JP2966854B2 - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JP2966854B2
JP2966854B2 JP14671389A JP14671389A JP2966854B2 JP 2966854 B2 JP2966854 B2 JP 2966854B2 JP 14671389 A JP14671389 A JP 14671389A JP 14671389 A JP14671389 A JP 14671389A JP 2966854 B2 JP2966854 B2 JP 2966854B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、座標入力装置に関し、特に、位置指示器の
状態識別処理を改善した座標入力装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来、電波を用いて位置指示器による指定位置及びそ
の状態を識別する座標入力装置が知られている。
前述の座標入力装置は、例えば、多数のループコイル
を位置検出方向に並設してなる位置検出部と、前記多数
のループコイルより一のループコイルを順次選択する選
択回路と、前記選択された一のループコイルを所定の周
波数の交流信号で駆動する送信回路と、コイルとコンデ
ンサを含み、前記所定の周波数を中心同調周波数とし、
電流と誘起電圧の位相差を位置指示器の状態に応じて変
更可能となした同調回路を有する位置指示器と、前記選
択された一のループコイルに発生する前記所定の周波数
とほぼ同じ周波数の誘導電圧を検出する受信回路と、前
記選択された一のループコイルを前記送信回路及び前記
受信回路に交互に接続する送受切替回路と、各ループコ
イルに発生する前記誘導電圧に基づいて前記位置指示器
の指定位置を算出すると共に、前記誘導電圧の位相を検
出し、さらに前記交流信号を直接、前記受信回路に送出
した時の位相を検出し、これらから前記位置指示器の状
態を識別する処理装置とから構成されている。
前述の構成からなる従来の座標入力装置によれば、多
数のループコイルのうち一のループコイルが選択回路に
より選択され、送受切替回路により、送信期間に、前記
選択されたループコイルに送信回路が接続され、所定の
周波数の交流信号が印加される。これによりループコイ
ルから前記所定の周波数の電波が発生する。この電波は
位置検出部上で位置指定を行う位置指示器の同調回路内
のコイルを励振し、この同調回路に前記交流信号に同期
した誘導電圧を発生させる。この後、送受切替回路によ
り、受信期間に前記選択された一のループコイルに受信
回路が接続されると共に前記交流信号が切断される。こ
れにより、前記ループコイルから発生される電波は消滅
する。また、位置指示器の同調回路に発生した誘導電圧
は、この同調回路の損失に応じて徐々に減衰する。この
同調回路を流れる電流は前記一のループコイルに加えら
れた交流信号の周期とほぼ同じ周期の電波を同調回路の
コイルから発生させる。この電波は、受信回路に接続さ
れた前記一のループコイルを逆に励振するため、この一
のループコイルには前記交流信号の周期とほぼ同じ周期
で且つ徐々に減衰する誘導電圧が発生する。前記電波の
送受信は、ループコイルを切替えて順次繰返されるが、
このループコイルと位置指示器のコイルとの共振によ
り、前記誘導電圧が誘起されるため、ループコイルと位
置指示器のコイルの距離が小さい程、前記誘導電圧の電
圧値は大きくなる。従って、位置指示器を置いた位置、
即ち指示位置に最も近いループコイルに発生する誘導電
圧を最大として、この指示位置から離れるに従って徐々
に小さくなる誘導電圧が各ループコイルに発生する。前
記各ループコイルに発生した誘導電圧の電圧値は処理装
置により演算処理され、電圧値が極大値となる位置、即
ち、位置指示器による指示位置の座標値が求められる。
一方、前記位置指示器の同調回路を流れる電流はコイ
ルの誘起電圧に対してその時の位置指示器の状態に応じ
た位相差をもって流れ、一のループコイルに誘起される
