段（電圧増幅器１３）の出力はさらに
制御回路１５に取り込まれ位置指示器２の座標位置決定
またはスイッチ識別の際等のデータとして利用される。

【０００３】一方、位置指示器２は、この実施例装置に
おいては、第４の発振要素としてのコイル２１と基準コ
ンデンサｃ０、第１のコンデンサｃ１と第１のスイッチ
ｓ１、第２のコンデンサｃ２とスイッチｓ２、第３のコ
ンデンサｃ３と第３のスイッチｓ３及び第４のコンデン
サｃ４、第４のスイッチｓ４から構成されている。な
お、以下において、これらのコンデンサ及びスイッチの
各対をこの明細書では単にスイッチ対と呼ぶことにす
る。基準コンデンサｃ０はコイル２１とＬＣ共振回路を
構成するコンデンサである。 第１のスイッチ対（第１
のコンデンサｃ１とスイッチｓ１）〜第４のスイッチ対
は、上記ＬＣ共振回路にそれぞれ並列に接続されたもの
で各スイッチのオンオフ動作を識別するために利用され
る。

【０００４】図２に示すように、この装置においては、
Ｙ軸スキャナ１２は所定のタイミングで各Ｙ側ループコ
イル（第２の発振要素）を順次増幅手段（第３の発振要
素）の出力側に接続する。そして、このＹ軸スキャナ２
１がいずれかのＹ側ループコイルを選択しているときＸ
軸スキャナ１１が動作して各Ｘ側ループコイル（第１の
発振要素）を順次増幅手段の入力側に接続する。この装
置では、Ｘ軸スキャナ１１がそれぞれのＸ側ループコイ
ルを選択している１つのタイミングを１つの測定タイミ
ングとしている。

【０００５】そして、各測定タイミングにおいて、制御
回路１５は増幅手段の出力をそれぞれ取り込み、図３に
示すような処理を行う。図３は制御回路１５の処理の１
つであるタブレット１上の位置指示器２の指示位置を決
定するための１つの方式を示す模式図である。図２に示
すように、Ｙ軸スキャナ１２がループコイルＹ１を選択
し、Ｘ軸スキャナ１１が各Ｘ側のループコイルを選択し
た際の増幅手段の各出力レベル（図３）、Ｙ軸スキャ
ナ１２がループコイルＹ２を選択し、Ｘ軸スキャナ１１
が各Ｘ側のループコイルを選択した際の増幅手段の各出
力レベル（図３）、Ｙ軸スキャナ１２がループコイル
Ｙ３を選択し、Ｘ軸スキャナ１１が各Ｘ側のループコイ
ルを選択した際の増幅手段の各出力レベル（図３）、
・・・・というように各測定のタイミングにおける増幅
手段の出力レベルをデータとして、制御回路１５は位置
指示器２のタブレット１上の指示位置を決定する。な
お、制御回路１５に取り込まれたデータは上記各発振要
素により形成された発振系に依存した周波数成分をもっ
ている。この周波数変化は、第４の発振要素である位置
指示器２のコイル２１に接続される負荷によって大きく
変化する。従って、制御回路１５において上記出力デー
タの周波数成分を測定することにより位置指示器２の各
スイッチのオンオフ識別などに利用することができる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上述の装置
においてはタブレット１の板面上におけるｘｙ座標位置
については検出可能であったが、位置指示器２のタブレ
ット１の板面上の上方の高さ位置すなわちｚ位置につい
ては検出が難しかった。というのは、この種のコードレ
スデジタイザにおいて位置指示器２の高さ検出を行う場
合、一般的に出力信号のレベルでの検出を行っていた。
上記装置のタブレット１の第１、第２の導体と位置指示
器２の第４の導体（コイル２１）は磁気結合しているの
で、その距離（位置指示器の高さ）が増せば増すほど著
しく小さくなる。従って、その場合の信号レベルも著し
く小さくなってしまう。そのため、このようなレベル検
出においては検出できる高さが極めて小さいという欠点
があった。この考案は、この点を改善するためになされ
たもので、位置指示器２のタブレット１に対するｘｙ座
標位置に加えてｚ方向位置についても検出が可能なコー
ドレスデジタイザを提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このため、この考案にお
いては、タブレットに設けられた導体からなる第１、第
２の発振要素とこれらの第１、第２の発振要素の一方の
発振要素に生じた信号を増幅して他方の発振要素に供給
する増幅作用を有した第３の発振要素と位置指示器に設
けられた導体からなる第４の発振要素とから構成され、
上記位置指示器の第４の発振要素をタブレット上に載置
した際、上記第１、第２、第３及び第４の発振要素が相
互に作用して発振状態となる発振系が形成され、該発振
系の出力信号に基づき上記位置指示器のタブレット上の
指示位置座標等を検出するよう構成したコードレスデジ
タイザにおいて、上記タブレットの第１、第２の発振要
素の下方に電磁遮蔽板を設けるとともに上記タブレット
に上記発振系の出力信号の周波数を検出する周波数検出
手段を設けて、上記発振系の上記位置指示器に設けられ
た第４の発振要素の上記電磁遮蔽板に対する高さ変動が
上記発振系の出力信号の周波数変動として表れるよう構
成し、上記周波数検出手段の出力に基づき上記位置指示
器の上記電磁遮蔽板に対する高さを検出するよう構成し
た。

