JP3207700B2 - 電界放出型電子源装置の製造方法 - Google Patents

電界放出型電子源装置の製造方法

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JP3207700B2
JP3207700B2 JP5940595A JP5940595A JP3207700B2 JP 3207700 B2 JP3207700 B2 JP 3207700B2 JP 5940595 A JP5940595 A JP 5940595A JP 5940595 A JP5940595 A JP 5940595A JP 3207700 B2 JP3207700 B2 JP 3207700B2
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照高 徳丸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高電界において電子を
放出する電界放出型電子源装置の製造方法に関し、特に
基板上に陰極とゲート電極を集積してなる電界放出型電
子源装置製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路又は薄膜の分野において
用いられている微細加工技術の進歩に伴って、高電界に
おいて電子を放出する電界放出型電子源の製造技術の進
歩は目覚ましく、特に、極めて小型な構造を有する電界
放出型冷陰極を備えた電界放出型電子源装置が製造され
ている。この種の電子源装置の電界放出型冷陰極は、三
極管型の超小型電子管又は超小型電子銃を構成する主要
部品の内で、最も基本的な電子放出テバイスである。
【0003】ところで、多数の電子放出部を含む電界放
出型電子源装置は、例えば微小三極管や薄型表示素子等
の構成要素として考案されたものであり、電界放出型電
子源の動作及び製造方法は、スタンフォード リサーチ
インスティチュート(Stanford Resea
rch Institute)のシー.エー.スピント
(C.A.Spindt)らによって、ジャーナル オ
ブ アプライド フィジックス(Journal of
Applied Physics)の第47巻、12
号、5248〜5263頁(1976年12月)に発表
された研究報告により公知であり、シー.エー.スピン
ト等による米国特許第4,307,507号及びエイ
チ.エフ.グレイ(H.F.Gray)等による米国特
許第4,307,507号及び第4,513,308号
に開示されている。
【0004】このテバイス、つまり電界放出型電子源装
置は、電界放出の原理により電子を放出する冷陰極と、
冷陰極に電界を印加して電子を放出させるために正電圧
を印加する電界印加電極としてのゲート電極とを備えて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの電界放出型電
子源においては、作製した電子放出部の中の一部の電子
放出部において、作製プ口セスでの汚染により絶縁層表
面でのリーク電流が生じたり、作製プ口セスの不均一性
が原因となる形状のバラツキによって冷陰極から放出し
た電子がゲート電極へ入射する成分が多く、冷陰極とゲ
ート電極との間に比較的大きなリーク電流が流れること
がある。これらのリーク電流が原因となり、ジュール熱
の発生による温度上昇やガス放出によって発生したプラ
ズマ等によりその電子放出部が破壊されるという間題点
が生じる。
【0006】また、これらの電解放出型電子源において
は、動作電圧の低下を図るために、冷陰極を極度に先鋭
化しているために、ノッティンガム効果やジュール熱に
よる先端部の温度上昇が生じやすく、作製プ口セスの不
均一性が原因となる冷陰極先端の形状のバラツキによっ
て、動作電圧が比較的低く、また比較的低い動作電圧で
破壊に至る電子放出部がある。
【0007】多数の電子放出部を含む電界放出型電子源
においては、一部の電子放出部に破壊が生じると、多く
の場合、冷陰極とゲート電極がショートしてしまい電子