誘導電圧の位相は前記同調回路における電流の位相とほ
ぼ同じになるため、前記誘導電圧の位相を検出すること
により前記位置指示器の同調回路の状態を識別してい
る。
また、外部からの雑音の影響を低減するために、前記
受信回路に帯域フィルタを設け、この帯域フィルタを介
して前記処理装置は前記誘導電圧による信号を入力して
いる。前記帯域フィルタは前記同調回路の中心同調周波
数を中心とした所定の周波数帯域内の周波数の信号を通
過させるものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記位置検出部,受信回路等の構成部
品の特性のばらつきや温度による影響等から、ループコ
イルに誘起された誘導電圧を前記処理装置が入力するま
でに、さらに前記誘導電圧の位相に受信回路における位
相のずれが加わったものとなる。このため、前記処理装
置は、前記交流電圧を直接受信回路を介して入力したと
きの位相に基づいて、前記誘導電圧の位相を補正する自
己校正処理を行わなければならなかった。これにより、
自己校正のための回路を付加しなければならず部品点数
が増加すると共に、コストが高くなるという問題点を有
していた。
本発明の目的は上記問題点に鑑み、前記自己校正を行
うことなく、位置指示器の状態を識別できる座標入力装
置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記の目的を達成するために、少なくとも一
のループコイルを有する位置検出部と、送信期間に前記
ループコイルを所定の周波数の交流信号で駆動する送信
回路と、コイルとコンデンサを含み、前記所定の周波数
を中心同調周波数とし、電流の周期をその状態に応じて
変更可能となした同調回路を有する位置指示器と、受信
期間に前記ループコイルに発生する前記所定の周波数と
ほぼ同じ周波数の誘導電圧を検出する受信回路と、前記
誘導電圧の位相を検出し、該位相に基づいて、前記位置
指示器の状態を識別する処理装置とを備えた座標入力装
置において、前記処理装置は、前記受信期間の前半の誘
導電圧の位相を検出する第1の位相検出手段と、前記受
信期間の後半の誘導電圧の位相を検出する第2の位相検
出手段と、前記第1の位相検出手段によって検出された
位相と前記第2の位相検出手段によって検出された位相
の位相差に基づいて前記位置指示器の状態を識別する状
態識別手段とから構成した。
(作 用) 本発明によれば、処理装置の第1の位相検出手段によ
り受信期間の前半に受信回路で検出した誘導電圧の位相
が検出され、第2の位相検出手段により前記受信期間の
後半に前記受信回路で検出した誘導電圧の位相が検出さ
れ、これら2つの位相の位相差に基づいて、状態識別手
段により、前記位置指示器の状態が識別される。
(実施例) 第1図は本発明の座標入力装置の第1の実施例を示す
もので、図中、1は位置検出部、2は選択回路、3は送
受切替回路、4は位置指示器、5は送信回路、6は受信
回路、7は処理装置である。
位置検出部1は、互いに平行な導体を有する多数、例
えば48本のループコイル11−1,11−2,……11−48が、図
中、矢印イ方向(以下、位置検出方向と称す。)に並設
されてなっている。また、各ループコイル11−1〜11−
48は互いに平行で且つ重なり合う如く配置されている。
なお、ここでは各ループコイル11−1〜11−48を1ター
ンで構成したが、必要に応じて複数ターンとなしても良
い。該位置検出部1としては、例えば周知のプリント基
板にエッチング加工を施すこと等によって形成した多数
の平行な導体をジャンパ線等で接続することにより、前
記多数のループコイルとなしたものを用いることができ
る。
選択回路2は、前記多数のループコイル11−1〜11−
48より一のループコイルを順次選択するものであり、前
記ループコイル11−1〜11−48の一端は一の端子群21に
それぞれ接続され、また、他端は他の端子群22にそれぞ
れ接続されている。端子群21に対応する選択接点23及び
端子群22に対応する選択接点24は互いに連動し、処理装
