JP3218112U - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐圧防爆仕様であっても配線の端子の保守点検が簡単に行える回転電機の提供。【解決手段】モータケースは、端子台44を収容する端子台収容空間を有し、ケース本体の外周に設けた端子台ケース31を備え、端子台ケース31は、ケース本体21と一体形成され、ケース本体21の外周から径方向の外方へ張り出すケース壁体と、ケース壁体における張出方向の頂部に開口する頂部開口部34と、防爆隙間を介してケース壁体と接合され、頂部開口部34を覆う頂部カバー体40と、を備え、リード線18U、18V、18Wは、端子台44に接続され、外部配線46U、46V、46Wは、ケース壁体に設けられた貫通孔45U、45V、45Wを通じて端子台44に接続され、頂部カバー体40は、端子台44に接続されるリード線18U、18V、18Wおよび外部配線46U、46V、46Wの端子を点検する点検用通孔65と、点検通孔65を封止する着脱可能な封栓プラグ66と、を有した。【選択図】図5

Description

本考案は、回転電機に関し、特に、耐圧防爆仕様の回転電機に関する。
回転電機の従来技術としては、例えば、特許文献1には、耐圧防爆仕様の回転電機が開示されている。特許文献1では、モータケースは、端子台を収容する端子台収容空間を有し、ケース本体の外周に設けた端子台ケースを備えている。ケース本体は、モータ収容空間と端子台収容空間を連通する切欠き部と、ケース本体の外周において切欠き部を囲う端子台ケースと、を備えている。端子台ケースは、一対の側壁部および正面壁部における張出方向の頂部に開口する頂部開口部を備えるほか、一対の側壁部における後端部側に開口する端部開口部を備える。端子台ケースは、頂部開口部を覆う方形の頂部カバー体を備えている。頂部カバー体には、ボルトを挿通する挿通孔が設けられている。頂部カバー体はボルトにより、防爆隙間を介して端子台ケースの頂部開口部側の端面と接合されている。そして、特許文献1に開示された回転電機によれば、回転軸の軸方向における短縮化および組付作業の容易化が可能となる。
ところで、特許文献1に開示された回転電機は、耐圧防爆仕様の回転電機のため、国内防爆指針および国際規格に基づく配線の端子の定期点検が義務付けられている。そして、回転電機が車両に搭載されている場合には、回転電機が車両に搭載された状態のままで定期点検を行うことが商業的に要請されている。
特開2017−77037号公報
しかしながら、特許文献1に開示された回転電機の配線の端子を保守点検する場合、多数のボルトにより端子台ケースに接合されている頂部カバー体を取り外す必要があり、頂部カバー体の取り外し作業は煩雑であり時間がかかるという問題がある。また、複数の配線の端子が存在するため、各配線の端子を点検する点検工具の操作スペースを確保する必要もあり、回転電機のレイアウトが制約を受けるという問題も存在する。
本考案は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本考案の目的は、耐圧防爆仕様であっても配線の端子の保守点検が簡単に行える回転電機の提供にある。
上記課題を達成するため、本考案は、回転軸を備えたロータと、前記ロータの周囲を覆い、ステータコアおよびコイルを有するステータと、前記ロータおよび前記ステータを収容するモータケースと、前記コイルから引き出されたリード線および前記モータケースの外部から引き込まれた外部配線を接続する端子台と、を備え、前記モータケースは、前記ロータおよび前記ステータを収容するモータ収容空間を有し、少なくとも一方の端部に開口を有する筒状のケース本体と、前記回転軸を支持し、前記開口を覆う端部カバー体と、を備えた回転電機において、前記モータケースは、前記端子台を収容する端子台収容空間を有し、前記ケース本体の外周に設けた端子台ケースを備え、前記ケース本体は、前記モータ収容空間と前記端子台収容空間を連通する切欠き部を備え、前記端子台ケースは、前記ケース本体と一体形成され、前記ケース本体の外周から径方向