JP3211477B2 - ジメチルビフェニルジカルボン酸ジアルキルおよびその製法 - Google Patents

ジメチルビフェニルジカルボン酸ジアルキルおよびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジメチルビフェニルジ
カルボン酸ジアルキルエステル化合物の新規な2,3,
3’,4’−置換体、および、パラジウム触媒、銅触媒
およびβ−ジケトン類を使用して分子状酸素の存在する
雰囲気下にオルトトルイル酸アルキルエステルを酸化カ
ップリングさせて、ジメチルビフェニルジカルボン酸ジ
アルキルエステル化合物の新規な2,3,3’,4’−
置換体を収率よく合成する製法に関する。本発明のジメ
チルビフェニルジカルボン酸ジアルキルエステル化合物
の新規な2,3,3’,4’−置換体などは、各種新規
なポリマ−の製造におけるモノマ−成分またはポリマ−
の改質剤として好適に使用することができると共に、そ
れぞれの対応するジメチルビフェニルジカルボン酸類、
又はその酸ハライド類の2,3,3’,4’−置換体を
製造する原料としても使用することができる。
【0002】
【従来技術】従来、ジメチルビフェニルジカルボン酸ジ
アルキルエステルは対応するビフェニルジカルボン酸
を、種々の公知の製法で製造し、その後アルコ−ルを用
いてエステル化して製造していた。前記のビフェニルジ
カルボン酸の製法としては、3−ブロモ安息香酸をPd
/C触媒の存在下にKOH−メタノ−ル水溶液で処理し
てカップリングさせる方法(USP2809210)、
4,4’−ジクロロビフェニルからグリニヤ−ル試薬を
調製した後、CO2 と反応させる方法(USP2508
022)、3,3’−ジメチルビフェニルを過マンガン
酸カリを用いて酸化する方法〔J.Am.Chem.S
oc.72、3221(1950)〕、ビフェニルをヨ
−ド化した後、COと反応させる方法(特開昭63−1
22645号公報)などが知られている。また、前記の
ビフェニルジカルボン酸の製法としては、3,3’,
4,4’−テトラメチルビフェニルを分子状酸素で酸化
して、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジカ
ルボン酸を合成する方法(特公昭52−3377号公
報)も知られている。
【0003】しかし、これら公知のビフェニルジカルボ
ン酸の製法では、原料の入手が困難であり、極めて複雑
で長い工程を有し、副生物が多いなどの欠点があり、結
局、公知のビフェニルジカルボン酸を製造して、次いで
ビフェニルジカルボン酸ジアルキルエステル類を製造す
る方法は、工業的に見て、実用的ではなかった。オルト
トルイル酸アルキルエステルの酸化カップリングによ
り、ジメチルビフェニルジカルボン酸ジアルキルエステ
ル化合物の3,4,3’,4’−置換体を製造する方法
は、本発明者により既に開示されている(特開平2−1
15143号公報参照)が、本発明は2,3,3’,
4’−置換体を収率よく製造する方法を提供するもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ジメチルビ
フェニルジカルボン酸ジアルキルエステル化合物の新規
な2,3,3’,4’−置換体および、これらを収率よ
く製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、一
般式(I)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、Rはアルキル基を示す)で示され
る3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’−ジカルボ
ン酸ジアルキルエステルに関し、本願の第2の発明は、
一般式(II)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で
示される3,4’−ジメチルビフェニル−2,3’−ジ
カルボン酸ジアルキルエステルに関し、また、本願の第
3の発明は、パラジウム塩とそのパラジウム塩に対して
0.5〜10倍モルの銅塩、およびパラジウム塩と銅塩
の総和に対して0.5〜5倍モルのβ−ジケトン類を反
応液中に存在させて、一般式(III)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で
示されるオルトトルイル酸アルキルエステルを、分子状
酸素の存在する雰囲気で、50〜300℃として、酸化
カップリング反応させて、一般式(IV)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R1 、R2 は、−CH3 または−
COORを表し、R1 とR2 は異なる置換基である、さ
