JP3214904B2 - 1,3−プロパンジオール誘導体の製造法 - Google Patents
1,3−プロパンジオール誘導体の製造法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2−ヒドロキシメチル−
2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとニトロメタン
を出発原料として高品質の2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールを高収率で製造する方法に関
する。2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ
ールはプロノポールという名称で現在多種の産業用薬剤
に使用されている。この化合物の有用性は以下に示す如
く多くの製法特許出願がなされていることからも窺い知
ることができよう。
2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとニトロメタン
を出発原料として高品質の2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールを高収率で製造する方法に関
する。2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ
ールはプロノポールという名称で現在多種の産業用薬剤
に使用されている。この化合物の有用性は以下に示す如
く多くの製法特許出願がなされていることからも窺い知
ることができよう。
【0002】
【従来の技術】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロ
パンジオールの製造法としては、ニトロメタンとホルム
アルデヒドを付加反応させ次いで生成物を臭素化して製
造する方法が知られている。具体的には、 1)ニトロメタンとホルムアルデヒドを無水アルコール
中でアルカリ金属アルコラートの存在下に付加反応さ
せ、生成するニトロアルコールのアルカリ塩を分離した
後、無極性溶媒中で臭素化する方法[ヘミッシェ・ベリ
ヒテ(Chemische Berichte)第56巻、第611頁(19
23)]。 2)ニトロメタンとホルムアルデヒドを水溶液中でアル
カリ土類金属塩化合物とアルカリ土類金属の水酸化物の
存在下に付加させ、生成するニトロアルコールの金属塩
を分離することなく臭素化する方法(西独特許出願公開
第1768976号及び第1804068号公報)。 3)ニトロメタンとホルムアルデヒドを水溶液中でアル
カリ土類金属水酸化物の存在下に付加させ次いで臭素化
する方法(特開昭48−72108号公報)。 4)ニトロメタンとホルムアルデヒドを水溶液中で化学
当量の水酸化アルカリの存在下に付加させ次いで臭素化
する方法(特公昭49−20761号及び特公昭50−
7577号公報)。 5)ニトロメタンとホルムアルデヒドをアルカリ土類金
属塩化物とアルカリ土類金属の水酸化物の存在下で付加
させるに当り、アルカリ又はアルカリ土類金属水酸化物
の量を1.3〜1.4モルの範囲で過剰に使用し、アル
デヒド結合数の多い副生成物すなわち2−ヒドロキシメ
チル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの生成を
抑制する方法(特開昭49−70911号公報)。 6)ニトロメタンとホルムアルデヒドを炭酸アルカリの
存在下に付加させ次いで臭素化する方法(特開昭52−
3011号公報)。 7)ニトロメタンとホルムアルデヒドをアルカリの存在
下に含水メタノール又は含水エタノール中で付加させ次
いで臭素化する方法(特開昭57−2242号公報)。 8)ニトロメタンとホルムアルデヒドをアルカリの存在
下にアルカンポリオールを溶媒として用いて付加させ次
いで臭素化する方法(特開昭56−113745号公
報)。 9)ニトロメタンとホルムアルデヒドを付加させたニト
ロアルコール体を臭素化塩素又は臭素と塩素で臭素化す
る方法(ポーランド特許第100819号公報及びチェ
コスロバキア特許第243669号公報)。
パンジオールの製造法としては、ニトロメタンとホルム
アルデヒドを付加反応させ次いで生成物を臭素化して製
造する方法が知られている。具体的には、 1)ニトロメタンとホルムアルデヒドを無水アルコール
中でアルカリ金属アルコラートの存在下に付加反応さ
せ、生成するニトロアルコールのアルカリ塩を分離した
後、無極性溶媒中で臭素化する方法[ヘミッシェ・ベリ
ヒテ(Chemische Berichte)第56巻、第611頁(19
23)]。 2)ニトロメタンとホルムアルデヒドを水溶液中でアル
カリ土類金属塩化合物とアルカリ土類金属の水酸化物の
存在下に付加させ、生成するニトロアルコールの金属塩
を分離することなく臭素化する方法(西独特許出願公開
第1768976号及び第1804068号公報)。 3)ニトロメタンとホルムアルデヒドを水溶液中でアル
カリ土類金属水酸化物の存在下に付加させ次いで臭素化
する方法(特開昭48−72108号公報)。 4)ニトロメタンとホルムアルデヒドを水溶液中で化学
当量の水酸化アルカリの存在下に付加させ次いで臭素化
する方法(特公昭49−20761号及び特公昭50−
7577号公報)。 5)ニトロメタンとホルムアルデヒドをアルカリ土類金
属塩化物とアルカリ土類金属の水酸化物の存在下で付加