の外方へ張り出すケース壁体と、前記ケース壁体における張出方向の頂部に開口する頂部開口部と、防爆隙間を介して前記ケース壁体と接合され、前記頂部開口部を覆う頂部カバー体と、を備え、前記端子台は、前記端子台収容空間に収容され、前記リード線は、前記モータ収容空間から前記切欠き部を通じて前記端子台に接続され、前記外部配線は、前記ケース壁体に設けられた貫通孔を通じて前記端子台に接続され、前記頂部カバー体は、前記端子台に接続される前記リード線および前記外部配線の端子を点検するための点検用通孔と、前記点検用通孔を封止する着脱可能な封栓プラグと、を有し、前記点検用通孔は、前記リード線および前記外部配線の端子を点検する点検工具の挿入および操作を可能とする開口面積を有する。
本考案では、頂部カバー体に封栓プラグにより封止される点検用通孔が設けられ、点検用通孔は、リード線の端子および外部配線の端子を点検する点検工具の挿入および操作を可能とする開口面積を有する。このため、封栓プラグを取り外せば、端子台ケースから頂部カバー体を取り外すことなく、点検工具を点検孔に挿入して操作することによりリード線の端子および外部配線の端子の点検が可能である。したがって、回転電機が耐圧防爆仕様であっても、リード線の端子および外部配線の端子に対して点検工具を用いて簡単に点検することができる。
また、上記の回転電機において、前記リード線は、U相リード線、V相リード線およびW相リード線であり、前記外部配線は、U相外部配線、V相外部配線およびW相外部配線であり、前記端子台ケースは、U相リード線およびU相外部配線が接続されるU相端子部と、V相リード線およびV相外部配線が接続されるV相端子部と、W相リード線およびW相外部配線が接続されるW相端子部と、を備え、前記U相端子部、前記V相端子部および前記W相端子部は、前記点検工具による点検が可能な位置に可及的に近接して直線状に配設されている構成としてもよい。
この場合、端子台におけるU相端子部、V相端子部およびW相端子部は、点検工具による点検が可能な位置に可及的に近接して直線状に配設されているので、点検工具による点検が可能である一方で、点検工具の操作に必要な操作スペースが抑制されており、回転電機のレイアウトが制約を受けることはない。
また、上記の回転電機において、前記貫通孔は、U相貫通孔、V相貫通孔およびW相貫通孔であり、前記ケース壁体は、前記U相貫通孔、前記V相貫通孔および前記W相貫通孔を設けた壁部を有し、前記U相貫通孔、前記V相貫通孔および前記W相貫通孔は、前記U相外部配線、前記V相外部配線および前記W相外部配線が前記端子台から離れるにつれて互いに離れるように、前記ケース壁体に設けられている構成としてもよい。
この場合、端子台におけるU相端子部、V相端子部およびW相端子部は、点検工具による点検が可能な位置に可及的に近接して直線状に配設しても、U相貫通孔、V相貫通孔およびW相貫通孔は互いに干渉することなくケース壁体に設けることができる。
また、上記の回転電機において、前記ケース壁体は、前記U相貫通孔が設けられ、前記U相貫通孔の軸線と直交するU相壁部と、前記V相貫通孔が設けられ、前記V相貫通孔の軸線と直交するV相壁部と、前記W相貫通孔を設けられ、前記W相貫通孔の軸線と直交するW相壁部を有する構成としてもよい。
この場合、U相貫通孔、V相貫通孔およびW相貫通孔の軸線と直交するU相壁部、V相壁部およびW相壁部が設けられるので、U相貫通孔、V相貫通孔およびW相貫通孔を互いに干渉させることなくケース壁体に設けることが容易となる。
本考案によれば、耐圧防爆仕様であっても配線の端子の保守点検が簡単に行える回転電機を提供することができる。
本考案の実施形態に係る電動モータを示す縦断面図である。 本考案の実施形態に係るリヤカバーが取り外された状態の電動モータの後面図である。 本考案の実施形態に係る電動モータの一部を分解して示す分解斜視図である。 本考案の実施形態に係る電動モータの端子台付近を示す平面図である。 本考案の電動モータの点検作業を説明する要部正面図である。 別例に係る電動モータの端子台付近を示す平面図である。
