JP3209883B2 - 電子写真印刷装置の画像定着器 - Google Patents

電子写真印刷装置の画像定着器

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JP3209883B2
JP3209883B2 JP13653295A JP13653295A JP3209883B2 JP 3209883 B2 JP3209883 B2 JP 3209883B2 JP 13653295 A JP13653295 A JP 13653295A JP 13653295 A JP13653295 A JP 13653295A JP 3209883 B2 JP3209883 B2 JP 3209883B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真印刷装置等にお
ける画像定着器に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真印刷装置は内部に、感光ドラ
ム、LEDアレイ(LIGHT EMITTING DIODES ARRAY)と
セルフォックレンズ(日本板硝子株式会社の登録商標)
とを一体にした印刷ヘッド、帯電器、現像器、転写器及
び画像定着器を有している。 電子写真印刷装置は、帯
電器により感光ドラムの表面を帯電し、帯電された感光
ドラムの表面を印刷ヘッドにより露光して、感光ドラム
の表面に印刷画像データに対応する静電潜像を形成し、
現像器により静電潜像に対応する部分にトナーを付着し
て感光ドラムの表面にトナー像を形成する。そして、形
成された印刷画像データに対応するトナー像を転写器に
より印刷用紙に転写し、画像定着器によって転写された
トナー像を定着させる。
【0003】画像定着器はヒートローラと加圧ローラと
を有している。ヒートローラはヒートローラ表面を加熱
するための熱源としてのハロゲンランプが内部に設けら
れており、ハロゲンランプは金属電極及び耐熱線材を介
して電源と電気的に接続されている。ヒートローラには
ヒートローラ表面に接触して配置されたサーミスタが設
けられており、サーミスタによってヒートローラの表面
温度を検出してヒートローラの表面温度を一定温度に保
つように制御部によりハロゲンランプへの通電が制御さ
れている。又、ヒートローラの近傍に非接触状態で配置
されたサーモスタットがヒートローラの異常温度を検出
するための保護用として設けられており、ヒートローラ
の表面温度が所定温度以上になった場合にハロゲンラン
プへの通電を遮断するように構成されている。加圧ロー
ラはヒートローラに並設するように設けられており、ヒ
ートローラに接触する方向に移動可能に取り付けられ、
ヒートローラに対して加圧ローラが常に圧接するように
スプリングにより付勢されている。画像定着器は上記に
て説明したヒートローラと加圧ローラの間に転写された
トナー像が形成された印刷用紙を通し、熱及び圧力を加
えて印刷用紙にトナー像を定着させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した画像
定着器のサーモスタットはヒートローラとは非接触の構
造となっており、サーモスタットとヒートローラとの間
の空気層を介しての間接的な温度検知となっている。間
接的な温度検知の為、実際にヒートローラ表面の温度が
異常温度となってからサーモスタットが動作するまでの
時間が長く、しかも、サーモスタットとヒートローラと
の間の間隙のバラツキ等で動作時間も変化し、安全面で
の品質及び信頼性が低下してしまう。又、サーモスタッ
トをヒートローラと直に接触させた状態にして設けた構
造に変更することも考えられるが、サーモスタット自体
の耐熱が必要となるためサーモスタットのコストが高く
なるとともにヒートローラの表面に損傷を与えたりす
る。ヒートローラ表面の損傷は、サーモスタットとヒー
トローラの接触部に余分なトナーや印刷用紙の紙粉を付
着し、余分なトナーや紙粉が印刷用紙に付着して印刷品
位の低下を招く。本発明は、上記問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的はコストを上げることなく、ヒ
ートローラ表面の温度が異常になったときに、温度検知
素子がこれを検出して実際に動作するまでの時間を短く
することが可能な優れた画像定着器を提供することにあ
る。又、温度検知素子と併用または単独でヒートローラ