させるに当り、アルカリ又はアルカリ土類金属水酸化物
の量を1.3〜1.4モルの範囲で過剰に使用し、アル
デヒド結合数の多い副生成物すなわち2−ヒドロキシメ
チル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの生成を
抑制する方法(特開昭49−70911号公報)。 6)ニトロメタンとホルムアルデヒドを炭酸アルカリの
存在下に付加させ次いで臭素化する方法(特開昭52−
3011号公報)。 7)ニトロメタンとホルムアルデヒドをアルカリの存在
下に含水メタノール又は含水エタノール中で付加させ次
いで臭素化する方法(特開昭57−2242号公報)。 8)ニトロメタンとホルムアルデヒドをアルカリの存在
下にアルカンポリオールを溶媒として用いて付加させ次
いで臭素化する方法(特開昭56−113745号公
報)。 9)ニトロメタンとホルムアルデヒドを付加させたニト
ロアルコール体を臭素化塩素又は臭素と塩素で臭素化す
る方法(ポーランド特許第100819号公報及びチェ
コスロバキア特許第243669号公報)。
【0003】2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1,
3−プロパンジオールからの製造法としては、 10)2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1,3−プ
ロパンジオールとケトン又はアルデヒド類とを反応させ
て閉環体のジオキサン類を製造し、さらにヒドロキシメ
チル基を臭素に変換した後、酸で開環する方法(米国特
許第4851588号明細書)。 11)2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1,3−プ
ロパンジオールを水酸化カリウムの存在下に臭素化し、
2−ブロモ−2,2−ジニトロメタンのカリウム塩を製
造する際に2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパン
ジオールが副生することが知られている(ヘミッシェ・
ベリヒテ第57B、2127(1924年))。 12)前記反応5)において、副生成物として2−ヒド
ロキシメチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール
が生成し、これはさらに過剰のアルカリの存在下で臭素
化することにより2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プ
ロパンジオールが製造できることが示唆されている(特
開昭49−70911号公報)。
3−プロパンジオールからの製造法としては、 10)2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1,3−プ
ロパンジオールとケトン又はアルデヒド類とを反応させ
て閉環体のジオキサン類を製造し、さらにヒドロキシメ
チル基を臭素に変換した後、酸で開環する方法(米国特
許第4851588号明細書)。 11)2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1,3−プ
ロパンジオールを水酸化カリウムの存在下に臭素化し、
2−ブロモ−2,2−ジニトロメタンのカリウム塩を製
造する際に2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパン
ジオールが副生することが知られている(ヘミッシェ・
ベリヒテ第57B、2127(1924年))。 12)前記反応5)において、副生成物として2−ヒド
ロキシメチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール
が生成し、これはさらに過剰のアルカリの存在下で臭素
化することにより2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プ
ロパンジオールが製造できることが示唆されている(特
開昭49−70911号公報)。
【0004】さらに他の製造法としては、 13)ニトロメタンを臭素化し次いでホルムアルデヒド
と反応させる方法(特開平1−132549号公報)が
知られている。
と反応させる方法(特開平1−132549号公報)が
知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く多くの製法
が提案されているが、ニトロメタンとホルムアルデヒド
の付加反応は、塩基の存在下で非常に急激に起こり、そ
の反応熱のため反応はさらに激しいものとなり、工業的
に大規模で行うには反応制御の問題が生じるのが現状で
ある。また、ニトロメタンを臭素化する方法は、ジブロ
モ体及びトリブロモ体が混在し最終製品の品質に問題が
生じる。2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−1,3
−プロパンジオールを原料とする反応においては、ジオ
キサン中間体を経由する反応は工程数が多く工業的に不
向きである。また、過剰のアルカリを使用する場合に
は、生成物がアルカリに不安定なため品質に問題が生じ
る。さらに副生成物であるホルムアルデヒドの混入も品
質を低下させる原因となる。このように従来の製造方法
は工業的に大規模で実施する方法として必ずしも満足し
得るものではない。
が提案されているが、ニトロメタンとホルムアルデヒド