以下、本考案の実施形態に係る回転電機としての電動モータについて図面を参照して説明する。図1に示す本実施形態の電動モータ10は耐圧防爆仕様の三相誘導電動機である。図1では、電動モータ10の右方を前方とし、左方を後方とする。
電動モータ10は、ロータ11と、ロータ11の周囲を覆うステータ12と、ロータ11およびステータ12を収容するモータケース13と、を備えている。ロータ11は、ロータコア14とロータコア14の中心に挿通され、ロータコア14に固定された回転軸15を備えている。回転軸15の前端部は、モータケース13から突出しており、回転軸15の後端部はモータケース13に支持されている。ステータ12は、ロータコア14の周囲を覆う円筒状のステータコア16と、ステータコア16に巻かれたコイル17とを備える。ステータコア16の外周がモータケース13の内壁に固定されている。ステータコア16の前後の両端にはコイル17のコイルエンドが形成されている。後端のコイルエンドの上部からリード線18が引き出されている。図2に示すように、リード線18は、U相リード線18U、V相リード線18V、W相リード線18Wである。図4に示すように、リード線18(18U、18V、18W)の端部には、丸形の圧着端子19(19U、19V、19W)がそれぞれ備えられている。
次に、モータケース13について説明する。モータケース13は、筒状のケース本体21とケース本体21に接合されるフロントカバー22およびリヤカバー23を備えている。ケース本体21は、筒状であって前後の両端部に開口24、25を備えているほか、ロータ11およびステータ12を収容可能なモータ収容空間S1を有する。ケース本体21の前端部の端面26には、ボルト27が螺入されるねじ孔(図示せず)が複数設けられている。図2、図3に示すように、ケース本体21の後端部の端面28には、ボルト27が螺入されるねじ孔29が多数設けられている。
図3に示すように、本実施形態のケース本体21は、後端部(一方の端部)から前端部(他方の端部)へ向けてケース本体21の一部を凹状に切欠くことにより形成された切欠き部30を備えている。切欠き部30はモータ収容空間S1と連通する。切欠き部30はU相リード線18U、V相リード線18VおよびW相リード線18Wを容易に挿通する空間部を形成している。図3では、説明の便宜上、U相リード線18U、V相リード線18VおよびW相リード線18Wの図示が省略されている。なお、図1では、切欠き部30に相当する範囲を二点鎖線Lにて示す。
ケース本体21は、ケース本体21の外周において切欠き部30を囲う端子台ケース31を備えている。端子台ケース31は、ケース本体21の外周から径方向の外方へ張り出すケース壁体を備えている。ケース壁体は、ケース本体21の後端部から前端部へ向かう一対の側壁部32と側壁部32の前端部と接続されている正面壁部33とを備える。端子台ケース31は、一対の側壁部32および正面壁部33における張出方向の頂部に開口する頂部開口部34を備えるほか、一対の側壁部32における後端部側に開口する端部開口部35を備える。端部開口部35はケース本体21の開口25と繋がっている。
端子台ケース31は、一対の側壁部32の張出方向における頂部において、側壁部32の後端部を接続する仕切り部36を備えている。仕切り部36は、頂部開口部34と端部開口部35を仕切る。端子台ケース31の端部開口部35側の端面39は、一対の側壁部32および仕切り部36の後部側の端面により形成されており、ケース本体21の後端部の端面28は同一面に形成されている。端子台ケース31の端部開口部35側の端面39には、ボルト27が螺入されるねじ孔38が形成されている。ケース本体21の端面28および端子台ケース31の端面39にはリヤカバー23が接合される。
端子台ケース31の頂部開口部34側の端面37は、一対の側壁部32、正面壁部33および仕切り部36のそれぞれの頂部側の端面により形成されている。端子台ケース31は、頂部開口部34を覆う方形の頂部カバー体40を備えている。頂部カバー体40には、ボルト41を挿通する挿通孔42が設けられている。頂部カバー体40はボルト41により、防爆隙間を介して端子台ケース31の頂部開口部34側の端面37と接合されている。防爆隙間については、国内防爆指針および国際規格により規定されている。