置7からの情報に基づいて動作し、一のループコイルを
選択する如くなっている。該選択回路2は、周知のマル
チプレクサを多数組合わせることによって実現される。
送受切替回路3は、前記選択回路2によって選択され
た一のループコイルを送信回路5及び受信回路6に交互
に接続するものであり、前記選択回路2の選択接点23及
び24は、選択接点31及び32にそれぞれ接続されている。
また、送信回路5の2つの出力端子は端子33,35に接続
され、また、受信回路6の2つの入力端子は端子34,36
に接続されている。前記端子33,34に対応する選択接点3
1及び端子35,36に対応する選択接点32は互いに連動し、
後述する送受切替信号に基づいて動作し、送信及び受信
を切替える如くなっている。なお、該送受切替回路3も
周知のマルチプレクサによって実現される。
位置指示器4はスタイラスペン(以下、単にペンと称
す。)であり、コイルとコンデンサを含む同調回路41を
内蔵している。
第2図はペン4の詳細な構造を示すもので、合成樹脂
等の非金属素材からなるペン軸42の内部にその先端寄り
から、ボールペン等の芯体43と、該芯体43を摺動自在に
収容し得る透孔を備えたフェライトコア44と、コイルバ
ネ45と、スイッチ411,フェライトコア44の周囲に巻回さ
れたコイル412,コンデンサ413及び414からなる同調回路
41とが一体的に組合されて内蔵され、その後端にはキャ
ップ46が取付けられてなっている。
前記コイル412とコンデンサ413は第3図にも示すよう
に互いに直列に接続され、周知の同調回路を構成する如
くなっており、該コイル412及びコンデンサ413の数値は
所定の周波数f0において、電圧と電流の位相が同相で共
振する値に設定されている。また、コンデンサ414はス
イッチ411を介してコンデンサ413の両端に並列に接続さ
れており、該スイッチ411がオンとなった時、前述した
同調回路における電流の位相を所定角度遅らせ且つ同調
を長くして、後述する受信信号の位相を、例えば45゜遅
らせる作用を行なう。なお、スイッチ411はペン軸42を
手等で保持し、芯体43の先端を位置検出部1の入力面
(図示せず)に押付けることによってペン軸42内に押込
むと、その後端によりコイルバネ45を介して押圧され、
オンとなる如くなっている。
第3図は同調回路41、送信回路5及び受信回路6の詳
細とともに装置全体の構成を示すもので、図中、51はタ
イミング回路、52は低域フィルタ(LPF)、53は駆動回
路であり、これらは送信回路5を達成し、また、61は増
幅器、62は受信タインミング切替回路、63は帯域フィル
タ(BPF)、64は検波器、65,66は位相検波器(PSD)、6
7,68,69は低域フィルタ(LPF)であり、これらは受信回
路6を構成する。
処理装置7は周知のマイクロプロセッサ等より構成さ
れ、タイミング回路51を制御するとともに位置検出部1
の各ループコイルの切替を制御し、また、低域フィルタ
67からの出力値をA/D変換し、後述する演算処理を実行
してペン4による指定位置の座標値を算出し、さらにス
イッチ等の状態を識別し、これに応じた処理を行なう。
前記第1及び第2の位相検出手段及び状態識別手段
は、位相検波器65,66、低域フィルタ68,69、処理装置7
及び処理装置7を動作させるプログラムにより構成され
る。
次に動作について説明するが、まず、位置検出部1と
ペン4との間で電波が送受信されるようす並びにこの際
得られる信号について、第4図に従って説明する。
タイミング回路51は所定の周波数f0、例えば500kHzの
矩形波信号A、該矩形波信号Aの位相を90゜遅らせた信
号B、所定の周波数fk、例えば15.625kHzの送受切替信
号C及び受信タイミング信号D1,D2,D3を発生する。前記
矩形波信号Aは位相検波器65に送出されることともに低
域フィルタ52により正弦波信号Eに変換されて駆動回路
53に送出され、また、送受切替信号Cは送受切替回路3
に送出され、さらにまた、処理装置7の制御に基づい
