JP3209935U - シートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具 - Google Patents

Abstract

【課題】シートカバーを発泡シート本体に固定するための、横方向に湾曲自在な固定具を提供する。【解決手段】固定具１０であって、直列的に接続する複数の係合セクション２０を有し、係合セクション２０夫々は、その表面に複数のフック体２２が形成された基材２１と、基材２１上に設置された少なくとも１つの磁性部材２３と、基材２１の周辺に沿って設置されると共に、複数のフック体２２を囲む障壁部２４と、基材２１の両端から係合セクション２０の長手方向に沿って一体的に延出し、隣接する係合セクション２０同士を一定の間隔をあけて直列的に接続する可撓性接続部２５と、を備える。【選択図】図３

Description

本考案は、シートカバーを発泡シート本体に固定するための、横方向に湾曲自在な固定具に関するものである。

従来技術

通常、車のシートの生産製造には、金型に発泡材を注入して所要のシート造形を有する発泡シート本体に製作した後、シートカバーを装着することによってシートの完成品が出来上がる。従来には、シートカバーを発泡シート本体に固定するためには、鋼鉄ワイヤを用いるため、その作業が煩雑であり、大型の機械を用いる必要があるので、シートの完成品に永久的な傷害を与えることが起こりやすい。

上記従来の手法を改良するために、近年の手法では、車の発泡シート本体に締付けストラップを設置すると共に、該締付けストラップが有するフック体とシートカバーに設けられたループ体とを係合させることによって、車の発泡シート本体にシートカバーが固定される。又、車の発泡シート本体を生産製造する際に、金型内の予定位置にこのような締付けストラップを配置し、発泡材を注入することによって、発泡成形の過程を通して締付けストラップを発泡シート本体の所定位置に固着する。

図１には、車の発泡シート本体に使用される締付けストラップの従来例を示す。図１に示すように、締付けストラップ３０は、基材３１を有する。基材３１を構成する素材としては、その繊維組織の隙間に発泡材を侵入させることができるもの、例えば不織布や繊維布を使用する。該締付けストラップ３０は、更に基材３１上に塗布される磁性材層３２と、磁性材層３２に接着される係合部材４０とを有する。係合部材４０には、フック面を形成するように複数のフック体を設ける。又、該締付けストラップ３０は、係合部材４０の両側に沿って基材３１上に設けられる２つの側壁３３を有し、側壁３３の高さを係合部材４０のフック体４３の高さよりも高くことによって、発泡成形の過程において発泡材がフック体４３同士の間に浸入することを防止する。

図２には、車の発泡シート本体に使用される締付けストラップの他の従来例を示す。図２に示すように、締付けストラップ５０は、基材５１と係合部材６０とを有する。又、締付けストラップ５０は、前記のような側壁の配置がないが、その代わりに、係合部材６０上には、フック体６３を被覆するための被覆層７０を直接に接着することによって、発泡成形の過程において発泡材がフック体６３同士の間に浸入することを防止する。

これらの発泡シート本体に使用される締付けストラップの従来例は、シートカバーを発泡シート本体に固定する機能を達成することができるが、例えば、以下のような問題点がある。現在の車のシートは、快適な座り心地を与えるだけでなく、特定のブランドやモデルの車の特色を現すために、車の内装に合うことができるようにシートの外観に対しても要求される。従って、現在の車のシートの設計には、曲率や曲げ方向が異なる複数の円弧線を含む造形となる。ところが、従来の締付けストラップは、横方向に湾曲することができないため、曲率や曲げ方向が異なる複数の円弧線を含む造形のシートに適用する場合、各々の湾曲部位、円弧線に対して追加の加工処理を行わないと、曲線形状の接合溝（ｂｏｎｄｉｎｇ ｇｒｏｏｖｅ）を有するシートに適用することができない。従って、従来の締付けストラップの適用性については制限がある。
このことから、車のシートの業界では、シートカバーを曲率や曲げ方向が異なる複数の円弧線を含む造形のシートに固定するための、横方向に湾曲自在な固定具に対する要求が大きい。

発泡シート本体に使用される従来の締付けストラップに存在している問題点を鑑み、本考案の目的としては、シートカバーをシートに固定するための、横方向に湾曲自在な固定具を提供することによって、曲率や曲げ方向が異なる複数の円弧線を含む造形のシートに適用する場合、追加の加工処理を不要とし、製造コストの低減を図ることができる。

本考案の１つの態様によれば、シートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具は、直列的に接続する複数の係合セクションを有し、前記係合セクションは、その表面に複数のフック体が形成された基材と、前記基材上に設置された少なくとも１つの磁性部材と、前記基材の周辺に沿って設置されると共に、前記複数のフック体を囲む障壁部と、前記基材の両端から前記係合セクションの長手方向に沿って一体的に延出し、隣接する前記係合セクション同士を一定の間隔をあけて直列的に接続する可撓性接続部と、を備える。

上記固定具において、可撓性接続部の高さ（ｔ）は幅（ｗ）以上であり、ｔ≧ｗの関係を有する、ことが好ましい。又、前記障壁部における前記基材の前記表面からの高さが、前記フック体における前記基材の前記表面からの高さよりも大きい、ことが好ましい。そして、前記係合セクションは、更に前記基材の両側の夫々から延出するウイングを有する、ことが好ましい。

本考案の上記構成によれば、シートカバーをシートに固定するための、横方向に湾曲自在な固定具を提供することによって、曲率や曲げ方向が異なる複数の円弧線を含む造形のシートに適用する場合、追加の加工処理を不要とし、製造コストの低減を図ることができる。

