JP3211562B2 - 圧電振動子 - Google Patents

圧電振動子

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JP3211562B2 JP12444494A JP12444494A JP3211562B2 JP 3211562 B2 JP3211562 B2 JP 3211562B2 JP 12444494 A JP12444494 A JP 12444494A JP 12444494 A JP12444494 A JP 12444494A JP 3211562 B2 JP3211562 B2 JP 3211562B2
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之 内 義 昭 幣
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    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は圧電振動子に関し、特
にたとえば、回転角速度を検出するための振動ジャイロ
などに用いられる圧電振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の圧電振動子を用いた振動ジ
ャイロの例を示す斜視図であり、図6はその断面図であ
る。振動ジャイロ1は、圧電振動子2を含む。圧電振動
子2は、たとえば正3角柱状の振動体3を含む。振動体
3の側面には、それぞれ圧電素子4a,4b,4cが形
成される。さらに、振動体3の2つのノード点付近にお
いて、圧電素子4a,4bに挟まれた振動体3の稜線部
が、支持部材5で支持される。圧電素子4a,4bと圧
電素子4cとの間には、発振回路が接続される。また、
圧電素子4a,4bは、差動回路に接続される。さら
に、差動回路は検波回路に接続され、検波回路は平滑回
路に接続される。
【0003】この発振回路の信号によって、振動体3は
圧電素子4c形成面に直交する方向に屈曲振動する。振
動ジャイロ1に回転角速度が加わっていないとき、圧電
素子4a,4bの屈曲状態は同じであり、差動回路には
同じ信号が入力される。そのため、入力された信号は差
動回路で相殺され、差動回路からは信号が出力されな
い。振動ジャイロ1が振動体3の軸を中心として回転す
ると、コリオリ力によって、振動体3の振動方向が変わ
る。そのため、圧電素子4a,4bの屈曲状態が変わ
り、差動回路に接続された圧電素子4a,4bに異なる
電圧が発生する。そのため、差動回路から信号が出力さ
れ、この信号が検波回路で検波されたのち、平滑回路で
平滑される。平滑された信号は回転角速度に対応した信
号であるため、これを測定することによって、振動ジャ
イロ1に加わった回転角速度を検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな振動ジャイロでは、振動体のノード点付近の稜線部
に支持部材が取り付けられているものの、真のノード点
は振動体の中心軸上にあるため、支持部材からの振動漏
れを防ぐことができなかった。そのため、このような圧
電振動子を用いた振動ジャイロでは、安定したドリフト
特性を得ることが困難であった。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、支
持部材からの振動漏れを少なくし、安定したドリフト特
性を得ることができる圧電振動子を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、屈曲振動を
させるための柱状の振動体と、振動体をノード点付近で
支持するための支持部材とを含む圧電振動子であって、
振動体には、そのノード点付近において幅方向に延び
1つの溝が形成され、振動体と振動体の幅方向に延び
て形成された支持部材とが溝の底部において略1点で接
触・固定された、圧電振動子である。この圧電振動子に
おいて、振動体が正3角柱状に形成された場合、溝は振
動体の1つの面に形成されることが望ましい。このと
き、溝の深さは、振動体の1つの面から対向する稜線部
までの距離の約1/3であることが望ましい。
【0007】
【作用】柱状の振動体に溝を形成することにより、真の
ノード点に近い部分に支持部材をとりつけることができ
る。しかも、溝は振動体の幅方向に延びるように形成さ
れるため、振動体の屈曲振動に対する影響が少ない。振
動体を正3角柱状に形成した場合、ノード点は側面から
対向する稜線部までの距離の約1/3の深さの部分に存
在する。したがって、振動体の側面から対向する稜線部
までの距離の約1/3の深さで溝を形成すれば、振動体
の真のノード点の近くを支持することができる。
【0008】
【発明の効果】この発明によれば、振動体の真のノード
点の近くを支持することができる。そのため、支持部か
らの振動漏れを小さくすることができる。このような圧
電振動子を用いれば、振動漏れが少なく、ドリフト特性
の良好な振動ジャイロを得ることができる。
【0009】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0010】
【実施例】図1はこの発明の圧電振動子を振動ジャイロ
に用いた例を示す斜視図であり、図2は線II−IIに
おける断面図であり、図3は線III−IIIにおける
断面図である。振動ジャイロ10は、圧電振動子12を
含む。圧電振動子12は、たとえば正3角柱状の振動体
14を含む。振動体14は、たとえばエリンバ,鉄−ニ
ッケル合金,石英,ガラス,水晶,セラミックなど、一
般的に機械的な振動を生じる材料で形成される。
【0011】振動体14の1つの側面には、幅方向に延
びる2つの溝16が形成される。ノード点は振動体14
の中心軸上に存在するが、溝16はノード点に対応する
位置に形成される。溝16の深さは、振動体14の側面
から対向する稜線部までの距離の約1/3となるように