て、受信タイミング信号D1,D2,D3のうちいずれか一つが
受信タインミング切替回路62に送出される。
前記正弦波信号Eは駆動回路53にて平衡信号に変換さ
れ、さらに送受切替回路3に送出されるが、該送受切替
回路3は送受切替信号Cに基づいて駆動回路53及び増幅
器61のいずれか一方を切替接続するため、送受切替回路
3より選択回路2に出力される信号は時間T(=1/2f
k)、ここでは32μsec毎に500kHzの信号を出したり出さ
なかったりする信号Fとなる。
前記信号Fは選択回路2を介して位置検出部1の一の
ループコイル11−i(i=1,2,……48)に送出される
が、この時、該ループコイル11−iは前記信号Fに基づ
く電波を発生する。
この際、位置検出部1のループコイル11−i付近にて
ペン4が略直立状態、即ち使用状態に保持されている
と、該電波はペン4のコイル412を励振し、その同調回
路41に前記信号Fに同期した誘導電圧Gを発生させる。
その後、信号Fにおいて信号無しの期間、即ち受信期
間に入るとともにループコイル11−iが受信回路6側に
切替えられると、該ループコイル11−iよりの電波は直
ちに消滅するが、前記誘導電圧Gは同調回路41内の損失
に応じて徐々に減衰する。
一方、前記誘導電圧Gに基づいて同調回路41を流れる
電流は、コイル412より電波を発信させる。該電波は受
信回路6に接続されたループコイル11−iを逆に励振す
るため、該ループコイル11−iにはオイル412からの電
波による誘導電圧が発生する。該誘導電圧は受信期間の
間のみ送受切替回路3より増幅器61に送出され増幅され
て受信信号Hとなり、さらに受信タイミング切替回路62
に送出される。
受信タイミング切替回路62は後続する帯域フィルタ63
に前記受信信号H中のどの部分を出力するかを制御する
ためのもので、前記受信タイミング信号D1又はD2あるい
はD3がハイ(H)レベルの期間は受信信号Hを出力し、
ロー(L)レベルの期間は何も出力しない。受信タイミ
ング信号D2は受信信号Hの前半の時間T/2の部分を出力
させ、受信タインミング信号D3は受信信号Hの後半の時
間T/2の部分を出力させる。
ここで、受信タイミング切替回路62にハイ(H)レベ
ルの受信タイミング信号D1が入力されているとすると、
その出力には信号I1(実質的に受信信号Hと同一)が得
られる。該信号I1は帯域フィルタ63に送出されるが、該
帯域フィルタ63は周波数f0を中心とする通過帯域を有す
るフィルタであり、前記信号I1中の周波数f0成分のエネ
ルギーに応じた振幅h1を有する信号J1(厳密には、数個
の信号I1が帯域フィルタ63に入力され収束した状態にお
いて)を検波器64及び位相検波器65,66に送出する。
前記検波器64に入力された信号J1は検出され、信号K1
とされた後、遮断周波数の充分低い低域フィルタ67に
て、信号K1の振幅のほぼ1/2に対応する電圧値、例えばV
xを有する直流信号L1に変換され、処理装置7に送出さ
れる。
前記信号L1の電圧値Vxはペン4とループコイル11−i
との間の距離に依存した値を示し、ループコイル11−i
が切替えられると変化するため、各ループコイル毎に得
られる電圧値Vxをディジタル値に変換し、これらに後述
する演算処理を実行することにより、ペン4による指定
位置の座標値が算出される。
また、受信タイミング切替回路62に受信タイミング信
号D2(又はD3)が入力されると、その出力には信号I2
(又はI3)が得られる。該信号I2(又はI3)は帯域フィ
ルタ63に送出され、前述と同様にして振幅h2(又はh3)
を有する信号J2(又はJ3)を検波器64及び位相検波器6
5,66に送出する。
前記位相検波器65及び66には前記矩形波信号A及びB
が検波信号として入力されており、この時、信号J2(又
はJ3)の位相が矩形波信号Aの位相とほぼ一致している
とすると、位相検波器65はちょうど信号J2(又はJ3)正
側に反転した信号M2(又はM3)を出力し、また、位相検
波器66は正側及び負側に対称な波形を有する信号P2(又
はP3)を出力する。