の付加反応は、塩基の存在下で非常に急激に起こり、そ
の反応熱のため反応はさらに激しいものとなり、工業的
に大規模で行うには反応制御の問題が生じるのが現状で
ある。また、ニトロメタンを臭素化する方法は、ジブロ
モ体及びトリブロモ体が混在し最終製品の品質に問題が
生じる。2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−1,3
−プロパンジオールを原料とする反応においては、ジオ
キサン中間体を経由する反応は工程数が多く工業的に不
向きである。また、過剰のアルカリを使用する場合に
は、生成物がアルカリに不安定なため品質に問題が生じ
る。さらに副生成物であるホルムアルデヒドの混入も品
質を低下させる原因となる。このように従来の製造方法
は工業的に大規模で実施する方法として必ずしも満足し
得るものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の工
業的に実施する際の問題点を解決すべく鋭意研究を重ね
た結果、2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−1,3
−プロパンジオールとニトロメタンの混合溶液を出発原
料としてアルカリの存在下臭素化することにより、高純
度の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオー
ルが高収率で得られることを見出し、この知見に基づき
本発明をなすに至った。
業的に実施する際の問題点を解決すべく鋭意研究を重ね
た結果、2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−1,3
−プロパンジオールとニトロメタンの混合溶液を出発原
料としてアルカリの存在下臭素化することにより、高純
度の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオー
ルが高収率で得られることを見出し、この知見に基づき
本発明をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明は2−ヒドロキシメチル
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールに対し、0.
45倍モル以上0.6倍モル以下のニトロメタンを含有
する液をアルカリの存在下臭素化して2−ブロモ−2−
ニトロ−1,3−プロパンジオールを得ることを特徴と
する1,3−プロパンジオール誘導体の製造法を提供す
るものである。本発明の反応は次式で示される。
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールに対し、0.
45倍モル以上0.6倍モル以下のニトロメタンを含有
する液をアルカリの存在下臭素化して2−ブロモ−2−
ニトロ−1,3−プロパンジオールを得ることを特徴と
する1,3−プロパンジオール誘導体の製造法を提供す
るものである。本発明の反応は次式で示される。
【0008】
【化1】
【0009】すなわち、理論量では、2−ヒドロキシル
メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール2モル
に対してニトロメタン1モル、臭素3モル、アルカリ3
モルの割合で用いられる。目的生成物の2−ブロモ−2
−ニトロ−1,3−プロパンジオールは3モル生成する
訳である。実際の反応では、各成分は理論モル量の90
〜110%の範囲内で使用できる。好ましい反応モル比
をあげると、2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオール1モルに対し、ニトロメタン
は0.45〜0.55モル、臭素は1.35〜1.65
モル、アルカリは1.35〜1.65モルである。
メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール2モル
に対してニトロメタン1モル、臭素3モル、アルカリ3
モルの割合で用いられる。目的生成物の2−ブロモ−2
−ニトロ−1,3−プロパンジオールは3モル生成する
訳である。実際の反応では、各成分は理論モル量の90
〜110%の範囲内で使用できる。好ましい反応モル比
をあげると、2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオール1モルに対し、ニトロメタン
は0.45〜0.55モル、臭素は1.35〜1.65
モル、アルカリは1.35〜1.65モルである。
【0010】本発明方法の実施例に当り、操作は通常2
段に行われる。第1段では、2−ヒドロキシルメチル−
2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとニトロメタン
の混合溶液にアルカリを添加する。この第1段の操作は
造塩処理であり、2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ
−1,3−プロパンジオールとニトロメタンを水−アル
コール系混合溶媒に加え、次にアルカリ金属あるいはア
ルカリ土類金属水酸化物を添加することにより行われ
る。該水酸化物は、具体的には水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等であ
り、水溶性のものは水溶液の形で、難溶性のものはその
