JP3218778B2 - N−メチル−2−ピロリドンの精製方法 - Google Patents
N−メチル−2−ピロリドンの精製方法Info
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Description
ドンの精製方法に関するものであり、特に経時着色の著
るしく少ないN−メチル−2−ピロリドンを取得する方
法に関するものである。
耐熱性に富み、かつ化学的にも安定なので、溶剤として
広く利用されている。また、最近ではハロゲン化炭化水
素に代る洗浄剤としても注目されている。N−メチル−
2−ピロリドンは工業的にはγ−ブチロラクトンとメチ
ルアミンとの反応によって製造されている。この反応で
は水が生成するが、反応系にさらに水を添加すると好ま
しいことが知られている。また、γ−ブチロラクトンと
N−メチル−2−ピロリドンとの蒸留分離は極めて困難
なので、メチルアミンを過剰に用いてγ−ブチロラクト
ンの反応を完結させるのが好ましい。
リドンの製造上の問題点の一つは、製品のN−メチル−
2−ピロリドンが経時着色し易いことである。N−メチ
ル−2−ピロリドンの精製法としては、水を添加して蒸
留する方法(特公昭46−32263)や酸化剤で処理
する方法(特公昭47−22225)などが知られてい
るが、経時着色の問題を解決するに至っていない。
チル−2−ピロリドンを水の共存下に下記条件下で熱処
理したのち蒸留することにより、経時着色の著るしく少
ないN−メチル−2−ピロリドンを取得することができ
る。 T>150−7ln(θt) (Tは温度(℃)、θtは時間(hr)を示す) 本発明について詳細に説明するに、本発明はγ−ブチロ
ラクトンとメチルアミンとからN−メチル−2−ピロリ
ドンを製造する工程に組込んで実施するのが有利である
が、保管中に着色したN−メチル−2−ピロリドンや各
種の用途に供して汚染されたN−メチル−2−ピロリド
ンを蒸留精製する工程に組込んで実施することもでき
る。
N−メチル−2−ピロリドンを製造するには、γ−ブチ
ロラクトンとこれに対して過剰量、好ましくは1.1〜
1.5倍モルのメチルアミンとを反応系に供給し、20
0〜300℃の温度かつ5kg/cm2 G以上の圧力、
好ましくは20〜60kg/cm2 Gの圧力下に反応さ
せる。この際、反応系にγ−ブチロラクトンに対して1
〜6倍モルの水を供給するのが好ましい。反応はγ−ブ
チロラクトンからN−メチル−2−ピロリドンへの転換
が事実上完結するまで、すなわち未反応のγ−ブチロラ
クトンや反応中間体と目されるγ−オキシ酪酸アミド類
の量が最少量となるまで行なうのが好ましい。
頂からメチルアミン並びに軽沸成分及び水の一部を留出
させ、塔底からは水を含むN−メチル−2−ピロリドン
を抜出す。本発明の好適な態様では、この水を含むN−
メチル−2−ピロリドンを脱水蒸留塔に供給し、蒸留し
て塔頂から水と軽沸成分を留出させ、塔底からN−メチ
ル−2−ピロリドンを抜出して次の精留塔に供給する。
脱水蒸留塔に供給するN−メチル−2−ピロリドンの含
水率は通常10〜20(重量)%であり、13〜17
(重量)%が好ましい。脱水蒸留塔は、N−メチル−2
−ピロリドンが塔内において T>150−7ln(θt) (Tは温度(℃)であり、θtは時間(hr)である)
なる温度−時間関係を満足するように操作する。通常は
塔底温度を150〜250℃の範囲に維持して蒸留を行
なう。塔底温度を180°〜230℃とし、且つ 、 T>180−7ln(θt) なる温度−時間関係を満足するように蒸留を行なうのが
最も好ましい。
メチル−2−ピロリドンを精留して、塔頂から精製され
たN−メチル−2−ピロリドンを留出させ、塔底から高
沸成分を抜出す。脱水蒸留塔で水その他の軽沸成分を完
全に除去しきれない場合には、N−メチル−2−ピロリ
ドンは塔頂と原料供給位置との間から側流として抜出す
ようにしてもよい。高沸成分中にはN−メチル−2−ピ
ロリドンが含有されているので、所望により減圧蒸留し
てN−メチル−2−ピロリドンを回収することができ
る。
塔頂圧力10〜760mmHgで操作する。好ましくは
100mmHg以下の減圧下に操作して、N−メチル−
2−ピロリドンが高温にさらされないようにする。保留
中に着色したN−メチル−2−ピロリドンや各種の用途
に供して汚染されたN−メチル−2−ピロリドンを本発
明方法により精製する場合には、上述の如き連続蒸留と
は異なり回分蒸留方式を採用するのが好ましい。すなわ
ち回分蒸留塔に所定の水分含有率に調整したN−メチル
−2−ピロリドンを仕込み、塔底温度を150〜250
℃に維持して T>150−7ln(θt) なる条件を満足するように全還流を行なったのち蒸留す
る。好ましくは180〜230℃の塔底温度に維持しT
>180−7ln(θt)なる条件下に全還流を行な
う。蒸留初期には軽沸成分や水が留出し、これらが留出
しつくすとN−メチル−2−ピロリドンが留出し始め
る。水とN−メチル−2−ピロリドンとでは沸点が10
