JP2785629B2 - ピロリドン類の製造法 - Google Patents
ピロリドン類の製造法Info
- Publication number
- JP2785629B2 JP2785629B2 JP1261993A JP1261993A JP2785629B2 JP 2785629 B2 JP2785629 B2 JP 2785629B2 JP 1261993 A JP1261993 A JP 1261993A JP 1261993 A JP1261993 A JP 1261993A JP 2785629 B2 JP2785629 B2 JP 2785629B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pyrrolidones
- distillation column
- pyrrolidone
- column
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Pyrrole Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
メチル−2−ピロリドンの製造法に関するものである。
詳しくは本発明はγ−ブチロラクトンとアミン類との反
応生成物から、蒸留の組合せにより経時着色の少ないピ
ロリドン類を回収する方法に関するものである。
ているが、工業的にはγ−ブチロラクトンとアンモニア
又はアミン(本明細書では合せてアミン類ということが
ある)とを反応させ、反応生成物を蒸留してピロリドン
類を回収する方法により製造されている。この際、反応
帯域にアミン類を過剰に供給すること及び水を供給する
のが好ましいとされている(特公昭49−20585,
20586参照)。
工業プロセスで溶剤として使用されており、また最近で
は塩素化溶剤の代替として機械工業における金属洗浄剤
としての用途が注目されている。ピロリドン類は経時着
色しやすいので、経時着色しないピロリドン類の取得法
が種々提案されている(特公昭46−32263,47
−22225参照)。
反応、及び反応生成物からのピロリドン類の蒸留精製に
よる回収までの一貫したプロセスにより、経時着色の少
ないピロリドン類を製造する方法を提供せんとするもの
である。
チロラクトンとアンモニア又は炭素数1〜4のアルキル
アミンとを反応させ、反応生成物から3段階の蒸留の組
合せにより、経時着色(即ち、ASTM D−1209
記載のAPHA Colorの経時変化)の少ないピロ
リドン類を製造することができる。本発明について詳細
に説明するに、本発明では先ず反応帯域にγ−ブチロラ
クトン、アミン類および水を供給して反応させ、対応す
るピロリドン類を生成させる。反応に際してはγ−ブチ
ロラクトンの反応率を高くする、すなわち未反応のγ−
ブチロラクトンを極力減少させるのが好ましく、そのた
めγ−ブチロラクトンに対しアミン類を過剰に供給す
る。通常はγ−ブチロラクトンに対し1.1〜1.5倍
モルのアミン類を供給する。さらに過剰のアミン類を供
給することは、アミン類の原単位を悪化させるので好ま
しくない。水は反応を促進する作用があり、通常、γ−
ブチロラクトンに対し1〜6倍モルとなるように供給す
る。反応は常法に従い200〜300℃の温度および5
kg/cm2 G以上、好ましくは20〜60kg/cm
2 Gの圧力下で行なわれる。反応はγ−ブチロラクトン
の99%以上が反応し、且つ未閉環中間体であるヒドロ
キシブチルアミドの残存率がピロリドン類に対して1%
以下、特に0.5%以下となるまで行なうのが好まし
い。反応生成物は第1蒸留塔に供給し、塔頂からアミン
類を水の一部と共に留出させて回収する。回収されたア
ミン類水溶液は原料アミンの一部として反応器に循環す
る。一方、塔底からは水を含むピロリドン類を回収して
第2蒸留塔に供給する。ピロリドン類中の水分は反応に
より生成した量すなわちピロリドン類と等モルないし若
干多い量が好ましい。このようにすると回収されたアミ
ン類水溶液をそのまま反応に供しても水バランスが損な
われない。このように第1蒸留塔はアミン類の回収塔で
あると共に脱水塔でもあり、通常は常圧下に蒸留が行な
われる。
余の水と一緒に留出させて回収し、第3蒸留塔に供給す
る。塔底からはピロリドン類よりも高い沸点を有する高
沸成分を抜出す。この塔底抜出液中のピロリドン類の含
有量は、通常は塔頂から留出させるピロリドン類の3%
以上、好ましくは5%以上である。高沸成分は第2蒸留
塔でできるだけ除去するのが好ましく、塔頂から留出さ
せるピロリドン類に対し5〜15%のピロリドン類を高
沸成分と共に抜出すのが、製品品質および抜出液の再蒸
留によるピロリドン類の回収上好ましい。第2蒸留塔は
常圧ないしは減圧下に操作され、塔底温度は80℃以上
である。通常は塔底温度は130℃ないしはピロリドン
類の沸点+15℃、好ましくは沸点+5℃の範囲であ
る。
リドン類は側流として回収する。側流は原料、すなわち
第2蒸留塔からの留出ガス(通常は還流のため凝縮させ
るが、所望ならガス状で供給してもよい)の供給位置よ
りも低い位置から抜出すのが好ましい。塔底から抜出し
たのでは経時着色の少ないピロリドン類を得ることはで
きない。第3蒸留塔の塔頂からは水を主成分とするピロ
リドン類の沸点よりは低い沸点を有する軽沸成分(低沸
留分)を留出させる。軽沸成分の留出に際しては還流を
省略することもできる。第3蒸留塔は通常、常圧もしく
は減圧下に操作され、塔底温度は80℃以上である。通
常は170℃ないしはピロリドン類の沸点+15℃、好
ましくはピロリドン類の沸点+5℃の範囲である。ピロ
リドン類は熱劣化するおそれがあるので、できるだけ高
温にさらさないようにするのが好ましい。
ないので、塔底から抜出される高沸成分は大量のピロリ
ドン類を含有している。通常は側流として抜出すピロリ
ドン類の5%以下、好ましくは3%以下のピロリドン類
を塔底から抜出すようにする。製品品質に及ぼす影響及
び抜出液からの再蒸留によるピロリドン類の回収を考慮