への通電を遮断する機構を設け、安全性の向上を図るこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る電子写真印刷装置の画像定着器の構造
は、電極を両端に有するとともにヒートローラ内に配設
されたヒータと、ヒータへの通電を行なう電源手段と、
電源手段と一端が嵌合されヒータの電極の一つと他端が
接続された電極板と、ヒートローラに加圧ローラを付勢
する付勢手段と、付勢手段の付勢力に抗してヒートロー
ラを保持しヒートローラの表面温度が所定温度を越えた
ときに保持を解除する保持手段と、ヒートローラの内部
に設けられ保持手段の保持が解除されたときに付勢手段
の付勢力によるヒートローラの移動に伴ってヒータを移
動させる付勢板とを有し、ヒータの電極の一つと電極板
の他端部との接続は付勢板の移動に伴ってヒータが移動
することにより外れるように構成することを特徴とする
ものである。
【0006】しかも、保持手段はヒートローラと加圧ロ
ーラとによって定着を行う部分とほぼ同等の熱がヒータ
から与えられる部分で付勢手段の付勢力に抗してヒート
ローラを回転可能に保持し、ヒートローラの表面温度が
所定温度を越えると溶融する材料で形成された軸受であ
ることを特徴とする。更に、ヒータに通電する経路中に
設けられ、所定温度を越えるとヒータへの通電を断つ保
護回路用の温度検知素子を備え、温度検知素子は軸受け
が溶融したときヒートローラが移動する方向に設けられ
たことを特徴とする。又、電極板は電源手段からヒータ
に通電する経路中に少なくとも一つの接点部を備え、前
記接点部は付勢板が移動することにより離隔してヒータ
への通電を断つことを特徴とする。
【0007】更に、本発明に係る電子写真印刷装置の画
像定着器の構造は、電極を両端に有するとともにヒート
ローラ内に配設されたヒータと、ヒータへ通電を行なう
電源手段と、電源手段と一端が嵌合され、ヒータの電極
の一つと他端が接続された電極板と、ヒートローラに加
圧ローラを付勢する付勢手段と、ヒートローラが所定温
度を越えるとヒートローラの撓みに伴ってヒータを移動
させる付勢板とを有し、電極板は電源手段からヒータに
通電する経路中に少なくとも一つの接点部を備え、接点
部は付勢板が移動することにより離隔してヒータへの通
電を断つことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本願構成は、ヒートローラの表面温度が異常に
上昇してしまった場合に、ヒータへの通電を付勢板によ
るヒータの移動により強制的に遮断する構成としている
ので、温度検知素子の不良や制御部等の回路上の暴走、
駆動回路の故障等によって温度検知素子の動作時間のば
らつきに左右されることなく、又、温度検知素子の取付
位置の誤差に左右されることもなく、ヒータを支持した
まま安全にヒータへの通電を遮断することができる。し
かも、保護回路としての温度検知素子と併用して使用す
れば、温度検知素子により速やかにヒータへの通電を断
ち、画像定着器が故障したりするのを防止することがで
き、更に、温度検知素子の故障にも対応することができ
るので、さらに安全面での品質及び信頼性を向上させる
ことができる。
【0009】
【実施例】図5は本発明に係わる電子写真印刷装置の制
御ブロック図である。 図5において、制御部30はマ
イクロコンピュータ等からなり電子写真印刷装置の全体
の動作を制御するものである。制御部30は制御部30
に接続された各種検出センサ80からの検出信号によっ
て、印刷用紙の位置等を確認し、帯電器43、印刷ヘッ
ド71、現像器45、転写器44、画像定着器96及び
モータ61等を制御する。又、制御部30には外部装置
からの入力信号を受信するためのI/F部32と電子写
真印刷装置の動作状態等を表示するための表示部31が
接続されている。制御部30は外部装置からI/F部3
2を介して入力された印刷データ及び制御コマンドに従
って画像データを生成する処理を行ない、処理された画
像データを印刷制御部70に出力する。印刷制御部70
は制御部30が出力した画像データを印刷ヘッド71に
送出する。印刷ヘッド71は送られてきた画像データに
基づいて発光素子アレイの発光制御を行い、帯電器43
によって帯電された感光ドラムの表面上に文字・図形な
どの画像データをドットイメージの静電潜像として形成
する。モータ制御部60は電子写真印刷装置内の各種モ
ータ等を制御して印刷用紙を搬送するための各搬送ロー
ラ、感光ドラム、現像ローラ、転写ローラ及び画像定着