端子台ケース31の内部には端子台収容空間S2が形成されている。端子台ケース31の頂部開口部34側の端面37には、ボルト41が螺入されるねじ孔43が形成されている。端子台収容空間S2は、端子台ケース31とケース本体21の一部とにより形成されている。端子台収容空間S2は、切欠き部30を介してモータ収容空間S1と連通する。端子台収容空間S2は、後述する端子台44を収容する空間部である。
端子台ケース31の正面壁部33には貫通孔45が形成されており、貫通孔45は端子台44と接続される外部から引き込まれる配線である外部配線46の挿通を可能とする。図4に示すように、外部配線46はU相外部配線46U、V相外部配線46V、W相外部配線46Wである。図4に示すように、外部配線46(46U、46V、46W)の端部には、丸形の圧着端子55(55U、55V、55W)がそれぞれ備えられている。また、貫通孔45は、U相貫通孔45U、V相貫通孔45VおよびW相貫通孔45Wである。図1ではV相外部配線46Vのみが図示される。そして、図4に示すように、正面壁部33は、U相貫通孔45Uの軸心と直交するU相壁部33Uと、V相貫通孔45Vの軸心と直交するV相壁部33Vと、W相貫通孔45Wの軸心と直交するW相壁部33Wとを有している。V相貫通孔45Vの軸線は、回転軸15の軸方向Pと平行であり、正面壁部33におけるU相貫通孔45UおよびW相貫通孔45Wの軸線は、V相貫通孔45Vの軸線に対して傾斜しており、端子台44から離れるにつれてV相貫通孔45Vの軸心から遠ざかる。したがって、図4に示すように、U相壁部33UとW相壁部33WはV相壁部33Vに対して傾斜角度θにて傾斜している。
次に、フロントカバー22およびリヤカバー23について説明する。フロントカバー22はケース本体21の開口24が円形であるため円形である。フロントカバー22の中心には、回転軸15を挿通する軸孔47が形成されている。フロントカバー22のケース側には回転軸15を支持する軸受48が備えられている。フロントカバー22の外側には軸孔47の気密性を図るためのシール部材49が設けられている。フロントカバー22は、ケース本体21の前端部と防爆隙間を設定して接合される。本実施形態では、フロントカバー22は、ケース本体21の端面26と接合する第1接合面50と、第1接合面50から回転軸15の軸方向Pに平行であってケース本体21の内周面と接合する第2接合面51を有する。第1接合面50と第2接合面51が段差を形成することによりケース本体21の前端部とフロントカバー22との防爆隙間が確保されている。
本実施形態のリヤカバー23は端部カバー体に相当する。図3に示すように、リヤカバー23は、ケース本体21の開口25を覆うカバー本体部52と、カバー本体部52と一体形成され、端子台ケース31の端部開口部35を覆うカバー拡張部53を備えている。カバー本体部52は略円形の開口25の形状に合わせて略円形である。図1に示すように、カバー本体部52の中心には回転軸15の後端を支持する軸受54と、を備えている。カバー拡張部53は端子台ケース31の略方形の端部開口部35の形状に合わせて略方形である。リヤカバー23はカバー本体部52の中心付近を除きほぼ平板状である。リヤカバー23の外周縁の近くにはボルト27を挿通する挿通孔56が複数形成されている。
リヤカバー23は、ケース本体21の後端部および端子台ケース31の後端部に防爆隙間を設定して接合される。本実施形態では、リヤカバー23は、ケース本体21の端面28および端子台ケース31の端面39と接合する第1接合面57と、第1接合面57から回転軸15の軸方向Pに平行であってケース本体21の内周面と接合する第2接合面58を有する。第1接合面57と第2接合面58が段差を形成することによりケース本体21および端子台ケース31とリヤカバー23との防爆隙間が確保されている。