前記信号M2(又はM3)は前記同様の低域フィルタ68に
て信号M2(又はM3)の振幅のほぼ1/2に対応する電圧値V
m2(又はVm3)を有する直流信号N2(又はN3)に変換さ
れ、処理装置7に送出される。また、信号P2(又はP3)
は同様の低域フィルタ69にて直流信号Q2(又はQ3)に変
換され処理装置7に送出されるが、ここでは位相検波器
66の出力信号P2(又はP3)において正側及び負側の成分
が同一であるため、低域フィルタ69の出力の電圧値Vp2
(又はVp3)は0[V]となる。
処理装置7では、電波の送受信を行うループコイルを
選択した状態で、受信タイミング信号D2を受信タイミン
グ切替回路62に入力した時に得られる電圧値Vm2及びVp2
のデジタル値を用いて下記(1)式の演算処理を行い、
位相検波器65及び66に加わった信号J2と矩形波信号Aと
の位相差θfを算出する。
θf=−tan-1(Vp2/Vm2) …(1) 次に、前記受信タイミング信号D3を受信タイミング切
替回路62に入力した時に得られる電圧値Vm3及びVp3のデ
ジタル値を用いて下記(2)式の演算処理を行い、位相
検波器65及び66に加わった信号J3と矩形波信号Aとの位
相差θrを算出する。
θr=−tan-1(Vp3/Vm3) …(2) さらにまた、前記位相差θf及びθrを用いて、下記
(3)式の演算処理を行い、位相差θを算出する。
θ=θf−θr …(3) ここでもし、同調回路41の共振周波数が低くなった時
には周期が長くなるため、θrはθfより遅れる。この
位相差θによりペン4のスイッチ411のオン・オフの状
態を識別することができる。これにより、同調回路41か
らの反射電波を受信した際に、ループコイルに誘起され
た誘導電圧の位相に受信回路6における位相のずれが加
わっても、この位相のずれに影響されることなく、前記
位相差θを求めることができるため、スイッチ411のオ
ン・オフの状態を識別することができる。
第5図(a)(b)は受信回路6における位相のずれ
が無い場合の位相差θ,θf,θrの関係を示す図であ
り、第5図(a)はスイッチ411がオフの状態のときの
関係を、第5図(b)はスイッチ411がオンの状態のと
きの関係をそれぞれ表わしている。
また、第6図(a)(b)は受信回路6において位相
のずれθsを生じた場合の位相差θ,θf,θrの関係を
示す図であり、第6図(a)はスイッチ411がオフの状
態のときの関係を、第6図(b)はスイッチ411がオン
の状態のときの関係をそれぞれ表わしている。
第5図(a)及び第6図(a)のそれぞれにおける位
相差θは、前記信号J1,J2,J3の位相が矩形波信号Aの位
相と同一になるため、0となり、また、第5図(b)に
おける位相差θの値がθ1になるようにしたときは、第
6図(b)における位相差θの値もθ1となり、受信回
路6における位相のずれの影響を防止することができ
る。これにより、同調回路41からの反射電波を受信した
際に、受信回路6において信号の位相にずれが生じて
も、この位相のずれに影響されることなく、スイッチ41
1のオン又はオフの状態を正確に識別することができ
る。
なお、ここで識別されたスイッチ411のオン又はオフ
の状態を示す情報はペン4による指定位置の座標値のう
ちで、実際に入力すべき値を指定する情報等として使用
される。
次に第7図乃至第9図に従って、本発明の装置におけ
る位置検出及びペン4の状態、ここではスイッチ411の
オン・オフ状態の識別のようすを説明する。
まず、装置全体の電源を投入され、測定開始状態にな
ると、処理装置7は第7図に示す制御フローチャートに
従って、タイミング回路51を制御して受信タイミング信
号D1を受信タイミング切替回路62に供給されると共に、
位置検出部1のループコイル11−1〜11−48のうち、最
初のループコイル11−1を選択する情報を選択回路2に
送り、該ループコイル11−1は送受切替回路3に接続す
る。送受切替回路3は前述した送受切替信号Cに基づい
て、ループコイル11−1を送信回路5及び受信回路6に
交互に切替制御する。