器等を駆動する。感光ドラムはモータ制御部60の指示
により図示せぬモータによって回転し、順次感光ドラム
上に静電潜像を形成する。形成された静電潜像は現像用
駆動制御部42の指示により駆動する現像器45によっ
て、感光ドラムの表面に書き込まれた静電潜像に対応す
る部分にトナーが付着されトナー像が形成される。形成
されたトナー像は転写用駆動制御部41の指示により駆
動する転写器44によって電圧が印加され、感光ドラム
上のトナー像が印刷用紙に転写される。転写される印刷
用紙は図示せぬ検出センサにより同期がとられ、モータ
制御部60の指示により図示せぬモータを回転し搬送ロ
ーラを駆動して感光ドラムと転写器44の間に搬送さ
れ、更に、転写動作を行なった後の印刷用紙は画像定着
器96に搬送される。画像定着器96は転写器44で印
字用紙に転写されたトナー像を加圧・加熱して定着させ
る。定着後の印刷用紙は搬送され装置外に排出される。
又、転写後の感光ドラムの表面に残ったトナーはクリ
ーニングユニットにより清掃され、清掃後の感光ドラム
は再び帯電用駆動制御部40の支持による帯電器43の
動作によって一様に帯電される。このようにして、制御
部30は上記一連の動作を制御し、I/F部からの印刷
データがなくなるまで上記動作を繰り返し行なう。
【0010】次に、画像定着器に関する制御を第5図及
び第6図を用いて詳細に説明する。定着用駆動制御部9
0は温度検出部91、電圧発生部92、比較部93、電
源ON/OFF制御部94及び定着用電源8からなる。
比較部93は、画像定着器96の温度を一定温度に保つ
ための予め設定された所定電圧値を電圧発生部92から
入力し、画像定着器96の温度を検出するサーミスタ9
から入力され電圧値に変換された値を温度検出部91か
ら入力して比較する。比較結果は電源ON/OFF制御
部へ送られ、電源ON/OFF制御部94は比較部93
から入力した比較結果に基づいて画像定着器96へ供給
する電源のON/OFFを制御し、画像定着器96の温
度を所定温度となるように制御する。
【0011】更に、本願発明に係わる画像定着器の構造
を以下に詳細に説明する。図2及び図3は本発明に係る
画像定着器を示すもので、図2は画像定着器の概略縦断
側面図であり、図3は画像定着器の要部構成配置図であ
る。 図2及び図3において、1は装置本体でアッパフ
レーム1aとロアフレーム1bとで構成されている。2
は両端が開口された円筒状をしたヒートローラであり、
ヒートローラ2は左右の軸受20を介してロアフレーム
1bに回転可能に取り付けられており、一端側には図示
せぬモータからの駆動力によりヒートローラ2を回転さ
せるための歯車4が取り付けられている。軸受20はヒ
ートローラ2の表面が異常温度より低い予め設定された
温度、例えば200度〜230度の温度で溶融するプラ
スチック材料等で形成されている。 5はヒートローラ
2を加熱するためのハロゲンランプであり、ハロゲンラ
ンプ5はヒートローラ2を左右に貫通した状態でヒート
ローラ2内に配置されている。ハロゲンランプ5は左右
一対の金属電極6で支持されていると共に、左右一対の
金属電極6と耐熱線材7を介して定着用電源8と電気的
に接続されている。金属電極6はヒートローラ2が移動
した時に撓むことができるようにバネ性を有している。
10はヒートローラ2の表面の異常温度を検出したと
き、ハロゲンランプ5への通電を断つ保護回路用のサー
モスタットであり、ヒートローラ2の上方に非接触の状
態で配設されている。11はヒートローラ2と接触する
ようにして並置されている加圧ローラであり、加圧ロー
ラ11の両端は軸受12を介してロアフレーム1bに取
り付けられている。軸受12はロアフレーム1bに対し
て移動可能に取り付けられており、加圧ローラ11がヒ
ートローラ2に接触する方向へ移動可能になっている。
軸受12とロアフレーム1bとの間にはバネ付勢手段と
してのスプリング13が設けられており、スプリング1
3は軸受12が上向きになるように付勢され、加圧ロー
ラ11がヒートローラ2に対して常に圧接された状態と
なっている。加圧ローラ11がヒートローラ2に作用す
る力の向き及び方向は、軸受20が溶融されたときにヒ
ートローラ2をサーモスタット10側に移動させること
ができるように設定されている。上記画像定着器は転写
器44によりトナー像が形成された印刷用紙にヒートロ
ーラ2と加圧ローラ11とで熱及び圧力が加えて印刷用
紙にトナー像を定着させる。印刷用紙に熱を加えるヒー