図1および図2に示すように、リヤカバー23のカバー本体部52におけるケース本体21側には、一対の回転センサ60をそれぞれ支持する一対のセンサ支持部59が備えられている。センサ支持部59は、カバー本体部52におけるケース本体21側からコイル17へ向けて張り出して形成されている。本実施形態では、回転軸15の後端部付近に、検出対象である多数のスリットを備えたスリット回転体61が固定されている。回転センサ60は、スリット回転体61のスリットを光学的に読み取るセンサである。2個の回転センサ60が設けられている理由は、回転軸15の回転方向(正回転、逆回転)を検知するためである。センサ支持部59に支持された回転センサ60は、モータ収容空間S1および切欠き部30にわたって配置されている。
次に、端子台収容空間S2に収容されている端子台44について説明する。端子台44は、コイル17から引き出されたリード線18と外部配線46とを電気的に接続するためのものである。端子台44は、端子台収容空間S2において切欠き部30の前方となるようにケース本体21に固定されている。端子台44は、リード線18および外部配線46が接続される端子部62を備えており、端子部62にはコイル17から引き出されたリード線18と外部配線46が接続されている。端子部62は、U相端子部62U、V相端子部62V、W相端子部62Wである。リード線18はモータ収容空間S1から切欠き部30を通じて円弧状に曲げられている。端子台44から端子台ケース31の外部へ引き出される外部配線46は、正面壁部33の貫通孔45を挿通される。貫通孔45には外部配線46が挿通されるシール部材63が介在され、正面壁部33の正面側にはシール部材63を押し付ける押圧部材64が固定されている。
ところで、本実施形態では、頂部カバー体40を端子台ケース31から取り外さずに国内防爆指針および国際規格に基づく端子台44における各配線の端子の定期点検を行うことができる工夫がなされている。頂部カバー体40の中心付近には、端子台44の端子部62に接続されるリード線18の端子および外部配線46の端子を点検する点検用通孔65が形成されている。点検用通孔65は、ねじ孔であり、リード線18の端子および外部配線46の端子を点検する図5に示す点検工具Tの挿入および操作を可能とする開口面積を有する。点検工具Tは、リード線18の端子および外部配線46の端子の緩みの有無を確認する工具である。開口面積は、点検用通孔65から端子台44の端子部62までの距離により規定される。例えば、図4に示すように、U相端子部62U、V相端子部62V、W相端子部62Wの間隙Aが小さくなるにつれて点検用通孔65とU相端子部62U、W相端子部62Wまでの距離は短縮化される。このため、点検用通孔65の開口面積を小さくすることが可能である。
点検用通孔65には螺入により封止する着脱可能な封栓プラグ66が装着されている。封栓プラグ66は、端子台44の端子部62の点検以外のときは、点検用通孔65を封止し、点検の際には取り外される。封栓プラグ66は、雄ねじを有する軸部67と軸部67の端部に設けられたフランジ部68を有している。
次に、本実施形態の電動モータ10における端子台44における各配線の端子の定期点検の手順について説明する。点検作業者は、予め電動モータ10を停止しておき、電動モータ10への電力が供給されないようにする。次に、点検作業者は、点検用通孔65を封止している封栓プラグ66を取り外す。点検作業者は、点検工具Tを点検用通孔65に挿入し、点検工具Tを用いて端子台44におけるU相リード線18U、V相リード線18V、W相リード線18W、U相外部配線46U、V相外部配線46V、W相外部配線46Wを点検する。点検が終了した後、点検作業者は、封栓プラグ66を点検用通孔65に螺入して点検用通孔65を封止する。
本実施形態の電動モータ10は以下の作用効果を奏する。
