JP3220358B2 - α,ω−ジアルコキシオリゴシロキサンの製造方法 - Google Patents
α,ω−ジアルコキシオリゴシロキサンの製造方法Info
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オリゴシロキサンの製造方法に関し、特に、安価な原料
を用い、穏和な条件で製造することができる、α,ω−
ジアルコキシオリゴシロキサンの製造方法に関する。
は、末端にアルコキシ基が導入されたオリゴシロキサン
(末端アルコキシ基導入オリゴシロキサン)であり、末
端ヒドロキシ基導入オリゴシロキサンを合成する際の中
間体として重要な化合物である。因みに、末端ヒドロキ
シ基導入オリゴシロキサンは、官能基を有する種々の機
能性オイルやエラストマーの原料として重要な物質であ
る。
ゴシロキサンは保存安定性が悪いので長期間貯蔵してお
くことができず、そのために用途の拡大が制限されてい
た。そこで、末端ヒドロキシ基導入オリゴシロキサンの
原料(中間体)である、保存安定性の良い、末端アルコ
キシ基導入オリゴシロキサンを安価で簡易に製造する方
法が望まれていた。
基導入オリゴシロキサンは、塩基の存在下で末端ハロゲ
ン基導入オリゴシロキサンを、アルコールによってアル
コキシ化する方法によって製造されていた。この方法
は、原料である末端ハロゲン基導入オリゴシロキサンの
製造が煩雑であるのみならず高価である上、オリゴシロ
キサンのシロキサン結合が不均化するので、上記のニー
ズに十分応えられないという欠点があった。
〜の何れかの触媒の存在下にアルコキシシラン類と反
応させて、末端アルコキシ基導入オリゴシロキサンを製
造する方法も提案されている。 アミン類(米国特許第3,542,901号)、酢
酸カリウム(米国特許第3,504,051号)、無
機酸化物(フランス国特許第1,495,011号)、
有機チタン化合物(米国特許第4,111,890
号)、チタネートとアミンの混合系(米国特許第3,
647,846号)、アルコキシアルミニウム錯体
(英国特許第A−2,144,758号)、N,N’
−2−置換ヒドロキシアミン(フランス国特許A−2,
508,467号)、カルボン酸とアミンの混合系
(フランス国特許第2,604,713号)、カルバメ
ート(ヨーロッパ特許第0,210,402号)及びオ
キシム類(フランス国特許第2,597,875号)
は、いずれも反応速度が遅いので、比較的高温で反応さ
せる必要があるという欠点があった。特に、前記の触
媒を用いた方法は、ポリオルガノシロキサン類をアルコ
キシシラン類と反応させる際に、水酸化ナトリウム又は
水酸カリウムを触媒として用いるために該触媒を溶解さ
せるアルカノールを溶媒として用いる必要があるので、
容積効率が悪い上、反応速度も遅くなるという欠点があ
った。
は、上記の欠点を解決するために鋭意検討した結果、酸
等の触媒の存在下で、特定の直鎖状ポリシロキサン及び
/又は環状ポリシロキサンをジアルコキシシラン類と反
応させた場合には、安価な原料を用いることができると
共に穏和な条件下で、容易にα,ω−ジアルコキシオリ
ゴシロキサンを製造することができるということを見出
し本発明に到達した。従って、本発明の目的は、安価な
原料を用いると共に穏和な条件下で、α,ω−ジアルコ
キシオリゴシロキサンを製造する方法を提供することに
ある。
下記化5で表される直鎖状ポリシロキサン、及び/又は
下記化6で表される環状ポリシロキサンを、酸及び水と
反応して酸を発生する物質からなる群の中から選択され
る少なくとも1種の触媒の存在下で下記化7で表される
ジアルコキシシラン類と反応させることを特徴とする、
下記化8で表されるα,ω−ジアルコキシオリゴシロキ
サンの製造方法によって達成された。
アルキル基、Xは同種又は異種のヒドロキシ基、アルキ
ル基又はトリアルキルシリルオキシ基であり、nは2以
上の自然数である。
アルキル基であり、mは3以上の自然数である。
アルキル基、R4はアルキル基である。
R6はアルキル基であり、l(エル)は2〜20の自然
数である。l(エル)は、2であることが特に好まし
い。本発明の製造方法における、化5〜化8で表される
化合物中のR1、R2、R3、R4、R5及びR6は、
全てメチル基であることが好ましい。
リシロキサン中のR1 のアルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げる
ことができる。各R1 基は同種であっても異種であって
も良いが、特に、全てのR1基がメチル基であることが
好ましい。化5中のnは2以上の自然数であれば特に限
定されるものではないが、nの数が小さいもの程反応性
が高い。例えば、前記化8中のl(エル)が2のα,ω
−ジアルコキシオリゴシロキサンを製造する場合には、
化5中のnが2〜40である直鎖状ポリシロキサンを使