この際、送信回路5は32μsecの送信期間において、
第8図(a)に示すような500kHzの16個の正弦波信号
(なお、第4図では図面の都合上、そのうちの5個のみ
を示している。)を該ループコイル11−1へ送る。前記
送信及び受信の切替は第8図(b)に示すように一のル
ープコイル、ここでは11−1に対して7回繰返される。
この7回の送信及び受信の繰返し期間が、一のループコ
イルの選択期間(448μesc)に相当する。
受信回路6の受信タイミング切替回路62の出力には、
一のループコイルに対して7回の受信期間毎に誘導電圧
が得られるが、この誘導電圧は前述したように帯域フィ
ルタ63にて平均化され、検波器64及び低域フィルタ67を
経て処理装置7に送出される。この時、低域フィルタ67
の出力値はデジタル値に変換され、ペン4とループコイ
ル11−1との距離に依存した検出電圧、例えばVx1とし
て一時記憶される。
次に処理装置7はループコイル11−2を選択する情報
を選択回路2に送り、該ループコイル11−2を送受切替
回路3に接続し、ペン4とループコイル11−2との距離
に依存した検出電圧Vx2を得てこれを記憶し、以後、同
様にループコイル11−3〜11−48を順次送受切替回路3
に接続し、第8図(c)に示すような各ループコイル毎
のペン4との距離に依存した検出電圧Vx1〜Vx48(但
し、第8図(c)にはその一部のみをアナログ的な表現
で示す。)を記憶する。
実際の検出電圧は、第9図に示すようにペン4が置か
れた位置(xp)を中心として、その前後の数本のループ
コイルのみに得られる。
処理装置7は前記記憶した検出電圧の電圧値が一定の
検出レベル以上である時、これらの電圧値より後述する
如くしてペン4の指定位置を表わす座標値を算出する。
次に、処理装置7は前記ループコイル11−1〜11−48
のうち、最大の検出電圧が得られたループコイルを検出
し、これを選択する情報を選択回路2に送出すると共
に、タイミング回路51より受信タイミング切替回路62に
受信タイミング信号D2を供給させ、前記電波の送受信を
複数回、例えば7回繰返させ、その時、帯域フィルタ63
より得られた電圧値Vm2及びVp2を用いて、前述したよう
に前記(1)式の演算処理を実行し、位相差θfを算出
する。
また、処理装置7は最大の検出電圧が得られたループ
コイルを選択させたまま、タイミング回路51より受信タ
イミング切替回路62に受信タイミング信号D3を供給さ
せ、電波の送受信を同じく7回繰返させ、その時得られ
た電圧値Vm3及びVp3を用いて、前述したように前記
(2)式の演算処理を実行し、位相差θrを算出する。
さらに、前記位相差θf及びθrを用いて、前記(3)
式の演算処理を実行し、位相差θを算出する。
次に、処理装置7は位相差θが0であるか否かを判定
する。位相差θが0のときは、スイッチ411の状態識別
結果をオフとし、位相差θが0でないときは、スイッチ
411の状態識別結果をオンとする。
前記スイッチ411のオン・オフの識別結果は前述した
ペン4の指定位置を表わす座標値とともに図示しない上
位装置に転送される。
このようにして第1回目の位置検出及び状態識別が終
了すると、処理装置7は第10図に示すように第2回目以
降の位置検出として、前記ループコイル11−1〜11−48
のうち、最大の検出電圧が得られたループコイルを中心
として、その前後の一定数、例えば10本のループコイル
のみを選択する情報を選択回路2に送出し、前記同様に
して出力値を得てペン4に対する位置検出及びスイッチ
411のオン・オフ状態の識別を行ない、得られた座標値
及び識別結果を転送し更新し、以下、これらを繰返す。
従って、ペン4を位置検出部1上で操作すると、その
間のペン4による指定位置の座標値は全て上位装置に転
送され、また、この際、スイッチ411をオンにすると、
該オン状態の識別情報が上位装置に転送され、該上位装
置側ではこの時点の座標値を入力すべき座標値として認
識することが可能となる。
また、第10図中、レベルチェックとは検出電圧の最大
値が前記検出レベルに達しているか否か及び最大値の検
