JP2001002640A - 高純度ピロリドン類の製造方法 - Google Patents

高純度ピロリドン類の製造方法

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JP2001002640A
JP2001002640A JP17307599A JP17307599A JP2001002640A JP 2001002640 A JP2001002640 A JP 2001002640A JP 17307599 A JP17307599 A JP 17307599A JP 17307599 A JP17307599 A JP 17307599A JP 2001002640 A JP2001002640 A JP 2001002640A
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pyrrolidone
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alkylpyrrolidone
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butyrolactone
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JP17307599A
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Mitsuhiro Nishida
光宏 西田
Sadakatsu Suzuki
貞勝 鈴木
Shintaro Kikuchi
慎太郎 菊地
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて高純度であり、かつ経時着色の殆どな
いピロリドン類を得ることができる方法を提供する。 【解決手段】 γ‐ブチロラクトンとアミン類とを水の
存在下に反応させてピロリドン類を製造する方法におい
て、γ‐ブチロラクトンとアミン類とを水の存在下に加
熱して得た反応混合物を第一蒸留塔に供給し、塔底にお
ける塔底液の平均滞留時間を10分間〜8時間とし、塔底
液の温度を90〜200℃とし、かつ第一蒸留塔への供
給物中に含まれていたピロリドン類の2〜15重量%に
相当する量のピロリドン類を塔底から抜き出し、一方、
塔頂からは水、低沸点成分及び残部のピロリドン類を留
出させ、次いで、該塔頂留出物を第二蒸留塔に供給し
て、塔頂から水及び低沸点成分を留出させ、塔底からピ
ロリドン類を抜き出すことを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピロリドン類を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N‐メチル‐2‐ピロリドンに代表され
るピロリドン類は、優れた物質溶解性を示すことから、
各種溶媒/溶剤として使用され、近年は電子・電気用
途、例えば電気基盤洗浄、レジスト剥離剤又はLi電池
製造等にも利用されている。
【0003】N‐メチル‐2‐ピロリドンは、工業的に
は、γ‐ブチロラクトンと過剰量のモノメチルアミンと
を反応させて製造するのが一般的である。この反応にお
いて、反応系に水を添加すると反応速度が上昇するた
め、N‐メチル‐2‐ピロリドンを高収率かつ短時間で
製造し得ることが知られている(特公昭47-21420号公
報)。該方法では、過剰量のモノメチルアミンを使用す
るためγ‐ブチロラクトンの反応を完結することがで
き、かつ、反応系に水が存在することから反応速度が増
加されている。しかし、得られたN‐メチル‐2‐ピロ
リドン中に出発物質であったγ‐ブチロラクトンが再び
現れて製品であるN‐メチル‐2‐ピロリドンの純度低