源全体が機能しなくなってしまう。
【0008】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、電子放出部に破壊が生じることが
ないように、冷陰極とゲート電極との間のリーク電流を
低減、あるいは、動作電圧が破壊に至らないように冷陰
極からの放出電流を低減し、歩留まり低下や信頼性低下
を引き起こすことがない電界放出型電子源装置製造方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】 請求項に記載の電界放
出型電子源装置の製造方法は、半導体又は金属からなる
基板上に、陰極を形成することとなる突出した部分を形
成するステップと、突出した部分を含む基板表面上に、
酸化することによって絶縁層を形成するステップと、絶
縁層上の突出した部分の先端部分を除いた部分に抵抗層
を形成するステップと、抵抗層上にゲート電極層を形成
するステップと、絶縁層の突出した部分の先端部分を除
去して陰極の先端部分を露出させるステップと、ゲート
電極の、陰極の先端部分を囲う部分とその他の部分とを
分離するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】請求項に記載の電界放出型電子源装置の
製造方法は、半導体又は金属からなる基板上に、陰極を
形成することとなる突出した部分を形成するステップ
と、突出した部分を含む基板表面上に、酸化することに
よって絶縁層を形成するステップと、絶縁層上の突出し
た部分の先端部分を除いた部分に抵抗層を形成するステ
ップと、抵抗層上の突出した部分の先端部分を囲う部分
を除いた部分にゲート電極層を形成するステップと、絶
縁層の突出した部分の先端部分を除去して陰極の先端部
分を露出させるステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】 請求項に記載の電界放出型電子源装置の製造
方法は、絶縁層上の突出した部分の先端部分を除いた部
分に抵抗層を形成するステップと、抵抗層上にゲート電
極層を形成するステップと、ゲート電極層の陰極の先端
部分を囲う部分とその他の部分とを分離するステップと
を含むように構成したので、抵抗層上に形成され、個々
の電子源を構成する第1のゲート電極部と全体のゲート
電極を構成する第2のゲート電極部とを含み、個々の電
子放出部の破壊が生じにくい電界放出型電子源装置を容
易に製造することができる。
【0020】請求項に記載の電界放出型電子源装置の
製造方法は、絶縁層上の突出した部分の先端部分を除い
た部分に抵抗層を形成するステップと、抵抗層上の突出
した部分の先端部分を囲う部分を除いた部分にゲート電
極層を形成するステップとを含むように構成したので、
絶縁層上及び陰極の先端部分の近傍に形成された抵抗層
と、抵抗層上の陰極の先端部分を囲う部分を除く部分
に、陰極から電子を引き出すために形成されたゲート電
極とを含み、電子放出部の破壊が生じにくい電界放出型
電子源装置を容易に製造することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の電界放出型電子源装置の第1
の実施例を図を参照しながら説明する。
【0022】本実施例の電界放出型電子源装置は、図1
に示すように、シリコン基板11と、冷陰極10と、絶
縁層12と、抵抗層13と、電子放出部ゲート電極14
aと、共通ゲート電極14bとから構成されている。
【0023】ここで、図2を参照して本発明の電界放出
型電子源の製造方法の実施例を説明する。
【0024】まず、図2(A)に示すように、比抵抗ρ
=0.01〜0.02Ω・cmのn型シリコン基板11
の表面を熱酸化し、厚さが0.2〜0.3μmの熱酸化
シリコン層15を形成する。次に、前記熱酸化シリコン
層15の表面にレジストを用いて例えば円形のパターン
を形成し、熱酸化シリコン層15をエッチングすること
により、図2(B)に示すような円形の熱酸化シリコン
マスク15aを形成する。
【0025】それから、前記熱酸化シリコンマスク15
