JP3217986B2

JP3217986B2 - ゴルフボール

Info

Publication number: JP3217986B2
Application number: JP06180997A
Authority: JP
Inventors: ホンホワンイン
Original assignee: ヴォーヴィックインコーポレイテッド
Priority date: 1996-12-26
Filing date: 1997-02-28
Publication date: 2001-10-15
Anticipated expiration: 2017-02-28
Also published as: KR0179448B1; JPH10192449A; US5952415A; KR19980053246A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、有機高分子物質の
配合物に、α，β−エチレン性不飽和カルボン酸と脂肪
酸ビスマスが一緒に添加されており、スピン性能を維持
しつつ、高い反発弾性を有し、従来のゴルフボールより
も飛距離を著しく伸ばすことができるゴルフボールに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、ゴルフボールにおける種々の
性能の中で一番重要な性能は、反発弾性が優れ、大きな
飛距離が得られ、容易に調節可能な適度なスピンである
こと等であるが、普通のゴルフボールは、飛距離が大き
くなるとスピン性能が落ち、反対に、スピン性能が良い
と飛距離が落ちるのが一般的な現象であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
のゴルフボールにおける問題点を解決し、スピン性能を
維持しつつ、高い反発弾性を有し、従来のゴルフボール
よりも飛距離を著しく伸ばすことが可能なゴルフボール
を提供することを課題とし、本発明者は種々検討を行っ
た結果、以下に記載するような発明を完成するに到った
のである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のゴルフボール
は、核と前記核を被覆するカバーとから成るツーピース
ソリッドゴルフボールであって、前記核が、その基材と
なる有機高分子物質１００重量部に対してα，β−エチ
レン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマ
ス５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で作られて
おり、しかも、前記脂肪酸ビスマスの分解によって生じ
た脂肪酸を利用してゴムの柔軟性が向上し、ビスマスが
凝固しながら膨張を起こすことによってビスマスの周囲
の高分子物質の分子構造が緻密化されていることを特徴
とするものである。

【０００５】又、本発明のゴルフボールは、内核と前記
内核を被覆する外層とからなる二重核と、前記二重核を
被覆するカバーでできたスリーピースソリッドゴルフボ
ールであって、前記内核と外層の少なくとも一方が、そ
の基材となる有機高分子物質１００重量部に対してα，
β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪
酸ビスマス５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で
作られており、しかも、前記脂肪酸ビスマスの分解によ
って生じた脂肪酸を利用してゴムの柔軟性が向上し、ビ
スマスが凝固しながら膨張を起こすことによってビスマ
スの周囲の高分子物質の分子構造が緻密化されているこ
とを特徴とするものでもある。更に、本発明のゴルフボ
ールは、核と、前記核を被覆する内側カバーと、前記内
側カバーを被覆する外側カバーとからなるスリーピース
ソリッドゴルフボールであって、前記核と内側カバーの
少なくとも一方が、その基材となる有機高分子物質１０
０重量部に対してα，β−エチレン性不飽和カルボン酸
３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混
合されてなる組成物で作られており、しかも、前記脂肪
酸ビスマスの分解によって生じた脂肪酸を利用してゴム
の柔軟性が向上し、ビスマスが凝固しながら膨張を起こ
すことによってビスマスの周囲の高分子物質の分子構造
が緻密化されていることを特徴とするものでもある。

【０００６】又、本発明のゴルフボールは、内核と前記
内核を覆っている外層からなる二重核と、前記二重核を
被覆する内側カバーと、前記内側カバーを被覆する外側
カバーとからなるフォーピースソリッドゴルフボールで
あって、前記内核と外層と内側カバーのうちの少なくと
も一つが、その基材となる有機高分子物質１００重量部
に対してα，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５
重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合されて
なる組成物で作られており、しかも、前記脂肪酸ビスマ
スの分解によって生じた脂肪酸を利用してゴムの柔軟性
が向上し、ビスマスが凝固しながら膨張を起こすことに
よってビスマスの周囲の高分子物質の分子構造が緻密化
されていることを特徴とするものでもある。更に、本発
明のゴルフボールは、核と、前記核を被覆する内側カバ
ーと、前記内側カバーを被覆する中間層カバーと、前記
中間層カバーを被覆する外側カバーでできたフォーピー
スソリッドゴルフボールであって、前記核と内側カバー
と中間層カバーのうちの少なくとも一つが、その基材と
なる有機高分子物質１００重量部に対してα，β−エチ
レン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマ
ス５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で作られて
おり、しかも、前記脂肪酸ビスマスの分解によって生じ
た脂肪酸を利用してゴムの柔軟性が向上し、ビスマスが
凝固しながら膨張を起こすことによってビスマスの周囲
の高分子物質の分子構造が緻密化されていることを特徴
とするものでもある。