トローラ2はハロゲンランプ5により内側から加熱され
ており、サーミスタ9及び定着用駆動制御部90等の温
度制御手段によって、ヒートローラ2の表面温度が所定
温度となるように制御されている。サーモスタット10
はサーミスタ9の不良、制御部等の回路上の暴走または
駆動回路の故障等によってヒートローラ2の表面温度が
上昇して異常温度となると、その異常温度を検出してハ
ロゲンランプ5への通電を断つ。以下に図1を用いて詳
細に説明する。
【0012】図1の(a)はヒートローラ2の表面温度
が正常な場合を示し、図1の(b)はヒートローラ2の
表面温度が異常な場合を示す。図1の(a)に示すよう
にヒートローラ2の表面温度が正常な場合には、ヒート
ローラ2は軸受20に支持されてサーモスタット10と
離れた位置で回転している。軸受20はヒートローラ2
の表面温度が異常になるとヒートローラ2の表面の熱で
溶融を始め、加圧ローラ11を介してスプリング13の
付勢力を常に受けているヒートローラ2をサーモスタッ
ト10側に移動させる。サーモスタット10が動作され
る温度となるときには、ヒートローラ2がサーモスタッ
ト10に接触若しくは接触に近い状態となり、ヒトーロ
ーラ2の表面温度をサーモスタット10がほぼ直に検出
することになる。図1の(b)はヒートローラ2とサー
モスタット10が接触した状態を示している。サーモス
タット10はサーモスタット10の検知温度を越えると
動作し、ハロゲンランプ5への通電を停止して電子写真
印刷装置が故障したりするのを防止している。
【0013】図4は異常時のサーモスタット10が検知
する温度と時間との関係を本発明の場合と従来装置の場
合とで比較してグラフに示したものである。図4におい
て、実線で示した曲線は本発明の場合であり、一点鎖線
で示した曲線は従来の場合である。図4で示されている
ようにサーモスタット10の検知温度はT2であり、サ
ーモスタット10の検知温度がT2を越えるとサーモス
タット10が動作し、ハロゲンランプ5への通電を停止
する。温度T0は通常動作時の温度である。ヒートロー
ラ2を支持している軸受20が溶融される設定温度は、
サーモスタット10の検知温度がT1の時である。本発
明の場合では温度T1の時刻t1からサーモスタット1
0にヒートローラ2が近づいて行って接触もしくは接触
に近い状態となるので、検知温度は実線で示すように従
来の一点鎖線に比べて急激に上昇し、時刻t2でサーモ
スタット10の検知温度T2に達する。従来装置では時
刻t3でサーモスタット10の検知温度T2に達する。
従って、本発明の構造では、ヒートローラ2が異常に熱
くなったときに、サーモスタット10が動作するまでの
時間が(t3−t2)分短くなる。
【0014】尚、上記実施例の構造では、異常時のとき
に軸受20が溶融されてヒートローラ2がサーモスタッ
ト10に直に接する場合について説明したが、完全に接
触せずにヒートローラ2をサーモスタット10に接触す
る直前で停止するようにしても差し支えないものであ
る。又、サーモスタット10とヒートローラ2との位置
は、軸受20が溶融されたときに、ヒートローラ2がサ
ーモスタット10に向かって移動してくる位置に設けら
れる構造であれば良いものである。以上説明した通り本
願発明に係る画像定着器によれば、ヒートローラ2が予
め設定された温度を越えると、ヒートローラ2を回転可
能に支持している軸受20が溶融し、かつ加圧ローラ1
1側から受ける力によりヒートローラ2がサーモスタッ
ト10側に移動して、サーモスタット10との関係を非
接触から接触する方向に向かって変化させることができ
る。そして、異常時にはサーモスタット10が動作して
ハロゲンランプ5への通電を停止するまでの時間が短く
することができるので、画像定着器の故障等を最小限に
抑えることができ、信頼性を向上させることができる。
【0015】更に、サーモスタット10が動作したあと
の制御について説明する。サーモスタット10が動作し
ハロゲンランプ5への通電が遮断されると、異常状態判
定部97は表示部31、I/F部32及び各駆動制御部
に異常状態を通知する信号を出力する。各駆動制御部は
異常状態判定部の信号により強制的に各駆動を停止する
ように動作し、表示部31は異常状態判定部97の信号
を入力して画像定着器が異常状態であることをLED等
を点灯させて表示する。又、I/F制御部32は異常状
態判定部97の信号を入力して外部装置へ電子写真印刷
装置が異常状態であることを通知する。