aを用いてシリコン基板11の表面をドライエッチング
法により等方的にエッチングし、図2(C)に示すよう
に円錐形状に突出した冷陰極10を構成するための凸部
11aをシリコン基板11の表面に形成する。なお、本
実施例では凸部11aは円錐形状であるが、冷陰極10
を構成するための凸部11aの形状はこれに限るもので
はない。更に、前記凸部11aが形成されたシリコン基
板11の表面を熱酸化し、図2(D)に示すように、
0.3〜0.5μm程度の厚さを有する熱酸化シリコン
層12aを成長させる。この熱酸化の際に、シリコン基
板11の凸部11aの表面も同時に熱酸化され、円錐形
状の冷陰極10が形成される。
【0026】そして、前記冷陰極10を含むシリコン基
板11を真空蒸着装置内に配置し、図2(E)に示すよ
うに、冷陰極10の垂線16を軸にシリコン基板11を
回転させながら、抵抗層13となるシリコンを、シリコ
ン基板11に対して図中矢印Aで示す斜め上方から蒸着
することによって、厚さ0.1〜0.5μm程度の抵抗
層13を、前記凸部11aから形成した冷陰極10の先
端部よりも裾野側の基板11上に形成された二酸化シリ
コン層12aと二酸化シリコンマスク15a上とに堆積
させる。それから、図2(F)に示すように、前記シリ
コン蒸着時と同様に前記シリコン基板11を回転させな
がら、ゲート電極層14を構成するモリブデンを、前記
シリコン基板11に対して図中矢印Aで示す斜め上方か
ら蒸着し、厚さ0.3μm程度のゲート電極層14を、
抵抗層13上に堆積させる。
【0027】次に、電子放出源として不要な二酸化シリ
コンマスク15aと前記冷陰極10の先端を覆っている
二酸化シリコン層12aの一部をフッ酸とフッ化アンモ
ニウムとの混合水溶液からなるエッチング材料により除
去し、図2(G)に示すように、シリコン基板11が含
む冷陰極10の先端部を露出させる。これによって、絶
縁層12、抵抗層13、ゲート電極層14の各層は、冷
陰極10の先端部を取り囲んで冷陰極10の先端部分が
露出するように形成され、ゲート電極層14の冷陰極1
0の近傍の表面は、冷陰極10の先端都の高さと同程度
の高さを有するように形成される。
【0028】最後に、前記ゲート電極層14の表面にレ
ジストを用いて、例えばドーナツ型に抜いたパターンを
形成し、ゲート電極層14をエッチングすることによ
り、図2(H)に示すような、ドーナツ型の電子放出部
ゲート電極14aと、共通ゲート電極14bとに分離さ
れる。上記製造方法によって、図2(H)および図1に
示す本発明の電界放出型電子源装置が作製される。
【0029】図1に示すように、本実施例の冷陰極10
は、基板電極としてのシリコン基板11上に円錐状に突
出するように形成されている。前記シリコン基板11が
含む冷陰極10の先端部の裾野側には絶縁層12が形成
されている。前記絶縁層12は、基板電極を成すシリコ
ン基板11の表面を酸化することにより形成されたもの
である。前記絶縁層12上には、抵抗層13が形成され
ている。さらに、前記抵抗層13上には、冷陰極10か
ら電子を放出させるために正電圧が印加される電界印加
電極としてのゲート電極層14が積層されている。前記
ゲート電極層14は、電子放出部ゲート電極14aと、
共通ゲート電極14bとに分離されている。また、前記
電子放出部ゲート電極14aは共通ゲート電極14bと
抵抗層13を介して電気的に接続されている。
【0030】共通ゲート電極14bに正電圧を印加した
ときに、冷陰極10と電子放出部ゲト電極14aとの間
に電流が流れなければ、電子放出部ゲート電極14a
は、しばらく時間が経過した後に共通ゲート電極14b
と同電位になる。しかし、冷陰極10と電子放出部ゲー
ト電極14aとの間にリーク電流が流れると、電子放出
部ゲート電極14aと共通ゲート電極14bとの間に抵
抗層13を通じて電流が流れ、抵抗層13での電圧降下
により、電子放出部ゲート電極14aの電位は、抵抗層
13を通じて流れる電流の大ささに応じて、共通ゲート
電極14bの電位よりも低くなる。その結果、冷陰極1