本考案の更なる特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の例示的な実施形態の説明により明らかになるであろう。

図１は、車の発泡シート本体に使用される締付けストラップの従来例を示す断面模式図である。 図２は、車の発泡シート本体に使用される締付けストラップの他の従来例を示す断面模式図である。 図３は、本考案の第一実施形態による、シートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具の斜視模式図である。 図４は、図３に示す固定具の平面図である。 図５は、図４のＡ−Ａ線の断面図である。 図６は、本考案の第二実施形態による、シートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具の斜視模式図である。

〔第一実施形態〕
以下、本考案の第一実施形態のシートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具について、図３〜図５を参照して詳細に説明する。
その内、図３は、本考案の第一実施形態による、シートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具１０の斜視模式図である。図４は、図３に示す固定具１０の平面図である。図５は、図４のＡ−Ａ線の断面図である。

図３，４に示すように、本考案の固定具１０は、直列的に接続する複数の係合セクション２０を有し、複数の係合セクション２０の夫々は、その表面に複数のフック体２２が形成された基材２１と、基材２１上に設置された少なくとも１つの磁性部材２３と、基材２１の周辺に沿って設置されると共に、複数のフック体２２を囲む障壁部２４と、基材２１の両端から係合セクション２０の長手方向に沿って一体的に延出し、隣接する係合セクション２０同士を一定の間隔Ｓをあけて直列的に接続する可撓性接続部２５と、を備える。

図３〜５に示す実施形態において、少なくとも１つの磁性部材２３は２本のワイヤを含むが、これに限ることはない。例えば、磁性部材２３は、更に基材２１に配置される磁性材層、又は他の磁性を有する部材を含んでもよい。

又、図３〜５に示す実施形態において、障壁部２４は発泡ウレタン製であり、且つ基材２１の周辺に沿って基材２１に接着されるが、これに限ることはない。例えば、障壁部２４は、基材２１の表面に上向きに延出するように形成されると共に、複数のフック体２２を囲む周壁（図示せず）であってもよい。

障壁部２４の高さＨは、フック体２２の高さｈよりも大きくすることによって、車の発泡シート本体の発泡成形の過程において、発泡材がフック体２２同士の間に浸入することを防止することができる。

図面に示すように、可撓性接続部２５の高さ（ｔ）は幅（ｗ）以上であり、ｔ≧ｗの関係を有することから、可撓性接続部２５の耐用性及び可撓性を確保することができる。

〔第二実施形態〕
以下、本考案の第二実施形態のシートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具について、図６を参照して詳細に説明する。図６は、本考案の第二実施形態による、シートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具１０’の斜視模式図である。
図６に示す固定具１０’は、図３〜５に示す固定具１０と同様に、直列的に接続する複数の係合セクション２０’を有し、複数の係合セクション２０’の夫々は、基材２１と、少なくとも１つの磁性部材２３と、障壁部２４と、可撓性接続部２５と、を備えており、その上に、基材２１の両側夫々から延出するウイング２６を有する。この構成によれば、車の発泡シート本体の発泡成形の過程において、発泡材をウイング２６に被覆することによって、固定具１０’と発泡シート本体との結合を強化することができる。
又、図６に示すように、ウイングは連続的な構造（例えば、ウイング２６）とする以外に、断続的な構造（例えば、ウイング２６’）としてもよい。

本考案に係るシートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具は、上記の独特の構造特徴を有することにより、従来の締付けストラップでは達成できない効果、即ち横方向に湾曲自在な効果を発揮することができる。よって、本考案に係る固定具は、直線形状の接合溝を有する発泡シート本体だけでなく、曲率や曲げ方向が異なる複数の円弧線を含む曲線形状の接合溝を有する発泡シート本体にも適用することができる。

以上、本考案の実施形態について詳細を説明したが、本考案の技術的思想を逸脱しない範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態において、固定具の係合セクションは矩形又は多辺形の形状を有するが、これに限ることはない。例えば、係合セクションは半円の形状を有してもよい。

１０、１０’ 固定具
２０、２０’ 係合セクション
２１ 基材
２２ フック体
２３ 磁性部材
２４ 障壁部
２５ 可撓性接続部
２６、２６’ ウイング
３０、５０ 締付けストラップ
３１、５１ 基材
３２ 磁性材層
３３ 側壁
４０、６０ 係合部材
４３、６３ フック体
７０ 被覆層
Ｓ 間隔
ｔ 可撓性接続部の高さ
ｗ 可撓性接続部の幅

Claims (4)

1. シートカバーを発泡シート本体に固定するための固定具であって、
   前記固定具は、直列的に接続する複数の係合セクションを有し、
   前記係合セクションは、
   その表面に複数のフック体が形成された基材と、
   前記基材上に設置された少なくとも１つの磁性部材と、
   前記基材の周辺に沿って設置されると共に、前記複数のフック体を囲む障壁部と、
   前記基材の両端から前記係合セクションの長手方向に沿って一体的に延出し、隣接する前記係合セクション同士を一定の間隔をあけて直列的に接続する可撓性接続部と、を備える、ことを特徴とする固定具。
2. 前記可撓性接続部の高さ（ｔ）は幅（ｗ）以上であり、ｔ≧ｗの関係を有する、ことを特徴とする請求項１に記載の固定具。
3. 前記障壁部における前記基材の前記表面からの高さが、前記フック体における前記基材の前記表面からの高さよりも大きい、ことを特徴とする請求項１に記載の固定具。
4. 前記係合セクションは、更に前記基材の両側の夫々から延出するウイングを有する、ことを特徴とする請求項１に記載の固定具。