らにRは前記と同じ意味を有する)で示されるジメチル
ビフェニルジカルボン酸ジアルキルエステルの2,3,
3’,4’−置換体を収率よく生成させるビフェニル化
合物の製法に関する。
【0014】本発明において、一般式(I)で示される
3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’−ジカルボン
酸ジアルキルエステルにおけるRは、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、ペンチル基のような直鎖もしくは分枝状の炭素数1
〜5個の炭素鎖を有するアルキル基を挙げることがで
き、好ましくは直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜3個の
炭素鎖を有するアルキル基であり、更に好ましくはメチ
ル基であり、より具体的には、例えば、3,3’−ジメ
チルビフェニル−2,4’−ジカルボン酸ジメチル、
3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’−ジカルボン
酸ジエチル、3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’
−ジカルボン酸ジプロピル(プロピル基の異性体基を含
む)、3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’−ジカ
ルボン酸ジブチル(ブチル基の異性体基を含む)、3,
3’−ジメチルビフェニル−2,4’−ジカルボン酸ジ
ペンチル(ペンチル基の異性体基を含む)などを挙げる
ことができ、好ましくは3,3’−ジメチルビフェニル
−2,4’−ジカルボン酸ジメチルエステルである。
【0015】本発明において、一般式(II)で示され
る3,4’−ジメチルビフェニル−2,3’−ジカルボ
ン酸ジアルキルエステルにおけるRは、前記と同じ意味
を有し、より具体的には、例えば3,4’−ジメチルビ
フェニル−2,3’−ジカルボン酸ジメチル、3,4’
−ジメチルビフェニル−2,3’−ジカルボン酸ジエチ
ル、3,4’−ジメチルビフェニル−2,3’−ジカル
ボン酸ジプロピル(プロピル基の異性体基を含む)、
3,4’−ジメチルビフェニル−2,3’−ジカルボン
酸ジブチル(ブチル基の異性体基を含む)、3,4’−
ジメチルビフェニル−2,3’−ジカルボン酸ジペンチ
ル(ペンチル基の異性体基を含む)などを挙げることが
でき、好ましくは3,4’−ジメチルビフェニル−2,
3’−ジカルボン酸ジメチルである。
【0016】本発明の製法は、例えば以下に示す反応式
によって表すことができる。反応式
【0017】
【化9】
【0018】本発明の製法は、安価なオルトトルイル酸
アルキルエステルを出発物質に用いて、特定のパラジウ
ム塩、および分子状酸素の雰囲気下に酸化カップリング
反応を行い、3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’
−ジカルボン酸ジアルキルエステルおよび3,4’−ジ
メチルビフェニル−2,3’−ジカルボン酸ジアルキル
エステルの収率を高めて製造することができる。
【0019】本発明の製法において出発物質である、一
般式(III)で示されるオルトトルイル酸アルキルエ
ステルにおけるRは、前記と同じ意味を有し、より具体
的には、例えば、オルトトルイル酸メチル、オルトトル
イル酸エチル、オルトトルイル酸プロピル、オルトトル
イル酸イソプロピル、オルトトルイル酸ブチル、オルト
トルイル酸ペンチルなどを挙げることができ、好ましく
はオルトトルイル酸メチルである。なお、オルトトルイ
ル酸アルキルエステルは、オルトトルイル酸と炭素数1
〜5個の脂肪族アルコ−ルとを、硫酸などの触媒の存在
下に、エステル化反応させることによって製造できる。
【0020】本発明の製法において目的物質である、一
般式(IV)で示されるジメチルビフェニルジカルボン
酸ジアルキルエステルの2,3,3’,4’−置換体に
おけるR1 、R2 は、−CH3 または−COORを表
し、R1 とR2 は異なる置換基である。またRは前記と
同じ意味を有する。このような、ジメチルビフェニルジ
カルボン酸ジアルキルエステルの2,3,3’,4’−
置換体は、具体的には、例えば、前記の一般式(I)で
示す3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’−ジカル
ボン酸ジアルキルエステル、一般式(II)で示す3,
4’−ジメチルビフェニル−2,3’−ジカルボン酸ジ
アルキルエステルを挙げることができる。
【0021】本発明の製法において、オルトトルイル酸
アルキルエステルの酸化カップリング反応に使用する触
媒は、パラジウム塩と、そのパラジウム塩に対して0.