0と電子放出部ゲート電極14aとの間に印加される電
界が小さくなり、冷陰極10と電子放出部ゲート電極1
4aとの間のリーク電流は小さくなる。
【0031】このようにして、抵抗層13が形成する抵
抗により、冷陰極10と電子放出部ゲート電極14aと
の間のリーク電流が制限されるので、リーク電流によっ
て電子放出部が破壊されるのを防止する。
【0032】本出願人は、図2(A)〜(H)に示した
工程によって作製した、抵抗層13、電子放出部ゲート
電極14aおよび共通ゲート電極14bが形成された電
界放出型電子源装置Jと、図2(A)〜(H)に示した
工程のなかで図2(E)および図2(H)を省略した工
程によって作製した、抵抗層13が形成されておらず、
かつ、ゲート電極層14が電子放出部ゲート電極14a
と共通ゲート電極14bとに分離されていない従来例の
電界放出型電子源装置Kについて、陽極電流とゲート電
流の測定を行った。
【0033】電界放出型電子源装置J、Kはともに、電
子放出部のピッチ20μm、電子放出部の個数1×10
4 個である。電界放出型電子源装置J、Kはともに、真
空容器内に配置され、電界放出型電子源装置から1mm
離れた位置にステンレス製の板状の陽極が配置され、陰
極−陽極間電圧200V、真空度1×10-9Torrに
て測定が行われた。電界放出型電子源装置Jについて
は、陰極−ゲート電極間電圧90Vのとき、陽極電流2
mA、ゲート電流1μA以下であり、陰極−ゲート電極
間電圧100Vにて破壊が生じ、その後、陰極−ゲート
電極間電圧10Vにて陽極電流1μA以下、ゲート電流
100mA以上であった。電界放出型電子源装置Kにつ
いては、陰極−ゲート電極間電圧60Vのとき、陽極電
流200μA、ゲート電流5μAであり、陰極−ゲート
電極間電圧70Vにて破壊が生じ、その後、陰極−ゲー
ト電極間電圧10Vにて陽極電流1μA以下、ゲート電
流100mA以上であった。
【0034】このように、本発明による装置Jの方が、
従来例の装置Kよりもゲート電流が小さく、また、電流
放出能力、破壊電圧も優れていることがわかる。
【0035】尚、本実施例においては、基板にはシリコ
ン基板11を使用したが、これに限定されるものではな
く、他の半導体や金属あるいはガラス等の基板に半導体
や金属をコートした基板を用いてもよい。
【0036】また、シリコン基板11のエッチングマス
クとして熱酸化による二酸化シリコン層15を使用した
が、エッチングマスクの材料や形成法は、これに限定さ
れるものではなく、基板の種類とエッチング方法に応じ
たエッチングマスクの材料を用いればよく、また、拡散
や堆積によって形成してもよい。
【0037】更に、シリコン基板11のエッチングをド
ライエッチングで行ったが、ウエットエッチングで行っ
てもよい。
【0038】そして、抵抗層13には斜め回転蒸着によ
るシリコンを使用したが、抵抗層の材料や形成法は、こ
れに限定されるものではなく、他の抵抗体を用いてもよ
く、抵抗層13はスパッタリングにより堆積させてもよ
い。
【0039】更に、ゲート電極層14にはモリブデンを
使用したが、これに限定されるものではなく、他の金属
や合金、導電性の酸化物、窒化物を用いてもよい。
【0040】次に、本発明の電界放出型電子源装置の第
2の実施例を図を参照しながら説明する。
【0041】本実施例の電界放出型電子源装置は、図3
に示すように、シリコン基板11と、冷陰極10と、絶
縁層12と、抵抗層13と、ゲート電極層14とから構
成されている。
【0042】ここで、図4を参照して本発明の電界放出
型電子源の製造方法の実施例を説明する。
【0043】まず、図4(A)に示すように、比抵抗ρ
=0.01〜0.02Ω・cmのn型シリコン基板11
の表面を熱酸化し、厚さが0.2〜0.3μmの熱酸化
シリコン層15を形成する。そして、熱酸化シリコン層
15の表面にレジストを用いて例えば円形のパターンを
形成し、熱酸化シリコン層15をエッチングすることに
より、図4(B)に示すような円形の熱酸化シリコンマ
スク15aを形成する。
【0044】それから、前記熱酸化シリコンマスク15