まま少量ずつ添加する。アルコール系混合溶媒のアルコ
ールとしては、メタノール、エタノールが用いられる。
そのアルコール濃度は10〜90%、好ましくは30〜
50%である。第1段の操作の温度は−10〜50℃、
好ましくは0〜10℃である。
段に行われる。第1段では、2−ヒドロキシルメチル−
2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとニトロメタン
の混合溶液にアルカリを添加する。この第1段の操作は
造塩処理であり、2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ
−1,3−プロパンジオールとニトロメタンを水−アル
コール系混合溶媒に加え、次にアルカリ金属あるいはア
ルカリ土類金属水酸化物を添加することにより行われ
る。該水酸化物は、具体的には水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等であ
り、水溶性のものは水溶液の形で、難溶性のものはその
まま少量ずつ添加する。アルコール系混合溶媒のアルコ
ールとしては、メタノール、エタノールが用いられる。
そのアルコール濃度は10〜90%、好ましくは30〜
50%である。第1段の操作の温度は−10〜50℃、
好ましくは0〜10℃である。
【0011】次に第2段の操作として臭素化を行う。こ
の反応は第1段の反応液から生成物を単離することな
く、そのまま臭素を添加することにより、1ポットにて
行うことができる。第2段の臭素化反応温度は−10〜
50℃、好ましくは0〜10℃である。この反応で、ニ
トロメタンが少なく、臭素が過剰の場合は、2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールがさらに臭素
化された2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールが副
生し、ニトロメタンが過剰で、臭素が少ない場合は、2
−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの収
率が低下する。
の反応は第1段の反応液から生成物を単離することな
く、そのまま臭素を添加することにより、1ポットにて
行うことができる。第2段の臭素化反応温度は−10〜
50℃、好ましくは0〜10℃である。この反応で、ニ
トロメタンが少なく、臭素が過剰の場合は、2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールがさらに臭素
化された2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールが副
生し、ニトロメタンが過剰で、臭素が少ない場合は、2
−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの収
率が低下する。
【0012】本発明の反応においては、2−ヒドロキシ
ルメチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの臭
素化により生成するホルムアルデヒドはニトロメタンに
て捕捉され、さらにこのものも目的物である2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールに変換され
る。従って副生成物であるホルムアルデヒドは有効利用
され、高純度の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロ
パンジオールが得られる。また、本発明の反応は、ニト
ロメタンとホルマリンのアルカリによる反応のように激
烈ではなく、従って臭素の添加速度等を調節することに
より容易に反応を制御することができる。アルカリ及び
臭素化剤を理論量使用した場合には、反応終了時に反応
液はほぼ中性となる。しかし、アルカリ及び臭素化剤の
使用によりアルカリ性で反応が終了した場合には、さら
に無機酸を添加し中和する必要がある。無機酸としては
塩酸、硫酸及びリン酸等が挙げられる。かくして得られ
た反応液から常法に従い2−ブロモ−2−ニトロ−1,
3−プロパンジオールを単離することができる。すなわ
ち、反応液を10〜25%容量まで濃縮し冷却後結晶を
濾集し乾燥することにより、高収率で高純度の2−ブロ
モ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを得ること
ができる。
ルメチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの臭
素化により生成するホルムアルデヒドはニトロメタンに
て捕捉され、さらにこのものも目的物である2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールに変換され
る。従って副生成物であるホルムアルデヒドは有効利用
され、高純度の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロ
パンジオールが得られる。また、本発明の反応は、ニト
ロメタンとホルマリンのアルカリによる反応のように激
烈ではなく、従って臭素の添加速度等を調節することに
より容易に反応を制御することができる。アルカリ及び
臭素化剤を理論量使用した場合には、反応終了時に反応
液はほぼ中性となる。しかし、アルカリ及び臭素化剤の