【０００７】

【発明の実施の形態】まず、本発明による核（図１にお
ける１ａと表示した核、図２における２ａで表示した内
核と２ｂで表示した外層、図３における３ａで表示した
核、図４における４ａで表示した内核と４ｂと表示した
外層、図５における５ａと表示した核をそれぞれ示し、
以下、単に「核」という。）を製造するのに必要な主材
料としては、ゴム、共架橋剤の一つであるα，β−エチ
レン性不飽和カルボン酸およびその他の共架橋剤、充填
剤、脂肪酸ビスマス、酸化防止剤、反応開始剤等であ
る。使用するのに適したゴムは、一般的にシス−１，４
−ポリブタジエンであるが、場合によってはイソプレン
ゴム、天然ゴム、Ｓ．Ｂ．Ｒ．等の、他のゴム等を適当
に混合して使用しても良い。一方、本発明におけるポイ
ントの一つである、α，β−エチレン性不飽和カルボン
酸は、共架橋剤および反応活性剤として使用されるが、
場合によっては、その金属塩または、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレイト、トリメチロールプロパント
リアクリレイト、ウレタンアクリレイト、エポキシアク
リレイト等の不飽和カルボン酸エステル類を混合して使
用することもできる。使用に適したα，β−エチレン性
不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸であ
り、これらは、基材ゴム１００重量部に対し３〜２５重
量部の配合量で使用されるが、必要に応じて、それらの
金属塩であるアクリル酸亜鉛およびメタクリル酸亜鉛ま
たはその他の不飽和カルボン酸エステル等を、追加的な
共架橋剤として、基材ゴム１００重量部に対して１〜１
５重量部の量にて使用しても良い。

【０００８】充填剤としては、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化
鉄等の金属酸化物等、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カル
シウム、グラスファイバー等、種々の無機物等を使用す
ることができるが、その中でも、共架橋剤として上記の
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸亜鉛、メタクリ
ル酸亜鉛等を使用する場合には、酸化亜鉛が特に好適で
あり、酸化亜鉛がは、他の充填剤と混合して使用しても
良い。このような充填剤の使用量は、それぞれの核の比
重、硬度等を考慮して決定されるものであり、一般的に
限定されるものではない。実際的には、充填剤は、基材
ゴム１００重量部に対して１〜３０重量部の量で使用さ
れる。酸化防止剤としては、一般的に２，２’−メチレ
ンビス（４−エチル−６−ｔ−ブチルフェノール）等が
使用され、その使用量は、基材ゴム１００重量部に対し
て０．５〜１．５重量部である。反応開始剤としては、
有機過酸化物が一般的に使用され、例えば、ジクミルパ
ーオキサイド、ｎ−ブチル−４，４’−ビス（ｔ−ブチ
ルパーオキシ）バレレイト、ビス（ｔ−ブチルパーオキ
シイソプロピル）ベンゼン、１，１’−ビス（ｔ−ブチ
ルパーオキシ）−３，３，５−トリメチルシクロヘキサ
ン等が挙げられる。このような開始剤は、基材ゴム１０
０重量部に対して０．５〜５重量部の量で使用され、必
要に応じて、Ｎ，Ｎ−ｍ−フェニレンジマレイミド等の
ような共用薬品（Coagent ）を反応開始剤の補助薬品と
して混合して使用しても良い。

【０００９】一方、本発明のポイントの一つである脂肪
酸ビスマスは、脂肪酸アルカリ石鹸水溶液に、分子式Ｂ
ｉ（ＮＯ₃)₃ で表示される硝酸ビスマス溶液を入れ、複
分解して沈澱させるか、あるいは、遊離脂肪酸と硝酸ビ
スマスを加熱融解させることによって得られる結晶また
は粉末状態のものが使われる。この脂肪酸ビスマスを製
造する際の主原料である脂肪酸としては、分子式ＣＨ
₃(ＣＨ₂)₁₄ＣＯＯＨで表示されるパルミチン酸（PALMIT
IC ACID ）、又は分子式ＣＨ₃(ＣＨ₂)₁₆ＣＯＯＨで表示
されるステアリン酸（STEARIC ACID）、または分子式Ｃ
Ｈ₃(ＣＨ₂)₇ＣＨ＝ＣＨ（ＣＨ₂)₇ＣＯＯＨで表示され
るオレイン酸（OLEIC ACID）等であり、ビスマスと結合
して、ビスマスの三価塩の状態になっていることが多
い。このビスマスの三価塩状態である脂肪酸ビスマスと
しては、分子式Ｂｉ（Ｃ₁₅Ｈ₃₁ＣＯＯ)₃で表示されるパ
ルミチン酸ビスマス、分子式Ｂｉ（Ｃ₁₇Ｈ₃₅ＣＯＯ)₃で
表示されるステアリン酸ビスマス、分子式Ｂｉ（Ｃ₁₇Ｈ
₃₃ＣＯＯ)₃で表示されるオレイン酸ビスマス等がある。
このような脂肪酸ビスマスの結晶または粉末は、実際に
は、再粉砕過程を経て２００〜３００メッシュの網目を
通過する大きさの粉末粒子の状態にして使用される。こ
の脂肪酸ビスマスは、基材ゴム１００重量部に対して５
〜５０重量部の量で使用される。