用することが好ましい。このような直鎖状ポリシロキサ
ンの具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチ
ルヒドリドシリコーンオイル等を挙げることができる。
のmは3以上の自然数であれば特に限定されるものでは
ないが、特に、3、4又は5であることが好ましい。こ
のような環状ポリシロキサンとしては、例えば、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペン
タシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、
ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
本発明においては、前記化5で表される直鎖状ポリシロ
キサン又は化6で表される環状ポリシロキサンとして、
これらの混合物を使用しても良い。混合物の混合比は特
に限定されるものではない。このような混合物は、2官
能性のシラン類を加水分解することによって容易に得る
ことができる。
のR4 のアルキル基の好ましい例としては、メチル基、
エチル基、プロピル基等が挙げられる。このようなジア
ルコキシシランの具体例としては、ジメチルジメトキシ
シラン、メチルジメトキシシラン等が挙げられる。ジア
ルコキシシランの使用量は、使用するポリシロキサン中
のSi−O結合1モルに対して0.5/l(エル)モル
(尚、l(エル)は前記化8中のl(エル)と同じもの
である)〜10/l(エル)モル、特に、1/l(エ
ル)モル〜5/l(エル)モルであることが好ましい。
例えば、前記化8で表されるα,ω−ジアルコキシオリ
ゴシロキサンのl(エル)が2のジシロキサンである場
合には、アルコキシシラン類の使用量は0.25〜5モ
ル、特に、0.5〜2.5モルであることが好ましい。
しては、硫酸等の無機酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸
等の有機酸が挙げられるが、これらの中でも、特に、ト
リフルオロメタンスルホン酸を使用することが好まし
い。また、水と反応して酸を発生させる物質の例として
は塩化鉄、塩化鉄6水和物等を挙げることができる。触
媒の使用量は、ポリシロキサン及びアルコキシシランの
合計の量に対して0.01〜5重量%であるが、特に
0.1〜1重量%とすることが好ましい。0.01重量
%未満であると反応性が悪くなり、5重量%を超えると
不経済となる上Si−H結合を含有するポリシロキサン
との副反応が生じやすくなる。
類を添加することによって反応が活性化され、反応速度
を高めることができる。例えば、アルコールの非添加と
添加では、反応速度に2倍以上の差が出ることがある。
アルコール類は、反応系のポリシロキサン及びアルコキ
シシランの合計量に対して1重量%以上存在させること
が好ましい。上記のアルコール類は特に限定されるもの
ではなく、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノ
ール等の公知のアルコール類の中から適宜選択して使用
することができるが、これらの中でも特にメタノールを
使用することが好ましい。アルコール類の使用量は、1
重量%以上であることが好ましいが、多すぎると容積効
率が低下するので、特に1〜100重量%とすることが
好ましい。
5で表される直鎖状ポリシロキサン及び/又は化6で表
される環状ポリシロキサンを、化7で表されるジアルコ
キシシランと混合し、得られた混合液に触媒を添加し攪
拌することによって行わせる。尚、反応は、不活性ガス
の雰囲気下で行わせることが好ましい。反応温度は、通
常、0〜200℃、特に10〜100℃とすることが好
ましい。0℃未満であると反応速度が低下し、200℃
を超えると副反応が生じる場合がある。反応時間は用い
る原料や反応速度に応じて適宜決めれば良いが、通常
は、5分〜5時間である。
和処理した後蒸留することによって、目的とするα,ω
−ジアルコキシオリゴシロキサンを得ることができる。
このようにして得られたα,ω−ジアルコキシオリゴシ
ロキサンを加水分解することによって容易に末端ヒドロ
キシオリゴシロキサンを得ることができる。末端ヒドロ
キシオリゴシロキサンは、シリコーンゴムのウエッター
として広く用いられている。また、末端ヒドロキシオリ
ゴシロキサンをモノハイドロジェンハロシランモノマー
と反応させて得られるモノハイドロジェンシクロトリシ
ロキサンは、機能性シリコーンポリマーの原料として用
いることができる。
状ポリシロキサン及び/又は環状ポリシロキサンを、酸
等の触媒の存在下でジアルコキシシラン類と反応させて
いるので、原料が安価である上、高温とする必要もな
く、穏和な条件でα,ω−ジアルコキシオリゴシロキサ
ンを製造することができる。また、得られるα,ω−ジ