下をもたらし、かつ経時着色を生ずるという欠点を有し
ていた。吸着等の手段によりこれを除去する方法も考え
られるがコスト高を招くため好ましくない。
【0004】特開平6−228088号公報には、反応
帯域から抜出した反応生成物を第一蒸留塔に供給して、
塔頂から未反応のアンモニア又はアミンと水の一部とを
留出させて反応帯域に循環し、塔底から水を含有するピ
ロリドン類を回収して第二蒸留塔に供給すること、第二
蒸留塔の塔頂から水と共にピロリドン類を留出させて第
三蒸留塔に供給し、塔底から高沸点成分を抜出すこと、
第三蒸留塔の塔頂から水を含む軽沸成分を留出させ、塔
底から高沸成分を抜出し、製品のピロリドン類を側流と
して回収するピロリドン類の製造法が開示されている。
また、特開平6−228089号公報には、上記と同じ
く第一蒸留塔の塔底から水を含有するピロリドン類を回
収して第二蒸留塔に供給すること、第二蒸留塔の塔頂か
ら水を含む軽沸点成分を留出させ、塔底からピロリドン
類を回収して第三蒸留塔に供給すること、第三蒸留塔の
塔頂留出液は第二蒸留塔に供給し、塔底から高沸点成分
を抜出し、製品のピロリドン類を側流として回収するピ
ロリドン類の製造方法が開示されている。しかし、上記
いずれの方法においても、回収したピロリドン類の純度
を極めて高くできず、かつ経時着色を完全には防止でき
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極めて高純
度であり、かつ経時着色の殆どないピロリドン又はN‐
アルキルピロリドンを得ることができる方法を提供す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)γ‐ブ
チロラクトンとアンモニア又は第一級アルキルアミンと
を水の存在下に反応させてピロリドン又はN‐アルキル
ピロリドンを製造する方法において、γ‐ブチロラクト
ンとアンモニア又は第一級アルキルアミンとを水の存在
下に加熱して得た反応混合物を第一蒸留塔に供給し、塔
底における塔底液の平均滞留時間を10分間〜8時間と
し、塔底液の温度を90〜200℃とし、かつ第一蒸留
塔への供給物中に含まれていたピロリドン又はN‐アル
キルピロリドンの2〜15重量%に相当する量のピロリ
ドン又はN‐アルキルピロリドンを塔底から抜き出し、
一方、塔頂からは水、低沸点成分及び残部のピロリドン
又はN‐アルキルピロリドンを留出させ、次いで、該塔
頂留出物を第二蒸留塔に供給して、塔頂から水及び低沸
点成分を留出させ、塔底からピロリドン又はN‐アルキ
ルピロリドンを抜き出すことを特徴とする方法である。
【0007】本発明者らは、上記の特開平6−2280
88号公報及び特開平6−228089号公報に記載の
方法では、何故、製品ピロリドン類の純度を極めて高く
し得ないか、また経時着色を完全には防止し得ないかを
検討した。その結果、これは、前者では第二蒸留塔、そ
して後者では第三蒸留塔の塔底での塔底液の平均滞留時
間が長いことにより、加熱中に塔底液中に含まれるγ‐
ヒドロキシブチルアルキルアミド類が分解して、γ‐ブ
チロラクトン及びその他の分解成分を生じ、これはピロ
リドン類と沸点が近似しているので蒸留によって分離さ
れず、製品ピロリドン類中に存在することを避け得ない
ためであることを見出した。該知見に基き、γ‐ヒドロ
キシブチルアルキルアミド類の分解挙動を詳細に検討し
た結果、本発明者らは、第一蒸留塔の塔底液の平均滞留
時間、塔底液の温度及びピロリドン又はN‐アルキルピ
ロリドンの塔底からの抜出量を工夫すれば、即ち、上記
のように第一蒸留塔の塔底における平均滞留時間を短く
し、かつ第一蒸留塔の塔底液の温度を低くし、更にピロ
リドン又はN‐アルキルピロリドンの所定量を高沸点成
分と一緒に蒸留塔底から抜出せば、γ‐ヒドロキシブチ
ルアルキルアミド類の分解を殆ど回避することができ