【００１０】本発明に従って前述の核を製造するには、
関連する前記の成分を通常の混合装置であるニダー、バ
ンバリミキサー、二本ロールミル等を使用して良く混合
することになるが、本発明では特に配合の順序を正確に
守る必要がある。まず、基材になるゴムに酸化防止剤を
添加して５分程度よく混合した後、得られた混合物に脂
肪酸ビスマスを添加して１０分以上よく混合し、この脂
肪酸ビスマスが摩擦熱により基材ゴムに溶け込むように
しなければならない。その後に、α，β−エチレン性不
飽和カルボン酸を少量づつ入れながら１５分以上よく混
合する。その後必要に応じて、他の共架橋剤および充填
剤等を添加し、反応開始剤である有機過酸化物を添加し
て混合物を完成させ、最後に更に充分に混合する。以上
のようにして混合を行った後、この混合物を適当な装置
を使用して一定の大きさとし、成形型に充填して、一定
時間、一定圧力、一定温度で成形を行う必要がある。成
形方法としては、圧縮成形や射出成形、又は他のある成
形方法でも良いが、圧縮成形や射出成形が適している。

【００１１】核の成形においては、通常、熱と反応開始
剤により、ゴムと共架橋剤とが反応して結合し、この際
に温度条件を適切に調整すれば、脂肪酸ビスマスは、熱
と一部が気化したα，β−エチレン性不飽和カルボン酸
の影響を受けて分解し、脂肪酸とビスマスになる。この
時に、脂肪酸はゴム分子の中に素早く溶け込み、ビスマ
スは可逆的な反応状態の不飽和カルボン酸の塩の形態で
基材ゴムと架橋反応を起こすようになる。この架橋反応
は、一般的に、溶融状態下でのマトリックス中心にある
ビスマスで起こるが、このビスマスの体積は、常温での
体積よりも小さくなり、反対に、ゴム等の有機高分子物
質はビスマスが収縮した体積分だけ急激に膨張を起こ
す。金型の大きさよりも大きくなろうとするこのような
膨張は、金型に高い圧力をかけて、金型の大きさ以上に
は膨張しないようにすることで防止できる。このように
して一定時間成形した後、成形物を常温で冷却させる
と、膨張していたゴムが再び収縮を起こし、その分子状
態が緻密なものとなる。

【００１２】このような成形物は、一般的な配合物で作
った他の成形物よりも一層柔らかく反発弾性が優れてい
るが、これは、架橋反応により硬化したゴムが脂肪酸に
より柔軟性が向上し、マトリックス構造の中心になって
いたビスマス（凝固時に３〜３．５％の体積膨張が起こ
るという顕著な特性を有している）が、凝固しながら膨
張を起こして、結果的に、ビスマスの周囲の高分子物質
の分子構造を再び緻密化し、より多くのエネルギーを保
持している核を形成する。上述の核を使用して作られた
本発明のゴルフボールは、普通のゴルフボールよりも大
きなエネルギーを蓄積しているので、ボールを打った
際、一般的なゴルフボールよりずっと大きな飛距離を生
み出す。更に、このような核によって、触感およびスピ
ン性能が優れた柔らかなゴルフボールを製造することが
可能である。

【００１３】上述の核をゴルフボールに適用する際、図
２のようなスリーピースソリッドゴルフボールを製造す
る場合に、二重核を構成する内核２ａと外層２ｂの全て
を本発明による組成で作っても良いし、あるいは、内核
２ａは一般的な組成で作って、外層２ｂだけを本発明の
組成で作っても良く、場合によっては、内核２ａを本発
明の組成により作って、外層２ｂは一般的な組成により
作ることもできる。また、図４のようなフォーピースソ
リッドゴルフボールを製造する場合に、二重核を構成す
る内核４ａ、外層４ｂの全てを本発明による組成で作っ
ても良いし、あるいは、内核４ａは一般的な組成で作っ
て、外層４ｂだけを本発明の組成で作っても良く、場合
によっては、内核４ａを本発明の組成で作って、外層４
ｂは一般的な組成で作っても良い。