【0016】以上説明した通り本願発明に係る画像定着
器によれば、ヒートローラ2が予め設定された温度を越
えると、ヒートローラ2内のハロゲンランプ5への通電
を遮断するだけでなく、異常状態判定部97により各駆
動制御部の動作を強制的に停止させることができるの
で、二次障害を防ぐこともできる。又、表示部31によ
り異常状態を表示して操作者に通知することもでき、し
かも、外部装置に通知することにより外部装置からのデ
ータの送信を停止させることができるのでデータの消失
を最低限に抑えることもできる。異常状態判定部97は
制御部を介さずに、各駆動制御部の動作を停止させ、表
示部31に異常状態を表示し、外部装置に異常状態を通
知する構成となっているので、制御部等が暴走したとし
ても確実に駆動系を停止することができ、信頼性を向上
させることができる。
【0017】次に本願発明の第2の実施例について説明
する。第7図は第2の実施例を説明する画像定着器の概
略縦断側面図である。第8図は第2の実施例の詳細を説
明するヒートローラ2の端部斜視図である。第7図にお
いて、第1の実施例と同様な箇所についての説明は省略
する。第2の実施例はサーモスタットとは別に、サーミ
スタ9の不良、制御部等の回路上の暴走及び駆動回路の
故障等によりヒートローラ2の表面温度が異常上昇して
しまった場合に、ハロゲンランプ5への通電を強制的に
断つ構成を有し、画像定着器の故障を最小限に抑え、電
子写真印刷装置の他の部分が故障したりするのを防止す
ることを目的としている。
【0018】第7図において、16は付勢板でありヒー
トローラ2内部の端部に設けられている。6a、6bは
電源からハロゲンランプ5に通電するための電極板であ
り、ハロゲンランプ5の両端部に各々設けられている。
第8図は付勢板16を示す斜視図であり、第9図は電極
板6aを示す斜視図である。以下に付勢板16と電極板
6aについて詳細に説明する。第8図において、付勢板
16はハロゲンランプ5が接触しない大きさの穴16b
を有する円盤状の部分16aと、円盤状の部分16aと
一体であり複数の足16Cを有している。付勢板16は
ヒートローラ2の内径よりも小さく形成され、付勢板1
6の複数の足16cは外側に行くほど広がるような角度
をもって形成されている。付勢板16は足16cの撓み
力を利用してヒートローラ2の片方の先端部付近の内部
に固定されている。
【0019】第7図及び第9図において、電極板6a、
6bはハロゲンランプ5へ通電するためにハロゲンラン
プ5の両端部に各々設けられている。電極板6bは板バ
ネ状に形成されておりハロゲンランプ5の一端と接触す
るように設けられ、電極板6bの撓み力によりハロゲン
ランプ5の他端を電極板6aに一定の力で押しつけてい
る。電極板6aはヒートローラ2が押し上げられても同
一の位置を保つように装置本体フレーム等に固定されて
おり、電極板6aの先端部はハロゲンランプ5側に折り
曲げられており、折り曲げられた部分はハロゲンランプ
5側に除々に先端が細くなる形状となっている。第10
図はハロゲンランプ5の他端の接点部14aと電極板6
aを示す断面図である。ハロゲンランプ5の接点部14
aは中心から外側に向かって広がったおわん状の窪みを
有し、電極板6bの撓み力により電極板6aと接続され
ている。
【0020】第11図(a)、(b)は第2の実施例の
動作を説明する図である。第1の実施例同様、サーミス
タ9の不良、制御部等の回路上の暴走または駆動回路等
の故障等によってヒートローラ2の表面温度が上昇して
異常温度となり、軸受20が溶融すると、加圧ローラ1
1から受ける力によりヒートローラ2が移動する。ヒー
トローラ2が第11図(a)の矢印方向に移動すると、
ヒートローラ2の内部に配置された付勢板16の内径部
がハロゲンランプ5と接触する。更に、軸受20が溶融
すると付勢板16の内径部がハロゲンランプ5を押し上
げ、ハロゲンランプ5の接点部14aと付勢板6aの接
続を外す。第11図(b)はハロゲンランプ5の接点部
14aが付勢板6aから外れる過程を示したものであ
る。ハロゲンランプ5の接点部14aと付勢板6aが外
れると、ハロゲンランプ5への通電が強制的に遮断され
る。以上説明したように本願発明の第2の実施例では、
ヒートローラ2が異常温度になるとハロゲンランプ5へ
の通電を強制的に遮断することができる。サーモスタッ
トとは別の構成によってハロゲンランプ5への通電を遮
断することができるので、サーモスタットの動作時間の