出電圧を有するループコイルがどのループコイルである
かをチェックし、検出レベルに達していなければ以後の
座標計算等を停止し、また、次回の位置検出動作及び状
態識別動作において選択するループコイルの中心を設定
する。
座標値xpを求める算出方法の一つとして、前記検出電
圧Vx1〜Vx48の極大値付近の波形を適当な函数で近似
し、その函数の極大値の座標を求める方法がある。
例えば第8図(c)において、最大値の検出電圧Vx3
と、その両側の検出電圧Vx2及びVx4を2次函数で近似す
ると、次のようにして算出することができる(但し、各
ループコイル11−1〜11−48の中心位置の座標値をx1〜
x48とし、その間隔をΔxとする。)。まず、各電圧と
座標値より、 Vx2=a(x2−xp)+b ……(4) Vx3=a(x3−xp)+b ……(5) Vx4=a(x4−xp)+b ……(6) となる。ここで、a,bは定数(a<0)である。また、 x3−x2=Δx ……(7) x4−x2=2Δx ……(8) となる。(7),(8)式を(5),(6)式に代入し
て整理すると、 xp=x2+Δx/2{(3Vx2−4Vx3 +Vx4)/(Vx2−2Vx3+Vx4)} ……(9) となる。
従って、各検出電圧Vx1〜Vx48より、前記レベルチェ
ックの際に求められた最大値の検出電圧及びその前後の
検出電圧を抽出し、これらと該最大値の検出電圧が得ら
れたループコイルの1つ前のループコイルの座標値(既
知)とから前述した(9)式に相当する演算を行なうこ
とにより、ペン4の指定位置の座標値xpを算出できる。
第11図は本発明の第2の実施例を示すもので、ここで
はX方向及びY方向の位置検出を行なう例を示す。即
ち、図中、1aはX方向及びY方向の位置検出部で、第1
の実施例における位置検出部1が2組、そのループコイ
ルが互いに直交する如く重ね合わされたものである。ま
た、2a及び2bはX方向及びY方向の選択回路、3a及び3b
はX方向及びY方向の送受切替回路、53a及び53bはX方
向及びY方向の駆動回路、61a及び61bはX方向及びY方
向の増幅器であり、それぞれ第1の実施例における選択
回路2、送受切替回路3、駆動回路53、増幅器61と同様
な構成を有している。
54はXY切替回路であり、タイミング回路51から低域フ
ィルタ52を介して入力される正弦波信号を駆動回路53a
又は53bのいずれか一方に加え、位置検出する方向を選
択するためのものである。また、62′は受信タイミング
切替回路であり、増幅器61a又は増幅器61bからの受信信
号を、位置検出する方向、受信タイミング信号に基づい
て、選択的に帯域フィルタ63に送出するためのものであ
る。また、7aは処理装置であり、XY切替回路54及び受信
タイミング切替回路62′を制御し、X方向及びY方向の
位置検出を交互に行なわせるようにした点を除いて、前
記処理装置7と同様である。なお、処理装置7aにおける
第2回目以降の位置検出動作及び状態識別動作のタイミ
ングを第12図に示す。
このように本実施例によれば、ペン4に対するX方向
及びY方向の2方向の位置(座標)検出が容易にでき
る。なお、その他の構成・作用は第1の実施例と同様で
ある。
なお、第1又は第2の実施例において、位置検出部1
又は1aにマイクロフォン等を取付けるとともに処理装置
7又は7aに音声認識機能を持たせることにより、各種の
命令を音声にて行なうようにすることもでき、また、第
2の実施例において、処理装置7aに文字認識機能を持た
せて、手書き文字入力用のタブレットとして使用するこ
ともできる。
また、これまでの説明ではスイッチ411のオン・オフ
により同調回路41における電流と電圧の位相差を変化さ
せるようになしたが、該同調回路41のコンデンサ413と
して、ペン4の操作状態の変化に応じて容量値が変化す
る素子を用いることにより、前記同調回路の電流の同期
を変化させる如くなすこともでき、スイッチそのものは
必ずしも必要不可欠なものではない。
また、スイッチ411をオンすることにより、受信信号