て、極めて高純度であり、かつ経時着色の殆どないピロ
リドン又はN‐アルキルピロリドンを得ることができる
ことを見出した。
【0008】また、特開平6−228088号公報記載
の方法では、第二蒸留塔でγ‐ヒドロキシブチルアルキ
ルアミド類の分解を防止できず、分解により生成したγ
‐ブチロラクトン及びアミン類がピロリドン類と共に第
三蒸留塔に供給される。該γ‐ブチロラクトンの大部分
はピロリドン類と共に第三蒸留塔の側流から抜出され、
従って、ピロリドン類を極めて高い純度にすることがで
きなかった。更に、残りのγ‐ブチロラクトンはアミン
類と共に第三蒸留塔の塔頂から留出する。γ‐ブチロラ
クトンの一部はアミン類と反応して再度γ‐ヒドロキシ
ブチルアルキルアミド類になると考えられ、従って、こ
れをピロリドン類から分離するために、これを第三蒸留
塔の塔底から抜出し、そしてピロリドン類を側流から抜
出さなければならないという複雑な操作を採らなければ
ならないのである。これに対して、本願発明の方法で
は、第一蒸留塔でのγ‐ヒドロキシブチルアルキルアミ
ド類の分解が殆ど回避される結果、第二蒸留塔ではγ‐
ヒドロキシブチルアルキルアミド類の再度の生成はな
く、従って、ピロリドン類を側流から抜出すという複雑
な操作を回避し得るのである。
【0009】好ましい態様として、(2)第一蒸留塔に
おける塔底液の平均滞留時間が10分間〜5時間である上
記(1)記載の方法、(3)第一蒸留塔における塔底液
の平均滞留時間が10分間〜4時間である上記(1)記載
の方法、(4)第一蒸留塔における塔底液の温度が10
0〜150℃である上記(1)〜(3)のいずれか一つ
に記載の方法、(5)第一蒸留塔の塔底から抜き出され
るピロリドン又はN‐アルキルピロリドン量が、第一蒸
留塔への供給物中に含まれていたピロリドン又はN‐ア
ルキルピロリドンの3〜10重量%に相当する量である
上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(6)第一蒸留塔の塔底から抜き出されるピロリドン又
はN‐アルキルピロリドン量が、第一蒸留塔への供給物
中に含まれていたピロリドン又はN‐アルキルピロリド
ンの4〜8重量%に相当する量である上記(1)〜
(4)のいずれか一つに記載の方法、(7)第一蒸留塔
の塔底抜出液をピロリドン又はN‐アルキルピロリドン
の反応工程にリサイクルするところの上記(1)〜
(6)のいずれか一つに記載の方法、(8)第一蒸留塔
の塔底抜出液から高沸点成分の一部を除去する上記
(7)記載の方法、(9)第二蒸留塔の塔底から抜出さ
れるピロリドン又はN‐アルキルピロリドンに含まれる
γ‐ブチロラクトン量が、ピロリドン又はN‐アルキル
ピロリドンとγ‐ブチロラクトンとの合計量に対して
0.01重量%以下である上記(1)〜(8)のいずれ
か一つに記載の方法、(10)側流から抜出されるピロリ
ドン又はN‐アルキルピロリドンに含まれるγ‐ブチロ
ラクトン量が、ピロリドン又はN‐アルキルピロリドン
とγ‐ブチロラクトンとの合計量に対して0.006重
量%以下である上記(1)〜(8)のいずれか一つに記
載の方法を挙げることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、γ‐ブチロラク
トンとアンモニア又は第一級アルキルアミンとを水の存
在下に加熱して反応混合物を得る方法に特に制限はな
い。例えば、特公昭47‐21420号公報記載の方法を使用
することができる。好ましくは特開平10‐158238号公報
記載の方法、即ち、γ‐ブチロラクトンと、反応過剰量
のモノメチルアミンを反応させ、N‐メチル‐2‐ピロ
リドンを製造する方法において、γ‐ブチロラクトンに
対するモノメチルアミンのモル比が1.03〜1.50
であり、反応系に、γ‐ブチロラクトンの1.0〜2.