5〜10倍モルの銅塩、およびパラジウム塩と銅塩の総
和に対して0.5〜5倍モルのβ−ジケトン類からなる
触媒である。
【0022】前記のパラジウム塩としては、有機酸また
は無機酸のパラジウム塩、あるいはβ−ジケトンのパラ
ジウムキレ−ト化物を挙げることができる。有機酸のパ
ラジウム塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸などの炭素数1〜5個の炭素鎖を有す
る脂肪族カルボン酸のパラジウム塩を挙げることができ
る。無機酸のパラジウム塩としては、例えば塩酸、硝
酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸などの無機酸とのパ
ラジウム塩を挙げることができる。β−ジケトン類のパ
ラジウムキレ−ト化物としては、例えば、ビス(アセチ
ルアセトナ−ト)パラジウム、ビス(ベンゾイルアセト
ナ−ト)パラジウム、ビス(トリフルオロアセチルアセ
トナ−ト)パラジウム、ビス(ヘキサフルオロアセチル
アセトナ−ト)パラジウムなどのパラジウムキレ−ト化
物を挙げることができる。本発明の製法において、パラ
ジウム塩としては、好ましくは有機酸のパラジウム塩お
よびパラジウムキレ−ト化物であり、更に好ましくは酢
酸パラジウムおよびビス(アセチルアセトナ−ト)パラ
ジウムである。オルトトルイル酸アルキルエステル1モ
ルに対するパラジウム塩の使用量は、好ましくは1X1
-5〜1X10-2倍モルである。
【0023】前記の銅塩としては、有機酸または無機酸
の銅塩、あるいはβ−ジケトンの銅キレ−ト塩を挙げる
ことができる。有機酸の銅塩としては、例えば、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などの炭素数1〜5
の脂肪族カルボン酸の銅塩を挙げることができる。無機
酸の銅塩としては、例えば塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、
亜硫酸、リン酸などの無機酸の銅塩を挙げることができ
る。β−ジケトン類の銅キレ−ト化物としては、例え
ば、ビス(アセチルアセトナ−ト)銅、ビス(ベンゾイ
ルアセトナ−ト)銅、ビス(トリフルオロアセチルアセ
トナ−ト)銅、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナ
−ト)銅などの銅キレ−ト化物を挙げることができる。
本発明の製法において、銅塩としては、好ましくは有機
酸の銅塩および銅キレ−ト化物であり、更に好ましくは
酢酸銅、ビス(アセチルアセトナ−ト)銅である。パラ
ジウム塩1モルに対する銅塩の使用量は、好ましくは
0.5〜10倍モルである。
【0024】前記のβ−ジケトン類としては、例えば、
アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロ
アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトンな
どを挙げることができ、好ましくはアセチルアセトンで
ある。β−ジケトン類は、酸化カップリング反応の継続
中に、連続的もしくは断続的に反応系に補給すると、触
媒の活性を持続することができる。また、β−ジケトン
類は、パラジウムキレ−ト化物および/または銅キレ−
ト化物として反応系に加えることもできる、この場合、
β−ジケトン類を添加してもしなくてもよい。パラジウ
ム塩および銅塩1モルに対するβ−ジケトン類の使用量
は、好ましくは0.5〜5倍モルである。
【0025】本発明の製法において用いられる触媒は、
前記金属の無機塩および/または有機塩の混合物でもよ
いし、予めβ−ジケトン類のキレ−ト化物として調製し
たものでもよい。
【0026】本発明の製法において、酸化カップリング
反応の反応温度は、例えば50〜300℃を挙げること
ができ、好ましくは140〜260℃であり、反応圧
は、例えば常圧〜300気圧(atm)を挙げることが
でき、好ましくは常圧〜100気圧(atm)である。
さらに、前記の反応時の分子状酸素は、分子状酸素を含
むガスにより反応系に供給される(例えば、反応液中に
バブリングして)。この分子状酸素を含むガスは、純酸
素ガスをそのまま使用してもよいが、爆発などの危険を
防止するために、例えば、窒素ガス、炭酸ガス、ネオン
ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスなどで希釈された
酸素含有ガス、あるいは空気を使用することができる。
その際、反応系における酸素分圧は、例えば、0.01
〜200気圧(atm)を挙げることができ、特に0.