すると、1〜3%のピロリドン類を塔底から抜出すよう
にするのが好ましい。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 〔実施例1〕温度約248℃、圧力36kg/cm2 G
に保持されている流通型の反応器に、γ−ブチロラクト
ン、メチルアミン及び水を1:1.1:4.4のモル比
で供給した。反応器での滞留時間は5時間で、γ−ブチ
ロラクトンの99.9%が反応しており中間体のヒドロ
キシブチルアミドの残存率はN−メチル−2−ピロリド
ンに対し0.5%以下であった。
下、塔頂温度約110℃、塔底温度約120℃で蒸留し
た。塔頂から留出した蒸気は凝縮させてメチルアミンの
4%水溶液として回収した。塔底からは1.0倍モルの
水を含むN−メチル−2−ピロリドンを回収し、第2蒸
留塔に供給した。第2蒸留塔は61mmHgの圧力下、
塔頂温度106〜107℃、塔底温度193〜195
℃、還流比0.5で操作した。塔頂から水を含むN−メ
チル−2−ピロリドンを回収して第3蒸留塔に供給し、
塔底からは高沸成分を抜出した。
塔底温度209〜210℃、還流比1.0で操作し、塔
頂からは水を主成分とする軽沸成分を抜出した。塔底か
らは高沸成分を抜出し、供給位置より低い位置から側流
とした製品のN−メチル−2−ピロリドンを取得した。
このものはガスクロマトグラフィーで分析したところ純
度99.8%以上であった。また、蒸留直後のAPHA
Colorは10であり、1日経過後で20,3日経
過後で25にすぎず、それ以降はAPHA Color
の変化はみられなかった。なお、APHA Color
の経時変化は、留出液を窒素雰囲気下で室温放置し、比
色法により測定した。
に塔底抜出液を製品として取得した以外は、実施例1と
全く同様にしてN−メチル−2−ピロリドンを製造し
た。このものの純度は99%以上であり、APHA C
olorは70以上であった。なお、APHA Col
orはASTM D−1209に準じて測定した。
kg/cm2 Gに保持されている流通型反応器に、γ−
ブチロラクトン、アンモニア及び水を1:1.1:4.
4のモル比で供給し、γ−ブチロラクトンの殆んど全量
を反応させた。反応生成液は第1蒸留塔に供給し、常圧
下、塔頂温度約99℃、塔底温度約120℃で蒸留し
た。塔頂留出ガスは凝縮させて10〜12%アンモニア
水として回収し、塔底からは1.1倍モルの水を含む2
−ピロリドンを回収して第2蒸留塔に供給した。
て、塔頂から2−ピロリドンと水を留出させて第3蒸留
塔に供給し、塔底からは高沸成分を抜出した。第3蒸留
塔は250mmHgの圧力下で操作して、塔頂から水を
主成分とする軽沸成分を留出させ、塔底からは高沸成分
を排出した。製品は原料供給段よりも下方から製品の2
−ピロリドンを側流として抜出した。このものの純度は
99.0%以上であり、初期のAPHA Colorは
10であり、その後も経時着色は殆んど認められなかっ
た。
ありかつ経時着色の少ないピロリドン類を、工業的に容
易に製造することができる。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 γ−ブチロラクトン、これに対し過剰量
のアンモニア又は炭素4以下のアルキルアミン及び水を
反応帯域に供給して対応するピロリドン類を製造する方
法において、 反応帯域から抜出した反応生成物を第1蒸留塔に供
給して、塔頂から未反応のアンモニア又はアミンと水の
一部とを留出させて反応帯域に循環し、塔底から水を含
有するピロリドン類を回収して第2蒸留塔に供給するこ
と、 第2蒸留塔の塔頂から水と共にピロリドン類を留出
させて第3蒸留塔に供給し、塔底からピロリドン類の沸
点よりも高い沸点を有する高沸成分を抜出すこと 第3蒸留塔の塔頂から水を含むピロリドン類の沸点
より低い沸点を有する軽沸成分を留出させ、塔底からピ
ロリドン類の沸点より高い沸点を有する高沸成分を抜出
し、製品のピロリドン類を側流として回収することを特
徴とするピロリドン類の製造法。 - 【請求項2】 第3蒸留塔の原料供給位置と塔底との中
間から製品のピロリドン類を側流として回収することを
特徴とする請求項1記載のピロリドン類の製造法。 - 【請求項3】 第2蒸留塔の塔底から高沸成分と共に抜
出されるピロリドン類が、第2蒸留塔の塔頂から抜出さ
れるピロリドン類の5%以上であることを特徴とする請
求項1又は2記載のピロリドン類の製造法。 - 【請求項4】 第3蒸留塔の塔底から高沸成分と共に抜
出されるピロリドン類が、第3蒸留塔の側流から抜出さ
れるピロリドン類の3%以下であることを特徴とする請
求項1ないし3のいずれかに記載のピロリドン類の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1261993A JP2785629B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | ピロリドン類の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1261993A JP2785629B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | ピロリドン類の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06228088A JPH06228088A (ja) | 1994-08-16 |