の位相を45゜送らせた状態を設定できるようにしたが、
これに限定されることはなく、受信信号の位相を進ませ
た状態等も含めて多数設定し且つこれらを識別すること
もできる。
また、実施例中のループコイルの本数やその並べ方は
一例であり、これに限定されないことはいうまでもな
い。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、位置検出部や受
信回路等の構成部品の特性のばらつきや温度による影響
により前記誘導電圧の位相にずれが生じても、このずれ
の影響を受けることなく前記位置指示器の状態を識別す
ることができるため、自己校正回路が不要になり、部品
点数を削減でき、コストを低くすることができるという
利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の座標入力装置の第1の実施例を示す構
成図、第2図はスタイラスペンの断面図、第3図はスタ
イラスペンの同調回路、送信回路及び受信回路の詳細と
ともに装置全体の構成を示す図、第4図(a)(b)は
第3図の各部の信号波形図、第5図(a)(b)は受信
回路における位相のずれが無い場合の位相差θ,θf,θ
rの関係を示す図、第6図(a)(b)は受信回路にお
いて位相のずれが生じた場合の位相差θ,θf,θrの関
係を示す図、第7図は処理装置における制御プログラム
フローチャート、第8図(a)(b)(c)は第1の実
施例における基本的な位置検出動作を示すタイミング
図、第9図は第1回目の位置検出動作の際に各ループコ
イルより得られる検出電圧を示す図、第10図は第2回目
以降の位置検出動作及び状態識別動作を示すタイミング
図、第11図は本発明の第2の実施例を示す第3図と同様
な図、第12図は第2の実施例における第10図と同様な図
である。 1……位置検出部、11−1〜11−48……ループコイル、
2……選択回路、3……送受切替回路、4……スタイラ
スペン、5……送信回路、6……受信回路、7……処理
装置、44……同調回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 昭雄 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目23番4 株式会社ワコム内 (72)発明者 千頭 敏秀 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目23番4 株式会社ワコム内 (56)参考文献 特開 昭63−280321(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06F 3/03 325 G06F 3/03 310

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一のループコイルを有する位置
    検出部と、送信期間に前記ループコイルを所定の周波数
    の交流信号で駆動する送信回路と、コイルとコンデンサ
    を含み、前記所定の周波数を中心同調周波数とし、電流
    の周期をその状態に応じて変更可能となした同調回路を
    有する位置指示器と、受信期間に前記ループコイルに発
    生する前記所定の周波数とほぼ同じ周波数の誘導電圧を
    検出する受信回路と、前記誘導電圧の位相を検出し、該
    位相に基づいて、前記位置指示器の状態を識別する処理
    装置とを備えた座標入力装置において、 前記処理装置は、前記受信期間の前半の誘導電圧の位相
    を検出する第1の位相検出手段と、 前記受信期間の後半の誘導電圧の位相を検出する第2の
    位相検出手段と、 前記第1の位相検出手段によって検出された位相と前記
    第2の位相検出手段によって検出された位相の位相差に
    基づいて前記位置指示器の状態を識別する状態識別手段
    とからなる ことを特徴とする座標入力装置。
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