05〜50気圧(atm)であることが好ましい。
【0027】本発明の製法で得られた生成物は、蒸留
法、再結晶法、クロマトグラフィ−法などを用いて、分
離することができる。
【0028】前記のジメチルビフェニルジカルボン酸ジ
アルキルは、高温高圧条件下での加水分解、あるいは、
酸又はアルカリによる加水分解などの公知の加水分解法
で対応するジメチルビフェニルジカルボン酸をそれぞれ
生成することができる。ジメチルビフェニルジカルボン
酸は、ジオ−ル類、または、ジアミン類と重合して、ポ
リエステル、または、ポリアミドを製造するためのモノ
マ−成分として使用することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の新規な一般式(I)の化合物か
ら得られた「3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’
−ジカルボン酸」、および新規な一般式(II)の化合
物から得られた「3,4’−ジメチルビフェニル−2,
3’−ジカルボン酸」は、種々の新規なポリマ−の製造
およびポリマ−の改質剤に使用できる。また、本発明の
製法を使用すれば、新規なジメチルビフェニルジカルボ
ン酸の2,3,3’,4’−置換体を収率よく生成させ
ることができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明の範囲をこれらに限定
されるものではない。実施例において示した、二量体の
全収率は、2X〔生成した全二量体(モル)〕X100
/使用したオルトトルイル酸アルキルエステル(モル)
で算出した値である。パラジウムの転換率は、生成した
全二量体(モル)/使用したパラジウム(モル)で算出
した値である。
【0031】実施例1 (酸化カップリング反応)容量300mlの四口フラス
コに、還流冷却器、温度計、攪拌機、ガス吹込管を取り
付け、その四口フラスコに、オルトトルイル酸メチル1
00ml(107g)、酢酸パラジウム〔Pd(OA
c)2 〕90mg(0.4mM)、ビス(アセチルアセ
トナ−ト)銅〔Cu(acac)2 〕524mg(2m
M),アセチルアセトン80mg(0.8mM)を加え
て、前記の四口フラスコ内の反応液を、油浴上で、18
0℃に保ち、500rpmで攪拌しながら、空気を30
0ml/分(常圧)の供給速度で、ガス吹込管から空気
を前記の反応液中にバブリングさせながら供給して、前
記の反応温度で8時間酸化カップリング反応させた。反
応終了後、反応液についてガスクロ分析(カラム:アピ
エゾン グリ−スL、15%、2m、280℃、FID
検出器)を行った結果、3,3’−ジメチルビフェニル
−2,4’−ジカルボン酸ジメチル(以後、M体ともい
う)7.72g(7.21%)、3,4’−ジメチルビ
フェニル−2,3’−ジカルボン酸ジメチル(以後、N
体ともいう)8.36g(7.81%)、3,3’−ジ
メチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジメチル
(以後、P体ともいう)+3,4’−ジメチルビフェニ
ル−4,3’−ジカルボン酸ジメチル(以後、Q体とも
いう)+4,4’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジ
カルボン酸ジメチル(以後、R体ともいう)の総和4.