ばらつきに左右されることなく、又、サーモスタットの
取付け位置の誤差に左右されることなく、確実にヒート
ローラ2への通電を遮断することができる。本構成とサ
ーモスタット2とを併用した装置の場合には、サーモス
タットが故障した場合であってもハロゲンランプ5への
通電を確実に遮断することができる。
【0021】第12図、第13図は本発明の第3実施例
の電極板6cの形状とハロゲンランプ5の端部の形状を
示したものであり、第2の実施例の電極板6aの形状と
ハロゲンランプ5の端部の形状を変更したものである。
ハロゲンランプ5の接点部14aは中心から外側に向か
って広がったおわん状の窪みを有する形状となってお
り、ハロゲンランプ5の端部に設けられたセラミックで
形成されたベース部14bよりも外側に設けられてい
る。電極板6cの先端部はヒートローラ2の移動方向と
同一方向に切込みが設けられ、切込み部から電極板6c
の先端部にかけての部分はハロゲンランプ5の接点部1
4aの方向に折り曲げられて面取りがなされている。電
極板6cの形状とハロゲンランプ5の端部の形状を変更
することにより、電極板6cがハロゲンランプ5の端部
から外れる場合に、ハロゲンランプ5の端部に引っかか
ることなく外れるため確実に電極板6cとハロゲンラン
プ5の端部との接続を外すことができる。
【0022】次に本願発明の第4の実施例について説明
する。第4の実施例は画像定着器96のウォミングアッ
プ時間を短縮するためにヒートローラ2の表面の厚さを
薄くしたものに対し特に有効である。第14図は本願発
明の第4の実施例の画像定着器の概略縦断側面図であ
る。尚、第1の実施例と同じ構成部分については説明を
省略する。第14図において、2はヒートローラであり
画像定着器96のウォミングアップ時間を短縮するため
にヒートローラ表面の厚さが薄く構成されている。ヒー
トローラ2は表面にPTFE、PFAのフッ素樹脂から
なる離型層が形成されている厚さ0.2〜0.8mmの
アルミからなる。ヒートローラ2の内部にはハロゲンラ
ンプ5を有し、ヒートローラ2の表面温度が所定の温度
となるように制御されている。ヒートローラ2は、印刷
用紙走行時において印刷用紙走行範囲内で均一な温度分
布となるように、駆動ギヤ、ファンの位置等によるヒー
トローラ2からの熱放出量が考慮されている。第15図
にハロゲンランプ5の配光分布特性を示す。ハロゲンラ
ンプ5の連続通電時には第15図に示されているよう
に、ヒートローラ2の中央部e点から最大光量部g点に
おいて最大温度となる。6d、6e、6fはりん青銅等
からなる板バネであり、ハロゲンランプ5への通電は各
板バネを介して通電される。板バネ6dはハロゲンラン
プ5の一端部に接続され、ハロゲンランプ5の他端部に
は板バネ6fが接続されている。板バネ6dと6eは電
気的に接続されていればよく、耐熱電線による接続ある
いは6dと6eが一体的に構成されていてもよい。板バ
ネ6eと板バネ6fの接点はヒートローラ2の最大に撓
む位置上で離隔可能に固定されている。又、板バネ6f
は板バネ6eと板バネ6fの接点部近傍のヒートローラ
2側に押圧部6gが設けられている。16は付勢板であ
り第2実施例で使用したものと同じに構成されており、
ヒートローラ2が異常温度に上昇したとき最大に撓む位
置に固定されている。付勢板16はヒートローラ2及び
ハロゲンランプ5を押し上げるように形成されたもので
あればよく、ハロゲンランプ5に直にヒートローラ2の
内径よりも若干小さい突起部を設けてもよい。付勢板1
6は第14図で示されているヒートローラ2の中央位置
e点から最大光量位置g点の間に設けられている。ヒー
トローラ2の温度分布が均一であればヒートローラ2の
中央位置e点が最大撓み位置となり、ヒートローラ2の
配光分布により連続通電時の最高温度位置がずれる場合
は、荷重位置で決まる最大撓み位置と最高温度位置の間
が最大撓み位置となる。
【0023】次に本願発明の第4の実施例の動作につい
て説明する。第1、第2及び第3実施例同様、サーミス
タ9の不良、制御部等の回路上の暴走あるいは駆動回路
の故障等によりヒートローラ2の表面温度が上昇して異
常温度となると、ヒートローラ2の肉厚が薄いため加圧
ローラ11の力を受けてヒートローラ2が撓む。ヒート
ローラ2の内部には付勢板16がヒートローラ2の最大
撓み位置に設けられており、付勢板16によりヒートロ
ーラ2及びハロゲンランプ5を押し上げるように働く。
付勢板16により押し上げられたヒートローラ2はヒー