【００１４】一方、本発明によるカバーは、図面に示さ
れたゴルフボールの中で、外側カバーを除いた全ての内
側カバー（図３における３ｂで表示した内側カバー、図
４における４ｃで表示した内側カバー、図５における５
ｂで表示した内側カバーと、５ｃで表示した中間層カバ
ーをいい、以下、単に「カバー」という。）に適用する
ことができるが、これは、外側カバーに本発明の組成を
使用すると容易に黄変現象が表れ、白色のゴルフボール
の場合に、薄い黄灰色の外側カバーになって、商品価値
が落ちるという欠陥があるからである。本発明による内
側カバーを製造するのに使われる主材料としては、アイ
オノマー樹脂、ゴム、その他の熱可塑性樹脂等のような
基材になる有機高分子物質の一つの種類、または二種類
以上が混ざったもの、白色を出すための白色系統の顔
料、充填剤等と、本発明のポイントとなるα，β−エチ
レン性不飽和カルボン酸と脂肪酸ビスマスであり、α，
β−エチレン性不飽和カルボン酸と脂肪酸ビスマスとは
実際には一緒に使われる。

【００１５】基材となるアイオノマー樹脂は、モノオレ
フィン中の炭素原子数３〜８の不飽和モノ−あるいはジ
カルボン酸およびこれらのエステルを含有するものが、
一価または二価の金属によって部分的にあるいは全てが
中和されている樹脂（本発明において使用されるα，β
−エチレン性不飽和カルボン酸のような材料である不飽
和モノ−あるいはジカルボン酸のいくつかも含まれる）
が適当である。現在、デュポン社で製造されているサリ
ン（SURLYN）という商品名のアイオノマー樹脂が、ゴル
フボールのカバー用として最も一般的に使用されてい
る。アイオノマー樹脂を製造する時の構成分子、反応、
分子量、中和時に使用される金属の種類、中和度の差等
によっていろいろな物性の樹脂が市販されているが、そ
の中で、本発明には硬度ショアーＤで３５〜７０程度、
屈曲（曲げ）弾性率（Flexural Modulus）が２５０〜６
００ＭＰａ程度のものが適当である。このアイオノマー
樹脂は一種類で使用しても良く、あるいは二種類以上を
互いに混ぜて使用しても良い。一方、内側カバー用の主
材料としてのゴムは、トランス型のイソプレンまたはブ
タジエンゴム等であり、一種類を使用しても良く、また
は二種類以上を使用しても良い。上記の各種材料は一種
類の成分の樹脂を使用しても良く、互いに異なった成分
のものを適切な方法で混ぜて使用しても良い。

【００１６】白色の顔料としては二酸化チタンが適して
おり、場合によって硫酸バリウム等を混合しても良い。
その使用量は前記の内側カバーの基材となる樹脂１００
重量部に対し２〜５重量部が使われる。また、より白く
見えるようにするために、青色顔料やバイオレット系統
の顔料や増白剤等を少量添加しても良い。場合によって
は、内側カバー側の重量を高くするための充填剤とし
て、重金属や金属酸化物等を、基材になる樹脂１００重
量部に対して５〜２５重量部の量で使用することができ
る。一方、本発明のポイントの一つであるα，β−エチ
レン性不飽和カルボン酸は、基材の樹脂１００重量部に
対して３〜２５重量部の量で使用される。また、本発明
のポイントのもう一つである脂肪酸ビスマスは、核につ
いての部分で先に説明したものと同じものであり、基材
樹脂１００重量部に対して５〜５０重量部の量で使用さ
れる。

【００１７】本発明による内側カバーを製造するには、
核について前述したような組成物を充分に混合すること
が必要である。アイオノマー樹脂の場合は、まず最初
に、基材樹脂に、定められた量の脂肪酸ビスマスを約２
００℃の温度で押出機内で完全に溶融混合させた後、得
られた混合物を適当な大きさのペレットにする。その
後、直ちに、予め準備しておいたα，β−エチレン性不
飽和カルボン酸と顔料およびその他の粉末状の充填剤の
混合物を用いて、混合された脂肪酸ビスマスとアイオノ
マー樹脂のペレットをミキサーを使用して被覆し、前記
の押出機内で溶融・反応させて、適当な大きさのペレッ
トにする。このようにして作った混合物を、射出成形ま
たは圧縮成形等の方法によって前記の核上に被覆する。
一方、ゴムの場合は、アイオノマーとは違って、核を製
造する時と同じ方法で組成物を混合し、得られた混合物
を用いて射出成形または圧縮成形等の方法で前記の核上
に被覆する。しかし、中間層カバーを被覆させる時に
は、内側カバーの硬化時間を短くすることが好ましく、
これにより、中間層カバーを被覆する際に互いの間が接
着を起こし、十分な硬化が起こるようになる。