05g(3.78%)およびその他の二量体1.38g
(1.29%)が生成していた。ガスクロ分析の結果
を、第1図に示す。 二量体の全収率;20.09% パラジウムの転換率;180 〔M体+N体の総和量(g)〕/二量体の全量(g);
0.75
【0032】〔各反応生成物の単離操作〕前記の反応液
から減圧蒸留によって、オルトトルイル酸メチルを回収
した後、さらに、蒸留操作によって、Kp3 180〜1
95℃の留分11.98g(第1留分)、Kp3 195
〜240℃の留分6.35g(第2留分)を得た。 M体とN体との分離 前記の第1留分を、高速液体クロマトグラフ(カラム;
Inertsil ODS−2、溶離液;メタノ−ル/
水=75/25、流速;3.4ml/分)で分離した。
保持時間30分のピ−ク1および保持時間33分のピ−
ク2を、それぞれ分取した。分取した各ピ−クを単離し
て、 1HNMR(CDCl3 )分析および質量分析を行
った結果、ピ−ク1は3,4’−ジメチルビフェニル−
2,3’−ジカルボン酸ジメチル(N体)、ピ−ク2は
3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’−ジカルボン
酸ジメチル(M体)に帰属した。
【0033】3,4’−ジメチルビフェニル−2,3’
−ジカルボン酸ジメチル(ピ−ク1;N体)についての
1HNMR(CDCl3 )分析のチャ−トを第4図に、
質量分析のチャ−トを第5図にそれぞれ示す。第4図に
示すN体についての 1HNMRチャ−トの各ピ−クは以
下のとうりである。 δ(ppm):2.40(3H、3−CH3 )、2.6
3(3H、4’−CH3 )、3.64(3H、2−CO
2 CH3 )、3.89(3H、3’−CO2CH3 )、
7.20〜7.29(3H、 4H、 6H、5'H)、7.
37(1H、 5H)、7.41(1H、6'H)、7.9
5(1H、2'H) J5,6 =7.5Hz、J6',5' =7.8Hz、J2',6'
=J6',2' =2.0Hz
【0034】3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’
−ジカルボン酸ジメチル(ピ−ク2;M体)についての
1HNMR(CDCl3 )分析のチャ−トを第2図に、
質量分析のチャ−トを第3図にそれぞれ示す。第2図に
示すM体の 1HNMRのチャ−トの各ピ−クは以下のと
うりである。 δ(ppm):2.41(3H、3−CH3 )、2.6
4(3H、3’−CH3 )、3.60(3H、2−CO
2 CH3 )、3.91(3H、4’−CO2CH3 )、
7.20〜7.26(4H、 4H、 6H、2'H、
6'H)、7.37(1H、 5H)、7.95(1H、5'
H) J5,6 =7.5Hz、J5',6' =8.8Hz
【0035】実施例2〜6 ビス(アセチルアセトナ−ト)銅の使用量を変え(第1
表参照)、反応温度を変えた(第1表参照)ほかは、実
施例1と同様にして、酸化カップリング反応を行った。
反応終了後、反応液についてガスクロ分析(分析条件は
実施例1の記載と同じ)を行った結果、生成した各反応
生成物の収量、収率、二量体の全収率、パラジウムの転
換率、(M+N)体選択比を第1表にそれぞれ示す。第
1表
【0036】
【表1】
【0037】実施例7 ビス(アセチルアセトナ−ト)銅の代わりに酢酸銅〔C
u(OAc)2 〕363mg(2mM)を用い、アセチ
ルアセトンの使用量を480mg(4.8mM)に変え
たほかは、実施例1と同様にして、酸化カップリング反
応を行った。反応終了後、反応液についてガスクロ分析
(分析条件は実施例1の記載と同じ)を行った結果、
3,3’−ジメチルビフェニル−2,4’−ジカルボン
酸ジメチル6.78g(6.34%)(M体)、および
3,4’−ジメチルビフェニル−2,3’−ジカルボン
酸ジメチル7.34g(6.86%)(N体)が生成し
ていた。 二量体の全収率;16.23% パラジウムの転換率;146 〔M体+N体の総和量(g)〕/二量体の全量(g);
0.81
【0038】実施例8 酢酸パラジウムの代わりにビス(アセチルアセトナ−
ト)パラジウム122mg(0.4mM)に変え、アセ
チルアセトンを添加しなかったほかは、実施例1と同様
にして、酸化カップリング反応を行った。反応終了後、
反応液についてガスクロ分析(分析条件は実施例1の記
載と同じ)を行った結果、3,3’−ジメチルビフェニ
ル−2,4’−ジカルボン酸ジメチル7.26g(6.