トローラ2の上部に設けられた板バネ6fの押圧部6g
に接し板バネ6fを押し上げる。板バネ6fはヒートロ
ーラ2により押し上げられて板バネ6eから離隔する。
板バネ6eと板バネ6fの嵌合が外れることによりハロ
ゲンランプ5への通電が遮断される。又、ハロゲンラン
プ5の端部の構造を第2、第3の実施例のように構成
し、ヒートローラ2の軸受を耐熱性の高い部材で構成す
れば、軸受が溶融する前に付勢板16によりハロゲンラ
ンプ5を押し上げることができ、ハロゲンランプ5の端
部と電極板との接続を外し、ハロゲンランプ5への通電
を遮断することができる。以上説明したように本願発明
の第4の実施例では、ヒートローラ2が異常温度になる
とハロゲンランプ5への通電を強制的に遮断することが
できる。サーモスタットとは別にハロゲンランプ5への
通電を遮断する構成を設けたので、サーモスタットの動
作時間のばらつきに左右されることなく、サーモスタッ
トの取付け位置の誤差に左右されることなく、確実にヒ
ートローラ2の通電を遮断することができる。又、軸受
を耐熱性の高い部材で構成し、第2、第3の実施例のハ
ロゲンランプ5の端部の構造とすれば、軸受がとける前
にハロゲンランプ5への通電が遮断されるので異臭を発
生することもない。更に、本願発明の第1、第2、第3
及び第4実施例を各々組み合わせて使用すれば2重、3
重のガードをすることができ、より安全な装置を提供で
きることは云うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上説明した通り本願発明に係る画像定
着器によれば、温度検知素子の不良や制御部等の回路上
の暴走、駆動回路の故障等によってヒートローラの表面
温度が異常に上昇してしまった場合に、ヒータへの通電
を付勢板によるヒータの移動により強制的に遮断する構
成としているので、温度検知素子の動作時間のばらつき
に左右されることなく、又、温度検知素子の取付位置の
誤差に左右されることもなく、ヒータを支持したまま安
全にヒータへの通電を遮断することができる。しかも、
保護回路としての温度検知素子と併用して使用すれば温
度検知素子の故障に対応できるだけではなく、温度検知
素子により速やかにヒータへの通電を断ち、画像定着器
が故障したりするのを防止することもできる。この場
合、温度検知素子が動作する迄の時間を短くでき、温度
検知素子自体の耐熱を上げることなく、ヒートローラの
表面に損傷を与えたり、或は接触部に余分なトナーや記
録紙の紙粉が付着して印刷品位の低下を招くことのない
画像定着器を形成することができる。従って、さらに安
全面での品質及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す画像定着器の動作説
明図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す画像定着器の概略縦
断側面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す画像定着器の要部構
成配置図である。
【図4】本発明の第1実施例を示すサーモスタットの動
作状態図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す制御ブロック図であ
る。
【図6】本発明の第1実施例を示す定着用駆動制御部の
ブロック図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す画像定着器の概略縦
断側面図である。
【図8】本発明の第2実施例を示すヒートローラの端部
斜視図である。
【図9】本発明の第2実施例を示すハロゲンランプの端
部斜視図である。
【図10】本発明の第2実施例を示すハロゲンランプの
端部断面図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す動作説明図であ
る。
【図12】本発明の第3実施例を示すハロゲンランプの
端部斜視図である。
【図13】本発明の第3実施例を示すハロゲンランプの
端部断面図である。
【図14】本発明の第4実施例を示す画像定着器の概略
縦断側面図である。
【図15】本発明の第4実施例を示す配光分布図であ
る。
【符号の説明】