【００１８】このような内側カバーを製造した場合、本
発明の核についての部分で先に説明したような現象が起
こり、アイオノマー樹脂の場合には、α，β−エチレン
性不飽和カルボン酸がエチレン分子に架橋反応を起こし
て弾性を向上させ、その結果、アイオノマー樹脂は、元
のアイオノマー樹脂よりも固いものとなる。しかし、脂
肪酸ビスマスの中の脂肪酸が分離して、硬化した樹脂の
分子の間に入ると、元の樹脂よりも緻密ながら柔らかい
柔軟性を持つようになる。更に、遊離した状態のビスマ
スは、成形後、冷却時に凝固しつつ膨張を起こし、結果
的に高分子物質の密度がビスマスが膨張した分だけ緻密
になり、大きなエネルギーを蓄積するようになる。一
方、ゴムの場合には、核についての部分で説明したよう
に、α，β−エチレン性不飽和カルボン酸の架橋反応に
より硬化したゴムは、脂肪酸により柔軟性が向上し、マ
トリックス構造の中心にあるビスマスは、凝固しながら
膨張を起こして、結果的にビスマスの周囲の高分子物質
の分子構造が再び緻密化され、より大きなエネルギーを
有した内側カバーとなる。

【００１９】本発明による内側カバーをゴルフボールに
適用する場合、図５に示されるような二重の内側カバー
は、内側のカバー５ｂと中間層のカバー５ｃが全て本発
明の組成で作っても良く、あるいは内側カバー５ｂだけ
を本発明の組成で作り、中間層カバー５ｃを一般的な組
成で作っても良く、逆に、内側カバー５ｂを一般的な組
成で作り、中間層カバー５ｃだけを本発明の組成で作っ
ても良い。一方、本発明の外側カバーを製造する場合に
おいては、基材の樹脂として、内側カバーに使用される
ものとして先に説明したものと同じ有機高分子物質が主
に使用されるが、それ以外の一般的な外側カバー用有機
高分子物質を全て使用することが可能である。例えば、
ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリエーテルエステル樹
脂、その他の熱可塑性樹脂等を使うことが可能である。
また、白色を出すための顔料、少量の増白剤、その他各
種添加剤を使用しても良い。これらの外側カバーの組成
物を用いて、本発明による核や内側カバーは通常の成形
方法により被覆される。