aを用いてシリコン基板11の表面をドライエッチング
法により等方的にエッチングし、図4(C)に示すよう
に、円錐形状に突出した冷陰極10を構成するための凸
部11aをシリコン基板11の表面に形成する。本実施
例では凸部11aは円錐形状であるが、冷陰極10を構
成するための凸部11aの形状はこれに限るものではな
い。更に、凸部11aが形成されたシリコン基板11の
表面を熱酸化し、図4(D)に示すように、0.3〜
0.5μm程度の厚さを有する熱酸化シリコン層12a
を成長させる。この熱酸化の際に、シリコン基板11の
凸部11aの表面も同時に熱酸化され、円錐形状の冷陰
極10が形成される。
【0045】そして、前記冷陰極10を含むシリコン基
板11を真空蒸着装置内に配置し、図4(E)に示すよ
うに、冷陰極10の垂線16を軸にシリコン基板11を
回転させながら、抵抗層13となるシリコンを、シリコ
ン基板11に対して図中矢印Aで示す斜め上方から蒸着
することによって、厚さ0.1〜0.5μm程度の抵抗
層13を、前記凸部11aから形成した冷陰極10の先
端部よりも裾野側の基板11上に形成された二酸化シリ
コン層12aと二酸化シリコンマスク15a上とに堆積
させる。それから、図4(F)に示すように、前記シリ
コン蒸着時と同様に、前記シリコン基板11を回転させ
ながら、ゲート電極層14を構成するモリブデンを、前
記シリコン基板11に対して図中矢印Aで示す斜め上方
から蒸着し、厚さ0.3μm程度のゲート電極層14を
堆積させる。但し、前記モリブデン蒸着時においては、
垂線16と回転させる軸との角度を、図4(E)に示す
工程のそれよりも小さくし、冷陰極10の先端部よりも
さらに裾野側の基板11上に形成された二酸化シリコン
層12aと二酸化シリコンマスク15aとを覆う抵抗層
上に堆積させる。
【0046】最後に、電子放出源として不要な二酸化シ
リコンマスク15aと前記冷陰極10の先端を覆ってい
る二酸化シリコン層12aの一部とをフッ酸とフッ化ア
ンモニウムとの混合水溶液からなるエッチング材料によ
り除去し、図4(G)に示すように、シリコン基板11
が含む冷陰極10の先端部を露出させる。これによっ
て、絶縁層12、抵抗層13、ゲート電極層14の各層
は、冷陰極10の先端部を取り囲んで冷陰極10の先端
部分が露出するように形成され、抵抗層13の冷陰極1
0の近傍の表面は、冷陰極10の先端部の高さと同程度
の高さを有するように形成される。
【0047】前記製造方法によって、図4(G)および
図3に示す本発明の電界放出型電子源装置が作製され
る。
【0048】図3に示すように、本実施例の冷陰極10
は、基板電極としてのシリコン基板11上に円錐状に突
出するように形成されている。前記シリコン基板11が
含む冷陰極10の先端部の裾野側には絶縁層12が形成
されている。前記絶縁層12は、基板電極をなすシリコ
ン基板11の表面を酸化することにより形成されたもの
である。前記絶縁層12上には、抵抗層13が形成され
ている。さらに、前記抵抗層13上には、冷陰極10か
ら電子を放出させるために正電圧が印加される電界印加
電極としてのゲート電極層14が、抵抗層13よりもさ
らに冷陰極10の先端部の裾野側に積層されている。
【0049】ゲート電極14に正電圧を印加したとき
に、冷陰極10とゲート電極14との間に電流が流れな
ければ、抵抗層13の冷陰極10の先端部に近接した部
分は、しばらく時間が経過した後にゲート電極14と同
電位になる。しかし、冷陰極10とゲート電極14との
間にリーク電流が流れると、ゲート電極14と冷陰極1
0との間の抵抗層13での電圧降下により、抵抗層13
の冷陰極10の先端部に近接した部分の電位は、抵抗層
13を通じて流れる電流の大きさに応じて、電極14の
電位よりも低くなる。その結果、冷陰極10に印加され
る電界が小さくなり、冷陰極10とゲート電極14との
間のリーク電流は小さくなる。
【0050】このようにして、抵抗層13が形成する抵
抗により、冷陰極10とゲート電極14との間のリーク
電流が制限されるので、リーク電流によって電子放出部