使用によりアルカリ性で反応が終了した場合には、さら
に無機酸を添加し中和する必要がある。無機酸としては
塩酸、硫酸及びリン酸等が挙げられる。かくして得られ
た反応液から常法に従い2−ブロモ−2−ニトロ−1,
3−プロパンジオールを単離することができる。すなわ
ち、反応液を10〜25%容量まで濃縮し冷却後結晶を
濾集し乾燥することにより、高収率で高純度の2−ブロ
モ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを得ること
ができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。本実施例においては、純度はガスクロマト
グラフィーにより測定した。 ガスクロマトグラフィーの条件 装置:FID検出器付きガスクロマトグラフ カラム:ガラスカラム長さ1.5M 充填剤:液相 シリコンGE−XE60 3% 担体 クロモソルブW AW−DMGS 60〜80me
sh カラム槽温度:140℃ キャリヤーガス:窒素 55ml/min
に説明する。本実施例においては、純度はガスクロマト
グラフィーにより測定した。 ガスクロマトグラフィーの条件 装置:FID検出器付きガスクロマトグラフ カラム:ガラスカラム長さ1.5M 充填剤:液相 シリコンGE−XE60 3% 担体 クロモソルブW AW−DMGS 60〜80me
sh カラム槽温度:140℃ キャリヤーガス:窒素 55ml/min
【0014】実施例1 2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−1,3−プロパ
ンジオールの50%水溶液151.0g(0.5モル)
とニトロメタン15.3g(0.25モル)をメタノー
ル100gと水45gの混合溶液に加え、さらに氷冷下
5〜10℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液61.3
g(0.74モル)を滴下した。添加終了後同温度にて
1時間撹拌し、次に臭素118.4g(0.74モル)
を0〜5℃で滴下した。再び同温度にて1時間撹拌し
た。その後濃塩酸にてpH1に調整し、約1/5容量ま
で減圧下に濃縮した。この溶液を冷却し結晶を濾集し乾
燥すると、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパン
ジオールを融点130〜130.5℃の白色結晶として
89.6g(純度99.2%、収率89.3%)を得
た。
ンジオールの50%水溶液151.0g(0.5モル)
とニトロメタン15.3g(0.25モル)をメタノー
ル100gと水45gの混合溶液に加え、さらに氷冷下
5〜10℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液61.3
g(0.74モル)を滴下した。添加終了後同温度にて
1時間撹拌し、次に臭素118.4g(0.74モル)
を0〜5℃で滴下した。再び同温度にて1時間撹拌し
た。その後濃塩酸にてpH1に調整し、約1/5容量ま
で減圧下に濃縮した。この溶液を冷却し結晶を濾集し乾
燥すると、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパン
ジオールを融点130〜130.5℃の白色結晶として
89.6g(純度99.2%、収率89.3%)を得
た。
【0015】実施例2 2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−1,3−プロパ
ンジオールの50%水溶液75.5g(0.25モル)
とニトロメタン7.6g(0.125モル)をエタノー
ル40gと水40gの混合溶液に加え、さらに氷冷下5
〜15℃にて水酸化カルシウム14.1g(0.19モ
ル)を少量ずつ添加した。さらに同温度にて2時間撹拌
し、次いで臭素60.0g(0.375モル)を0〜5
℃にて滴下した。再び同温度にて1時間撹拌した。その
後実施例1と同様に処理し2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールを白色結晶として61.2g
(純度99.0%、収率81.0%)を得た。
ンジオールの50%水溶液75.5g(0.25モル)
とニトロメタン7.6g(0.125モル)をエタノー
ル40gと水40gの混合溶液に加え、さらに氷冷下5
〜15℃にて水酸化カルシウム14.1g(0.19モ
ル)を少量ずつ添加した。さらに同温度にて2時間撹拌
し、次いで臭素60.0g(0.375モル)を0〜5
℃にて滴下した。再び同温度にて1時間撹拌した。その
後実施例1と同様に処理し2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールを白色結晶として61.2g
(純度99.0%、収率81.0%)を得た。
【0016】比較例1 2−ヒドロキシルメチル−2−ニトロ−1,3−プロパ
ンジオールの50%水溶液75.5g(0.25モル)
に水150gを加え、氷冷下0〜5℃にて50%水酸化
カリウム88.6g(0.79モル)を少量ずつ添加し
た。さらに同温度にて2時間撹拌し、次に臭素125g
(0.78モル)を0〜5℃にて滴下した。再び同温度
にて1時間撹拌した。反応液をトルエン100mlにて
2回抽出し、減圧下溶媒を留去し、オイル62gを得
た。このオイルには、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3
