JP3213646B2 - 空気調和装置の室内ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ヒ−タが内蔵された
空気調和装置の室内ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】空気調和装置の室内ユニットには、従来
より、図６に示されるように本体１の前面および上部に
設けた吸込口２と前面下部に設けた吹出口３とを連通す
る風路４に、上流側から室内側熱交換器５、横流ファン
６（室内ファン）を設けた構造が採用されている。そし
て、横流ファン６の運転にて、室内空気を風路４へ送
り、室内側熱交換器５で熱交換した後の冷風、温風とな
った室内空気を吹出口３から室内へ吹出している。

【０００３】この室内ユニットには、図７に示されるよ
うに室内側熱交換器５と横流ファン６の吸込側との間の
風路部分に電気式のヒ−タ、例えばセラミックヒ−タ７
を設け、さらにヒ−タ７と室内側熱交換器５との間に遮
熱板８（ヒ−タ熱で室内側熱交換器５が不用意に加熱さ
れないようにするためのもの）を設けたもの。またセラ
ミックヒ−タ７だけで、遮熱板８が無いものがある。

【０００４】このようなセラミックヒ−タ７の設置とし
ては、図８に示されるように押え片１１を用いて、風路
４の後部の壁面４ａに取付けた反射板１０（ベ−ス板を
兼ねる）の両端部の台部１０ａに、電線７ａを挟持する
ことにより、風路４に支持させることが行われている。
遮熱板８が在る場合は、これに加え、反射板１０に遮熱
板８を脚８ａを介して取付けている。

【０００５】そして、セラミックヒ−タ７にて風路４を
流れる空気を加熱して、除霜運転時の暖房補助をした
り、除湿運転時の室温の低下を防止したり、暖房立上り
時の補助暖房をしたり、暖房運転時の最大能力を向上さ
せたりしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にして風路４に設置したセラミックヒ−タ７は、風路４
を流れる空気に対して通風抵抗物となるので、実質、風
路４を狭める。

【０００７】しかも、横流ファン６の吸込み側の空気流
を大きく乱してしまう。特に、セラミックヒ−タ７の後
流側やセラミックヒ−タ７と風路４ａの壁面との間の領
域では空気流が激しく乱れ、この乱れたまま横流ファン
４を通過して、吹出口２から吹出される。それ故、空気
流が乱れたことによって吹出風量が減少したり、騒音が
増大する問題があった。

【０００８】特に、これはセラミックヒ−タ７の表面に
空気がより多く当たり、セラミックヒ−タ７の付近にお
ける単位当たりの空気流量が多くなるといった、高い伝
熱性能をもたらす地点で顕著に表れるので、セラミック
ヒ−タ７の設置位置に制約を生じてしまい、セラミック
ヒ−タ７の伝熱性能を発揮できない不具合があった。

【０００９】この発明は、このような事情に着目してな
されたもので、その目的とするところは、ヒ−タの設置
による風量の低下および騒音の増加を防ぐと同時に、ヒ
−タの伝熱性能を向上させることができる空気調和装置
の室内ユニットを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１に記載の空気調和装置は、室内側熱交換器と
横流ファンの吸込側との間の風路部分に設けたヒータお
よび遮熱板のうちの少なくも前記ヒータの外形を横流フ
ァンの吸込流に対応した翼形状に構成し、このヒータを
該ヒータから反射板の反射面へ向かって突き出る第１の
脚を介して風路の壁面に設けた反射板に取付け、前記遮
熱板を該遮熱板から反射板の反射面へ向かって突き出る
第２の脚を介して前記反射板に取付けたことにある。

【００１１】

【００１２】

【作用】請求項１に記載の室内ユニットによると、横流
ファンの運転にしたがい吸込口から吸込まれた室内空気
は、室内側熱交換器と熱交換した後、ヒ−タ、遮熱板を
経て、吹出口から吹出される。このとき、ヒ−タの外形
は、横流ファンの吸込流を案内するような翼形状である
から、ヒ−タの存在によって、風路を流れる空気流は良
好となる。これにより、横流ファンの送風量は増加す
る。また空気流の乱れは少ないから、空気流の乱れを原
因とした騒音は減少する。