1 装置本体 2 ヒートローラ 4 歯車 5 ハロゲンランプ(ヒータ) 6 電極板 7 耐熱線材 8 電源 9 サーミスタ 10 サーモスタット(温度検知素子) 11 加圧ローラ 12 軸受 13 スプリング(付勢手段) 14 接点部 15 印刷用紙 16 付勢板 17 トナー像 20 軸受 30 制御部 31 表示部 32 I/F部 40 帯電用駆動制御部 41 転写用駆動制御部 42 現像用駆動制御部 43 帯電器 44 転写器 45 現像器 60 各モータ制御部 61 各モータ 70 印刷制御部 71 印刷ヘッド 80 各種センサ 90 定着用駆動制御部 91 温度検出部 92 電圧発生部 93 比較部 94 電源ON/OFF制御部 97 異常状態判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 茂喜 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 若菜 隆 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 内田 隆雄 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−151686(JP,A) 実開 昭60−135755(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートローラと該ヒートローラに押しあ
    てられた加圧ローラとの間に印刷用紙を通して定着を行
    なう電子写真印刷装置の画像定着器において、 電極を両端に有し、前記ヒートローラ内に配設されたヒ
    ータと、 前記ヒータへ通電を行なう電源手段と、 前記電源手段と一端が嵌合され、前記ヒータの電極の一
    つと他端が接続された電極板と、 前記ヒートローラに前記加圧ローラを付勢する付勢手段
    と、 前記付勢手段の付勢力に抗して前記ヒートローラを保持
    し、該ヒートローラの表面温度が所定温度を越えたとき
    に保持を解除する保持手段と、 前記ヒートローラの内部に設けられ、前記保持手段の保
    持が解除されたとき前記付勢手段の付勢力による該ヒー
    トローラの移動に伴って前記ヒータを移動させる付勢板
    とを有し、 前記ヒータの電極の一つと前記電極板の他端部との接続
    は前記付勢板の移動に伴って該ヒータが移動することに
    より外れることを特徴とする電子写真印刷装置の画像定
    着器。
  2. 【請求項2】 前記保持手段は前記ヒートローラと前記
    加圧ローラとによって定着を行う部分とほぼ同等の熱が
    前記ヒータから与えられる部分で前記付勢手段の付勢力
    に抗して前記ヒートローラを回転可能に保持し、該ヒー
    トローラの表面温度が所定温度を越えると溶融する材料
    で形成された軸受であることを特徴とする請求項1記載
    の電子写真印刷装置の画像定着器。
  3. 【請求項3】 前記ヒータに通電する経路中に設けら
    れ、所定温度を越えると該ヒータへの通電を断つ保護回
    路用の温度検知素子を備え、 前記温度検知素子は前記軸受が溶融したとき前記ヒート
    ローラが移動する方向に設けられたことを特徴とする請
    求項2記載の電子写真印刷装置の画像定着器。
  4. 【請求項4】 前記電極板は前記電源手段から前記ヒー
    タに通電する経路中に少なくとも一つの接点部を備え、
    前記接点部は前記付勢板が移動することにより離隔して
    該ヒータへの通電を断つことを特徴とする請求項1記載
    の電子写真印刷装置の画像定着器。
  5. 【請求項5】 ヒートローラと該ヒートローラに押しあ
    てられた加圧ローラとの間に印刷用紙を通して定着を行
    なう電子写真印刷装置の画像定着器において、 電極を両端に有し、前記ヒートローラ内に配設されたヒ
    ータと、 前記ヒータへ通電を行なう電源手段と、 前記電源手段と一端が嵌合され、前記ヒータの電極の一
    つと他端が接続された電極板と、 前記ヒートローラに前記加圧ローラを付勢する付勢手段
    と、 前記ヒートローラが所定温度を越えると該ヒートローラ
    の撓みに伴って前記ヒータを移動させる付勢板とを有
    し、 前記電極板は前記電源手段から前記ヒータに通電する経
    路中に少なくとも一つの接点部を備え、該接点部は前記
    付勢板が移動することにより離隔して該ヒータへの通電
    を断つことを特徴とする電子写真印刷装置の画像定着
    器。
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