79%)(M体)、および3,4’−ジメチルビフェニ
ル−2,3’−ジカルボン酸ジメチル7.55g(7.
06%)(N体)が生成していた。 二量体の全収率;18.79% パラジウムの転換率;169 〔M体+N体の総和量(g)〕/二量体の全量(g);
0.74
【0039】実施例9 反応開始時にアセチルアセトン100mg(1mM)を
添加し、反応開始後3時間目に、さらにアセチルアセト
ン100mg(1mM)を添加したほかは、実施例8と
同様にして、酸化カップリング反応を行った。反応終了
後、反応液についてガスクロ分析(分析条件は実施例1
の記載と同じ)を行った結果、3,3’−ジメチルビフ
ェニル−2,4’−ジカルボン酸ジメチル7.54g
(7.05%)(M体)、および3,4’−ジメチルビ
フェニル−2,3’−ジカルボン酸ジメチル8.51g
(7.95%)(N体)が生成していた。 二量体の全収率;20.20% パラジウムの転換率;181 〔M体+N体の総和量(g)〕/二量体の全量(g);
0.74
【0040】比較例1 酢酸パラジウムの使用量を225mg(1mM)に変
え、ビス(アセチルアセトナ−ト)銅の代わりに酢酸銅
182mg(1mM)に変え、β−ジケトンを使用せ
ず、反応時間を15時間に変えたほかは、実施例5と同
様にして、酸化カップリング反応を行った。反応終了
後、反応液についてガスクロ分析(分析条件は実施例1
の記載と同じ)を行った結果、全二量体の収率は0.3
8%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の反応液についてのガスクロマトグラ
フィ−分析のチャ−トである。
【図2】M体の 1HNMR(CDCl3 )分析のチャ−
トである。
【図3】M体の質量分析のチャ−トである。
【図4】N体の 1HNMR(CDCl3 )のチャ−トで
ある。
【図5】N体の質量分析のチャ−トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/12 C08K 5/12 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rはアルキル基を表す)で示される3,3’−
    ジメチルビフェニル−2,4’−ジカルボン酸ジアルキ
    ルエステル。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で示される3,
    4’−ジメチルビフェニル−2,3’−ジカルボン酸ジ
    アルキルエステル。
  3. 【請求項3】パラジウム塩とそのパラジウム塩に対して
    0.5〜10倍モルの銅塩、およびパラジウム塩と銅塩
    の総和に対して0.5〜5倍モルのβ−ジケトン類を反
    応液中に存在させて、一般式(III) 【化3】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で示されるオル
    トトルイル酸アルキルエステルを、分子状酸素の存在す
    る雰囲気で、50〜300℃として、酸化カップリング
    反応させて、一般式(IV) 【化4】 (式中、R1 、R2 は、−CH3 または−COORを表
    し、R1 とR2 は異なる置換基である、さらにRは前記
    と同じ意味を有する)で示されるジメチルビフェニルジ
    カルボン酸ジアルキルエステルの2,3,3’,4’−
    置換体を収率よく生成させるビフェニル化合物の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102132163B (zh) * 2008-07-09 2013-08-21 株式会社东芝 事故点标定方法和事故点标定装置

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