9倍モル量の水を存在せしめ、かつ250〜300℃の
温度で反応を行うことを特徴とする方法を使用すること
ができる。
【0011】該反応混合物は、通常、水、γ‐ヒドロキ
シブチルアミド又はγ‐ヒドロキシブチルアルキルアミ
ド、ピロリドン又はN‐アルキルピロリドン、未反応の
アンモニア又は第一級アルキルアミン例えばモノメチル
アミン、低沸点の副生成物、及び高沸点の副生成物を含
んでおり、また、任意的に極少量の未反応のγ‐ブチロ
ラクトンを含んでいてもよい。本明細書において、低沸
点成分とは、その沸点がピロリドン又はN‐アルキルピ
ロリドンの沸点より低い物質を言い、例えば、ジメチル
アミン、トリメチルアミン等の低沸点の副生成物、未反
応のアンモニア又は第一級アルキルアミン例えばモノメ
チルアミン等が挙げられ、高沸点成分とは、その沸点が
ピロリドン又はN‐アルキルピロリドンの沸点より高い
物質を言い、例えば、γ‐ヒドロキシブチルアミド又は
γ‐ヒドロキシブチルアルキルアミド等が挙げられる。
【0012】まず、該反応混合物は第一蒸留塔に供給さ
れる。該蒸留塔では、塔底における塔底液の平均滞留時
間の上限が8時間、好ましくは5時間、特に好ましくは4
時間であり、かつ下限は10分間、好ましくは30分間であ
る。該平均滞留時間が上記上限を超えては、供給物中に
含まれるγ‐ヒドロキシブチルアミド又はγ‐ヒドロキ
シブチルアルキルアミドの分解を抑制できず、回収され
たピロリドン又はN‐アルキルピロリドンの純度及び経
時着色の防止が不十分となる。上記下限未満では、蒸留
塔の塔底液位の制御が困難となり好ましくない。
【0013】第一蒸留塔における塔底液の温度は、上限
が200℃、好ましくは150℃、特に好ましくは14
0℃であり、下限が90℃、好ましくは100℃であ
る。上記上限を超えては、回収されたピロリドン又はN
‐アルキルピロリドンの純度及び経時着色の防止が不十
分となる。上記下限未満では、蒸留塔内を減圧にするた
めのユーティリティーコストが著しく増大し好ましくな
い。第一蒸留塔の圧力は、上記の塔底液温度及び塔頂温
度等に依存するが、好ましくは5〜300mmHg、更
に好ましくは10〜200mmHg、特に好ましくは1
5〜150mmHgである。第一蒸留塔の塔頂温度は圧
力及び塔頂留分の組成に依存して決定されるが、好まし
くは80〜120℃である。
【0014】第一蒸留塔では、塔底から高沸点成分と一
緒に第一蒸留塔への供給物中に含まれていたピロリドン
又はN‐アルキルピロリドンの一部を抜出す。該抜出量
の上限は、第一蒸留塔への供給物中に含まれていたピロ
リドン又はN‐アルキルピロリドン量の、好ましくは1
5重量%、より好ましくは10重量%、特に好ましくは
8重量%であり、下限は、好ましくは2重量%、より好
ましくは3重量%、特に好ましくは4重量%である。こ
れにより、極めて高純度かつ経時着色の殆どないピロリ
ドン又はN‐アルキルピロリドンを得ることができる。
ピロリドン又はN‐アルキルピロリドンの抜出量が、上
記下限未満では、極めて高純度かつ経時着色の殆どない
ピロリドン又はN‐アルキルピロリドンを得ることがで
きず、上記上限を超えては、反応工程へのリサイクル量
が増大し生産効率が低下する。ピロリドン又はN‐アル
キルピロリドンを反応工程へリサイクルする場合には、
該塔底抜出液から、高沸点成分の一部を除去することが
好ましい。該高沸点成分の除去は、第一蒸留塔抜出液に
含まれるピロリドン又はN‐アルキルピロリドンの好ま
しくは1〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%
を高沸点生成物と共に除去するように行う。これによ
り、高沸点留分がピロリドン又はN‐アルキルピロリド
ンの反応工程又は精製工程に濃縮することを防止し得
る。
【0015】第一蒸留塔の塔頂からは、水、低沸点成
分、例えば未反応のアンモニア若しくは第一級アルキル
アミン又は低沸点の副生成物としてのジメチルアミン、
トリメチルアミン等、及びピロリドン又はN‐アルキル