が破壊されるのを防止する。
【0051】本出願人は、図4(A)〜(G)に示した
工程によって作製した抵抗層13、およびゲート電極1
4が形成された電界放出型電子源装置Lについて、陽極
電流とゲート電流の測定を行った。電界放出型電子源装
置Lは、電子放出部のピッチ20μm、電子放出部の個
数1×104 個である。電界放出型電子源装置Lは、真
空容器内に配置され、電界放出型電子源装置から1mm
離れた位置にステンレス製の板状の陽極が配置され、陰
極−陽極間電圧200V、真空度1×10-9Torrに
て測定が行われた。
【0052】電界放出型電子源装置Lについては、陰極
−ゲート電極間電圧95Vのとき、陽極電流2mA、ゲ
ート電流1μA以下であり、陰極−ゲート電極間電圧1
10Vにて破壊が生じ、その後、陰極−ゲート電極間電
圧10Vにて陽極電流1μA以下、ゲート電流100m
A以上であった。
【0053】このように、本実施例による装置Lの方
が、従来例の装置Kよりもゲート電流が小さく、また、
電流放出能力、破壊電圧も優れていることがわかる。
【0054】尚、上述実施例においては、基板にはシリ
コン基板11を使用したが、これに限定されるものでは
なく、他の半導体や金属あるいはガラス等の基板に半導
体や金属をコートした基板を用いてもよい。
【0055】また、シリコン基板11のエッチングマス
クとして熱酸化による二酸化シリコン層15を使用した
が、エッチングマスクの材料や形成法は、これに限定さ
れるものではなく、基板の種類とエッチング方法に応じ
たエッチングマスクの材料を用いればよく、また、拡散
や堆積によって形成してもよい。
【0056】更に、シリコン基板11のエッチングをド
ライエッチングで行ったが、ウエットエッチングで行っ
てもよい。
【0057】
【0058】また、ゲート電極層14にはモリブデンを
使用したが、これに限定されるものではなく、他の金属
や合金、導電性の酸化物、窒化物を用いてもよい。
【0059】次に、本発明の電界放出型電子源装置の第
3の実施例を図を参照しながら説明する。
【0060】本実施例の電界放出型電子源装置は、上述
した第1の実施例において図2(E)に示した工程によ
って形成する抵抗層13の材料にシリコンゲルマニュー
ムを用い、スパッタリングにより堆積させた以外は、全
く同じ方法で電界放出型電子源装置Mを作製した。
【0061】電界放出型電子源装置Mは、電子放出部の
ピッチ20μm、電子放出部の個数×104 個である。
電界放出型電子源装置Mは、真空容器内に配置され、電
界放出型電子源装置から1mm離れた位置にステンレス
製の板状の陽極が配置され、陰極−陽極間電圧200
V、真空度1×10-9Torrにて測定が行われた。電
界放出型電子源装置Mについて、電界放出型電子源装置
Mへの照射光強度1nW/cm2 以下において、陰極−
ゲート電極間電圧90Vのとき、陽極電流2mA、ゲー
ト電流1μA以下であり、陰極−ゲート電極間電圧10
0Vにて破壊が生じ、その後、陰極−ゲート電極間電圧
10Vにて陽極電流1μA以下、ゲート電流100mA
以上であつた。
【0062】また、電界放出型電子源装置Mへの波長6
32.8nmのレーザ光による照射光強度1mW/cm
2 において、陰極−ゲート電極間電圧90Vのとさ、陽
極電流2mA、ゲート電流1μA以下であり、陰極−ゲ
ート電極間電圧100Vにて破壊が生じ、その後、陰極
−ゲート電極間電圧10Vにて陽極電流1μA以下、ゲ
ート電流100mA以上であった。
【0063】また、上述第1の実施例に記載した電界放
出型電子源装置Jについて、電界放出型電子源装置Jへ
の波長632.8nmのレーザ光による照射光強度1m
W/cm2 において、陰極−ゲート電極間電圧70Vの
とき、陽極電流250μA、ゲート電流1μA以下であ
り、陰極−ゲート電極間電圧85Vにて破壊が生じ、そ
の後、陰極−ゲート電極間電圧10Vにて陽極電流1μ
A以下、ゲート電流100mA以上であった。
【0064】このように、第3の実施例による電界放出