−プロパンジオールは認められなかった。さらに抽出後
の水層には0.4g(収率0.7%)の2−ブロモ−2
−ニトロ−1,3−プロパンジオールが検出されたのみ
であった。(Chemische Berichte 57B、2127(1
924年)の追試)。
ンジオールの50%水溶液75.5g(0.25モル)
に水150gを加え、氷冷下0〜5℃にて50%水酸化
カリウム88.6g(0.79モル)を少量ずつ添加し
た。さらに同温度にて2時間撹拌し、次に臭素125g
(0.78モル)を0〜5℃にて滴下した。再び同温度
にて1時間撹拌した。反応液をトルエン100mlにて
2回抽出し、減圧下溶媒を留去し、オイル62gを得
た。このオイルには、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3
−プロパンジオールは認められなかった。さらに抽出後
の水層には0.4g(収率0.7%)の2−ブロモ−2
−ニトロ−1,3−プロパンジオールが検出されたのみ
であった。(Chemische Berichte 57B、2127(1
924年)の追試)。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、比較的コストの
低廉で入手しやすい2−ヒドロキシルメチル−2−ニト
ロ−1,3−プロパンジオールとニトロメタンを原料に
して、高収率でかつ高純度の2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールを得ることができる。また、
反応も急激に進むこともなく薬剤の添加速度等により容
易に制御することができ、工業的に大規模に実施する方
法として極めて好適である。
低廉で入手しやすい2−ヒドロキシルメチル−2−ニト
ロ−1,3−プロパンジオールとニトロメタンを原料に
して、高収率でかつ高純度の2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールを得ることができる。また、
反応も急激に進むこともなく薬剤の添加速度等により容
易に制御することができ、工業的に大規模に実施する方
法として極めて好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 205/26 C07C 201/12
Claims (1)
- 【請求項1】 2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−
1,3−プロパンジオールに対し、0.45倍モル以上
0.6倍モル以下のニトロメタンを含有する液をアルカ
リの存在下臭素化して2−ブロモ−2−ニトロ−1,3
−プロパンジオールを得ることを特徴とする1,3−プ
ロパンジオール誘導体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18281992A JP3214904B2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 1,3−プロパンジオール誘導体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18281992A JP3214904B2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 1,3−プロパンジオール誘導体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH061756A JPH061756A (ja) | 1994-01-11 |
JP3214904B2 true JP3214904B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=16125015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18281992A Expired - Fee Related JP3214904B2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 1,3−プロパンジオール誘導体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3214904B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020008330A (ko) * | 2000-07-21 | 2002-01-30 | 이재규 | 2-브로모-2-나이트로-1,3-프로판디올의 제조방법 |
ATE555076T1 (de) * | 2008-02-28 | 2012-05-15 | Bromine Compounds Ltd | Verfahren zur herstellung von bronopol |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP18281992A patent/JP3214904B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH061756A (ja) | 1994-01-11 |
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