【００１３】これは、空気がより多く当たり、単位当た
りの空気流量が多くなる風路の地点でも維持されるか
ら、ヒータの設置場所の位置の制約は少なくてすみ、ヒ
ータの伝熱性を十分に発揮させることが可能となる。し
かも、脚を用いて、ヒータおよび遮熱板を反射板に取付
ける構造により、風路の壁面側、室内側熱交換器への熱
的影響が防止されるだけでなく、ヒータと風路の壁面、
遮熱板とヒータとの間隔を適切に維持できる。そのう
え、ヒータの取付けが容易になり、ヒータの取付性の向
上が図れる。

【００１４】請求項２に記載の室内ユニットによると、
請求項１のときと同じく、ヒ−タの外形は、横流ファン
の吸込流を案内するような翼形状であるから、ヒ−タの
存在によって、風路を流れる空気流は良好となり、請求
項１で述べたのと同じ作用をもたらす。

【００１５】

【実施例】以下、この発明を図１および図２に示す第１
の実施例にもとづいて説明する。但し、室内ユニットの
全体の構成は、先の「従来の技術」の項で示した図７と
同じなので、その説明を省略し、この項では異なる構造
（発明の要部）について説明することにする。本実施例
は、ヒ−タ回りの構造が異なっている。

【００１６】すなわち、図１中、２０は帯板状に構成さ
れたセラミックヒ−タ（この発明のヒ−タに相当）であ
る。このセラミックヒ−タ２０は、横流ファン６の吸込
側において空気がより多くあたり、単位当たりの空気流
量が多くなる風路４の地点に、同風路４の幅方向に渡っ
て配置されている。このセラミックヒ−タ２０は、図２
にも示されるように外形が横流ファン６の吸込流になら
って曲成した翼形状に形成されている。

【００１７】そして、このセラミックヒータ２０は、図
２に示されるように両端部から風路４の後部側の壁面４
ａに向かって突き出る脚２１，２１（第１の脚）を介し
て、同セラミックヒータ２０と対向する壁面４ａの部分
に設けてある帯状の反射板２２に固定されている。これ
にて、高い伝熱性をもたらす地点に、反射板２２の反射
面へ向かって突き出る脚２１，２１を用いて、セラミッ
クヒータ２０を反射板２２に据付けている。

【００１８】このセラミックヒータ２０の前方上部とこ
れに対向する室内側熱交換器５の吹出部分との間には、
両者を遮るようにして、帯板状に形成された遮熱板２３
が配設されている。この遮熱板２３は、裏面に突設され
た反射板２２の反射面へ向かって突き出る脚２３ａ，２
３ａ（第２の脚）を介して、反射板２２に取付けられて
いて、室内側熱交換器５に対してヒータ熱が不用意に影
響しないよう遮熱している。なお、２４はセラミックヒ
ータ２０に通電するための電線を示す。つぎに、このよ
うに構成された室内ユニットの作用について説明する。

【００１９】例えばセラミックヒ−タ２０を併用した暖
房運転を行うときは、室内側熱交換器５を凝縮器とした
暖房サイクルを構成し、横流ファン６を運転し、セラミ
ックヒ−タ７を通電によって発熱させる。

【００２０】すると、吸込口２から風路４に室内空気が
取込まれる。この室内空気は、室内側熱交換器５を通過
するときに熱交換し、さらにセラミックヒ−タ２０の通
過するときに伝熱によって加熱され、温風となる。そし
て、この温風が吹出口３から本体１の下方へ吹出され
る。

【００２１】このとき、セラミックヒ−タ２０の外形
は、横流ファン６の吸込流を案内するような翼形状であ
る。具体的には、セラミックヒ−タ２０は、室内側熱交
換器５から横流ファン６の吸込側へ流れる空気の流れに
ならう、略円弧状の断面をもつ翼形をなしている。この
ことは、セラミックヒ−タ２０の存在によって、風路４
を流れる空気流は良好になる。これにより、横流ファン
６の送風量は増加し、その分、空調能力を増加させるこ
とができる。しかも、セラミックヒ−タ２０を原因とし
た空気流の乱れは少なくなり、空気流の乱れによる騒音
を減少できる。