型電子源装置Mの方が、従来例の電界放出型電子源装置
Jよりも、光照射によるゲート電流、電流放出能力、破
壊電圧の性能低下が小さく優れていることがわかる。
【0065】尚、上述実施例においては、抵抗層13に
はスパッタリングによるシリコンゲルマニュームを使用
したが、抵抗層の材料や形成法は、これに限定されるも
のではなく、また、抵抗層13は蒸着により堆積させて
もよい。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【発明の効果】 請求項に記載の電界放出型電子源装置
の製造方法によれば、抵抗層上に形成され、個々の電子
源を構成する第1のゲート電極部と全体のゲート電極を
構成する第2のゲート電極部とを含み、個々の電子放出
部の破壊が生じにくい電界放出型電子源装置を容易にか
つ高歩留まりで製造することができる。
【0074】請求項に記載の電界放出型電子源装置の
製造方法によれば、絶縁層上及び陰極の先端部分の近傍
に形成された抵抗層と、抵抗層上の陰極の先端部分を囲
う部分を除く部分に、陰極から電子を引き出すために形
成されたゲート電極とを含み、電子放出部の破壊が生じ
にくい電界放出型電子源装置を容易にかつ高歩留まりで
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電界放出型電子源装置の一実施例
を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る電界放出型電子源装置の製造方法
を示す断面図である。
【図3】本発明に係る電界放出型電子源装置の一実施例
を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る電界放出型電子源装置の製造方法
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 冷陰極 11 シリコン基板 12 絶縁層 13 抵抗層 14 ゲート電極層 14a 電子放出部ゲート電極 14b 共通ゲート電極 15 二酸化シリコン層 15a 二酸化シリコンマスク
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−84478(JP,A) 特開 平8−31347(JP,A) 特開 平8−236013(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電界において電子を放出する電界放出
    型電子源装置の製造方法であって半導体又は金属からなる基板上に、陰極を形成すること
    となる突出した部分を形成するステップと、 前記突出した部分を含む前記基板表面上に、酸化するこ
    とによって絶縁層を形成するステップと、 前記絶縁層上の前記突出した部分の先端部分を除いた部
    分に抵抗層を形成するステップと、 前記抵抗層上にゲート電極層を形成するステップと、 前記絶縁層の前記突出した部分の先端部分を除去して陰
    極の先端部分を露出させるステップと、 前記ゲート電極の、前記陰極の先端部分を囲う部分とそ
    の他の部分とを分離するステップ とを含む電界放出型電
    子源装置の製造方法
  2. 【請求項2】 高電界において電子を放出する電界放出
    型電子源装置の製造方法であって半導体又は金属からな
    る基板上に、陰極を形成することとなる突出した部分を
    形成するステップと、 前記突出した部分を含む前記基板表面上に、酸化するこ
    とによって絶縁層を形成するステップと、 前記絶縁層上の前記突出した部分の先端部分を除いた部
    分に抵抗層を形成するステップと、 前記抵抗層上の前記突出した部分の先端部分を囲う部分
    を除いた部分にゲート電極層を形成するステップと、 前記絶縁層の前記突出した部分の先端部分を除去して陰
    極の先端部分を露出させるステップ とを含む電界放出型
    電子源装置の製造方法
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