(1)頂部カバー体40に封栓プラグ66により封止される点検用通孔65が設けられ、点検用通孔65は、リード線18の端子および外部配線46の端子を点検する点検工具Tの挿入および操作を可能とする開口面積を有する。このため、封栓プラグ66を取り外せば、端子台ケース31から頂部カバー体40を取り外すことなく、点検工具Tを点検用通孔65に挿入して操作することによりリード線18の端子および外部配線46の端子の点検が可能である。したがって、電動モータ10が耐圧防爆仕様であっても、頂部カバー体40を取り外す煩雑な作業が不要となり、リード線18の端子および外部配線46の端子に対して点検工具Tを用いて簡単に点検することができる。
(2)端子台44におけるU相端子部62U、V相端子部62VおよびW相端子部62Wは、点検工具Tによる点検が可能な位置に可及的に近接して直線状に配設されているので、点検工具Tによる点検が可能である一方で、点検工具Tの操作に必要な操作スペースが抑制されており、車両等の搭載先において電動モータ10のレイアウトが制約を受けることはない。
(3)端子台44におけるU相端子部62U、V相端子部62VおよびW相端子部62Wは、点検工具Tによる点検が可能な位置に可及的に近接して直線状に配設しても、U相貫通孔45U、V相貫通孔45VおよびW相貫通孔45Wは互いに干渉することなく端子台ケース31のケース壁体に設けることができる。
(4)U相貫通孔45U、V相貫通孔45VおよびW相貫通孔45Wの軸線と直交するU相壁部33U、V相壁部33VおよびW相壁部33Wが設けられるので、U相貫通孔45U、V相貫通孔45VおよびW相貫通孔45Wを互いに干渉させることなく端子台ケース31のケース壁体に設けることが容易となる。
(5)頂部カバー体40に設けた点検用通孔65と、封栓プラグ66を設ければよいため、部品点数の増加は封栓プラグ66のみであり、電動モータ10の製造コストを抑制することができる。また、内防爆指針および国際規格に基づく端子台44における各配線の端子の点検作業の容易化による作業コストの低減と相俟って、電動モータ10の製造コストの低減が期待できる。
(変形例)
次に、変形例について説明する。本変形例では、図6に示すように、外部配線46(46U、46V、46W)のうち、U相外部配線46UおよびW相外部配線46Wの丸型の圧着端子55U、55Wから旗型の圧着端子72U、72Wに変更している。V相外部配線46Vは丸型の圧着端子55Vである。端子台ケース31の正面壁部71は傾斜する壁部を備えていない。
本変形例では、U相外部配線46UおよびW相外部配線46Wの丸型の圧着端子55U、55Wを旗型の圧着端子72U、72Wに変更している。このため、旗型の圧着端子72Uの中心に対してU相外部配線46Uの軸線およびW相外部配線46WがV相外部配線46Vから離れる方向へオフセットされる。したがって、U相端子部62U、V相端子部62VおよびW相端子部62Wの配列方向の間隙Aを狭くし、U相端子部62U、V相端子部62VおよびW相端子部62Wを、点検工具Tによる点検が可能な位置に可及的に近接して直線状に配設することができる。また、U相外部配線46U、V相外部配線46V、W相外部配線46Wの間隙Aが実施形態と比較して大きくなるので、正面壁部71に傾斜する壁部を形成することなく、正面壁部71にU相貫通孔45U、V相貫通孔45V、W相貫通孔45Wを設けることができる。また、傾斜する壁部を有する正面壁部33と比較して、端子部62の間隙Aをより小さくすることが可能である。
本考案は、上記の実施形態に限定されるものではなく考案の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態(別例を含む)では、傾斜する壁部を有する正面壁部としたり、旗型の圧着端子を用いたりすることにより、U相端子部、V相端子部およびW相端子部は可及的に近接して直線状に配設されたが、この限りではない。例えば、U相端子部およびW相端子部をV相端子部へ近接するように傾斜させてもよい。
○ 上記の実施形態(別例を含む)では、回転電機として三相誘導電動機を例示したが、電動モータの種類を制限する趣旨ではない。回転電機としては、例えば、同期電動(発電)機であってもよい。
10 電動モータ
11 ロータ
12 ステータ
13 モータケース
15 回転軸
16 ステータコア
17 コイル
18(18U、18V、18W) リード線
19(19U、19V、19W) 圧着端子