【００２０】以下に示すゴルフボールはいずれも、本発
明の実施態様である。内核と前記内核を被覆する外層と
からなる二重核と、前記二重核を被覆するカバーででき
たスリーピースソリッドゴルフボールで、前記内核だけ
が、基材である有機高分子物質１００重量部に対して
α，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と
脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合されてなる組成
物で作られており、前記外層は一般的な組成物を使用し
て作られているゴルフボール。内核と前記内核を被覆す
る外層とからなる二重核と、前記二重核を被覆するカバ
ーでできたスリーピースゴルフボールで、前記内核は一
般的な組成物を使用して作られており、前記外層だけ
が、基材である有機高分子物質１００重量部に対して
α，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と
脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合されてなる組成
物で作られているゴルフボール。内核と前記内核を被覆
する外層とからなる二重核と、前記二重核を被覆するカ
バーでできたスリーピースゴルフボールで、前記内核と
外層が全て、基材である有機高分子物質１００重量部に
対してα，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重
量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合されてな
る組成物で作られているゴルフボール。核と、前記核を
被覆する内側カバーと、前記内側カバーを被覆する外側
カバーとからなるスリーピースソリッドゴルフボール
で、前記核だけが、基材である有機高分子物質１００重
量部に対してα，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜
２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合さ
れてなる組成物で作られており、前記内側カバーは一般
的な組成物を使用して作られているゴルフボール。核
と、前記核を被覆する内側カバーと、前記内側カバーを
被覆する外側カバーとからなるスリーピースソリッドゴ
ルフボールで、前記核は一般的な組成物を使用して作ら
れており、前記内側カバーだけが、基材である有機高分
子物質１００重量部に対してα，β−エチレン性不飽和
カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重
量部とが混合されてなる組成物で作られているゴルフボ
ール。核と、前記核を被覆する内側カバーと、前記内側
カバーを被覆する外側カバーとからなるスリーピースソ
リッドゴルフボールで、前記核と内側カバーが全て、基
材である有機高分子物質１００重量部に対してα，β−
エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビ
スマス５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で作ら
れているゴルフボール。内核と前記内核を覆っている外
層からなる二重核と、前記二重核を被覆する内側カバー
と、前記内側カバーを被覆する外側カバーとからなるフ
ォーピースソリッドゴルフボールで、前記内核だけが、
基材である有機高分子物質１００重量部に対してα，β
−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸
ビスマス５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で作
られており、前記外層と内側カバーは一般的な組成物を
使用して作られているゴルフボール。内核と前記内核を
覆っている外層からなる二重核と、前記二重核を被覆す
る内側カバーと、前記内側カバーを被覆する外側カバー
とからなるフォーピースソリッドゴルフボールで、前記
内核と外層だけが、基材である有機高分子物質１００重
量部に対してα，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜
２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合さ
れてなる組成物で作られており、前記内側カバーは一般
的な組成物を使用して作られているゴルフボール。内核
と前記内核を覆っている外層からなる二重核と、前記二
重核を被覆する内側カバーと、前記内側カバーを被覆す
る外側カバーとからなるフォーピースソリッドゴルフボ
ールで、前記内核と外層と内側カバーが全て、基材であ
る有機高分子物質１００重量部に対してα，β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス
５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で作られてい
るゴルフボール。内核と前記内核を覆っている外層から
なる二重核と、前記二重核を被覆する内側カバーと、前
記内側カバーを被覆する外側カバーとからなるフォーピ
ースソリッドゴルフボールで、前記外層だけが、基材で
ある有機高分子物質１００重量部に対してα，β−エチ
レン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマ
ス５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で作られて
おり、前記内核と内側カバーは一般的な組成物を使用し
て作られているゴルフボール。内核と前記内核を覆って
いる外層からなる二重核と、前記二重核を被覆する内側
カバーと、前記内側カバーを被覆する外側カバーとから
なるフォーピースソリッドゴルフボールで、前記内核は
一般的な組成物を使用して作られており、前記外層と内
側カバーだけが、基材である有機高分子物質１００重量
部に対してα，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２
５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合され
てなる組成物で作られているゴルフボール。内核と前記
内核を覆っている外層からなる二重核と、前記二重核を
被覆する内側カバーと、前記内側カバーを被覆する外側
カバーとからなるフォーピースソリッドゴルフボール
で、前記内核と外層は一般的な組成物を使用して作られ
ており、前記内側カバーだけが、基材である有機高分子
物質１００重量部に対してα，β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量
部とが混合されてなる組成物で作られているゴルフボー
ル。核と、前記核を被覆する内側カバーと、前記内側カ
バーを被覆する中間層カバーと、前記中間層カバーを被
覆する外側カバーでできたフォーピースソリッドゴルフ
ボールで、前記核だけが、基材である有機高分子物質１
００重量部に対してα，β−エチレン性不飽和カルボン
酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが
混合されてなる組成物で作られており、前記内側カバー
と中間層カバーは一般的な組成物を使用して作られてい
るゴルフボール。核と、前記核を被覆する内側カバー
と、前記内側カバーを被覆する中間層カバーと、前記中
間層カバーを被覆する外側カバーでできたフォーピース
ソリッドゴルフボールで、前記核と内側カバーだけが、
基材である有機高分子物質１００重量部に対してα，β
−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸
ビスマス５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で作
られており、前記中間層カバーは一般的な組成物を使用
して作られているゴルフボール。核と、前記核を被覆す
る内側カバーと、前記内側カバーを被覆する中間層カバ
ーと、前記中間層カバーを被覆する外側カバーでできた
フォーピースソリッドゴルフボールで、前記核と内側カ
バーと中間層カバーが全て、基材である有機高分子物質
１００重量部に対してα，β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部と
が混合されてなる組成物で作られているゴルフボール。
核と、前記核を被覆する内側カバーと、前記内側カバー
を被覆する中間層カバーと、前記中間層カバーを被覆す
る外側カバーでできたフォーピースソリッドゴルフボー
ルで、前記内側カバーだけが、基材である有機高分子物
質１００重量部に対してα，β−エチレン性不飽和カル
ボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部
とが混合されてなる組成物で作られており、前記核と中
間層カバーは一般的な組成物を使用して作られているゴ
ルフボール。核と、前記核を被覆する内側カバーと、前
記内側カバーを被覆する中間層カバーと、前記中間層カ
バーを被覆する外側カバーでできたフォーピースソリッ
ドゴルフボールで、前記核は一般的な組成物を使用して
作られており、前記内側カバーと中間層カバーだけが、
基材である有機高分子物質１００重量部に対してα，β
−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸
ビスマス５〜５０重量部とが混合されてなる組成物で作
られているゴルフボール。核と、前記核を被覆する内側
カバーと、前記内側カバーを被覆する中間層カバーと、
前記中間層カバーを被覆する外側カバーでできたフォー
ピースソリッドゴルフボールで、前記核と内側カバーは
一般的な組成物を使用して作られており、前記中間層カ
バーだけが、基材である有機高分子物質１００重量部に
対してα，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重
量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合されてな
る組成物で作られているゴルフボール。