ピロリドンを留出させる。第一蒸留塔としては、上記の
各条件を達成し得るものであれば公知のいずれの蒸留塔
をも使用することができる。好ましくは、塔底液の平均
滞留時間を短くし得る形状等を有するもの、例えば、塔
底部分の直径が他の部分より小さい形状を有する蒸留
塔、塔底部分にイナートボール等の充填物を備える蒸留
塔等が使用される。更に、リボイラーとして、フォーリ
ングフィルムタイプのリボイラー、スパイラルタイプの
リボイラー等を使用することにより、塔底液の平均滞留
時間を短くすることができる。
【0016】上記第一蒸留塔の塔頂から留出した水、低
沸点成分、及びピロリドン又はN‐アルキルピロリドン
を含む塔頂留出物は、次いで第二蒸留塔に供給される。
第二蒸留塔では、水及び低沸点成分、例えば未反応のア
ンモニア若しくは第一級アルキルアミン又は低沸点の副
生成物としてのジメチルアミン、トリメチルアミン等が
塔頂から留出される。該塔頂留出物を更に分離して水及
び未反応のアンモニア又は第一級アルキルアミンを得
て、これをピロリドン又はN‐アルキルピロリドンの反
応工程にリサイクルすることもできる。該リサイクルに
際しては、ピロリドン又はN‐アルキルピロリドンの反
応工程におけるアンモニア又は第一級アルキルアミンと
水との所定の比率に、該未反応のアンモニア又は第一級
アルキルアミンと水との比率を実質的に同等にすること
が好ましい。
【0017】第二蒸留塔の塔底からは、極めて高純度の
ピロリドン又はN‐アルキルピロリドンが得られる。該
ピロリドン又はN‐アルキルピロリドンに含まれるγ‐
ブチロラクトン量は極めて少なく、ピロリドン又はN‐
アルキルピロリドンとγ‐ブチロラクトンとの合計量に
対して、好ましくは0.01重量%以下、特に好ましく
は0.006重量%以下である。該ピロリドン又はN‐
アルキルピロリドンの経時着色(APHA経時変化)
は、製造後7日間で全くない。
【0018】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0019】
【実施例】実施例及び比較例において、ガスクロマトグ
ラフィー分析は下記の条件により実施した。 型式:GC−14B 株式会社 島津製作所製 カラム:DB−1キャピラリー(J&W社製) GC感度:10 検出器:FID クロマトパック:CR−7A 株式会社 島津製作所製At
tenuation 2
【0020】
【実施例1】γ‐ブチロラクトン及び40重量%モノメ
チルアミン水溶液を夫々31.00kg/時間(γ‐ブ
チロラクトン:モノメチルアミン:水=1.0:1.
1:2.9のモル比である)の流量で反応器に供給し
た。反応器において、液相下に280℃で5時間反応を
行った。反応混合物中にはγ‐ブチロラクトンは検出さ
れず、γ‐ブチロラクトンの全てがN‐メチル‐2‐ピ
ロリドン又は反応中間体であるγ‐ヒドロキシブチルメ
チルアミドに転換されていた。反応混合物の組成は、N
‐メチル‐2‐ピロリドン57.45重量%、γ‐ヒド
ロキシブチルメチルアミド0.01重量%、モノメチル
アミン1.82重量%、水40.45重量%、モノメチ
ルアミン以外の低沸点成分0.10重量%及びγ‐ヒド
ロキシブチルメチルアミド以外の高沸点成分0.17重
量%であった。該反応混合物を第一蒸留塔に供給した。
第一蒸留塔における蒸留条件は、30mmHgの減圧
下、塔頂温度約81℃、塔底温度約106℃、還流比2
とした。塔底からは、第一蒸留塔に供給したN‐メチル
‐2‐ピロリドンの約5重量%をγ‐ヒドロキシブチル
メチルアミド及び他の高沸点成分と共に抜出した。蒸留
塔の塔底における塔底液の平均滞留時間は約30分間と
した。第一蒸留塔の塔頂からは水及び低沸点成分並びに
N‐メチル‐2‐ピロリドンを留出させた。次いで、該
塔頂留出物を第二蒸留塔に供給し、圧力70mmHg、
塔頂温度約46℃、塔底温度約125℃で蒸留した。塔
頂から水及び低沸点成分の全量を留出させてコンデンサ
ーにて凝縮した。塔底からは製品であるN‐メチル‐2
‐ピロリドンが回収された。回収したN‐メチル‐2‐