21 ケース本体
22 フロントカバー
23 リヤカバー(端部カバー体)
30 切欠き部
31 端子台ケース
33、71 正面壁部
34 頂部開口部
40 頂部カバー体
44 端子台
45(45U、45V、45W) 貫通孔
46(46U、46V、46W) 外部配線
55(55U、55V、55W) 圧着端子(丸型)
65 点検用通孔
66 封栓プラグ
72U、72W 圧着端子(旗型)
L 二点鎖線(切欠き部)
S1 モータ収容空間
S2 端子台収容空間
T 点検工具

Claims (4)

  1. 回転軸を備えたロータと、
    前記ロータの周囲を覆い、ステータコアおよびコイルを有するステータと、
    前記ロータおよび前記ステータを収容するモータケースと、
    前記コイルから引き出されたリード線および前記モータケースの外部から引き込まれた外部配線を接続する端子台と、を備え、
    前記モータケースは、
    前記ロータおよび前記ステータを収容するモータ収容空間を有し、少なくとも一方の端部に開口を有する筒状のケース本体と、
    前記回転軸を支持し、前記開口を覆う端部カバー体と、を備えた回転電機において、
    前記モータケースは、前記端子台を収容する端子台収容空間を有し、前記ケース本体の外周に設けた端子台ケースを備え、
    前記ケース本体は、前記モータ収容空間と前記端子台収容空間を連通する切欠き部を備え、
    前記端子台ケースは、
    前記ケース本体と一体形成され、前記ケース本体の外周から径方向の外方へ張り出すケース壁体と、
    前記ケース壁体における張出方向の頂部に開口する頂部開口部と、
    防爆隙間を介して前記ケース壁体と接合され、前記頂部開口部を覆う頂部カバー体と、を備え、
    前記端子台は、前記端子台収容空間に収容され、
    前記リード線は、前記モータ収容空間から前記切欠き部を通じて前記端子台に接続され、
    前記外部配線は、前記ケース壁体に設けられた貫通孔を通じて前記端子台に接続され、
    前記頂部カバー体は、
    前記端子台に接続される前記リード線および前記外部配線の端子を点検するための点検用通孔と、
    前記点検用通孔を封止する着脱可能な封栓プラグと、を有し、
    前記点検用通孔は、前記リード線および前記外部配線の端子を点検する点検工具の挿入および操作を可能とする開口面積を有することを特徴とする回転電機。
  2. 前記リード線は、U相リード線、V相リード線およびW相リード線であり、
    前記外部配線は、U相外部配線、V相外部配線およびW相外部配線であり、
    前記端子台ケースは、
    U相リード線およびU相外部配線が接続されるU相端子部と、
    V相リード線およびV相外部配線が接続されるV相端子部と、
    W相リード線およびW相外部配線が接続されるW相端子部と、を備え、
    前記U相端子部、前記V相端子部および前記W相端子部は、前記点検工具による点検が可能な位置に可及的に近接して直線状に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記貫通孔は、U相貫通孔、V相貫通孔およびW相貫通孔であり、
    前記ケース壁体は、前記U相貫通孔、前記V相貫通孔および前記W相貫通孔を設けた壁部を有し、
    前記U相貫通孔、前記V相貫通孔および前記W相貫通孔は、前記U相外部配線、前記V相外部配線および前記W相外部配線が前記端子台から離れるにつれて互いに離れるように、前記ケース壁体に設けられていることを特徴とする請求項2記載の回転電機。
  4. 前記ケース壁体は、
    前記U相貫通孔が設けられ、前記U相貫通孔の軸線と直交するU相壁部と、
    前記V相貫通孔が設けられ、前記V相貫通孔の軸線と直交するV相壁部と、
    前記W相貫通孔を設けられ、前記W相貫通孔の軸線と直交するW相壁部を有することを特徴とする請求項3記載の回転電機。
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