アルコキシオリゴシロキサンは、官能基を有する、種々
の機能性オイルやエラストマーの原料として重要な、末
端ヒドロキシ基導入オリゴシロキサンの原料として重要
な安定物質である。
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
冷却管を備えた200ミリリットルの3つ口フラスコ
に、オクタメチルシクロテトラシロキサン29.6g及
びジメチルジメトキシシラン48.0gを仕込んだ後、
トリフルオロメタンスルホン酸0.7gを添加し、20
〜25℃で攪拌し、1時間反応させた。得られた反応液
をガスクロマトグラフィー(G.C)で分析した結果は
表1に示した通りである。尚、表中のnは、((C
H3 )2 SiO)単位の数を示す。
して約0.5モルを含有する、25℃における粘度が4
0cpsのシリコーンオイル37g及びジメチルジメト
キシシラン240gを、実施例1で使用したものと同様
のフラスコに仕込んで混合した。次に、得られた混合液
にトリフルオロメタンスルホン酸1.0gを添加した後
80〜90℃で攪拌し、2時間反応させた。得られた反
応液を蒸留して生成物を単離したところ、ジメチルジメ
トキシシラン211.5gが回収されると共に、1,3
−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サン30.7gを得た。尚、回収率は31.4%であっ
た。
する前の混合液に、メタノール1.0gを更に仕込んで
混合した他は、実施例2と全く同様にして80〜90℃
で2時間反応させたところ、ジメチルジメトキシシラン
182.8gが回収されると共に、1,3−ジメトキシ
−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン61.3
gを得た。尚、回収率は62.8%であった。
ロメタンスルホン酸1.0gの代わりにFeCl3 ・6
H2 Oを6.3g使用した他は、実施例2と全く同様に
して80〜90℃で6時間反応させたところ、ジメチル
ジメトキシシラン173.9gが回収されると共に1,
3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサン58.7gを得た。回収率は60.1%であっ
た。
1.0gに代えて、チタンテトラノルマルブトキシドモ
ノマー1.0gを使用した他は実施例2の場合と全く同
様にして反応させたところ、1,3−ジメトキシ−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサンは0.9gしか
得られなかった。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記表1で表される直鎖状ポリシロキサ
ン、及び/又は下記化2で表される環状ポリシロキサン
を、酸及び水と反応して酸を発生する物質からなる群の
中から選択される少なくとも1種の触媒の存在下で下記
化3で表されるジアルコキシシラン類と反応させること
を特徴とする、下記化4で表されるα,ω−ジアルコキ
シオリゴシロキサンの製造方法。 【化1】 但し、化1中のR1は水素原子又は同種若しくは異種の
アルキル基、Xは同種又は異種のヒドロキシ基、アルキ
ル基又はトリアルキルシリルオキシ基であり、nは2以
上の自然数である。 【化2】 但し、化2中のR2は水素原子又は同種若しくは異種の
アルキル基であり、mは3以上の自然数である。 【化3】 但し、化3中のR3は水素原子又は同種若しくは異種の
アルキル基、R4はアルキル基である。 【化4】 但し、化4中のR5 及びR6はアルキル基であり、l
(エル)は2〜20の自然数である。 - 【請求項2】 触媒がトリフルオロメタンスルホン酸で
ある、請求項1に記載されたα,ω−ジアルコキシオリ
ゴシロキサンの製造方法。 - 【請求項3】 化4中のl(エル)が2である、請求項
1又は2に記載されたα,ω−ジアルコキシオリゴシロ
キサンの製造方法。 - 【請求項4】 化1〜化4中のR1、R2、R3、
R4、R5及びR6の全てがメチル基である、請求項1
〜3のいずれかに記載されたα,ω−ジアルコキシオリ
ゴシロキサンの製造方法。 - 【請求項5】 反応系にアルコールを1重量%以上存在
させる、請求項1〜4の何れかに記載されたα,ω−ジ
アルコキシオリゴシロキサンの製造方法。
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JP18773495A Expired - Fee Related JP3220358B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | α,ω−ジアルコキシオリゴシロキサンの製造方法 |
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