【０００８】

【作用】電磁遮蔽板を設けることにより、位置指示器２
のタブレット１からの距離（高さ）に対する出力信号の
強度減衰を緩和することができる。さらに、電磁遮蔽板
に対する位置指示器２のコイル２１（第４の発振要素）
の高さ変動は発振系の周波数の変化に表れる。周波数の
検出は信号が比較的小さい場合でも可能であるので、こ
れによっても高さ検出領域を拡大することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例装置について説明す
る。図４は本考案に関わるコードレスデジタイザの模式
図である。タブレット１の第１の発振要素ｘｎ、第２の
発振要素ｙｎが第３の発振要素である増幅手段の入出力
に接続されている。これらの第１の発振要素ｘｎ及び第
２の発振要素ｙｎは、ケイ素鋼板等からなる電磁遮蔽板
１６に近接して配置されている。位置指示器２の第４の
発振要素２１とタブレットの第１、第２の発振要素ｘ
ｎ、ｙｎとが磁気結合状態なった際に第３の発振要素１
３の作用により発振状態となる。今、位置指示器２が電
磁遮蔽板１６に対して上下動をすると、位置指示器２の
コイル（第４の発振手段）２１と電磁遮蔽板１６との間
の浮遊容量が変化するものと考えられ、第３の発振要素
に入力される信号の周波数は第４の発振要素２１の高さ
に応じた値となる。このようにこの考案によれば、位置
指示器２の高さを信号の周波数で検出するよう構成した
ので、信号のレベルが比較的小さい場合においても測定
できる利点がある。

【００１０】図１は本考案の実施例装置の全体的な電気
構成を示すものである。上述の従来装置と異なるところ
は、制御回路１５内に位置指示器２の高さ演算手段を設
けた点である。この高さ演算手段は、波形変換器１５２
と、基準信号発生器１５３とＡＮＤ回路１５４とカウン
タ１５５及びＣＰＵ１５６からなる。第３の発振要素の
１部を構成する電圧増幅器１３の出力がＡ／Ｄ変換器１
５１及び波形変換器１５２にともに入力される。Ａ／Ｄ
変換器１５１はＸＹ座標検出手段の１つの構成要素であ
る。図５に示すように、波形変換器１５２では、入力さ
れた信号をしきい値を「０」として矩形波に変換する
（図５検出信号）。そして、ＡＮＤ回路１５４にて基準
信号との合成信号を作成する。この合成信号はこの発振
系の周期に対応した信号となる。この合成信号をカウン
タ１５５にて計数しその計数結果をＣＰＵ１５６に送出
する。ＣＰＵ１５６はこの計数値から周波数を検出す
る。そして、図示しないメモリにあらかじめ格納された
「周波数−高さテーブル」を参照して、検出周波数に対
する高さを出力する。図６は、この実施例装置における
周波数−高さ関係を示す説明図である。周波数ｆ０〜ｆ
１が図１に示す位置指示器２のすべてのスイッチをオフ
にした状態を、周波数ｆ１〜ｆ２が第１のスイッチｓ１
をオンした状態を、周波数ｆ２〜ｆ３が第２のスイッチ
ｓ２を、周波数ｆ３〜ｆ４が第３のスイッチｓ３を、周
波数ｆ４〜ｆ５が第４のスイッチｓ４をそれぞれオンし
た状態を示している。上記発振系の出力信号の周波数を
検出することによりどのスイッチが押されているか及び
位置指示器２の高さを検出することができる。

【００１１】

【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、タブレットの第１、第２の発振要素に近接して電磁
遮蔽板を設けるとともに位置指示器の高さ検出を発振系
の出力信号の周波数により求めるよう構成したので、高
さ検出領域を拡大することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の１実施例を示す構成図であ
る。

【図２】図２は、図１及び従来装置の測定タイミングを
示すタイミングチャートである。

【図３】図３は、図１及び従来装置の座標決定動作を模
式的に示す説明図である。

【図４】図４は、本考案の主要部構成を模式的に示す構
成図である。

【図５】図５は、本考案に関わる周波数検出手段の動作
を説明するタイミングチャートである。

【図６】図６は、本考案に関わる実施例装置の周波数−
高さ関係を示す説明図である。

【符号の説明】

１：タブレット ２：位置指示器

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】タブレットに設けられた導体からなる第
   １、第２の発振要素とこれらの第１、第２の発振要素の
   一方の発振要素に生じた信号を増幅して他方の発振要素
   に供給する増幅作用を有した第３の発振要素と位置指示
   器に設けられた導体からなる第４の発振要素とから構成
   され、上記位置指示器の第４の発振要素をタブレット上
   に載置した際、上記第１、第２、第３及び第４の発振要
   素が相互に作用して発振状態となる発振系が形成され、
   該発振系の出力信号に基づき上記位置指示器のタブレッ
   ト上の指示位置座標等を検出するよう構成したコードレ
   スデジタイザにおいて、 上記タブレットの第１、第２の発振要素の下方に電磁遮
   蔽板を設けるとともに上記タブレットに上記発振系の出
   力信号の周波数を検出する周波数検出手段を設けて、上
   記発振系の上記位置指示器に設けられた第４の発振要素
   の上記電磁遮蔽板に対する高さ変動が上記発振系の出力
   信号の周波数変動として表れるよう構成し、 上記周波数検出手段の出力に基づき上記位置指示器の上
   記電磁遮蔽板に対する高さを検出するよう構成したこと
   を特徴とするコードレスデジタイザ。