【００２２】そのうえ、こうした効果は、空気がより多
く当たり、単位当たりの空気流量が多くなる風路の地点
でも得ることができるから、セラミックヒータ２０の設
置位置に対する制約は少なく、セラミックヒータ２０の
伝熱性能を十分に発揮させることができ。加えて、セラ
ミックヒータ２０および遮熱板２３は、脚２１，２３ａ
を用いて、反射板２２に取付けるようにしたので、風路
４の壁面４ａ側、室内側熱交換器５への熱的影響が防止
されるだけでなく、セラミックヒータ２０と風路４の壁
面４ａ、遮熱板２３とセラミックヒータ２０との間隔が
適切に維持できる。そのうえ、セラミックヒータ２０の
取付けが容易になり、同ヒータの取付性が図れる。

【００２３】すなわち、ヒ−タ２６は、外形を横流ファ
ン６の吸込流に対応した翼形状に形成してなる帯状の基
板２７の表面に、例えば塗布によって面状発熱体２５を
設けて構成される。このようなヒ−タ２６でも、第１の
実施例と同様な効果を奏する。図４および図５は、この
発明の第３の実施例を示す。本実施例は、セラミック２
０、ヒ−タ２６だけでなく、遮熱板８も横流ファン６の
吸込流に対応する翼形状に形成したものである。このよ
うにすると、遮熱板８を原因に生じる空気流の乱れも減
少させることができるから、一層、送風量の増加、騒音
の低減が図れる。

【００２４】なお、上述したいずれの実施例もセラミッ
クヒ−タ２０、遮熱板８を有する室内ユニットにこの発
明を適用したが、セラミックヒ−タ２０だけを有する室
内ユニットに適用してもよい。

【００２５】この例が図６に第４の実施例として示され
ている。本実施例は、上記第１の実施例と同様にセラミ
ックヒ−タの外形を横流ファン６の吸込流に対応する翼
形状に形成したもので、この場合でも第１の実施例と同
様な効果を奏する。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように請求項１に記載の発
明によれば、ヒータの存在によって風路を流れる空気流
を良好にすることができる。したがって、ヒータの設置
を原因とした風景の低下を防ぐことができる。しかも、
ヒータによる空気流の乱れを原因とした騒音の発生を防
ぐことができる。そのうえ、ヒータの設置位置に対する
制約は少なく、ヒータの伝熱性能を十分に発揮させるこ
とができる。さらに脚を用いて、ヒータおよび遮熱板を
反射板に取付ける構造により、風路の壁面側、室内側熱
交換器への熱的影響を防止できるだけでなく、ヒータと
風路の壁面、遮熱板とヒータとの間隔を適切に維持でき
るうえ、ヒータの取付けが容易となり、ヒータの取付性
の向上を図ることができる利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例の室内ユニットを示す
断面図。

【図２】同実施例のヒ−タ回りの構造を示す分解斜視
図。

【図３】この発明の第２の実施例の要部となるヒ−タ回
りの構造を示す分解斜視図。

【図４】この発明の第３の実施例の室内ユニットを示す
断面図。

【図５】同実施例のヒ−タ回りの構造を示す分解斜視
図。

【図６】この発明の第４の実施例の室内ユニットを示す
断面図。

【図７】従来の室内ユニットの断面図。

【図８】同室内ユニットヒ−タ回りの構造を示す分解斜
視図。

【符号の説明】

１…本体 ２…吸込口
３…吹出口 ４…風路 ５…室内側熱交換器
６…横流ファン ８…遮熱板 ２０…セラミックヒ−タ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸込口と吹出口とを連通する風路に、上
   流側から室内側熱交換器、横流ファンを設け、前記室内
   側熱交換器と前記横流ファンの吸込側との間にヒータを
   配設し、該ヒータと対向する風路の壁面に反射板を設
   け、かつ前記ヒータと前記室内側熱交換器との間に遮熱
   板を設けて構成される空気調和装置の室内ユニットにお
   いて、 前記ヒータおよび遮熱板のうちの少なくも前記ヒータ
   は、外形が前記横流ファンの吸込流に対応した翼形状に
   構成され、このヒータが、該ヒータから前記反射板の反射面へ向か
   って突き出る第１の脚を介して前記反射板に取付けら
   れ、 かつ前記遮熱板が、該遮熱板から前記反射板の反射面へ
   向かって突き出る第２の脚を介して前記反射板に取付け
   られる ことを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。