【００２１】

【実施例】

実施例１〜５および比較例１〜５核の製造表１に示した組成からなる配合物を、本文の核のところ
で説明したのと同じ方法により充分に混合した後、二本
ロールミルで細かく粉砕した後、プリフォーマーで適当
な大きさとし、金型の中で１７０℃で１５分間加熱して
硬化させ、図２、図４に示される内核を製造した。その
後、表１に示した組成で混合した配合物を、適当な大き
さとし、内核に外層を被覆させた後、再び１７０℃で１
５分間加熱して硬化させ、図２、図４に示される二重核
を製造した。一方、同じ方法で表１に示した組成からな
る配合物を金型の中で１７０℃で２０分間加熱して硬化
させ、図１、図３、図５に示される核を製造した。

【００２２】

【表１】

【００２３】カバーおよびゴルフボールの製造表１に示した組成からなる配合物を、本文の内側カバー
についての部分に記載したのと同じ方法で充分に混合し
た後、得られた組成物のペレットを乾燥機で６０℃の温
度で２０時間予備乾燥させ、射出成形機を使用して作ら
れた核上にカバーを被覆させて、図１のようなゴルフボ
ールを製造した。また、同じ方法で、表１に示した組成
の配合物のペレットを射出成形機を使用して作られた二
重核の上にカバーを被覆させて、図２のようなゴルフボ
ールを製造した。また、同じ方法で、表１に示した組成
の配合物で作られた核または二重核の上に内側カバーを
被覆させ、更に外側カバーを被覆させて、図３または図
４に示されるゴルフボールを製造した。また、表１に示
した組成の配合物の組成を同じ方法で順次被覆させて、
図５での三重カバーを被覆させたゴルフボールを製造し
た。表１に示した組成物の配合量は全て重量部である。
一方、表２に示した組成を有するゴルフボールを、前記
実施例と同じ方法にて比較例として製造した。ここに示
されている組成物の配合量は全て重量部である。

【００２４】

【表２】

【００２５】また、表１の実施例と表２の比較例から得
られたゴルフボールの特性についての比較評価の結果が
表３に示されている。表２記載の核に充填剤が添加され
ることによって、表２記載の全てのゴルフボールの重量
は、表１のゴルフボールの重量と同じになるように調整
した。

【００２６】

【表３】

【００２７】表３に示されるように、本発明によるα，
β−エチレン性不飽和カルボン酸と脂肪酸ビスマスを使
用して作られたゴルフボールは、一般的な組成で作った
普通のゴルフボールと比較してみた時、同じ有機高分子
物質を使用してゴルフボールを製造しても、スピン性能
が良く、飛距離も向上し、その触感も柔らかくて優秀な
ゴルフボールである。

【００２８】

【発明の効果】上記のようにして、本発明の組成物を使
用して製造されたゴルフボールは、普通のゴルフボール
と同一の有機高分子物質が使用されたものであるが、有
機高分子物質が大きなエネルギーを蓄積するようにして
その分子間の密度がより緻密で、しかも柔らかくなって
おり、普通のゴルフボールとは全く異なった、より大き
な飛距離を生み出すことが可能で、また柔らかさによっ
てスピンの性能も優れたゴルフボールである。また、核
にだけ本発明の組成を使用し、カバーには一般的な組成
を使用したゴルフボールを製造することもでき、反対
に、内側カバーにだけ本発明の組成を使用し、核は一般
的な組成を使用したゴルフボールを製造することもでき
る。また、スリーピースソリッドゴルフボール、フォー
ピースソリッドゴルフボール等の多層からなるゴルフボ
ールの各々の部位に本発明の組成物を適用する方法を変
えることにより、その性能が多様化し、その結果、特性
の異なった種々のゴルフボールを製造することが可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるツーピースソリッド（TWO PIECE
SOLID ）ゴルフボールで、一個の核に一個のカバーを被
覆させた構造のゴルフボールの断面図である。