形成される。これは、振動体14の中心軸がその部分を
通っているためである。
【0012】振動体14の3つの側面の中央部には、そ
れぞれ圧電素子18a,18b,18cが形成される。
圧電素子18a,18bは溝16が形成されていない側
面に形成され、圧電素子18cは溝16が形成された側
面に形成される。圧電素子18aは、たとえば磁器から
なる圧電層20aを含み、圧電層20aの両面に電極2
2a,24aが形成される。そして、一方の電極24a
が、接着剤などで振動体14の側面に接着される。同様
に、圧電素子18b,18cは、圧電層20b,20c
を含む。圧電層20b,20cの両面には、それぞれ電
極22b,24bおよび電極22c,24cが形成され
る。そして、それらの一方の電極24b,24cが、接
着剤などで振動体14の側面に接着される。
【0013】振動体14の溝16部分には、支持部材2
6が取り付けられる。支持部材26は、たとえば金属線
を折り曲げることによって形成される。この実施例で
は、金属線が略M字状に形成され、その中央部が振動体
14の溝16部分に取り付けられる。支持部材26は、
たとえば溶接や接着などによって、振動体14に取り付
けられる。支持部材26の端部は、2つの支持板28に
固定される。2つの支持板28は、緩衝材30を介して
基板32に取り付けられる。緩衝材30は、支持部材2
6から振動体14の振動が漏れたときに、その振動が他
の支持部材を介して振動体14に影響を与えないように
するためのものである。
【0014】この振動ジャイロ10を使用するために、
図4に示すように、圧電素子18a,18bと圧電素子
18cとの間に、発振回路34が接続される。発振回路
34からの信号が圧電素子18a,18bに与えられ、
圧電素子18cの出力が発振回路34に帰還される。そ
れによって、振動体14は、圧電素子18c形成面に直
交する方向に屈曲振動する。さらに、圧電素子18a,
18bは、差動回路36の入力端に接続される。差動回
路36の出力端は検波回路38に接続され、検波回路3
8で検波された信号は平滑回路40で平滑される。振動
ジャイロ10に回転角速度が加わっていないとき、振動
体14は圧電素子18c形成面に直交する方向に振動し
ているため、圧電素子18a,18bの屈曲状態は同じ
であり、差動回路36には同じ信号が入力される。その
ため、差動回路36から信号が出力されず、振動ジャイ
ロ10に回転角速度が加わっていないことがわかる。
【0015】この状態で、振動ジャイロ10が振動体1
4の軸を中心として回転すると、コリオリ力によって振
動体14の振動方向が変わる。振動体14の振動方向が
変わると、圧電素子18a,18bの屈曲状態が変わ
り、これらの圧電素子18a,18bから異なる信号が
出力される。これらの信号が差動回路36に入力される
ため、差動回路36からは2つの入力信号の差が出力さ
れる。そして、差動回路36の出力信号が検波回路38
で検波され、さらに平滑回路40で平滑される。平滑回
路40から出力される信号は、振動体14の振動状態の
変化に対応した信号であり、すなわちコリオリ力に対応
した信号である。したがって、平滑回路40の出力信号
を測定することにより、振動ジャイロ10に加わった回
転角速度を検出することができる。
【0016】この振動ジャイロ10では、振動体14に
溝16が形成されているため、真のノード点に近い部分
に支持部材26を取り付けることができる。そのため、
振動体14の振動が支持部材26から漏れにくい。した
がって、ドリフト特性の変動の少ない、平坦なドリフト
特性を得ることができる。また、実験では、振動漏れが
少なくなったことにより、機械的Qmを約20%上げる
ことができた。
【0017】 また、上述の実施例では、振動体に圧電素
子を形成して圧電振動子としたが、振動体を圧電体材料
で形成し、圧電素子が形成されていた位置に電極を形成
することによって圧電振動子としてもよい。この場合で
も、振動体のノード点付近において、幅方向に溝を形成
することにより、支持部材からの振動漏れを小さくする
ことができる。さらに、振動体の形状としては、たとえ
ば4角柱状や円柱状など、他の柱状に形成してもよい。
このような振動体を用いた場合でも、溝を形成すること
によって、振動漏れの少ない圧電振動子を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧電振動子を振動ジャイロに用いた
例を示す斜視図である。
【図2】図1の線II−IIにおける断面図である。
【図3】図1の線III−IIIにおける断面図であ
る。
【図4】図1に示す振動ジャイロを駆動および検出する
ための回路を示す図解図である。
【図5】 従来の圧電振動子を振動ジャイロに用いた例を
示す斜視図である。
【図6】 図5 に示す従来の振動ジャイロの断面図であ
る。
【符号の説明】
10 振動ジャイロ 12 圧電振動子 14 振動体 16 溝 18a,18b,18c 圧電素子 26 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈曲振動をさせるための柱状の振動体
    と、前記振動体をノード点付近で支持するための支持部
    材とを含む圧電振動子であって、 前記振動体には、そのノード点付近において幅方向に
    延びる1つの溝が形成され、前記振動体と前記振動体の
    幅方向に延びて形成された前記支持部材とが前記溝の底
    部において略1点で接触・固定された、圧電振動子。
  2. 【請求項2】 前記振動体は正3角柱状に形成され、前
    記溝は前記振動体の1つの面に形成される、請求項1の
    圧電振動子。
  3. 【請求項3】 前記溝の深さは、前記振動体の1つの面
    から対向する稜線部までの距離の約1/3である、請求
    項2の圧電振動子。
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