0℃以上も異なるので、水の留出が終了したら減圧にし
てN−メチル−2−ピロリドンの留出を促出するのが好
ましい。
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
g/cm2 Gに保持されている流通型の反応器にγ−ブ
チロラクトン、メチルアミンおよび水を1:1.1:
4.4のモル比で供給した。反応器での滞留時間は5時
間で、γ−ブチロラクトンの99.9%以上が反応し、
中間体のN−メチル−γ−オキシ酪酸アミドの残存率は
1%未満であった。反応生成液を脱アミン塔に供給し、
常圧下、塔頂温度約110℃、塔底温度約120℃で蒸
留した。塔頂から留出する蒸気は冷却凝縮してメチルア
ミンの4%水溶液として回収した。N−メチル−2−ピ
ロリドンは1.0モル倍の水とともに塔底から抜き出し
た。次いで10段の脱水蒸留塔にて反応生成物の脱水及
び軽沸物除去と同時に熱処理を行った。塔頂圧は常圧、
塔底温度は180℃、還流比は1.0で蒸留時間は5時
間とした。缶出液の組成はN−メチル−2−ピロリドン
98重量%、水1重量%以下であった。この溶液を10
段のオルダーショーカラムにて回分蒸留した。塔頂圧は
80mmHg、塔頂温度は130℃を基準とし、塔底温
度は主留部分で135〜136℃とした。
ピロリドンの純度は99重量%以上であり、取得直後の
着色度はAPHAで10以下、24時間経過後のAPH
Aも10以下であり、全く経時着色が見られなかった。
なお、経時着色は蒸留により取得した留分をガラスフラ
スコ中で窒素雰囲気下に室温で保存したものにつき、比
色法によりAPHAを測定した。
と同様な方法で反応及び蒸留を行って得た1.0モル倍
の水を同伴したN−メチル−2−ピロリドンを熱処理す
るにあたり、塔底温度、熱処理時間を変えた以外は実施
例1と同様に行った。結果を表1に示す。
リドンを水の共存下に熱処理したのち蒸留精製すること
により、経時着色の極めて少ないN−メチル−2−ピロ
リドンを取得することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 水を含有するN−メチル−2−ピロリド
ンを、下記(1)式で示される温度及び時間で熱処理し
たのち蒸留してN−メチル−2−ピロリドンを留出させ
ることを特徴とするN−メチル−2−ピロリドンの精製
方法。 T>150−7ln(θt)……(1) (式中、Tは150〜250℃の範囲の温度(℃)を示
し、θtは時間(hr)を示す) - 【請求項2】 水を含有するN−メチル−2−ピロリド
ンを脱水蒸留塔に供給し、塔底温度を150〜250℃
の範囲に維持し、塔内での温度と滞留時間との関係が T>150−7ln(θt) (式中、Tは温度(℃)を示し、θtは時間(hr)を
示す)なる条件を満足するように蒸留して塔頂から水及
び軽沸成分を留出させ、塔底からN−メチル−2−ピロ
リドンを抜出して精留塔に供給し、精留塔で蒸留して精
製されたN−メチル−2−ピロリドンを留出させ、塔底
から高沸成分を抜出すことを特徴とするN−メチル−2
−ピロリドンの精製方法。 - 【請求項3】 精製に供するN−メチル−2−ピロリド
ンの含水率が10〜20(重量)%であることを特徴と
する請求項1又は2記載のN−メチル−2−ピロリドン
の精製方法。
Priority Applications (1)
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JP05228193A JP3218778B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | N−メチル−2−ピロリドンの精製方法 |
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Publications (2)
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JPH06263725A JPH06263725A (ja) | 1994-09-20 |
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JP5471221B2 (ja) | 2009-09-14 | 2014-04-16 | 三菱化学エンジニアリング株式会社 | Nmpの蒸留装置 |
JP2020193177A (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-03 | オルガノ株式会社 | N−メチル−2−ピロリドンの精製方法及び精製システム |
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1993
- 1993-03-12 JP JP05228193A patent/JP3218778B2/ja not_active Expired - Lifetime
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