JP2785629B2 true JP2785629B2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=11810399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1261993A Expired - Lifetime JP2785629B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | ピロリドン類の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2785629B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100440494B1 (ko) * | 1998-07-24 | 2005-03-08 | 삼성정밀화학 주식회사 | 광학활성을 갖는 (s)-옥시라세탐의 제조방법 |
GB0412875D0 (en) * | 2004-06-09 | 2004-07-14 | Davy Process Techn Ltd | Process |
JP6193179B2 (ja) * | 2014-05-27 | 2017-09-06 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 施設出力システム、施設出力方法、及び施設出力プログラム |
-
1993
- 1993-01-28 JP JP1261993A patent/JP2785629B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06228088A (ja) | 1994-08-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101122687B1 (ko) | N-알킬-피롤리돈의 제조 방법 | |
KR20060059982A (ko) | 디니트릴 화합물을 제조하고 분리하는 방법 | |
EP0502439B1 (en) | Purification of 6-Aminocapronitrile | |
JP2785629B2 (ja) | ピロリドン類の製造法 | |
US8142618B2 (en) | Processes for preparing pure xylylenediamine | |
KR100551461B1 (ko) | 미정제 액상 비닐 아세테이트의 후처리방법 | |
JP3024414B2 (ja) | ピロリドン類の製造方法 | |
JP3486984B2 (ja) | N−メチル−2−ピロリドンの精製方法 | |
KR20070052786A (ko) | 헥사메틸렌디아민, 6-아미노카프로니트릴 및테트라히드로아제핀을 포함하는 혼합물로부터6-아미노카프로니트릴 및 헥사메틸렌디아민의 분리 | |
US6726811B2 (en) | Method of purifying N-(2-hydroxyethy)-2-pyrrolidone | |
JP2001002638A (ja) | 高純度ピロリドン類の製造方法 | |
JP2001002640A (ja) | 高純度ピロリドン類の製造方法 | |
JP5100945B2 (ja) | ピロリドンおよびn−ビニルピロリドン残留物を処理するための方法 | |
JP4961208B2 (ja) | カプロラクタムの製造方法 | |
JP3218778B2 (ja) | N−メチル−2−ピロリドンの精製方法 | |
US6521097B2 (en) | Process for separating hydrogen chloride from a mixture comprising an N-alkyl-2-pyrrolidone and hydrogen chloride | |
JP4961209B2 (ja) | テトラヒドロアゼピンを含む不純な6−アミノカプロニトリルからカプロラクタムを製造する方法 | |
JP2001002639A (ja) | 高純度ピロリドン類の製造法 | |
JP2003535846A (ja) | ラクタム及びアンモニアを含む溶液からのアンモニアの蒸留除去方法 | |
US4293494A (en) | Method for the purification of raw caprolactam which contains amides and other by-products | |
KR101273828B1 (ko) | 순수하지 않은 6-아미노카프로니트릴로부터 카프로락탐을제조하는 개선된 방법 | |
JPH0662482B2 (ja) | 1,1’―パーオキシジシクロヘキシルアミンの熱分解反応混合液からシクロヘキサノンを回収する方法 | |
JP2005504056A5 (ja) | ||
JP2001163865A (ja) | 粗製ピロリジンの精製法 | |
JP2005504056A (ja) | インサイツ製造されたアルカリアミノカプロエートを使用して水性のカプロラクタム生成物からカプロラクタムを回収する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080529 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090529 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090529 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100529 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100529 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110529 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 14 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 15 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529 Year of fee payment: 15 |