ピロリドンをガスクロマトグラフィーにより分析した結
果、純度は99.995%と非常に高いものであった。
γ‐ブチロラクトン及びモノメチルアミンは検出されな
かった。また、このN‐メチル‐2‐ピロリドンの着色
度は10APHAであった。同試料の7日後の着色度も
10APHAであり変化はなかった。
【0021】
【実施例2】第一蒸留塔の塔底における塔底液の平均滞
留時間を1時間とした以外は、実施例1と同様に実施し
た。回収したN‐メチル‐2‐ピロリドンをガスクロマ
トグラフィーにより分析した結果、純度は99.994
%と非常に高いものであった。γ‐ブチロラクトン及び
モノメチルアミンは検出されなかった。また、このN‐
メチル‐2‐ピロリドンの着色度は10APHAであっ
た。同試料の7日後の着色度も10APHAであり変化
はなかった。
【0022】
【実施例3】第一蒸留塔の塔底における塔底液の平均滞
留時間を2時間とした以外は、実施例1と同様にして実
施した。回収したN‐メチル‐2‐ピロリドンをガスク
ロマトグラフィーにより分析した結果、純度は99.9
92%と非常に高いものであった。γ‐ブチロラクトン
及びモノメチルアミンは検出されなかった。また、この
N‐メチル‐2‐ピロリドンの着色度は10APHAで
あった。同試料の7日後の着色度も10APHAであり
変化はなかった。
【0023】
【実施例4】実施例1の第二蒸留塔の塔底から回収され
た純度99.995%のN‐メチル‐2‐ピロリドン
を、更に第三蒸留塔に供給して精留した。第三蒸留塔の
条件は、70mmHgの減圧下、塔頂温度121℃、塔
底温度126℃、還流比1とした。塔頂からN‐メチル
‐2‐ピロリドンが回収された。回収したN‐メチル‐
2‐ピロリドンをガスクロマトグラフィーにより分析し
た結果、純度は99.999%と非常に高いものであっ
た。γ‐ブチロラクトン及びモノメチルアミンは検出さ
れなかった。また、このN‐メチル‐2‐ピロリドンの
着色度は10APHAであった。同試料の7日後の着色
度も10APHAであり変化はなかった。
【0024】
【比較例1】実施例1で得られたものと同一組成を持つ
反応混合物を下記の方法で処理した。まず、反応混合物
を第一蒸留塔に供給し、常圧下、塔頂温度約50℃、塔
底温度約108℃で蒸留し、塔頂からモノメチルアミン
の全量と水の一部を留出させ、一方、塔底からはN‐メ
チル‐2‐ピロリドンを含む塔底液を回収して、これを
第二蒸留塔に供給した。第二蒸留塔における蒸留条件
は、70mmHgの減圧下、塔頂温度約50℃、塔底温
度約128℃、還流比2とした。塔底からは、第二蒸留
塔の塔頂から抜出すN‐メチル‐2‐ピロリドンに対し
て約5重量%のN‐メチル‐2‐ピロリドンを、γ‐ヒ
ドロキシブチルメチルアミド及び高沸点成分と共に抜出
した。第二蒸留塔の塔底における塔底液の平均滞留時間
は約10時間とした。塔頂からは、N‐メチル‐2‐ピロ
リドンを含む留出物が得られた。次いで、該N‐メチル
‐2‐ピロリドンを含む留出物を第三蒸留塔に供給し
た。第三蒸留塔における蒸留条件は、常圧下、塔頂温度
約100℃、塔底温度約209℃、還流比1.0とし
た。塔頂からは水及び低沸点成分を抜出し、塔底からは
高沸点成分を抜出した。第三蒸留塔の供給位置より低い
位置から側流として製品であるN‐メチル‐2‐ピロリ
ドンが回収された。回収したN‐メチル‐2‐ピロリド
ンをガスクロマトグラフィーにより分析した結果、純度
は99.975%と実施例1に比べて低いものであっ
た。また、γ‐ブチロラクトンが検出された。このN‐
メチル‐2‐ピロリドンの着色度は10APHAであっ
た。同試料の7日後の着色度は20APHAであり多少
の変化が見られた。
【0025】
【比較例2】第一蒸留塔の塔底における塔底液の平均滞
留時間を約10時間とした以外は、実施例1と同一に実施
した。回収したN‐メチル‐2‐ピロリドンをガスクロ
マトグラフィーにより分析した結果、純度は99.97
1%と実施例1に比べて低いものであった。また、γ‐