【図２】本発明による二重核一カバー構造のスリーピー
スソリッド（THREE PIECE SOLID ）ゴルフボールの断面
図である。

【図３】本発明による一核二重カバー構造のスリーピー
スソリッド（THREE PIECE SOLID ）ゴルフボールの断面
図である。

【図４】本発明による二重核二重カバー構造のフォーピ
ースソリッド（FOUR PIECE SOLID）ゴルフボールの断面
図である。

【図５】本発明による一核三重カバー構造のフォーピー
スソリッド（FOUR PIECE SOLID）ゴルフボールの断面図
である。

【符号の説明】

１ａ、３ａ、５ｅ核１ｂ、２ｃカバー２ａ、４ａ内核２ｂ、４ｂ外層３ｂ、４ｃ、５ｂ内側カバー３ｃ、４ｄ、５ｄ外側カバー５ｃ中間層カバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特公昭59−26310（ＪＰ，Ｂ２) 特公平６−49088（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A63B 37/04 - 47/04

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】核と前記核を被覆するカバーとから成る
ツーピースソリッドゴルフボールであって、前記核が、
その基材となる有機高分子物質１００重量部に対して
α，β−エチレン性不飽和カルボン酸３〜２５重量部と
脂肪酸ビスマス５〜５０重量部とが混合されてなる組成
物で作られており、しかも、前記脂肪酸ビスマスの分解
によって生じた脂肪酸を利用してゴムの柔軟性が向上
し、ビスマスが凝固しながら膨張を起こすことによって
ビスマスの周囲の高分子物質の分子構造が緻密化されて
いることを特徴とするゴルフボール。
【請求項２】内核と前記内核を被覆する外層とからな
る二重核と、前記二重核を被覆するカバーでできたスリ
ーピースソリッドゴルフボールであって、前記内核と外
層の少なくとも一方が、その基材となる有機高分子物質
１００重量部に対してα，β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部と
が混合されてなる組成物で作られており、しかも、前記
脂肪酸ビスマスの分解によって生じた脂肪酸を利用して
ゴムの柔軟性が向上し、ビスマスが凝固しながら膨張を
起こすことによってビスマスの周囲の高分子物質の分子
構造が緻密化されていることを特徴とするゴルフボー
ル。
【請求項３】核と、前記核を被覆する内側カバーと、
前記内側カバーを被覆する外側カバーとからなるスリー
ピースソリッドゴルフボールであって、前記核と内側カ
バーの少なくとも一方が、その基材となる有機高分子物
質１００重量部に対してα，β−エチレン性不飽和カル
ボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜５０重量部
とが混合されてなる組成物で作られており、しかも、前
記脂肪酸ビスマスの分解によって生じた脂肪酸を利用し
てゴムの柔軟性が向上し、ビスマスが凝固しながら膨張
を起こすことによってビスマスの周囲の高分子物質の分
子構造が緻密化されていることを特徴とするゴルフボー
ル。
【請求項４】内核と前記内核を覆っている外層からな
る二重核と、前記二重核を被覆する内側カバーと、前記
内側カバーを被覆する外側カバーとからなるフォーピー
スソリッドゴルフボールであって、前記内核と外層と内
側カバーのうちの少なくとも一つが、その基材となる有
機高分子物質１００重量部に対してα，β−エチレン性
不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜
５０重量部とが混合されてなる組成物で作られており、
しかも、前記脂肪酸ビスマスの分解によって生じた脂肪
酸を利用してゴムの柔軟性が向上し、ビスマスが凝固し
ながら膨張を起こすことによってビスマスの周囲の高分
子物質の分子構造が緻密化されていることを特徴とする
ゴルフボール。
【請求項５】核と、前記核を被覆する内側カバーと、
前記内側カバーを被覆する中間層カバーと、前記中間層
カバーを被覆する外側カバーでできたフォーピースソリ
ッドゴルフボールであって、前記核と内側カバーと中間
層カバーのうちの少なくとも一つが、その基材となる有
機高分子物質１００重量部に対してα，β−エチレン性
不飽和カルボン酸３〜２５重量部と脂肪酸ビスマス５〜
５０重量部とが混合されてなる組成物で作られており、
しかも、前記脂肪酸ビスマスの分解によって生じた脂肪
酸を利用してゴムの柔軟性が向上し、ビスマスが凝固し
ながら膨張を起こすことによってビスマスの周囲の高分
子物質の分子構造が緻密化されていることを特徴とする
ゴルフボール。