ブチロラクトン及びモノメチルアミンが検出された。こ
のN‐メチル‐2‐ピロリドンの着色度は10APHA
であった。同試料の7日後の着色度は20APHAであ
り多少の変化が見られた。
【0026】
【比較例3】第一蒸留塔の塔底からのN‐メチル‐2‐
ピロリドンの抜出量を蒸留塔に供給したN‐メチル‐2
‐ピロリドンの約1重量%とした以外は、実施例1と同
一に実施した。回収したN‐メチル‐2‐ピロリドンを
ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、純度は9
9.960%と実施例1に比べて低いものであった。ま
た、γ‐ブチロラクトン及びモノメチルアミンが検出さ
れた。このN‐メチル‐2‐ピロリドンの着色度は10
APHAであった。同試料の7日後の着色度は20AP
HAであり多少の変化が見られた。
【0027】
【比較例4】第一蒸留塔の塔底温度を210℃とした以
外は、実施例1と同一に実施した。回収したN‐メチル
‐2‐ピロリドンをガスクロマトグラフィーにより分析
した結果、純度は99.932%と実施例1に比べて低
いものであった。また、γ‐ブチロラクトン及びモノメ
チルアミンが検出された。このN‐メチル‐2‐ピロリ
ドンの着色度は15APHAであった。同試料の7日後
の着色度は25APHAであり多少の変化が見られた。
【0028】
【発明の効果】本発明は、蒸留中にγ‐ヒドロキシブチ
ルアミド又はγ‐ヒドロキシブチルアルキルアミドの分
解が殆どなく、従って、極めて高純度であり、かつ経時
着色の殆どないピロリドン又はN‐アルキルピロリドン
を得ることができる方法を提供するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ‐ブチロラクトンとアンモニア又は第
    一級アルキルアミンとを水の存在下に反応させてピロリ
    ドン又はN‐アルキルピロリドンを製造する方法におい
    て、γ‐ブチロラクトンとアンモニア又は第一級アルキ
    ルアミンとを水の存在下に加熱して得た反応混合物を第
    一蒸留塔に供給し、塔底における塔底液の平均滞留時間
    を10分間〜8時間とし、塔底液の温度を90〜200℃
    とし、かつ第一蒸留塔への供給物中に含まれていたピロ
    リドン又はN‐アルキルピロリドンの2〜15重量%に
    相当する量のピロリドン又はN‐アルキルピロリドンを
    塔底から抜き出し、一方、塔頂からは水、低沸点成分及
    び残部のピロリドン又はN‐アルキルピロリドンを留出
    させ、次いで、該塔頂留出物を第二蒸留塔に供給して、
    塔頂から水及び低沸点成分を留出させ、塔底からピロリ
    ドン又はN‐アルキルピロリドンを抜き出すことを特徴
    とする方法。
  2. 【請求項2】 第一蒸留塔における塔底液の平均滞留時
    間が10分間〜5時間である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 第一蒸留塔における塔底液の温度が10
    0〜150℃である請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 第一蒸留塔の塔底から抜き出されるピロ
    リドン又はN‐アルキルピロリドン量が、第一蒸留塔へ
    の供給物中に含まれていたピロリドン又はN‐アルキル
    ピロリドンの3〜10重量%に相当する量である請求項
    1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 第二蒸留塔の塔底から抜出されるピロリ
    ドン又はN‐アルキルピロリドンに含まれるγ‐ブチロ
    ラクトンの量が、ピロリドン又はN‐アルキルピロリド
    ンとγ‐ブチロラクトンとの合計量に対して0.01重
    量%以下である請求項1〜4のいずれか一つに記載の方
    法。
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